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Title 副睾丸のAdenomatoidTumorの2例とその組織発生につい ての

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Title 副睾丸のAdenomatoidTumorの2例とその組織発生につい ての
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副睾丸のAdenomatoidTumorの2例とその組織発生につい
ての検討
酒徳, 治三郎; 高橋, 陽一
泌尿器科紀要 (1962), 8(1): 48-55
1962-01
http://hdl.handle.net/2433/112245
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
48
秘 尿紀 要8巷1圏
、 昭 和37年1月
副 睾 丸 のAdenomatoidTumorの2例
と
そ の 組 織 発 生 につ い て の 検 討
京都大学 医学部泌尿器科教室(主 任 稲 田 務教授)
TWO
CASES
OF
講
師
酒
助
手
高
ADENOMATOID
WITH A DISCUSSION
徳
治
橋
三
陽
郎
一
TUMOR
OF THE
ABOUT THE HISTOGENESIS
EPIDIDYMIS
OF THIS TUMOR
Jisaburo SAKATOKU
and Yoichi TAKAHASHI
From the Departmentof Urology,Faculty of Medicine,.KyotoUniversity
(Director Prof. T. Inada M. D.)
This paper presents 2 additional cases of adenomatoidtumor.
In the first case the tumor occured in the surrounding tissue of the ductuli efferentes.
Histogenesi.sof the tumor was discussed. Histopathologyof the tumor was studied with
reference to that of so-calledGiralde's body and the possibility of mesonephricorigin in this
tumor was emphasized.
Longoeta1(1951)1)に
atoidtumorは
よれ ば,Adenom-
全 副 睾 丸 腫 瘍 中53%を
症
副 睾 丸 腫 瘍 中 で は 最 も し ぱ しば 見 られ る も の で
あ る.我 国 で は,紙 上 発 表 例 は わ つ か に7例
る が(Table1,)欧
tumor全
であ
米 で は す で にAdenomatoid
体 と し て150例
第1例.M.M.,35才,男
程 であ
る.
子.
初 診=昭 和33年2月25日.
主訴:左 陰嚢 内腫 瘤.
家族 歴=結 核(什),既
近 く報 告 が あ り,
そ の 中 副 睾 丸 に 発 生 した もの は 約80例
例
占 め,
現病 歴=約6ヵ
往 歴=34才
の時 左 肺 浸潤.
月前 に左 陰 嚢 内 に硬 い無 痛 性 腫瘤 の
存 す る のに きつ いた.増 大 せ ず 放 置 して いた が,15日
前 よ り時 々左陰 藝 内 に牽 引痛 が あ り来 院す.
本 腫 瘍 は 組 織 学 的 に 特 異 な 像 を 呈 し,し
か も
入院 時所 見;体 格栄 養 ともに 良 好.左 陰 嚢 内は 副睾
そ の 組 織 発 生 が 全 く不 明 で あ る 点 が 諸 家 の 注 口
丸頭 部 が 指頭 大,弾 性 硬 に触 れ る以 外 異常 な し.そ の
を 引 き,主
他 の体 部 に 異常 を 認 めず
と し て こ の 点 に つ い て多 く の 仮 説 や
議 論 を 呼 ん だ も の で あ る.従
つ て本 腫 瘍 に 対
し,Dixon&Moore(1952)2)が
如 く,夫
手 術 時 及 び 肉眼 所 見:副 睾 丸 の頭 部 と寒 丸 の移 行部
々 の 立 場 か ら種 々 な 名 称 が 附 さ れ て 来
に,こ れ等 と密 接 した碗 豆 大,灰 白 色,弾 性 硬,表 面
た の で あ る が,現
(1945)3)の
平 滑,球 状 の腫 瘤 を 認 め 除睾 術 を 行 っ た.腫 瘤 割 面は
在 で は,Golden&Ash
用 い たAdenomatoidtumorな
る
最 近 我 々 は,副
主 訴=右 陰嚢 内無 痛 性 腫瘤.
,
本 腫瘍 の組 織 発生 につ い て い さ さか 検討 を加 え
る.
子.
初 診:昭 和35年9月16日.
睾 丸 のAdenomatoidtum_
経 験 した の で こ れ を 報 告 す る と 共 に
実 質 性,灰 白色 で,少 量 の漿 液 を圧 出 し得 た.
