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第18回 大分県 地域医療研究会 - 大分県地域医療研究会

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第18回 大分県 地域医療研究会 - 大分県地域医療研究会
第18回
大分県
地域医療研究会
OITA
COMMUNITY
MEDICINE
抄録集
日時
平成10年2月28日(土)
9:30­16:30
会場
大分県共同庁舎14階大会議室
主催
後援
大分県地域医療研究会
大分県福祉保健部
大分県医師会
大分県自治体病院開設者協議会
(社)大分県看護協会
ごあいさつ
大分県地域医療研究会代表
大分県立三重病院院長
坪山明寛
県下の各地で、住民の健康と福祉に真筆に取り組んでおられる皆
様、御健勝のことと拝察申し上げます。
さて自治医大卒業医師による手作りの地域医療研究会も18回の
数を重ねて参り、少しずつではありますが研究発表の場として存在
感を示しつつあることを嬉しく思っています。これも御参加の皆様
の支えがあればこそと感謝申し上げます。
今回は「これからの高齢者ケアー介護保険導入にむけて一」をテ
ーマに掲げ、広く研讃を深めたいと思っています。日本は世界に例
をみないスピードで長寿社会を築きましたが、この構造を支える社
会基盤の遅れが以前より取りざたされながら、バブル崩壊を始めと
した大嵐に翻弄される形で超長寿社会を迎え、制度的、経済的矛盾
はさらに複雑怪奇となってしまいました。
このような中、ひとつの解決ツールとして介護保険法がこの程成
立したわけです。支え合う社会を目指そうという理念には国民すべ
てが賛成していますが、事業主体、保険料、認定、サービス内容な
どがかかえる問題の根が深く、これからの運用が波静かでないこと
は、この法律のこれまでの産みの過程における苦しみが暗示してい
ると思われます。
しかし「三人寄れば文殊の知恵」と申します。人は困難に際し工
夫で解決できる存在です。今日の研究会においても、さまざまな工
夫の提案と討論がされることと期待しております。
最後になりましたが、医療ビッグバンのさなか、皆様方が仕事に
誇りを持たれ、歩まれる道の道標を見失うことなく御活躍されるこ
とを祈念し、またこの会の開催にご援助いただいた関係各位に深く
感謝申し上げご挨拶といたします。
日程、目次
9:30∼10:00総合司会:甲原芳範鶴見町国保丹賀診療所
1.開会式
開催者挨拶大分県地域医療研究会代表
大分県立三重病院院長坪山明寛
来賓祝辞大分県福祉保健部部長小野進一郎
大分県医師会会長吉川瞳
大分県看護協会会長阿南和代
2.一般演題発表
10:00∼11:15座長:手島正裕大分県立三重病院内科
1 . 大 骨 頚 部 骨 折 高 齢 患 者 の 早 期 退 院 を め ざ して ­ 1 一
畑野京子東国東広域国保総合病院
2.寝たきり患者看護における腰痛予防策­4­
∼腰椎ベルト着用を試みて∼
片桐光代佐賀関国民健康保険病院
3.障害を持ったまま退院する患者のスムーズな退院への援助
∼入院が長期化している事例の分析結果を生かして∼­8­
羽田野陽子大分県立病院
4.梼創の評価にリスクアセスメント表を使用しての効果-13一
木田聖子東国東広域国保総合病院
5 . 保 健 ・ 医 療 ・ 福 祉 の 連 携 ­ 1 6 ­
∼インフルエンザワクチンの耶馬渓町における取り組み∼
飯尾文昭耶馬渓町国保山移診療所
6.老人保健施設のもう一つの役割(終末期は看取れるか)-20­
鳴海栄子老人保健施設陽光苑
3.テーマ演題発表
11:15∼12:30座長:飯尾文昭耶馬渓町国保山移診療所
7.過疎地における在宅生活支援の一考察­23­
∼清川村在宅介護支援センター開設8ヶ月を振り返って∼
慶田由美清川村在宅介護支援センター
8.事例から在宅支援体制のあり方を学ぶ­26­
­在宅支援における保健婦の担う役割を探る­
高畑郁代佐伯市役所保健福祉推進室
9.当院における在宅ケアサポートシステムヘの取り組み­33­
赤嶺清子医療法人帰巌会岡本病院
1 0 . 訪 問 看 護 に お ける 痴 呆 老 人 の 対 応 - 3 6 ­
中谷公子大分赤十字訪問看護ステーション
11.当院における在宅医療の現状と、介護力の検討­40­
米野寿昭佐賀関町国民健康保険病院
12.平成9年度高齢者サービス体制整備支援事業­43­
(モデル事業)を実施して
仲西きよ子大分市保健所
1 3 . 介 護 保 険 導 入 に 向 け た デ イケ ア の 見 直 し ! ­ 4 7 ­
∼介護保険制度は利用者の経済的負担を軽減するのか?∼
神野映子老人保健施設陽光苑
4 . 特 別 講 演 1 3 : 3 0 ∼ 1 4 : 3 0
演題「介護保険制度とその影響」
講師:大分県高齢者福祉課小森雅一参事
司会:大分県立三重病院院長坪山明寛先生
5 . シ ン ポ ジ ウ ム 1 4 : 4 5 ∼ 1 6 : 1 5
テーマ「介護保険導入にむけて­各施設の立場から一」
司 会 : 大 分 県 健 康 対 策 課 内 田 勝 彦
シンポジスト:大分県医師会常任理事嶋田丞
佐 伯 保 健 所 所 長 藤 内 修 二
老人保健施設陽光苑施設長輪田順一
介護支援センターこがソーシャルワーカー
佐藤博文
デイサービスなごみ塾施設長橋本祐輔
姫島村訪問看護ステーション看護婦
高 橋 恵
6.総括、閉会式16:15∼16:30
県立三重病院院長挨拶坪山明寛
7 . 懇 親 会 ( ト キハ 会 館 6 F さ く ら の 間 ) 1 7 : 3 0 -
第18回大分県地域医療研究会日程表
時刻
■
酉
弓
定
90
:(
受付開始
93
:〔
開会式
10:00
演題発表
一般演題
テーマ演髭
12
3
:0
昼休み
133
:0
特別講演
演題「介護保険制度とその影響己
講師:小森雅一参事
14
3
:0
144
:5
休憩
シンポジウム
テーマ「介護保険導入にむけて
­各施設の立場から一」
司会:内田勝彦先生
16
1
:5
総括、閉会式
173
:0
懇親会
演
題
発
表
大
骨頚部骨折高齢患者の早期退院をめざして
東国東広域国保総合病院
腐石由
由美美 木 戸 弘 子
藤本幸代
○畑野京子
坂本理恵
Iはじめに
整形外科病棟が一単位となって1年余りが経過
は家族と本人から時間をかけて可能な限り、詳し
した。手術病棟の島、平成8年度は316件の手
く唾取した。OP後のADLについては、受け持
術が行われた。その中で、人院期間の長い大
ちNsが中心となり、主治医や調練士の指導を仰
骨
頚部骨折について検討した。患者数は56名で、
ぎ10日間、3週間後、1カ月後に行った。
平均年齢は78.7才、平均在院日数は83.7
リハビリ連絡級の満棟記録は受け持ちNsやそ
日だった。入院期間の長かった原因として老人は
の日の担当Nsが書き、病棟メッセンジャーが毎
他の疾患も有していることが多く、ADLの拡大
朝、調練室へ持って行き、夕方取りに行った。調
が遅いことと、退院指導の取り組みが遅かったこ
練室でのリハビリ状況については翌朝のカンファ
とが考えられた。
レンスでスタッフ全員に伝えた。又、病棟ででき
そこで私達は、ADLを早期に入院前の生活レ
るリハビリについても、指導を仰ぎながら行った
ベルに戻し、入院期間を短くして元の住居に帰す
退院指導パンフレットは浜の町病院整形病棟の
ことを目的に、ADL評価表や退院指導パンフレ
ものを参考に作成した。入院取り扱いNsが入院
ットの作成などの取り組みを開始した。取り組み
時に患者と家族へ渡し、受け持ちNsが槻会をみ
を開始してから半年を経過した今日、平均在院日
て繰り返し税明した。早期より必要に応じて、ソ
ーシャルワーカーや調練士の介入を要諭した。
数が約30日近く短くなった。
Ⅱ研究目的
(表1)
《しべ駆分1
ADLを入院前の生活レベルに戻し、入院期間
を短くして、入院前の住居に帰す。
■作内ロ
唾1
直gq
■■
、研究方法
低 N
■■
宣争■■
P行O四
姉使、
1期間平成9年7月1日∼12月31日
車畷●■
短 ■
2対象大鹿骨頚部骨折の手術対象者17名
(平均年齢80.
●エカ
6才
…
電
今= す《1
男 3 名 女 1 4 名 )
3方法○ADL評優表の作成(表1.
唾 ■
宜匡■q
■
q
2)
○リハビリ連絡長の利用
食■⑤■側
①回昼逐卓。■ぺ8
α、ア、 画
⑧■全
のbん&侍も食べ8
の●■
使う
G員う
車各韓う
○退院指導ハンフレットの作成(表3)
■
■
亭鉛■倉て0 ト●■
ADL評価表は入院前の生活レペルとOP後の
■回に直る
ADLを把握する為に、海老名総合病院のADL
ズごン、パ;
調査表を参考にして作った。入院前の生活レペル
律g■
式
唖 氏
PG下げる
①テヮ里冬竃ら
争吟古
唾Gふ《
①本告鹿す
便回から立
上がq
ズ軍ン.パンフG上げ0
­ 1 ­
C
》
函
ApLの検■
■画
a
?重=雪
D月色
Ⅳ 給 果
(表2)
ADL評価表を活用したところ、入院前の生活
ADLO検
● 体 内 8
心
■80
・写=色
レペルが以前より詳しくわかり、それに鷹づいて
0分月1
■■函●I
■■へ&
OP後の術導が出来るようになった。OP後につ
唾。込心I
●
■
陣a0n
いては段階を、おって評偶することにより、リハ
p
a体各侭
、型
醸
1
ビリの進み具合がわかった。又、今までリハビリ
、洞
噸各昼み体 か吋
■0,黛寸
は調練士にまかせきりの事が多く、その為、病棟
pし●ワー使■
体令使(
では臥床している時間が長くなかなか動こうとし
唾
9
8
なかった。しかし連絡根を活用する橡になってか
皿 : 本 人
認:謡
­
匡働1
­
らは、調練室での患者の状況が以前より早く、よ
­
立侭合■して《、6J
く把握でき病棟でできるリハビリも早期に開始で
…昼■力して《h8J
き統一した擾助ができた。術後4∼5日以降臥床
­
している姿をみることは少なくなった。
人■程よりaじ6頁ロ
退院指導については以前は退院が決まってから
aQ・ニヶーレ●ンの■谷■・1
■■…■$置・
へ必パー《■鉱ロ》
指導が行われていた為、退院決定から退院までに
額■■《■尽日》
時間を要していた。しかし今では入院より繰り返
■麺官g 8■・1
し退院指導を行っていることや、ソーシャルワー
カーや調練士の介入も早い為、退院に手間取るこ
とが少なくなった。
以上の結果より、平均在院日数は53.2日と
なっており、対象者17名の状況は贋
(表3)
大 月 週 骨 皿 窟 E 骨 折 術 遥 の 侭 哲 さ バ ジ っ ∼
1.日 生鱈動作
(食事)1,テーブルで椅子に星かける.
2、座って食事をする場合、何度も立ったり塵ったりを避け重しよう.
3,畳みにすわる唱台は足をなげだLたほうがよい.
4,臣筒子を円用する.
5。台侵症がある喝合には.それに応じた食事をし嵐L▲う.
牢壇分の摂り過ぎ、■食は遍けて下さい.
(俳麹》l、陣式トイレに改盈するほうが画直しい、
2,軟一ダブル便画を肩用する.
3、趣で用をたす.
《人播)1. 宣に畠も燭子を税用する.
2、立った底まで麓う.
3,医 健住定し左L▲う(すべりやすいので十分住■).
《住■》1.1衝が■*い0がざ2尾図上の塙合トイレは阿階にあるほうがよいでL
う
.
2,厳段の昇碑はなるべく避け座Lよう《手すりを税用》・
3, 宣・トイレに手すりを作句たほうが艮潤です.
蝿圏)1,ペャトに庚更するのが圃衷Lい、
《仕事.軍事)
1、仕事内容は時下での 系が画*しい、
2,通助には、なるべ《歩く唾を少なく車を商用する.
3.軍事の時にも1本 または●(崎の太めのもの)を科用する.
2,■E=について
1、特に下破の筋力増強に努めましょう.
2.侮日の倣歩をお衝めしますb
散歩される時は、漏り侭くいg物を使用して下さい.
人工骨碩画換衡後の方は、1本 《ステヮキ)を便用し伝ぱないよ.
十分注丘して下さい.
3、太りすぎないよう体負⑳寓箪に心がけ良し&う.
体館堀舶により股画面に負飼がかかります.
4、定期受紘そし座しよう.
包の受佳日については.医麗の婚承を受けて下さい.
車骨懐合衛の唱台.■通の生猛でよい.
車人工骨碩■僕衡後の方は、身陣者手
塞でAD
Lの拡大が望めない人1名と、介讃者不足で施設
入所待ちの人2名が、長期療養型病棟へ転棟して
いる。他の14名は自宅に退院している。
V 考 察
ADL評価表は入院前からOP後にかけて各
段階ごとに評値したため個々の患者にあった援
助ができて有効的であった。又、リハビリ連絡
鰻の活用は、調練室と病棟の連携が密になり病
棟においても調練室に準じたリハビリが継続し
て行われた為、ADLの早期拡大につながった
と考えた。そして退院指導については入院時よ
りパンフレットを渡し、恩者と家族に繰り返し
税明することで退院後のADLを印象づけるこ
とができた。そして早期より必要に応じ、ソー
シャルワーカーや調練士の介入を要鯛したこと
)の申箇が出景室す.
