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資料 - 広島県

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資料 - 広島県
平成25
平成25年度広島県学校体育
25年度広島県学校体育スポーツ
年度広島県学校体育スポーツ研修
スポーツ研修 「器械運動系の
器械運動系の指導法」
指導法」資料
平成 25.8.21
桐蔭横浜大学・松本格之祐
Ⅰ.本日の
本日の実技講習の
実技講習の概要
器械運動の指導についての研修講座ですが、具体的な器械運動の種目・技の指導の前に、基礎的な
感覚・基本的な動きの学習から始めることによって体を耕しておくことが重要だと考えています。そ
の意味で、前回の学習指導要領まで示されていた「基本の運動」の考え方が大切でした。今回の学習
指導要領では「体つくり運動・多様な動きをつくる運動(遊び)」がそれに当たりますが、同時に「器
械・器具を使った運動遊び」も示されましたので「基本の運動」の考え方は薄れていくと思われます。
それも含めて、実技講習の合間に、私の考え方についてお話をさせていただくことになります。
暑い夏です。熱中症やケガ等、体調に配慮しながらご参加下さい。
1.集合ゲーム
集合ゲーム
同じ広島県ですが、多様な地域からお集まりの先生方です。今日一日で仲間を増やして下さい。長
い目で見ると、情報交換ができる仲間を増やすことは指導技術の獲得より重要なのかもしれません。
準備運動を兼ねていくつかの運動にメンバーを変えながら取り組んでいただきます。
低学年の体つくり運動です。 2人組 →
3人組 →
4人(次の折り返しの運動へ)
2.器械運動につながる
器械運動につながる運動
につながる運動とその
運動とその指導
とその指導
◇折り返しの運動 →
関所ジャンケン
「スキップ、手足走り、うさぎとび、手押し車」等
「折り返しの運動」は特定の運動ではなく短時間に多様な運動を繰り返し経験できる運動の取り上
げ方です。取り上げる運動の多様さ、多様な観点からの評価(運動の正確さやリズムの良さ、動きの
大きさ、スピード。ルールの遵守、並び方、姿勢等)によって意欲を維持しながら継続して取り上げ、
子どもたちの動きや取り組む態度の定着をはかるようにします。
動きの正確さ→競争
◇よじのぼりジャンケン
関所ジャンケンのグループで実施します。
よじのぼり(壁登り)逆立ちのやり方を確認し、ジャンケンゲームに進みます。
3.マット運動
マット運動の
運動の内容とその
内容とその指導
とその指導
◇結果として「逆上がり」につながる運動
「ゆりかご」
ゆりかご」
前後にゆれる運動で、マット運動の基礎と位置づけられます。
「アンテナ(
アンテナ(背支持倒立)」
背支持倒立)」
逆さになって腰を高い位置にもっていくことで、逆上がりの前半の
動き・姿勢に慣れることができます。また、腰が上がらないと後転の実施は難しいと言えます。
「後転」
後転」
後方に回転する運動としては逆上がりと兄弟の運動に位置づけることができます。
◇側方倒立回転
低学年の「川わたり」での「足の入れ替え」から。ポイントは「視線」と「靴の向き」です。
~歩きから、助走から、ロンダート、前ひねり~
補助的な場作りとしての「4つの場」
講習で使用する別紙プリント参照
◇
-1-
開脚とびにつながる馬とび
「馬の作り方」
安定した馬、高さの違う馬
「馬とび板
第 1 局面・第 2 局面の大きな馬とび
とび板かぞえ」
かぞえ」
4.跳び運動の
運動の内容とその
内容とその指導
とその指導
◇
台
◇ 上前転
◇高いとこ
ろへの前転
腰高の姿勢、視線の変
化(前方→お腹)
5.鉄棒運動の
鉄棒運動の内容とその
内容とその指導
とその指導
鉄棒の数が限られています。主に知識・理解の学習とご理解下さい。
・逆上がり、腕立て後転、腕立て前転、だるま回り
ゆっくりとした前回り下りから
・逆上がり
「ゆっくりとした前回り下り」
「
ふとんほしへの取り組み」
「逆上がり」
ふとんほし(腰掛け下がり)
補助での両手離し(手たたき)、隣とジャンケン遊び
→
・マットの「後転」の指導から
補助逆上がり、易しい場での逆上がり
・10 秒間逆上がり
・
「だるま回り」
場で(脇閉め)、ふとんほしで、ゆれて、補助での起き上がり
・ゆっくりと補助回転、足の振り(ぶらんこ)を使って、腕立て支持から
・前回り、後ろ回り、交差、片足、両手離し、ミックス
・その
1
・支持をする運動
※器械運動全般に
器械運動全般に共通すること
共通すること
( )動き
(2)指導
・回転をする運動
=必要な力の入れ方がわかる)
・基礎感覚づくり(動きに慣れる
支持、逆さ、支持回転、揺れる、前後への転がる回転、側方への支持回転
・やさしい条件での取り組み
場作り、課題設定、補助
-2-
Ⅱ.器械運動の
器械運動の指導や
指導や授業づくりで
授業づくりで考
づくりで考えておきたいこと
1.内発的動機づけ
内発的動機づけにするために
内発的に動機づけられて」と言われたことがあるが、内発的動機づけはそ
運動への取り組みは、「
う容易く生まれない。
どうやったら外発的から内発的になる?
