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2015 年版 タイにおける問題点と要望 1/20 貿易
2015 年版 タイにおける問題点と要望 1/20 タイにおける問題点と要望 区分 1 外資参入規制 意見元 No 問題点 日商 日製紙 (1) サービス業外資参 ・外国企業に対する事業参入制限、ライセンス取得義務があり、とくにサービス業 ・外資参入規制の緩和。 ・外国人事業法 入規制 (請負業含む)への外資出資比率規制があり、外資に対する事業参入を規制して ・タイ外国企業規制法 8 条 いる。 ・外国人事業法による、外国企業のサービス業への参入制限が残存する。 ・外資規制の即時撤廃。 −電機・機械製品などの製造販売のみでなく、有料メンテナンスサービスなどの サービス業を同時に行うことは外国企業(株式数の過半数を外国人または外 国企業が占める会社)は不可。 −エレクトロニクス業界では、ハードの差別化に加え顧客サービスの優劣が重要 な競争要因であり、サービス分野の外資出資比率規制により顧客の利益が損 なわれている。 (対応) ・2006 年 5 月、タイ商務省は、外資が一定比率を所有している合弁企業に出資するタイの投資家に対して、事業資金源の厳格な開示を義務付ける新たな 規則を公布した。また、外資出資比率が 40∼49%のベンチャー企業に投資するタイの投資家と外国人取締役は、8 月 15 日以降、事業資金源を証明し なければならないと発表した。外国人事業法は、タイ国民が外国企業の名義株主として行動する事を禁止しており、違反者には罰金と懲役刑が科される。 また、外国人事業法は、タイ企業が保有している営業権(concession)や事業免許(license)を外国人に譲渡する事を禁止している。携帯電話会社やテレ ビ局、衛星通信会社、航空会社などの国家安全保障関連やメディア関連産業への外資参入を規制している。一方、外国人の出資比率が 50%未満の企 業をタイ企業とみなして当該企業に対する制限を免除している。されにタイ内閣は、2007 年 1 月 9 日、商務省が提案する「外国法人」とは、外国人株が過 半数の議決権を持っている企業であると定義する外国人事業法の改正案を承認している。 ・2007 年 4 月 10 日、タイの内閣は、商務省(MOC)により提案された The Foreign Business Act B.E. 2542 改正を承認した。本改正は、外国投資家が タイに限定されるビジネスを行うために用いられる抜け穴をふさぎ、法的曖昧さを明確にすることを意味する。主要な改正点には、マジョリティの議決権を 有する外国株主の企業を含む"外国法主体(foreign entity)"の再定義が含まれる。この意味するところは、タイ人が 51%保有するが、議決権が無いか少 数の"タイ企業"は"外国"となるということである。しかしながら、改正案は、カテゴリー3 の下での以下のビジネスに関し例外を設けている。 − Telecom business − Business relating to future trading − Securities business − Futures trading business − Commercial banking business − Financial business and credit foncier business − Insurance against lost business − Other service business prescribed in the Ministerial Regulations ・2007 年 8 月 10 日、タイ商業相は、外国人事業法改正案を見直して再提案するために取下げたと発表した。 ・過渡期と調整が様々な方法で設けられている。カテゴリー1 と 2 の下でのビジネスは 49%にその所有権を引き下げるのに、法律が発効後 1 年で開始し、3 年の調整期間が持たれる。 ・2007 年 3 月 27 日、タイ内閣は、MOC によって提出された小売事業法案を拒否した。その法案は、60 項目を含み、外国小売業者と伝統的小売業者と の間の公正な貿易競争を生み出すよう企画されたものであった。内閣の決議後、MOC は小売事業法案を再起草するため、起草委員会と伝統的小売業 者と外資小売業者の代表の会合を召集した。新法案ができた際に、MOC は再度その法案を内閣に提出する。実施された場合、ゾーニングと規則を通じ て、都市部における大規模な小売アウトレットの更なる拡張を制限することになろう。 ・2008 年 8 月 3 日施行のタイ金融機関新法(B.E.2551)第 16 条によると、金融機関の株式総数の 75%以上はタイ人株主が所有すること、取締役総数の 4 分の 3 以上はタイ人でなければならないと規定している。 JEITA 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 タイにおける問題点と要望 2/20 要望 準拠法 ・2009 年 12 月 22 日、アピシット内閣は、商務省より提出された小売事業法案の最新草案を原則承認した。同法の狙いは、小売業者を(1)非常に大規模な 小売店、(2)大規模な小売店、(3)中規模な小売店、(4)小規模な小売店(コンビニエンスストアなど)の 4 つに分類し、管理することにある。内閣が承認した この草案は、国家評議会に送られ、そこで法的精査が行われる。国家評議会での精査手続きが完了次第、草案は再度内閣に提出され、その承認を経た うえで、最終的な法案が議会の審議にかけられる。商務省によると、未だ法制手続きの初期の段階にあり、今後内閣の指示や議会での審議を通じて修正 が加えられる可能性があるという。法律として成立するためには、3 回の読会を経て議会で可決されなければならない。商務省は、法案の議会通過後、今 年中の施行を目指している。2004 年以降、国内の小売業者から急成長する大型スーパーマーケットを規制する法律が要請されていたにもかかわらず、小 売事業法の制定手続きは遅々として進まなかった。過去三代の政権下でも立法化には至らなかった。 ・2010 年 1 月 14 日、アロンコーン副商務相は、タイ商務省は、外資への市場開放を推進するため、外国人事業法の緩和を検討すると発表した。同法の緩 和は、タイが諸外国と結んでいる FTA の義務履行に向けたタイ政府の第一歩である。財務省財政政策局は、その最新調査報告で、同法のリスト 3 に含ま れる 13 の事業分野の緩和を向こう 3∼6 年以内に実施すべきであると提言している。外国人事業法のリスト 3 は、外国投資家の参入を認めていない事業 分野を定めている。その一方、アロンコーン副商務相は、外資参入拡大に向けたサービス産業の開放に先立ち、タイ政府は、国内企業の競争力と準備状 況を慎重に考慮する必要があると述べている。商務省関係者によると、同省は外国人事業法改正法案の草案を 2010 年 3 月末までに内閣に提出する予 定であるという。 ・BOI の投資奨励の付与を受けたプロジェクトについては、外資企業が外国人事業法の別表 2 および別表 3 に掲げる規制業種の業務に従事することが認 められる。 (改善) ・2007 年 4 月 3 日、日・タイ経済連携協定(EPA)が署名され、タイは、①卸・小売サービス、②保守・修理サービス、③ロジスティックス・コンサルティング、 ④広報サービス、⑤ホテル・ロッジング・サービス、⑥レストラン・サービス、⑦海運代理店サービス、⑧カーゴハンドリングサービスの分野に関し、外資比率 を含めて改善すると約束した。外資比率については、現地で生産する製品を扱うことを条件に、販売会社、修理などのアフターケアを行うサービス会社へ の出資比率の上限を現行 50%未満から 75%、60%に引き上げる。 ・2008 年 2 月、銀行業の外資出資比率規制が 25%以下から 49%以下に緩和された。また、保険分野の外資出資比率規制が 25%以下から 49%以下に 緩和された。 JEITA 日機輸 (2) 工場拡張規制 日商 (3) 現地資本マジョリテ ・製造委託(OEM)による生産・販売会社を設立しようとした場合、外国人事業法、 ・OEM 生産商品を仕入れて販売する行為 ・タイ国土地法 ィ要求 第 3 表の 21 番:その他サービス業に指定され、先進国では良く使われる OEM にタイマジョリティの規制をかけないでほし ・外国人事業法 生産を行い、その商品を購入して販売する際に、タイマジョリティが要求される。 い。 ・土地を保有する製造業は、限られた優遇土地以外、株式持分についてタイマジ ・どこの土地であっても、外資持分比率に関 ョリティ要求をされる。 する規制を外して頂きたい。 日商 日商 2 国産化要請・現 JEITA 地調達率と恩典 日商 ・ゾーニング法により、工業団地外にある製造会社では、敷地内であっても、工場 ・ゾーニング法の基準見直し。 の拡張が認められない。 (4) 規制業種毎の事業 ・外国人(外国企業)が特定の規制対象業種(サービス業、小売、卸売業)を行う ・規制業種の縮小。 許可証取得義務に 場合には、業種毎に外国人事業許可証を取得する必要がある。事業内容の変 ・外国人事業許可証取得要件の緩和。 よる事業拡張・変更 更拡張行う場合にも新たな許可証を取得しなければならず、一業種毎に増資も の困難 要求され、事業内容の変更拡張が簡便に行えない。 ・Foreign Business Act (1) インセンティブ付ロ ・BOI IPO 取得条件として、全取扱量の内、タイ製品を 10%以上取り扱う事が条 ・BOI IPO 取得条件のタイ生産製品を ーカルコンテンツ要 件となっている。また、EPZ にあるタイ工場は海外製品の扱いとなる為に国内取 10%以上取り扱いを廃止又は EPZ にある 求 引 10%以上を満たすことが出来ず、商品毎に煩雑な輸入ルートになっている。 工場の生産品はタイ品扱いしてもらうなど (*BOI IPO とは製品・部品の輸入関税を免除する特典。) BOI IPO の取得要件の緩和。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 6 外資優遇策の縮 JEITA 日機輸 小 ・ 7 外資法運用手続 日商 No 問題点 問題点内容 要望 タイにおける問題点と要望 3/20 準拠法 (1) 外資優遇策の縮小 ・2014 年 11 月末に、2015 年 1 月 1 日施行の新投資奨励策が突如発表された。 ・新投資奨励策の見直し。 ・新投資奨励策(2015 年 1 見直し その期間の短さもさることながら、従来の地域別恩典から産業別恩典に変更され ・地域別恩典付与の継続。 月 1 日施行) ており、地方展開してもより大きな投資恩典が得られないほか、全体的に当社関 連事業の恩典(特に税恩典)が縮小している。 政情も決して安定していない中でこのような政策を出すことは、当社事業の直接 の影響だけでなく、他の企業にとってもタイに対する信頼を喪失させるものであ り、結果的に外国企業のタイ離れが進むことを、強く懸念する。 (対応) ・2013 年 1 月、BOI は、ゾーン別恩典制度を廃止して特定業種奨励恩典制度を新たに導入する 2013∼2017 年新投資政策案を発表した。 ・2013 年 5 月、BOI は、新投資政策案の特定業種奨励恩典制度の内容を 2013 年 12 月までに決定し、2015 年 1 月 1 日から実施すると発表した。 ・2014 年 7 月 1 日、タイ国家平和秩序維持評議会(NCPO)、5 つの経済特区設立を承認;タイ商業会議所、同経済特区の設立による泰国境貿易(対マレ ーシア・ミャンマー・カンボジア)の年 20%増を見込む。 ・2014 年 8 月 19 日、タイ投資委員会、国家平和秩序維持評議会(NCPO)による新投資戦略(2015 年∼2021 年)を承認した。新投資戦略は、ハイテクを 振興し、付加価値を増進し、環境に優しいプロジェクトに焦点を絞り、研究開発を促進することを目的としている。BOI のボードは、BOI 投資ゾーンを取り 止めて、代わりに新たな地域産業集積を振興し、長期の持続可能な成長を確保する焦点を絞った優先順位を置いた振興政策に転換するとしており、電 気電子、金属製品・機械・輸送機器、インフラ・サービス等が投資優先 7 分野をターゲットとしている。 ・2014 年 11 月 25 日、タイ投資委員会(BOI、以下「BOI」)はプラユット首相が委員長を務める本委員会を開き、今後 7 年間(2015∼2021 年)に適用する 新投資奨励制度を承認し、12 月 3 日、投資委員会布告第 2/2557 を発布した。また同布告の日本語訳も同日付で BOI ホームページに掲載)した。主な 変更点は、 ①新投資奨励制度では、地方経済の活性化を企図した従来のゾーン制が廃止され、タイ国の高度技術産業への産業構造シフトを企図した業種に基づく 恩典(上述)が定められた。 ②新制度では、中古機械の利用・恩典基準が定められており、5 年以上経過した通常の中古機械は、恩典が受けられなくなるだけでなく、プロジェクトで の利用ができなくなる。 ③複数の非製造業種については旧制度では BOI 通達等により個別の奨励措置が、新投資奨励制度では業種に基づく恩典対象業種に加えられている。 (改善) ・2015 年 3 月 16 日、プラユット首相はタイ特別経済開発区政策委員会を開催して、最高の投資恩典を SEZ(経済特区)内の 13 業種((i) agriculture; (ii) fishery and related industries; (iii) ceramics; (iv) textiles, clothes and leather; (v) furniture; (vi) jewelry and ornaments; (vii) medical appliances; (viii) automotive, machinery and parts; (ix) electrical appliances and electronics; (x) plastics; (xi) pharmaceuticals; (xii) logistics; and (xiii) tourism-supporting industries.)に拡大することを決定した。 ・2015 年 10 月 8 日、タイの SEZ 委員会は国境付近に設置予定の SEZ における優遇対象業種を 10 業種(作物乾燥・貯蔵、農業副産物、金属構造物製 造、印刷、飼料・原料、建築原材料、パーソナルケア・トイレタリー製品、プラスチック製品、パルプ・紙製品、工場・倉庫建設)を行の 13 産業グループに追 加することを決定した。 ・2016 年 3 月 17 日、タイ投資委員会(BOI)は、産業クラスター政策に基づく「スーパークラスター」としての新たな奨励対象に航空・オートメーション・ロボッ ト工学の各分野を指定した。スーパークラスターの主要恩典は 8 年間の法人税免除及びその後 5 年間の法人税減免(50%)、機械・原材料の輸入関税免 除等。 (1) BOI の新投資奨励 ・BOI の恩典対象区分が地区(ゾーン)から業種単位に変わったが、詳細な運用 ・詳細な制度の説明書(逐条解説)の作成、 ・投資委員会布告第 2/2557 制度の不明確 説明がないために、各日系企業が対応に困惑している。 又は具体的な制度運用の事例説明をして 号 頂きたい。 ・外国人事業法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 タイにおける問題点と要望 4/20 要望 準拠法 ・2015 年より BOI 新投資優遇制度が運用開始となったが、下記のような内容が明 ・新制度の詳細を明確にしてほしい。 らかになっていない。 −クラスター別の最低恩典に加えられる諸条件での延長は積み上げが可能か −設備投資免税期間 −原材料/資材の輸入免税の延長可能条件 ・2015 年 1 月より BOI の新規申請分より、新しい恩典方針が施行された。今後の ・認可・不認可の具体的な情報の開示。 申請の認可状況と、現行の更新が行われるか不安である。 ・更新の具体的な期限の明示。 ・2015 年 1 月 1 日以降、新投資奨励制度が開始された。 ・柔軟な制度運用。 新投資奨励、現行投資奨励それぞれの制度で対象となる業種、恩典内容が異 ・情報公開の早期化。 なる。旧制度での承認企業は引き続き期限まで恩典を享受することができるが、 事業拡張が制限されるなどの問題点がある。また海外からの直接投資の減少、 海外への事業移転が進み国内景気の悪化が懸念される。 日機輸 日機輸 日製紙 (対応) ・2014 年 12 月 3 日、タイ投資委員会(BOI、以下「BOI」)は今後 7 年間(2015∼2021 年)に適用する新投資奨励制度に関する投資委員会布告第 2/2557 を発布した。(日本語訳も同日付で BOI ホームページに掲載した) ・2015 年 3 月 9 日、タイ投資委員会(BOI)は、投資促進政策の実効性を高めるべく BOI 決定への不服申立て、関税上の恩典、投資政策の調整に関する 各小委員会を新たに設置する通達(Notification 1/2558 及び Notification 2/2558)を発行した。 8 投資受入機関の 日機輸 日製紙 問題 (1) BOI 恩典での輸 ・申請から BOI の承認まで時間(実動 30 日以上)がかかる。 ・電子化/簡素化してほしい。 ・タイ投資委員会 入・承認手続の遅 そのため、BOI で承認されてない設備や部品は、BANK GURANTEE または ・承認までのプロセスを迅速化してほしい。 ・BOI 恩典での輸入手続き 延 キャッシュで関税、VAT を一旦払い、後から還付というフローになっている。 (2014 年時点) 運用 (2014 年時点) →Paperless System 導入。一部で運用 現在、Paperless System の運用開始により、一部の輸入品(治工具や金型な が開始され、迅速化されている。 ど)は承認リードタイムが短縮された。 (対応) ・2013 年 11 月 1 日に始まった政治デモなどタイ政情不安の影響で、昨年末に任期切れとなった投資委員会(BOI)の委員の新たな任命に遅れ、BOI の 新たな投資認可業務にも遅れが生じた。 ・2014 年 6 月 7 日、タイ国家平和秩序評議会(NCPO)、投資委員会(BOI)の新委員 18 名を任命、BOI 認可プロジェクトの運用を加速化するべく、工場 操業許可(Ror Ngor 4)取得までの審査期間を従前の 90 日から最短 30 日に短縮するよう工業省に指示。 ・2015 年 3 月 9 日、タイ投資委員会(BOI)は、投資促進政策の実効性を高めるべく BOI 決定への不服申立て、関税上の恩典、投資政策の調整に関する 各小委員会を新たに設置する通達(Notification 1/2558 及び Notification 2/2558)を発行した。 (改善) ・2014 年 6 月 7 日、タイ投資委員会は、第 1 回会合を開催し、棚上げされていた BOI 外国投資プロジェクト(自動車・鉄鋼・エレクトロニクス産業関連等) を承認。 9 輸出入規制・関 JEITA 日機輸 税・通関規制 日商 (1) 高輸入関税 ・電子部品の中でフェライトコア、チップコイル、センサー、ブザー、電源、SAW フ ・輸入税の撤廃。 ィルター、コネクターに輸入税 10%が掛かっている。そのほかの電子部品が 0∼ ・輸入税の掛かるもの、掛からないものの理 1%に軽減されてきており、関税 10%はタイ完成品メーカーの国際競争力を落と 由の明確化。 す。また、関税の税率判断の基準が税関担当者によって変わる。膨大な量の資 料を提出させられた挙句、明確な説明も無く税率を上げられたケースもある。タイ 国内で生産していない電子部品まで、高い関税をかけているが、それではタイの 完成品メーカーの国際競争力を失うだけで何のメリットもない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 時計協 日製紙 日機輸 No 問題点 問題点内容 タイにおける問題点と要望 5/20 要望 準拠法 (参考)日タイ EPA の関税率 −ブザー(HS:8531 90)、カテゴリ B:段階的に関税撤廃。2012 年 0%。 −電源(HS: 8529 90)、即時撤廃。(一部 8529.902 に関してはカテゴリ B のた め段階的に関税撤廃。2012 年 0%)。 −電源(HS8504 21、HS8504 31)、カテゴリ B:段階的に関税撤廃。2012 年 0%。 ・クロックの関税は 20%で高率である。 ・関税率の低減及び撤廃。 ・輸入関税がゼロとなる輸入相手国を拡大する必要がある。 ・輸入関税がゼロとなる輸入相手国を拡大 し、投資環境良化を図る。 ・単機能プロジェクタが無税(ITA 製品)である一方で、多機能プロジェクタに高関 ・①問題解決への働きかけをご検討頂きた 税が課されている。 い。 ②ITA 拡大に関する最新情報の確認とご 提供を頂きたい。 ③今後の動向についても継続的に情報を ご提供頂きたい。 (対応) ・2012 年 1 月 10 日、タイ財務省はタイ関税率分類法(Thai Customs Tariff Classification Act)第 12 条に基づく関税率引き下げ・撤廃に関する従前の 財務省通達を修正する通達第 15 号(No. 0518/Wor 15)を正式に公布した(2012 年 1 月 1 日に遡って施行)。 ・2012 年 11 月 18 日、タイ首相は、米国大統領に TPP 交渉に参加する意思を表明した。 (改善) ・2007 年 4 月 3 日、日・タイ経済連携協定が署名され、11 月 1 日に発効した。 −鉄鋼:すべての関税を 10 年後までに撤廃、熱延鋼板に関しタイに製造設備がない又は製造できないものは即時撤廃し、一部に無税枠を設定、それ以 外は 10 年後に撤廃。即時撤廃は、全輸出量の 364 万トンの 25%、無税枠は熱延鋼板用 95 万トン、その他は 5 年後、6 年後、9 年後、10 年後に撤廃。 −自動車:3000cc 超については、現行 80%を初年度から段階的に 5%ずつ 60%まで引き下げ、2009 年に再協議を行う。3000cc 以下は、5 年後に再協 議。 −自動車部品:現行関税 20%超の品目は、初年度に 20%まで引き下げ、5 年後に関税撤廃。