第2例.H.M.,40才,男
語 が 最 も広 く用 い られ て い る.
orを2例
術 前 診 断=左 副 睾 丸結 核.
挙げている
家 族 歴,既 往 歴=特 記 すべ き もの な し。
現 病 歴=数
カ月前 ・右 陰雍 内 の硬 い 無 痛性 腫 瘤 の 存
在 に きつ い た ・腫 瘤 は増 大す る様 に は 思、
わ}Lな い .
酒徳
高 橋 一 副 聖 丸 のAdenomatoidTumorの2例
49
とそ の組 織 発生 につ い て の検討
とな り更 に管 腔 に癒 合 してい く過 程 が 見 られ る.第1
入 院時 所 見:体 格 栄養 と もに 良好.右 副 睾 丸尾 部 に
接 し碗豆 大,球 状,表 面 平 滑,弾 性 硬 に触 れ る腫 瘤 あ
例 よ りも第2例 の方 が空 胞 化 傾 向強 く管腔 も大 で上 皮
り.そ の 他 の体 部 に異 常 な し.
様 細 胞 は一 見 内 皮様 に 見 え る部 分が 多 い.間 質 は線 維
性 結 合織 の他,少 量 な が ら滑 平 筋 を見,所 々に リン パ
術 前 診 断;右 副 睾丸 嚢 腫 の疑.
球 の 浸 潤 があ る.
手 術 時 及 び 肉限所 見=副 睾丸 尾 部に 密接 し 碗 豆 大
(12×8×8mm),球
状,灰 白 色,平 面平 滑,弾
腫 瘍 は 明 らか に漿 膜 の被 覆 を 有 し睾 丸 とは 線維 性 結
性硬な
腫 瘤 あ り.腫 瘤 を 含め て 副睾 丸摘 除術 を 行つ た.腫 瘤
合 織 及 びMediastinumtestisで
割 面 は実 質性 均 等,黄 白色,少 量 の漿 液 を 圧 出 し 得
副睾 丸 とは,そ の間 質 中 に腫 瘍組 織 が侵 入 し直接 連 続
た.
を示 して いた(Fig.1∼8).
第1.2例
の組織 所 見:第1例,第2例
明 らか に 区 別 され,
組 織 診断:典 型 的 なAdenomatoidtumor.
と も本 質的
に は 同 じ組織 所 見 を示 して いた.腺 様 構 造 の部 分 と,
按
考
主 に繊 維 性 結合 織 よ りな る間質 と よ り構 成 さ れ て い
Adenomatoidtumorの
る.前者 は 主 に立 方状,所 に よ り扁 平状 を 示す 上 皮 様 の
一般 的 事 項 に つ い
細 胞 よ りな り管 腔 は不 規 則 多形 性 で あ る.細 胞 質 は好
て は,本
邦 に於 い て も既 に 南
酸 性均 質,核 は 中等 大円 形 均一 で 明 か な核 膜 及び繊 細
平 田
均 質 な ク ロマ チ ソを 有 し,大 低 中央 に1ケ の核 仁 が あ
述 べ て い る の で,詳
る.特 徴的 な事 は細 胞 の空 胞化 傾 向で あ る.境 界 鮮 明
報 告 例 及Adenomatoidtumorの
な大 小 の空 胞 が殆 ん どの上 皮 様細 胞 に あ り,而 も これ
を 次 に 表 示 す る(Table1及
他(昭.33)5).百
瀬
他(昭.31)4)・
・他(昭.34)6).が
し く は 触 れ な い が,我
国 の
一 般 的 特徴
びTable2)
等 が 癒合 して大 き くな り細 胞質 は 索状 に つ なが る状態
Table1.我
報 告 者 発表時期 年 令
坂
1
口7}
中
2
村8)
'野
太 正6
原
置
主
訴
処
置
術前診断
組 織
診 断
腫 瘤
副睾丸摘除
20×15×23
?
〃
腫溜摘 除
23×15×7
副睾丸腫瘍
Lymphangioma
?
副睾丸結核
Lymphangioma
昭 和14
37
頭∼体
(R)
〃24
37
尾(R)
睾丸痛
除
〃25
38
頭(L)
腫 瘤
副睾 丸摘除
田1ω
報 告例
大 ぎさ
尾(?)