Intrinsic Motivation
Extrinsic
Motivation
応えを感じるためには、
そう思えるような身体・感覚の耕しが必要!(体つくり運動との関連)
「できそうだ!」という手応えが最も重要
そういう手
簡単に言うけれど
・多様なできると多様なできないが存在する現実
2.個に応じた指導
じた指導と
?
・めあて学習の隆盛時に「個に応じた授業」(5 年生・跳び箱運動)を参観した
個に応じた指導 = 多様な課題 = 課題(技)は個別(Max 生徒数だけ課題)
基礎的な動き・感覚づくりのための共通学習が必要だろう
そもそも、「できる・できない」の基準はどこ
そこで、Family の考え方
マットー
跳び箱ー
鉄棒 ー
ろ
腕支持回転 等
切り返し系、回転(接点)系、支持回転(翻転)系
後方支持回転系、前方支持回転系 等
前転がり、後 転がり、
等
3.系統的・
系統的・段階的な
段階的な学びを大切に
能 → 予備的技 → 目標技 → 組み合わせ
※ただし「目標技」に対する基礎技能・予備的技という位置づけでいいか?!
基礎技
4.学習の
学習の場の工夫
ー学習
者の技能に合った場の工夫ー
用具の準備・場づくりだけでなく、技の難易度と学習者の技能の適切さの関係も重要
5.安全への
安全への配慮
への配慮
育嫌い同盟」では・・・・ ~跳び箱、マット、鉄棒、器械運動~
※よく行われている運動がその対象にもなっている(ベスト 10)
※問題は、その理由 「できない!!」
6.そもそも器械運動
そもそも器械運動の
実態は?
器械運動の実態は
・「体
ある県の全県調査から
・
教員
6 年生
段・開脚とび
68.7%(5.5%)
35.2%(2.3%)
前転・立ち上がり
55.6%(8.2%)
37.1%(1.6%)
後転・立ち上がり
16.6%(2.6%)
壁倒立・5
秒
33.3%(8.2%)
35.5%(18.1%)
4.6%(11.7%)
膝掛け上がり
45.0%(4.2%)
18.9%(4.6%)
30.9%(26.6%)
7.8%(3.9%)
4
逆上がり
-3-
資料:
資料:器械運動領域に
器械運動領域に関する新旧
する新旧の
新旧の学習指導要領
学習指導要領・
要領・解説の
解説の比較(
比較(小学校)
小学校)
一昨年 4 月から小学校では新しい要領での教育が全面実施になりました。ここで、今一度、以前の
学習指導要領と今回のそれを比較し、その違いを確認しておきたいと思います。
1.私の考える「器械運動の教育的価値」
要領に示された目標ではなく私が考えている器械運動の教育的価値については以下のようです。
1)技能の伸び・技の達成を通して,やればできるんだ!という自分への自信(有能感)を持つこと
ができる
「技能向上の保障」
2)技能の伸び・技の達成に向けて,運動のポイントを考えながら取り組むことができる
「運動と学習方法への知識・理解」
3)個人や集団のめあての達成に向けて,仲間と協力して学習を進めることができる
「認知学習を基盤にした相互学習」
4)回転や逆さの感覚といった身体支配能力を高めることができる
「運動技能、体力」
2.具体的になった器械運動の内容
1)小学校学習指導要領の
小学校学習指導要領の新旧の
新旧の対比
※改訂前
現行
①低学年
・2領域(基本の運動(6 つの内容)、ゲーム)から 6 領域へ
・基本の運動の1内容(器械・器具を使った運動)から 1 領域(器械・器具の運動遊び)
・具体記述無し
マット 転がり、腕支持、支持での回転
鉄棒
上がり下り、ぶら下がり、易しい回転
跳び箱 跳び乗り・跳び下り、手を着いてまたぎ乗り・跳び乗り
②中学年
・4 年生からの領域
