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「虫の冬越し観察会」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10-21

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「虫の冬越し観察会」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10-21
虫の冬越し観察会
日 時:2007年2 月 18日 (日) 10:00~16:00
講 師:法西 浩 先生(小児科内科医、日本鱗翅学会会員)
場 所:関西学院高等部・生物教室
参加者 大人 39人 こども 37人
この会も、もう第6回をむかえることになった。今回は今までの土曜日午後からと違い、日曜日の朝から、
夕方まで行ったことである、1日たっぷり使ってゆったりできたことが特徴である。しかし、会場は昨年と
同じ、関西学院高等部の生物教室である。いつ訪れても懐かしさはひとしおである。まずはこの教室をお借
りした母校とスタッフの皆様にお礼を申し上げる。
この会に先立ち、材料集めと自然観察を前年の初冬から本年の厳冬期にかけて計7回行った。多くの方々に
ご参加いただき感謝している。皆様はいろいろと勉強になったことと思う。観察会のまとめを当日の資料の 1
枚に加えた。
(P.20に掲載)
今回は、パート1「実習コーナー」は午前中、パート2「参加者の発表コーナー」
、パート3「私の講座」
パート4「展示・出品コーナー」あと残りの実習が行われた。
パート1 実習コーナー
① カブトムシの幼虫の観察・・・容器に一頭ずつの幼虫を入れて飼育中のもの
・西宮市山口町産(2002年から継代飼育中)
・・・3齢幼虫10容器
・産地不明の幼虫・・・10容器(齢不明)
20個の容器の幼虫はすべて3齢で巨大だった。
② アトラスオオカブト卵・・・・5容器
11月2日、11月18日採卵した5卵を5容器に別々に飼育中であったが、幼虫は生存していなかった。
本種は熱帯産だったためか。
③ クワガタムシ幼虫、種不明、産地不明
・クワガタムシ幼虫(大)・・・・8容器
・クワガタムシ幼虫(小)・・・・5容器
野外でフィールドワーク中に朽木があれば、しばしばそれを割り出して幼虫を集めて飼育していたもの
を提供した。実習中、幼虫はかなり大きくなっているのが観察された。
④ オオクワガタ幼虫 2005~2006年度飼育中
・オオクワガタ幼虫・・・・3齢 ♀(三田市産)× ♂(能勢町産)交配(2005)4容器
昨年の実習時にまだ自宅に残して飼育していたもの
・オオクワガタ幼虫・・・・3齢 猪名川町阿古谷産(ここは巨大な♂がでる産地)1容器
5容器とも生存していた。実習中はみなさま抽選で当たればいいなと思っていたのだろうか。
⑤ ツシマヒラタクワガタ・・・2容器
2006年から飼育中のもの。8月18日に餌を交換したがそのままになっていた。生存。
⑥ 朽木の中の越冬昆虫の観察
①~⑤までは、容器の中で越冬中の幼虫だったが、この実習では野外から持ち込んだ朽木数本から越冬
昆虫を探す実習。朽木は篠原さんと、数人の子どもたちによって提供いただいた。感謝申し上げる。多
くのクワガタ(種不明)の幼虫の他、カミキリムシ科、ゾウムシ科の幼虫がほとんど。驚いたことに、ク
マバチ2頭の成虫が越冬していた。部屋の中で飛び回った。思わず、
「写真撮って」と叫んでしまった。
ハチはやがて窓から外に逃げた。いつも思うのだが、この実習が一番楽しいのかなあ。
これらの実習中に次のデモンストレーションを行った。
⑦ ミノムシ(オオミノガ)の姿、その巣の中身は何?
巣を切り出して幼虫を観察してもらった。ミノムシを見たことの無い人がいたとは。
10
⑧ イラガ繭 その中身は何?