註
4
位
32
間9〕
3
国 に 於 け る 副 睾 丸 のAdenomatoidtumorの
睾
8×6×4
Adenomyoma
〃
結核
上皮性腫瘍
Adenomatoidt.
5
南
〃31
47
尾(R)
〃
?
10×8×7
〃
腫瘍
6
南
〃31
29
尾(R)
〃
副睾丸摘除
25×18×15
〃
結核
〃
腫溜摘 除
碗 豆 大
〃
腫瘍
〃
碗 豆 大
〃
結核
〃
〃
嚢腫
〃
ク
百
瀬
〃34
50
頭(L)
〃
8
著 者
〃36
35
頭(L)
〃
除
9
著 者
〃36
40
尾(R)
〃
副睾丸摘除
註.南
等 はAdenomatoidtumorilこ
Table2.CharasteristicsoftheAdenomatoidtumor
睾
12×8×8
い れ て い な い が 九 州 大 学 泌 尿 器 科 に 問 合 せ た 結 果 本 腫 瘍 に 算 入 し た.
4.Microscopiccharacteristics:
91andlikestructure
∫
1inedwithfiat,cuboidalor
1.Incidence:17casesper800,000maleadmissionattheMayoclinic(occuredinthe
epididymis)
Iowcolumnarcells,
vacuolation,
∼
irregularspaces
2.Distribution=Distributionbyfoundonly
alongthegenitaltract.
3.Macroscopiccharacteristics
painless,single,firm,round∼ovoid,
1∼3cmindiameter,
stroma
fibrousconnectivetissue
{
smoothmusclefibers
Iymphaticin丘ltration
5.Prognosis:good.
50
酒徳
高 橋 一 副 睾 丸 のAdenornatoidTumorの2例
な ほAdenomatoidtumorを
組 織 学 的 に空
とそ の組織 発 生 につ い て の検 討
VI.MUIlerianongln
胞 化 の程 度 及 び それ に関 係 して管 膣 の広 さか ら
Leach(1950)29)
便 宜 的 に 次 の 様 に 分 類 す る.
Sundarasivarao(1953)3ω
typeIsolidcellcordtype
Jackson(1958)31)
typeIIcellcordswithslightvacuo1-
Vそ
ation
typeIIItubulartype
Adenomatoidtumorはgenitaltractに
typeIVangiomatoidtype
限 局 し て 発 生 し,特
各 型 の 間 に 順 次 移 行 型 が あ る わ け で,こ
た 分 類 に 特 別 の 意 義 は な い が,実
とtypeIVと
第2例
と もtypeIIIに
う し
際 上typeI
で は 一 見 し た と こ ろ,質
の で な い に し ろ 相 当 の 差 異 が あ る,我
は 第1,2例
の他
Falk&Konwaler(1951)s2)
的 な も
が 多 い.発
に 副 睾 丸,子
Table3.
Distributionofreportedcasesof
々の症 例
Ade皿omatoidtumor.
入 るで あ ろ うが
Epididymis
組 織 発 生 に つい て
従 来 提 唱 され て来 た 主 な説 とそ の支 持者 を挙 げ
れ ば 次 の 通 り で あ る.
1.Endothelialorigin
Jackson
Leeeta1
組 織発 生 に つ い て
の 検討 〕
Adenomatoidtumorの
示 す 通
り で あ る.
の 方 が 空 胞 化 の 程 度 は 強 い.
〔Adenomatoidtumorの
宮 後 面 の 報 告
生 場 所 の 分 布 はTable3に
18
67
Testis
2
12
Fallopiantube
2
13
12
16
1
1
UterUS
Ovary
Leighton(1912)11)
Rigano-Irrera(1925)la〕
1
Tota1
109
35
Marcandier&Thomas(1930)13)
Nicod(1934)14)
Endothelialorigin説
Scalfi(1936)14)
説 明 が 出 来 な い し,好
Halpert(1941)16)
内 容 等 の 点 で も 重 大 な 難 点 が あ り,本
Malisoff&Helpern(1943)17)
に 歴 史 的 な も の と な り つ つ あ る.
