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ただいま、ページを読み込み中です。5秒以上、このメッセージが表示されている場合、Adobe® Reader®(もしくはAcrobat®)のAcrobat® JavaScriptを有効にしてください。 Adobe® Reader®のメニュー:「編集」→「環境設定」→「JavaScript」で設定できます。 日皮会誌:87 (7), 443-445, 1977 (昭52) 「Acrobat JavaScriptを使用」にチェックを入れてください。 なお、Adobe® Reader®以外でのPDFビューアで閲覧されている場合もこのメッセージが表示さ Monoclonal Gammopathy (IgM,λ型)を伴った れます。Adobe® Reader®で閲覧するようにしてください。 Lymphocytic Lymphoma(B cell 型)の1例 中嶋 弘 内山 光明 池渾 善郎* 要 旨 硬の硬結を触れる(図1).この硬結は眼球結膜下に及 58歳,女性にみられた悪性リンパ腫を免疫学的に検討 び,碗豆大の腫瘤を形成している.両頚部,左鎖骨上 し,0 血清にlgMが増加していること,2)この 席,両肢裔,両そけい部などに示指頭大以下のリンパ節 lgMは免疫電気泳動でM-bowを示し,j?型であるこ 腫張ある乱肝,牌の腫大は認められない.鼻腔粘膜の と,3)腫瘍細胞はB cell としての性状を有している こと,4)その腫瘍細胞は膜の表面にlgMり型)を 肥厚,上咽頭の腫瘤,右口蓋,扁桃,舌根部にかけての 腫張なども認められる. 一般検査 尿正常,血沈.40mm/lh, 有していることを証した. Ly はじめに 悪性リンパ腫(non-Hodgkin ∼8.6g/cll, lymphoma)の分類は未 だ確立されたものがないが‰最近機能的分類が提唱 され2)3)注目されている.そして慢性リンパ性白血病 WBC 6,100/m IgG A/G 0.8, r-gl 1200∼1290mg/dI, IgA 220mg/dl, mg/dl,免疫電気泳動でM-bowあり, 2) Bence 7.4 17.7∼26.7^,二峰性, IgM IgM,λ型(図 倍,アデノく4倍,ヘルペス(単純性)8∼32倍,ヘル Hodgkinリンパ腫の大部分,急性リンパ性白血病のごく ペス(帯状)<4倍,ルベラく8倍,サイトメガロ<4 cell malignancyであることが明 1200∼1320 Jones蛋白陰性,血清抗体価:ムソプス<4 (CLL)の大部分,原発性マクログgプリン血症non- 一部,骨髄腫などがB 「, 28∼29%,異型細胞なし,軽度貧血ありXP 倍,オーム病く4倍,Au抗原(−),寒冷凝集価4倍, らかとたった4)・ Paul-Bunnelく4倍, 我々はnon-Hodgkinリンパ腫の一型でmonoclonal 直接法(−),RA(−),LEテスト(−),ANF(−), ASLO 80∼120倍.クームステスト gammopathyを呈した症例を経験したので,腫瘍細胞を サイrlイドテスト(−),クリオグロプリンC-).生化学 中心に免疫学的に検討した. 正常.骨髄検査:Erythro-system 症 例 52%, 58歳,女性.平塚市生れ. 0冷%,Reticulum 0.3%),Mgk. 初診 昭和51年11月2日 細胞なし. 家族歴,既往歴 特記すべきことなし. 常なしlymphography両側腹部ないし腸骨動脈にかけ 現病歴 昭和41年1月より両眼険腫張,昭和51年5月 てハ より同部皮下の硬結に気付いた.その間,全身症状な 病理組織学 右上眼険部腫瘤を摘出し,材料とした. Reticulo-system PPD反応陽性, 20%, 14%, Granulo-system Plasma 1%, M/E 現症 両眼険部にびまん性腫張あり,その皮下に弾性 intermediated cytic lymphoma 横浜市立大学医学部皮膚科教室(主任 永井隆吉 教授) Hiroshi Nakajima, Mitsuaki Uchiyama and Zenro Ikezawa: A case of lymphocytic lymphoma (B cell type) with monoclonal gammopathy (IgM, / type) 昭和52年3月30日受理 別刷請求先:(〒232)横浜市南区浦舟町3―46 横浜市立大学医学部皮膚科教室 中嶋 弘 4:%, Mono = 4/l,異型 DNCB感作成立,骨X-P異 腫瘍細胞の浸潤は皮下より眼輪筋層中にあり, し. * (Ly. differentiated, diffuse pattern well∼ のlympho- である(図4). 腫瘍細胞の免疫学 蛍光抗体直接法でクリオスタット 標本,スタンプ標本(図5)共に腫瘍細胞膜の表面に IgM (ヌ型)陽性(図6),細胞質中には陰性. の方法に準じて腫瘍細胞を分離細胞として取り出した. 摘出腫瘤は3.5×1.5×0.5cm大で,その約1/3を材料と したが,得られた細胞数は2×1011/10mlであった.ト リパソ・ブルー法で細胞の生存率は85.0%であった.