繭を割って中を見てもらう。実は中にいるのは、前蛹。その寄生者が中で繭を造っていた。その繭を切
り開くと、ウジ様の幼虫が観察できた。実はこれ、セイホウ(青蜂)寄生蜂の幼虫、もうすぐ蛹になる。
前年羽化し、繭から出られず死亡していたセイホウ成虫の美しい成虫が見られラッキーだった。さらにイ
ラガの前蛹を解剖して、脂肪体(真っ白な臓器)を観察してもらう。このおかげでイラガは越冬できる。
⑨ カマキリ卵鞘(らんしょう)の割面
オオカマキリの卵鞘をたてにナイフで切断した。細長い卵がたてに卵鞘中に規則正しく並んでいるのを観
察してもらった。
以上が午前中の実習だった。この後、実習材料を参加者に抽選で選んでもらった。継続観察・飼育していただ
きたい。又、発表もどしどしお願いする。今回の観察会のサブテーマは「とにかく、やってみなはれ」である
から。
昼食の間中、CD『日本のコオロギ』を聞いていただいた。
パート2 参加者の発表コーナー
(P,12-16に掲載)
展示パネル、パワーポイントなど多数の力作ぞろいで毎年レベルアップしている。各発表者は、別途自分
の発表要旨を書いていただき、本誌に載せることにした。今回からはこれを新企画とさせていただく。
パート3 講座
①クワガタムシ・カブトムシの飼育
②ツチハンミョウの不思議な生態
①は筆者が数年間構想を練っていたものである。頭の中にあったモヤモヤをいっきにはき出した論文 4 頁
を今回の講演会で発表した。小学生から大学生、さらに理科の先生にも役立つ資料としたつもりである。さ
らにわかりやすいように、別のイラストを使って書き改めたのを本誌に掲載し、資料 4 頁「クワガタムシ・
カブトムシの飼育」は、別にホームページに残していただくように配慮した。当日はたくさんの幼虫をみな
さまに提供した。成果を楽しみにしている。②は 12 月の観察会で参加者の一人が採集したツチハンミョウ属
の不思議な生態を解説した。筆者は専門家ではないのですべて「ファーブル昆虫記」からの引用である。
(P.17-18に掲載。①の詳しい資料はホームページで紹介しています。)
パート4 展示・出品コーナー
① 拡大鏡による観察
・ミドリシジミ越冬卵 ・ウラジロミドリシジミ越冬卵 ・ウラキンシジミ越冬卵
・ミズイロオナガシジミ越冬卵(寄生卵 穴開き) ・ホシミスジ若令幼虫
例年どおり、拡大鏡による観察をしている。今回はミズイロオナガシジミが初登場だったが、穴開きの
寄生卵だった。
② 越冬幼虫の展示
・ゴマダラチョウ(食樹エノキ 背部の突起3対) ・オオムラサキ(食樹エノキ 背部の突起4対)
・コムラサキ(食樹ヤナギ類 背部の突起1対)
③ 参加者の持参の展示品
チョウ・蛾・甲虫の標本や蛾の卵、蛹
④カブトムシ3齢幼虫の解剖による内臓器の観察
私がカブトムシ巨大幼虫を解剖して、内臓器の解説をした。お示しした臓器は大血脈、脂肪体、アルピキ
ー管(水分代謝に関連する臓器、私達の腎臓に該当)
、中枢神経節(前胸・中胸・後胸の3節)
、末梢神経な
ど。解剖の始まりから終わりまで、熱心に観察していた小さい子どもがいたのが印象的だった。また、参
加者の理科の教諭の方からいろいろ質問を受け、このコーナーも有用と感じられた。今後の計画としてと
りいれるかどうか。多くの方々は、いや~気持ち悪いと感じられたようだ。
当日はちょうど定刻の午後3時30分きっちりに終了した。観察・講演会に1日使うということは、今回初め
てだったので、今後の企画にあたり皆様方のアンケートを参考にしたい。
11
