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畜産研究センター
30 愛媛ブランド牛開発プロジェクト
畜産研究センター
愛媛あかね和牛は、脂肪の取り過ぎを気にする消費者に対してアピ
ールできる赤身と脂肪がバランスよく調和した柔らかくおいしい牛
肉を目指しています。
愛媛あかね和牛は、愛媛生まれ、愛媛育ち
遺伝子
検査画像
酪農家の乳牛(ホルスタ
イン種)に受精卵を移植し
ブランド牛の子牛(黒毛
和種)を生ませます
愛媛あかね和牛の基礎とな
るスーパー雌牛を導入(平24)
受精卵
遺伝子検査で効果的に改良
し、受精卵移植技術で効率的
に増頭
愛媛の特産みかん
果皮を飼料に添加
短期間で育つ増体のよい
牛にすることで、肥育農
家の収益性も向上します
肉の熟成技術を活用した
高付加価値化についても
研究しています
健康かつ短期間で育てるために
専用飼料による独自の肥育技術
牛肉に含まれる美味
しさ(各種成分)を分
析
様々な分野で活躍する女性が、試食会
や視察等の活動を通じて、消費者の
目線で情報発信をおこなっています
有名シェフによるブランド牛の
肉質に合った料理も開発中
「愛媛あかね和牛大好き!隊」
によるPR活動
えひめ
31 愛
媛
あ ま
甘
と
ろ
ぶ た
豚
畜産研究センター
○愛媛のこだわりブランド豚
中四国一の生産を誇る本県の養豚をPRし、生産振興を図るため、
中ヨークシャー種を利用したブランド豚を開発(平成22年販売開始)
 県産裸麦を配合した専用飼料
 稀少な中ヨークシャー種を父として、昔ながらの豚の味を再現・復活
 一般豚に比べてオレイン酸が豊富
認知度は向上しているけど、生産
拡大のために一層のブランドの強
化に取り組んでいるよ
愛媛甘とろ豚出荷頭数の推移
京阪神等へ
の出荷開始
量販店での
県全域販売
○ブランドの強化のために
生産面での取り組み



