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2-5
ヤマハネットワークボード
SRCD/SRCP
ERCX/SRCX/DRCX
DeviceNet
取扱説明書
JAPANESE
J
ヤマハ発動機株式会社
IM事業部 ロボットビジネス部
〒435-0054 静岡県浜松市中区早出町882
TEL 053-460-6103
J73-Ver. 3.01
はじめに
このたびは、ヤマハ 1 軸、2 軸ロボットコントローラ SRCP/SRCD/ERCX/SRCX/DRCX シリーズ用
DeviceNet ユニットをご購入いただき、まことにありがとうございます。
本ユニットは FA フィールドネットワーク規格として広く普及している DeviceNet にヤマハ 1 軸、2 軸ロボ
ットコントローラ SRCP/SRCD/ERCX/SRCX/DRCX シリーズ(以降、コントローラと表記します)を接続
可能とするオプションユニットです。
この取扱説明書では DeviceNet ユニットを正しく安全に、また効果的にご使用いただくために、安全対
策、配線、設定、動作までの流れを設定例と共に記述しております。ご使用前に必ずお読みください。
また、お読みになった後も、必要事項を随時参照できるように安全で取り出しやすい場所においてご使
用ください。移設等の際には本体に必ずこの取扱説明書も添付し、最終ユーザに対してこの取扱説明
書を熟読するよう説明願います。
なお、この取扱説明書には DeviceNet ユニットに関係する内容のみ記述してあります。コントローラの
基本操作やプログラミング方法等に関してはコントローラの取扱説明書を参照願います。
また、HPB の画面例は 2 軸ロボットコントローラ DRCX シリーズ(以降、2 軸コントローラと表記します)
の画面を用いておりますので、1 軸ロボットコントローラ SRCP/SRCD/ERCX/SRCX シリーズ(以降、1
軸コントローラと表記します)の場合では若干表示が異なる場合があります。ただし、機能的には問題
ありませんのであらかじめご了承願います。
ご注意
‹ 本書の内容は将来予告なしに変更する事があります。
‹ 本書の内容については、万全を期しておりますが、万一誤り、不明点、お気づきの点がございまし
たらご連絡ください。
‹ 本書によって、工業所有権その他の権利の実施に対する保証、または実施権を許諾するもので
はありません。また、本書の掲載内容の使用により起因する工業所有権上の諸問題については、
当方は一切その責任を負うことはできません。
目次
第 1 章 安全上のご注意 __________________________________ 1
1-1
1-2
1-3
1-4
1-5
1-6
基本的注意事項 ............................................................................................................2
設計上の注意事項.........................................................................................................2
取り付け、配線作業上の注意事項 .................................................................................3
立ち上げ、保守上の注意事項 ........................................................................................4
廃棄時の注意事項.........................................................................................................4
保証 ..............................................................................................................................5
第 2 章 DeviceNetユニット ________________________________ 7
2-1
2-2
2-3
2-4
2-5
DeviceNetユニットの特長 .............................................................................................8
DeviceNetシステムのしくみ...........................................................................................9
DeviceNetケーブルの接続方法 ..................................................................................10
パラレルI/Oコネクタの処理........................................................................................... 11
コントローラ側(スレーブ局)のシステム設定 .................................................................13
2-5-1 DeviceNetユニットの有効化 ________________________________________ 13
2-5-2 MAC IDと通信速度の設定方法 _____________________________________ 14
2-5-3 MAC IDと通信速度の確認方法 _____________________________________ 15
2-6 シーケンサ側(マスタ局)の設定....................................................................................16
2-6-1 コントローラとのデータ送受信処理 ___________________________________ 16
2-7 I/O入出力詳細 .............................................................................................................17
2-7-1 プロファイル(I/O信号表) ___________________________________________ 17
2-7-2 専用命令入力 ____________________________________________________ 18
2-7-3 汎用入力(SI200~SI215) __________________________________________ 22
2-7-4 インターロック(LOCK) ____________________________________________ 23
2-7-5 非常停止入力(EMG) _____________________________________________ 23
2-7-6 サービスモード(SVCE) ____________________________________________ 24
2-7-7 専用出力 ________________________________________________________ 25
2-7-8 汎用出力(SO200~SO215) ________________________________________ 26
2-8 タイミングチャート .........................................................................................................27
2-8-1 コントローラの電源投入直後 ________________________________________ 27
2-8-2 専用入力命令の実行時 ____________________________________________ 28
2-8-3 インターロック入力時 ______________________________________________ 32
2-8-4 非常停止入力時 __________________________________________________ 33
2-8-5 アラーム発生時 __________________________________________________ 34
2-8-6 ポイント移動命令の実行 ___________________________________________ 35
2-9 I/O割付変更機能 .........................................................................................................36
2-9-1 I/O割付変更とは _________________________________________________ 36
2-9-2 I/O割付一覧 _____________________________________________________ 37
2-9-3 I/O割付選択パラメータ詳細 ________________________________________ 39
2-9-4 入出力信号詳細 __________________________________________________ 41
2-9-5 タイミングチャート _________________________________________________ 46
2-10 ロボット言語 ...............................................................................................................56
2-11
2-12
2-13
2-14
2-15
2-16
2-10-1 MOVF _________________________________________________________ 56
2-10-2 JMPF__________________________________________________________ 57
2-10-3 JMPB _________________________________________________________ 58
2-10-4 DO ____________________________________________________________ 58
2-10-5 WAIT __________________________________________________________ 59
パラレルDIOの疑似シリアル化機能........................................................................... 60
その他の操作 ........................................................................................................... 62
2-12-1 シリアル入出力の表示 ____________________________________________ 62
2-12-2 汎用出力のマニュアル制御 ________________________________________ 63
エラーメッセージ ........................................................................................................ 64
トラブルシュート ......................................................................................................... 65
仕様.......................................................................................................................... 67
2-15-1 ユニット基本仕様 _________________________________________________ 67
2-15-2 DeviceNet仕様 __________________________________________________ 68
補足.......................................................................................................................... 74
2-16-1 EDSファイル ____________________________________________________ 74
サービス依頼票
第 1 章 安全上のご注意
第 1 章 安全上のご注意
1
第 1 章 安全上のご注意
1-1 基本的注意事項
本製品のご使用に関しては、本取扱説明書及びコントローラの取扱説明書をお読みいた
だくと共に、安全に対して十分注意を払って正しく取り扱いいただくようお願いいたしま
す。
この取扱説明書で示す注意事項は、本製品に関連するものにのみ記載しています。本
製品を使用したコントローラとしての安全上のご注意に関してはコントローラの取扱説明
書を参照願います。
この取扱説明書にすべての安全性に関する項目を細部にわたり網羅することは困難で
す。したがって、取扱者自身の安全に対する正確な判断が非常に大切な要因となります
ことをご留意ください。
産業用ロボットは、高度にプログラミング可能な機械であり、動作上の大きな自由度をも
っています。そのため、ヤマハロボットを安全に正しくご使用いただくために、この章に載
せられた安全性に関する指示や注意に必ず従ってください。もし必要な安全対策を怠っ
たり、誤った取り扱いをした場合は、ロボットの故障や損傷を招くばかりでなく、使用者
(据え付け者、運転者、または調整・点検者など)のけがや、死亡を含む重大な事故につ
ながりかねません。
以後、本書では特に重要な注意事項を
注意
で示します。
1-2 設計上の注意事項
注意
DeviceNet システムにおいて、交信異常になったときなどのネットワークシステム及びコ
ントローラの状態については DeviceNet の取扱説明書及び本取扱説明書を参照しあら
かじめ確認してください。また、交信状態情報を使用し、コントローラを含めたシステムが
安全側に働くようにシーケンスプログラム上でインターロック回路を構成してください。
注意
DeviceNet ユニットには、レジスタ上に非常停止入力が割り付けられておりますが、これ
はあくまでもソフトウェアにおいて制御されているものであり、完全ではありません。した
がって、コントローラのパラレル I/O 上に設けられている非常停止端子を用いてハードウ
ェア的なインターロック回路を作成することを強く推奨します。
注意
制御線や通信ケーブルは主回路や動力線などと束ねたり、近接させたりしないでください。
100mm 以上を目安として離してください。ノイズによる誤動作の原因となります。
2
第 1 章 安全上のご注意
1-3 取り付け、配線作業上の注意事項
注意
取り付け、配線作業などは、必ず、コントローラ及びシステム全体の電源供給を切ってか
ら作業を行ってください。感電のおそれがあります。
コントローラへの通電後の場合、コントローラ内部には高温状態の場所や高い電圧が残
っている場所が存在します。ユニットを取り付ける場合などは、電源供給遮断後、5 分以
上放置してから作業を行うようにしてください。
注意
コントローラは必ずコントローラ取扱説明書記載の環境仕様で使用してください。環境仕
様の範囲外で使用すると、感電、火災、誤動作、製品の損傷あるいは劣化の原因になり
ます。
注意
コネクタの配線接続はメーカ指定の工具で正しく圧着、圧接もしくはハンダ付けし、コネク
タは確実にユニットに取り付けてください。接続不良による誤動作の原因になります。
注意
ユニットを取り付ける場合、ディップスイッチ以外の導電部分や電子部品には直接さわら
ないでください。
注意
コントローラ内に切り粉や配線クズなどの異物が入らないように注意してください。
注意
ネットワークケーブルは必ずダクトに納めるまたはクランプによる固定処理を行ってくださ
い。ケーブルのぶらつきや移動、不注意の引っ張りなどによるユニットやケーブルの破損、
接触不良による誤動作の原因となります。
注意
ケーブルを取り外すときなどケーブル部分を持って引っ張ったりせずに、コネクタ部を持
って取り外すようにしてください。ユニットやケーブルの破損、接触不良による誤動作の原
因となります。
3
第 1 章 安全上のご注意
1-4 立ち上げ、保守上の注意事項
注意
ロボットやコントローラは、絶対に分解しないでください。やむを得ずロボットやコントロー
ラの部品を交換したり修理する場合は、弊社からの指示に従って作業を行ってください。
注意
保守作業を行う場合には、必ず、コントローラ及びシステム全体の電源供給を切ってから
作業を行ってください。感電のおそれがあります。
コントローラへの通電後の場合、コントローラ内部には高温状態の場所や高い電圧が残
っている場所が存在します。ユニットの取り付けや取り外しを行う場合には、電源供給遮
断後、5 分以上放置してから作業を行うようにしてください。
注意
通電中に端子にふれないでください。感電、誤動作のおそれがあります。
1-5 廃棄時の注意事項
注意
製品を廃棄する場合には、産業廃棄物として扱ってください。
4
第 1 章 安全上のご注意
1-6 保証
お買い上げいただきましたヤマハ発動機株式会社(以下弊社)のロボット及び関連機器に万一不都合
が生じた場合は、以下のように保証いたします。
1. 保証の内容
お買い上げいただきました弊社製造のロボット製品(以降、本製品という)を構成する純正部品が
弊社の設計あるいは製作上の責任にて故障や不具合を生じた場合、下記に示す保証期間と条件
により、無償で修理いたします。
(以後これを保証修理と呼びます。)
2. 保証期間
保証期間は以下のいずれかに該当した場合に終了します。
保証期間
出荷後 18 ヶ月 ただし下記を除く
・据付後 12 ヶ月を経過したもの
保証修理対象部品
製品を構成する全部品 ただし下記を除く
・消耗部品および油脂液類
3. 保証の除外事項
◆ 次に示す事項は保証修理いたしません。
1) 取扱説明書群が指示する点検・保守・運用方法に対して怠慢・不備・間違いに起因する不具合
例: 定期点検の未実施や不備、純正および指定以外の部品やグリスの使用など異なる供
給電源、間違った入出力接続など
2) 取扱説明書群に規定された範囲外の保管・稼働環境条件に起因する不具合
例: 温度、湿度、雰囲気中の塵・埃・オイルミストなど
3) 取扱説明書群に記載された仕様・性能の限度を超える使用に起因する不具合
例: 実際と異なるパラメータ設定(可搬質量・加速度など)、仕様を超える速度設定など
4) 経時変化による劣化・不具合
例: 塗装・メッキの退色あるいは発錆、変質、その他の類似する事由
5) 品質・機能上に影響の無い音や振動などの感覚的現象 (異常な音や振動などは除外)
例: コントローラの動作音、モータの回転音など
6) お客様による改造・仕様変更に起因する不具合
7) 地震・津波・落雷・風水害などの天災、火災に起因する不具合
8) 公害・塩害・結露・異常電圧、衝突・転倒・落下などの事故に起因する不具合
9) 弊社または弊社が指定する業者以外による修理・整備に起因する不具合
10) 前記以外で弊社の責に帰すことの出来ない原因により生じた故障や不具合
11) 保証修理以外の依頼
例: 保証修理以外の使用説明、修理、点検・調整、清掃など
◆ 次に示すものは保証対象としません。
1) 製造シリアルまたは製造年月が確認できない製品