も人院期間の短縮につながったと考えた。
­ 2 ­
Ⅵおわりに
当院は高齢化、過疎を抱える地域に位置してし
る為、介護する人もされる人も年々高齢となって
きており、今後も大
骨頚部骨折慰者数は増加す
るものと考えられる。今回の研究成果をふまえて
引き銃き本課題について取り組んで行きたいと考
えている。
参考文闇
1)特集/老人の骨折臨床看護へるす出廠
(19943
.)
2〉特集/高齢者の退院計画のすすめ方
臨床看護へるす出臓
(19932
.)
3)伊藤恵美子他:効果的なテータヘース開発の実際
ナーシンタレコートVol 15 No. 9 P47-59 1996.1
4)酒井ひとみ:日常生活動作(ADL)評優法
箆床看護(1992.12)
5)森内加奈恵:大 骨頚部骨折患者における
筋力低下予防のための床上運動の効果
月刊ナーシンクVol.13 No.5 1993.1
6)伊藤百合子:大 骨頚部骨折患者の退院桜
の生活に対する家族の不要について
第21回老人看護(1990.P224̅227:
7)西村悦子他:大
骨頚部骨折患者のADL
自立度と退院先状況調査
第21回老人看護(1990.P187-190:
8)吉住英子他:大 骨頚部骨折患者の術式脳
術後リハビリテーション
看護技術(1993.Vol 39.No.1】
9)松嶋道江:簿痛による不要から離床・歩行
の進まない大
骨頚部骨折患者の看護
看護技術(1993. Vol 39. No.i:
­ 3 ­
寝たきり患者看護における腰痛予防策
∼腰椎ベルト着用を試みて∼
佐賀関国民健康保険病院第一・病棟
○片桐光代佐々木春子
生由美子吉田優代青山澄『
片山由美
若狭ナミ子工藤富貴子平本まゆみ原明美姫野良昏
松永11月
加口美香
渡辺加代
1人(4%)
I.はじめに
3%:
佐賀関町は、他の町村と同様過疎化
と高齢化が進んでおり、当院も入院患
者の半数以上が80歳以上の,高齢者であ
1
二人
(53%
る。必然的に、社会的入院も手伝い、
7
人
(30%)
旧
高
需
1嘗
:
-
寝たきりの患者さんが多くなり、第一
病棟では約4/5が寝たきりの患者さん
一
で占められている。よって、休交、オ
、
=
雨
図1.対象の年齢層
ムツ交換、裾創などの処置が看護の中
III.方法
心となり、そこで働く看護婦の腰にか
腰椎ベルトは数種類の製蹄,を拭管し
かる負担は大きく、腰痛が問題となっ
たうえ、ユニホームの上でも簡便に着
ている。
用できる点、腰椎の固定性、保湿性を
そこで、当院第一病棟における腰痛
考慮し、日本シグマック社のマックス
予防策として腰椎ベルトの着用を試み、
ベルトレギュラータイプ(図2)を用
その効果についてのアンケート調査を
いることにした。
行い、腰椎ベルトの有用性を検討した。
II.対象
第­­病棟看護婦23名を対象として行
った。年齢層(図1)は20代3人(13%)、
30代7人(30%)、40代12人(52%)、
50代1人(4%)であった。
図 2 . マ ッ ク スベ ル ト レ ギ ュラ ー タ イ ブ
(日本シグマック社商品カタログより引仰I)
­ 4 ­
腰椎ベルトを支給して1年間着用し
騒
駐
てもらい、アンケート調査を実施した。
①アンケート内容
農あI
…
148%:
1.腰痛の有無
E 豆 壱 宣 守 声 哲
(ある、時々ある、ない)
鱗
2.腰椎ベルトの効果(2回目のみ)
(ある、ない)
3.着用した後の感想(2回目のみ)
4.着用状況(1,3回目のみ)
(着用、着用なし)
5.着用していない理由(3回目のみ>
2回:言
②アンケート時期
3回言
図3.腰痛の有無
1回目支給1ケ月後
2.腰椎ベルトの効果(図4)
着用は任意
2回目支給3ヶ月後
強制着用させた後、腰椎ベルトの効
1ケ月間の強制着用を行っ
果があったと答えた人は全体の61%
た直後
の人であった。
3回目支給1年後
蕊
…
着用は任意
-
稀
巳
Ⅳ、結果
F
画
J
■
■
画
■
菓潟u
1.腰捕の有無(図3)
童
擬
「腰痛あり」の割合が、1年後には
48%から15%へと減少した。「時々あ
…
一
一
…
b
一 画 、 T マ マ で 窪
り」の割合は32%から55%と増加した
ー
図4.使用効果
「腰痛なし」の割合は20%から30%と
減少した。
­ 5 ­
互
画
■
巨
画
ルト着用によって「腰捕あり」の割合
3..着用した後の感想
「腰椎ベルトで腰がシャッキッと固
が48%から15%へと減少し、「時々腰
定され患者の移動が楽になった。」、
痛あり」の割合が32%から55%に増加
「前傾姿勢を保持するのも楽になっ
した。これは腰椎ベルトの着用によっ
た。」、「慢性的に腰痛があるが、症
て腰部への負担が軽減し、腰部の支持
状が悪化しなくなった。」などの意見
性を高めることにより痛みの程度がiモ
を認めた。
減したためと考えられた。
腰椎ベルトの着用状況については、
4.着用状況(図5〉
支給当初には着用しなかった者が43%
いたが、強制して腰椎ベルト着用させ
腰痛ベルトの着用が任意であった
1,3回目のアンケートにおいて着用し
る期間を設けたことによって、腰痛の
ている人の割合が57%から、75%へと
緩和、予防ができ腰椎ベルトの着用の
増加した.
有用性を各個人が認識することにより、
噺
かわらず最終的に25%と減少したと思
…
1
われた。また、着用しなかった人の約
着用爵
驚離
着用しなかった人の割合が任意にもか
…
溌
鶴
羅着用
柵
諾
が而倒」、「カッコ悪い」など、着用
…
…
1回目
6割は「いつも忘れている」、「着用
繍
に関し消極的な理由をあげており、も
3回巨
う少し秋極的に着用を促すなどの対策
図5.着用状況
が必要と思われた。
5.着用していない理由
以上の結果から腰椎ベルトは寝たき
り患者石,瀧における看護婦の腰捕予防
第3回目の調査で春用していない人
の理由として「いつも忘れている」
策として非常に有用である考えられた=
(45%)、「腰痛がない」(10%)、
しかし、腰椎ベルトを用いても腰捕に
「着用が面倒」(5%)、「カッコ悪い」
対し効果の認められなかった人もおり.
(5%)などの意見を認めた。
できるだけ複数で体交を行うようにす
る、腰捕体操、病棟間でねたきり患者
の数を調節するなどの対策も今後さら
V.考察
に検討が必要と考えられた。
今回のアンケート結果では、腰椎べ
­ 6 ­
一ⅥI.参考文献・
1)河端正也:正しい理解と予防の
ために、腰痛テキスト、4月号;
27­50、1997ノ伽
2 ) 加 藤 光 賛 : : ナ ース に し の び 寄 る
腰痛 、エキスパートナース、11
月号;27.50,1997:
3)井上蕊:自分でもできる腰捕予防
;法ほか、ナーシングトウデイ、10
●
月号;12-19,1997
4)向山新:医師、看護婦に腰痛はつ
きもの?、JIM、vol8. no.l : 35-40,
1
9
9
7
b
­7­­
4
凸
弘
障 害 を 持 っ た ま ま 退 院 す る 患 者 の ス ムーズ な 退 院 へ の 援 助
一入院が長期化している事例の分析結果を生かして­
大分県立病院
○ 羽 田 野 陽 子 長 野 ユ リ エ
油 布 裕 子
Iはじめに
(1)入院が長期化した2事例を分析し、原
神経内科疾患は、慢性で進行性の経過をたど
るものが多く 何らかの障害をかかえたままの
退院がほとんどである。それに加え、高齢化、
核家族化、女性の社会進出などで退院の受け入
れがますます困難になり、入院が長期化するこ
因を追求する。
(2)老人総合評価表を使用し、急性期を脱
した時点での評価を行う。また、同時に、
この評価表で医師のゴール設定を提示し
てもらう。
とも多い。また、治療に対する過大な期待によ
(3)急性期を脱した時点での評価と医師の
る医療者側とのゴールのズレや医療者間のコミ
ュニケーション不足による退院計画の遅れも入
提示したゴールを比較し、(1)をふまえ
たうえで、援助のポイントを定める。
院の長期化につながっているケースもある。
そこで入院が長期化している2事例から原因
(4)ゴールに近づいた時点で、患者、家族、
を分析し、退院援助のあり方を検討した。そし
された退院阻害因子を明確にし、ケアブ
て、高橋龍太郎氏らの作成した老人総合評価表
ランの見直しをする。
から多忙な病棟で活用しやすいよう、ADL,
I ADL
医師、看護婦の話し合いの場を持ち、残
(5)退院1週間以内に満足度や問題点の追
(手段的日常生活能力)、感情認知機
能の3つの評価表を抜粋し使用することで、急
性期を脱した早期からゴールの設定を行い援助
のポイントを定め、スムーズな退院を目指し援
跡調査を行う。
(6)ここでいう入院の長期化の定義は病状
の安定およびリハビリのゴールの時点か
ら2週間以上の入院とする。
助した。その結果、患者のニードをつかんだ効
Ⅳ 結 果
果的な援助が行え、退院を左右する医療者間の
コミュニケーションのあり方も明確となったの
1.入院が長期化している事例の分析
でここに報告する。
事例の概要は表1参照
A氏
Ⅱ研究目的
端息発作やMRS A隔離で、リハビリの
ゴールを迎えるまで3ヶ月を要し、更にその後
1.入院が長期化している事例から原因を明ら
退院まで4ヶ月と入院が長期に及んでいる。そ
かにする。
2.1.をもとに、退院計画のポイントを定め
の間3回試験外泊を行うが、本人、家人ともに
スムーズな退院を援助する。
疲労が強く、完全に治ってから退院したいと退
院には消極的である。プライマリーナースを中
心にカンファレンスを持ち、家族間の話し合し・
Ⅲ研究方法
1.研究期間平成9年4月∼9月
2.研究対象神経内科疾患で何らかの障割
かかえ退院する患者2名
3.研究方法
や社会資源の活用を勧めたが「医師からは話を
聞いていない。古い家なのでどう変えればいし、
かわからない」との言葉が聞かれた。そのため
医師に面談を依頼したが具体的な方向性を示す
話はなかった。患者は「歩いて帰りたい」と常
­ 8 ­
がもたれていない。
に医師に訴えていた。医師はそれに対し否定も
肯定もしていない。PT
(理学療法士)、看護
以上、2事例から入院が長期化した原因をあ
婦は知的レベルから判断し、これ以上のリハビ
げると
リは難しいと考えている。リハビリ室では支え
れば立つことが出来、数歩なら歩くことが出来
①看護婦がリハビリの上達度を組み込んでの
の病棟での生活援助をしていない。
る
。
②医療者間のゴールが統一されていない。
<分析>
③医師、看護婦、患者、家族の4者の話し合
いの場がなかった。
看護婦は医師の考えている患者のゴールをは
っきり理解していなかった。看護婦と患者・家
2.1.の原因を踏まえ評価表を用いることに
族のゴールのズレがある。患者・家族のゴール
を修正しないまま退院への援助が開始されてい
事例の概要は表2参照。
より、スムーズな退院を目指し事例を展開した。
るため患者・家族は指導内容を受け入れること
表3は看護婦が行った現時点の患者の評価と
が出来ていない。ゴール修正のため患者・家族、
医師の行ったゴール設定の評価で、問題になっ
看護婦、医師の話し合いがもたれていない。ま
た、PTとの連絡も取られていない。
た項目を提示している。この2者の評価のズレ
が援助を要するポイントである。
B氏
C氏
入院時はパーキンソン病の悪性症候群で無
病歴は20年と長く今回の入院はトランス
ファーの自立のリハビリと多発性硬化症の再評
動、幻視等あり、日常生活はほぼ全介助であっ
価目的の入院である。リハビリがゴールに達す
た。評価表で評価した結果、表3に示す7項目
る前から母へは少しずつ退院指導を開始し、受
け入れ体制も整っていた。しかし、患者は在宅
に援助のポイントを定め、それぞれ援助してい
った。中でも、退院に最も影響を及ぼすと考え
に対する不安から退院が近づくと不定愁訴があ
られ患者のニードも大きかった[ADLの歩行]
り、退院決定されない状態となる。また、リハ
ビリよりゴールの返事が来た時点で神経内科的
に対して重点を極いた。
には退院決定がなされておらず、リハビリの第
す
。
[ADL歩行]に対する退院計画を以下に示
2段目のメニューが組まれている。しかし、第
①患者の思いを知る。
2段のリハビリがゴールとなり、退院が近づく
と再び不定愁訴のため退院が決定されない状態
歩行時に腰が伸びることに期待が大きかっ
た。そのため疾患の特性からこれ以上リハビリ
となってしまう。患者は「もう少し動けるよう
では腰の伸展は不可能であることを説明した。
にならないと退院は出来ない。母も年を取って
しかし、患者の納得は得られなかった。
力がなくなったから」と介護力の低下を気にし
②PTと話し合いの場をもつ。
た言葉があった。プライマリーナースも在宅介
歩行に対する患者の希望を伝え、バギー車
護センターの紹介、面接を行い、また、外泊時
にデイケア施設の見学、ベットの購入などを行
および での歩行訓練を取り入れてもらうよう
ったが「デイケアは年寄りの行くところだから
③試験外泊を促す。
在宅での問題点をあげるため試験外泊を促
依頼した。
いや」など受け入れが悪い。外泊時は母親の介
した。しかし、「腰が伸びないのに外泊しても
助で入浴も無理なく出来るのに病棟では特浴を
使っている。
何もできない」と拒否する。
<分析>
④夫と面談する。
家族の受け入れを把握するため夫と面談を
母親の介護力の低下も原因と考えるが患者
のリハビリに対する期待が大きい。在宅の不安
行った。しかし、社会資源を活用する意志は全
に対する患者・家族、看護婦、医師の話し合い
くなく、リハビリに期待していた。そこで、当
­ 9 ­
院の急性期病院としての機能も説明した。