・マット・鉄棒
・跳び箱
3 年生からの領域
できる技の繰り返し・組み合わせ
マット
基本的な回転技・倒立技
鉄棒
基本的な上がり技、支持回転技、下り技
支持跳び越し
基本的な支持跳び越し技
③高学年
・新しい技に取り組んだり、その技を繰り返したり組み合わせたりすること
マット
安定した基本的な回転技・倒立技とその発展技
繰り返したり、組み合わせたりすること
鉄棒
安定した基本的な上がり技、支持回転技、下り技
繰り返したり、組み合わせたりすること
・跳び箱
安定した動作での支持跳び越し
安定した基本的な支持跳び越し技とその発展
-4-
2)学習指導要領・
学習指導要領・解説
学習指導要領と同様、改訂された解説の内容の方が詳しく示されています。新しい解説の中から器
械運動に関連した部分を取り上げてみます。
・器械運動と
器械運動と関連の
関連の深い動きを、
きを、意図的に
意図的に取り組ませ、
ませ、基礎となる
基礎となる感覚
けさせることが大切
となる感覚を
感覚を身に付けさせることが大切
であること
低学年での指導内容あるいは中・高学年での準備段階・準備運動で、今まで以上に各々の技に関連した感覚づく
りの運動や動きの慣れを意図した運動を積極的に取り上げることになろう。
これまでにも意識的に上記のような指導をする先生方も多々おられた。今後、基礎的・基本的な運動が一般的に
指導されるようになることで、とりわけ技能レベルの低い子どもの技能向上を望むことができる。
・低学年での
低学年での指導内容
での指導内容 ※( )内の技は改訂前の要領にも例示されていたもの
マット 背支持倒立、支持での川跳び (ゆりかご、前後への転がり、壁登り逆立ち)
鉄棒 片膝をかけての振動、腹をかけてのぶら下がり、前後への足抜き回り
(ぶら下がり振り、支持して跳び上がり・跳び下り、足抜き回り)
跳び箱 踏み越し跳び、馬跳び、タイヤ跳び
(またぎ乗り・またぎ下り、跳び上がり・跳び下り、低い跳び箱での横跳び越し)
・中学年での
中学年での指導内容
での指導内容
マット 前転の発展(大きな前転)、壁倒立(発展:補助倒立、ブリッジ)
(前転、後転、開脚前転、開脚後転、腕立て横跳び越し、側方倒立回転、首倒立、頭倒立、壁倒立、バ
ランスやジャンプを加えた技の組み合わせ)
鉄棒 基本的な技と発展技に分けて例示 「補助逆上がり→逆上がり」「かかえ込み回り→前方支持回転、
後方支持回転」「後方片膝かけ回転→前方片膝かけ回転」「両膝かけ倒立下り→両膝掛け振動下り」
(選択肢としての例示:膝掛け上がり・逆上がり、かかえ込み回り(前・後)・後方支 持回転・
片膝かけ回転、転向前下り・踏み越し下り、できる技の組み合わせ)
跳び箱 大きな開脚跳び、大きな台上前転 (開脚跳び、かかえ込み跳び、台上前転)
・高学年での
高学年での指導内容
での指導内容
マット 前転の連続、大きな前転、後転の連続、開脚後転→伸膝後転、補助倒立→倒立、ブリッジ→倒立ブリッ
ジ
(跳び前転、倒立前転、開脚後転、伸膝後転、側方倒立回転、ロンダート、頭倒立、補助倒立、でき
る技を選び、それらにバランスやジャンプを加えた組み合わせ)
鉄棒 安定した補助逆上がり、逆上がり 安定した○○
(中学年の例示に加えて:ももかけ上がり、前方支持回転、片膝かけ回転(前方、後方)、両膝掛け
振動下り、できる技の組み合わせ)
跳び箱 安定した○○→大きな○○ 大きな台上前転(助走、腰角度の開き、膝伸ばし)→はね跳び
(中学年の例示に加えて:台上前転の発展技(首はね跳び、頭はね跳び))
-5-
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