2) お客様が作成および変更されたプログラム、ポイントなどの内部データ
3) 弊社にて再現できないあるいは原因特定できない製品
4) 保証修理作業に危険があると弊社が判断した製品
例: 放射線設備や生体検査設備などに使用し、修理上の安全が十分に確保されていないと
弊社が判断した場合
5
第 1 章 安全上のご注意
4. 保証の適用について
1) この保証は、日本国内で販売し使用される本製品に適用されます。したがって、海外に設置や移
動した本製品は、保証修理の対象となりません。
2) この保証は、本製品単体の保証とします。したがって、本製品の故障や不具合に起因する付随
的損害(本製品の施工、修理、撤去に要した諸費用、他の機器の故障および損傷、本製品使用
によって得るであろう利益の喪失、精神的な損害など)の保証には応じません。
3) 保証修理として交換した部品は、すべて弊社の所有となります。理由無くこの部品が 30 日以内
に弊社が指定する場所に返却されない場合は、保証修理は適用されません。
4) この保証は、カタログに記載される標準仕様の製品に適用されます。特殊仕様および特記事項
を含む特注仕様の内容は保証範囲外とし、特注仕様書または特注仕様図の取り交わし時に別
途定めるものとします。
製品について
■ 本製品を使用して製造した製品に関し、第三者から特許権・知的財産権・その他の権利
に対する侵害を理由として損害賠償等の請求を受けたとしても、弊社はその補償には応
じません。
■ 本製品は、一般産業機器に使用されることを意図しています。特別に高い品質・信頼性
が要求され、その故障や誤動作が直接人命・財産を脅かしたり、人体に危害を及ぼす恐
れのある機器(原子力制御機器、航空宇宙機器、輸送機器、交通信号機器、燃焼制御、
生命維持のための医療機器、各種安全装置など)に使用すること(以下、特定用途とい
う)は意図されておりませんし、また保証もされていません。本製品を特定用途に使用す
ることは、お客様の責任でなされることとなります。
■ 本書によって、工業所有権その他の権利の実施に対する保証、または実施権を許諾す
るものではありません。また、本書の掲載内容の使用により起因する工業所有権上の諸
問題については、当方は一切その責任を負うことは出来ません。
6
第 2 章 DeviceNet ユニット
第 2 章 DeviceNet ユニット
7
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-1 DeviceNetユニットの特長
DeviceNet とは、米国 Allen-Bradley 社が開発した FA フィールドネットワークです。その
後、ODVA(DeviceNet の世界的な普及を目指して設立された団体)に技術の所有権が
移管され、現在はその仕様が完全にオープンとなり、国内外の様々なメーカで
DeviceNet に準拠した製品が開発されています。そのため、DeviceNet を使用することで、
PLC、パソコン(PC)、センサ、アクチュエータなどの様々な制御機器間の相互接続が容
易に行えます。また省配線が可能なため、配線作業の効率化や設置費用・メンテナンス
費用の削減などが期待できます。
DeviceNet ユニットの特長は次の通りです。
„ コントローラを DeviceNet システムに接続することができます。ユニットはその
ままコントローラ内部に組み込めますので、設置に余分なスペースを必要とし
ません。
„ ロボットシステムとシーケンサを接続するケーブルは、1 本(5 線)の専用ケーブ
ルだけです。これにより、システム全体の省配線化を実現することができ、配
線作業の効率化や設置費用・メンテナンス費用の削減などが期待できます。
„ 利用可能な I/O は汎用入出力が各 16 点、専用入出力が各 16 点です。もちろ
んパラレル I/O インターフェイスもそのままご使用できます。
„ パラレル I/O の疑似シリアル化を行うことができます。
設定により、コントローラのパラレル I/O に接続されたセンサ、リレーなどの各
種 I/O 機器をロボットプログラムを使用しないで、あたかも DeviceNet システム
の I/O であるかのようにシーケンサ側から制御できます。
なお、マスター局シーケンサの接続やシーケンスプログラムなど、他の機器についての
詳細は、その製品の取扱説明書をご参照ください。
また、コントローラ本体の操作ならびにロボットプログラミングに関してはコントローラの取
扱説明書をご参照ください。
※DeviceNet は Open DeviceNet Vendor Association, Inc. (ODVA) の登録商標です。
8
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-2 DeviceNetシステムのしくみ
コントローラとシーケンサが DeviceNet システムを通じてどの様に動作するのかを理解し
ていただくために、簡単に交信のしくみについて説明します。
DeviceNet システムでは、ネットワークに接続されている各機器の機能により各機器は
大きくマスタ局及びスレーブ局に分類されます。マスタ局はデータの集配信を管理する局
であり、シーケンサのマスタユニットがこれにあたります。スレーブ局はマスタ局に制御さ
れる局であり、マスタ局の要求に基づいてデータの応答を行います。
なお、DeviceNet ユニットを取り付けたコントローラはスレーブ局として動作し、マスタ局と
の間で I/O 情報のやりとりを行います。
マスタ局
データの集配信を管理する局です。
シーケンサのマスタユニットがこれにあたります。
①
スレーブ局
スレーブ局
DeviceNet システムに
おいてマスタ局に制御
される局です。
②
コントローラ
+
DeviceNet ユニット
スレーブ局として動作します。
① コントローラの ON/OFF 情報はネットワーク(DeviceNet システム用ケーブル)
を介してマスタ局に送られます。
② マスタ局シーケンサの ON/OFF 情報はネットワーク(DeviceNet システム用ケ
ーブル)を介してコントローラに送られます。
※コントローラは ON/OFF 情報を 10ms 周期で監視します。
メモ
DeviceNet ユニットを取り付けたコントローラは Generic Device として動作します。
MAC ID の設定や通信速度の設定はボード上のディップスイッチにて行います。(設定の
確認は HPB より行えます。)
DeviceNet ユニットにて扱える ON/OFF 情報は汎用入出力が各 16 点、専用入出力が各
16 点です。
ロボットプログラム上で ON/OFF 情報を取り扱うには DO 文,WAIT 文,JMPB 文等を使用
します。(DeviceNet のシリアル入出力は入出力番号の 200 番以降に割り付けられま
す。)
パラレル I/O の疑似シリアル化設定を行うことにより、特定の I/O ポートをプログラムから
独立して制御することが可能です。
9
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-3 DeviceNetケーブルの接続方法
付属の DeviceNet 接続プラグに、DeviceNet ケーブルを接続します。結線は下図もしく
はプラグの表示を参照し、間違いのないように接続してください。結線が終了したらプラ
グをコントローラの DeviceNet 接続コネクタ部分に接続してください。
1 2 3 4 5
DeviceNet
ケーブル
1. V-(黒)
2. CAN_L(青)
3. シールド
4. CAN_H(白)
5. V+(赤)
DeviceNet 接続プラグ
MSTB2,5/5-STF-5,08AU M
フェニックス・コンタクト製
DeviceNet
接続コネクタ
コントローラ
図 2-1 DeviceNetケーブルの接続
※DeviceNet 接続コネクタの 3 ピン(シールド)には配線接続しておりませんが使用上問
題ありません。ただし、お客様の判断でアース強化を行いたい場合にはこの端子を適時
ご使用いただいてかまいません。
注意
接続は電源を切った状態で行ってください。
ケーブルは確実に固定し、はずれないようにしてください。
ケーブルには無理な力を加えないように慎重に作業してください。
ケーブル長に関する制限がありますので、必ずマスタ局シーケンサの取扱説明書を参照
してください。
メモ
ケーブルの接続作業を行う前に、あらかじめ MAC ID 及び通信速度の設定を済ましてく
ださい。
(→「2-5-2 MAC IDと通信速度の設定方法」参照)
10
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-4 パラレルI/Oコネクタの処理
コントローラのパラレル I/O を使用しない場合でも下記の配線処理を行い、I/O コネクタを
コントローラに接続しておく必要があります。
„ ERCX/SRCX/DRCXシリーズの場合
1. 端子番号 A-24(EMG 1)と B-24(EMG 2)を短絡する。
2. 端子番号 B-4(LOCK)と A-15,B-15(0V)を短絡する。
3. 端子番号 A-13,B-13(+IN COM)に外部 24V を接続する。
(DRCX コントローラ及び SRCX コントローラでは外部 24V 電源の替わりに
A-14,B-14(+24V)を A-13,B-13(+IN COM)に接続しても可)
1 の処理を行わないと非常停止状態となり、2 の処理を行わないとインターロック
状態となるため、ともにロボット動作が禁止されます。3 の処理を行わないと I/O 入
出力回路に 24V 電源が供給されないため、アラーム(06:24V POWOR OFF)が
発生し、動作できません。
パラレル I/O の詳細な内容についてはコントローラ取扱説明書の「I/O インターフェ
ース」を参照願います。
B列1番
B列
A列1番
A列
DeviceNet ユニットには、レジスタ上に非常停止入力が割り付けられております
が、これはあくまでもソフトウェアにおいて制御されているものであり、完全ではあ
りません。したがって、上記の A-24(EMG1)と B-24(EMG2)を用いてハードウェ
ア的なインターロック回路を作成することを強く推奨します。
11
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ SRCP/SRCDシリーズの場合
1. EXT.CN の端子番号 1(EMG 1)と 2(EMG 2)を短絡する。
2. I/O.CN の端子番号 B-4(LOCK)と EXT.CN の端子番号 4(24G)を短絡する。
(ただし、PRM34(システムモード選択)の bit6(インターロック機能設定)を無
効にすることでこの配線処理を不要とできます。)
3. EXT.CN の端子番号 3(24V)と 4(24G)に外部 24V を接続する。
1 の処理を行わないと非常停止状態となり、2 の処理を行わないとインターロック
状態となるため、ともにロボット動作が禁止されます。3 の処理を行わないと I/O 入
出力回路に 24V 電源が供給されないため、アラーム(06:24V POWOR OFF)が
発生し、動作できません。
パラレル I/O の詳細な内容についてはコントローラ取扱説明書の「I/O インターフェ
ース」を参照願います
←左:I/O.CN コネクタピン配列
↓下:EXT.CN コネクタピン配列
DeviceNet ユニットには、レジスタ上に非常停止入力が割り付けられております
が、これはあくまでもソフトウェアにおいて制御されているものであり、完全ではあ
りません。したがって、上記の EXT.CN の端子番号 1(EMG1)と 2(EMG2)を用い
てハードウェア的なインターロック回路を作成することを強く推奨します。
12
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-5 コントローラ側(スレーブ局)のシステム設定
コントローラが DeviceNet システム上で正常にスレーブ局として認識されるためには、
MAC ID と通信速度の設定が必要です。
MAC ID と通信速度の設定はボード上のディップスイッチより行います。
設定はコントローラの再起動後より有効となります。
2-5-1 DeviceNetユニットの有効化
DeviceNet ユニットを利用可能にするためには、まずコントローラ側から DeviceNet ユニ
ットを認識できるようにする必要があります。
1) 初期画面において
(SYS)を押します。
[MENU]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1EDIT2OPRT3SYS 4MON

2) 続いて
(next)を押してファンクション表
示を切り替えた後、
(OPT)を押します。

[SYS]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1SAFE2OPT 3UTL 4next
3)
(DEV)を押します。
[SYS-OPT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1DEV 2NODE3SPD 4next
4) 現在の DeviceNet ユニットの認識状況が表
[SYS-OPT-DEV]
示されます。
ユニットをコントローラから認識させないよう D e v i c e N e t = 0
にするには 0 を、認識させるようにするには
0:ムコウ 1:ユウコウ
1 を 10 キーで入力し、最後にを押します。
5) 書き込みが完了すると 4)に戻ります。
[SYS-OPT-DEV]
DeviceNet = 1
0:ムコウ 1:ユウコウ
13
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-5-2 MAC IDと通信速度の設定方法
注意
作業を行う前に必ずコントローラへの電源供給を遮断してください。感電のおそれがあり
ます。
また、作業中には、ディップスイッチ以外の導電部分や電子部品には直接さわらないでく
ださい。
1) 全てのコネクタをコントローラより取り外したあと、コントローラ本体と上蓋を止めている
皿ネジ(上面 1 個、下面 1 個、背面 2 個(ERCX および SRCP/SRCD シリーズは 1 個))
を取り外し、上蓋をコントローラ本体から取り外します。
コントローラ本体より
上蓋を取り外す
2) DeviceNet ボード上にあるディップスイッチを変更し、MAC ID と通信速度を設定します。
MAC ID は 0~63 から、通信速度は 500K,250K,125K(単位:bps)から設定可能です。
なお、通信速度はマスタ局にあわせる必要があります。
MAC ID の設定は No.1~6 のスイッチで、通信速度の設定は No.7~8 のスイッチで行い
ます。
SW1
上側:ON,下側:OFF
《MAC ID 設定》
MAC
スイッチ No.
ID
6
5
4
3
2
#0 OFF OFF OFF OFF OFF
#1 OFF OFF OFF OFF OFF
#2 OFF OFF OFF OFF ON
#3 OFF OFF OFF OFF ON
:
:
:
:
:
:
#62 ON ON ON ON ON
#63 ON ON ON ON ON
1
OFF
ON
OFF
ON
:
OFF
ON
☆
ON
1 2 3 4 5 6 7 8
MAC ID 通信速度
《通信速度設定》
通信速度
スイッチ No.
8
7
125Kbps OFF OFF
250Kbps OFF ON
500Kbps ON OFF
設定禁止 ON ON
☆
☆:デフォルト設定
注意
ディップスイッチは確実にON側もしくはOFF側に移動させてください。ディップスイッチ
が中途半端な位置にあると、正常動作が期待できません。
ディップスイッチには無理な力をかけないでください。故障の原因となります。
3) 設定が終わったら上蓋をコントローラ本体に取り付け、元に戻します。
14
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-5-3 MAC IDと通信速度の確認方法
ボード上のディップスイッチで設定されている MAC ID と通信速度の設定状況が HPB よ
り確認できます。ディップスイッチ変更後、正しく設定されているかどうか必ず確認してく
ださい。
(SYS)を押します。
1) 初期画面において
[MENU]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1EDIT2OPRT3SYS 4MON

(next)を押してファンクション表
2) 続いて
示を切り替えた後、
(OPT)を押します。

[SYS]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1SAFE2OPT 3UTL 4next
(NODE)を押
3) MAC ID を表示するため、
します。
[SYS-OPT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1DEV 2NODE3SPD 4next
4) 現在設定されている MAC ID が表示されま
す。
[SYS-OPT-NODE]
MAC ID = 30
5)  を押すことにより、画面は 3)に戻りま
す。
同様に、通信速度を表示するため、
(SPD)を押します。

[SYS-OPT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1DEV 2NODE3SPD 4next
6) 現在設定されている通信速度が表示されま
す。
元に戻るには を押します。
[SYS-OPT-SPD]
ソクド
= 500K bps
15
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-6 シーケンサ側(マスタ局)の設定
DeviceNet システム上のマスタ局シーケンサは、リモート局に対する回線テストを行える
機能を有しています。その機能を利用して、実際の作業を行う前に確実にコントローラが
DeviceNet システム上のリモート局として認識されるかどうかを確認してください。詳しく
はマスタ局シーケンサの取扱説明書を参照願います。
2-6-1 コントローラとのデータ送受信処理
マスタ局シーケンサとコントローラとの間で、安全かつ正常にデータの送受信を行わせる
ために、以下の点をふまえてマスタ局シーケンサ側のシーケンスプログラムを組んでくだ
さい。
„ ネットワーク自体の異常に対応できるよう、ネットワークのステータス情報を入力条件
としてシーケンスプログラムを組んでください。(ステータス情報の取り込み方法はマ
スタ局シーケンサの取扱説明書を参照願います。)
„ コントローラ側でネットワークの異常を検出すると、コントローラは運転を中止し、サー
ボオフ状態となります。また、異常の間は DeviceNet からの I/O 入力は全て OFF と
認識します。ネットワークの異常が回復し次第、自動的に I/O 入力は復旧しますが、
サーボはサーボオフ状態を維持します。したがって運転を再開するには非常停止を
解除して、サーボ復帰専用命令(SERVO)を実行する必要があります。
„ コントローラの電源投入直後は必ずサーボオフ状態となります。ロボット運転を行う場
合には、非常停止を解除して、サーボ復帰専用命令(SERVO)を実行してください。
„ コントローラの電源投入直後はコントローラ自体の初期化処理が行われるため、すぐ
には通信を行えません。正常にコントローラが起動して通信が行える状態になると
END出力がONしますので、コントローラへの専用命令の入力は、END出力がONし
たのを確認してから行ってください。
(→「2-8-1 コントローラの電源投入直後」参照)
16
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-7 I/O入出力詳細
DeviceNet ユニットにて扱える ON/OFF 情報は専用入力が 16 点、汎用入力が 16 点、
専用出力が 16 点、汎用出力が 16 点です。
専用入力は割り当てられた機能により、専用命令入力 13 点、インターロック、サービスモ
ード、非常停止入力に細分されます。
※専用命令入力及び専用出力においては、現在予約となっており使用できないポートが
あります。
DeviceNet の I/O 入出力の機能及び使用方法は、コントローラが標準に持つパラレル
I/O の機能及び使用方法と基本的に変わりありません。
2-7-1 プロファイル(I/O信号表)
下表に DeviceNet ユニットのプロファイル一覧を示します。
それぞれの信号の詳しい説明は「2-7-2 専用命令入力」以降に記載してあります。
リモート入出力
出力
チャネル NO.
