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放置艇対策に関する推進計画(案)

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放置艇対策に関する推進計画(案)
第3回 ケンチョピア津波対策検討委員会
放置艇対策に関する推進計画(案)
の概要について
平成25年 3月22日
国土交通省 四国地方整備局
放置艇の現状と課題
□港湾、河川、漁港のプレジャーボートに対する
放置艇割合
□放置艇による問題
(単位:万隻)
25
船舶航行への支障
係留場所の私物化
未だ半数以上が放置艇
洪水による流出被害
放置艇
マリーナ等
マリーナ等以外
放置艇率
100%
90%
20
15
マリーナ等
5.0(24%) 65%
マリーナ等以外
2.3(11%)
マリーナ等
5.0(22%)
マリーナ等
5.4(25%)
マリーナ等以外
59%
4.3(19%)
マリーナ等以外
4.7(22%) 53%
マリーナ等
5.4(28%)
70%
60%
50%
マリーナ等以外
4.4(22%)
10
5
80%
放置艇
13.8(65%)
放置艇
13.4(59%)
放置艇
11.6(53%)
50%
40%
30%
放置艇
9.9(50%)
20%
10%
景観の悪化
沈廃船化
津波による背後地への
流出(東日本大震災)
0
0%
平成8年
平成14年
平成18年
平成22年
□これまでの取り組みと課題
(取り組み)
・ボートパーク等の整備による「係留・保管能力の向上」と放置等禁止区域の指定等の「規制措置」
を両輪とした対策の実施。
(課題)
・港湾管理者と放置艇所有者との関係が固定的となり、対策が進まない。
・公共ボートパーク等の整備が交付金化され、自治体内での予算確保が難しく、整備が進まない。
・代執行手続に人的・金銭的負担が大きい。
三水域合同の推進計画(案)を策定(10年間で放置艇の解消を目標)
-1-
プレジャーボートの適正管理及び利用環境改善のための総合的対策に関する推進計画(案)
□推進計画の策定の意義
・国土交通省および水産庁で放置艇の解消に向けた計画を策定することにより、三水域(港湾、河川、
漁港)管理者や関係者が放置艇対策に取り組みやすい環境を整備する。
□目標達成のための施策
1)係留・保管能力の向上と規制措置を
両輪とした対策推進
□ロードマップ
・目標達成に向け、地域レベルと全国レベルの双方
の観点からPDCAの取り組みを一体的に進める
平成(年度)
28
29
30
31
地域レベル
全国レベル
・地域における検討体制構築
・計画の作成、実施
33
34
(中間評価)
第1フェーズ
32
●全国実 態調査 (最終 評価)
27
●全国実 態調査
26
(中間評価)
2)関係者間の連携推進
放置艇対策を地域全体の共通課題として捉え、
地域の関係者が連携・協力して、協議会等を設
置し、放置艇対策を推進する環境整備を行う。
25
●全国実 態調査
係留・保管施設の設置や、放置等禁止区域の
設定といった規制措置を推進する。なお、当該
施設の整備にあたっては、民間資金や交付金等
を活用していく。
●全国実 態調査
22
第2フェーズ
第3フェーズ
・計画の実施(必要に応じて、 中間的に計画の
見直し)
・先進事例の展開・活用、全国の取組状況の把握・共有
全国実態調査の実施
・推進計画の中間評価、見直し
3)効果的な放置艇対策事例の周知
公表までのスケジュール
放置艇対策として実績を上げている事例など、
実効性のある対策事例を各自治体に周知する。
H25. 1~2 パブリックコメント(3水域合同)
H25. 3 公表、港湾管理者への通知(3水域合同)
-2-
関係者間の連携推進(放置艇対策協議会<仮称>体制(イメージ))
三水域の関係者が連携・協働して、放置艇解消に向けた計画や調整等を行うための協議会等
を設置し、放置艇対策を推進していく。
主な構成メンバー
水域警戒、指導者
水域管理者
海上保安部署
協議会の主体
=関係自治体
警察署
港湾水域 : 港湾管理者
水域利用者
河川水域 : 河川管理者
マリーナ事業者
漁港水域 : 漁港管理者
舟艇利用者
漁業関係者
推進計画推進
のための助言
利害関係者
地元周辺住民
地方整備局の国としての関わり
=三水域との連携フォロー
港湾水域 : 国交省(港湾局)
河川水域 : 国交省(水管理・国土保全局)