おかだ虫しんぶん 2007
VOL.1
宝塚第一小学校 4 年 2 組
おかだ虫しんぶん第1号を家族みんなで作りました。
岡田 卓也
1 月:虫網作り
・虫網を持っているのが弟の啓吾です。
・三角紙を折っているのが知己です。
2月:虫の冬越し観察会
・抽選で、法西先生にオオクワガタの幼虫
をもらいました。とても嬉しかった。
・どんなオスが出てくるか楽しみで、毎日
観察していました。
3月:今年最初にとったのはキアゲハ
・キアゲハは、なかよし池で見つけました。
・オオクワガタの幼虫は、菌糸ビンの中でマット
を食べていました。
キアゲハ
4月:ミヤマセセリを初めて採集
ミヤマセセリ
・一庫公園で採集したミヤマセセリは、黄色い斑紋
が素敵でした。
・オオクワガタの幼虫は菌糸ビンの中で培養土を食
べていました。自宅では、カブトムシも飼ってい
ましたが、マットを食べる量もフンの量も少なか
ったです。
5月:昆虫採集
カラスアゲハ♂
・カラスアゲハ、スミナガシを一庫公園で採集しました。
どちらも去年の個体よりも色あざやかでした。
・北播磨余暇村公園でオオカワトンボを採集しました。
オオカワトンボは翅の前に白いすじがあるのが特徴で
す。
・オオクワガタの幼虫は菌糸ビンの中で部屋のようなも
のを作っていましたが、まだ動いていました。
カブトムシ♂
オオクワガタ♀
6月:なかよし池でコムラサキ採集
オオカワトンボ
コムラサキ
・コムラサきはオスで前翅は見る角度によって紫色に
キラキラ輝いて見えました。他に、ミヤマカワトン
ボを中河原で捕りました。
・オオクワガタの幼虫は菌糸ビンの中の部屋の奥の方
にいて、よく分かりませんでした。死んではいけな
いので、そっとしておきました。
12
ミヤマカワトンボ
一年を振り返って
今年の目標であったミヤマカラスアゲハ、オオミズアオの採集は達成できましたが、タマムシは達成でき
ませんでした。2007年はタマムシ、シンジュサン、オオクワガタのオスを目標とします。虫の習性を観
察し、自然を大切にしながら採集していきたいと思います。 (2 月 18 日の「虫の冬越し観察会」で発表)
7月:オオクワガタが羽化した!
ミヤマカラスアゲハ
・待ちに待ったオオクワガタがマットの上に成虫の
姿を現しました。メスでした。少しガッカリしまし
たが、小さいながらオスさながらの角や、ゴツゴツ
した頭、ツヤツヤした胸が立派だったのでとても嬉
しかった。そして今は越冬中です。
・カブトムシも自宅でかえりました。去年のよりも角
が立派でした。
・採集はギンヤンマ、サクラコガネ、ノコギリカミキ
リ、クロアゲハです。
有馬富士公園で採集しました。
・すばしっこいギンヤンマも、池の上をパトロールする
様子を観察していると、簡単に採集出来ました。
アオスジアゲハ
8月:今年の目標達成!
モンキアゲハ
・採集はミヤマカラスアゲハ、アオスジアゲハ、モン
キアゲハ、ウチワヤンマ、オオミズアオです。特に
ミヤマカラスアゲハとオオミズアオは今年の目標で
嬉しかったです。
(南光町)
・オオミズアオは道の上で死んでいたのをお母さんが
見つけました。ウチワヤンマは以前に採集したタイ
ワンウチワヤンマと比べると、腹のウチワに黄色の
すじがあるところが違っていました。
9月:大きな収獲!
ウチワヤンマ
オオミズアオ
オニヤンマ
・採集したのはオニヤンマ、ウラギンシジミです。
ウラギンシジミはオスの翅は赤色っぽく、メスは白
っぽかったです。 (フルーツフラワーパーク)
10月:やったあ、大物だ!