Morehead(1946)18)
II.Mesothelialorigin
で は こ の特 殊 分 布 の
発 年 令,細
Mesothelialorigin説
rose,Leeeta1等
所 見 に よ り 支 持 さ れ た が,同
明 出 来 な い し,胸
Fajers(1949)別)
も 一 致 し な い 点 が 多 い.又Jacksonの
Leeeta1(1950)22》
る 様 に,も
Sakaguchi(1916)
しMesothelialorigin説
指摘す
が正 しい
常 にend-
明 らか に 健 常 な 漿 膜 で 覆 わ れ て い る
の は確 か に珍 しい現 象 といわ な くて は な ら な
Blumer&Edwards(1941)・'`o
い.著
Codnere&Flynn(1946)2s)
所 見 は 見 出 せ な か つ た.
Falconer(1947)20)
様 に 特 殊 分 布 を説
膜腹 膜 の 腫 瘍 と比較 して み て
と す れ ば,Adenomatoidtumorが
ophyticで
説はすで
はEvans33),Amb-
Evans(1943)20)
IILMesonephricorigin
腔
の漿 膜 と腫 瘍 との 直 接 連 続
Massonetal(1942)19)
Ambrose(1953)23)
胞 形 態,管
者 の 症 例 で は,漿
膜 との 関連 を 思 わ せ る
AdenomatoidtumorのM丘11erianorig11
Ragins&Crane(1948)27)
説 ・ 或 はWo1伍anorigin説
Longoeta1(1951)
べ られ て い た が ・ 特 に 最 近 は ・ 報 告 例 が 増 す に
Teilu皿(1954)2s)
従 い腫 瘍 の分 布 が 明 らか とな り・ これ 等胎 生期
は,古
くよ り述
酒 徳 ・高 橋 一 副 睾 丸 のAdenomatQidTumorの2例
とそ の組織 発 生 に つ い ての 検 討
51
組 織 と 関 係 づ け る 人 が 多 く な つ て い る.本
腫
に 由 来 す る 事 が,胎
瘍 の 分 布 の 上 か ら はWolthansystemよ
り
織,つ
ま り精 管 と 交 通 を 有 す るGiralde's
bodyと
考 え ら れ る組 織 を 得 た の で,こ
もMUIIerianductの
経過 に沿 う と の 記 載
が 多 く,Jacksonに
よ れ ば,Wo1伍anductの
残 遺 で あ るGartner氏
tubuleの
生学 的 に 明 らか な 残 遺 組
Adenomatoidtumorを
管 や,Mesonephric
女 性 器 官 で あ るEpoophoron
Giralde'sbodyと
,及
び
考 え られ る 腫 瘤 は23才 男
子 の 右 側 ソ径 輪 の や や 睾 丸 側 に 精 管 に 接 し て 存
そ の 周 囲 に 発 生 し た と い う 報 告 は な い と述 べ て
し た.管
い る.
精 管 と交 通 が あ り.精
腔 内 に は 多 数 の 精 子 を 有 し,明
我 々 の 第1例
に 於 い て は,腫
瘍 と副 睾 丸 とは
示 して い る.又
肉 眼 的 に も,組
織 学 的 に も,直
接 連 続 を 示 し,
vasionと
管 憩 室 的 存 在 で あ る事 を
そ れ に 伴 う細 胞 浸 潤 を 認 め る.上
細 胞 は 主 と し て 立 方 状,時
usefferentesの
卵 円 形 ∼ 円 形 で,Adenomatoidtumor程
出 し た.(Fig.2).こ
れ まで の報 告 例 か ら経験
的 に 明 らか な 様 に,Adenomatoidtumorは
囲 組 織 に 対 し,浸
ら,本
周
潤 性 に 発 育 す る事 は な い か
腫 瘍 はDuctulusefferentesの
周 囲組
規 則 で は な い,細
著 明 で,所
大 抵 中 心 部 に1ケ
腫 瘍 は,
腔は大体において
不
で は な いが 空 胞 形成 が相 当
合 して 更 に 大 き な 空 胞 を 作 つ て い る.核
織 か ら発 生 した と考 え られ る.Ductuluseffe-
残 存 部 で あ る事 か ら,本
によ り
に よつ て は こ の様 な 細胞 内空 胞 が 癒
rentesは
発 生 学 的 に は,Mesonephrictubule
円 形 で,繊
は中 等
細 均 等 な ク ロ マ チ ン を 有 し,
の 核 仁 を 有 す る.基
め られ ず,brushborderを
底膜は認
有 す る .間 質 は 主
Mesonephrictubule,Mesonephricduct
と し て 線 維 性 結 合 織 及 び 平 滑 筋 で,こ
(Wol伍anduct),或
錯 せ る 間 隙 に 管 腔 群 が 島 喚 状 に 見 ら れ る.