関税 20%以下の品目は、5 年後に撤廃。センシティブ 5 品 目(エンジン・エンジン部品)は、7 年後に撤廃。 −電気・電子製品:例外なく 10 年以内に撤廃。 −化学品:例外なく 10 年以内に撤廃。参考:関税率については、以下の外務省のサイトを参照。 (http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/thailand/epa0704/annex1.pdf) ・2008 年 7 月 28 日、タイ工業相は、BOI は地域統括本部(ROH)の研究開発利用を目的とする機械の輸入に対する関税を免除したと発表した。 ・2009 年 6 月 1 日、日アセアン経済連携協定(AJCEP)がタイについて発効した。 ・2012 年 1 月 5 日、財務省は、閣議決定を経て、2011 年 10 月にタイを襲った大洪水の被害を受けた事業者の救済を目的に、機械の置き替えや修理の ための機械部品や工具、完成自動車、自動車生産・組み立て用部品などについて輸入関税を免税するとの告示を出した。1 月 14 日、工業省も、洪水の 影響を受けた事業者の救済を目的に、置き換える機械や部品、同付属品、それら機械に使われる工具などを含め、無税での輸入を認可する基準と手続 きなどを示したガイドラインを公表、31 日に官報に掲載した。これにより 11 年 10 月 25 日−12 年 6 月 30 日の間、対象品目を無税で輸入できる。 ・2012 年 5 月 15 日、財務省は、日タイ経済連携協定(JTEPA)において、関税撤廃が「AFTA 完了」が条件となっていた自動車部品 100 品目のうち、撤 廃が約束されていたギアボックス、クラッチ、シートベルトなど 80 品目(HS8 ケタ)の関税を 12 年 4 月 1 日に遡って撤廃すると告示した。 ・2012 年 5 月 23 日、タイ財務省は日タイ EPA(JTEPA)の関税率表(2012∼2017 年)の修正に関する通達(Notification No. 0518/Wor 351)を公布し た(2012 年 4 月 1 日発効)。この修正(関税引き下げ・撤廃の迅速化)は主に HS 84, 85, 87 の品目に影響が及ぶ。 ・2012 年 5 月 24 日より、タイ関税局は輸入関税免除の対象となる機械・電気機器(84 類 49 品目、85 類 29 品目、90 類 9 品目)を追加して適用した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 タイにおける問題点と要望 6/20 準拠法 (2) 日タイ EPA 協定の ・日タイ EPA 協定上、タイは、自動車(HS8702∼8705)又はそれらの自動車部品 ・独自運用を廃止し、協定遵守。 ・日タイ EPA 協定 関税撤廃スケジュ 組立製造用の自動車部品(HS8708)について、ベースレート 30%から協定発効 ールの不遵守 後 20%、発効から 6 年目以降に、AFTA 関税撤廃スケジュールに連動し 0%へ 引き下げることとなっている。本来は乗用車用部品も特恵対象であるが、タイは、 ピックアップトラック用部品のみを特恵対象とする規定外の運用をしている。 自動部品 (3) 日タイ EPA のタイ ・日本及びタイ国内から部品調達し、自社で追加工・組立を行っている製品につ ・論理的なルールの説明と、速やかなる 国内調達部品適用 いて、日本からの調達部品に対する JTEPA 適用の更新申請に当たり、タイ工業 JTEPA 適用ルールの開示をお願いする。 ルールの不透明 省工業経済事務局(OIE)から当該製品のタイ国内調達部品が JTEPA 適用ル ・ルールの見直しに際しては、外資企業に 対話機会を提供すると共に、十分かつ妥 ールに合致していないとの理由で更新が滞っている。 既に生産している製品であり、これまで JTEPA が適用されていた。計画した採 当な説明を実施するなど透明性を確保い ただきたい。 算が確保出来なくなる。 ・異なる解釈が生まれないよう簡潔かつ明瞭 【OIE の見解】 なルールの整備をお願いする。 ①タイ国内調達部品は 1 次外注先までしか認めない。 [補足]:当該部品はタイ企業(1 次外注先)に発注しているが、この発注先は 更に別のタイ企業に当該部品を製造させている。 ②また、このタイ国内調達品が JTEPA ルールに適合しなければ、日本からの調 達部品に対する JTEPA 適用は認められない。 ※なお、OIE にルールの開示を求めているが実現していない。 JEITA (4) タイ EU FTA 交渉 ・EU の一般特恵(GSP)からタイが外れることによる関税負荷。EU の GSP を代替 ・タイ EU FTA の早期締結。 日機輸 の遅鈍 して、関税の撤廃が期待される。タイ EU FTA 交渉が遅れている。 ・Although Thailand Government mentioned that they would want to conclude the Thai-EU FTA by end 2014, but if possible, to expedite and conclude by 3Q of 2014. (対応) ・2014 年 6 月 23 日、タイ国家平和秩序維持評議会(NCPO)、EU 理事会による「クーデター後のタイ政治動向に関する結論」の採択を受け、EU にタイ 政治状況について理解を要請、泰-EU FTA 交渉は棚上げに。 (5) タイ・インド FTA 原 ・FORM-AI を用いて、インド-アセアン間の特典貿易法令を使って部品を輸入す ・インド及びタイの税務当局間で実際の申 ・ASEAN-India Free 日商 産地証明手続の二 る場合、その申請書類の形式は決まってはいるが実際の申請に当たっての税務 請に当たってはマニュアルを作成頂き、共 Trade Agreement (AIFTA) 通の理解にして頂きたい。 国間不整合 官の解釈や考え方が違う為活用出来ない。 インド:申請用紙一枚についてはその用紙に記入出来る数の品点で申請可能。 ・政府関係部門を訪問して認可を得る方法 品点が多くある場合、一インボイスに複数の申請書類をする事を認めず、添 では時間が無駄である。ウェブを活用して の手続きの簡素化及び申請者による直接 付書類で記入する事を可能としている。 タイ:添付書類は正式書類として認めない。品数が多い場合は一インボイスに複 の申請による簡便化を図って頂きたい。 数の申請書類を出すようにとの指示。しかしながら、それはインド側では認め られない。 このようにインド税関当局とタイ税関当局の考え方が全く違う。又、この書類を外 部へ委託する場合はその負担コストが高すぎて申請出来ない。 (対応) 日機輸 ・2014 年 7 月 8 日、タイ国家平和秩序維持評議会(NCPO)は、ASEAN-インド FTA (AIFTA)サービス投資協定への署名を承認。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 (6) 関税評価の恣意 ベア工 性・不透明 自動部品 日機輸 日商 問題点内容 要望 タイにおける問題点と要望 7/20 準拠法 ・WTO 関税協定は、①課税価額の決定のための主たる基礎は「取引価額」であ ・その後も状況は変わらず、タイ政府はライ ・関税法・報奨金分配制度 り、②関税上の価額の一部を構成すると認められる特定の要素が買手により負 センスの対象とされる知的財産が輸入 KD は税関の内規にはあるが 担される場合であって、輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき 部品に組み込まれていないにも係わらず、 未公表。 価格に当該特定の要素が含まれていないときの調整については、別に解釈され KD 部品の輸入に際してロイヤルティへの ・『1994 年の関税及び貿易 るとしている。しかしながら、タイは、買手により負担されるべき特定の要素は認め 課税を継続している。タイ税関が、WTO に関する一般協定第7条の られないにもかかわらず、それらを加算して輸入貨物に課税している。たとえば、 協定を厳守することにより適切に関税評価 実施に関する協定』第 1 部 或る機械部品メーカーは、タイに製造子会社を有していることから、①技術供与 を実施し、課税対象でないロイヤルティに 「関税評価に関する規則」 の対価としてロイヤルティを受け取ると共に、②その製造拠点で製造される機械 対する課税を取りやめることを望む。 第 1 条 1. 輸入貨物の課 部品用にノック・ダウン(KD)部品を輸出している。メーカーは、KD 部品につい 税価額は、輸入貨物の取 てかかるロイヤルティが課税対象であるべきと税関から通知を受け、不本意なが 引価額、すなわち、貨物が ら修正申告を行った。そこで、(1)メーカーは、ライセンスの対象とされる知的財産 輸入国への輸出のために が輸入 KD 部品に組み込まれていないこと、輸入 KD 部品が当該知的財産を使 販売された場合に現実に 用して製造されていないことを確認した。(2) メーカーは、確かにライセンス契約 支払われた又は支払われ 書に輸入 KD 部品の売買に関する記述が存在していることから、ロイヤルティが るべき価格に第 8 条の規定 輸入 KD の販売条件として支払われると解釈される恐れがあると推察し、タイ子 による調整を加えた額とす 会社とのライセンス契約を改定した。しかし、タイ税関は、当該改定の結果を全く る。ただし、…(後略)第 8 受け入れず、KD 部品にかかるロイヤルティが存在すると見做して課税を継続し 条 1. 第 1 条の規定による ている。(なお、同様の改定により、2012 年 07 月以降中国税関からは KD 部品 課税価額の決定に当たっ へのロイヤルティ課税不適用が認められている。) ては、輸入貨物につき現実 ・税関担当者により、関税及びそれに伴う優遇処置の理解が異なることがある。 ・個人的な解釈に寄らない関税制度確立を に支払われた又は支払わ れるべき価格に次のものに 働き掛けてほしい。 係る額を加算する。…(中 略)… (c) 輸入貨物に関連 のあるロイヤルティ及びライ センス料であって輸入貨物 の販売条件として買手が直 接又は間接に支払わなけ ればならないもの(ロイヤル ティ及びライセンス料が輸 入貨物につき現実に支払 われた又は支払われるべき 価格に含まれていない場 合には、含まれていない限 度においてこれらの料金が 加算される。) (対応) ・タイの財務省令第 132 号 9 項(1)は、「販売価格(現実に支払った又は支払うべき価格)」に「直接又は間接に輸入物品に関連し且つ当該輸入物品の販売 の条件として支払われるロイヤルティ及びライセンス料」を加算して取引価格を算定できると規定している。海外本社等へのロイヤルティやライセンス料の 支払いがある場合、輸入者に契約書の提出を要求。