なく施行できた。
⑤患者のADLについて医師へ報告
[ADL :起居・移乗、、歩行]
患者は独歩可で入浴も自立の状態であった
が医師へは「まだトイレへも行けない」と訴え、
①リハビリ中の危険性の説明
疾患による起立性低血圧や上下肢の麻庫に
よる転倒について説明した。その結果、前駆症
退院許可がでない状態であった。そのため、A
DLの正確な情報を医師に伝え、退院の許可が
状のあるときは無理せず坐るといった対処行動
がとれるようになった。
出た。しかし、その後堰気、食欲低下が出現し
た
。
②退院予定の提示
医師より退院の予定の提示をしてもらう。
⑥再度、患者、家族、医師、看護婦の話し合
いの場をもつ。
その結果、リハビリへの意欲も高まり、自主的
医療者側がリハビリのゴールを示している
にも関わらず、リハビリに対する期待が大きい
に歩行訓練を行う姿が毎日見られるようになっ
た
。
ことからリハビリ専門の病院を紹介し、転院と
③試験外泊
なる。
④試験外泊後妻を含めて面談
<退院時の患者の反応>
外泊中の問題点として立ち上がりの困難が
看護婦に対し「あんたにはいろいろ無理を言
って困らせたな。よい人に受け持たれてよかっ
あり、患者、家族はそのことを医師に訴え退院
延期の話が出た。しかし、看護婦は工夫しだい
で立ち上がれると判断し、指導した結果、退院
た」と涙を流された。
<退院2週間後、転医先での様子>
延期とならずに予定通りの退院を迎えることが
退院時と姿勢と動作は全く変化なし。患者か
できた。
らは「やらなくて後悔するより、やって納得し
<退院時の患者の反応>
た方がよいからなあ」との言葉が聞かれた。
1本 で退院。「来たときは全く動けなかっ
D氏
たのに、こんなに動けるようになるとは思わん
かつた。がんばってリハビリしてよかった」と
入院時は上下肢がわずかに動くのみで日常
生活はほぼ全介助であった。評価表で評価した
の言葉が聞かれた。
結果、ADLはほぼすぺての項目で医師のゴー
ルより1段階低いレベルであるo (表3参照)
<退院2週間目の様子>
すべての項目において援助を要したが、'中でも
導尿は毎日出来ている。歩行については「家
の中は段があるから大変だけど何とか生活でき
特に重点を瞳いたのは家庭生活に支障を来すと
ている。立ち上がるのもコツがありますね。で
思われる[排尿]と[起居・移乗][歩行]で
きてますよ」との言葉が聞かれた。
ある。それぞれの看護の展開は以下に示す。
v考察
[ADL :排尿]
①導尿についての理解度を知る。
今回、評価表を用いゴールを知ることで、看
疾患による神経因性勝耽により1回/日の
護婦は医師の患者のとらえ方も把握でき退院へ
導尿が必要になったが「そんな管を入れんでも
そのうち出るjとの言葉が聞かれた。そのため
向けた援助ポイントを早期に定めることができ
た。また、早期にゴールを設定することより医
必要性を説明したところ自主的に行うようにな
った。
師と看護婦間の退院に関する話し合いがスムー
ズに行えるようになった。よって、この評価表
②導尿の手技の指導
上下肢に軽い麻痩があるため一人での手技
を用いることはスムーズな退院への援助に有効
は無理と判断した。そのため妻へも同時に指導
森山氏が「コミュニケーションの量と質が退
し、手技も習得した。そして外泊中も特に問題
院計画を成功させる である」0と述べているよ
である。
­10­
⑥退院計画は早期に行う。
うに、C氏の場合は看護婦との人間関係がうま
くいっていたことがスムーズな退院を迎えるこ
Ⅶおわりに
とができた最大の理由と考える。そして、患者、
家族のニーズに沿うよう医師とPTとの橋渡し
スムーズな退院を迎えられない要因は様々あ
や家族との面談の設定、また、当院の急性期病
るが、今回の研究を通し、コミュニケーション
の重要性を改めて認識した・患者・家族は無限
院としての機能を説明したことも効を奏した。
に期待を持つ。しかし、医療には限界がある。
D氏の場合は早期の段階でゴールを設定する
ことにより、患者の退院への意識づけができ、
医療者間のゴールをはっきりさせ、患者の思い
意欲も高まったと考える。また、外泊時の問題
への的確なアドバイスもスムーズに退院を迎え
功させるのはいかにうまく患者、家族、医療者
た要因であったと考える。
間のコミュニケーションを図って行くかにかか
Ⅵ 結 論
っていると考える。今後も引き続きこのスムー
ズな退院援助に取り組み確実なものとしたい。
とのズレを修正する必要がある。この援助を成
スムーズな退院を迎えるためには
①医師の考えるゴールをまず知る。
<引用文献>
②医療者は患者を全体的に把握する。
1)森山美知子:なぜ退院がスムーズにいかな
いのか?、看護学雑誌、Vol60.No 11.1996
③医師、看護婦、患者、家族の4者の話し合い
を行う。
④医療者間のコミュニケーションを充実させ
る
。
<参考文献>
⑤医療者と患者、家族の人間関係を良好に保つ。
RONTOLOGY, NEW HORIZON、Vol8.No2.1996
1)高橋龍太郎:老年者の総合的機能評価、GE
表1入院が長期化している2事例の概要
事伊
病名
入院
期間
A氏
脳 塞
糖尿病
気管支端.
多血症
高血圧
7ケノ
82才
男
家族構成
夫輔
二人暮らし
リハヒリ0コール えて加
退院までの期硝
4ケノ
第1回目の
外泊時
長 男 福 価 が ゴール
長女近厨
次女唾%0
ゴール 時 の
ADL
退院時の
自力にて起坐不可
コーノレl崎
坐位保持百
立位保持不可
車椅子移動介り
車椅子運転可
ホームヘルハー
多発性硬化症 5ヶf
48才 骨粗髭症
女
B氏
両
兄夫婦
と同居
3ケノ
退院矢
A D L
と同[
転医
リハヒリ脇
力
自第
え30秒 閃 営0自舗。
程度立位 アハート0-3
ト ラ ンス フ ァ O K 右手で支
可
鵡
表2評価表を使い退院援助を行った事例の概要
事例
C氏
評価時の
ゴ ー ル
家族構励
パー キ ン ソ ン 栃
3ケノ
夫』
二人暮らL
夫は心疾愚
身障者3溌
抗パ剤②
調整
リハピ)
シャイドレガー
4ケノ
妻、鮎
孫2人0
診断、治掠 車椅子へ 歩行可
リハビリ
移乗介助 自己導尻
64才
女
D氏
入院目的
入陽
期
病名
62才 症候職
男
5人暮らし
­11­
状
車椅子
設箇
退院時の
退院針
状況
リノ、ピリ
歩行
歩行
入浴介助 入浴自立 入浴自誼 センター
歩行
自己導尻
は自立
自宅
表3問題になった評価項目
C氏
A D L
I ADL
・歩f
・入蒋
。買い職
ドm 時
3.­人で介助で歩行可
洗朔
外日
1.介欧
2.買い物には付き添いが必要
2.食事を温めたり盛りつける
ことができる
2.下着や小物を洗濯できる
1.外出しない
・服薬の管遥
2.誰かに用意してもらえば、
・食事の支底
●
●
きちんと服薬でき層
感情認知機能
D氏
A D I
諌
阿
排
洗
●
z価時
期 寺するゴール
・階段
・入浴
1.洗顔、整髪、歯磨き、ひげ
そりに介助が必要
2.部分介助
3.部分介蹴
2.車椅子にて自立、曲がりβ
もうまく曲がれる
2.介助必要だが半分以上は
自立できそ
1.不可能
1.介駄
。買い物
2.買い物には付き添いが必要
・家事
1.家事には全くかかわらなし.
産
・更衣
・外出
・服薬の管理
感情認知機前
ことができ2
3.自分の洗濯をすべてす:
5.公共の乗り物や自分の耳
を運転して、一人で外U
できる
3.用量、時間を守って服ヨ
できる
月
・便器の使用
・起居・移乗
・歩行
ADI
3.材料があれば盛りつけ号
特に問題なし
●
I
期待するゴール
4.独』
2.自ゴ
3.簡単な買い物はできる
外出しない
2.誰かに用意してもらえば
きちんと服薬できる
特に問題なL
­12­
2.自立
3
4
●
●
自立
自立
4.独歩可
3.自立
3.昇降自立
2.自立
4.自分一人ですべて買い物
できる
3.消潔さは十分とはいえな
いが、おおよその日常戯
仕事はできる
4.外出にはタクシーを利用
する
3.用量、時間を守って服薬
できる
樗創の評価にリスクアセスメント表を使用しての効果
東国東広域国保総合病院
○ 木 田 聖 子 藤 原 静枝
矢 野 小 夜 子 中 野 智子
<はじめに>
方法(2).リスクアセスメント表作成について
当整形病棟では、禅創患者が増加傾向にあり平均
入院患者数の約2割を占めるまでになった。しかも、
その半数は入院中に発生していた。
『縛創は看護の恥』といいながらも、縛創に対す
る知識不足や認識度の低さから予防や処置が統一さ
れていなかった。また、医師の協力も得にくく、処
歴がナース判断で行われていたことも撫創増加の原
因の一つとも考えた。そこで私たちは、樗創をつく
らない病棟をめざして揮創の再学習から取り組みを
開始した。それに並行して、リスクアセスメント表
を作成し、縛創を全身的に評価するための手段とし
処置は処置手順表にそって行った。その結果徐々に
スタッフの姿勢に変化がみられ発生率が減少してき
た
。
リスクアセスメント表は、ブレーデンスケールと
塚田邦夫著の『創傷ケアの科学』を参考にし作成し
た。これは、得創患者だけでなくプレーデンスケー
ル14点以下あるいは、活動性や可動性が2点以下
のハイリスク患者に使用した。
評価は週1回、研究メンバーが中心となり、その
日の担当ナースと揮創担当医を交えて行った。創部
に対しては、PSSTや写真撮影も行った。評価後
に指示や処置の変更があった患者に対してはカンフ
ァレンスで伝達し、さらにナース間のシグナルを活
用して全員に伝わるようにした。
<表1>リスクアセスメント表
氏
<研究方法>
名
月
年
E
ブレーデンスケ-1
活動性・可動性
T P
血清アルブミン
Hb
食事量
CRF
感染の有無
除圧用具
治療薬
縛創部位と程度
1.期間: H9年5月13日∼1 2月3 1日
2.対象者: 1 00名
(プレーデンスケールの総得点が14点以下
活動性や可動性が2点以下の患者)
3.方法:(1) 創に対する再学習
(2)リスクアセスメント表作成
アセスメント
方法(1).縛創に対する再学習について
再学習は研究メンバーと病棟教育係が中心となり
勤務終了後や病棟学習会の時間を利用して行った。
その内容は、手持ちの資料を持ちより、ケア用品
や薬剤の選び方正しい使用方法などの基本的項目よ
り開始し、研修会への参加ETナースのアドバイス
を受けながら全身評価の必要性や評価の方法を学ん
でいった。さらに、学んだ内容や資料を全員に伝達
できるようにくり返し学習会を行った。
­13­
齢
疾
患
:
合併1
ロ
I
< 結 果 > 方 法 ( 1 ) に 対 して
<考察>
学習会を始めた当初は参加者も少なかったが、回
を重ねる毎に参加者も増え、カンファレンスにのぞ
む姿にも変化がみられた。
その現れとして、以前はリップルペット等の除圧用
具を過信し、体位変換がおろそかになったり、器具
の故障に気づかず使用しつづけ 創が発生すること
もあった。しかし、現在では体位変換は2時間以内
にきちんと行われ、器具については訪室時、ポンプ
圧やマットの底づき、ホースの屈曲の有無などを点
検するようになった。またギャッジアップの際は、
時間・角度・摩擦やずれにも注意を払うようになつ
った。
栄養については、食事摂取量の把握さえ不十分だ
ったが、今では食事量はもとより血液検査も合わせ
て評価し、対処するようになった。
創部については、医師と共にPSSTにもとりく
み、詳細に観察・評価していく努力をした。
今回の研究を開始するにあたって基本にかえる意
味で、縛創の再学習からとりくんだ。学習会は1度
でおわらずくりかえし行うことで多くのスタッフが
自分の知識とし縛創ケアにいかすことができた。こ
れにより、何事も正しい知識があってこそ適切な予
防処圃が行われることを痛感した。
また真田は、『看護者が自信をもって 創予防の
ケアを行うには、科学的な視点で作成されたケア基
準を用いること、またそのケアの根拠を十分に知る
こと』と述べている。私達の用いたリスクアセスメ
ント表は、簡便で定期的に評価でき、経過が一目で
わかったためスタッフに取り入れられ継続できた。
これによりスタッフ内に祷創の評価基準が確立でき
たと考えた。
しかし、今回の研究期間中に4名の縛創患者が発
生し、うち1名はⅢ度まで悪化する結果となった。
これはスタッフの気のゆるみ、看護力の不足による
ものであり、今回の反省点、今後の課題として残っ
た
。
<結果>方法(2)に対して
リスクアセスメント表により、共通の評価基準が
でき、経過も一目で把握しやすくなった。また、視
点が局所から全身へと広がり、褐創を全身的に見る
第一歩となった。さらに、定期的な評価を行うこと
により異常の早期発見にもつながり、治療効果もあ
がってきた。
今回、リスクアセスメント表を使用した100名
中の 創発生者は、Shea (シェア)の分類で1
度が2名.Ⅱ度が1名.Ⅲ度が1名だった。
創部の処侭に関してはも以前はナースの判断で処
・置方法が変更されたり、効果の少ない薬剤を使用し
つづけることもあったが、処腫手順表を作成したこ
とにより、統一した手順で処侭がスムーズに行われ
るようになった。
<おわりに>
私達は現在、68才の頚損患者の看護を行ってい
る。縛創患者の事例を深く反省し、積極的予防に取
り組んだところ、2か月間人工呼吸器を装着したハ
イリスク状態にもかかわらず入院から3か月経過後
も禅創形成はみられない。これはスタッフの知識向
上と努力の結果であると思われる。
今後も質の高いケアを行えるよう今回の取り組み
を有効に活用し、次のステップへつなげていきたい
と思う。
<表2>処瞳手順表
4 2 1 号 Y.