オオルリボシヤンマ
・オオルリボシヤンマがとれました。池の上空をパト
ロールする姿を下から見ると、青い複眼は透明で、
とてもオオルリボシヤンマとは思えませんでした。
採集してみると空の色と同色の真っ青で腹部の模様
も同じ青色でとても美しかった。今年の目標を超え
て採集できました。 (宝塚少年自然の家で採集)
ウラギンシジミ♂
ウラギンシジミ♀
11月:コンビニでも採集
・篠山市大川のコンビニの店内の壁にとまっているウ
スタビガを見つけました。
12月:こんな時期にゴマダラチョウ?
・ゴマダラチョウは、ぼくの家の壁にとまっていました。
こんな季節にもまだいるのだなあと思いました。
ゴマダラチョウ
13
ウスタビガ
コムラサキさがし
6年
田淵
彰彦
コムラサキ
コムラサキとはクヌギやヤナギに集まるチョウで、オオムラサキやゴマダラチョウなどと樹液を吸いに来るチ
ョウの仲間で、タテハチョウという仲間に入ります。食樹はヤナギで、オオムラサキと名前は似ていますが違
うところはたくさんあります。 例えば食樹や発生時期などが
オオムラサキ 6 月~7 月なのに対しコムラサキは 5 月~8 月まで
発生しています。
コムラサキの飼いかた
コムラサキはヤナギの仲間の葉を食べて育ちます。 なので冬に
ヤナギの木のみきや枝を探します。 採れたらついでにヤナギの
枝を短く切って持ち帰ります。20cm位がいいと思います。コムラサキは日が当たらない寒いところが良い
と思いますが、家では冷蔵庫に入れています。ヤナギは日の光が当たる暖かい所に置きます。春になったらヤ
ナギの木を植えておきます。鉢植えがいいでしょう。コムラサキ
をヤナギのなえに付けてネットをかぶせます。ネットの中に葉が
無くなったら場所を変えます。自分もはじめてなのでわかりませ
んが多分そのまま蛹になって成虫になると思います。みなさんも
ぜひ飼育してみてはどうでしょうか。
感
想
冬初めてコムラサキを探しに行ってみましたがびっくりしました。
細い枝についている幼虫の大きさは約1cm。この幼虫を無数の枝の中から見つけ出すにはオオムラサキやゴ
マダラチョウの比ではないくらいだったし、おまけにみんなそっくりヤナギの樹皮に化けているのでたまった
ものではなかったです。でも見つけたときはとてつもなくうれしかったです。オオムラサキの方がめずらしい
のになぜかその時はコムラサキがこの世で一番めずらしいように感じました。あと幼虫を見た時こんなにも小
さいものだとは思っていなかったからおどろいた。
――甲山の外来生物――
6年
植物・魚類・爬虫・両生類・昆虫・その他
―――植 物―――
甲山には、いろいろな帰化植
物が見られ、まずは、セイタカアワダチソウです。広く
分布しており、特に広河原では、多く見られます。次に
ハリエンジュ(ニセアカシア)です。甲山内では多く見
られる樹木の仲間です。その他にはクレソンです。広河
原で多く見られ、食用にもなります。オオオナモミもよ
く見られ、実は衣類にくっつきます。カラスノエンドウ
もヨーロッパ原産です。セイヨウタンポポもヨーロッパ
から来ました。ハルジオン、ヒメジョオンも、北アメリカ
14
上木
岳
から来た帰化植物です。湖などでは、カナダモとオオカナダモ、別名アナカリスが多く、五ヶ池で特に多く見られ、原産地は
両種とも北アメリカです。他にも甲山には、多くの外来植物がみられます。
―――魚 類―――
甲山には、2 種類の
外来種がいます。オオクチバスとブルーギルです。
両種とも、五ヶ池に生息しており、たまに広河原
でも採集されます。オオクチバスは、全長が25
~60cmですが、五ヶ池の物は25~30cm
が多く、たまに40cmや50cmのものが釣れ
る