契約書におけるロイヤルティの支払いの対象や算定方法等の規定内容が不十分でロイヤルティが輸 入物品と全く関連性を有していないと説明できない場合には、関税局調査官は、本社から輸入する部品や半製品等の取引価格(関税評価額)にロイヤル ティを加えることを主張するといわれる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 タイにおける問題点と要望 8/20 準拠法 ・2015 年 3 月 3 日、タイ税関は、貿易・通関手続き円滑化のため、事前教示制度について従前の関税分類のみから関税評価を含む事前教示へ拡大する 通達(Notification 38/2558)を発行し、3 月 4 日より実施。さらにタイ税関は、事前教示制度について関税分類と関税評価のほか原産地関係の事前教示 にも拡大し、2015 年 3 月 4 日に遡って実施した。 ・2015 年 10 月 19 日、タイ財務省は、関税評価・関税分類・原産地に関する事前教示制度の申請手続きに対しサービス料を徴収する通達を公布(即日施 行)した。 ベア工 日機輸 日機輸 (7) 税関の奨励金分配 ・関税法違反と判断された場合、その罰金額の 30%が情報提供者へ、25%が税 ・奨励制度を廃止頂きたい。 ・関税法に係る規則 関担当者に奨励金として与えられる。税関担当者の和解提案に同意しない場合 ・タイ関税法第 102 条 3 項 制度の弊害 (奨励金分配) には、調査対象の拡大、様々な資料や情報の提供を要求される。企業側の対応 工数が大きいだけでなく、長期間案件が留まるため、金利等追徴課税金額の増 ・タイ関税法第 27 条、99 条 (有罪判決を受けた場合は 加原因にもなる。 CIF(+VAT や金利)の 4 倍 問題の長期化を避けるため和解を選択した場合、悪意があったことを認めること となり(さもないと奨励金を受領できないため)企業側にとっては金額以上のダメ の罰金) ージが出る。 ・タイの通関で調査期間を不必要に延ばすことで延滞金利を多く徴収された。(報 ・報奨金分配制度の廃止。 奨金分配制度による悪影響がある。) (対応) ・タイ関税法第 102 条 3 項では、関税法違反の発見と違反者の逮捕を補助した情報提供者や税関職員に対して、政府から報奨金(情報提供者に対しては 罰金の 30%、関税局調査官に対しては罰金の 25%)を与える旨定めている。また、タイ関税法第 27 条及び第 99 条では、技術的・手続的なミスも刑事犯 罪とされ、有罪判決を受けた者は、4 倍の罰金若しくは 10 年以下の禁固又はその併科に処せられると規定されている。 (8) 関税分類の恣意的 ・2013 年 8 月より急遽、タイで太陽電池の輸入時に、関税 10%を課す話が出始 ・HS8541 の分類として、早期に輸入税の撤 め、未だにデポジット・リザーブ 10%を通関時に仮払い必要。太陽電池は 廃を決定してほしい。 適用 HS8541 分類(太陽光セル・モジュール)なのか、HS8501(発電機)分類なのか という件に関して、WCO でも殆どの国が従来通り HS8541 分類を支持している 中、タイにおける 10%の課税は合理的ではない。 (対応) ・2015 年 10 月 19 日、タイ財務省は、関税評価・関税分類・原産地に関する事前教示制度の申請手続きに対しサービス料を徴収する通達を公布(即日施 行)した。 日機輸 (9) 長期間を要する TISI 規格・承認要 件による輸入通関 困難 ・TISI 規格承認のため毎年各ミルの承認のための視察を行い承認が降りるまで ・輸入材がどうしても必要な状況では、スム ・TIS アナウンスメント は輸入はできない。承認できたとしてもタイ国第 3 者機関でのラボ試験結果を待 ーズな輸入通関ができるように改善してほ TISI-RPC-01(04) つ必要があり。ラボ結果がでるまで輸入通関が滞る可能性がつきまとっており、 しい。 輸入材での緊急立ち上げの場合、新規ミルへの切り替えの場合など対応が難し い状況。 (10) 中古設備輸入手続 ・タイ国内で手配出来ない設備において、中古設備の輸入手続きが煩雑である。 ・タイ国内で手配出来ない設備の場合、輸 ・投資奨励法第 28 条または の煩雑 入手続きの簡素化。 第 29 条 自動部品 ・諸外国からタイへ中古設備を輸入し生産してきたが、2015 年 1 月施行の新制度 ・これまで通り 10 年以内の設備を輸入する では、5 年を経過した設備はタイで再利用することができなくなる。 際は恩典が受けられるよう改めてほしい。 日機輸 (対応) ・タイでは、中古車は国内産業保護育成と環境汚染抑制の観点から輸入許可品目とされ、中古車であっても車両重量 3,500kg 以下の場合は規格基準へ の適合が求められ、関税並びに厳しい輸入条件が課せられる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 タイにおける問題点と要望 9/20 意見元 No 問題点 日商 (11) KD 輸出における ・タイ現地法人がアセアンに対して行う KD 輸出で、タイ輸出通関にて KD セットと ・タイ商務省に KD セット通関を認めて頂く。 ・輸出入管理法 原産地証明取得手 しての通関ができないため、ASEAN 特典を取得するのに KD 部品 1 点 1 点に 続の煩雑 ついて、原産地証明を取得せねばならず、事務作業が膨大になっていると同時 に現調規定の適用にならない部品がでてきている。セットでの通関ができれば、 すべてが無税となる。 (対応) ・日タイ経済連携協定(JTEPA)でも、タイの工業省鉱業経済局及び税関は、輸出用 KD キット向けに輸入する自動車部品は JTEPA 対象外であるとの見 解を示しており、日系企業との間で問題が生じている。(2013 年 7 月 25 日付ジェトロデイリー通商弘報) (12) アンチダンピング措 ・国内鉄鋼メーカーの擁護のために反ダンピング税、セーフガード税の乱発により ・新税率変更に対しては事前に消費者に対 ・反ダンピング税(発令時期) 置の濫用 顧客の採算面に影響。一方、品質面など国内鉄鋼メーカーでは対応できない、 話機会を提供、また妥当な説明をして頂き −H 形鋼 08 年 10 月 もしくは歩留まり悪い製品があり。 たい。 −冷延鋼板 14 年 2 月 関税障壁が国内鉄鋼メーカーの品質向上に繋がっているとは思われない。 ・国内鉄鋼メーカーの品質向上に影響を与 −ステンレス鋼板 13 年 2 えてほしい。 月 ・2003 年 3 月 10 日、ステンレス冷延鋼板への AD 税賦課(日本、韓国、台湾、全 ・措置の廃止。 −熱延鋼板 12 年 12 月な EU)。 ど ・2003 年 5 月 27 日、熱延鋼板への AD 税賦課(日本、韓国、台湾など 14 カ国)。 ・セーフガード税 除外品目は輸出用、TF 鋼、TMBP などで、リロール用に関しては、年度毎に輸 −熱延合金鋼板 13 年 9 月 入枠を設定。 など ・2004 年 3 月 19 日、上記熱延鋼板 AD 課税の一時的適用除外(半年間)。 ・2004 年 9 月 20 日、上記熱延鋼板 AD の除外期間終了、課税再開。 ・2008 年 3 月 13 日、ステンレス冷延鋼板サンセットレビュー開始。 ・2008 年 5 月 27 日、熱延鋼板 AD のサンセットレビュー開始。 ・2009 年 5 月 26 日、上記サンセットレビューの結果、措置継続を決定、併せて自 動車用リロール鋼板等を除外。 ・2010 年 6 月 30 日、熱延鋼板 AD 事情変更見直し最終裁定。AD 措置継続中。 (対応) ・BOI は、国内鉄鋼産業保護を目的として、2002 年 1 月末から 6 ヶ月間輸入課徴金(CIF 価格の 25%)を課した。 ・2002 年 2 月、SSI など国内鉄鋼メーカ 5 社が 14 ヵ国・地域からの熱延鋼板輸入に対して AD 提訴した。2002 年 7 月 29 日に、AD 調査委員会は、調 査開始と同時に CIF 価格の 30%の保証金の徴収を開始した。2002 年 11 月、AD 暫定税を課す仮決定がなされた。 ・2003 年 5 月 16 日、熱延鋼板輸入に対し、5.98∼136.50%(日本製品に対しては 36.25%)の AD 税を付加する最終決定をした。その課税対象に、タイ 国内に供給能力のない(従って産業被害のない)冷延用熱延鋼板が含まれていたが、日本鉄鋼連盟や磐谷日本人商工会議所(JTC)などの反対要請も あって、冷延用熱延鋼板を課税対象から外すことで、関係者間で合意をみた。 ・2008 年 5 月 27 日、熱延鋼板に関し、サンセットレビューが開始された。 (改善) ・2003 年 5 月から 5 年間、日本製熱延鋼板に対して AD 税が賦課されているが、日本企業 A 社の異議申し立てに対して商務省ダンピング調査委員会は 同社の AD 税率 36,25%を 3,22%に引き下げる決定を行った。 ・2005 年 9 月、2006 年 9 月の年次レビュー調査実施により、熱延鋼板のダンピング・マージンが引き下げられた。 (13) セーフガード措置 ・2012 年 11 月 27 日、合金鋼熱延鋼板への SG 調査開始。 ・除外品目追加手続の簡素化・明確化。 ・商業省外国貿易局公告 の濫用 対象鋼材が不明確(流通・加工業者経由の自動車用途、再輸出材などの記載な し)。冷延加工用・焼入れ用・自動車用の鋼材は SG 調査の除外対象となる見込 みであるが、日本からの輸入は急増しておらず、特定国からの輸入を対象とした 日機輸 日鉄連 日鉄連 問題点内容 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 タイにおける問題点と要望 10/20 要望 準拠法 措置をとるのであれば、セーフガード調査ではなく、アンチ・ダンピング調査を実 施すべき。 2013 年 2 月 27 日、暫定措置の官報告示。33.11%の暫定税率が賦課。 2013 年 9 月 12 日、最終決定の官報が告示され、暫定措置発動日から 3 年間 にわたり、以下の SG 関税が賦課される。 1 年目:(2013 年 9 月 15 日∼2014 年 2 月 26 日:44.20%) 2 年目:(2014 年 2 月 27 日∼2015 年 2 月 26 日:43.57%) 3 年目:(2015 年 2 月 27 日∼2016 年 2 月 26 日:42.95%) 尚、冷延鋼板・焼き入れ加工、自動車産業用途、その他官報の付属書に記載さ れた鋼材規格は適用除外。 (対応) ・2013 年 12 月 27 日、タイ外国貿易局、日タイ経済連携協定に基づく 2014 年の鉄鋼輸入割当を公表。 ・2014 年 3 月 4 日、タイ商務省は通達を発し、現在セーフガード措置の対象となっている一部グレードの熱延鋼製品に追加優遇措置を実施(3 月 5 日発効) 【参考】2014 年 3 月 4 日付け通達【タイ語】(http://www.ratchakitcha.soc.go.th/DATA/PDF/2557/E/041/17.PDF) ・2014 年 5 月 30 日、タイ商務省、現在セーフガード措置の対象となっている一部グレードの熱延鋼製品及び一部輸入者に追加優遇措置を実施(2014 年 5 月 31 日発効) 【参考】2014 年 5 月 30 日付け通達【タイ語】(http://www.ratchakitcha.soc.go.th/DATA/PDF/2557/E/091/45.PDF) ・2015 年 10 月 29 日、タイ商務省外国貿易局は、日タイ経済連携協定(JTEPA)に基づく 2015 年の第 3 回鉄鋼輸入割当(鉄鋼関連産業に属する自動 車・電気・亜鉛めっき鋼産業対象分の鉄鋼輸入割当残量)を公表。 ・2016 年 12 月 16 日、タイ商務省、現在セーフガード措置の対象となっている一部グレードの熱延鋼製品及び当該製品の一部輸入者(特定用途に限る) を適用除外に追加(2015 年 12 月 17 日発効)。 ・2016 年 2 月 3 日、タイ外国貿易局、一部構造用合金鋼のH形鋼梁(HS 7228.70.10000、7228.70.90000)に対するセーフガード調査を開始。 ・2016 年 2 月 3 日、タイ商務省外国貿易局、日タイ経済連携協定(JTEPA)に基づく 2016 年の鉄鋼輸入割当を公表。 JBMIA JEITA 日機輸 日商 日機輸 日商 日機輸 (14) 通関規則変更に関 ・輸入通関時にライセンス取得が新たに必要になった際のアナウンスが不明瞭 ・関連法規の変更は、予め定めた方法(Web する公表の不明確 で、分かりにくいため、適時、適切に申請する事が難しい(通関業者ですら知ら サイト、掲示板など)にて通知してもらいた ない事がある)。にもかかわらず、税関は不備を指摘しペナルティを課してくる。 い。 ・通関業者などへは直接アナウンスをするな ど、関係者への周知徹底がなされるよう便 宜を図ってもらいたい。 (15) 製品登録手続きの ・医療機器輸入・販売における製品登録手続きが煩雑である。 ・製品登録更新手続きの廃止。すなわち、 ・the Thai Customs Act 煩雑 日本等の様に一度登録したら更新不要に B.E. 2469 and the Tax Compensation on してほしい。 Exports Act B.E. 2524 (対応) ・2014 年 3 月 24 日、タイ関税局は、通関手続きを円滑化するための新たな登録システムを導入した。 (16) 国産品と輸入品と ・物品税は、国産品は出荷時、輸入品は輸入時に課されるが、国産メーカーは製 ・輸入品についても、物品税の課税タイミン の物品税課税差別 造会社と販社を分社して、製造会社からの販売価格を下げることにより、物品税 グを国産メーカーと統一して頂きたい(例 の減額することができるため、実質的な輸入関税障壁として働いている。 えば、製造会社の出荷時など)。 (17) 現地在庫機の再輸 ・①該当機の現地在庫機に関して、再販時の輸出許可取得に時間がかかる。 ・日本以外の国でも同程度の精度の機械を 出・移設規制手続 ②2014 年 4 月より、該当機の現地向け在庫に移設検知装置が取り付け必要と 製造できるため、規制緩和か手続きの簡 の煩雑 なり、コスト、運営上問題がとなった。 略して頂きたい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 タイにおける問題点と要望 11/20 意見元 No 問題点 11利益回収 日機輸 12為替管理 JEITA 日商 (1) 外貨送金手続の煩 ・輸入時の申告書と共に外貨送金を銀行に依頼するため、送金手配が煩雑化。 雑 (1) 外貨取引の実務運 ・以前は出来なかったタイ国内企業間での外貨による取引が認められる発表が政 ・外貨取引におけるルールの明確化。 用ルールの不明確 府から通達されたが、詳細が議論されておらず、グレーな部分が多い状況。外 貨支払いを望む得意先は多いが、認識が区々であるため、実務運用のルール を明確にして欲しい。関係機関に問い合わせしても口頭での回答に留まり、文書 やメール等、後に残る形での見解を出してもらえない。日系金融機関の方から伺 った日系金融機関の取引先での外貨決裁は 1%未満。 区分 JEITA 日機輸 日商 日商 JMAA 13金融 JEITA 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 (2) 外貨規制緩和措置 ・2010 年に入り外貨規制緩和が発表され、基本的には改善の方向で動いている ・国内外貨決済につき、中銀と税務当局が ・財務省省令 と税務行政との不 が、中銀による規制緩和と税務面での整合性がとれていないので、実質的にワ 調整を行い、課税リスクを排除してほしい。 整合 ークしていない。 ・付帯条件のうちオペレーション上支障となり うる細則について、さらなる改善を求める。 為替管理: −外貨講座の原資別口座管理規則の撤廃 −国内外貨決済における下記条件の撤廃 ①輸出で得た外貨のある企業のみが以下 支払可 ②実需確認資料の銀行への提出 ③歳入丁からの外資インボイス発行許可 の取得 ・2010 年 10 月にタイ中銀による規制緩和がなされ、歳入庁による税務細則の指 ・関係機関内での職員の教育。 針が出されるも、関係機関内で周知徹底がなされていないことからオフィサーに より対応がまちまちで税務リスクを引き続き認識せざるを得ない。 (3) タイ国内外貨建取 ・タイ中央銀行(BOT)はタイ国内の外貨建取引を認めているが、実用面に問題 ・BOT と歳入局で協力して実務で運用し易 ・外為法 引の運用困難 があり、実際は運用が困難。問題点は付加価値税(VAT)の換算レートの取り扱 い環境を作ってほしい。 ・付加価値税法 い。TAX INVOICE に記載する外貨 VAT の換算レートは取引当日の実勢レー トとされているが、膨大な数の TAX INVOICE を日別にレート換算することは実 務上不可能。 (4) 急激な為替変動 ・円建てでの直貿で、海外販売店は為替差益を得ているが、値上げの交渉は困 ・為替の安定、変動幅が 6 ヶ月で数%以内。 難。現地通貨建てでの海外子会社との親子間取引で、現在円安効果で特別価 格にて販売が可能だが、利薄の取引が多く、将来取引が続いて円高に振れた時 にたやすく損失が出てしまうほどの変動幅。 (1) 短期借入金比率規 ・財務管理を行う現地法人に対しては、短期借入金÷資本金の比率が 7 以下にな ・規制撤廃により、財務管理を行う現地法人 制 るよう gearing ratio が定められている。事業が拡大し資金需要が高まると、現地 が、その資本金に関わらず、機動的に社 法人の資本金を増やす必要が生じ、資金の固定化に繋がり、企業経営の資金 内外より資金を調達し、タイ国内のグルー 効率を損ねる。 プ企業に運転資金を提供することが可能 になることを要望する。 ・規制撤廃が難しい場合は、財務管理を行 う現地法人単独ではなく、タイ国内のグル ープ企業連結ベースでの適用を行う等、 実際的な運用を要望する。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 タイにおける問題点と要望 12/20 区分 意見元 No 問題点 14税制 日鉄連 (1) 法人税務調査・更 ・タイ投資委員会(BOI)認定企業(=非課税)の通関業務をコイルセンターが代行 ・追徴課税中止。 正の恣意性 するケースで追徴課税が発生した(法解釈の恣意性)。 (2) 技術支援料支払い ・技術支援料に関して日本との課税解釈が違う。タイの会社から技術支援料を日 ・租税協定を結ぶ 2 国間のルール統一。 における日タイ二 本向けに支払う場合、タイでの源泉徴収に加え、日本国内でも課税され二重課 重課税 税となっている。 日製紙 問題点内容 要望 準拠法 日商 (3) 移転価格税制の国 ・特に移転価格税制においては、各国間のルールがまちまちで、見解が分かれる ・世界標準の移転価格税制(ガイドラインな 際的不整合による こともあり、当社グループとして二重課税リスクを抱えている。 ど)の法整備。 二重課税リスク ・事前確認制度の充実。 JEITA 日機輸 日機輸 (4) 税法解釈の曖昧・ ・税務当局者の税法解釈の相違や未熟さで、正規の税法が運用されないケース 不統一 がある。 ・税法が曖昧であり、担当官の解釈により過年度の税務申告額の修正を求められ ・より詳細な税法制定と、担当官に左右され る場合がある。 ない均質な運用を求める。 日製紙 (5) 法人税率の改定 ・法人税が 20%に引き下げられている。 −2011 年度まで 30% −2012 年度 23% −2013 年度から 20% (対応) ・タイは 2013 年 1 月に法人税率の 20%への引下げを実施。我が国の軽課税国判定基準(トリガー税率 20%以下)が現状の水準のままではタイが日本の 外国子会社合算税制(いわゆるタックス・ヘイブン対策税制)の適用対象となる可能性がある。 ・2015 年 10 月 14 日、タイ内閣、暫定措置で引き下げ中の法人税率を 20%で恒久化する財務省案を承認した。 日機輸 (6) 高額な延滞金利 (サーチャージ) 日商 (7) 源泉徴収税の返還 ・源泉徴収税(法人税)3%を納入しているが、過去 3 期分が税務当局より返還さ ・返還遅延の理由は申告時に明確に説明し 遅延理由の不明確 れていない。 てほしい。 JEITA (8) フリーゾーン経由 ・Free zone 経由の取引の VAT を 0%で行っているが、歳入局は弊社が Free ・VAT の運用が中央と地方の歳入局で見解 取引への VAT 課 Zone 企業でないため 7%と主張している。弊社は従来、地方の歳入局および、 が違い、また公式文書の発行の遅れで適 税の税関と歳入局 税関に確認を取り Fore zone 経由での取引を VAT0%で行っていた。Free 用される VAT 率が、Free Zone によって異 との間で意見の相 Zone 取引を行う際に、中央の歳入局から、Free zone 企業でない会社の VAT なるため、早急に運用を統一する。 違 は 7%を払うべきとの指摘を受けた。税関は、0%と主張しているが、公的に示す 文書がない。(歳入局も税関が公的文書を発行すれば 0%を認めるが、税関でま だ準備ができていない。)BKK Airport 内の Free Zone については、VAT0%で 取引できるという公式文書が、3 か月以内に発行される予定。それ以外のエリア の Free Zone においては、いつ発行されるか未定。エリアによって VAT の運用 が異なるのは、社内処理だけでなく、顧客との取引上で混乱を招く。 ・過年度修正の場合には、納税延滞金として 1.5%の金利(サーチャージ)が求め ・サーチャージについては、修正内容に応 ・タイ国税法 第 27 条滞納 られる。 じた利率設定を求める。 加算金 自動部品 (9) カーエアコンへの ・カーエアコンに対し奢侈税が掛けられている。顧客のカーメーカーにより支払い ・奢侈税の廃止またはルールの明瞭化。 奢侈税賦課 方法の違いがある等、ルールが不明瞭な為、過払いリスクがある。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 タイにおける問題点と要望 13/20 意見元 No 問題点 15価格規制 電線工 (1) VAF 電線が価格統 ・タイ国商務省国内局によって 43 品目が、価格管理商品に指定されており、電線・価格統制品から除外する。 ・商務省内国取引局 制品として指定 もその対象になっている。 