M殿
参考文献
(1)テ・ユオアクティブ中心部に穴をあける
(2)穴にカルトスタット1枚挿入
(3)テ・カダーム保護
1)塚田邦夫闇
『創傷ケアの科学』
J四二蒜w
L­ソ、-ノ12/17-
(日本看護協会出版会)
2)『揮麿予防・ケアガイド』
(照林社)
­14­
3)柵瀬信太郎・塚田邦夫・徳永恵子縄
;
『創傷ケアの技術』
(日本看護協会出版社)
4)穴津貞夫縄
『ドレッシング』歩:L
j も F
(へるす出版)
〆
5)福井基成
O
凸
『最新!縛箔治療マニュアル』
(照林社)
:
七
6)『 創ケアの新しいアプローチ』
一
臨床看護1997.2
(ヘルス出版)・
q
7)真田弘美他
『一歩進んだ縛癒管理』
(NURSE+1 1993)
8)福井基成〆
『揮麿の病態に応じた保存的治療』
(医学のあゆみV0L178 (11) 1986).
日
4
け
■
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=
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­15­
毛
、
+
保健・医療・福祉の連携
インフルエンザワクチンの耶馬渓町における取組み
耶馬渓町国民健康保険山移診療所
○飯尾文昭山下暁美相原佐美子
耶馬渓町保健センター
宮子奈己中野きよみ河野恵子井本早苗
協力医療機関
耶 馬 渓 町 国 民 健 康 保 険 津 民 診 療 所 酒酒見美代子
見美代子
酒見久哲
農業共同組合立下郷診療所
久保園五十鈴
平田診療所
桑原医院
桑原龍彦
1.はじめに
昨冬及び今冬共にインフルエンザの流
行が認められている。昨冬では、全国的に老
人施設を中心に多数の死亡者が報告され、今
冬も感染した小児患者の中には、脳症を合併
した重篤な例もみられる。
従来よりインフルエンザ感染の最善の予防手
段はワクチン接種であるといわれているもの
の、本邦においてはインフルエンザワクチン
の接種は周知のとうり任意接種となってい
る。そのため接種者の自己負担も大きく、先
進諸国の中で日本のみが接種者が減少してい
るのが実勢である。
耶馬渓町では昨冬(97年2月)より、希望者を
対象に、全国的にも稀と思われるワクチンの
無料接種を開始している。今回97年2月及び
97年11月から98年1月に実施したワクチン接
種の町全体の実態を予診票を元に検討した。
また新型インフルエンザウイルス(H5N1)情
報も含めた流行状況を町内保健・福祉機関に
F没Xで転送し、情報の共有化も試みた。
置する。
(図1)
65歳以上
65∼75歳
75歳以上
在宅寝たきり
26人
(65歳以上)
一人暮し老人
(65歳以上)
177人
2.耶馬渓町の現況(図1)
3 . イ ン フル エ ン ザ ワ ク チン 接 種 方 法
予防接種ガイドラインに記載される方
法で基本的に2回接種を行なった。
平成8年度(97年2月)は保健センター、3地区
公民館及び当院にて接種希望者を対象に接種
を行なった。また保護者の要望で中学3年生
(受験生)の希望者にも接種を行なった。
平成9年度は97年11月から98年1月にかけ
て、接種希望者に対象に、5医療機関で個別
接種を行なった。また当院では循環器・呼吸
器疾患・糖尿病等を有する高齢者に対し、十
分な説明の上、接種を勧めた。
前述の如く両年度共に無料接種である。
下毛郡最大の面積を有す(183.7km2)、
山間の町である。平成10年1月1日現在人口
6,018人、65歳以上が1,812人、高齢化率も
昨年度28.7%から30.1%と30%の大台に乗っ
た。町内の医療機関は計5ケ所であり、人口
の多い平田・下郷地区に計3ケ所、当院は人
口の少ない(約1200人)山移・深耶馬地区に位
4.結果(表1、図2,図3)
有料であった平成7年度のワクチン接
種者は0であった。8年度は延べ227人、実人
数133人が接種、9年度は延べ511人、実272
人と大幅な接種者の増加をみた。また2回接
種の比率が9年度は増しており、より有効な
­16­
接種が行なわれたと考えられる。
なお接種者の中で重篤な副作用は認めなか=
た
。
8年度
(表1)
(図2)
(
人
)
F
鶴8年度
蕊9年度
511
師
9年度
#
蕊
鍾
ク 尽 里 J
全体
当院
率
1
2
5
訂
1
6
6
銅
2
1
272
8
5
全体
当
防
延べ人嬰
227
実人劉
1
3
3
、
0
2回接種者
9
4
239
1回接種者
3
9
3
3
男性
50
7
6
9
1
女
棚
83
1
9
6
6
6
男女比
1.66
2.58
3.47
2〔
.
1
8
272
四 認
》
延 べ 人 歓 実 人 敏 2 回 按 画 1 回 彼 ■
接種者の中で65歳以上の老人が、8年
度77名58%、9年度173名64%を占め接種者
増加の中の大きな比率を占めた。
(図3)
湾
年齢臓)
最化
4
傘
最
苗
9
3
8E
9
5
9
0
平
掛
55.6
7
1
.
60.9
66.6
̅、雪……ジー64%
年代別(人
3
3
0∼20
2
6
21∼40
1
1
0
.
1
41∼60
14
2
2
7
61∼80
7
81歳以上
168
9
5
2
7
1
0
65歳以上姥人)
7
7
10
1
7
3
63
老人の割合(%
57.1
83.2
63.6
74.
20.4
1
8
.
9
27.6:
受験生(中3)
1
7
­
平均接種問陥
(日
a
月別延べ人数
97年21
221
2
97年11屡
212
97年12隻
7
28
1 18
98年1月
1
2
74
1
当
院
H
T
S
K
次に接種時期について検討するといずれの医
療機関においても97年11月、12月に接種者
は集中していた。全体では延べ511名中490
名(95.9%)が97年中にワクチン接種を受けて
おり、ほとんどの接種者がインフルエンザ流
行時期の前に接種を受けていたことになる。
また98年1月中旬より当町でもインフルエン
ザの流行が認められ、学年閉鎖・学級閉鎖が
­17­
あったが、ワクチン接種者は増加しなかっ
た
。
(図5)<曲
面
…
7
0
麺
1
0
0
当
蕊11月
息
黒
曝
霞
…
碇
12月
酌 1
《人)
賎
慰
H
T
S
詞
麺
㈲
幻
詞
B
O
g
l
O
1
E
調
釦
動
詞
!
=
当麟
町全体
7.医療機関ごとのバラツキ(図8,図9
藍
65歳以上の老人が接種者に占める割合につ診
て検討すると、48%∼76%を老人が占めた。
これは地域人口、特に高齢化率に若干の差が
あること及び各々の医療機関の受診者の年齢
構成にも若干の差があることによるものと推
察された。いずれにしてもワクチン接種者の
半数もしくは半数以上が高齢者であったこと
を示した。
(図 e:
勘 鹸辱
蝉
ワクチン接種者個人の事情やワクチン
副作用などの問題、医療機関ごとの事情も菱
り、一概に是非を論じることはできないが、
通常2回接種されるワクチンの接種間隔、ワ
クチンを2回接種した人の割合について検討
した。
予防接種ガイドラインによれば、「接種回数
2回」「間隔1∼4週(3∼4週が望ましい)」と
ある。
接種間隔は医療機関ごとの平均で11.5日∼
27.6日と差があった。全体の接種間隔の平均
は18.9日であった。
(図8)
平均士種箪懐差
(
日
)
頚.
当院27,6士4.6
雲 I
当院
;
18g士5s
蓑トト例:
!
町全伺
酪歳以上の捜覆者
173名
5
-
.
、
当 碇 H T S : 旨
11.5士4.2
14.1士雪.
K
14.6士4.5
、6%('7割2狸)
6 . 当 院 ワ ク チン 接 種 者 の 特 徴
(表1,図7)
町全体の接種者の特徴として、老人の
占める割合が多いことは前述した。また性別
でみると女性の割合が多く、男女比
2.58(76/196)であった。当院も同様の傾向
だが3.47(19/66)と更に著しい結果であっ
た。また小児と21∼60歳の俗に「働き盛
り」の男性も少なかった。当地区の人口構
成、当院受診者の年齢構成による結果と推察
されるが、高齢の女性の方の中には、「ロニ
ミ」でワクチン接種を希望される方がおら
れ、ワクチン接種を希望する行動には興味深
い点があった。
ワクチンを2回接種した人の占める割合は
75.9%∼95.3%と若干の差があった。しかし
全体では87.9%と高い比率を示した。
(図9)
一
一
­
­
­
­
4
|仮
霊''零¦¦霊¦寵¦¦義
」I
,
¦
ib■
当
院
H
T
S
8 . 新 型 イ ン フル エ ン ザ ウ ィルス
(H5N1)情報も含めた流行情報の共有化
図
( 10>
97年5月香港で発見された新型インフ
ルエンザウイルス(H5N1)は、12月7日発表
­18­
の2回目の患者発生報道(54歳男性死亡、13
歳女児入院)及び12月16日発表されたヒトーヒ
ト感染の疑い、患者数増加の報道によって連
日マスコミ報道を賑わした。
ワクチン接種を希望される方の中には、「新
型にかからないようにワクチンを接種する」
といった誤った認識の方もおられ、正しい情
報伝達の必要性を感じた。おりしも厚生省ホ
ームページでも12月12日より新型インフル
エンザ情報やQ&Aが掲載されるようにな
り、この情報をダウンロードし、町内保健セ
ンター、特養、社協にF乳Xで転送した。なお
厚生省の情報は医師会経由でも医療機関に配
布されたが、インターネットを用いた情報収
集は確実に2日以上早かった。
また国内流行情報も感染症情報センター等の
情報を得ることで、把握することができた。
(図10)
厚生省の輯道による覇画インフルエンザの情報です.
宇域、旬12月12日
'鐘一
竿;山移ら
回
毎 ? - = 妾 =
Q&A讐港で見つかった覇盟インフルエンザ(H5N
)
1
Q1:畠れ■で庭何人の から.ご 宮インうみエ…イあス鋲且つ
かっていa症しようか?
A1:12月10日瞳在で、4…aか6尺つかってい直す.このうB■…
、H9NIというトリのインうみエンザゥイルスに凡ら呪&雪空コマF竃鈍
てい直す。■りの0例侭ついては、Q泡でH5というところ宮では唾をれ色した
敵 . 唾 晒 分 … 阜 … セ ン タ ー に D C 》 屋 て … 恥
Q2:そらそも、唾インうあエ ウイム具と唾ルヰウイあスロん茸
か?
A 2 : 幽 心 函 麺 邑 寸 イ ン フル エ … イ ル ス と 匙 念 く あ う 唾 & 有
したウイルス唾トリのインフ品エ…イルス錘ブタwe介して…毎匡入っ
てくることにより…●…■…、宜戎毎画インフ多エ ウイ
ルスと̅8唖。……q官●且…鷲…、 インうあエンザウイ
ルス ■ 1 0 1 8 スペ イ ン 1 0 8 7 ア 沙 ア か 唾 1 0 0 0 … 毎 か
ぜと 唾 函 ● … り 垂 して、 宣 し 全 二
Qg:トリQインうあエンザウイあ其AtHB側 は.■̅匡郵すら
…しぶうか?