漁港水域 : 水産庁(漁港漁場整備部)
専門家
有識者(弁護士、学識経験者等)
マリンレジャー普及・啓発等団体
モーターボート機器メーカー等団体
マリーナ関係団体等
-3-
推進計画(案)の内容
1.策定目的
2.プレジャーボートの現状
2.1 プレジャーボート活動の現状
2.2 プレジャーボート放置艇の現状
(1)放置艇が引き起こす問題
(2)全国実態調査
2.3 プレジャーボートの放置艇対策
(1)これまでの放置艇対策
(2)放置艇対策における先進事例
3.総合的対策を推進するための基本的な方針
3.1 係留・保管能力の向上と規制措置を両輪
とした対策の推進
3.2 地域の連携による計画的な対策の推進
3.3 先進的な取り組みの水平展開による対策
の推進
3.4 民間活用による対策の推進
4.目標及びロードマップ
5.目標達成のための施策の推進
5.1 施設推進のための全体的枠組み
5.2 放置艇対策の方向性と施策の体系化
5.3 係留・保管能力の向上
(1)既存施設の収容余力の活用
(2)既存水域の有効活用
(3)係留・保管施設の整備
(4)陸上保管の促進
5.4 効果的な規制措置の実施
(1)放置等禁止区域等の指定の拡充
(2)保管場所確保の義務化
5.5 沈廃船等の撤去・処分及び適正処理
(1)水域管理者による監督処分の実施
(2)FRP船リサイクルシステムの活用
5.6 所有者等における責務等の遂行
5.7 関係者間の連携推進
6.計画の検証と見直し
(参考)都道府県別放置艇率及び条例等
整備状況(港湾)
-4-
推進計画(案) <1.策定目的>
プレジャーボートを利用したレクリエーション活動が盛んになるにつれて、各地の港湾・河川・漁港等で多数の放置艇が
見受けられるようになり、船舶の航行障害、洪水・高潮時の放置艇の流出による被害、油の流出、景観の悪化、といった多
岐にわたる問題が顕在化している。加えて、東日本大震災の教訓として、津波による背後住居等への二次被害が懸念され
ている。
国土交通省及び水産庁では、平成8年度より、港湾・河川・漁港等の三水域を対象として「プレジャーボート全国実態調
査」を実施し、各水域における係留・保管状況及び放置状況等を把握するとともに、こうした実態を踏まえつつ、ボートパー
クやフィッシャリーナ等の整備による「係留・保管能力の向上」」と放置等禁止区域の指定や代執行の実施等の「規制措置」
を両輪とした放置艇対策を推進しているところである。
しかし、既往の全国実態調査の結果では、放置艇の隻数及び割合は、これらの対策の実施により徐々に減少してきてい
るものの、プレジャーボートのおよそ半数が未だ放置艇となっており、必ずしも十分な効果が現れているとは言えず、更なる
対策の推進が必要となっている。
さらに、放置艇の中には所有者が不明となっているものが現時点で相当数存在することが明らかとなっている。プレ
ジャーボート所有者の高齢化が進む中で、所有者不明船の沈廃化は深刻な問題であり、潜在的に、水域管理者、ひいて
は国民の税負担を増大させる懸念がある。
一方、プレジャーボート等を利用したマリンレジャーや海洋教育の普及促進は、海洋基本法に基づく海洋基本計画にて
重要とされている「国民が海洋にふれあう機会を充実」させ、「海洋に関する国民の関心を高める」ことに繋がり、究極的に
は「国民一人一人が海洋に関し深い理解と関心を持ち、海洋立国の構成員として主体的に参加していく社会を構築してい
く」ために必要不可欠な取組である。特に、水辺を教育の場として利活用することは、次世代を担う青少年を始めとする国
民が、海洋に関し正しい知識と理解を深めるための学校教育及び社会教育の充実に資する重要な取組である。
更には、マリンレジャーに適した海洋空間等、地域それぞれが有する潜在的な海洋資源を活かした地域産業の活性化の
観点からも、「小型船舶等の係留施設の整備、沿岸域における海面の利用調整ルールづくり等」による水辺空間を活かし
た魅力ある地域づくりを推進する必要がある。
「プレジャーボートの適正管理及び利用環境改善のための総合的対策に関する推進計画(以下「推進計画」という。)」は、
このような現状に鑑み、放置艇の実効的かつ抜本的な解消、更には既存の水域等を有効活用した利用環境改善や地域
振興へ向けて、関係省庁、港湾・河川・漁港等の管理者(以下、「水域管理者」という。)、マリン関係団体、プレジャーボート