そうです。ブルーギルは20~25cmで、こち
らはよく釣れます。両種とも魚を好んで食べるため在来種にとっては脅威です。あと、卵などを守るためあまり食
べられません。料理して食べると、結構おいしく、いろいろな食べ方がありますが、寄生虫には注意しましょう。
―――爬虫・両生類―――
甲山にいる、外来種の爬虫類、両生類は、まずミ
シシッピーアカミミガメです。アメリカが原産で、
ペットとして飼われていたカメが逃げたか逃がさ
れたかして、野生化したものと考えられます。
甲山内では五ヶ池やなかよし池、みくるま池など
で多く見られます。成体になると、かむ力が強く
なり、とても痛いです。カメの仲間では他に中国
産クサガメがいると考えられます。分布域はミシシッピーアカミミガメと同じです。両生類ではウシガエルがお
り、国内最大級のカエルです。食用として、日本にアメリカから持ち込まれました。なかよし池や五ヶ池に多く、
雨が降ったりすると牛のような鳴き声で鳴きます。これらの種類をさわった後は、ちゃんと手を洗いましょう。
―――昆 虫―――
甲山で特に気になったのが、この昆虫類です。最近では、安価で手に入る外国産のクワガタ類が見られ、これ
は誰かが逃がしたものか、逃げ出したものです。特にヒラタクワガタ類が多く、この種類は、特に気が荒いの
が特徴です。あつかっている店が多く、飼育している人が多いのでしょう。他にも、中国産オオクワなどがお
り、日本産に被害をあたえ他の所では交雑している個体も多い
そうです。外来種を飼育する場合は、最
後まで責任を持って飼育してほしいです。
―――その他―――
その他というのは、甲かく類など、いま
までの項目になかった種類です。この種
類ではアメリカザリガニのみです。
アメリカザリガニはウシガエルとともにやってきた
外来生物で、よくザリガニ釣りなどで釣られるザリガニです。大変きたない水にでも住み、五ヶ池や広河原、
なかよし池で見られます。卵を守るという性質があるので、他の生物は卵を食べれないため、多く繁殖します。
15
感
想
甲山に外来生物がいるということは知っていたが、調べてみると意外と多くの外来生物がおり、おどろ
いた。あと、クワガタなどは逃げないようにしっかりと飼育し、それに最後まで、ちゃんと飼ってほし
い。これは他の生物などにも言えることなので、最後までしっかりと飼育してほしい。
消えゆ く?!兵庫のベニイトトンボ
6年
栗原
広大
基礎データ
・ トンボ目、イトトンボ科
・ 兵庫県レッドデータブック A ランク種
・ 形態…全身が朱色で腹長3cm前後
・ 分布…本州四国九州に局地的に分布
・ 生息地…水草のよく茂った古い池沼に生息する
・ 生息地の現状…生息に適した植物が多い池沼が減っている。
・ 兵庫県での成虫の出現期間は6月中旬から10月初旬くらいまで
ベニイトトンボの現状
本種は2000年のレッドデータリストの改訂で絶滅危惧種にリストされました。最近報告がなく絶滅の可能性の
高い県として宮城県、栃木県、東京都、滋賀県等があげられます。兵庫県での確実な記録は神戸市須磨区、垂
水区、西区、北区と明石市です。これらの確認された池を2001年に再調査したところ、15ヶ所の池のうち7
ヶ所の池で絶滅したとされています。原因は池に土砂が投入され水草が全く消えたり池が埋立てされてなくな
ってしまったりしたのでベニイトトンボが住めなくなって絶滅したと考えられます。
ベニイトトンボの今後
垂水区は市街化区域内にあって開発の圧力がかかり今後も産地が消滅する可能性が高いでしょう。兵庫県にお
ける本種は末期的状況に突入し本種の生息域のほとんどは都市生
活圏と重なっているので本種の未来は非常に暗いと予想されます。
甲山で発見!!!?