A8:トリのインうみエンザウイあス臥人 昇偉入ってQ函インフ歴ン
… し … に 唾 ヒ ト 郎 金 く 砿 … … 体 e 偽 危 血 0 唾 ① ■ …
行 露 0 8 … U ■ す. し か し . ご n 宝 函 と 仁 ら 4 函 … … 侭
倒壷q管とも.唾…薦 =偶&し、,くこと…とq凡て
l唾爽
9.医療問題等の座談会の実施
保健・医療・福祉の連携をはかる上
で、町行政の方との意見交換・協議・連絡も
重要である。役場住民福祉課の方に理解の深
い方がおられ、98年1月29日第1回目である
が、医療問題等の座談会が実施された。行政
より町長、助役、収入役、住民福祉課課長・
参事が、医療側より医師5名、歯科医師1名が
出席した。町医療費等の現状、介護保険制
度、インフルエンザワクチン接種の現状説
明、その他諸問題についての意見交換が行な
われた。10年度も引き続き開催される予定と
聞いている。
10.考察
当町では昨冬(97年2月)よりインフル
エンザワクチンの全国的にも稀と考えられる
無料接種を行なってきた。この事業が行なわ
れた背景の一因として、町の医療費特に高齢
者の医療費を軽減するねらいがある。
アメリカ予防接種諮問委員会のインフルエン
ザワクチンの勧告によれば、高齢者でハイリ
スク因子をもっている者および医療や介護従
事者がワクチン接種の最優先対象となってい
る。しかし日本においては任意接種となって
おり、2回の接種で計約六千円∼一万円の自
己負担が必要である。当町の平成7年度の接
種者が0という結果は極端としても、現在の
任意接種の体制で接種者を増やすためには、
何らかの形で費用負担がなされなければ増加
は見込めないのではないだろうか。事実国ま
たは社会保険による費用負担が諸外国では行
なわれている。
しかし9年度延べ511人に無料でワクチン接
種を行なったことが、町財政に少なからぬ影
響を与えたことも事実である。
98年1月末現在、町全体でワクチン接種が高
齢者に対して有効であったのか、また高齢者
の医療費が果たして軽減できたかは不明であ
る。当町の5つの医療機関はいずれも無床診
療所である。高齢者のみならず小児も含め重
症のインフルエンザ 患患者は近隣の入院施
設へ入院をお願いしなければならない。この
事業が継続されることで、将来的には「イン
フルエンザワクチンはペイする」と個人的に
は考えている。また1月に感冒様症状で高齢
者の方が多数受診されたが、38.5℃を超える
発熱を認めた患者さんが当院では1例もな
かったことを最後に付記したい。
11.まとめ
97年2月よりインフルエンザワクチン
の無料接種を開始した結果、大幅な接種者の
増加をみた。9年度(97年11月∼98年1月)の
接種者のうち老人(65歳以上)が63.6%を占め
た。全体のワクチン接種は95.9%が97年中に
行なわれた。
­19­
老人保健施設のもう一つの役割(終末期は看取れるか)
老人保健施設陽光苑
【はじめに】
当施設は 90年7月に開設され、近
隣にへつぎ病院と訪問看護ステーション
在宅介護支援センター、ホームヘルパー
ステーション、リフォームヘルパー事業
があり、地域の方々が気軽に利用して頂
けるよう日々努力している。
開設から7年6ケ月を経て、当施設を
利用した方で亡くなった場所は、病院が
185名、自宅37名、特別養護老人ホ
ームは34名、当施設では31名である
老人保健施設の目的の一つに在宅支援
があるが、本人と家族の希望から当施設
での看取りを行う場合がある。医療度・
介護度の高い方を介護する家族は、精神
的や肉体的に不安、負担が大きく、在宅
での看取りが困難なケースが増えており
昨年は4人の方の看取りを行った。そし
て、高齢者終末期の看取りについて4つ
の事を学び、老人保健施設の役割につい
て考える機会となった。
今回本人と家族の希望により、当施設
で家族と共に看取りを行った一事例を報
告する。
【方法】
<事例紹介〉
氏名:F・K氏
年齢:73歳
性別:女性
疾患名:肝硬変(原発性胆汁性肝硬変)
入所期間:1997年10月31日∼12月20日
厚生省寝たきり度:ランクC2
主な介護者:78歳の夫
F・K氏の性格:口数は少なく、気丈
である。
­20­
○ 鳴 海 栄 子 小 野 真 由 美
輪田順一
家族構成
長男夫婦とその子供と同居していそ
が、長男夫婦は共働きのため日中不石
で高齢者夫婦のみとなる。
そして、夫は軽度の難聴と心疾患を
有しており通院内服治療中である。
他に娘が二人いるが、県外に在住し
ており介護協力は難しい。
E
C
E
上
〈現病歴>
92年より肝硬変のため病院での治
療を受けており、肝性脳症で病院への
入退院を繰り返していた。 97年1
月に自宅で転倒し、ADLの低下が見
られ家族の介護困難から 97年3月
より当施設を入所利用し、外出・外泊
を行うまでに病状が安定したが、8月
14日外泊中に肝性脳症再発のため再
入院となる。今回病院での治療により
病状が安定したため、10月31日本
人と家族の希望により当施設に入所と
なる。
〈ケアプラン>
問題点:主な介護者が高齢であり、在
宅での看取りに対する不安が
強い。
目標:安らかな終末期の看取りを援助で
きる。
①可能な限り経口摂取ができる。
②掻津感が軽減し夜間良眠ができる。
③身体の保清と樗創の予防を行う。
【実施・経過】
入所前・入所時に面談を行い、家族と
本人の意志を確認した。この時家族は状
態が徐々に悪化傾向にあり、急変時の対
応や日中老人夫婦だけの生活、以前より
も医療的な処置が増えた事等に対する不
安を訴えた。そして、長い病状の経過か
ら濃厚治療や延命処置は希望せず、苑で
の看取りを希望した。
(目標①に対してのケア)
入所当初から、黄痘や腹水の貯痛が見
られ食欲も殆ど無かったが、可能な限り
食事を摂取したいと言う本人と夫の意向
があった。食事形態を決定するに当たり
色々試みた結果、流動食の摂取量が一番
多く、本人も食べやすいと言い基本食は
流動食とした。そして、夫は毎日来苑し
職員と協力の基で本人のペースに合わせ
1時間程かけて介助を行った。また、食
欲不振時は濃厚流動食を冷たくしたり、
暖かくしたり、リンゴのすった物や孫か
ら差し入れの巻き寿司等の 好品を摂取
した。しかし、12月14日より鴫下障
害による誤鴫を度々起こすため、食事を
中止し輸液のみとした。
(目標②③に対してのケア)
掻津感が強く腰背部のあちこちに引っ
掻き傷が見られたため、状態を看ながら
入浴や清拭を実施し軟膏処置を行った。
入浴は週に2回行い、その他は毎日ハッ
カ油清拭を行った。入浴は本人が最も好
み、めったに喋らないF・K氏が「あ­
気持ちがいいな­、お風呂はいいな­」
と嬉しそうに話していた。これらの援助
­21­
で幾分か掻捧感の軽減は見られたが、
以前引っ掻き傷の軽減は見られなかっ
たため、皮膚科の往診後に抗アレルギ
ー剤の投与と軟膏の変更、入浴とハッ
カ油清拭を併せて実施したことで、全
身の犀みと腰背部の引っ掻き傷は軽減
し、夜間も良眠できるようになった。
(安らかな看取りに対するケア)
歌の好きなF・K氏のために家族が
テレビを設置し、イヤホンでよく歌番
組を聞いていた。私達は部屋でも季節
感を味わえるように、利用者が折り紙
で作成した花や12月にはクリスマス
リースの飾り付けを行い、親戚や近隣
の方の面会も自由にして頂くことで、
家庭に近い環境作りに心掛けた。そし
て、本人が希望すれば音楽療法やカラ
オケ等のレクリエーションに夫と職員
が付き添い参加した。
12月始め頃、F・K氏が家に帰り
たいと希望したため、外出を相談し家
族も受け入れ、看護婦が付き添っての
外出を試みようとしたが、発熱等が見
られ実施することはできなかった。し
かし、夫が「もう少し元気になれば帰
ろうな」と声掛けし、F・K氏が寂し
がる時は夫か孫娘が苑に泊まり込み付
き添った。
看護婦が「病院に行く?」と尋ねる
と、自分からは苦痛を訴えず問いかけ
にうなづきで対応していたF・K氏が
「痛いことは嫌じゃ」と一言つぶやい
た
。
状態が悪化した12月13日以降は
毎日夫と嫁が交替で泊まり込み、18
日には県外に在住している娘や孫たち
が付き添ったため、苑内の家族室と入
浴・食事ができる場を提供した。
娘達は病状の悪化については、父親
から聞いていたが、昏睡状態にある母
親に再会して動揺が見られ、医師は病状
の説明、看護婦は看護介護状況について
時間をかけ何度も説明を行った。子供達
は「病院でいろいろな器具を取り付けて
苦しむよりも、本人が苦しまないように
して下さい。静かに、安らかに眠らせて
下さい」と意志を伝えてくれた。看護、
介護職員が動揺せずに対応できるよう、
現病状の把握と予測される急変時の対応
について日々カンファレンスを行った。
12月20日、F・K氏は最後に大き
く一息つき、ゆっくりと目を閉じ、穏や
かに息を引き取った。最期の時を夫と子
供、孫たちに見守られ、医師や看護婦は
家族の後ろからそれをそっと見守った。
娘達は涙を流しながら「頑張って」と声
を掛け、父親は「母さんは十分に頑張っ
たから、もう楽にしてあげようよ」と娘
達の肩をそっと抱いた。
永眠された後、娘達は「眠っているみ
たい、声を掛けたら起きそうね」「苦し
まずに逝けて良かった、ここで看てもら
って良かった」と話ながら顔を拭き死化
粧を行った。
【考察】
人には、様々な生きざま、死にざまが
ある。一方的な医療の提供だけではなく
終末期においては本人と家族があくまで
も主役であり、本人達の意思を尊重する
ことが大切である。
私達は、家族や本人がゆっくりと死に
逝く過程を受け入れ最期の時を人間らし
く生き、人間らしく死んで逝く場を提供
できたと思いたい。職員は、自分の親だ
ったらという思いで精一杯、真剣に看護
介護に取り組み、家族が悔いを残さない
よう家族中心の看護・介護を支援した。
このケースで高齢者終末期の看取りの
看護とは、介護とは、いかに支援すべき
­22­
かを職員全員が考える機会になった。
それは、
①家庭に近い環境作りをいかに行うか
②本人や家族との信頼関係を深める事
の重要性
③インフォームド・コンセントを密に
行うことの大切さ
④苦痛の緩和にいかに取り組むか
以上の4つである。
しかし、私達は本当に十分な支援が
行えたのか、これで良かったのだろう
かという思いが残る。今後も、これら
のことを問い続けながら、看取りの看
護・介護に取り組んで行きたいと考え
る
。
【まとめ】
老人保健施設の目的は、在宅支援で
あり2000年には公的介護保険制度
が導入されることで、益々在宅介護が
推進されることであろう。
開設から7年6ケ月の間に当施設の
利用者で亡くなられた方は、病院で1
85名、在宅で37名である。この数
字が示すように、病院で看取るのが当
然のように認識されている。
現在の制度下において老人保健施設
での看取りは公認されていないが、本
症例のように濃厚治療や延命処置を希
望せず、家族による在宅介護も困難な
場合は、老人保健施設が看取りの場を
提供するのも一つの在宅支援ではない
かと考える。
ミ1畳I陳士也 二コ=レナろ二在宅生7舌支二援ロつ一考萎雲
∼清川村在宅介護支援センター開設8ヶ月を振り返って∼
脚¦¦#確傭態センター:○馴峠訓惇藤職一
間¦¦胴民離燃直齢緬:皇齢
【はじめに】
(表1
在宅介護支援センター(以下、支援セ
ンターとする)は、平成2年度から制度
化され、平成8年度には全国で4,672ケ
所登録されている。豊肥地区(12市町村)
には、平成8年までに7ケ所開設されて
おり、清川村では、平成9年4月に、社
会福祉協議会(以下、社協とする)を母
体として開設された。社協では、昭和47
年にホームヘルパーサービス事業を開始
平成4年に高齢者生活福祉センター(み
つば苑)を開設し、同年デイサービス事
業を開始、平成7年に訪問給食サービス
事業を開始している。支援センターには
社協の局長兼センター長1名、社会福祉
士1名、看護婦1名が配置され、清川村
全域を管轄している。
平成9年4月の開設から、村内の老人
保健、福祉に関する実態把握、また医療
福祉・保健における相談など、活動して
きたことを報告するとともに、今後の取
組みについて考察してみたい。
蛎麗鵡齢口砿蹄
【経過】
支援センターが開設するまでは、要介
護者及びその家族への支援は、医療・福
祉・行政それぞれのサービス担当者が、
独自の判断で実施していた。その為、ど
こにどの様な要介護者がいるのかはっき
りせず、また、村内の高齢者の状況を把
握しているのも各サービスで異なり、実
態把握することが難しかった。H9年4
月の開設後からは、支援センターが中心
となり、各サービス機関との連携を図り
情報をまとめることにした(図1)。ま
ず、高齢者サービス調整チームを充実さ
せる為、毎週水曜日に、高齢者サービス
調整チーム実務者会議を開き、情報交換
及びサービス検討などのカンファレンス
を行うことにした。会議は、診療所の医
師(1)・看護婦(2)、役場福祉課担当者(1
保健婦(2)、生活福祉センターの看護婦
(1)・指導員(1)、社協専門員(1)、ホー
ムヘルパー(2)、支援センターの社会福
祉士(1)・看護婦(1)の計13名で行い、
4月∼11月までの間、一度も欠くことな
く会議を行っている。次に、相談協力員
として各地区の民生委員、郵便局長、警
察(駐在所)の方々に依頼し各地域での
相談・状況を連絡して頂くことにした。
さらに、住民への支援センターのアピー
ルとして、毎月村の広報に「支援センタ
ーだより」を連載している。
【概況】
清川村は大分県の南西部に位置し、人
口2,749人(平成9年4月現在)のうち高
齢者数(65歳以上)932人の農村である。
(表1に高齢者の世帯状況を示す)当村
の高齢化率は、8 60年に20.9%だったが、
H9年には33.5%まで上昇し、Hll年ま
でには、37. 0%までになると予測されて
いる。県下での清川村の高齢化率の順位
は、太田村・緒方町・国見町・真玉町に
続く第5位である。(この5町村内で老
人保健施設、特別養護老人ホームのない
のは清川村のみである)このような状況
下で浦II村内の医療・福祉・保健施設は
議
鴎墓苧毒謹溌室 了滞言
つある。
­23­
(表3)
(図1)盾¦高舗サーヒス識舗
月別相談内容
■↑訓品 Z 雛 桶 悶 臆 洲 園 醗 雛 回そ州
1
5
0
馴雛
l
1
2
0
澱
在支
宅援
介セ
護ン
タ
、
認
デ
イサ
ー
ビ
ス
ホ
ー
ム サ
ヘ ー
ル ビ
ス
高
齢
者
生
活
雛類・諏月・窯
●
福
祉
セ
ン
タ
60
30
緒
方
国
保病
院
勾
。
一
←
ロ
⑤
­
○
再
寺
宇
一
陣
巳
。
。
○
­
s
■
識
雑
0
9
随
一
閲
■
0
月5月6月7月8月9月10月11
価
匝
砺
(表4)
濁
L雌」
燭
賑: 65削上 謝剛砺 噸
相談者(H 9年4∼1 1月)
圏ネハ圃誰
相識力員国難雛圃そ州
H9年4月の開設後からの相談内容(表
2)を分類してみると、介護用品や福祉
サービスに関する相談が多い。また月別
(表3)で比較してみると、開設の月は
相談件数も少なかったが、広報・パンフ
レットなどを見て相談に来られる方や、
騨
報騨奪紙懲談鱗難侵総
えた。しかし、隣人などからの相談は少
ない。8月からは、月150件を超す相談
を受けている。相談方法(表5)は、訪
問による相談が多くなっているが、これ
贈
種章手雲離使 言碧賃餓艦
きない事、また訪問すると対象者の状態
がいち早く把握できるメリットがあると
いうことが要因となっている。
(表5)
(表2)
相談内容(H9年4∼1 1月)
相談方法(H9年4∼1 1月
馴訓品2綴捕、撮洲 跡雛ロモ雌
■
●
守
。
●
■
■
C
●
●
■
●
■
■
●
P
■
●
●
600
500
。
■
。
■
。
-
P
C
P
-
。
●
●
■
,
■
、
■
I
■
I
­
­
400
300
200
100
0
­24­
話
来
所
訪
■
I
問
【活動の実際】
