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04 資料3 本年度のヤマシギの非繁殖期調査手法について(決定)

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04 資料3 本年度のヤマシギの非繁殖期調査手法について(決定)
資料 3
本年度のヤマシギの非繁殖期調査手法について
■調査手法
既存文献において、本種の調査手法を整理した。これらの報告では、全て自動車によるライト
センサス(自動車等をゆっくり走らせ、周辺環境をライトで照らし、個体を確認する方法)が用
いられている。また、いずれの報告でも本種の生息を確認できており、ヤマシギの生息状況を把
握するうえで、有効な調査手法であるものと考えられた。
既存文献(ライトセンサス調査結果)
文献
①
②
③
調査地
鹿児島中之島
石川県加賀市
鹿児島奄美大島
調査手法
ライトセンサス法
ライトセンサス法
ライトセンサス法
自動車の速度(時速)
6.99∼5.51 km/h程度
10 km/h程度
10 km/h程度
調査年
1992年
2004∼2006年
2006∼2007年
調査時期
3月
10月∼3月
2月∼1月
①上田恵介,長野義春,守屋年史,江崎正裕,小川裕美子(1994)トカラ列島中之島におけるヤマシギの生息状況.Strix 13:79-84.
②田尻浩伸,大河原恭祐 (2008) 越冬期におけるヤマシギの採餌環境. Strix 26:205-208.
③水田 拓,鳥飼 久裕,石田 健 (2009) 月の明るさが道路上に出現するアマミヤマシギの個体数に与える影響.日鳥学誌 58: 91-97.
■これまでの試行調査結果
平成 23 年度に、千葉県銚子市(狩猟による捕獲数の多かった地域)
、石川県加賀市、鹿児島県
中之島(いずれも既往調査のあった場所)の3地域で試行調査を1期実施した。
調査地域、調査時期によって結果に差はあったが、全体で約 42kmをセンサスして 34 羽のヤ
マシギが確認でき、非繁殖期においてはライトセンサス調査がモニタリング手法として有効であ
ったと考えられた。
ヤマシギの非繁殖期(越冬期)調査結果 ※ラインセンサス調査
調査地
千葉県
銚子市・旭市
石川県
加賀市
鹿児島県 十島村(中之島)
調査日
2012年1月11日∼12日
2011年12月7日∼8日
2012年3月8日
センサス距離
(km)
1月9日
17.98
12月10日
6.68
3月8日
17.68
満月
生息密度
(個体/km)
1
0.06
4
0.60
29
1.64
確認数
■課題
・ 本種や近縁種であるアマミヤマシギの非繁殖期の有効な調査方法であることは確認できた
が、より効率的な生息確認のため、調査時期や調査地の環境等の検討をする余地がある。
・ 同所的にタシギが生息し、ライトセンサス中に飛び立つとヤマシギと識別が困難な場合が
あるため、調査中の両種の識別方法を整理する必要がある。
1
■今年度の調査計画
○調査時期:11∼2月
調査適期を把握するため、1地点に付き時期をずらして2回程度実施し、時期によって確認数
が変化するか等を検討する。
○調査地域:千葉県旭市、茨城県神栖市又は石川県加賀市
一昨年度に調査を実施した千葉県と、新たに生息情報が得られた茨城県神栖市(小田谷氏
私
信)若しくは石川県加賀市の3地点から2地点を選定して実施する予定。
○調査手法:ライトセンサス調査
調査機材:車、GPS、スポットライト、双眼鏡、調査記録用紙 など
① 鳥獣関係統計などの既存資料を参考に生息の可能性の高い地域を選定し、採餌場所となり
うる林縁部や農耕地を通る林道、農道及び車道に調査ルートを設定する。
② 日の入りの約1時間後、周囲が十分暗くなってから調査を開始する。
③ GPS を起動させ、予め設定したルートを自動車で時速5km∼10km 程度の速度を保ちながら
走行し、自動車のヘッドライトと手持ちのスポットライト(パトライト社製 HLP−12,
100,000cd)の光でヤマシギを探索する。
④ 道路上や道路脇等にいる個体を視認したら、GPS で確認位置を記録し、併せて確認数等を
記録する。
調査中に観察されたヤマシギ
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