bit0
bit1
bit2
bit3
bit4
bit5
bit6
n
bit7
bit8
bit9
bit10
bit11
bit12
bit13
bit14
bit15
bit0
bit1
bit2
bit3
bit4
bit5
bit6
n+1 bit7
bit8
bit9
bit10
bit11
bit12
bit13
bit14
bit15
(リモート→マスタ)
信号名称
サーボ状態(SRV-O)
(ゾーン 0)
(ゾーン 1)
(ゾーン 2)
(ゾーン 3)
予約
原点復帰状態(ORG-O)
予約
予約
予約
予約
予約
予約
実行結果(END)
命令実行中(BUSY)
運転可能(READY)
SO200
SO201
SO202
SO203
SO204
SO205
SO206
SO207
SO208
SO209
SO210
SO211
SO212
SO213
SO214
SO215
入力
チャネル NO.
bit0
bit1
bit2
bit3
bit4
bit5
bit6
m
bit7
bit8
bit9
bit10
bit11
bit12
bit13
bit14
bit15
bit0
bit1
bit2
bit3
bit4
bit5
bit6
m+1 bit7
bit8
bit9
bit10
bit11
bit12
bit13
bit14
bit15
(マスタ→リモート)
信号名称
サーボ復帰(SERVO)
相対ポイント移動(INC-PT)
絶対ポイント移動(ABS-PT)
ステップ運転(STEP-R)
自動運転(AUTO-R)
リセット(RESET)
原点復帰(ORG-S)
インターロック(LOCK)
予約
予約
予約
予約
予約
予約
サービスモード(SVCE)
非常停止入力(EMG)
SI200
SI201
SI202
SI203
SI204
SI205
SI206
SI207
SI208
SI209
SI210
SI211
SI212
SI213
SI214
SI215
n,m:チャネル設定により、決まる値
メモ
・上記プロファイルは、I/O割付機能を有したコントローラでは、I/O割付選択パラメータが
「タイプ 0:従来タイプ」に設定されている場合のものです。他のタイプに設定した場合の
プロファイルは、「2-9-2 I/O割付一覧」を参照してください。
・ゾーン出力は、以下のコントローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX : Ver. 13.50 以降
DRCX
: Ver. 18.50 以降
SRCP、SRCD : Ver. 24.00 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
17
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-7-2 専用命令入力
専用命令入力とは、シーケンサからコントローラに原点復帰やサーボ復帰などの特定の
処理を行わせるための入力です。この入力が受け付けられるためには、READY、BUSY、
LOCK の各信号が下記の条件になっていなければなりません。
„ READY 出力 :ON
„ BUSY 出力 :OFF
„ LOCK 入力 :ON
以上の条件が満たされない場合、専用命令入力を外部から与えても、その命令は受け
付けられません。たとえば、BUSY 出力が ON のとき、コントローラはなにかの専用命令
を実行中ですので、他の専用命令を入力しても無視されます。また、LOCK 入力が OFF
の場合は、インターロックがかかっている状態ですので命令が実行されません。
(例外として、リセット命令およびサーボ復帰命令は LOCK が OFF でも READY と BUSY
が上記の条件を満たせば実行されます。)
専用命令入力の受付は、専用命令入力の OFF から ON の立ち上がり時に行われます。
コントローラが命令を受け付けたかどうかの確認は、BUSY 出力をモニターすることで確
認できます。
なお、プログラム中では専用命令入力をデータとして扱うことはできません。
注意
以下の専用命令入力はすべてパルス入力です。BUSY が ON したら必ず専用命令入力
を OFF してください。
専用命令入力を OFF しない場合は、その命令が正常に終了しても BUSY が OFF しませ
んので、次の命令を受け付けることができません。
18
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ 原点位置基準のポイント移動命令(ABS-PT)
原点位置を 0 とする座標上で、SI200~SI209 で指定されたポイント番号(→「2-7-3
汎用入力(SI200~SI215)」参照)のデータの位置にSI210,SI211 で選択される速
度で移動します。また、2 軸コントローラではPRM10 を有効にすることにより
SI213,SI214 で移動する軸を指定することもできます。
注意
ABS-PT を実行する際には、あらかじめ SI200~SI211 の状態を確定しておく必要
があります。軸指定する場合は SI213,SI214 の確定も必要です。
„ 現在位置基準のポイント移動命令(INC-PT)
現 在 位 置 か ら SI200~SI209 で 指 定 さ れ た ポ イ ン ト 番 号 の デ ー タ だ け 、
SI210,SI211 で選択される速度で移動します。また、2 軸コントローラでは PRM10
を有効にすることにより SI213,SI214 で移動する軸を指定することもできます。
メモ
現在位置とは、必ずしもロボットが実際にいる位置を指しているわけではありませ
ん。正確にはコントローラ内部に保存されている現在位置のデータで、移動命令
が正常に実行される度にその目標位置だったポイントが、コントローラ内部の現在
位置として置き変わっていきます。
したがって、相対移動命令実行途中にインターロック停止しても再度同じ相対移
動命令を実行すれば、先の移動の続きを実行します。(インターロック停止した位
置を基準とした相対移動にはなりません。)
同様に、ロボット移動命令実行後、マニュアル操作で軸を別の位置に移動させて
もその直後の相対移動命令では実際にロボットがいる位置を基準に相対移動す
るのではなく、先のロボット移動命令の目標位置を基準に相対移動します。
ご注意願います。
現在位置とロボットの位置が異なる場合
• 軸の移動中、非常停止もしくはインターロック(LOCK)をかけたとき
• 軸の移動中、通信コマンドの^C(移動中断)を送信したとき
• マニュアル操作で軸を動かしたとき
• サーボオフ状態(非常停止状態を含む)で軸を手で動かしたとき
注意
INC-PT を実行する際には、あらかじめ SI200~SI211 の状態を確定しておく必要
があります。軸指定する場合は SI213,SI214 の確定も必要です。
„ 自動運転起動命令(AUTO-R)
現在のステップよりプログラムを連続して実行します。
マルチタスクプログラムの場合はすべてのタスクを実行します。
„ ステップ運転起動命令(STEP-R)
現在のステップより 1 ステップずつプログラムを実行します。
マルチタスクプログラムの場合は選択されているタスクのみ実行します。
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第 2 章 DeviceNet ユニット
„ 原点復帰命令(ORG-S)
原点検出方式にサーチ方式を選択していた場合は原点復帰動作を行います。マ
ーク方式を選択していた場合には原点復帰状態の判定を行います。
2 軸コントローラでは PRM10 を有効にすることにより SI213,SI214 で原点復帰す
る軸を指定することもできます。
メモ
マーク方式の軸とサーチ方式の軸が混在する場合、サーチ方式の軸の原点復帰
を行うには、あらかじめマーク方式の軸の原点復帰が済んでいる必要があります。
マーク方式の原点復帰は HPB より行います。
メモ
原点復帰はロボットケーブルとアブソバッテリ接続後に一度だけ実行すれば電源
を落としても再度実行する必要はありません。(例外として、アブソバックアップ機
能を無効にした場合と原点関係のパラメータを変更した場合には原点未了となり、
再度原点復帰を行う必要があります。)
注意
突き当て原点方式による原点復帰の場合、原点を検出中(メカニカルリミットに接
触中)に原点復帰動作を中止しないでください。コントローラのオーバーロードによ
りアラーム停止し、電源の再投入が必要となります。
注意
やむを得ず、突き当て原点復帰動作を繰り返し行う場合、繰り返し動作の間隔は
5 秒以上設けてください。
„ サーボ復帰命令(SERVO)
非常停止後、非常停止スイッチを解除し、この入力を ON するとサーボ電源が ON
し、ロボットが再び運転可能な状態になります。
(サーボ復帰命令もパルス入力ですので、BUSY が ON したら必ず入力を OFF し
てください。)
2 軸コントローラでは PRM10 を有効にすることにより SI213,SI214 でサーボ復帰
する軸を指定することもできます。
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第 2 章 DeviceNet ユニット
„ リセット命令(RESET)
プログラムのステップを先頭プログラムの第 1 ステップに戻し、DO0~DO12*1及び
SO200~SO231、メモリ I/O をすべて OFF します。またポイント変数"P"も 0 にクリ
アします。(カウンタ変数"C"および"D"はクリアしません。)
※パラレル I/O の疑似シリアル化を行った出力ポートはリセット命令を実行しても
出力は変化しません。
※原点復帰完了動作選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM33、2 軸コントロー
ラ:PRM2)が 1 もしくは 3 の場合はリセット命令を実行しても DO4*2は OFF しませ
ん。同様に、サーボ状態出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM46、2 軸コント
ローラ:PRM21)が 1 の場合はリセット命令を実行しても DO7*3は OFF しません。
メモ
先頭プログラムとは、HPB もしくは POPCOM で最後に行われた実行プログラム
の切り替え操作により、選択されたプログラムのことです。
先頭プログラムは通信コマンド"@SWI"を実行しても切り替わります。また、プログ
ラムデータをメモリカードからコントローラにロードした場合にも切り替わる場合が
あります。
*1.SRCP/SRCD シリーズの場合、DO0~DO4 となります。
*2.DRCX シリーズの場合、DO5 となります。
*3.SRCP/SRCD シリーズの場合、DO3 となります。
21
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-7-3 汎用入力(SI200~SI215)
プログラムの中でデータとして扱うことのできるユーザ解放入力です。
特殊な使い方として、ABS-PT、INC-PT のポイント移動命令実行時に、SI200~SI209 を
ポイント番号の指定方法として、SI210,SI211 を移動速度の指定方法として使用します。
下表のようにポイント番号を SI200~SI209 でバイナリコード入力し、P0~P999 を指定しま
す。
移動速度は、SI210、SI211 が共に OFF のとき 100%を指定したことになり、それ以外の
ときはパラメータで指定した速度となります。
さらに、パラメータの設定により SI213,SI214 を移動軸の指定方法として使用する場合が
あります。
ポイント番号指定例
SI 番号 SI209
(29)
ポイント番号
P0
OFF
P1
OFF
P3
OFF
P7
OFF
P15
OFF
P31
OFF
P63
OFF
P127
OFF
P254
OFF
P511
OFF
P999
ON
SI208 SI207 SI206 SI205 SI204 SI203 SI202 SI201 SI200
(28) (27) (26) (25) (24) (23) (22) (21) (20)
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
ON
ON
ON
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
ON
ON
ON
ON
移動速度指定例
移動軸指定例(2 軸コントローラの場合)
SI211 SI210 移動速度
SI214 SI213 移動軸
OFF
OFF
ON
ON
OFF
OFF
ON
ON
OFF
ON
OFF
ON
100%
PRM5※
PRM6※
PRM7※
OFF
ON
OFF
ON
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
ON
ON
OFF
ON
ON
全軸
X軸
Y軸
全軸
※2 軸コントローラの場合
1 軸コントローラの場合は上から順に
PRM41、PRM42、PRM43 で指定された
速度となる。
メモ
上表は、I/O割付機能を有したコントローラでは、I/O割付選択パラメータの設定が「タイプ
0:従来タイプ」に設定されている場合のものです。他のタイプに設定した場合の各指定
例に関しては、「2-9-4 入出力信号詳細」を参照してください。
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第 2 章 DeviceNet ユニット
2-7-4 インターロック(LOCK)
ロボットの動きを一時的に停止させるための入力です。
I/O からの専用命令実行中および HPB(パソコン)操作によるプログラム運転中、または
原点復帰中にこの入力を OFF することにより、ロボットの動きを停止させることができま
す。(もちろん運転プログラムも中断します。)
逆に、この入力が OFF 状態ですと、I/O からの専用命令や HPB(パソコン)からのプログ
ラムの実行、原点復帰は実行できませんので、通常この入力は ON 状態でご使用くださ
い。
例外として、リセット入力およびサーボ復帰入力はその信号の ON/OFF にかかわらず実
行できます。
また、いったんインターロックを OFF しますと、再度 ON しても他の命令(自動運転起動命
令、原点復帰命令など)を入力するまでロボットは停止したままです。
メモ
コントローラのパラレルI/O上のインターロック入力も常に有効です。したがって、2 つのイ
ンターロック入力のうち、どちらか片方でもOFF状態となっている場合には、インターロッ
ク状態となり自動運転等は行えません。自動運転等を行うには必ず両方のインターロッ
ク入力をONしておく必要があります。(ただし、SRCP/SRCDシリーズの場合、パラレル
I/Oのインターロックをパラメータ設定により無効化することが可能です。詳しくは「2-4 パ
ラレルI/Oコネクタの処理」を参照願います。)
2-7-5 非常停止入力(EMG)
非常停止入力は、ロボットに非常停止をかけたいときに使用してください。この入力を
OFF すると同時にサーボ電源が切れ、サーボ OFF 状態となります。
運転を再開したいときは、この入力を ON にし、READY 出力が ON したのを確認後、サ
ーボ復帰命令(SERVO)を入力してください。サーボが ON し、ロボット動作が可能な状
態となります。
HPB(パソコン)接続時は、HPB(パソコン)からの操作でも、非常停止状態からの復帰は
可能です。
DeviceNet 上の非常停止入力は、あくまでもソフトウェアにおいて制御されているもので
あり、完全ではありません。したがって、コントローラのパラレル I/O 上に設けられている
非常停止入力端子を用いてハードウェア的なインターロック回路を作成することを強く推
奨します。
23
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-7-6 サービスモード(SVCE)
この入力は、コントローラ本体のサービスモード機能を有効にした場合にのみ有効になり
ます。
サービスモード入力とは、現在の状態がサービスモード状態であるかないかをコントロー
ラに知らせるための入力です。サービスモード状態の時は、この入力を OFF(接点を開
く)しておきます。
メモ
ロボット運転中にサービスモード入力の状態が変化しますと、運転実行は中断されます。
メモ
サービスモード機能が有効になっている場合には、パラレル I/O 上の DI15*もサービスモ
ード入力として機能します。したがって、2 つのサービスモード入力のうち、どちらか片方
が OFF しただけでサービスモード状態に切り替わります。サービスモード状態から抜ける
場合には両方のサービスモード入力を ON する必要があります。
*SRCP/SRCD シリーズの場合、DI7 となります。
24
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-7-7 専用出力
シーケンサ側にコントローラの状態を知らせるための出力です。
„ 運転可能出力(READY)
コントローラのシステムが正常に動作しているときは、この出力は ON しています
が、以下のような場合には出力は OFF し、モータはフリー状態になります。
• 非常停止状態のとき
非常停止を解除することにより、READY 出力は再び ON となります。非常
停止解除後、サーボ復帰命令を入力することにより運転再開可能です。
• アラームが発生したとき
非常停止状態でないときに READY 出力が OFF している場合は何らかの
アラームが発生しています。この場合、コントローラ電源を 1 度 OFF しなけ