価格統制・価格監視規制がもたらす市場 (Department of Internal その電線の中で、弊社で扱っている VAF(屋内用ビニルケーブル)が、指定品に の歪みを通じた低所得者への不利益の Trade:DIT)法第 16 条 中央委員会の事務局 されていることから、企業として適正利益を得ることができない商品となっている。 為。 また、電線の素材に銅を用いており、その銅の価格は国際相場によって変動す ※添付論文を参照 ることから、銅国際相場が上昇した際に、その価格変動分は、値上げが可能であ るものの、その値上げ申請の手続きが煩雑であり、承認までに時間が要すること から、値上げのタイミングに合わせられないという状況も発生している。 16雇用 日製紙 (1) 労働許可取得・更 ・労働許可の取得が、最大 80 日程度必要となっている。申請から許可を得るまで ・就労ビザの簡易発行、申請手続きの簡素 ・外国人職業規制法(Alien Occupation Law) 新の厳格・煩雑・遅 の間、不法労働リスクを負うことや銀行口座開設等ができないことから、駐在員に 化を希望する。 延 負担がかかる。 ・申請書類への全頁署名を廃止し、申請手 ・外国人事業法 労働許可取得までの暫定措置として、簡易届け出の制度があるが、滞在許可期 続きを簡素化して頂きたい。 日が 15 日間と短く、労働許可取得に必要な期間(最大 80 日程度)をカバーして いない。 また、労働許可手続き上、多くの申請書類への全頁サインが求められている等、 申請手続きの準備に手間がかかる。 ・家族同行の場合は、今後家族も移民局への出頭が必要になった。 区分 JBMIA JEITA 日機輸 日商 日製紙 ベア工 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 ・ビジネス目的のビザを取得しているにも関わらず、更に入国後に労働許可証を取 ・ビジネスビザ保有者は、労働許可証の取 得する必要があり 2 度手間となっている。また、労働許可証の取得に必要な書類と 得を不要とする。 して、日本で準備しなければならない書類があり、短期(15 日以内)の出張が長引・労働許可証に必要な書類の簡素化。 き労働許可証が必要となった場面で対応が出来ない。必要書類が多すぎる。 (対応) ・外国人がタイの就労ビザ取得手続は、通常、ノンイミグラントビザ・タイプ B(非移民査証 B)又はタイプ O(90 日間有効)を取得して入国し、現地で滞在延 長手続きを行う。なお、「日本国の自然人が日本国において就労に関する非移民査証 B を申請する場合には、同節の規定に基づく就労許可の申請に係 る証明は、通常必要とされない」(日タイ EPA 第 118 条) また入国後直ちに、ノンイミグラントビザとは別にワークパーミット(就労許可証)を取得する。また、査証の有効期間中に出入国を繰り返す場合、リエントリ ー・パミット(再入国許可:入国日から 1 年間有効)を別途取得する必要がある。 (改善) ・2007 年 11 月 1 日発効の日・タイ経済連携協定において、商用ビザ申請に際して、労働許可の雇用者代理申請を不要とするとともに、労働許可の雇用者 代理申請に際しても査証申請者数の提出を不要とすることとした。また、300 万バーツ以上の投資企業の企業内転勤者はすべての者が査証と労働許可 の申請に関するワンストップサービスセンターが利用できることになった。 ・2007 年 11 月 1 日発効の日・タイ EPA において、 1) 在外タイ大使館で商用査証(ノンイミグラントビザ:B ビザ)を取得→タイ入国の際、90 日間の滞在許可取得→滞在中に労働許可取得→1 年までのビ ザ・労働許可の延長可、という手続きを保障した。 2) 日本国の自然人が日本国において就労に関するノンイミグラントビザ:B ビザを申請する場合には、タイ労働省雇用局へのワークパミットの事前申請 (Form WP3)の申請受領確認(letter of consideration of Form WP3)を提出不要とした。 3) 15 日以内の短期商用滞在者は、労働局への届出手続きの簡素化(FAX による申請を容認、等)を検討して、1 年以内に結論を出す。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 タイにおける問題点と要望 14/20 準拠法 ・2010 年 1 月 4 日以降、滞在許可・労働許可申請窓口がバンコク所在のワンスタート・ワンストップ投資センター(OSOS)に一本化され、滞在許可・労働許 可の更新手続の利便性向上が図られている。 ・日タイ EPA の第 118 条「自然人の移動に関する要件および手続き」に日本での B ビザ取得の必要書類として、ワークパミットの事前申請(WP3)の申請受 領確認を求めないことが定められた。 日製紙 日製紙 日機輸 日機輸 日鉄連 日商 JPETA (2) 短期出張者の労働 ・タイでは日帰りの出張でも労働許可の取得が原則となっている。但し 15 日以内 ・短期間期間(30 日以内)、低頻度(年 4 回以 ・外国人職業規制法(Alien Occupation Law) 許可取得義務・手 であれば届け出により取得が免除されるが、「緊急性」「必要性」の高い業務に限 内)の出張に関しては届け出不要とする 定され、会議、市場調査等の名目での取得が困難。また、活動場所が限られる 等、緩和措置を講じてもらいたい。 続の煩雑・遅延 など制限が多く、使い勝手が悪い。ただし、届出手続きに関しては、E メールで の届出、スワンナプーム国際空港での届出が可能となり、煩雑さが緩和されてい る。 ・緊急労働許可(WP10)の届け出に関して、会議の参加での届出は不要になっ ・労働省、内務省移民局の見解について、 たが、申請は、相変わらず窓口での申請が義務付けられている。E メールでの サンプルケースを使いながら WP、Visa の 受付を開始するとのアナウンスがあったが、まだ実現されていない。また、届け 要否について明示してもらいたい。 出の受付け自体が官庁休日で不可とされる日がある。 30 日の短期出張者での BOI での労働許可証の申請、取得に時間がかかり、許 可証発行時には、申請者本人は既に帰国していることも多い。 (3) 外国人/現地人雇 ・日本人 1 人に対して、タイ人 4 人雇用必要。 ・外国人事業法 用比率規制 ・駐在員事務所の外国人の人数が制限されている。 ・制限緩和。 ・移民法 ・雇用局規則 14 ・就労 VISA 発給が現地従業員 4 名に対して外国人労働者 1 名しか与えられな ・外国人労働者雇用規制の大幅緩和。 い。また労働許可については外国人労働者 1 名に対して最低 200 万バーツの 払込済み資本金の登録を行う必要がある。但し、次の条件が満たされない限り、 労働許可を受領できる外国人労働者の数は 10 人までとなっている。 (a)雇用主が前年度に納めた収入税が最低 300 万バーツあること。 (b)雇用主が輸出業を営み、前年度に最低 3,000 万バーツ相当の外貨をタイに もたらしていること。 (c)雇用主が観光業を営んでおり、前年度に最低 5,000 人の外人観光客をタイ に呼び寄せていること。 (d)雇用主が最低 100 人のタイ人を雇用していること。 ・外国企業の現地法人の事業運営に際して、タイ国では外国人 1 名に対して現地 ・制度の緩和を希望する。 従業員 4 名の雇用義務がある。中小商社では、外国人従業員の増員が容易で ない。 (対応) ・タイでの外国人の労働は、1978 年の外国人労働許可法(Alien Work Permit of 1978)によって管理され、そして労働局(Department of Employment)による労働許可の発行を管理している。その部局は、外国人の資格審査などの労働許可の発行を考慮する際に、タイ国民によって満たす ことができる役職かどうか、企業で雇用されているタイ国民と外国人の比率といったタイの経済的なニーズを考慮する。 ・投資促進法(Investment Promotion Act)またはその他政府契約の形の下で雇用される外国人は、労働許可を得るのは、さほど難しくはない。投資促 進法の下で雇用される外国人は、促進証明書(Certificate of Promotion)によって管理される特定の期間の許可を発行される。さらに、外国人が政府ま たは企業と 30 日未満の期間のセミナーまたは会合に従事する場合、その外国人は外国人労働許可法遵守が免除となる。 ・2001 年外国人労働者の許可証発行手数料を 10 倍に引上げ 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 タイにおける問題点と要望 15/20 準拠法 ・2004 年 9 月 30 日、雇用省発表によると、 −外国人労働者許可(AWP)の申請から発行までの期間を 30 日以内に短縮することを目指す −外国人労働者の就労期間をすべての申請者に対し 1 年間に 1 本化する −外国人労働者の就業可能条件として、 1) タイ法に基づいて設立された企業に関し、資本金(200 万バーツにつき 1 外国人労働者許可)、 2) 外国人事業法(最低資本)に従って外国法に基づいて設立された企業に関し、資本金 500 万バーツにつき 1 外国人労働者許可)、 3) 外貨収入(300 万バーツにつき 1 外国人労働者許可 ・輸出管理局は、2006 年 10 月 1 日より入国ビザに関する規定を変更し、36 ヵ国(日本を含む)のパスポート保持者について、ビザ無し入国による滞在許可 日数の上限を半年間で合計 90 日間とすることとした。 日製紙 日製紙 JEITA 日機輸 日製紙 (改善) ・外国人は、BOI の投資奨励企業または IEAT 管轄の工業団地所有企業は、比較的容易に労働許可を取得できるが、そうでない場合、現在、外国人労働 者の申請 1 人に対し、4 人の現地労働者を雇用しなければならない。 ・労働許可手続の簡素化努力に関し、タイ政府は「ワンストップ・サービスセンター(One Stop Service Center)をビザ及び労働許可のために設立した。 3000 万バーツを超える資産を有する事業には、更新及びいくつかの実例では申請でさえも 1 営業日で手続きされ得る。逆に、登記資本金 200 万バーツ から 3000 万バーツの事業では、手続が 7 日かかることになろう。しかしながら労働許可の有効期間は依然としてビザの期間を上限とし、かつ 1 年を超えな い。 ・2007 年 11 月 1 日発効の日・タイ経済連携協定において、①協定発効後の 2 年以内に投資金額に応じた外国人の労働許可申請枠や人数上限につい て結論を出し、②協定発効後 3 年以内にタイ人雇用義務の緩和を検討して結論を出す。また、③タイ人の最低月収要件を 6 万バーツ/月から 5 万バーツ/ 月に緩和することとなった。 (4) 最低賃金の大幅引 ・2012 年 4 月からバンコク都および周辺県で最低賃金 300 バーツ/日、2013 年 1 ・最低賃金法の見直し(地区別最低賃金の ・タイ労働保護法 87 条 き上げ 月からタイ全土に適用し、人件費の高騰要因となっている。 設定など)。 ・2008 年労働者保護法(第 ・最低賃金の抑制がなされない。 ・国際競争力がなくなる(人件費アップのコン 3 号)により改定された 2008 年労働者保護法第 トロール)。 