利用者等が連携・役割分担の下で取り組むべき施策や更なる対策の強化を総合的にとりまとめ、各々の関係者が着実に
実践することを目的としている。
-5-
推進計画(案) <3.総合的対策を推進するための基本的な方針>
3.1 係留・保管能力の向上と規制措置を両輪とした対策の推進
放置艇対策については、平成9年度にまとめられた「プレジャーボート係留・保管対策に関する提
言」(プレジャーボートによる海洋性レクリエーションを活用した地域振興方策調査委員会)により、
「係留・保管能力の向上と規制措置を両輪とした対策の推進」を基本的方向とすることが提言された。
これ以降、この方針の下に水域管理者等によって放置艇対策が実施されるとともに、その有効性も確
認されている。今後も引き続き、係留・保管能力の向上と規制措置を両輪とした放置艇対策を推進す
る。
3.2 地域の連携による計画的な対策の推進
プレジャーボートは、マリンレジャーに適した静穏な水域を中心に普及し、放置艇もプレジャーボー
トが集積する地域に相応して存在しており、地域的に偏在している傾向にある。また、地域によって放
置艇を取り巻く状況にも違いがある。放置艇対策を推進するためには、水域管理者をはじめとする地
域の関係者が連携・協力し、当該地域におけるプレジャーボートの利用実態、放置艇の分布状況、
また放置艇が水域管理に及ぼす影響の程度等を的確に把握・共有するなど、地域の実情を踏まえた
うえで、放置艇の受け皿となる水域の確保や係留・保管施設の整備計画、また放置等禁止区域の設
定といった規制措置等について、具体のスケジュールを含めた計画を作成することが有効である。計
画の策定にあたっては、すでに放置艇対策として実績を上げている自治体の事例をベストプラクティ
スとして取り上げ、各自治体に周知する場を設ける。その上で、地域レベルにおいて、プレジャー
ボートの係留・保管の適正化に関する検討体制の構築、計画の策定・実施を推進する。なお、計画
の実施にあたっては、当該計画を公表・周知し、関係者の合意形成を図りつつ着実に進めるとともに、
放置艇収容の進捗状況等を監視しながら、必要に応じて計画の検証・見直しを行うPDCAサイクル
により対策を推進する。
-6-
推進計画(案) <3.総合的対策を推進するための基本的な方針>
3.3 先進的な取り組みの水平展開による対策の推進
放置艇対策の進捗には、実態として地域によって大きな差異がある。数多くの放置艇が集積する地
域や収容能力が大幅に不足している地域など、特に放置艇対策の推進が必要な地域については、
全国の先進的な取り組みを取り入れながら、重点的かつ効率的に取り組む視点が重要である。この
ため、国土交通省及び水産庁は、全国的な見地に立って、各地域における放置艇対策の取り組み
状況を把握するとともに、先進的かつ効果的な事例やノウハウを他の地域へ展開・活用するための検
討体制を構築する。
3.4 民間活用による対策の推進
水辺空間は、本来、国民にとって共有の財産であり、マリンレジャーを楽しむうえで最も身近な場で
ある。しかしながら、その利活用は十分に進んでいるとは言えず、また、そうした中で、国民の海との
関わりが徐々に薄れつつある状況にある。このため、放置艇問題の解決にあたっては、民間の創意
工夫も積極的に取り入れつつ、国民が親しむことの出来る水辺空間の創出やマリンレジャーの振興と
あわせて、一体的かつ複合的な取り組みを推進する。
-6-
推進計画(案) <4.目標及びロードマップ>
本推進計画では、平成24年度から10年間を計画期間として、港湾・河川・漁港の各水域内におい
て、撤去・処理及び収容するための措置を行い、計画期間満了時において平成22年全国実態調査
結果により把握した沈廃船や所有者不明船を含めた放置艇をゼロ隻とするとともに、新たな放置艇発
生の未然防止を図ることを目標とする。目標の達成に向けては、地域レベルと全国レベルの双方の
観点から取り組みを一体的に進めるものとする。
なお、河川は、他水域と異なり、洪水等を安全に流下させる必要があることから、係留施設の設置に
ついて治水上の制約を有していることを踏まえ、河川区域内で収容することができない放置艇を港湾
区域又は漁港区域において収容するなど地域レベルで必要な係留・保管能力を充足させるものとす
る。
地域レベルでは、1回目の中間評価までを第1フェーズとして、各地域において、港湾・河川・漁港
の管理者等をはじめとする関係者による検討体制を構築したうえで、既存の放置艇を適正に撤去・処