で立ち寄ったという事から関わることに
した。しかし、拒否されることなく笑顔
で受け入れられ、医師の往診も拒否なく、
反対に信頼する言葉も聞かれた。またホ
ームヘルパーの受け入れも良く信頼関係
もできてきた。関わるにつれ、本人の生
活の様子がみえてくると、まだ必要な援
助もあることがわかってきた。例えば入
浴はここ最近はしておらず、からだに白
癖があったり、失禁もしているというこ
とや、食事も食べる物があればあるだけ
一度に食べてしまう等である。そこで何
度も実務者会議で話合い計画の見直し、
立て直しが行われた。また、デイサービ
ス側からも、はじめは入浴だけでも利用
できるように制度の見直しをしてみる、
という前向きな意見も出てきた。
以上の様に支援センターでは相談があ
ると、 対象者からのニーズ(解決すべ
き課題)や、わかる範囲内での事情を聞
き、次に対象者の状態把握の為訪問しア
セスメント(課題分析)を行う。その後
対象者のニーズに即したケアプラン(援
助計画)の作成を行う。そして、実務者
会議に援助計画を提示し、経過説明を行
いカンファレンスで検討される。計画の
修正等行われたあと実際に、各サービス
毎に援助が開始される という流れにな
っている。しかし始めは、この体制がで
きるまで大変困難があった。今までは、
各サービスで援助してきたことが、この
体制の為に、カンファレンスで話し合っ
た後に援助を実施し、各サービス間での
情報提供、調整が必要になり常に連絡が
必要になってきた。その為、各サービス
毎に混乱が生じたりもした。
8か月を振り返ってみると、徐々にカ
ンファレンスでも意見が飛び交うように
なり、また今のままでは、十分な援助が
できないので制度の見直しが必要という
意見もでてきて、充実したカンファレン
スが行えるようになってきた。事例でも
わかるように、多くのサービス担当者が
関わる為、いろいろな情報が入るように
なり、各サービス提供者が要介護者の状
況がわかるようになった。また連携も図
れるようになった為、何度も繰り返し援
助の見直しが行われるのでよりよいサー
ビスが提供できるようになった。
現在かかわっている一例を紹介する。
氏名: T・K氏年齢:88才女性
疾患名:高血圧性心臓病・老人性痴呆症
(改定長谷川スケール: 5/30)
生活歴:夫はすでに死亡。子供無し。里
子として4人の男子を育てる。
現在独居生活。
〔相談依頼時のADL状況〕
食事・・・自己摂取は可能。しかし調理
ができるか不明。何を摂取し
ているか不明。
排池・・・行えるか不明。尿臭あり。
更衣・・・いろいろ重ね着をしているが、
いつも同じ服を着ている。
移動・・・ゆっくりであれば歩行可能。
屋内では っていることもあ
る
。
入浴・・・いつ入ったか不明。浴槽には
泥水がたまっている。風呂の
栓も開かない。(入浴は嫌い
とのこと。)
ホームヘルパーより、「痴呆症状のあ
る方が、独居生活を送っている。最近外
出もしなくなり、時々立ち寄ると、 っ
て玄関先に出てくる。援助が必要ではな
いか。」という情報が入り訪問すること
になった。初回訪問(9月上旬)では、
支援センターの説明や健康管理のため血
圧を測らせて欲しいということで関わっ
た。なんのためらいもなく測定させてく
れたが、血圧が200/102mmHgと高く、両
下肢に浮腫を認め病院に行くことをすす
めたが拒否。また「福祉の世話になるほ
ど私は悪くない」と言われた。11月上旬
訪問してみると、暖房器具もなく、菓子
の食べ後はあったが、食事をした形跡は
なかった。また血圧は200iranHg̅と変化な
いが、体動時に息切れがみられ症状の悪
化を感じた。そこで、実務者会畿にかけ
たところ、まず①里子の長男O氏(福岡
在住)に連絡をする。②診療所の医師に
診察して頂く、ということになった。O
氏に連絡をすると、直ぐに帰省され本人
の様子をみられた。また診療所の医師も
往診し、身体状況の説明をO氏にした。
O氏から、「何でもしてあげたいが、本
人が絶対に家を離れたくないという希望
が強いので、清川村内で生活するような
体制はとれないか」と相談を受けた。そ
こでO氏の意見をもとに援助計画を立案
し、実務者会議に、①ホームヘルパーの
派遣(3回/ )②訪問給食(1回/ )の開始③診
療所の往診と訪問看護(1回/ )を組み入れ
た計画を提案した。本人の「福祉には世
話にならなくていい」という気持ちがあ
った為、受け入れられないかもしれない
という不安もあり、まずは近くに来たの
【今後の課題】
∼ソーシャルアクションの展開∼
(1)村民の福祉に対する意識の向上
今後は、介護保険が導入され、福祉に対
する関心は高まると考えられる。その為
にも我々介護サービス提供者は、介護者
教室や広報などを利用し、村民の方々と
ふれあう機会を増やし、医療・福祉への
啓蒙を図りたい。
­25­
事例から在宅支援体制のあり方を学ぶ
­在宅支援における保健婦の担う役割を探る­
O佐伯市役所保健福祉推進室:高畑郁代、在宅介唆支援センター「鶴望野」:田島恵子
佐伯市役所環境保健腺:石崎真愉美、堀内あかり、西元腸代、山本玉代
本匠村役場福祉衛生風:田中洋子、蒲江町役場保険衛生課:川上小百合
長門配念病院健康管理室:冨高理恵、在宅介襲支援センター『ふれあいj:石田菊恵
佐伯保健所:長田裕美子、赤峰真由美
1はじめに(研究目的)
これまで保健婦は脳卒中や心臓病など
:発語無く妻の姿を目で追う程度
の慢性疾患や寝たきりにならぬよう一次
④ 援 助 経 過 別 紙 I 、 Ⅱ
予防を第一に考えることにより地域保健
活動に力を入れてきたが、急速な高齢化
3事例の分析及び考察
により地域に高齢者が増え、老いて生活
が不自由になった人々が介護をけながら
別紙Ⅲ、Ⅳ、V
地域で安心し、いきいきと暮らせるよう
に支援する活動が増えてきた。
4まとめ
虚弱な高齢者や障害者の介護にホーム
ヘルパーや訪問看護ステーションのよう
とがわかった。
に多職種が関わる現在、介護を受ける人
①要援護者の早期発見ができる体制づ
が最後までいきいきと地域で暮らせるよ
うにサービスを提供していくためには、
看護の視点を持った保健婦が具体的にど
んな役割を担って行けばよいのか今まで
の事例をとおして検討した。
事例から保健婦の役割として以下のこ
くり(地域医療機関からの連絡通報シス
テムづくり等)
②保健福祉サービス内容の啓発及び利用
に対する偏見の除去。
③関係機関とケアカンファレンス等を開
催し(ア)[ケアプランの共有]、(イ)[関
2事例紹介
係機関の役割分担の明確化]をする場
を設定する
①家族構成
要介護ケース(男。83歳)
④要援護者の社会資源利用状況(サー
ビス内容、頻度)の確認、整理
妻(主婦、81歳)の二人暮らし
息子夫婦は管内で別世帯
⑤サービス提供者の力量アップのための
研修の企画(事例検酎など)
病名及び既往症
高血圧症、73歳:脳卒中発作
⑥地域のネットワークづくり
82歳:脳卒中再発作
②ケースの状態
個人レベル(フライヘートサホートネットワーク)
地域レベル(ヘーシックサホートネットワーク)
食事:全面介助(刻み食)、清潔:
行政、医療機関、福祉レベル(ソーシャ
面介助、排池:オムツ使用、移動:
ルサポートネットワーク)
自力では不能、全面介助、意志疎通
­26­
5おわりに
本人や家族の生活状況を知っている保
健婦は地域の全ての住民が快適な生活が
できるように、保健・医療・福祉サービス
の中で適切なサービスの提供ができるよ
うにと支援している。
提供事例のように個別の問題を解決し
ていきながら、このような「個」の援助の
み重ねから地域全体の問題を把握しその
解決のために、不足する保健・福祉サービ
スなどの社会資源や地域ケアシステムを
つくるまで発展させていく必要がある。
のためには今後も「佐伯市の地域ケアー
会駿」のような会議をどこでも実施でき
るよう担当者をはじめ関係機関(病院の
護職等)に働きかけていかねばならない。
又、保健婦は在宅での介護が必要な人
適切にサービスが提供されるよう配慮す
る役割を果たしていくことも重要となっ
てくるので、個別のニーズを的確に把握
し、問題解決できるための関係機関と調
できる能力が発揮できなければならない
そのためにはこのような事例一つ一つ
をきちんと整理し、問題毎の解決方法を
砿にしていくことが重要と考える。
6参考文献
『ケアマネージャー養成テキストプック」
濁政和緬中央法規出版1997年
「ケアマネージメントの手法とケアプラン
山本和儀編日総研1997年
「看膜職が行う在宅ケアマネージメント」
崎絹子、島内節、内田恵美子、佐藤美穂子編
日本看護協会出版会1997年
「在宅介護支援センターに学ぶケースマネ
ージメント事例集」白穏政和編中央法規出
1994年
「住民の主体的組織活動の展開」中村裕美
他縞医学書院1996年
­27­
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医師・保健婦に連絡
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項
1 . ケ ース 発 見
◆2.アセスメンI
現状把握
◆3.連絡調圏
ケアプラン作励
佐○矛
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、
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祉や保健、医療のサービスについて知らない場合も多い。
・医療機関等と地域の在宅療養支援機関の連携が不十分
・1回目のアセスメントは、相談を受けたその日に本人、妻の状
況、病棟婦長よりの情報②③でアセスメントし、各種サービス
申請書を渡すが、嫁より母や自分への介護負担を考え⑥退院は
実現しない。その7カ月後、本人、家族、婦長と再度面会し
⑦∼⑩在宅でのイメージ⑪を伝える事により、在宅が可能とな
った
・退院後のプランを立案するため、連絡調整も同時進行する。
・ここでは、往診医、訪問看護ステーション、へルパー、福祉担
当等へ連絡調整を行い、退院直後より援助ができるよう調整し
ている。⑭⑮⑯⑰
・体調の変化により、退院延期になった時にも各関係機関へ、延
期、開始(退院日)の連絡を密にし、即応可能な状況を作って
いる。⑱⑲
I
い
つ
I
一
○
。
保 侭 婦 の : 丈骨u
̅奉唾窪百竃いか6L早期に尭兄するか
。保健福祉サービスの広報
・地域医療機関からの連絡通報システムをつく〃
・相談を受ければ即対応する→相談役での信頼関6
.現状把握(実態)を客観的に把握する
。保健婦の視点を入れたニード把握
在宅で可能な身体状況か
介護力
フォーマル
住環境
インフォーマル援助量
・連絡調整、ケアカンファレンン
機関(どこに)
主治医、ボランティア、社協ヘルパー、訪問看護
塁テーション、訪問入浴サービス部門く福服聖
家族
内容(どんなふうに)
問題点や支援目標の共有化
サービスの鯛整(ケースの状況に応じ)
専門職としての中立を保ちながら、家族、親族脳
の人間関係を調整する役割
・ケアプラン作成
ケースを含めて 、家族全体の今後の予測が見通
せる力をもてる』 うな熟練したプランナーである
こと
調査員とケアマネージャーとの連捜
ケアプラン会蟻の必要・性
(現実には無理なことが多い。その場合は
記録によるスタッフ間の連携)
◆4.ケアプラン実施、援助
・関係機関の情報の共有化…・連絡ノートの作成
・調整したサービスの実茄
連
絡
網
、
カンファレンス、緊急時の確浬
往診、訪問看護、ホームヘルパーの派遣
ボランティア派遣、訪問入浴サービス
◆5.監視、フォーローアッラ
再アセスメント
、
⑳
・問題発生時にサービスを実施している各機関と援助内容の再孫
盟をおこなっている
・モデル事業のボランティア派遣中止、息子の自宅への転居亀
状況が大きく変化する場合のフォロー*、即応Lてい黒
・要援護者の情報を他機関に伝達する。本人、家族(;
了解を得る(守秘義務)
・往診、訪問看護等の確偶
関係者による知識や問題の共有化を図る
・要援護者の社会資源利用状況を1週間、1カ月省
に整理する(サービス内容、頻度)
・援助開始時の円滑な実施がなされたかの確露
・フオローアップ(問題発生時、3∼6カ月毎等)
要援護者の状況によりニーズが変化していないズ
ケア提僕署が滴切なケア葬梶世I.了い塁か
E I I 速 呼 爪
項
E
佐○利○氏からの考察
・発熱、便秘、いびきが大冒 い 、 呼 吸 が わ か り にくい ⑳ 2 ,
病状を把握、判断1 、適切な機関へ対応をしている
.随時、主任ヘルパーとの連絡、カンファレンフ
意識統一し、関係者が同じケアができるように
・弟が別所帯で独居であり、ヘルパーが必要
・妻の心臓発作のため息子の家へ転児
麗綴要
操 侭 婦 の 神 璽 I
・ ケ ース の 病 状 の 変 化 に 即 応 で き る 判 断 能 力
・本人の状態に応じて、各関係機関との連絡調翌
b
l
塁
墨
H
介護者不在になり、家族の協力で在宅生活が継舗
・妻が嫁への介護不満、嫁も自由がない,母と合わないとの不満
介護の長期化による家族の不満があり、介護者の相談刺
q
になっている
.ショートステイをすすめZ
24時間介護から家族が解放され、介護者の不満を和らげ
◆6.ケアプランの修正
(見直し)
|
望
・モデル事業終了、ボランティアの派遺中止
・本人家族がそれぞれに持つ問題点(ニーズ)を明研
にし、家族全体をひとつの単位として援助する
・家族関係の調翌
夢 ・必要な社会資源の活用を図暑
フォーマルサーヒスの量が減…、家族の介護量が増寡
過ぎないように各機関と調整している
・介護が継続可能かの判宙
介護の質を落とさず介護が継続できる支援体制を
整える
別 紙 V
項
、在宅療養者に対す易
フォローシステムの構勇
ニーズを満たす社会資源a
開契
事例からの考察
対
閑
罰題点
1.住民や利用者の意識が低い(サービス利用者の蹟踏感、誤・
たサービスの理解〕
2.相談役の能力(相談役の能力により、要援護者の援助内容が
異な層
1.利用者意識の改革として、福祉サービスの広報
利用に対する偏見を無くす教育
exヘルパー研修、介護教室など(専門職、一般住民
介護、高齢者についての学習(学校教育)
介護の心構えや方法、保健福祉サービスの周曳
(利用者本人、家族:
2.スタッフ、チーム研修
チーム間での力量アップのため研修のリーダー的
役割をとる
保健婦、関係機関スタッフの研修を行う
ex介獲関係、社会資源等広い知識をもつ
関係機関との連携方
3.地域ネットワークの不備(連絡調整の不備、信頼関係が薄い)
処彊困難ケース(相談者のみが抱え込む、現在のサービス利月
しかできない〕
四
画
I
:
3.地域のネットワークづくり
①個人、地域レペノI
要援護者の発見
民生委員、自治会、ボランティアなど地域団付
の役員、メンバーなどの小地域の生活者
相談を受け、鯛整する場所へ紹介する
福祉事務所、市町村の保健福祉部門、支援セン
ター等
各関係機関と常時連携をもつ
②市町村レペル
ケ ア カ ン フ ァ レン ス
処遇困難ケースの検討(実務者会議1
処遇困難なケースの累積的検討と地域計画
作 成 ( 代 表 者 会 議 )
計 画 の 実 施 ( 市 町 村
当院における在宅ケアサポートシステムへの取り組み
医療法人帰巌会岡本病院○赤嶺清子甲斐千鶴江
神 田 浩 子 阿 南 宏 美
豊 嶋 智 恵 岡 本 雄 三
1)はじめに
今、保健・医療・福祉の統合があちこちで流行
言葉のように叫ばれていますが、はたして私達医
していくようにしている。
1年以内に一般病床(25)療養型病床群
療従事者はそれに対して真剣に取り組んで来たと
言えるだろうか?いまだかって、医師会と看護協
(45)ミニ老健(25)のケアミックスを
完成し、急性期医療から慢性期医療、施設ケ
アから在宅ケアへの統合を実現する予定であ
会をはじめとする各種コメディカル会員との話し
る。⑥歯科の併設
合いや統合が試みられたことがあっただろうか?