は 少 くと も これ 等 の 周囲
の 間 葉 組 織 と 密 接 な 関 係 が あ る 事 は 確 実 と考 え
WolMansystemやMttllerianductの
残
と 比 較 す る 事 は,組
織 発 生 解 明 の 上 か ら興 味 あ
組 織 学 的 に 調 べ,こ
nomatoidteumorの
の 分 布 とAde-
分 布 が 一 致 す る事 を 拠 点
と し て,Mttllerianepithelialorigin説
持 した.一
方Teilumは
を支
種 々 の 型 のMeson-
ephriccarzinomaが
細 胞 の 空 胞 形成 及 び 空
胞 の 癒 合 傾 向 を 有 す る 事 を 示 し,比
較組織学的
に,AdenomatoidtumorのMesonephric
originの
Sundarasivaraoに
の 場 合,
於 い て は,ApPendixte-
stisがMttllerianvestigeな
る事 を組 織 学 的
に 再 確 認 し な け れ ば な ら な か つ た し,Teilum
も腫 瘍 がMesonephricoriginな
空 胞 を 有 す る 細 胞 及 び,空
る事 は,そ
によ り 内 皮
胞癒合傾 向 の
存 在.
③
基 底 膜 を 有 しな い.
④brushborderの
存 在.Massoneta1
はAdenomatoidtumorに
borderの
⑤
お け るbrush
存在 を見 て い る.
管 腔 形 成 上皮 細 胞か ら管 腱 周 囲 へ と 上 皮
細 胞 の 移 行 を 示 し,こ
可 能 性 を 述 べ て い る.こ
れ 等管 腔 形 成 に 無 関 係 な
細 胞 に も空 胞 形 成 を 認 め る.
異 る 点 と し て は,
①
間 質 に 滑 平 筋 豊 富.
②
管 腔 が 円 形 ∼ 卵 円 形 で,比
較的規則 的 で
あ る.
の 解剖 的位 置 及 び組 織 学 に拠 らね ば な らなか つ
③
た の で あ る が,我
④ 細 胞 の 空 胞 化 傾 向 比 較 的 少 な し.
々 はMesonephrictubule
の 様 な類
様 に 見 え る 部 分 が あ る.
②
る 点 で あ る.SundarasivaraoはMifllerian
vestigesを
対 し,次
似 点 が あ る.
① 上 皮 細 胞 の 高 さが 色 々 で,所
遺 乃 至 腫 瘍 を 組 織 学 的 にAdenomatoidtumor
れ等が交
以 上 の 所 見 を ま と め る と,Giralde'sbody
はAdellomatoidtumorに
られ る.
皮
胞 質 は 好 酸 性 均 等 で,Ade11-
omatoidtumor程
大,卵
(原 腎 細 管)の
に 円 柱 状,所
扁 平 状 で 内 皮 様 に 見 え る.管
周 囲 を 取 り囲 ん で い る像 を 見
らか に
所 々管 腔 破 綻 及 びSpermain-
そ の 間 に 被 膜 或 は 漿 膜 は 介 在 しな か つ た(Fig.
ゴ
腫 瘍 茎 部 に 於 い て,腫 瘍 組 織 がDuctul-
8).又
れ と
比 較 検 討 し た.
間 質 と の 境 界 が 比 較 的 明 瞭.
酒徳
52
繍_副
こ れ 等 の 相 異 点 は,あ
睾丸 のAd。n。m。t。idT。m。rの2例
く ま で 比 較 的 な も の で,
本 質 的 で は な い と 思 わ れ る の で,.ヒ
述 の様 に組
織 学 的 な 比 較 の 上 で は,Giralde'sbodyとAdenomatoidtumorの
問 に は,親
zinomaに
のMes…ph「ico「'gm
るに あ た り恩 師 稲 田綴
灘1を 醐
す る.な 繍
の徽
融
・
文 の 要 旨は 躰
らび 醐
泌騰
科学
会 第10回 関 西 地方 会 で発 表 した.