2006年8月23日なかよし池で草に止まっていたのをぼく
が発見しました。西宮市ではとてもめずらしいので見つけた
時はとてもびっくりしました。今後、甲山で増えていくこと
をねがっています。
感
想
今回、ベニイトトンボを調べてベニイトトンボがどれだけ貴重か分かりました。これから池などを埋め立てし
ないでほしいです。
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『虫の冬越し観察会』展示・発表内容
《パネル展示》
人と自然の博物館主催の第2回共生のひろばで発表し館長賞受賞した
「熱く燃えた!ミヤマアカネのマーキング調査」お披露目
安達貴美子・玉村佳子
河田真紀子・玉村佳彦
「川がきクラブ」2006の活動報告(HPからの紹介)
川がきクラブ
「法西先生と行く冬の自然観察会」黒川編(HPからの紹介)
川がきクラブ
西宮市で採集した甲虫Ⅴ キベリハムシ発見
篠原 忠
上ヶ原祭で展示した「ミヤマアカネのマーキング調査」
川がきクラブ
夏休みの観察ノート
玉村 碧
「こんにちは シュレーゲルアオガエルです」
「昆虫のふん染め」
川崎安寿・川崎菜穂子
コムラサキ探し&コムラサキの飼い方
田淵 彰彦
甲山の外来生物 - 植物・魚類・爬虫類・両生類・昆虫他
上木 岳
消えゆく 兵庫のベニイトトンボ
栗原 広大
ミヤマアカネのマーキング調査 新聞でも取り上げられました!
西宮市・宝塚市 仁川・逆瀬川地区におけるミヤマアカネのマーキング
調査
*大阪昆虫同好会の年刊誌「大昆 Crude №51(2007)に掲載」
06年6月 西宮市未記録のウラミスジシジミを採集
*西宮市自然保護協会発行の「さざなみ」に投稿中
(新聞の切抜き)
法西 浩
仁木 博子・仁木 敬子
法西 浩・仁木 博子
川がきクラブ キャラクター応募作品
(投票が行なわれた)
希少種を育てる小さな池を探る(第2弾)
関西学院高等部 理科部
「2006年昆虫採集の記録」- 2007 年おかだ虫しんぶん vol.1
岡田卓也&ファミリー
《パワーポイントによる発表》
ミヤマカラスアゲハの飼育
河田 直樹
田畑の生きもの
玉村 佳彦
蛾の冬越し&キリガとフユシャクの生態
安達 誠文
17
カブトムシ・クワガタムシの飼育
法西先生の
~少年少女の夢を叶えるために~
*成虫の飼育
×
○
リンゴ・バナナは長生きすることがわ
かった。昆虫ゼリーも良い。また、飼
育にはタンパクが必要で、高タンパク
は、繁殖と延命のために使われる。
(産卵用の高タンパク昆虫ゼリーなど)
スイカ・キュウリ・モモは、
水分が多すぎ、栄養価が少
なく早死させることがわか
った。
* 幼虫の飼育
幼虫は広葉樹の朽木(腐った木)にすむ。木が枯れて朽木となり、カブト・クワ
ガタの幼虫のエサになるまでの自然界のしくみを知ろう!
樹木は、セルロース(骨組み)+リグニン(骨組みを包み堅くする)が集まったもので、これ
らがバラバラに分解(腐る)されないと、そのままでは堅くて幼虫のエサにはなりません。
↓
キノコちゃん
オオクワ・コクワの
幼 虫
おいしいね!
*オオクワガタ・コクワガタ・
チビクワガタなどが食べる。
菌糸先端
白腐れ
↓
うまいうまい
リグニン
分解酵素がリグニンをメラメラとかす
↓
*ノコギリクワガタ・ミヤマクワ
ガタ・ヒラタクワガタなどが食べ
る。
もうちょっと腐ればうまいのう
球菌
とかせ!
酵素
バ イ キ ン マン
の活躍!