しかし保健・医療・福祉の統合を最も必要とし、
一番に望んでいるのは病弱者や老人である事を私
マウスケアによる肺炎の予防、阻
力の増進
は病弱者の活性化に極めて効果的である。
達は認識しなくてはならない。このような観点か
⑦リフォームチームの結成
ら私達の病院では、少しでも医療と福祉の統合・
在宅ケアをすすめる為にはキメの細かい家庭
連携をめざして、急性期または維持期医療、施設
ケアから在宅ケアベと一貫し継続したケアの統合
と病院機能の充実をはかって来た。今回は私達が
内のリフォームが必要であり有効である。
3)病院機能改善への取り組み
取り組んできた病院機能改善の内容と、地域リハ
ビリテーションの実現について構想を述べ、併せ
て各位の御批判を仰ぎたいと思う。
①労務管理を重視した病院改築
②追い出しでない在院日数の短縮
③外来機能の充実(休日のない外来)
④在宅ケアサポートシステムの確立。訪問看護
ステーションにヘルパーステーションを併設
2)病院の多機能性への取り組み
24時間体制をめざす。
①救急医療体制
救急告示による24時間急患の受け入れ態勢
⑤ケアミックスとしての老健施設の役割
を強化、特に重症の高齢者救急に対処してい
⑥節度あるデイケアの拡充
る
。
⑦在宅介護支援センターの活用
⑧リハビリ機能の充実
②訪問看護の取り組み
当院では保険医療費の制定以前から訪問看護
に取り組み、半径30k回以上のアクセスの長
4)病院職員の意識改善への取り組み
①病院機能評価委員会を設置
い訪問を特徴としている。
②院内・院外教育の充実
③海外研修
③運動療法施設の強化
広いリハジムの中でPT・OT及びマッサー
④病棟リハの実践
⑤ねたきり0作戦
ジ師との連携を強化。病棟リハ、訪問リハの
確立を目指している。
⑥全員食介
⑦カンファレンスとミーティングの強化
⑧皆に読まれるカルテの記載方法
④在宅介護支援センターの併設
地域内の様々な医療・保健・福祉にかかわる
社会資源をポーダレスにコーディネートして
いる。
5)病院多機能性の紹介
⑤病棟のケアミックス
G
患者食堂を開設し、療養型病床空間で一般診
療を展開し、昼間は出来るだけベッドから離
­33­
図.
I参照
図
I
病院の多機能性
寝たきり状態の改善に対する為、パラメディカルの意識改善、救急告示病棟整備、性
⑳診、訪問看護、ディサービス、介護支援センター、転床ミニ老健等、多科高機能病院
に対し、単科であっても高齢化、多様化する病像に対処できる様、多機能性を具備す
る事を目指し実践している。
訪問リハ
tr
ot活動
I 歯 科 ケ ア
1 理 美 容
単 デ イ ケ ア
科
多 短 期 入 所
機
能 ミ ニ 老 健
病
院綻帽娘セン
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三
単科多機能病院及び診療,リテ
診療所.小病院
多科高機能病院(総合病院)
訪問看護
救急
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科
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多科高機能病院一一一一一一一
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脳
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科
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:
6)まとめ
クライアントのゴールを施設ケアから在宅ケア
に設定する場合、病院内の各セクションが1人の
クライアントに対して同じ目標に向かって取り組
む事が必要になってくる。だが、小さな病院内で
すらケアパッケージの連携を取り合うことはなか
なか難しいのである。試行錯誤の中から「ケアー
連携ノート」を作成しカンファレンスを重ねてク
ライアントのゴールを見直すことで各部署のモチ
ベーションが十分に発揮できるようにしたい。
院内の連携も難しく、地域の行政、医療機関、
多職種の団体、民間企業の連携統合はさらに困難
な事ではあるが、これからはそれが至極当たり前
の様に要求される時代であることを各自が理解し
て、病弱者や老人が自分の住んでいる所で何時で
も満足できる医療やリハビリを受けられるような
所謂地域リハビリテーションの実現に努めて行き
たいと考えている。
­35­
訪問看護における痴呆老人の対応
大分赤十字訪問看護ステーション
中谷公子
訪問開始時は、会話が可能だがつじつ
まの合わなし庫が度々あり、物事への関
心があまりなく、促されれば何かをする
程度。失見当識があるため、長女は怒っ
たり否定的な事を本人に言っていた。
対応の実際
・本人へのアプローチ
①日常会話を通して、本人の関心や
意欲を引き出す。
②トイレ、洗面所、お風呂などのド
アの色と形が同じであったため混
乱を避けるように、目線の高さに
文字で表示。
③転倒防止のために、トイレと廊
下に手 りを設置。(市の日常生
活用具給付を利用)
④車椅子で外出できるよう購入柿
の日常生活用具給付を利用)
⑤散歩や買い物の外出を促す。
⑥デイサーピスの紹介
・長女へのアプローチ
①痴呆老人の接し方について、具体
的な方法を説明
②トイレ、洗面所などの使用が間違
いなく出来ているかの確認する。
③デイサーピスの紹介
④長女宅との連絡にセンサーホンを
自費て設置。
*日常生活用具の給付手続きについて
は、電話蓮終で在宅介護支援センター
が代行してくれた。
デイサーピスは本人も長女も利用を希
望しなかった。車椅子も購入したが、本
人が「他人に車椅子に乗っているのを貝
られるのが恥ずかしい。」との言葉があり、
働きかけたが利用されていない。
センサーホンを設置したが、長女は日
中ほとんど側に居ることが多く、夜間賞
醒する事がなかったため、全く使用され
ていない。
長女は介護に専念しているが、夫や態
の協力も時々あり、本人も自分の自由ね
時間を見つけ、束縛されない息抜きの時
を持っていた。最近は不穏状愚もなく長
女も、情熱を持って介護している。
I.はじめに
当ステーションは開設4年目を迎えて
います。利用者の多くは65歳以上の
老人で90%を占め、そのうち原疾患以
に何らかの原因で軽度から中等度の痴呆
があり、介護を必要とする人が35∼40
%位います。
利用者40名中65歳以上の人は、12
月末現在で36名、痴呆症状のある人は
15名(男性4名、女性11名)です。
訪問看護では、本人や家族の意向に
沿っての対応が望まれますが、痴呆症
状のある人は本人の自覚が少なく、介
者はとう対処していいのか分からず、
介護負担が多く不安や混乱をおこして
います。そのため本人の援助より介護
者の援助が多い。
在宅ではそれぞれの事情があり、対
応方法もさまざまさす。今回介護者の
背景の違う痴呆のある人の対応を通し
て、共通する問題と今後の対応につい
て示唆されたので報告します。
Ⅱ、訪問看護ステーションの対応方法
1)痴呆症状に対する対処方法の指
導
2)介護指導
3)日常生活指導
4)福祉サービスの紹介
5)在宅介護支援センターとの連携
6)介護ショップとの連控
Ⅲ、ケースを通しての対応の実際
くケース1>
K、H氏、87歳女性一人暮らし
病名:高血圧症、軽度痴呆
寝たきり度Ⅲ. NMスケール21点
症状:物忘れ、失見当識、生活意欲の
低下
介護者:隣接家屋に住む長女53歳
訪問期間:平成8年8月∼現在
訪問依頼の内容:痴呆症状があり自宅
と病院の区別がつかす、室内で転倒、
受傷、不安に思った長女からの依頼。
­36­
<ケース2>
T・S氏、77歳女性,夫と二人暮らし
病名:脊椎骨粗髭症、高血圧症、脳
塞後遺症(麻揮なし),軽度痴
呆
寝たきり度Ⅱ, NMスケール32点
症状:物忘れ、無表情、生活意欲の低
下、家事能力の低下
介護者:夫83歳、高血圧症
訪問期間:平成8年1月∼平成9年
12月
訪問依頼の内容:元気だった妻が貧血
のために入院入院中に痴呆症状が出
心配になり自宅に連れて帰ったが介護
に困り宇治疾の依頼で訪問。
訪問開始時は、ベットに横になてい
る事が多く、何を聞いても「わからな
い、忘れた。」という。働きかけても
「何も出来ない。」と言い無表情の事
が多く意欲が見られなかった。
対応の実際
・本人へのアプローチ
①積極的に会話を持ち、意欲を引
き出すよう働きかける。
②身の回りの事で出来ることを探
し、実行出来るよう働きかけた
③起立・歩行訓練などのリハビリ
を室内で一緒に行う。
④入浴サービスの利用
⑤デイサービスの紹介
・夫へのアプローチ
①ベットより起きて、行動する事
が出来るような具体的な日常生
活動作の方法を一緒に考え指
襲
②起立・歩行などのリハビリプロ
グラムの作成を一緒に考え、協
力を得る。
③家事指導
④デイサーピスの紹介
夫は妻に対して「とにかく歩けるよ
うにしたい。」という目標を立て、訪
問看謹婦に積極的に介護方法を聞いて
それが実行できるように努力を惜しま
なかった。
リハビリについては、まずパットか
ら離床するだめに、洗面・食事が自分
で出来るように働きかけ、本人がトイ
レに歩ける事を目標に毎日訓練プログ
ラムを実行した。
入浴は入浴サービスを利用していたが、
介助で歩行可能となり、市の日常生活用
具給付でお風呂に手 りを付け、夫の介
助で自宅で入浴が出来るようになった。
夫は妻の回復を願って、介護に関する
事を何でも学ぼうと積極的な姿勢が見ら
れ、食事があまり食べれなかった妻の為
に、食事の献立や調理法についてよく聞
いてきた。
物忘れは持続しているが、夫の熱意に
よって本人の意欲も出て、身の回りの事
が少しずつできるようになった。これら
の場面をみて、訪問時夫の介護方法とそ
の実施内容を、上手く出来ている事を認
め誉めていく事で、在宅での生活に自信
が出来てきたようである。
訪問時に戸外の歩行練習を組み入れ実
施した。これらの働きかけが引き金とな
り歩ける楽しさを本人が実感し、買いた
い物が思い浮かび、一緒に買い物までで
きた。さらに自分から何かをしようとい
う意欲が出て、一人で病院までも通院出
来るまでに回復した。夫の介護負担は軽
減し現在訪問は終了している。
<ケース3>
1.H氏、82歳、男性、妻と二人暮らし
病名:パーキンソン病、脳血管性痴呆
中等度痴呆
寝たきり度Ⅲ. NMスケール18点
症状:物忘れ、無表情、失見当識、調妄
牛活萱欲の低下
介護者:妻75歳、高血圧症、坐骨神経痛
訪問期間:平成7年7月∼現在
訪問依頼の内容:妻も一緒に入院してい
たため退院時に、在宅での生活に不安が
あると病棟婦長よりの依頼。
訪問開始時は、尿失禁があったが一人
でのトイレ歩行は可能だった。会話は殆
ど出来なかったが、調子のよい時は冗談
を言ったり、笑ったりしていた。妻は高
Iftl呼症と坐骨神経痛で治療中のため、介
護に専念出来ない。失見当識や夜間謂妄
があり、妻からは否定的な言葉や悲観的
な言葉が聞かれた。
妻の調子が良い時は、夫の調子もよい。
対応の実際
・本人のアプローチ
①言葉が出にくい状況であったの
­37­
で発声練習
②室内の歩行訓練
③福祉サービスの利用
緊急通報システムの設置
日常生活用具給付で電動ベット
の購入
④デイケアの利用
・妻へのアプローチ
①妻の健康管理
主に血圧測定と症状観察
②夫との会話が少なく、妻の思
いを充分語れる場とした。
③ホームヘルパーの利用
④介護用品の配送サービスの利用
⑤シヨートステイの紹介
妻は夫の介護の必要性は理解してい
たが、自分も治療中であり、健康に不
安を抱いていた。訪問する時は、まず
妻の健康状態が安定している事を確認
し本人を安心させ、介護に対する不安
や心配、困った事などの聞き役として
対応した。妻は自分の感情を表すこと
ことで、自分自身の思いを摂り返る掲
となり、気持ちの切り替えが出来、問
題を自己解決していった。そして介護
にたいしての新たな方向性を見つけ出
していた。
夫婦の意思疎通にコードレスチャイム
を利用している。この事は妻に夫から目
を離せる時間を作る事になり、安心し
家事等に専念できた。
介護疲れを考え、シヨートステイを
勧めたが、妻の夫に対する思いは、「何
も出来なくても側に寝ているだけで安
心出来る。」というものがあり、1回
の利用で止めてしまった。
夫の病状は少し進行しているようだ
が、妻の病状は安定しており、近隣の
元民生委員の人の援助もあり介護負担
は少なくなっている。