理又は収容するための具体の計画を作成し、順次、計画の実施に着手するとともに、第2フェーズ以
降は、必要に応じて計画を見直すなどして、引き続き着実に実施する。
全国レベルでは、計画期間を通じて、既存の放置艇に対する全国の取り組みの進捗状況を把握・
共有し、先進的かつ効果的な取り組み事例について、他の地域への積極的な展開・活用を図る。ま
た、地域レベルでの進捗状況を踏まえつつ、保管場所確保の義務化を含む新たな放置艇の未然防
止対策を適時に講じる。
(※P2ロードマップを参照)
-7-
推進計画(案) <5.目標達成のための施策の推進>
5.1 施策推進のための全体的枠組み
放置艇対策を効果的に実施するために、既に存在する一部地方自治体の成功事例をまとめ、今後
の各自治体の対策に活かす。取りまとめた成功事例を各自治体に周知するための定期的な会議の
場を設けると共に、放置艇対策の進捗を公表し、包括的な放置艇対策を推進する。
5.2 放置艇対策の方向性と施策の体系化
放置艇対策は、既存の放置艇を船舶の状態や水域等の管理上の支障の程度に応じて適正に撤
去・処理および収容するための対策と新たな放置艇を未然に防止するための対策の2つに大別し、
各施策は下表のように体系的に整理することが出来る。
-8-
推進計画(案) <5.目標達成のための施策の推進>
5.3係留・保管能力の向上
(1)既存施設の収容余力の活用
指定管理者制度等により民間事業者が管理運営している施設においては、適正な料金設定、利用
者への提供サービスの向上や既存施設の空きスペースの積極的な活用により、収容隻数が増加して
おり、運営改善の成果として放置艇低減の効果も期待される。このため、既存施設の収容余力の活
用にあたっては、民間運営のノウハウ等の活用を積極的に図る。
(2)既存水域の有効活用
放置艇が集積するエリアのうち、水域の適正な管理に支障とならない範囲においては、係船設備の
設置や利用者に対する料金徴収制度の導入など適切な対策を講じることにより、プレジャーボートの
係留・保管の適正化を図ることが出来る。このため、既存水域を有効に活用することにより、小型船舶
用泊地や暫定係留施設など、恒久的あるいは暫定的な係留・保管場所として積極的な活用を図る。
また、既存水域を係留・保管場所として活用するにあたっては、指定管理者制度等により、民間事業
者による管理運営への参画を推進し、利用しやすい価格・立地の保管場所を拡充する。
(3)係留・保管施設の整備
新たな係留・保管施設が必要となる場合には、民間資金や交付金等を積極的に活用してボート
パーク等の整備を効果的に推進する。
(4)陸上保管の促進
水域のみでは係留・保管能力に限りがあることから、自宅等内陸での保管を促進する必要がある。
このため、既存施設内の陸上空きスペースや水際線にアクセスしやすい低未利用地等を積極的に活
用するとともに、水域管理上の支障がない範囲において水域管理者と調整の上、民間事業者による
斜路等の整備を図る。
-9-
推進計画(案) <5.目標達成のための施策の推進>
5.4 効果的な規制措置の実施
(1)放置等禁止区域等の指定の拡充
港湾及び漁港の放置艇に対する規制の効力は、放置禁止区域を指定することにより生じることとな
る。22年10月末時点で、放置等禁止区域を指定している港湾は205港(997港中)、漁港は513港
(2,916港中)で、ともに全港数の約2割となっている。放置艇の集積地の中には、港湾・漁港の管理
上の支障を来している状況もあり、必ずしも必要な区域設定がなされているとは言えないが、一方で
は放置艇の移転・収容のための受け皿となる係留・保管施設が不足する中において、規制のみを強
化することが困難な状況にある。今後、放置等禁止区域が指定されておらず、かつ放置艇の存在が
水域・施設等の適正な管理に支障を及ぼす恐れのある水域については、代替地の確保とあわせて
重点的に指定の拡充を図る。
(※放置等禁止区域の指定港湾数は、P16参照)
河川においては、河川管理者の許可に基づかずに河川区域内に係留しているプレジャーボートは
不法係留船であり、特に不法係留船の数が多い河川においては、河川管理上の支障の程度等を勘
案し、重点的に強制的な撤去措置を執る必要があると認められる河川の区域を指定する。
(2)保管場所確保の義務化
プレジャーボートの所有者に対し、その保管場所確保を義務化することは、放置艇の発生を未然に