優良な中ヨークシャー種雄豚の選抜と
農家への安定的な供給
センターによる定期的な農場調査・肉質
検査の実施と技術指導
販売面での取り組み

知事トップセールス

県営業本部、ブランド戦略課による販
売支援

生産者自身による県内外でのPR活動
普及協議会(生産者、販売者等)での定
期的な検討会・勉強会の開催
36℃の口溶け、
純白の脂身が美味しい
中ヨークシャー種(雄)
生産農場での
生産者による京阪
神等での販売促進
企業と連携したブラ
ンド力向上活動
技術検討会
しゃくれた顔が特徴、
性格は温順で、頑健
毎月16日は「愛媛甘とろ豚の日」
32 自給飼料の不耕起栽培技術
畜産研究センター
【背景と目的】
自給飼料の播種時期には、作業が集中するため、多大な労力を必要とします
が、高齢化等で十分な労力を確保できない畜産農家が少なくありません。
そのため、不耕起対応高速播種機による飼料栽培技術を開発し、自給飼料の
増産と低コスト省力化に取り組んでいます。
【試験期間】
平成26~28年度
【結果の概要】
燃料消費量:約70%減
作業
土づくり
耕起・砕土・整地
施肥
播種
覆土
除草剤散布
合計
作業時間:約60%減
燃料
慣行法
不耕起
16
16
58
―
2
2
5
5
15
―
4
4
100
27
作業時間
慣行法 不耕起
16
16
48
―
5
5
11
11
8
―
12
12
100
44
不耕起対応高速播種機
H25
国が開発
日本の小規模ほ場用として小型
トラクタで使用可能
不耕起栽培したとうもろこし
33 青汁(ケール)搾り粕の乳牛への飼料利用
畜産研究センター
青汁製造時に発生する大量の搾り粕が廃棄物として処理されているため、乳
牛の飼料として加工・利用する技術を開発し、飼料自給率の向上と地域の資源
循環の構築による産業の活性化を図っています。
【背景と目的】
・アブラナ科の野菜
(キャベツの仲間)
ケール
西予市(野村町)にある青汁製造工場では、
年間約600トンの青汁の搾り粕が発生
産業廃棄物
西予市は、酪農が盛んな地域
【試験期間】
・主な用途:青汁の材料
搾り粕の飼料利用を実用化
工場のメリット:廃棄物減量
酪農家のメリット:飼料費低減
↓
飼料自給率の向上
資源循環型社会の推進
平成22~24年度
成分を守るための
黒い遮光袋
【結果の概要】
乳酸菌等を加え攪拌
空気を抜いて袋詰め
約1か月寝かせて完成
乳酸発酵させる
牛の嗜好性も抜群
たんぱく質、エネルギ
ー、ビタミンE、β-カロ
テンが豊富な飼料
近隣の酪農家が利用
(輸入飼料の一部代替)
給与により生乳中のビ
タミンEが増加する効果
等も認められました
ひめっこじどり
34 媛っこ地鶏
養鶏研究所
○全国でも珍しい四元交配の地鶏
発育がよく経済性が高い銘柄鶏開
発のニーズを受け、肉質は良いが
生産コストの面に課題があった
「伊予路しゃも」をもとに、平成
8年から7年をかけて開発
(平成15年販売開始)
○普及のための取り組み
媛っこ地鶏の生産地域
上島町
今治市
・振興協議会を設置し、飼育基準を策定
(徹底した生産管理)
松山市
松前町
伊予市
伊万町
八幡浜市 大洲市
・平成17年 商標登録
内子町
・平成18年 「愛」あるブランド産品に認定
・農業高校へ教材として雛を配布
砥部町
久万高原町
西予市
・新規参入者へのバックアップ
(異業種参入者も多くいます)
東温市
西条市
新居浜市
四国中央市
地域別出荷羽数(25年度)
東予
7,000
鬼北町
宇和島市
松野町
南予
21,000
愛南町
各地に生産が
(将来の生産者の確保)
広がっています
○生産費低減のために
飼料用米や食品残さの給与技術を確立し、
飼料費低減や付加価値販売ができるよう技
術支援を行っています。
媛っこ地鶏の出荷羽数の推移
万羽
販売額2.1億円
飼料米、いりこ混合飼料
粉砕した「いりこ」の
残さ(規格外品)
各地域の身近な食
品残さを利用します
中予
42,000
35 鶏卵の高付加価値化
養鶏研究所
【背景と目的】
採卵養鶏農家は、配合飼料価格の高騰による生産コストの増加や消費者ニーズの
多様化等により、一層の経営改善が求められています。その手段の一つとして、鶏
卵の差別化、高付加価値化により収益を向上させようとしています。
【試験期間】
平成27年
~ 平成30年
【現状及び結果の概要】
抗酸化作用等を有し健康増進に効果があると言われている機能性成分、β-クリプ
トキサンチンを多量に含む陳皮(温州みかん果皮乾燥)及び柿皮(あんぽ柿剥皮)を配
合飼料に1~4%添加給与したところ、産卵性や卵質に問題はなく、β-クリプトキ
サンチンの卵黄への高い移行を確認しました。県内の温州みかん及び渋柿の生産量
は多く、現在、その加工残渣の有効利用を図るべく、鶏卵生産販売業者と連携して
商品開発に取り組んでいます。
【β-クリプトキサンチン】
・温州みかんに多く含まれるカロテノイド
の一種(β-カロテンなどの仲間)
・強い抗酸化作用により、多彩な健康機
能が期待される成分として注目
(骨粗しょう症予防効果、糖尿病進行抑制効果、抗がん作用など)
・含有する果物・野菜 温州みかん、とうがらし、柿、パパイア、びわ など
陳皮
柿皮(剥皮、生)
柿皮(乾燥粉砕)
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