れば運転の再開はできません。
„ 命令実行中出力(BUSY)
専用命令入力の実行中、または HPB(パソコン)からの命令の実行中、この信号
が ON しています。専用命令入力を受け付けると ON しますので、BUSY 信号が
ON したら専用命令入力を OFF してください。命令の実行が終了すると、BUSY 出
力は OFF します。(ただし、この時すべての専用命令入力が OFF 状態となってい
る必要があります。)
注意
専用命令入力は必ずパルス入力としてください。入力が ON のままですと、命令
実行が終了しても BUSY が OFF しません。
BUSY 出力が ON 状態となっている場合、コントローラは専用命令入力および
HPB(パソコン)からの命令を受け付けません。I/O インターフェイスよりコントロー
ラを制御している最中には、HPB の操作はご遠慮願います。
(シーケンサとのやりとりで誤作動を起こしたり、HPB 側に通信エラーが発生する
可能性があります。)
„ 実行結果出力(END)
専用命令入力を受け付けるといったんこの信号が OFF し、命令の実行処理が正
常に終了したとき ON します。実行途中でエラーが発生した場合や、インターロック、
非常停止が入った場合は OFF のまま変化しません。
注意
リセット命令や移動量の少ない移動命令の場合、命令の実行時間すなわち END
信号の OFF 期間が非常に短くなります。(1ms 以下の場合があります。)
HPB(パソコン)からの操作では END 信号は変化しません。
メモ
システムモード選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM34、2 軸コントローラ:
PRM20)の設定変更により、専用命令終了後に専用命令入力が OFF した時点で
END 信号へその実行結果を出力することが可能です。
システムモード選択パラメータの詳細は、コントローラ取扱説明書の「各パラメータ
の解説」を参照してください。
25
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ サーボ状態出力(SRV-O)
ロボットのサーボ状態を表示します。
全ての軸がサーボオン状態の場合に ON します。1 軸でもサーボオフ状態の場合
には OFF します。
※サーボ状態出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM46、2 軸コントロー
ラ:PRM21)を変更しなくても、この出力は常に有効です。
„ 原点復帰状態出力(ORG-O)
ロボットの原点復帰状態を出力します。
全ての軸で原点復帰が完了している場合に ON します。1 軸でも原点復帰が完了
していない場合には OFF します。
※原点復帰完了動作選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM33、2 軸コントロー
ラ:PRM2)を変更しなくても、この出力は常に有効です。
„ ゾーン出力(ZONE0~ZONE3)
ゾーン出力機能における出力先です。
ゾーン出力とは、ロボットの現在位置が指定範囲内にいるときに信号出力する制
御です。
ゾーン出力機能を使用するには、ゾーン出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:
PRM53、2 軸コントローラ:PRM24)で、使用したいゾーン出力を有効に設定する
必要があります。また、ゾーン出力の出力論理もこのパラメータで設定します。
指定範囲はポイントデータで指定します。各ゾーン出力で使用するポイント番号お
よび出力信号名は以下のとおりです。
ゾーン出力の詳細は、コントローラ取扱説明書のパラメータ「ゾーン出力選択」を
参照願います。
ゾーン別設定範囲および出力ポート
ゾーン№
指定範囲
出力信号名
ゾーン 0
ゾーン 1
ゾーン 2
ゾーン 3
P900-P901
P902-P903
P904-P905
P906-P907
ZONE0
ZONE1
ZONE2
ZONE3
メモ
ゾーン出力は、以下のコントローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.50 以降
DRCX
: Ver. 18.50 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.00 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
2-7-8 汎用出力(SO200~SO215)
プログラムの中で自由に ON/OFF 制御可能なユーザ解放出力です。
電源投入時とプログラムリセット時に全ての汎用出力は初期化(OFF)されます。
※パラレル I/O の疑似シリアル化を行った出力ポートはプログラム中で制御できません。
また、リセット命令を実行しても出力は変化しません。
26
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-8 タイミングチャート
タイミングチャート例を掲載いたしますので、シーケンサプログラムを作成される場合には
必ずご一読ください。
2-8-1 コントローラの電源投入直後
正常に起動した場合
電源
10s 以内
END 出力
アラームが発生しているとき
電源
END 出力
„ 電源投入後、正常にコントローラが起動して通信が行える状態になると、END 出力が
ON します。したがって専用命令の入力は、END 出力が ON したのを確認してから行
ってください。
„ コントローラの電源投入時は、必ずサーボオフ状態となります。ロボット運転を行う場
合には、非常停止を解除して「2-8-2 専用入力命令の実行時」を参照し、サーボ復帰
専用命令(SERVO)を実行してください。
„ 電源投入後、規定時間が経過しても END 出力が OFF 状態となっている場合は、ネッ
トワークの異常により通信が行えないか、コントローラ側でアラームが発生しているこ
とを意味します。コントローラ側にアラームが発生した場合はコントローラ取扱説明書
の「アラーム発生時とその対策」を参照し対策を行ってください。
27
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-8-2 専用入力命令の実行時
„ 専用命令を受け付けると BUSY 出力が ON します。受け付けた命令が正常に終了し
たかどうかは、BUSY 出力が OFF した時点での END 出力の状態により判断します。
END 出力が ON していた場合は正常に終了したことを意味し、OFF していた場合は
正常に終了しなかったことを意味します。
„ 専用命令入力は必ずパルス入力としてください。入力が ON のままですと、命令実行
が終了しても BUSY が OFF しません。
(1) 実行時間の長い命令を実行し、正常に終了する場合
(専用命令入力を OFF するとき、まだ命令を実行途中で END が OFF している場合)
専用命令
BUSY
END
30ms 以下
①
②
③
④
1ms 以下
1ms 以下
専用命令入力の立ち上がりで END が OFF し、BUSY が ON します。
BUSY が ON したのを確認後、専用命令入力を OFF します。
BUSY が OFF するまで待ちます。
BUSY が OFF したとき、END は ON であり正常終了を意味します。
注意
自動起動命令(AUTO-R)の場合は、プログラムが終了した場合または STOP 文
を実行した場合に END が ON し BUSY が OFF します。エンドレスのプログラム(最
終ステップでプログラムの先頭に無条件で戻るようなプログラム)を実行した場合
は、インターロックや非常停止をかけない限り BUSY が OFF しません。
28
第 2 章 DeviceNet ユニット
(2) 実行時間の短い命令を実行し、正常に終了する場合
(以下の例のように専用命令入力を OFF するとき、すでに命令の実行が終了し、
END が ON している場合)
• 移動距離の非常に短い移動命令(ABS-PT,INC-PT)を実行するとき
• リセット命令(RESET)を実行するとき
• L,DO 文などの非常に処理時間が短いコマンドをステップ実行するとき、など
専用命令
BUSY
END
30ms 以下
1ms 以下
30ms 以下
① 専用命令入力の立ち上がりで END が OFF し、BUSY が ON します。
② BUSY が ON したのを確認後、専用命令入力を OFF します。
③ BUSY が OFF するまで待ちます。(すでに命令実行は終了しているため、すぐ
に BUSY は OFF します。)
④ BUSY が OFF したとき、END は ON であり正常終了を意味します。
システムモード選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM34、2 軸コントローラ:
PRM20)の“bit7 命令実行完了時の END 出力シーケンス設定”の設定を変更す
ることで、END が ON するタイミングを専用命令入力が OFF したときに変更するこ
とができます。
メモ
システムモード選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM34、2 軸コントローラ:
PRM20)の“bit7 命令実行完了時の END 出力シーケンス設定”は、以下のコント
ローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.74 以降
DRCX
: Ver. 18.74 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.32 以降
SRCP30 : Ver. 24.32H 以降
専用命令の実行完了
専用命令の実行が終了しても、
専用命令入力が OFF になるまで
END は ON しない
専用命令
BUSY
END
30ms 以下
1ms 以下
1ms 以下 1ms 以下
29
第 2 章 DeviceNet ユニット
(3) 命令実行が最初から不可能な場合
(以下の例のように最初から命令の実行が不可能で、END が ON しない場合)
• 原点復帰未了状態で移動命令(ABS-PT,INC-PT)を実行したとき
• 原点復帰未了状態で運転起動命令(AUTO-R,STEP-R)を実行したとき
(運転前動作選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM48、2 軸コントロー
ラ:PRM9)を 1 もしくは 3 にした場合を除く)
• ポイントデータが未登録のポイント番号を指定して、移動命令
(ABS-PT,INC-PT)を実行したとき
• インターロックもしくは非常停止状態で専用命令を実行したとき(リセット命
令(RESET)、サーボ復帰命令(SERVO)を除く)
専用命令
BUSY
END
30ms 以下
1ms 以下
30ms 以下
① 専用命令入力の立ち上がりで END が OFF し、BUSY が ON します。
② BUSY が ON したのを確認後、専用命令入力を OFF します。
③ BUSY が OFF するまで待ちます。(命令実行が最初から不可能なため、すぐに
BUSY は OFF します。)
④ BUSY が OFF したとき、END は OFF のままであり、正常に終了できなかった
ことを意味します。
30
第 2 章 DeviceNet ユニット
(4) 命令実行が途中で不可能になった場合
(以下の例のように途中で命令の実行が不可能になり、END が ON しない場合)
• 専用命令の実行途中でインターロックや非常停止がかかったとき
• 自動運転中に登録されていないプログラムにジャンプしたり、未登録ポイン
トへ移動しようとしたりして、何らかのエラーが発生したとき
命令実行不可能
専用命令
BUSY
END
実行命令により異なる
①
②
③
④
⑤
専用命令入力の立ち上がりで END が OFF し、BUSY が ON します。
BUSY が ON したのを確認後、専用命令入力を OFF します。
BUSY が OFF するまで待ちます。
途中で命令実行が不可能になったため BUSY が OFF します。
BUSY が OFF したとき、END は OFF のままであり、正常に終了できなかった
ことを意味します。
31
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-8-3 インターロック入力時
インターロック
LOCK
専用命令
BUSY
END
実行命令により異なる
„ 専用命令実行中にインターロックを入力した場合 BUSY 出力は OFF します。READY
出力、END 出力は共に変化しません。
32
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-8-4 非常停止入力時
非常停止
EMG
専用命令
BUSY
END
READY
5ms 以下
1ms 以下
„ READY 出力が OFF します。専用命令実行中には BUSY 出力も OFF します。END
出力は変化しません。
„ 再びロボット動作を可能にするには、非常停止を解除して READY 出力が ON したの
を確認後、サーボ復帰命令(SERVO)を入力してください。
33
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-8-5 アラーム発生時
アラーム発生
専用命令
BUSY
END
READY
5ms 以下
1ms 以下
„ READY、BUSY、END 出力すべて OFF します。
„ コントローラ取扱説明書の「アラーム発生時とその対策」を参照し対策を行ってください。
34
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-8-6 ポイント移動命令の実行
„ ポイント移動命令(ABS-PT,INC-PT)を実行する場合、専用命令を入力する前にポイ
ントデータと速度データの入力が必要です。移動軸の指定をする場合には軸指定デ
ータの入力も必要です。
ポイントデータと速度データの入力は汎用入力SI200~SI211 により指定します。軸指
定 デ ー タ の 入 力 は SI213,SI214 に よ り 指 定 し ま す 。 ( → 「 2-7-3 汎 用 入 力
(SI200~SI215)」参照)
① ポイントデータと速度データを SI200~SI211 に入力します。移動軸の指定を行
う場合は軸指定データを SI213,SI214 に入力します。この入力は BUSY が
ON するまで状態保持してください。(途中で入力状態を変化させると、データ
を誤認識する場合があります。)
② 30ms 以上時間を遅延させてからポイント移動命令(ABS-PT,INC-PT)を入力
します。
③ 専用命令入力の立ち上がりで END が OFF し、BUSY が ON します。
④ BUSY が ON したのを確認後、専用命令入力を OFF します。
以後、ポイントデータと速度データ(SI200~SI211)および移動軸の指定を行っ
た場合は軸指定データ(SI213,SI214)を変更してもかまいません。
⑤ BUSY が OFF するまで待ちます。
⑥ BUSY が OFF したとき、END は ON であり正常終了を意味します。
35
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-9 I/O割付変更機能
2-9-1 I/O割付変更とは
I/O 割付変更機能とは、各入出力信号(I/O)の機能割付けを変更する機能です。
I/O割付は、I/O割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)
の設定で変更可能です。I/O割付の内容は「2-9-2 I/O割付一覧」を参照してください。また、
I/O割付選択パラメータの詳細は「2-9-3 I/O割付選択パラメータ詳細」、I/O割付選択で使
用する各入出力信号の詳細は「2-9-4 入出力信号詳細」を参照してください。
変更された I/O 割付を有効にするには、電源の再投入が必要です。
メモ
I/O 割付変更機能は、以下のコントローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.57 以降
DRCX
: Ver. 18.57 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.17 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
36
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-9-2 I/O割付一覧
I/O 割付選択パラメータの設定によって、各入出力信号(I/O)の機能割付けは下表のよう
になります。
I/O割付選択パラメータの詳細は「2-9-3 I/O割付選択パラメータ詳細」、各入出力信号の
詳細は「2-9-4 入出力信号詳細」を参照してください。
I/O 割付一覧
タイプ 0
(従来タイプ)
タイプ
タイプ 1
タイプ 2
(ポイント番号出力タイプ)
タイプ 3
(ポイントティーチングタイプ)
ポイント
トレース
モード
I/O 割付選択
パラメータ
0
(標準)
機能
ポイント点数 ※2
速度切替点数 ※3
I/O による
プログラム運転
-
xx20 ※1
xx21 ※1
ポイント
ティーチング
トレース
モード
モード
ティーチング
モード
xx30 ※1
xx31 ※1
1000
-
64
16
64
16
4
-
無し
4
無し
4
○
-
×
×
×
×
チャネル No.