文
献
の 点 に つ い てTeilumの,
1)L。
空 胞 及 び 空 胞 癒 合 傾 向 はAdenomatoidtum同 様 に,種
討 し,本 翻
の 可 能 性 を 述 べ た.
胞 の空 胞及 び空 胞 の癒 合傾 向
の 存 在 で あ る が,こ
orと
比 較,検
稿鰍
密 な組 織 発 生
上 の 関 係 が あ る 事 を 暗 示 し て い る 様 で あ る.著
明 な 共 通 点 は,細
とそ の組 織発 生 に つ い て の検 討
。g。et・1,:J.A・M・A・
2)Di。
々 の 型 のMesonephriccar-
・147・937・(1951)・
。n&M…e・T・m・
・s・fth・Male
鋭 。0。gan・;Atl…fTum・rP・th・1・gy・
お け る明 確 な所 見 で あ ると い う叙述
Sect.VIII,Fasc.32.Washington,D.C.
を考 え合 せ て 興味 深 い
我 国 で も 平 田 等(1958)
ArmedForcesInstituteofPathology.
は 睾 上 体 腺 癌 の 症 例 報 告 で,細
胞 の空 胞 化 の 強
い 事 を 述 べ て い る.
1952;pp.127.
3)Golden&AshAm.J.Path.,2163,
最 近Jacksonは,Adenomatoidtumorは
(1945)
benignMttllerianmesenchymomaと
れ ば,種
考 え
4)南
々の所 見 や異 な る解釈 も解 決 され ると
5)平
田
・他:目
泌 尿 会 誌,49⑫:1200,昭33.
6)百
瀬
・他:泌
尿 紀 要5⑫:1234,昭34.
述 べ,Flickinger,Bernhardt&Young(19
60)34)は
こ れ を 支 持 し,MUIlerianductと
囲 のMesellchyme間
braneが
周
18:379,1916.
胞 の 自由交 換 が行 わ れ て い
る と 述 べ た.Teilumも
皮 泌,10(2):100,昭31.
7)SakaguchiFrankfurtZtsch.f.Path.,
に はbasementmem}
な く.細
・他:臨
8)中
村
9)野
間:臨
●京 都 府 医 誌,26=648,昭14.
皮 泌,3:425,昭24.
結 論 的 に は,Meson10)原
ephrictumorは,上
田
日 泌 尿 会 誌,41:150,昭25.
皮 残 遺 よ り む し ろMes11)LeightonCitedbyJackson3i).
onephrosやWo1伍anduct近
隣 のprimiti12)Rigano-lrrera=CitedbyJackson.
vemesonephricmesodermか
ら生 じ る の で
な い か と 述 べ て い る.
13)Marcandier&Thomas:CitedbyJackson。
14)NicodCitedbyJackson.
我 々 は 今,Adenomatoidtumorの
組 織 発
生 に つ い て,Mesonephricoriginの
可 能 性 を
述 べ て 来 た が,Adellomatoidtumor及
び・
Mesonephricremnantの
管 腔 形成 上皮 が基
底 膜 を も た ず,間
質 に あ る上 皮 様 細 胞 と の 移 行
を 示 す 点 か ら,上
述 の様 な考 え方
を 容 れ て,
15)Scalfi:CitedbyJackson.
16)Halpert:J.Urol.,45:536,1941.
17)Malisoff&Helpern:J.Urol.,50104,
1943.
18)MoreheadArch.Path.,4256,1946.
19)Massonetal:Rev.canad.Biol.,1=
720,=tg42.
epithelialと
す る よ り は,も
つ
とprimitive
20)EvansAm.J.Path.,19:461,1943.
なmesenchymeに
由来 す る と考 え た 方
が 妥
21)FajersActapath.etmicrobiol.Scalld-
当 な の か も 知 れ の い.
inav.,26(1):23,1949.
結
22)LeeetalSurg.Gynec.Obstet.g1=221,
論
1950.