79 条(3)及び第 88 条 ・労働法 ・最低賃金法 (対応) ・2012 年 9 月 5 日、タイ中央賃金委員会は最低賃金(日額)を、全国一律 300 バーツにすると決定した。2013 年 1 月 1 日から適用され、2015 年までは 据え置かれる予定。バンコク、ナコンパトム、ノンタブリ、サムットプラカン、サムットサコン、パトゥムタニの首都圏とプーケット(南部)の 7 都県では 300 バーツ を超えているが、大半の県(70 県)では賃上げとなる。 ・全国一律 300 バーツの最低賃金(日額)は、2016 年 6 月まで維持される。 (5) 人材供給の慢性的 ・人事・経理・IT などの管理者層、即戦力のエンジニアなどが慢性的不足。加え ・国家をあげての人材育成取組み強化。 ・Order No.777/2551 of the Royal Thai Police てワーカークラスの確保も困難な状況になってきている。 不足 ・管理者層が慢性的に不足している。加えてワーカークラスの確保も困難な状況 ・国家をあげての人材育成取組み強化を望 dated Novemver 25, 2008. になってきている。タイ国内の失業率低下に伴い、優秀な従業員の採用が困 む。 ・外国人職業規制法 難、採用できても低定着となっている。 ・外国人の雇用に関するタイ人雇用義務の 法律の廃止。 ・外国人が従事することができない業務の 緩和。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 タイにおける問題点と要望 16/20 意見元 No 問題点 日機輸 (6) 従業員定着率の低 ・タイでのスタッフの定着率の低さは業界の問題(他業界に転職したりしている)か ・定着率維持の妙案あるいは他社事例があ さ もしれないが、現地生産上の課題である。 ればご教示頂きたい。 ・離職率が多く、人材確保できない。約 3 年の間で、現地採用者の増員計画であ ・大手企業などが、福利厚生と高い給料で ったが、結果は人員減となった。また営業、サービス、管理(経理、総務、事務) 人材確保しないようにしてほしい。 の各担当のスキルも低下。給与は大幅アップとなっている。 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 日機輸 (7) 電機業界における ・業務繁閑時の要員数調整の観点から、短期労働者の活用が必要であるが、 ・電機業界における外国人労働者の活用を ・投資奨励法第 25 条または 外国人労働者の活 BOI 指導により、外国人労働者の活用が電機業界において認められていない。 可能にして頂きたい。 第 26 条 用困難 日機輸 (8) 有期雇用の限定 ・季節性、臨時性ある仕事のみ有期雇用が認められている。 日商 (9) 労使交渉の難航 ・タイ国内全般で昇給・賞与の上昇率が高くなる傾向にあり、組合交渉が毎年難 ・健全な労働組合活動の育成をして欲し 航。要求値そのものに理屈が無いため減産であろうが関係無く要求値が出さ い。 れ、要求値を満足しないと残業拒否・集会等が発生し生産への影響を生じさせ る。日系企業の大半が頭を抱えている課題である。 17知的財産制度運 JEITA 日機輸 用 日機輸 日機輸 日機輸 JEITA 日機輸 ・柔軟な要員調整が保証される制度を確立 ・タイ労働者保護法 第 118 してほしい。 条 ・Labour Protection Act ・Labour Relations Act (1) 知財保護条約への ・知財保護条約(マドリッドプロトコル等)への加盟が進んでいない。 未加盟 (対応) ・2008 年、タイはパリ条約加盟。 ・2009 年 12 月、タイは PCT(国際特許協力条約)に加盟。 ・マドリッドプロトコル加盟は、すでに国会で承認されており、商標法改正待ち。 ・インラック政権下で商標法改正法案が国会に提出されたが、政治的混乱により廃案。 (2) 世界公知公用の未 ・タイでは、新規性の要件として、出願前に発明が国内の公知公用でないことだけ ・世界公知公用の採用はグローバルスタン ・タイ特許法 5 条、6 条 規定 が規定されている。そのため、タイ以外の国では公知である発明が、タイでは特 ダードになってきており、最近では中国で 許権が付与されるという問題点があった。 も世界公知公用が採用されている。世界 公知公用の採用を検討してほしい。 (3) 自発的な特許分割 ・審査官が複数の異なる発明があると判断した場合しか分割出願をすることができ ・出願人が自発的に分割出願できるようにし ・タイ特許法 26 条 ず、出願人は自発的な分割出願を行うことができない。 てほしい。また、拒絶査定時、特許査定時 出願不可 にも分割出願できるようにしてほしい。 (4) 出願公開時期に関 ・タイでは、出願公開時期の明確な規定がない。また、審査請求時期は出願公開 ・ほとんどの国で出願公開時期は出願日が ・タイ特許法 29 条 公報発行日から 5 年以内と規定されている。そのため、出願した後に審査請求 基準として規定されており、更に審査請求 する規定の不備 期限を容易に把握できない。 時期も出願日基準になっている。出願公 開時期を明確する規定の新設と、審査請 求時期を出願日基準にする改正を検討し てほしい。 (5) 模倣品の取締り不 ・ハードだけでなく映画・音楽・ゲームなどソフトウェアの模倣品が流通している。 ・販売現場、製造工場、水際での取締の強 足 化、厳罰化を望む。 ・ハードだけでなく映画・音楽・ゲームなどソ フトウェアの模倣品についても、販売現 場、製造工場、水際での取締の強化、厳 罰化を望む。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 JEITA 日機輸 No 問題点 問題点内容 タイにおける問題点と要望 17/20 要望 準拠法 ・模倣品への政府の対処が殆ど出来ていない。 (対応) ・偽ブランド品の輸出および輸入は禁止されている。 ・1999 年 TRIPS 遵守のために特許法制度が改正された。 ・2000 年 6 月、TRIPS 遵守のために商標法が改正された。 ・国際的な圧力に対応して、タイ商務省(MOC)は、積極的に市場から侵害品を排除するよう試みている。 ・2002 年 4 月、営業秘密法が制定された。 ・2003 年現在、タイ政府は、知的財産権法(特許法、著作権法、商標法、集積回路保護法、企業秘密法、植物品種保護法)を制定し、TRIPs、WIPO やベ ルヌ条約等、国際条約に加盟している。 ・2003 年 1 月、盤谷日本人商工会議所と JETRO バンコクセンターによる共同調査によると、商標権侵害 71.8%、意匠権侵害 60.4%でいわゆるデッドコピ ーによる侵害がほとんどであった。 ・2005 年 1 月 1 日、CD の生産を監理する the 2005 CD Production Act が施行された。同法により、CD 生産者は政府当局にその生産の詳細(機械所 有者、CD 生産に用いられる原材料の量を含む)を報告しなければならない。 ・知的財産省は知財登録処理時間を迅速化するため、2006 年に電子申請措置を導入することを目標としている。 ・2006 年 12 月 3 日、MOC は会計年度 2006-2010 年の知的財産省の戦略を公表した。運営戦略は以下を含む。 −The IP Law Reform Plan の作成 −IP 登録の電子システムの開発 −いくつかの国際条約、すなわちパリ条約、特許協力条約(PCT)、マドリッド議定書への加盟国となる必要なステップの作成 ・2007 年 1 月 25 日、保健省は、海外企業が特許を有するエイズや心臓疾患など 2 種類の治療薬を許諾なしに独自生産すると表明し、特許の強制実施権 を発動するとした。 ・米国 USTR の「2007 年スペシャル 301 条報告書」で、タイ政府が一定の特許権を持つ医薬品に対して、強制実施権の発動を決定したこと、海賊版・模倣 品対策が不十分である、等を理由として、タイへの警戒レベルが「監視国」から「優先監視国」へ引上げられた。「2008 年スペシャル 301 条報告書」でも、 依然として「優先監視国」に掲げられている。「2011 年スペシャル 301 条報告」においても引き続き「優先監視国」に据え置かれている。WIPO インターネ ット条約実施の法改正が立法化されていないことや、模倣品販売等の店舗の地主の責任や劇場での盗撮、税関職員の差し押さえ権限などの法律の未整 備などが理由。 ・国家知財権執行センター(NICE)は、知財侵害品調査取締 WG 等 6 つの WG を発足させ知財侵害取り締まり強化に向けた活動を進めつつある。 19工業規格、基準 日鉄連 安全認証 (1) 鉄鋼製品への強制 ・国内ミルの圧力により、規格制限。 ・制度の撤廃。 規格制限 1993 年 12 月、棒鋼規格厳守化(TIS 規格) ・手続き(含む 除外制度)の明確化・簡素 1998 年 5 月、形鋼 〃 ( 〃 ) 化。 1998 年 12 月、線材 〃 ( 〃 ) ・監査工程の軽減。 1999 年 1 月、熱延鋼板類〃 ( 〃 ) ・監査回数の頻度軽減。 2002 年 5 月、冷延鋼板類〃 ( 〃 ) 2008 年 9 月、熱延鋼板 TIS528(2548)が一部変更となり旧ライセンスは無効と なる。 2008 年 12 月、強制規格認証にあたり厳格な運用が開始 (2009 年 1 月 26 日に一度新規定が公示発効され、即撤廃された後に、新たな 製品検査規定が公示された) 2009 年 3 月 4 日、上記規定発効 TIS 規格への適合認証および認証維持審査が厳格化され、輸入ライセンスの取 得には、提出書類の増加、輸入毎のサンプルチェック、製造者監査もしくは輸入 ・TISI 規格 ・外貨管理局規則 ・税務細則 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 JBMIA JEITA 日機輸 日商 JEITA 日機輸 JEITA 日機輸 No 問題点 問題点内容 タイにおける問題点と要望 18/20 要望 準拠法 者監査が必要となり、鉄鋼メーカーと輸入者が受ける負担が増加している。 2010 年 3 月∼6 月、日本の高炉メーカー各社が製造者初回監査に基づく工場 監査を受審。過度な書類提出、非効率な検査に対応する負担が増大。 2011 年 6 月∼11 月、2 年目の継続監査を受審。監査工程の軽減措置は実施さ れないまま、高炉メーカーの負担が継続。 (対応) ・2011 年 6 月 28 日、タイ工業省工業規格局(TISI)は新たな工業規格適用規則を公布した(2011 年 6 月 17 日より施行)。同規則は、申請書及び証明書 (当該製品がタイ工業規格に適合していることを証明)について規定している。 (改善) ・2012 年 12 月、高炉メーカーが 3 回目の継続監査を受審。TISI 検査官から、優良製造者に対する監査の簡素化(頻度等)について、TISI 内部で検討さ れているとの発言あり。 ・2013 年 11 月、タイ標準検査局(TISI)がミル監査を 2∼3 年に 1 回の頻度とすることが検討中。 (2) 長期間を要する ・輸入品、タイ国内生産品に関わらず、タイ市場への AV 機器等の新製品導入に ・審査期間の短縮をお願いしたい。 TISI 規格認証取 先立ち、タイ工業標準局(TISI:Thai Industrial Standards Institute)の規 得手続 格審査が必要であるが、申請から認可まで 2 ヶ月程度要している。 ・TISI(タイ工業規格)の認証取得における運用上の問題により、モデル毎の申請 ・認証手続きの簡素化。 要、工場審査の手間、書類審査の所要時間が長い等で製品の生産、出荷に支 障を来たすこともある。 (対応) ・2007 年 11 月、相互承認の章を含む日タイ経済連携協定が締結された。 ・2009 年 1 月 26 日、タイ工業標準局は、タイ工業規格(TISI)に関する新規定 TISI-R-PC-01(03)を発令して、工場監査、発注書通知、出荷毎の申請・ 審査の手続を変更し、規格審査の厳格化を行った。 ・2009 年に入って、TISI 規定の運用厳格化に伴って、新規ライセンス申請が長期滞留している問題に対して、バンコク日本商工会議所(JCC)の会頭及 び金属部会長は、2009 年 4 月 27 日、チャンチャイ工業相に対し、(1)認証申請の承認遅延への早急な対処、(2)新ルールの運用開始の延期、(3)規格認 証の運用の合理的変更の共同検討、を要望し、同工業相から、(1)承認遅延は 43 日以内に解決するよう省内に指示した、(2)規格認証の運用基準の共同 起案を歓迎する旨の回答を得た。(H21 年 5 月 22 日付け通商弘報) (3) 工業規格取得の工 ・タイ工業規格(TIS)の係官の工場審査が義務付けられ、販売金額が少ない海 ・認証手続きの簡素化。 場審査の煩雑 外からの輸入品に対しても必要とされる。費用対効果から一部商品は輸入を中 止せざるを得ない。 22環境問題・廃棄 JEITA 日機輸 物処理問題 (1) 環境保護の不十分 ・ゴミの分別等、民間レベルでの環境保護の制度・意識は低い。 23諸制度・慣行・非 JBMIA 能率な行政手続 JEITA 日機輸 日商 日機輸 (1) 官公庁提出書類へ ・各種申請書類が各ページとも、1 枚ずつ直筆のサインが必要となっており、又、 ・書類の電子化や会社印等による簡素化を 書類も膨大なページ数となり、費用・労力の他、紙資源も無駄となっている。サイ お願いしたい。 のサイン要求 ン権者は、膨大な量のサインにより、時間の浪費を強いられる。 (2) 工場ライセンス発 給の遅延 ・工場ライセンス(RorNgor4)※の発行につき、プロセスが不透明且つ非常に時間 ・同ライセンス取得までの日程短縮、及びプ を要している事で、事業収支に影響を与える恐れ有り。 ロセスの明確化をお願いしたい。 ※太陽光発電プラント建設にはこのライセンスが必要。申請から取得迄の時間 が読めないため、プロジェクトの進捗に多大な影響あり。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 日商 24法制度の未整 日機輸 備、突然の変更 ベア工 日機輸 26その他 日機輸 JEITA 日機輸 日機輸 日機輸 問題点内容 タイにおける問題点と要望 19/20 要望 準拠法 ・新規工場建設時に、工業省の工場操業許可がないと工事着工ができないが、 ・申請手続きから許可までの透明性のある 工業省がオフィシャルに発表している申請手続き(スケジュール)と実際の申請 手続き実施を望む。 手続きに大きな乖離があり、許可を得るために多くの労力と時間がかかっている。 (1) 新制度導入の不透 ・屋根置き案件向けの補助金の新制度が 2014 年 8 月発表、9 月申請受付が開 ・屋根置き案件で必要となる許認可及び取 ・Factory Operation License (RorNgor4) 始されるも、同屋根案件を組成するにあたり必要となる許認可のガイドラインが発 得必要時期につき明確にして欲しい。 明 ・Plant Construction 表されず、一方で、PPA(売電契約)上は 2015 年 1 月 31 日までに完工要と非常 License に期間が短く設定されていることから、業界が混乱、案件遅延を引き起こしてい ・Controlled Energy る。(思うようにライセンスが取れず 1 月末に間に合いそうにない、など) Production Permit ・Energy Operation License (2) 外国人事業法の適 ・かかった費用の実費を第 3 者に費用請求する場合(いわゆる付替)、厳密には ・適法、違法の線引きを明確にする(明文化 ・外国人事業法 法・違法判断のル 認可事業以外の物品を販売した形になる為、外国人事業法に抵触する(例え する)。 ール不明確 ば、金型費の請求や、選別の為に費やした派遣社員の人件費等)。実費を証明 出来れば抵触しない等のルールも明文化されておらず、ビジネスとして当然発 生しうるケースに対して違法性がつきまとうという状況になっている。 (1) 治水対策の不足 ・2011 年の大洪水による取引先の被災により、操業の一時停止を余儀なくされ た。 また洪水関連の情報が輻輳し、実態把握が難しかった。 2013 年には、別のバーンパコン川流域での洪水でも同様の事象が発生。 ・抜本的及び恒久的な治水対策の早期実 施。 ・洪水関連情報の的確かつ多言 語による 提供。 ・発生後の迅速かつ広範囲での情報提供 及び排水等対策実施。 ・2011 年 10 月に発生した未曾有の大洪水に対し、政府の事前のリスク対策が不 ・被災企業への適切な支援策及び今後の 十分だったため、直接間接に甚大な被害を受けた。 抜本的治水対策の策定、実施。 ・タイ政府の治水対策は一応進んでいるよう だが、マネージメントも含めちゃんと機能す るのか不安もあり、今後も継続的な対策強 化を強く要望したい。 ・2011 年タイ大洪水が発生し、工場が被災。今後の洪水リスクは残っている。 バ ・直接的な洪水被害対策だけでなく、インフ ンコク近郊の工場団地自身は堤防で守られるよう改善された。しかし、労働力確 ラ停止リスク、交通マヒリスクを含めた事業 保、物流のための幹線道路については改善されていない。また労働者の自宅の 継続のための分析と対応。 水害リスクも減っていない。 ・より一層の情報開示と、特に外国企業へ の積極的発信。 ・水害対策のための運河建設を行ってほし い。 (2) 自然大災害保険料 ・2011 年の洪水により保険料の高騰。任意保険へ加入のためには政府公認の自 ・CIP 発動の柔軟対応、カバー率の見直 の高騰 然大災害保険(CIP)への加入が義務付けられているが、カバー率(現行 し、治水工事・対策進捗に伴うリスク低減に 30%)、高額な料率(1.25%)、発動条件の緩和(被害総額 50 億 Baht 以上)な 応じた保険料率の引き下げ。 ど、コスト・事業継続の観点から改善を希望する。CIP 加入義務対象外となるた めには民間保険会社が CIP と比較し 20%以上割安な保険を提供出来る場合の みで、選択肢がまだ限られている。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 タイにおける問題点と要望 20/20 意見元 No 問題点 JEITA 日機輸 (3) 不安定な政治情勢 ・特に 2006 年以降、政府(体制)側と反政府(反体制)側の対立が表面化、激化 ・政治の安定。 し、主要施設、道路の占拠、封鎖やデモ、クーデターなどがしばしば行われてお り、生活上の安全、事業活動への支障も生じている。 このような不安定な状態が続いていることで、投資先、生産拠点として、タイの国 際社会での地位も著しく低下している。 ・数年置きに政変が発生しており、国内経済の混乱を招くと同時に、社内対応に ・政治の安定を望む。 苦慮する。 ・国家をあげて教育に対する取組み強化を 望む。 日製紙 問題点内容 要望 準拠法 (対応) ・2009 年 4 月、バタヤで開催した東アジア首脳会議がタクシン派、市民団体の妨害で中止され、また首都バンコクも騒乱状態となり、非常事態宣言が発令 された。 ・2010 年 4 月 7 日、アシビット首相は、タクシン支援市民団体(UDD)デモ隊の国会議事堂乱入や過激派デモと治安部隊との衝突で首都バンコク全域と 周辺 5 県に非常事態を宣言した。バンコク中心部での騒乱状態は、5 月 19 日に治安部隊によるデモ隊の強制排除とデモ隊による市内商業施設への放 火、略奪へと発展し、多数の死傷者を出して鎮静化した。 ・タイのバンコクでの騒乱で、日系の小売・外食産業で営業中止に追い込まれる店舗が増え、メーカーでもバンコクの販売会社や営業事務所の一時休業す る企業が出ている。しかし、対内直接投資の申請額は、2010 年 1∼6 月前年同期比 97%、申請件数 33%増と好調であり、申請額 983 億バーツの約 40%を日本が占めた。自動車、電機、再生エネルギー分野への投資が目立った。NESDB 発表によると、実質 GDP 成長率も 2010 年第 1 四半期は前 年同期比 12.0%、第 2 四半期 9.1%と高い伸びを示した。なお、NESDB 事務局長は、デモの影響を第 2 四半期実質 GDP 成長率を 3 ポイント引き下 げたと見込んでいる。 ・2014 年 5 月 20 日、プラユット陸軍司令官は全国に戒厳令を発令。5 月 22 日、「国家平和秩序維持評議会(NCPO)」(議長:プラユット陸軍司令官)が全 統治権の掌握を宣言した。5 月 30 日、NCPO は、1 年強からなる民政復帰に向けた「ロードマップ」(7 月中に暫定憲法を公布、9 月に立法会議及び暫定 内閣、10 月に改革会議の立ち上げ、2015 年 7 月を目処として新憲法を公布、新憲法公布の 3 ヶ月後に議会選挙を実施して、2015 年中に民政復帰)を 発表した。8 月 25 日、プラユット氏は、プミポン国王の承認を受け、暫定首相に正式に就任し、9 月 1 日、新内閣を組閣した。 ・年末になると「○○バーツほしい」という主旨のたかりのような税務署役人がやって ・あからさまな賄賂要請根絶を働き掛けてほ 来る。 しい。 (対応) ・“Corruption Perceptions Index 2013”(Transparency International)によると、2013 年にタイはスコアを前年に比べて 2 ポイント落とし、ランクを 102 位へと 14 位後退した。 ・2014 年には、コンテナデポでのリフトオンチャージの徴収が始まり、輸出コストの ・輸出諸費用の現状維持。 増加になった。ターミナルチャージの大幅な値上げも 15 年 3 月まで延期されて いるが、予定されている。タイ輸出競争力の低下にも繋がる。 日商 (4) 腐敗 日機輸 (5) 港湾費用の増加 JMAA (6) 不払い・支払遅延 ・商習慣やモラルの違い、力関係により、回収遅延、回収困難の取引が発生。対策 ・力のない中小企業に情報面でのサポート として前受を条件としているが、足の早いビジネス(スマホ部品製造機器等)では や回収リスクの保障。 納期と価格が最優先で、回収ができたとしても、支払いの遅れは収益を圧迫して いる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会