m
bit0
SERVO
SERVO
SERVO
bit1
INC-PT
INC-PT
INC-PT
INC-PT
JOG-
INC-PT
JOG-
bit2
ABS-PT
ABS-PT
ABS-PT
ABS-PT
JOG+
ABS-PT
JOG+
SERVO
CHG
SERVO
bit3
STEP-R
bit4
AUTO-R
CHG
bit5
RESET
RESET
RESET
RESET
RESET
bit6
ORG-S
ORG-S
ORG-S
ORG-S
ORG-S
bit7
LOCK
LOCK
LOCK
LOCK
LOCK
SVCE
SVCE
SVCE
SVCE
EMG
EMG
EMG
EMG
PI200
PI200
PI200
PI200
PI201
PI201
PI201
PI201
PI202
PI202
PI202
PI202
PSET
PSET
bit8
bit9
bit10
bit11
bit13
m+1
bit14
SVCE
bit15
EMG
bit0
SI200
bit1
SI201
bit2
SI202
使用できません
入力(
マスタ→リモート)
bit12
bit3
SI203
PI203
PI203
PI203
PI203
bit4
SI204
PI204
SPD201
PI204
SPD201
bit5
SI205
PI205
SPD202
PI205
SPD202
bit6
SI206
bit7
SI207
bit8
SI208
bit9
SI209
bit10
SI210
bit11
SI211
bit12
SI212
bit13
SI213 ※4
※4
※4
※4
※4
bit14
SI214 ※4
※4
※4
※4
※4
bit15
SI215
(次ページに続く)
37
第 2 章 DeviceNet ユニット
bit0
SRV-O
SRV-O
SRV-O
SRV-O
SRV-O
bit1
(ZONE0)
(ZONE0)
(ZONE0)
(ZONE0)
(ZONE0)
bit2
(ZONE1)
(ZONE1)
(ZONE1)
(ZONE1)
(ZONE1)
bit3
(ZONE2)
(ZONE2)
(ZONE2)
(ZONE2)
(ZONE2)
bit4
(ZONE3)
(ZONE3)
(ZONE3)
(ZONE3)
(ZONE3)
ORG-O
ORG-O
ORG-O
ORG-O
ORG-O
bit5
bit6
n
bit7
出力(リモート→マスタ)
bit8
bit9
bit10
bit11
bit12
n+1
bit13
END
END
END
END
END
bit14
BUSY
BUSY
BUSY
BUSY
BUSY
bit15
READY
READY
READY
READY
READY
bit0
SO200
PO200
PO200
PO200
PO200
bit1
SO201
PO201
PO201
PO201
PO201
bit2
SO202
PO202
PO202
PO202
PO202
bit3
SO203
PO203
PO203
PO203
PO203
bit4
SO204
PO204
ORG-O/ZONE0
PO204
ORG-O/ZONE0
bit5
SO205
PO205
SRV-O/ZONE1
PO205
SRV-O/ZONE1
bit6
SO206
~
~
bit15
SO215
n、m:チャネル設定により決まる値
※1 I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)設定値の百の位と千の位の値によって、PO
の出力方式が異なります。
※2 ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)で移動可能なポイント点数です。
※3 ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)で切り替え可能な速度点数です。
※4 2 軸コントローラでは、 I/O 専用命令( ABS-PT 、 INC-PT 、 ORG-S 、 SERVO )の実行時に軸指定をしたい場合、 SI213 、
SI214 で指定することができます。この場合、あらかじめ PRM10(I/O 命令での制御軸指定)の設定を“有効”にしておく必要
があります。また、ジョグ移動命令(JOG+、JOG-)の実行時の軸指定も同様です。
38
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-9-3 I/O割付選択パラメータ詳細
I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)では、I/O
割付機能における各入出力信号の機能割付けタイプを選択します。
このパラメータの設定により、各入出力信号に割り付いている機能を変更することができま
す。これにより、移動先ポイント番号の出力や I/O によるジョグ移動などが可能になります。
変更された I/O 割付を有効にするには、電源の再投入が必要です。
メモ
I/O 割付選択パラメータは、以下のコントローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.57 以降
DRCX
: Ver. 18.57 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.17 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
I/O割付選択パラメータ
パラメータ番号
1 軸コントローラ : PRM59
2 軸コントローラ : PRM26
入力範囲
0~ (「2-9-2 I/O割付一覧」を参照してください。)
意味
PRM59/PRM26 = x x xx
↑↑ ↑
③② ①
① I/O 割付タイプ選択
値
00
20
21
30
31
内容
タイプ 0(従来タイプ/標準)
タイプ 2(ポイント番号出力タイプ)
タイプ 3(ポイントティーチングタイプ)
メモ
SRCP、SRCD、ERCX、SRCX、DRCX では、タイプ 1 は使用でき
ません。
② ポイント出力選択
タイプ 2(ポイント番号出力タイプ)、およびタイプ 3(ポイントティーチ
ングタイプ)の場合のみ設定します。
値
0
1
2
3
内容
移動正常終了時に PO を出力する
移動命令受付時に PO を出力する
ポイントゾーン出力
現在位置が、コントローラに登録されているポイントデ
ータの±位置判定パラメータの範囲に入ったら PO を
出力する。
移動ポイントゾーン出力
現在位置が、コントローラに登録されており、かつポイ
ント移動命令(ABS-PT、INC-PT)の移動対象となって
いるポイントデータの±位置判定パラメータの範囲に入
ったら PO を出力する。
39
第 2 章 DeviceNet ユニット
メモ
移動ポイントゾーン出力は、以下のコントローラバージョンに対応し
ています。
ERCX、SRCX :Ver. 13.64 以降 DRCX :Ver. 18.64 以降
SRCP、SRCD :Ver. 24.21 以降 SRCP30 :Ver. 24.30H 以降
③ ポイントゾーン判定基準選択
ポイント出力選択が 2(ポイントゾーン出力)および 3(移動ポイントゾ
ーン出力)の場合の、位置判定パラメータを選択します。
値
0
1
内容
OUT 有効位置
位置決め完了パルス
メモ
・ポイントゾーン判定基準選択は、以下のコントローラバージョンに
対応しています。
ERCX、SRCX :Ver. 13.64 以降 DRCX
:Ver. 18.64 以降
SRCP、SRCD :Ver. 24.21 以降 SRCP30 :Ver. 24.30H 以降
・上記のバージョンより古いコントローラでは、ポイントゾーンの判定
基準は OUT 有効位置のみとなります。
初期値
0
注意
上記以外の値を設定した場合、0(タイプ 0)が設定されたものとして扱われます。
例) 設定値 2331 ⇒ 0(タイプ 0)として扱われる
設定値 10 ⇒ 0(タイプ 0)として扱われる
また、移動ポイントゾーン出力に未対応なバージョンのコントローラで、タイプ 2(ポイント
番号出力タイプ)またはタイプ 3(ポイントティーチングタイプ)を選択し、ポイント出力選択
の値を 3 にした場合も 0(タイプ 0)が設定されたものとして扱われます。
例) 移動ポイントゾーン出力に未対応なバージョンのコントローラにおいて
設定値 331 ⇒ 0(タイプ 0)として扱われる
40
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-9-4 入出力信号詳細
各信号の意味は以下のとおりです。ここで説明のない信号の意味は、「2-7-2 専用命令
入力」以降を参照してください。
„ ポイント番号指定入力 200~205(PI200~205)
ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)の移動先ポイント番号の指定入力です。
(→ABS-PT、INC-PTについては、「2-7-2 専用命令入力」参照)
また、ポイント書き込み命令(PSET)での書き込み先ポイント番号指定入力として
も使用します。
ポイント移動命令およびポイント書き込み命令ともに、実行前にポイント番号の指
定入力を確定しておく必要があります。ポイント番号は、バイナリコードで指定しま
す。指定方法は下記を参照してください。
ポイント番号指定例
PI 番号
ポイント番号
P0
P1
P7
P15
P31
P63
PI205
(25)
OFF
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
PI204
(24)
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
ON
PI203
(23)
OFF
OFF
OFF
ON
ON
ON
PI202
(22)
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
PI201
(21)
OFF
OFF
ON
ON
ON
ON
PI200
(20)
OFF
ON
ON
ON
ON
ON
„ 移動速度指定入力(SPD201、SPD202)
ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)、ジョグ移動命令(JOG+、JOG-)実行時
の移動速度の指定入力です。(→ABS-PT、INC-PTについては、「2-7-2 専用命
令入力」参照)
ポイント移動命令およびジョグ移動命令ともに、実行前に移動速度の入力を確定
しておく必要があります。指定方法は下記を参照してください。
移動速度指定例
SPD202
OFF
SPD201
OFF
OFF
ON
ON
OFF
ON
ON
移動速度
100%
I/O ポイント移動命令第 1 速度
(1 軸コントローラ:PRM41、2 軸コントローラ:PRM5)
I/O ポイント移動命令第 2 速度
(1 軸コントローラ:PRM42、2 軸コントローラ:PRM6)
I/O ポイント移動命令第 3 速度
(1 軸コントローラ:PRM43、2 軸コントローラ:PRM7)
„ ジョグ移動(+方向)命令(JOG+)
+方向へのジョグ移動命令入力です。
この信号が ON の間だけロボットは+方向にジョグ移動します。移動速度は、
100mm/sec です。
SPD201、SPD202 による速度変更も可能です。この場合の移動速度は次の式で
求められます。
移動速度[mm/sec] = 100 ×(SPD201 および SPD202 で指定した移動速度[%])/ 100
2 軸コントローラの場合、移動する軸は通常 X 軸ですが、PRM10(I/O 命令での制
御軸指定)を有効にすることにより、SI2I3、SI214 で移動する軸を Y 軸に指定する
こともできます。(→DRCX 取扱説明書「PRM10:I/O 命令での制御軸指定」参照)
41
第 2 章 DeviceNet ユニット
移動軸指定例
SI214
SI213
OFF
OFF
ON
ON
OFF
ON
OFF
ON
JOG+、JOG-
移動軸
X軸
X軸
Y軸
X軸
注意
・ ジョグ移動中に CHG(モード変更入力)の状態が変化した場合、エラー停止します。
・ 2 軸コントローラで軸指定する場合、あらかじめSI213、SI214 の状態を確定して
おく必要があります。(→「2-9-5 タイミングチャート ジョグ移動(JOG+、
JOG-)」参照)
„ ジョグ移動(-方向)命令(JOG-)
-方向へのジョグ移動命令入力です。
この信号が ON の間だけロボットは-方向にジョグ移動します。移動速度は、
100mm/sec です。
SPD201、SPD202 による速度変更も可能です。この場合の移動速度は次の式で
求められます。
移動速度[mm/sec] = 100 ×(SPD201 および SPD202 で指定した移動速度[%])/ 100
2 軸コントローラの場合、移動する軸は通常 X 軸ですが、PRM10(I/O 命令での制
御軸指定)を有効にすることにより、SI2I3、SI214 で移動する軸を Y 軸に指定する
こともできます。(→DRCX 取扱説明書「PRM10:I/O 命令での制御軸指定」参照)
移動軸指定例
SI214
SI213
OFF
OFF
ON
ON
OFF
ON
OFF
ON
JOG+、JOG-
移動軸
X軸
X軸
Y軸
X軸
注意
・ ジョグ移動中に CHG(モード変更入力)の状態が変化した場合、エラー停止します。
・ 2 軸コントローラで軸指定する場合、あらかじめSI213、SI214 の状態を確定して
おく必要があります。(→「2-9-5 タイミングチャート ジョグ移動(JOG+、
JOG-)」参照)
„ モード変更入力(CHG)
タイプ 3(ポイントティーチングタイプ)でのモード変更を行います。
選択モードは以下の 2 通りです。
① ポイントトレースモード
② ティーチングモード
CHG(モード変更入力)の ON/OFF の切り替えにより、モードが変更されます。
OFF のときポイントトレースモードとなり、ON のときティーチングモードとなります。
注意
ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)、ジョグ移動命令(JOG+、JOG-)のいず
れかを実行中に CHG の状態が変化した場合、ロボットはエラー停止します。
42
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ ポイント書き込み命令(PSET)
現在位置の座標値を指定ポイントに書き込みます。
現在位置の座標値を指定のポイントに書き込むには、あらかじめ書き込み先のポ
イント番号を指定しておく必要があります。書き込み先のポイント番号は PI(ポイン
ト番号指定入力)で指定します。
PSET は、原点復帰完了時のみ有効です。
„ 移動先ポイント番号出力 200~205(PO200~205)
ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)での移動先ポイント番号、およびポイントゾー
ン出力機能・移動ポイントゾーン出力機能での該当ポイント番号の出力信号です。
(→ABS-PT、INC-PTについては、「2-7-2 専用命令入力」参照)
ポイントゾーン出力機能とは、ロボットの現在位置がポイントゾーン出力範囲(該
当ポイント±位置判定パラメータ範囲)に入ると、その該当ポイント番号を PO に出
力する機能です。このときのポイントゾーン出力範囲の該当ポイントは、コントロー
ラに登録されているポイントデータが対象となります。
また、ポイントゾーン出力範囲の該当ポイントを、さらにポイント移動命令
(ABS-PT、INC-PT)の移動対象となっているポイントに絞り込み、ポイント番号を
PO に出力することも可能です。この機能を移動ポイントゾーン出力機能と言います。
ポイントゾーン出力機能
43
第 2 章 DeviceNet ユニット
ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)による移動先ポイント番号は、バイナリで出
力されます。ポイントゾーン出力機能、移動ポイントゾーン出力機能での該当ポイ
ント番号も同様です。
PO の出力方式は、I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コント
ローラ:PRM26)設定値の百の位の値で決定します。
0:移動正常終了時に PO を出力する
1:移動命令受付時に PO を出力する
2:ポイントゾーン出力
(現在位置が、コントローラに登録されているポイントデータの±位置判定パ
ラメータの範囲に入ったら PO を出力する。)
3:移動ポイントゾーン出力
( 現在位置が、コントローラに登録されており、かつポイント移動命令
(ABS-PT、INC-PT)の移動対象となっているポイントデータの±位置判定
パラメータの範囲に入ったら PO を出力する。)
メモ
移動ポイントゾーン出力機能は、以下のコントローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.64 以降
DRCX
: Ver. 18.64 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.21 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
出力例
PO 番号
ポイント番号
P0
P1
P7
P31
P63
PO205
(25)
OFF
OFF
OFF
OFF
ON
PO204
(24)
OFF
OFF
OFF
ON
ON
PO203
(23)
OFF
OFF
OFF
ON
ON
PO202
(22)
OFF
OFF
ON
ON
ON
PO201
(21)
OFF
OFF
ON
ON
ON
PO200
(20)
OFF
ON
ON
ON
ON
注意
PO をポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)による移動先ポイント番号の出力信
号として使用する場合
・コントローラ電源投入後、最初のポイント移動命令でポイント 0(P0)へ移動し
ても、PO200~205 はすべて OFF のままです(P0= 000000(2 進)のため)。そ
のため、P0 へ移動しても PO200~205 の状態は移動前と変わらず、P0 への
移動が正常に終了(もしくは移動命令受付)したか分かりません。P0 へ移動
する際はご注意ください。
PO をポイントゾーン出力機能または移動ポイントゾーン出力機能での該当ポイン
ト番号の出力信号として使用する場合
・ポイントゾーン出力機能または移動ポイントゾーン出力機能で該当ポイントと
してポイント 0(P0)を出力する場合、PO200~205 はすべて OFF のままです
(P0= 000000 ( 2 進) のため)。そのため、P0 の範囲内にロボットが入っても
PO200~205 の状態は範囲外の時と変わりません。P0 を監視する場合はご
注意ください。
メモ
PO をポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)による移動先ポイント番号の出力信
号として使用する場合
・ポイント移動命令をパラレル I/O から受け付けた場合は、移動先ポイント番号