1)本
邦 第8,9例
目 と思 わ れ る,副
Adenomatoidtumorの2例
2)我
々の 第1例
睾 丸の
を 報 告 し た.
23)Ambrose:J.Urol.,70:110,1953.
24)Blumer&EdwardsBrit.J.Surg,,29:
263,1941.
がDuctuliefferentesの
25)Codnere&Flynn:J・UroL,56448,19
周 囲 組 織 よ り発 生 し て い る 事 を 見 出 し,本
の 組 織 発 生 に つ い て 考 按,検
3)Giralde'sbodyと
腫瘍
討 し た.
本腫 煽 を組 織学 的 に
46.
26)FalconerJ・Path・&Bact・
47.
・59320
,19
酒 徳 ・高 橋 一 副 睾 丸 のAdenomatoidTumorの2例
とそ の組織 発 生 に つ いて の 検討
31)JacksonCancer,11337,1958.
27)Ragins&CralleAm.J、Path.,24:933,
1948.
32)Falk&KonwalerJ.Urol.,66=603,19
28)Teilum;Actapath.etmicrobio1,scan-
51.
33)Evans:J.Uro1.,50249,1943。
dinavり34=431,1954,
29)LeachAm,J.Clin.Path.,20:970,1950.
34)FlickingeretaLJ.UroL,8ε(6)1859・
1960.
30)SundarasivaraoJ.Path.&Bact,,66
417,1953.
管 収 縮 作 用 をもち
作 用 持 続 時 間 の長 い
新 局 所 麻 酔 剤
本 剤 は ス エー デ ン ・ボ フ ォース ノーベ ル クル ー ト社
提 携 品で 、 同社研 究 所 に於 て 、12力 年 の歳 月 を費 して
完 成 され た新 局所 麻 酔 剤 で あ る。
【特 長】1.本 剤 は それ 自体 血管 収縮 作 用 を もつ 。
2.作 用発 現 う漣 か で且 つ持 続 時 間が 長い 。
3.急 性 毒性 う
沙 く忍 容 量 が大 で 、組 織 を損 傷 しない 。
4.麻 酔成 功 率 が極 め て高 い。
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艦 路 薬。工業株式会社
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酒 徳 ・高 橋 一 副 睾 丸 のAdenomatoidTumorの2例
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とそ の組 織発 生 に つ い ての検 討
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Fig.2・
Fig,1.Lowpowerview(×100)incaseII,
withlymphocyticinfiltration.
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LowpuwerviewincaseI・
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cenモerofthisfield.
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Fig.4.Highpowerview(×400)incaseI.
Fig.3。Highpowerview(×400)incaseII,
LSolidcordlikestructurewith
lwithmarkedvacuolationand}
coalescenceofvacuoles.
slightvacuolation.
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Fig。5.
燗綴騨線 欝擁
V.GiesonstainincaseII.×400.
Connectivetissueandsmoothmuscle
arevisible,
Fig.6.Silverstain
.incaseII.×400.
酒 徳 ・高 橋 一 副 睾 丸 のAdenomatoidTumorの2例
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とその 組織 発 生 につ い て の検 討
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Fig.7.
Thetumorisclearlyborderdfro.n
Fig.8.×400.CaseI.Theareawherethe
thetestis.×100.CaseI.
tumorisadjacenttotheepididymis.
Ductusepididymidisandsurrounding
tUmOrtiSSUeareSeen.
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Fig.9.×400.Giralde'sbody,
Fig.10.
Cubicepitheliwithracuolation.
×400。Giralde'sbody.Endothe1.like
appearanceoftheepitheli.
Spermatozoainthisluminaare
visible.
ゑ
鶴顔
≦
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晦魏
畿灘
鐵編蟹灘
斯話
獲 一
継
'檸
嫡 議i
絶慮
、
畿-
鑛
凶 章 監も
猟
・,う
磁
Fig.11,×400.Giralde'sbody,Vacuolated
epithelialcells,invadingthestroma
ofconnectivetissue,and]Noglandularstructureisvisibleinsome
areawhereinvasionofthespermatozoalsconsplcuous,
Fig.12.
×400.CaseI.Ductusepididymidis
andsurroundingtumortissue.
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