酵素
球菌マン
桿菌
酵素
土 壌
セルロースがバクテリアによって
分解され、木は赤腐れになる。
ネブトの幼虫くん
酵素
↓
メラメラとけるセルロース
黒腐れ
ミヤマ・ノコギリの 幼虫君
リグニンっておいしいね!
赤腐れ
↓
まず、リグニンがキノコによって
分解され、木は白腐れになる。
どんどん酵
素を出すぞ
かん
桿菌マン
さらにバクテリアによって分解さ
れ、木は黒腐れになる。
*ネブトクワガタ・スジクワガ
タ・カブトムシ・クワガタムシな
どが食べる。
まだまだ食べるところが
まだまだ食べる所があって
あってもったいないのう
もったいないのう~
さらに分解され、土にかえって
いく。
(さし絵・法西先生)
*幼虫の飼育
飼育には、市販の飼育マットをエサにすれば十分。でも、大きなオオクワガタの
成虫を得たいなら、市販の菌糸マット(白色腐朽材)を購入する。ただし高価だ。
*産卵させるには
カブトムシ 飼育容器に♂と♀、市販のマットを入れておくだけで、産卵(20~30 個)し、冬が
くるまでに容器の中で巨大な3齢幼虫に成長する。翌年6月頃羽化する。成虫のエサは「昆虫ゼリ
ー」「産卵用高タンパクゼリー」があれば十分。幼虫は成長するにつれて大きな容器が必要。
クワガタムシ
本では♂1頭に♀数頭を飼育容器に入れるように書かれているが、私は♂1頭♀
1頭を1つの大き目の容器に入れて飼育している。台木(菌糸を打ち込んだ 10~20 ㎝の木。ペット
ショップなどで販売)を 2~3 本水に 24 時間浸し、容器に立て、周りに水で湿らせたマットをしく。
♂と♀を入れエサに産卵用ゼリー、又は昆虫ゼリーを入れる。
10~11 月に台木を取り出し、ていねいにくずすと、1~2 齢の幼虫が現れる。幼虫1頭づつを1つ
の容器(10×10×10 ㎝)に市販のマットを入れて飼育。幼虫が大きくなれば、エサを取り替える。
古いエサと新しいエサを混ぜると種類によっては成長がとまるので混ぜない。幼虫期はコクワガタ
は1年。他は 1~2 年。では成功をお祈りします!
本の紹介
『ファーブル昆虫記 6』
奥本 大三郎 訳/解説
集英社
ツチハンミョウのミステリー
孵化したツチハンミョウの幼虫たちの大冒険!
詳しく知ると、とてもおもしろいよ!
ゴール!
*ツチハンミョウの♀は何千個もの
卵を地中に産卵します。
*孵化した幼虫は、タンポポやアザ
ミなどの花に大移動してハナバチ
がやって来るのを待ちます。
*他のハチやハエに付いても×、他の巣にたどり着いても×、カマキリにやられたり、クモの巣に
ひっかかった幼虫も残念でした!
ハナバチの背中にしがみついて、ハナバチの巣に連れて行って
もらえた幼虫だけが○。ツチハンミョウの幼虫は、ハナバチの♀が巣の小部屋で産卵する時に卵に
乗り移ります。卵は、幼虫のエサでもあるし、ハナバチが我が子に用意した蜜の中に浮くためのボ
ートにもなります。密を食べ尽くす頃、幼虫は蛹のような形(擬幼)に変身します。そして…
数千個の卵の中で、運の良かったほんの少しだけが成虫になれるのです。
19
冬越しの虫&自然観察会
2月18日の観察会(関学)の材料を集めるための、法西先生の冬のオプション企画です。
大寒波到来のニュースを聞き心配していると、
「すごい吹雪。でも子供達は雪合戦に大はしゃぎ!」とのメールにホッ
とした日も。予想外の場所でオオムラサキが見つかったり、逆にお目当てのゼフィルスが見つからなかったり、とにか
く行ってみなければわかりません。なんと栗原君は7回全部参加しました。
コムラサキの幼虫
オオムラサキ幼虫
ヤナギの木にいます。木
がたくさんあって探すの
に根気がいりました。
こんな雪の日でも調査に出かけた法西
隊はさすがです。
エノキの下にいます。たく
さん見つけられました。
「来
年はどの木がエノキか、わ
かるように」
。なれるかな?