腫 Tanら5) い鴫 弘にう 1↑│ N1 臨し味所兄 示 己 ≪ie 図/1 病理細織所兄,皮片結節, HE, 1,卵0倍 ・●J〃・- \ `ひ珊に I・ j ≒ − 〃 W W − ” 「 - FI:T………j 4C 息11 1ZJ': 旅 , IりIrIII¨rl¨│:1111::│| III; 1 │:││・MI:丿Iltrlll11¨丿¨丿¨rIII ・.‥一一:y・:1‥I.・i‥「11‥「・i.f・.1(1・I・‥III.・│:i・│::II・)113:・III │ズに 免疫'心気冰針所見i\:t j M-houう‘,j,)ミ;- ) 図yS スタンプ標仁所見、支所糾節、 卜卜 1ヌドj LymPhogram+VIP所見 仁 WG、1、㈲C」倍 蛍光抗IIび1:接法所兄,皮丿糾,町,ソ,々ンゾ標 大仰 Monoclonal Gammopathy 445 を伴ったリン・゛腫 衷1 Result Periphetalblood Tumor E-RFC 44.6% EAC-RFC 66.4% 16.5% (weakly positive, 7 6.7%) SIgBC 46.5% 87.0% IgG H.0% IgA 7.0% 0 % 0 % IgM 9.0% 82,0% IgD 2.0% IgE 4.0% 4.5% O % O % fweakly positive,8.0%) λ-type 27.0% 86.0% 4:-type 22.0% 0 % 2×lO'VlOmI Acquired cellcount Cell viability l 瘍細胞の成績は表1に一括したが, 85.0% E-RFCはA.5%, の定義に従えば悪性リンパ腫が存在していること,骨髄 EAC-RFCは16.5%,但しEACを1͡ヽ・3コ附着した弱 陽性細胞は76.7%,SlgBCは87.0%で, 像に形質細胞の増加がないことより鑑別される,従って SIgBCでは 免疫血清学的立場から診断するならば,本態性マクログ lgMが82.0%,λ型が86%であった. ロブリン血症で,リンパ腫を伴うものということにな 考 案 る,マクログロブリソを生産している細胞はリンパ腫の 本例は,1)血清にlgMが増加していること,2) 腫瘍細胞であることが示唆されたので,原因不明を意味 このlgMは免疫電気泳動でM-bowを示し,λ型で する本態性の病名を排し,表題のごとき病名を附した. あること,即ちIgM,λ型monoclonal gammopathy であること,3)腫瘍細胞はB 有していること,即ちB cell cell lymphoma 4)その腫瘍細胞は膜の表面にIgM 本態性マクログロブリン血症でnon-Hodgkin やCLLを伴うものの多くがB としての性状を であること, (λ型)を有して lympoma cell malignancy であ ることは当然予想されるところであるが,それが証明さ れた症例は未だ少いものと思われる. いることなどが証された.従って血清中に証されたM一 蛋白は腫瘍細胞により産生されたものと考えたい.本 本要旨は日本皮膚科学会第545回東京地方会にて報告 例はlgM型骨髄腫,原発性マクログロブリン血症との した, 鑑別が問題となる.前者は形質細胞の増殖と骨破壊がな 御協力,御教示賜わった本学眼科学教室,第2内科学 い点で鑑別される.後者は鑑別困難であるが, Hallen" 教室に感謝する. 文 献 1)難波紘二:悪性リンパ腫研究の新段階,日網会 liferativeblood diseasesand primary immuno- 誌,15 2) : Lukes, 135-141, R.J. proaches mata, 3) and 昭50. Collins, K., Stein, H. Cytological and classification of malignant 4) New 町)- to the classification ’ofthe lyraphoBr・ J,Cancer, 31:(Supp. Lennert, Cancer, R.D.: 31:(Supp. Seligmann,χI., J・C,: B and II), 1-27, 1975・ and Kaiserling, E.: criteria for the 】ymphomata,By. 1. functional II), 29-43, Preud'Homme,J.L. T-cell markers 1975・ deficiencies,w ith specialreferenceto membrane bound immunoglobulins. 7yαnsplant. 1?■ev., 16: 85-113, 1973. 5) Tan, R.S-H., Byrom, N.A. and Hayes, J.P.: A method of liberating living cellsn・om the dermal infiltrate, Br. J. Dermal., 93: 271-276, 1975. 6) Hallen.J・,河合 忠:血漿蛋白,その基礎と and Brout, in human pro- 臨床,医学書院,東京, −より引用. 1969, pp. 581-584.