を該当するパラレル I/O(PO0~5)に出力し、シリアル I/O から受け付けた場
合は、該当するシリアル I/O(PO200~205)に出力します。
・プログラムリセットを実行した場合、すべての PO はリセット(OFF)されます。
44
第 2 章 DeviceNet ユニット
PO をポイントゾーン出力機能での該当ポイント番号の出力信号として使用する場合
・ポイントゾーン出力機能での該当ポイント番号は、該当するパラレル I/O
(PO0~5)とシリアル I/O(PO200~205)の両方に出力します。ただし、
SRCP/SRCD シリーズではシリアル I/O にのみ出力します。
・プログラムリセットを実行しても、PO によるポイントゾーン出力はリセットされ
ません。
PO を移動ポイントゾーン出力機能での該当ポイント番号の出力信号として使用す
る場合
・移動ポイントゾーン出力機能での該当ポイント番号は、該当するパラレル I/O
(PO0~5)とシリアル I/O(PO200~205)の両方に出力します。ただし、
SRCP/SRCD シリーズではシリアル I/O にのみ出力します。
・コントローラの電源投入直後は、移動対象ポイントはリセットされるため、す
べての PO は OFF となります。また、プログラムリセットを実行した場合も、移
動対象ポイントはリセットされ、PO による移動ポイントゾーン出力もリセット
(OFF)されます。
„ 原点復帰完了出力/ゾーン出力 0(ORG-O/ZONE0)
原点復帰完了出力です。ゾーン出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM53、2
軸コントローラ:PRM24)でゾーン 0 出力有効設定を有効にすると、ゾーン出力 0
(ZONE0)となります。
原点復帰完了出力としては、出力チャネルnのbit6 と同じ機能を持った出力信号
です。信号の詳細は、「2-7-7 専用出力」の原点復帰状態出力(ORG-O)を参照し
てください。
また、ゾーン出力 0 としては、出力チャネルnのbit1 と同じ機能を持った出力信号
です。信号の詳細およびゾーン出力については、「2-7-7 専用出力」のゾーン出力
(ZONE0~ZONE3)およびコントローラ取扱説明書のパラメータ「ゾーン出力選
択」を参照してください。
„ サーボ状態出力/ゾーン出力 1(SRV-O/ZONE1)
サーボ状態出力です。ゾーン出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM53、2 軸
コントローラ:PRM24)でゾーン 1 出力有効設定を有効にすると、ゾーン出力 1
(ZONE1)となります。
サーボ状態出力としては、出力チャネルnのbit0 と同じ機能を持った出力信号です。
信号の詳細は、「2-7-7 専用出力」のサーボ状態出力(SRV-O)を参照してください。
また、ゾーン出力 1 としては、出力チャネルnのbit2 と同じ機能を持った出力信号
です。信号の詳細およびゾーン出力については、「2-7-7 専用出力」のゾーン出力
(ZONE0~ZONE3)およびコントローラ取扱説明書のパラメータ「ゾーン出力選
択」を参照してください。
45
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-9-5 タイミングチャート
I/O 割付変更により、新たに加わる動作のタイミングチャートを以下に示します。
„ ジョグ移動(JOG+、JOG-)
① CHG 入力を ON する。
② 2 軸コントローラで移動軸の指定を行う場合は、軸指定データを SI213、
SI214 に入力する。
・ここで指定した入力の状態は、必ず④までは保ってください。途中で入力の状
態を変化させると、コントローラがデータを誤って認識する場合があります。
③ CHG 入力が ON 状態で JOG+入力(もしくは JOG-入力)を ON する。
④ END 出力が OFF し、BUSY 出力が ON になる。
これは、コントローラがジョグ移動命令を受け付けたことを意味する。
⑤ ロボットは、JOG+入力(もしくは JOG-入力)が ON の間、ジョグ移動を続ける。
⑥ JOG+入力(もしくは JOG-入力)を OFF する。
⑦ BUSY 出力が OFF になるまで待つ。
⑧ BUSY 出力が OFF になる。この時、END 出力が ON になっている。
これは、ジョグ移動が正常に終了したことを意味する。
注意
・ ジョグ移動命令(JOG+、JOG-)を実行中に CHG 入力の状態が変化した
場合、ロボットはエラー停止し、END 出力は OFF のままとなります。
・ 軸指定する場合、あらかじめ SI213、SI214 の状態を確定しておく必要がありま
す。(→DRCX 取扱説明書「PRM10:I/O 命令での制御軸指定」参照)
46
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ ポイント書き込み(PSET)
前提:CHG 入力があらかじめ ON になっているとする。
(ポイント書き込み作業中(下記手順中)は、CHG 入力の状態を変化させない。)
① ポイント番号指定入力 PI200~205 で書き込み先ポイント番号を指定する。
・使用するポイント番号指定入力の点数は、I/O割付タイプにより異なります。
「2-9-2 I/O割付一覧」を参照してください。
・ここで指定した入力の状態は、必ず③までは保ってください。途中で入力の状
態を変化させると、コントローラがデータを誤って認識する場合があります。
② ①の後、30ms 以上経ってから、PSET 入力を ON する。
③ END 出力が OFF し、BUSY 出力が ON になる。
これは、コントローラがポイント書き込み命令を受け付けたことを意味する。
④ PSET 入力を OFF する。
⑤ BUSY 出力が OFF になるまで待つ。
⑥ すでにポイント書き込みが終了しているため、すぐに BUSY 出力が OFF にな
る。この時、END 出力が ON になっている。
これは、ポイント書き込み実行が正常に終了したことを意味する。
47
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ 移動先ポイント番号出力(PO)
(1) 移動正常終了時に出力する場合
前提:1. ここでの説明は、I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸
コントローラ:PRM26) = 30 の場合とする。
I/O 割付選択パラメータ設定値 = 30 の場合
(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)
I/O 割付タイプ
タイプ 3(ポイントティーチングタイプ)
移動可能ポイント点数 64 点
ポイント出力選択
移動正常終了時に PO にポイント番号を出力
2. ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)での移動先ポイント番号は、各命
令実行前にあらかじめ指定されているとする。
【ポイント移動命令の実行①】
① 2 軸コントローラで移動軸の指定を行う場合は、軸指定データを SI213、SI214
に入力する。
・ここで指定した入力の状態は、必ず③までは保ってください。途中で入力の状
態を変化させると、コントローラがデータを誤って認識する場合があります。
② ABS-PT 入力(もしくは INC-PT 入力)を ON する。
③ END 出力が OFF し、BUSY 出力が ON になる。
これは、コントローラがポイント移動命令を受け付けたことを意味する。
④ ABS-PT 入力(もしくは INC-PT 入力)を OFF する。
⑤ BUSY 出力が OFF になるまで待つ。
⑥ BUSY 出力が OFF になる。この時、END 出力が ON になっている。
これは、ポイント移動が正常に終了したことを意味する。
⑦ ⑥で END 出力が ON になると、移動先ポイント番号出力 PO200~205 で移動
したポイント番号を出力する。
・移動先ポイント番号出力の状態は、次のポイント移動命令の実行が終了す
るまで保持されます。
↓
48
第 2 章 DeviceNet ユニット
【ポイント移動命令の実行②】
⑧ 次のポイント移動命令を実行する。
⑨ ポイント移動が終了する。
⑩ END 出力が ON になり、移動先ポイント番号出力 PO200~205 での先の移動
先ポイント番号出力はクリアされ、現在の移動先ポイント番号が出力される。
注意
・ コントローラ電源投入後、最初のポイント移動命令でポイント 0(P0)へ移動して
も、PO200~205 はすべて OFF のままです(P0=000000(2 進))。そのため、P0
へ移動しても PO200~205 の状態は移動前と変わらず、P0 への移動が正常に
終了したか分かりません。P0 へ移動する際はご注意ください。
・ 軸指定する場合、あらかじめ SI213、SI214 の状態を確定しておく必要がありま
す。(→DRCX 取扱説明書「PRM10:I/O 命令での制御軸指定」参照)
49
第 2 章 DeviceNet ユニット
(2) 移動命令受付時に出力する場合
前提:1. ここでの説明は、I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸
コントローラ:PRM26) = 130 の場合とする。
I/O 割付選択パラメータ設定値 = 130 の場合
(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)
I/O 割付タイプ
タイプ 3(ポイントティーチングタイプ)
移動可能ポイント点数 64 点
ポイント出力選択
移動正常終了時に PO にポイント番号を出力
2. ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)での移動先ポイント番号は、各命
令実行前にあらかじめ指定されているとする。
【ポイント移動命令の実行①】
① 2 軸コントローラで移動軸の指定を行う場合は、軸指定データを SI213、SI214
に入力する。
・ここで指定した入力の状態は、必ず③までは保ってください。途中で入力の状
態を変化させると、コントローラがデータを誤って認識する場合があります。
② ABS-PT 入力(もしくは INC-PT 入力)を ON する。
③ END 出力が OFF し、BUSY 出力が ON になる。
これは、コントローラがポイント移動命令を受け付けたことを意味する。
④ ③で BUSY 出力が ON になると、移動先ポイント番号出力 PO200~205 で移
動するポイント番号を出力する。
・移動先ポイント番号出力の状態は、次のポイント移動命令が受け付けられる
まで保持されます。
⑤ ABS-PT 入力(もしくは INC-PT 入力)を OFF する。
⑥ BUSY 出力が OFF になるまで待つ。
⑦ BUSY 出力が OFF になる。この時、END 出力が ON になっている。
これは、ポイント移動が正常に終了したことを意味する。
↓
50
第 2 章 DeviceNet ユニット
【ポイント移動命令の実行②】
⑧ 次のポイント移動命令を実行する。
⑨ コントローラがポイント移動命令を受け付け、BUSY 出力が ON になると、移動
先ポイント番号出力 PO200~205 での先の移動先ポイント番号出力はクリア
され、現在の移動先ポイント番号が出力される。
注意
・ コントローラ電源投入後、最初のポイント移動命令でポイント 0(P0)へ移動しよ
うとしても、PO200~205 はすべて OFF のままです(P0=000000(2 進))。そのた
め、P0 を移動先ポイントとして指定しても PO200~205 の状態は指定前と変わ
らず、P0 への移動命令が受付されたか分かりません。P0 へ移動する際はご注
意ください。
・ 軸指定する場合、あらかじめ SI213、SI214 の状態を確定しておく必要がありま
す。(→DRCX 取扱説明書「PRM10:I/O 命令での制御軸指定」参照)
51
第 2 章 DeviceNet ユニット
(3) ポイントゾーン出力機能で該当ポイント番号を出力する場合
ここでは、ゾーン出力(ZONE0、ZONE1)も合わせて説明いたします。
前提:1. ここでの説明は、I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸
コントローラ:PRM26) = 221 の場合とする。
I/O 割付選択パラメータ設定値 = 221 の場合
(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)
I/O 割付タイプ
タイプ 2(ポイント番号出力タイプ)
移動可能ポイント点数
16 点
ポイント出力選択
ポイントゾーン出力
ポイントゾーン判定基準
OUT 有効位置
(位置判定パラメータ)
2. ゾーン出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM53、2 軸コントローラ:
PRM24)にて、ゾーン 0 出力およびゾーン 1 出力が有効、かつ正論理出
力に設定されているとする。
① ロボットの現在位置がポイントゾーン出力範囲に入っていないので、移動先ポ
イント番号出力 PO200~203 はすべて OFF である。また、ゾーン出力指定範
囲にも入っていないので、ZONE0 出力および ZONE1 出力とも OFF である。
52
第 2 章 DeviceNet ユニット
② ロボットの現在位置がポイントゾーン出力範囲(Pm ± OUT 有効位置範囲)に
入っているので、PO200~203 で該当するポイント番号を出力する。このとき、
ゾーン出力指定範囲には入っていないので、ZONE0 出力および ZONE1 出力
とも OFF のままである。
③ ①と同様、移動先ポイント番号出力 PO200~203、ZONE0 出力、ZONE1 出
力すべて OFF になる。
④ ロボットの現在位置がゾーン出力指定範囲(P900-P901)に入っているので、
ZONE0 出力は ON になる。(ゾーン出力指定範囲(P902-P903)には入って
いないので、ZONE1 出力は OFF のままである。)このとき、ポイントゾーン出
力範囲には入っていないので、移動先ポイント番号出力 PO200~203 はすべ
て OFF のままである。
⑤ ロボットの現在位置がゾーン出力指定範囲(P902-P903)かつポイントゾーン
出力範囲(Pn ± OUT 有効位置範囲)に入っているので、PO200~203 で該
当するポイント番号を出力し、ZONE1 出力は ON になる。(ゾーン出力指定範
囲(P900-P901)には入っていないので、ZONE0 出力は OFF になる。)
メモ
・ オプションユニットを使用している場合、ポイントゾーン出力機能での該当ポイン
ト番号は、該当するパラレル I/O(PO0~5)とシリアル I/O(PO200~205)の両
方に出力します。ただし、SRCP/SRCD シリーズではシリアル I/O にのみ出力し
ます。
・ 下記バージョンのコントローラでは、ポイント判定基準選択の位置判定パラメー
タを OUT 有効位置もしくは位置決め完了パルスのいずれかより選択することが
できます(I/O 割付選択パラメータの千の位の値で選択)。それ以前のバージョン
のコントローラでは、ポイントゾーンの判定基準(位置判定パラメータ)は OUT 有
効位置のみとなります。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.64 以降
DRCX
: Ver. 18.64 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.21 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
・ OUT 有効位置は、パラメータ(1 軸コントローラ:PRM20、2 軸コントローラ:
PRM56(X 軸)、PRM96(Y 軸))で変更可能です。
・ 位置決め完了パルスは、パラメータ(1 軸コントローラ:PRM6、2 軸コントローラ:
PRM53(X 軸)、PRM93(Y 軸))で変更可能です。
注意
・ ロボットの現在位置が複数のポイントゾーン出力範囲に入っている場合、ポイン
ト番号の小さい方が出力対象となります。
例)現在位置が P2 と P5 の両方のポイントゾーン出力範囲に入っている場合、
P2 が出力されます。
・ ロボットの現在位置がどのポイントゾーン出力範囲にも入っていない場合、
PO200~205 はすべて OFF となります。
・ 位置監視サンプリングは 10ms です。そのため、ロボットを高速で動かしている
場合、ポイントゾーン出力を検出できない可能性があります。
・ ポイントゾーン出力およびゾーン出力では、ロボット全軸が各ゾーン出力指定範
囲内に入っている場合のみ PO および ZONE0~3 が出力されます。
・ ポイントゾーン出力機能で該当ポイントとしてポイント 0(P0)を出力する場合、
PO200~205 はすべて OFF のままです(P0=000000(2 進))。そのため、P0 の範
囲内にロボットが入っても PO200~205 の状態は範囲外の時と変わりません。
P0 を監視する場合はご注意ください。
53
第 2 章 DeviceNet ユニット
(4) 移動ポイントゾーン出力機能で該当ポイント番号を出力する場合
ここでは、ゾーン出力(ZONE0)も合わせて説明いたします。
前提:1. ここでの説明は、I/O 割付選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸
コントローラ:PRM26) = 321 の場合とする。
I/O 割付選択パラメータ設定値 = 321 の場合
(1 軸コントローラ:PRM59、2 軸コントローラ:PRM26)
I/O 割付タイプ
タイプ 2(ポイント番号出力タイプ)
移動可能ポイント点数
16 点
ポイント出力選択
移動ポイントゾーン出力
ポイントゾーン判定基準
OUT 有効位置
(位置判定パラメータ)
2. ゾーン出力選択パラメータ(1 軸コントローラ:PRM53、2 軸コントローラ:
PRM24)にて、ゾーン 0 出力が有効、かつ正論理出力に設定されている
とする。
3. 移動対象ポイントは P6 とする。
① ロボットの現在位置が P1 の±OUT 有効位置範囲内(ポイントゾーン出力範
囲)にあるが、P1 は移動対象ポイントではないため、移動先ポイント番号出力
PO200~203 はすべて OFF である。また、ゾーン出力指定範囲にも入ってい
ないので、ZONE0 出力は OFF である。
② ロボットの現在位置がどのポイントゾーン出力範囲にも入っていないので、移
動先ポイント番号出力 PO200~203 はすべて OFF である。また、①と同様に
ZONE0 出力も OFF である。
54
第 2 章 DeviceNet ユニット
③ ロボットの現在位置が P6 の±OUT 有効位置範囲内(ポイントゾーン出力範囲)
に入っており、かつ P6 は移動対象ポイントなので、該当ポイント番号 P6 を
PO200~203 に出力する(P201、P202 が ON。P200、P203 が OFF)。このと