冬の風物詩、
水鳥の観察
オナガガモ・ヒドリガモ他
年・月・日
06・11・23
観察場所
宝塚市小仁川
曇
06・12・3
晴
06・12・10
曇
06・12・23
晴
06・12・24
晴
07・1・7
大雪
07・1・8
晴
ハンノキにいます。見
つけるのが上手になっ
たね!
主な成果(リスト)
参加者数
9名
ミドリシジミ卵
コムラサキ幼虫、ヒメクダマキモドキ
水鳥の観察
甲山周辺・山頂
神戸市北区道場
18名
4名
鎌倉峡
三田市福島
有馬富士自然公園
大阪府豊能町高代寺山山麓
川西市黒川
猪名川町内馬場
下阿古谷
甲山山頂
ホシミスジ幼虫、ゴマダラチョウ幼虫、シンジュサンまゆ
シロスジカミキリ幼虫、キリガ(夜間観察)
オオムラサキ幼虫、ゴマダラチョウ幼虫
ツチハンミョウ、クワガタムシ幼虫
8名
12名
6名
3名
オオムラサキ幼虫、ゴマダラチョウ幼虫
ミドリシジミ卵、水鳥の観察
オオムラサキ幼虫、ゴマダラチョウ幼虫、ミスジチョウ幼虫
オツネントンボ、チビクワガタ、コクワガタ、クワガタムシ幼虫
ウラジロミドリシジミ卵、ミドリシジミ卵、ヤママユガ卵
ミズイロオナガシジミ卵(穴開き)
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☆虫の冬越し観察会 感想☆
木をけずって虫をつかまえるのがおもしろかった。4
ひきぐらいつかまえてよかったです。ちゅうせんでどっ
ちもあたってよかった。コクワガタばっかと思います。
まだ虫はのこっていました。ほしいぐらいです。
(O ちゃん)
子供達が生き生きと発表しているのに感動しま
した。ぜひ又、参加させて下さい。
(Sさん)
大変興味深い活動報告を聞く事ができまし
た。また一年間の有意義な活動を振り返ること
で、参加できた喜びを実感しています。子供の
少しきもちわるかった。
(かいぼう&ムカデ)けど、た
のしかったです。
(Mくん)
興味から、逆に親も昆虫に対する感心を再び持
つことができました。我が家も何かテーマを見
つけて探求してみたくなりました。
(Kさん)
昆虫を探したりとか、あまり見たり、やったりすること
のできないことができてたのしかったです。ありがとう
ございます。
(Yくん)
クワガタやカブトムシをもらったり、かんさつしたりし
てたのしかった。はっぴょうもよかった。
(Mくん)
まだ子供には講演や発表のムツかしいところは
わからなかったようですが、絵を書いて作ってい
た新聞などは興味深く見ていました。朽木からク
ワガタの幼虫が出てきたので今年こそ観察しなが
ら大きくしたいと思います。
(Oさん)
一年を通じ、誰もが真面目に取り組んでおられる
様子がよく解りました。皆さんの指導及び努力が
素晴らしいと感じました。本日はありがとうござ
いました。
(M さん)
さいしょのようちゅうをさがすときに、大きなむかで
が出てきたのがビックリ!クワガタなのに大きいよう
ちゅうがいて、かぶと虫のようちゅうとそっくりに大
きさがおんなじだった。もしかしたらそればカブト虫
だったかなっておもう…。シュレーゲルアオガエルが
カワイくてかんどうしました。
(Nちゃん)
「あれ なぁに?」
「これはちょうちょ」
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