防ぐという観点において有効な対策と考えられる。また、保管場所確保を義務付けるためには、需要
に応じた適切な係留・保管場所が不可欠であり、既存施設の収容余力及び管理上支障のない水域
の有効活用等により、係留・保管能力を向上させる必要がある。このため、保管場所確保の義務化に
関しては、係留・保管能力の向上をはじめとする環境整備を推進するとともに、義務化に伴う行政コス
トの増加や法令違反等のモラルハザード誘発の懸念といった様々な課題への対応等を踏まえたうえ
で、早期に実効性のある制度の構築を図る。
-10-
推進計画(案) <5.目標達成のための施策の推進>
5.5沈廃船等の撤去・処分及び適正処理
(1)水域管理者による監督処分の実施
プレジャーボートの処分は、原則的にその所有者が行うべきものであることから、まずは所有者の特
定を徹底する。やむを得ず所有者が不明の場合には、水域管理者により監督処分の簡易代執行を
実施することとなるが、特に放置等禁止区域や個別に放置禁止区域を指定している条例及び河川に
おいては重点撤去区域に存置されている沈廃船等、水域・施設の管理に支障をもたらしうる放置艇
については、水域管理者の負担軽減を図りつつ、撤去・処分を推進する。
また、放置艇対策をより円滑かつ効果的に実施するためには、水域管理者による対応のみでは限度
があることから、必要に応じて、警察機関と連携・協力して取り組む。
(2)FRP船リサイクルシステムの活用
プレジャーボートの適正な処理を推進するにあたっては、循環型社会の形成の観点から、FRP船リ
サイクルシステムを積極的に活用する必要がある。このため、同システムの運用において、回収時期
及び場所の拡大、処理費用の割引制度などサービスの拡充を図る。
-11-
推進計画(案) <5.目標達成のための施策の推進>
5.6 所有者等における責務等の遂行
放置艇問題は、プレジャーボート所有者の法規制の認識不足やモラルの欠如等に起因する場合も
少なからずあり、プレジャーボート所有者に適正な保管を促すための種々の対策を講じていくことが
重要である。
このため、放置防止キャンペーン等の活動を通じて、プレジャーボート所有者に対して、放置艇の
罰則規定等に関する周知を図る。特に放置艇が多く集積する地域においては、水域管理者、地元自
治体、警察機関、マリン関係団体等が協力し、プレジャーボート所有者に対して、船舶免許の取得・
更新時、プレジャーボート販売時、船舶の登録・検査受検時など、適時に意識啓発を図る。また、既
存水域の係留・保管場所への活用等において、マリン関係団体等の民間事業者による保管施設整
備や管理運営への参画やマリンレジャーを通じた海洋教育の普及活動などの貢献方策を幅広く推
進する。
5.7 関係者間の連携推進
プレジャーボートは連続した水域を自由に移動できるものであることから、放置艇対策を進めるにあ
たっては、港湾、河川、漁港といった水域別に限定することなく、放置艇対策を地域全体の共通課題
として捉えるとともに、各水域管理者、地元自治体、地域住民、マリン関係団体、利用者等の地域の
関係者が連携・協力して、プレジャーボートを適正に収容するための計画策定や実施にかかる調整
等を行うための協議会等の検討体制の設置を推進する。
(※放置艇対策協議会体制P3参照)
-12-
推進計画(案) <6.計画の検証と見直し>
本推進計画の計画期間を通じて、各地域の取り組みに関する進捗状況についてフォローアップを
行い、目標の着実な達成に努める。具体には、国土交通省及び水産庁において関係者からなる検
討体制を構築し、各地域の取り組み状況について、毎年フォローアップを行うとともに、全国実態調
査とあわせて中間評価を行い、必要に応じて、本推進計画を見直すこととする。
-13-
(参考)都道府県別放置艇率及び条例等整備状況<港湾>
放置等禁止区域、条例等整備
○放置等禁止区域又は条例等を整備済;18県
○双方を整備済;13県
放置艇率分布
○放置艇率75%超;4県(徳島、広島、山口、鹿児島)
うち放置艇率85%超は徳島、鹿児島
凡例
凡例
未整備
0%~25%
片方整備済
25%~49%
双方整備済
(平成24年11月時点)
警察・海保取締要請
(平成22年度調査結果)
50%~74%
75%以上
-14-
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