き、ゾーン出力指定範囲には入っていないので、ZONE0 は OFF のままである。
④ ロボットの現在位置がゾーン出力指定範囲(P900-P901)に入っているので、
ZONE0 出力は ON になる。このとき、どのポイントゾーン出力範囲にも入って
いないので、移動先ポイント番号出力 PO200~203 はすべて OFF である。
メモ
・ 移動ポイントゾーン出力機能は、以下のコントローラバージョンに対応しています。
ERCX、SRCX
: Ver. 13.64 以降
DRCX
: Ver. 18.64 以降
SRCP、SRCD
: Ver. 24.21 以降
SRCP30 : Ver. 24.30H 以降
・ オプションユニットを使用している場合、移動ポイントゾーン出力機能での該当
ポイント番号は、該当するパラレル I/O(PO0~5)とシリアル I/O(PO200~205)
の両方に出力します。ただし、SRCP/SRCD シリーズではシリアル I/O にのみ出
力します。
・ 移動対象ポイントには、ポイント移動命令(ABS-PT、INC-PT)による移動が開
始される直前に指定された移動先ポイント番号が登録されます。
・ コントローラ電源投入直後は、移動対象ポイントはリセットされるため、すべての
PO は OFF となります。また、リセット命令(RESET)を実行した場合も、移動対
象ポイントはリセットされ、PO による移動ポイントゾーン出力もクリアされます。
・ ポイントゾーン判定基準選択の位置判定パラメータを OUT 有効位置もしくは位
置決め完了パルスのいずれかより選択することができます(I/O 割付選択パラメ
ータの千の位の値で選択)。
・ OUT 有効位置は、パラメータ(1 軸コントローラ:PRM20、2 軸コントローラ:
PRM56(X 軸)、PRM96(Y 軸))で変更可能です。
・ 位置決め完了パルスは、パラメータ(1 軸コントローラ:PRM6、2 軸コントローラ:
PRM53(X 軸)、PRM93(Y 軸))で変更可能です。
注意
・ ロボットの現在位置がどのポイントゾーン出力範囲にも入っていない場合、
PO200~205 はすべて OFF となります。
・ 位置監視サンプリングは 10ms です。そのため、ロボットを高速で動かしている
場合、移動ポイントゾーン出力を検出できない可能性があります。
・ 移動ポイントゾーン出力およびゾーン出力では、ロボット全軸が各ゾーン出力指
定範囲内に入っている場合のみ PO および ZONE0~3 が出力されます。
・ 移動ポイントゾーン出力機能で該当ポイントとしてポイント 0(P0)を出力する場
合、PO200~205 はすべて OFF のままです(PO=000000(2 進))。そのため、P0
の範囲内にロボットが入っても PO200~205 の状態は範囲外の時と変わりませ
ん。P0 を監視する場合はご注意ください。
55
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-10 ロボット言語
DeviceNet ユニットを使用することにより拡張されたロボット言語について説明します。
2-10-1 MOVF
機能
指定された DI または SI 番号の入力がくるまで移動します。
書式
MOVF
文例
MOVF 1,2,1
P1 に向かって移動し、DI2 がオンしたら移動を終了し、次のステップへ進みま
す。
解説
目標位置をセンサなどにより探す場合に用います。
全軸、位置決め完了パルス内に入ると移動を開始し、DI または SI の条件が成
立すると、ロボットは停止し命令を終了します。なお、DI または SI の条件が成
立しなくても指定されたポイントに到達した段階で命令は終了し、次のステップ
に進みます。
<ポイント番号>,<DI または SI 番号>,<入力状態>
(1) ポイント番号
ポイント番号とは 0 から 999 の 1000 個のポイントに付けられた固有の番
号で、ポイントモードでポイントデータの作成を行います。特殊な使用法と
して、ここに'P'という文字が入力された場合、ポイント番号には P 文で定
義されるポイント変数がセットされます。
(2) DI または SI 番号
汎用入力 0~15(16 点)*またはシリアル汎用入力 200~215(16 点)のうち
の 1 つを指定します。
(3) 入力状態
1 が ON、0 が OFF を意味します。
その他
・ MOVF 文実行時の速度は、MOVF 速度パラメータで設定できます。なお、
OPRT モードの実行速度には影響されません。
*SRCP/SRCD シリーズの場合、0~7(8 点)となります。
56
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-10-2 JMPF
機能
条件ジャンプ入力が設定値と一致すると、指定されたプログラムの指定ラベル
へジャンプします。
書式
JMPF
文例
JMPF
12,3,5
条件ジャンプ入力値が 5 の時、プログラム 3 のラベル 12 へジャンプします。
そうでなければ、次のステップに進みます。
解説
条件ジャンプ入力に応じて、プログラムの流れを制御する命令です。
<ラベル番号>,<プログラム番号>,<入力条件値>
(1) ラベル番号
ラベル番号とは、L 文で定義される番号で、ジャンプ先を意味します。0 か
ら 255 の任意の値が指定できます。
(2) プログラム番号
プログラム番号とは 0 から 99 の 100 個のプログラムに付けられた固有の
番号です。
(3) 入力条件値
ジャンプするための条件を設定します。汎用入力またはシリアル汎用入
力をバイナリ入力値と考え、入力条件値と一致した場合にジャンプします。
入力条件により分岐できる点数は条件入力点数により異なります。条件
入力点数は、条件入力点数パラメータ(1 軸コントローラ:PRM8、2 軸コン
トローラ:PRM0)で設定します。
その他
・ 条件入力点数パラメータは次のように拡張されます。
入力範囲
初期値
1~8、11~18
4
《条件入力点数-使用汎用入力と条件設定範囲
条件入力点数
1
2
3
4
5
6
7
8
11
12
13
14
15
16
17
18
使用される汎用入力
DI0
DI0~DI1
DI0~DI2
DI0~DI3
DI0~DI4
DI0~DI5
DI0~DI6
DI0~DI7
SI200
SI200~SI201
SI200~SI202
SI200~SI203
SI200~SI204
SI200~SI205
SI200~SI206
SI200~SI207
対応》
設定可能な条件入力範囲
0~1
0~3
0~7
0~15
0~31
0~63
0~127
0~255
0~1
0~3
0~7
0~15
0~31
0~63
0~127
0~255
57
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-10-3 JMPB
機能
指定された汎用入力またはメモリ入力またはシリアル汎用入力が ON(OFF)
している場合に、指定されたラベルへジャンプします。
書式
JMPB
文例
JMPB
12,8,1
DI8 がオンしているときラベル 12 へジャンプします。
そうでなければ、次のステップに進みます。
解説
汎用入力またはメモリ入力またはシリアル汎用入力の状態に応じて、プログラ
ムの流れを制御する命令です。
<ラベル番号>,<DI または MI または SI 番号>,<入力状態>
(1) ラベル番号
ラベル番号とは、L 文で定義される番号で、ジャンプ先を意味します。0 か
ら 255 の任意の値が指定できます。
(2) DI または MI または SI 番号
汎用入力 0~15(16 点)*またはメモリ入力 100~147(48 点)またはシリア
ル汎用入力 200~215(16 点)のうちの 1 つを指定します。
(3) 入力状態
1 が ON、0 が OFF を意味します。
*SRCP/SRCD シリーズの場合、0~7(8 点)になります。
2-10-4 DO
機能
汎用出力またはメモり出力またはシリアル汎用出力の ON/OFF 制御を行いま
す。
書式
DO
文例
DO
3,1
DO3 を ON します。
解説
汎用出力またはメモリ出力またはシリアル汎用出力の ON/OFF 制御を行いま
す。
<DO または MO または SO 番号>,<出力状態>
(1) DO または MO または SO 番号
汎用出力 0~12(13 点)*またはメモリ出力 100~131(32 点)またはシリア
ル汎用出力 200~215(16 点)のうちの 1 つを指定します。
(2) 出力状態
1 が ON、0 が OFF を意味します。
*SRCP/SRCD シリーズの場合、0~4(5 点)になります。
58
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-10-5 WAIT
機能
指定された汎用入力またはメモり入力またはシリアル汎用入力が指定状態に
なるまで待ちます。
書式
WAIT
文例
WAIT
5,1
DI5 が ON するまで待ちます。
解説
汎用入力またはメモリ入力またはシリアル汎用入力の状態により、タイミング
の調整を行います。
<DI または MI または SI 番号>,<入力状態>
(1) DI または MI または SI 番号
汎用入力 0~15(16 点)*またはメモリ入力 100~147(48 点)またはシリア
ル汎用入力 200~215(16 点)のうちの 1 つを指定します。
(2) 入力状態
1 が ON、0 が OFF を意味します。
*SRCP/SRCD シリーズの場合、0~7(8 点)になります。
59
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-11 パラレルDIOの疑似シリアル化機能
マスタシーケンサからの入力を外部パラレル I/O へ直接出力させる、もしくは外部パラレ
ル I/O 入力をマスタシーケンサへ直接出力させる機能です。この設定を行った I/O ポート
はロボットプログラムから独立してマスタシーケンサより制御することができるので、あた
かも独立したスレーブ局のように扱えます。
機能選択は HPB にて設定し、設定は各 I/O ごとに可能です。SI200~SI212*1の入力が
DO0~DO12*2の出力に対応し、DI0~DI15*3の入力が SO200~SO215*4の出力に対応
します。(SI213~SI215*5に関しては疑似シリアル化は行えません。)
通常
コントローラ
シーケンサ
SI200~215
DI0~15*3
センサ等
シーケンサ
SO200~215
DO0~12*2
チャック等
DeviceNet 側
外部 I/O 側
疑似シリアル化状態
コントローラ
シーケンサ
シーケンサ
SI200~212*1
DI0~15*3
SO200~215*4
DO0~12*2
DeviceNet 側
センサ等
チャック等
外部 I/O 側
具体的には DI1 のみ疑似シリアル化を有効にすると、DI1 の状態が SO201 に出
力されるようになります。この時 DO 文で SO201 の出力は行えなくなります。
DI0,DI2~DI15 と SO200,SO202~SO215 に関しては通常の入出力として使用で
きます。
※パラレル I/O の疑似シリアル化を行った出力ポートに対する DO 文は無効となります。
※パラレル I/O の疑似シリアル化の設定と、原点復帰完了動作選択やサーボ状態出力
選択、アラーム番号出力選択などのパラメータによる機能設定を同時に行わないでくださ
い。正常に機能しなくなります。
*1.SRCP/SRCD シリーズの場合、SI200~SI204 になります。
*2.SRCP/SRCD シリーズの場合、DO0~DO4 になります。
*3.SRCP/SRCD シリーズの場合、DI0~DI7 になります。
*4.SRCP/SRCD シリーズの場合、SO200~SO207 になります。
*5.SRCP/SRCD シリーズの場合、SI205~SI215 になります。
60
第 2 章 DeviceNet ユニット
(SYS)を押します。
1) 初期画面において
[MENU]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1EDIT2OPRT3SYS 4MON

(next)を押してファンクション表
2) 続いて
示を切り替えた後、
(OPT)を押します。

[SYS]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1SAFE2OPT 3UTL 4next
3)
(next)を押してファンクション表示を切
り替えた後、外部パラレル I/O 入力をマスタ
シーケンサへ直接出力させる場合には
(DÆSO)を、マスタシーケンサからの入力を
外部パラレル I/O へ直接出力させる場合に
は
(SÆDO)を押します。


(DÆSO)を選択した場合の画面
4) 3)にて
です。画面左より DI15~DI0 の現在の設定
状態が表示されます。0 は通常状態、1 は疑
似シリアル化に設定されていることを示しま
す。
設定を変更するには、設定したい DI 番号が
表示されたファンクションキーを押します。設
定したい DI 番号が表示されていない場合、
( next ) を 何 回 か 押 す こ と に よ り
DI3~DI15 が選択できるようになります。
[SYS-OPT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1DÆSO2SÆDO3
4next
[SYS-OPT-DÆSO]
DI 00001111 00000000
DIÆSO セツゾク
1DI0 2DI1 3DI2 4next


5) 同様に 3)にて
(SÆDO)を選択した場合
の画面です。画面左より DO12~DO0 の現
在の設定状態が表示されます。0 は通常状
態、1 は疑似シリアル化に設定されているこ
とを示します。
設定を変更するには、設定したい DO 番号
が表示されたファンクションキーを押します。
設定したい DO 番号が表示されていない場
合、
( next ) を 何 回 か 押 す こ と に よ り
DO3~DO12 が選択できるようになります。
[SYS-OPT-SÆDO]
DO
00011 00000000
SIÆDO セツゾク
1DO0 2DO1 3DO2 4next

6)  を押すことにより、画面は 3)に戻りま
す。
[SYS-OPT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1DÆSO2SÆDO3
4next
61
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-12 その他の操作
2-12-1 シリアル入出力の表示
シリアル入出力状態を画面に表示することができます。
1) 初期画面において
(OPRT)を押します。
[MENU]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1EDIT2OPRT3SYS 4MON

(STEP)もしくは、
2) 続いて
を押します。
 (AUTO)
[OPRT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
以下、ステップ運転の画面で説明します。
1ORG 2STEP3AUTO
3)
(next)を 2 回押してファンクション表示
を切り替えた後、(SIO)を押します。
[OPRT-STEP] 100 0: 0
001:MOVA 254,100
[
4) 各シリアル入出力状態を表示し続けます。
上段左より入力 n チャネルの bit15~bit0、入
力 n+1 チャネルの bit15~bit0、出力 m チャ
ネルの bit15~bit0、出力 m+1 チャネルの
bit15~bit0 の状態を示します。
0.00,
0.00]
1MIO 2SIO 3
4next
SI 00000000 00000000
00000000 00000000
SO 00000000 00000000
00000000 00000000
5) 元の画面に戻りたいときは、 を押しま
す。
[OPRT-STEP] 100 0: 0
001:MOVA 254,100
[
62
0.00,
0.00]
1MIO 2SIO 3
4next
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-12-2 汎用出力のマニュアル制御
HPB からシリアル汎用出力をマニュアル制御することができます。
(EDIT)を押します。
1) 初期画面において
[MENU]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1EDIT2OPRT3SYS 4MON
(PNT)を押します。
2) 続いて
[EDIT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
1PGM 2PNT 3UTL

(TCH)もしくは、
3) 続いて
押します。
(DTCH)を
[EDIT-PNT]
メニュー ヲ エランデクダサイ
以下、ティーチングプレイバックの画面で説
明します。
1MDI 2TCH 3DTCH4DEL
4) ロボットの移動中に汎用出力を操作したい
地点に達したら、いったん操作を止め、
(DO)を押します。

[EDIT-PNT-TCH](1) 50
P0
[C
X=0.00
[mm]
0.00,
0.00]
1CHG 2DO
5) 画面に現在の汎用出力の状態が表示され
ます。
(next)を何回か押すことにより、
SO200~SO215 が選択できるようになりま
す。

制御したい SO 番号が表示されたファンクシ
ョンキーを押すと出力の状態が反転します。
6)  を押すことにより、画面は 4)に戻りま
す。
3Y
4next
[EDIT-PNT-TCH](1) 50
SO 200=0 201=0 2O2=0
SO 203=0 204=0 205=0
1S2002S2013S2024next
[EDIT-PNT-TCH](1) 50
P0
X=0.00
[mm]
[
0.00,
0.00]
1CHG 2DO
3Y
4next
※パラレル I/O の疑似シリアル化を行ったポートに対するマニュアル制御は無効です。
63
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-13 エラーメッセージ
DeviceNet システムに関連して以下のエラーメッセージが追加されています。
メッセージ(和文)
エラー番号 メッセージ(英文)
38
原因
対策
64
ネットワーク リンクエラー
net link error
ネットワーク接続に異常が発生したため、強制的に接
続が解除された
ネットワークの異常を解決後、実行再開する
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-14 トラブルシュート
使用中に不具合が生じた場合、下記の要領で適切な処置をしてください。コントローラ取扱説明書の
「トラブルシュート」及び、マスタ局シーケンサ取扱説明書内のトラブルシュートも必ず参照してください。
それらの処置を行っても不具合が解決できない場合は、速やかに当社代理店、または当社までご連絡
ください。
NO.
