...

Untitled - 日本高圧力技術協会

by user

on
Category: Documents
42

views

Report

Comments

Transcript

Untitled - 日本高圧力技術協会
HPIS C106 2005
日本高圧力技術協会規格
高圧容器規格
Rules for Construction of High Pressure Vessels
序文
近年、超高圧容器が冷間等方加圧(CIP)/熱間等方加圧(HIP)加工、石油化学、産業廃棄物処
理などの工業分野で数多く建設、運転されている。このような容器は、設計条件が超高圧、高温、
繰り返し運転など厳しい環境にあり、従来のASME Boiler & Pressure Vessel Code Section VIII
Division 2(以下ASME Sec.VIII Div.2と呼ぶ)より合理的な設計、製作、品質保証が可能な新し
い超高圧容器を対象とした規格の必要性が叫ばれてきた。このような産業界の要求に応えて、平
成9年5月に ASME Boiler & Pressure Vessel Code Section VIII Division 3(以下ASME
Sec.VIII Div.3と呼ぶ)が発行された。日本においても同様の規格を発行するために圧力容器規格
委員会
高圧容器規格分科会を平成9年10月より立ち上げASME Code Div.3のバックグラウンド
の調査、ASME Code Div.3適用のケーススタディ、ASME Sec.VIII Div.3の概要版の作成を行い、
バックグラウンドの理解と見直しが必要な項目の抽出を行ってきた。この間にASME Sec.VIII
Div.3の改訂を担当しているSpecial Working Group on High Pressure Vessel Committeeの
MemberにASMEより任命され、当分科会からもいくつかの改訂提案を行い、ASME Sec.VIII
Div.3 Addendaとして正式に発行されている。
この規格はASME Sec.VIII Div.3 2001 Edition 2003 Addenda版をベースとしているが、大き
く異なっているのは下記の点である。
・ 6.3項の疲労評価については分科会で検討した結果、ASME Sec.VIII Div.3より高圧ガス保
安協会の「超高圧ガス設備に関する基準」の評価手法を採用した。
・ 適用材料についてはASME Sec.VIII Div.3で認められている材料に加えて、JIS材料や
ASME Sec.VIII Div.2で認められている材料も適用可能とした。
・ ASME Sec.VIII Div.3で改訂が必要な誤植や改訂漏れは先取りして修正した。
この規格は円筒状圧力容器胴体部の肉厚と構造を決定する方法を示したHPIS C-103-1989
「超高圧容器の設計指針」とは異なり ASME Sec.VIII Div.3をベースとした高圧容器の設計、製
作、試験、検査を規定したものである。胴部の肉厚計算式もHPIS C-103-1989はFaupelの破壊圧
力に対して安全率2.5に対してこの規格ではNadaiの全面降伏圧力に対して安全率2の違いがあり、
材料の降伏比が約0.7以上ではこの規格の方が肉厚は薄くなる。
1.
一般要求
1.1 適用範囲
1.1.1 適用する圧力容器
この規格は設計温度が材料のクリープ温度未満で、一般に設計圧力が
70 MPaを超える圧力を保有する容器の設計、製作、試験、検査及び過圧防止に適用する。但し、
火気を直接受けるものは含まない。また、設計圧力が70 MPa以下の圧力容器に対しても適用を
1
HPIS C106 2005
高圧容器規格
解説
この解説は、本体及び附属書に規定した事柄、並びにこれらに関連した事柄を説明するもので、
規格の一部ではない。
1
一般要求
1.1 適用範囲 この規格は一般に設計圧力が 70MPa を超える圧力を保有する容器に適用するが、
使用材料の降伏比(降伏強度 / 引張強度)が 0.7 以上の場合にはこれより低い圧力でも肉厚が薄
くなりより合理的な設計が可能となる。この規格の適用範囲は圧力容器本体と 1.1.2 に規定され
た部分であるが、配管や圧縮機等の部品に対しても使用者設計仕様書に明記すれば準用は可能で
ある。
1.2 適用条件の明確化と品質保証 この規格は安全率を小さくしているので全ての荷重条件に対
して各部の詳細解析による設計を要求している。従って、使用者設計仕様書には 1.2.1 に示され
たような詳細な使用条件を明確に記述しなければならない。一方、容器製作者は容器各部の応力
解析、疲労解析、破壊力学評価を行い、製作者設計報告書を作成し容器の構造健全性を証明する
必要がある。また、容器製作者は 1.2.2 に記述されたような品質管理システムを確立し、圧力容
器の使用者の品質管理要求を満足する品質管理を行い、附属書 7 の 2.12 に示した記録を容器使
用者に送付するとともに保管しなければならない。
2 この規格の構成
2.1 この規格の本体 この規格の本体は 10 の章から成り立っている。基本的には ASME Sec. VIII
Div.3 の内容と同じであるが下記の項目は異なっている。
・ 5.4 材料設計データ 適用材料は ASME Sec. VIII Div.3 以外にも ASME Sec. VIII Div.2 適
用材料、JIS 材料も適用可能とした。
・ 6.3 疲労評価は平均応力の補正法、設計疲労曲線は ASME Sec. VIII Div.3 ではなく KHK
基準を採用した。
2. 2 附属書
附属書 1,2 はこの規格の他の部分に当てはまらない特別な事項を記載した強制規
定である。附属書 3,4,5,6,7 は情報及び推奨される手法を記載した非強制規定である。
3.
引用規格
表 3.1 に掲げる規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の
一部を構成する。これらの引用規格は 2004 年8月時点の最新版である。
4.
用語の定義
5.
材料
5.1
材料一般
JIS B 0190 圧力容器の構造共通用語
にない用語について定義を行った。
この章は日本が規格作成を担当した ASME Sec.Ⅷ Div.2 Rewrite における、
解1
Fly UP