症状
考えられる原因
点検要領
対策
1 マスタ局シーケンサの 1)DeviceNet ケーブル • DeviceNet ケーブルの未接 • 未接続、誤配線の場合には正しく
回線テスト機能を使用
が正しく結線されて
続、誤配線、断線していない
結線をやり直す。
断線している場合にはケーブル
した時、コントローラが
いない
かどうかを確認する
DeviceNet システムに
交換
正しく接続されているの
をマスタ局シーケンサ
から確認できない。
2 ) DeviceNet ユニット • 「2-5-1 DeviceNetユニットの • DeviceNet ユニットを有効化し、コ
が有効化されておら
有効化」を参照し、DeviceNet
ントローラの電源を再投入する。
ユニットの有効化状態を確認
ず、コントローラから
認識されていない
する
3)MAC ID の設定が間 • 「2-5-3 MAC IDと通信速度の • 「2-5-2 MAC IDと通信速度の設
違っている
確認方法」を参照し、MAC ID
定方法」にしたがってMAC IDを設
を確認する
定し直し、コントローラの電源を再
投入する。
4 )通信速度の設定が • 「2-5-3 MAC IDと通信速度の • 「2-5-2 MAC IDと通信速度の設
間違っている
確認方法」を参照し、通信速
定方法」にしたがって通信速度を
度を確認する
設定し直し、コントローラの電源を
再投入する。
5)コントローラにアラー • HPB を接続し、アラームの発 • コ ン ト ロ ー ラ 取 扱 説 明 書 を 参 照
ムが発生している
生を確認する
し、アラーム別に対策を行なう
• ステータス LED が赤色点灯し
ている
6)DeviceNet ケーブル • DeviceNet ケーブルの配線 • 配線をやり直す
のケーブル長が
状況の確認
DeviceNet の仕様を
満足していない、もし
くは終端抵抗が接続
されていない
7)DeviceNet ケーブル • DeviceNet ケーブルの設置 • 動力線等のノイズ源となり得るも
が動力線等のノイズ
状況の確認
のから離して設置する
源となり得るものに
近接している
8 ) DeviceNet ユニット • DeviceNet ユニットを入れ替 • 正常に戻れば DeviceNet ユニット
の不良
えてみる
交換
(次ページに続く)
65
第 2 章 DeviceNet ユニット
NO.
症状
2 サーボオンしない
考えられる原因
点検要領
対策
1)m チャンネル入力の • m チャンネル入力の bit15 の • サーボオンさせる場合には m チャ
bit15 が OFF 状態で
状態確認
ンネル入力の bit15 を ON にして
非常停止状態となっ
おく
ている
2)HPB や外部パラレル • HPB や外部パラレル I/O 側の • サーボオンさせる場合には HPB
I/O 側で非常停止と
や外部パラレル I/O の非常停止を
非常停止状態の確認
なっている
解除する
3)コントローラにアラー • HPB を接続し、アラームの発 • コ ン ト ロ ー ラ 取 扱 説 明 書 を 参 照
ムが発生している
生を確認する
し、アラーム別に対策を行なう
• ステータス LED が赤色点灯し
ている
3 自動運転中、勝手にプ 1)通信中に DeviceNet • マスタ側シーケンサにおいて • ノイズや配線仕様等に間違いが
システム上でエラー
ログラムが停止する
ネットワークのステータス情
ないか確認し、DeviceNet システ
が発生した
ム上のエラー原因を取り除く
報を監視し、エラーが発生し
ていないか確認する
2)コントローラの不良
• 「2-5-1 DeviceNetユニットの • コントローラ単独でもプログラムが
有効化 」を参照して、
DeviceNet ユニットを無効化
し、コントローラ単独でロボッ
トを動かしてみる
66
停止するようならコントローラ不良
と考え、コントローラ交換
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-15 仕様
2-15-1 ユニット基本仕様
形式
仕様項目
対象コントローラ
適合 DeviceNet 仕様
デバイスタイプ
占有ノード数
MAC ID 設定
通信速度設定
通信データ
DeviceNet 入出力点数
パラレル外部入出力
ネットワーク長
モニタ用 LED
※3)
※1)
DeviceNet ユニット
SRCP/SRCD/ERCX/SRCX/DRCX シリーズコントローラ
Volume 1 Release2.0
Volume 2 Release2.0
Generic Device(デバイス番号 0)
1 ノード
0~63(ボード上のディップスイッチにて設定)
500K/250K/125Kbps(ボード上のディップスイッチにて設定)
Predefined Master/Slave Connection Set: Group 2 Only サーバ
ダイナミックコネクションのサポート(UCMM): なし
Explicit メッセージの分割送信サポート:
あり
汎用入力 16 点
汎用出力 16 点
専用入力 16 点
専用出力 16 点
コントローラのパラレル外部入出力は全点数使用可能
疑似シリアル化機能により、ロボットプログラムに関係なくマスタ局シーケ
ンサより各点毎に制御可能
総延長距離 ※2)
支線長
総支線長
500Kbps
100m
6m 以下
39m 以下
250Kbps
250m
6m 以下
78m 以下
125Kbps
500m
6m 以下
156m 以下
Module、Network
※1)コントローラの I/O 更新間隔は 10ms 毎です。
※2)太ケーブル使用の場合。細ケーブルもしくは混在使用の場合は距離が短くなります。
※3)LED をモニタするにはコントローラの上蓋をはずしておく必要があります。
注)仕様、外観は改良のため予告無く変更する場合があります。
67
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-15-2 DeviceNet仕様
„ 一般データ
適合 DeviceNet 仕様
ベンダ名
デバイスタイプ
プロダクトコード
製品リビジョン
Volume 1 Release2.0
Volume 2 Release2.0
YAMAHA MOTOR CO.,LTD.(ベンダ ID 636)
Generic Device(デバイス番号 0)
1
1.1
„ フィジカルコンフォーマンスデータ
ネットワーク消費電流
コネクタタイプ
物理層の絶縁の有無
サポート LED
MAC ID の設定
デフォルト MAC ID
伝送ボーレートの設定
サポート伝送ボーレート
22mA@DC11V
オープンプラグ
あり
Module、Network
ディップスイッチ
1
ディップスイッチ
125Kbps、250Kbps、500Kbps
„ 通信データ
Predefined Master/Slave
Group 2 Only サーバ
Connection Set
ダイナミックコネクションのサ
なし
ポート(UCMM)
Explicit メッセージの分割送
あり
信サポート
68
第 2 章 DeviceNet ユニット
„ オブジェクトの実装
●Identityオブジェクト(0x01)
オブジェクトクラス
アトリビュート
サービス
未サポート
未サポート
オブジェクトインスタンス
アトリビュート
サービス
ID
1
2
3
4
5
6
7
8
内容
Vender
Product type
Product code
Revision
Status (bits supported)
Serial number
Product name
State
Configuration Consistency
9
Value
10 Heartbeat Interval
DeviceNet サービス
05H Reset
0EH Get_Attribute_Single
Get
○
○
○
○
○
○
○
×
Set
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
値
636
0
1
1.1
bit0 のみ
ユニットごと
YAMAHA ROBOT
×
×
パラメータオプション
なし
なし
●Message Routerオブジェクト(0x02)
オブジェクトクラス
アトリビュート
サービス
未サポート
未サポート
オブジェクトインスタンス
アトリビュート
サービス
未サポート
未サポート
ベンダ固有仕様の追加
なし
69
第 2 章 DeviceNet ユニット
●DeviceNetオブジェクト(0x03)
オブジェクトクラス
アトリビュート
サービス
ID 内容
1 Revision
DeviceNet サービス
0EH Get_Attribute_Single
Get Set 値
○
× 02H
パラメータオプション
なし
オブジェクトインスタンス
アトリビュート
サービス
ID 内容
1 MAC ID
2 Baud rate
3 BOI
4 Bus-off counter
5 Allocation information
6 MAC ID switch changed
7 Baud rate switch changed
8 MAC ID switch value
9 Baud rate switch value
DeviceNet サービス
0EH Get_Attribute_Single
Allocate_Master/Slave_
4BH
Connection_Set
Release_Master/Slave_
4CH
Connection_Set
Get Set 値
○
×
○
×
○
× 00H
×
×
○
×
×
×
×
×
×
×
×
×
パラメータオプション
なし
なし
なし
●Assemblyオブジェクト(0x04)
オブジェクトクラス
アトリビュート
サービス
未サポート
未サポート
オブジェクトインスタンス
内容
セクション
アトリビュート
サービス
70
Instance Type
ID 内容
1 Number of Members in List
2 Member List
3 Data
DeviceNet サービス
0EH Get_Attribute_Single
値
Static I/O
最大インスタンス数:1
Get Set 値
×
×
×
×
○
×
パラメータオプション
なし
第 2 章 DeviceNet ユニット
●Connectionオブジェクト(0x05)
オブジェクトクラス
アトリビュート
未サポート
サービス
未サポート
最大可能アクティ
1
ブコネクション数
オブジェクトインスタンス 1
内容
Instance Type
セクション
アトリビュート
サービス
Production Trigger
Transport Type
Transport Class
ID 内容
1 State
2 Instance type
3 Transport class trigger
4 Produced connection ID
5 Consumed connection ID
6 Initial comm. Characteristics
7 Produced connection size
8 Consumed connection size
9 Expected packet rate
12 Watchdog time-out action
Produced connection path
13
length
14 Produced connection path
Consumed connection path
15
length
16 Consumed connection path
17 Production inhibit time
DeviceNet サービス
05H Reset
0EH Get_Attribute_Single
10H Set_Attribute_Single
値
Explicit Message
最大インスタンス数:1
Cyclic
Server
3
Get Set 値
○
×
○
× 00H
○
× 83H
○
×
○
×
○
× 21H
○
× 11H
○
× 11H
○
○
○
○ 01 もしくは 03
○
×
○
×
○
×
00
00
○
×
○
× 00
パラメータオプション
なし
なし
なし
71
第 2 章 DeviceNet ユニット
オブジェクトインスタンス 2
内容
Instance Type
セクション
アトリビュート
サービス
72
Production Trigger
Transport Type
Transport Class
ID 内容
1 State
2 Instance type
3 Transport class trigger
4 Produced connection ID
5 Consumed connection ID
6 Initial comm. Characteristics
7 Produced connection size
8 Consumed connection size
9 Expected packet rate
12 Watchdog time-out action
Produced connection path
13
length
14 Produced connection path
Consumed connection path
15
length
16 Consumed connection path
17 Production inhibit time
DeviceNet サービス
05H Reset
0EH Get_Attribute_Single
10H Set_Attribute_Single
値
Polled I/O
最大インスタンス数:1
Cyclic
Server
2
Get Set 値
○
×
○
× 01H
○
× 82H
○
×
○
×
○
× 01H
○
× 4
○
× 4
○
○
○
× 00
○
×
6
○
×
20_04_24_01_30_03
○
×
6
○
× 20_04_24_01_30_03
○
× 00
パラメータオプション
なし
なし
なし
第 2 章 DeviceNet ユニット
オブジェクトインスタンス 3
内容
Instance Type
セクション
アトリビュート
サービス
Production Trigger
Transport Type
Transport Class
ID 内容
1 State
2 Instance type
3 Transport class trigger
4 Produced connection ID
5 Consumed connection ID
6 Initial comm. Characteristics
7 Produced connection size
8 Consumed connection size
9 Expected packet rate
12 Watchdog time-out action
Produced connection path
13
length
14 Produced connection path
Consumed connection path
15
length
16 Consumed connection path
17 Production inhibit time
DeviceNet サービス
05H Reset
0EH Get_Attribute_Single
10H Set_Attribute_Single
値
Bit Strobed I/O
最大インスタンス数:1
Cyclic
Server
2
Get Set 値
○
×
○
× 01H
○
× 82H
○
×
○
×
○
× 01H
○
× 4
○
× 8
○
○
○
× 00
○
×
6
○
×
20_04_24_01_30_03
○
×
6
○
× 20_04_24_01_30_03
○
× 00
パラメータオプション
なし
なし
なし
73
第 2 章 DeviceNet ユニット
2-16 補足
2-16-1 EDSファイル
EDS ファイルの 1 例を参考までに記載します。
$ DeviceNet Configurator Generated Electronic Data Sheet
[File]
DescText
CreateDate
CreateTime
Revision
= "YAMAHA ROBOT EDS File";
= 09-19-2000;
= 12:00:00;
= 1.0;
[Device]
VendCode = 636;
ProdType = 0;
ProdCode = 1;
MajRev
= 1;
MinRev
= 1;
VendName = "YAMAHA MOTOR CO., LTD.";
ProdTypeStr = "Generic Device";
ProdName = "YAMAHA ROBOT";
Catalog
= "";
[IO_Info]
Default
74
$ File Description Text
$ File Creation Date
$ File Creation Time
$ EDS Revision
$ Vendor Code
$ Product Type
$ Product Code
$ Major Revision
$ Minor Revision
= 0x0001;
$ Default I/O Type = Poll
PollInfo
= 0x0001,
1,
1;
$ Poll Connection
$ Default Input = Input1
$ Default Output = Output1
Input1
= 4,
0,
0x0001,
"",
6,
"20 04 24 01 30 03",
"";
$ Data Size = 4 byte
$ All bits are significant
$ Poll Connection
$ Name String
$ Path Size
$ Path
$ Help String
Output1
= 4,
0,
0x0001,
"",
6,
"20 04 24 01 30 03",
"";
$ Data Size = 4 byte
$ All bits are significant
$ Poll Connection
$ Name String
$ Path Size
$ Path
$ Help String
サービス依頼票
発行 年 月 日
会社名
お客様
ヤマハ発動機(株)
サービス依頼票
I M事業部
ロボットサービス
ご担当
ご住所
TEL
担当: 宛
053-460-6169
FAX
053-460-6811
代理店様
TEL
FAX
会社名
ご担当
TEL
FAX
依頼内容
□ クレーム対応
□ 電話して欲しい
□ 有償修理
□ 出張して欲しい
□ 定期点検
□ 不具合品を送るので修理して欲しい
□ 修理前見積り
□ その他 ……………………………………………
製 品
ロボット本体
シリアル番号 K
………………………………………
コントローラ
シリアル番号
………………………………………
ロボット型式
………………………………………
コントローラ型式
………………………………………
エラーメッセージもしくは不具合の症状:
…………………………………………………………………………………………………………………………
エラー発生のタイミング: 1. 電源投入直後
不具合内容
エラー発生の頻度:
2. 動作中ランダムに
3. 動作中ある程度決まった位置で
1. 毎回
2. 2∼4時間に一度
3. 4時間から24時間に一度
4. 1日に一度
5. それ以上
その他情報:
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
特記事項
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………
改訂履歴
改訂日付
2009年1 0月 Ver.3.00
改訂内容
I/O 割付機能の追加、I/O 専用命令実行時の END 出力タイミングのカス
タマイズ機能の追加、誤記修正、他
2011年 5月 Ver.3.01 「第 1 章 1-6 保証」の内容変更
取扱説明書
SRCD/SRCP
ERCX/SRCX/DRCX
1軸、2軸
ロボットコントローラ
DeviceNet
ネットワークボード
2011年5月
Version 3.01
©ヤマハ発動機株式会社
IM事業部
本書の内容の一部もしくは、全てを無断で複写・
転写することを禁じます。
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