訪問依頼の内容:退院後自宅に帰るが、
昼夜逆転があり、一人暮らしのため心配
した家族よりの依頼。日中うとうとして
いる。会話は時々つじつまが合わなし鴎
もあるが、話はできる。夜間は覚醒し、
訴えが多く、側に誰か居ないと大声を出
したり、泣いたり不穏状態がある。
対応の実際
・本人へのアプローチ
①日常会話を通し、意欲や関心のあ
る事を聞き出す。
②デイケアの紹介
⑧車椅子での散歩や外食を試みる。
④関心を持った音楽のテープを聞け
るように準備
・介護者(家政婦)へのアプローチ
①睡眠パターンの把握を依頼。
②日常生活指導
③介護者の介護方法を確認し、介護
内容を認める。
昼夜逆転・幻覚・妄想の症状があり、
介護者の負担が大きし津を考え、精神科
医師が眠剤の使用を勧めたが、家人の希
望で使用していない。そのため日中の生
活が規則正しくなるようにプログラムを
作成し、「目覚めている。」状態が長くな
るよう配慮した。又車椅子での散歩など
外出の機会を多く持ち、外の刺激を取り
入れた。
最近は昼夜逆転があるが、夜間の不穏
状態は少なくなり、本を読んだり、音楽
を聞いたりして過ごしている。家政婦さ
んは側で眠ることが出来るようになった。
2週間に1回内科医師の往診があり、
身体的な訴えがなくなり、介護負担は軽
減している。看護婦の役割は家政婦さん
が行っている介護内容が充分である事を
確認し認める事で安心につながっている。
<ケース4>
G、Y氏、88歳女性、一人暮らし
病名:脳血管性痴呆、高血圧症、心不
全、中等度痴呆、
寝たきり度Ⅳ、NMスケール16点
症状:昼夜逆転、讃妄、幻覚、失見当
識、家事能力不能、
介護者:家政婦60代
訪問期間:平成9年10月∼現在
­38­
これらの4つのケースを通して考えて
見ると、以下の共通する問題点が明らか
になった。
1)痴呆という事はわかっているが、介
護の方法が分からす、介護者に精神
的・肉体的ストレスがあり、介護を
重荷と感じている。
2)行っている介護内容がよいのか相談
できる専門的な人が欲しい。どこに
相談していいかその窓口を知らない。
3)介護負担が軽減できるような福祉サ
­ビスの利用法とその窓□を知らない。
Ⅲ.まとめ
今回の対応を通して、介護者の気持
ち、介護を受けている人の気持ちを充
分に理解したことで、介護者は安心し
て在宅での介護を続けることが出来る
ようになっている。
介護者からは、訪問看護婦に対して
「専門的なアドバイスを貰えて嬉しか
った。自分のしている介護が良かった
と認めて貰え、誉められ、励まされた
ことでこれからも頑張れそうです。来
て貰えるだけで安心出来る。」などの
評価を得た。
今後は
①訪問看護婦は更に痴呆についての
理解を深め、アセスメントができ
る事が必要である。
②症状によって判断できにくい事に
ついては専門医との連携をはかれ
る事が必要である。
③訪問看護婦と他職種との連携を図
りながら、介護負担を軽減できる
ようなサポート体制作りが必要で
ある。
<参考文献>
1)訪問看護研修テキスト,日本看護
協会出版会,1 5
2)日本版在宅ケアにおけるアセスメ
ントとケアプラン、平成9年改定,
日本訪問看護振興財団,1 7
3)メンタルケアナーシング* 97, V0L3
N03.日総研
4)訪問看護と介護. VOL2, NOll医
学書院,1997
5)ぼけ老人とともに,婦人生活社. 1996
6)高齢者のための保健福祉ガイトブック
大分市. 1994
­39­
当院における在宅医療の現状と、介護力の検討
佐賀関町国保病院在宅医療部
訪問看護部
○米野寿昭
宮田和子
上野幸子
1、はじめに
長松宣哉
姫野桂子
岩屋登美子
対象患者数の年度別推移
北海部郡佐賀関町は大分市の東隣りに位瞳する
人口約14000人の小さな町である。高齢化率
60
は現在約26%であり、今後も急速な高齢化が予
0
3
3卒
測され、その対策が模索されている。
30
当院では、平成5年より訪問看護というかたち
77
­
2
で在宅医療を開始した。対象患者さん2人からス
0
タートし、本年1月現在約50人を在宅で診療し
1
0
ている。院内では在宅医霞部・訪問覇凄部として
0
独立した部門となり、担当医師と専属看獲蝿4名
981994199519961997
が配置されている。
今回は当院での在宅医
の現状を綴告し、各患
在宅患者の性別・年齢
者さん毎の介護力について検討してみた。
性
別
2,在宅医療の現状
一
60才未潰4%
対象患者さんの内訳は、男女別では女性の方が
少し多かった。年齢別では80歳以上の方が過半
男
男44%
数を占め、90才代の方も数名いた。60才代、
女56%
70才代は少数であった。
患者さんの主たる疾患としては、脳神経系疾患
(大半が脳血管障害)が全体の3割を占めた。次
いで高血圧、心臓病などの循環器系疾患が多く、
在宅患者の疾患・痴呆の有無
以下呼吸器系疾患(在宅酸素療法6名)、運動器
系疾患(いわゆる整形外科的疾患)の順であった。
主 た る 疾 思 痴 呆 の 有 傭
約4分の1の方に痴呆を認めた。痴呆があると
在宅医療が非常に困離になる。
対象患者さんの日常生活自立度を、厚生省の寝
たきり度判定基準によって分類してみた。ランク
』.A・B.Cの4つに分類され、ランクJは自
立した生活を送れる方、ランクAは準寝たきりの
方、ランクB、Cは寝たきりの状態の方で、Bは
坐位が可能な方で、Cは完全に寝たきりの状態の
方である。特にランクCでは家族による介護のみ
では在宅療養が困態であるとされる。我々の対象
患者さんではランクJ.
で、ランクB.
在宅患者の日常生活自立度(寝たきり度判定基準)
Aの方が約3分の1ずつ
Cの方がそれぞれ6分の1ずつで
あった。
3,月間予定表
我々は、月間予定表をたてて在宅医療を行って
いる。これはある85才の独居の女性の昨年9月
のものである。原則として2週間が1つの単位で、
­40­
ランクJ:生壁画壷
何らかの■唇を有するが、Br生嚢
はほぼ自立しており敏力で外出する
ランクA:単裏たきり
■内での生濁は侭ね日立していが.
介助なしには外出しない
ランクB:■たきり(全位可》
■内での生活は何らかの介圃そし、
日中もベッド上での生活が主体であ
るが皇位を保つ
ランクC:完全寝た台り
1日中ベッドで過ごし.働竃、食
事、君曽えに⑥いて介助を頂する
それを繰り返している。内容は、医師の訪問診察
月間予定表
が2週間に1回、訪問看護が週にl∼3回、リハ
ビリが2週に1回である。医師の診察やリハビリ
は病状によっては回数を増やしている。さらに、
町立病院では町の福祉部門と連携をとり、ホーム
ヘルパーやデイサーピスとの日程を調整してスケ
月
火
1
■亘自
2
ヘルパー
8
■■尚
1
5
筏日
ジュールを作っており、訪問日がなるべく重なら
ないようにしている。
2
2
■■局
入浴
2
9
■■侮
入
4、緊急時、入院時の対処
水
木
金
土
日
3
4
5
6
7
ヘ ル パ ー 医 向 ■ ■ ■ デイサーピス
投畠
9
1 0 1 1 1 2
1 3 1 4
ヘルパー リ ハ ビ リ ■ ■ ■ デイサーピス
ヘルパー
16
1 7 1 8 1 9
Z O 2 1
ヘ ル パ ー ■ ■ ■ ■ 周 デイサーピス
君■■
ヘルパー
投■・揮血
23
2 4 2 5 2 6
2 7 2 8
裡日
リ ハ ビ リ ヘ ル パ ー ■ ■ ぬ ディサーピス
3
0
ヘルパー
医師、看護婦は携帯電話を持って移動している。
平成9年9月
患者さんに問題が生じた場合、緊急連絡がとれる
ようにしている。訪問診療中に連絡を受け、その
まま患者さん宅へ急行することも何度か経験した。
急性増悪時など在宅で対処できないときは入院治
擁となる。入院中は在宅のスタッフが病棟に訪問
し、患者さんとのコミニュケーションと退院後の
在宅介穫スコア
ための情報収集を行い、スムーズな退院・在宅医
1
介
冨
官
は
痢
日
O
■
鷹
2 介 ■ 君 の 専 念 不 可 ■ O 可 ■
3 介 厘 を 代 わ 札 る 者 い な い O い る
4 公 的 年 金 以 外 の 収 入 な し O あ U
5 ■ 宥 の 膚 宣 な し O あ り
6
住
宅
■
0
回
宅
7
食
事
介
助
0
回
立
8
使
介
助
O
目
立
9
■
衣
介
助
O
目
立
1 0 ■ 内 移 ■ 介 助 0 回 立
1
1
入
洛
介
助
0
回
立
1 2 巧 車 画 蛮 ■ 官 介 助 O 自 立
1 3 具 竃 行 ■ あ り O な し
1 4 廓 ① 輯 回 あ り O な し
1 5 介 助 宮 の 介 哩 ロ = 不 良 O 普
2 良 好
1 6 ■ 暑 の ■ 寅 ■ 彼 不 良 O 曽 遍 1 良 好
療の再開ができるよう努めている。
5,在宅介護スコア" (家庭内介護力)
在宅医擬を行う場合、家庭内での介護力を必要
とする。いくらスタッフががんばっても、家庭内
で世話をする人がいなければ、在宅医療は成り立
たない。そこで家庭内での介護力を在宅介謹スコ
ア を 用 いて
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
4
2
台 針 在 宅 介 展 ス コ ア 貞
絃昼庭田介■・在宅介裏(11点以上なら在宅介厘可飽)
価 して み た 。 2 0 点 満 点 で 1 0 点 以
下では家庭内介護力不足のため、在宅疲養が困難
であるとされる。項目別には、介護者の状況、経
済状況、衣食住、排池の問題、移動、入浴につい
て、痴呆の有無、病状、そして介護者の意欲や患
者の闘病意欲などから構成されている。
地域介塵力スコア
6,地域介渡力スコア圏' (社会的介護力)
1旺済的支擾(介■観助手日、■たBり竃人手自、介■保険桧付など》
月1万円未到0月1∼3万円0.5月3万円以上1
2人的支■、介■・家車ヘルパーなどの澱遍伏現(早日壱1■》
遍1■束濁0■1∼2回0.5通3∼5囚1.0画6■以上1.5
3ソシアルサポート.■戚・友人・知人などの防同、手伝い
1口以下O毎浬必ず厘か見■い、手伝いにくる0.5
4劫同■裏
道1日牽湧0週1∼2田0.6 3日以上1
6かかりつけ■の定鳳往は
月1■未漬0月$■0.5月2■以上1
6扇、入所入院《痢状色変やあなシ日一トステイにすぐに封是で臼るか)
■■ありO容呂に対応可■1
7シ■一トステイ 用状況
年1日豪濁0年1∼Z目0.5年3∼5回1.5年6■以上2.0
8デイケアの脚用状況、1■■の回欧
■O■1∼2日0.5週3■以上1.0
9入浴サービスの 用自歓
月1日牽質0月1∼2■0.5月3四以上1.0
10血治体からの曲的屋助利用.介■撞固の畳助貫与・おむつの支姶など
■O判用あり0.5
家庭内の介護力(在宅介護スコア)が低い場合、
これを補うものとして社会的な地域介護力がある。
地域介獲力スコアは地域社会ができる機々な支援
をスコア化したもので、経済的支援、人的支援、
ソシアルサポート、訪問看護、医師の訪問診療、
緊急入院先、ショートステイ、デイケア、入浴サ
ービス、自治体からの物的支援などから構成され
ている。在宅介穫スコアと地域介護力スコアを合
計した点数を総合介護力を考え、10点以下では
縁台介塵カー在宅介属スコア+地域介塵力スコア
在宅医療が困難とされる。医師、看護婦の訪問は
地域介獲力スコアの一部分に相当する。スコアの
低い方では、少しでもスコアを高められるような
プランを組んでいる。
41
7,総合介護力
在宅介塵スコアの低い症例
対象患者さん約50名に対し、在宅介護スコア
在宅介塵スコア+地壊介窟カスコア
を計算してみたところ、約7割の患者さんは11
在宅介薗スコア
点以上で、スコア上問題がなかった。逆に約3割
の患者さんはスコアが10点以下であり、家庭内
での介護力が低く、在宅医療に問題があると考え
られた。このような方々は全部で16名おり、そ
れぞれのケースで地域介護力スコアを加えた総合
介護力を計算しグラフ化してみた。社会的な介護
123O5678910W12I3Fイ芯16
力の支援を加えることで11点を超える者が大半
口在宅介■スコア函地域介■カスコア
であったが、5名の方々は総合介獲力が低く問題
であった。
8、縫合介護力の低い症例
縫合介護力の低い症例
問題のあった方々は5名で、個々の経過を検討
してみた。スコアが低いだけではなく、実生活に
問題が多かった。
在宅介冨スコア亀域介■スコア ▲五一4
主たる廓名
■過
ー
Y.Wさんは家人とのすれ違いから痴呆が進行し、
原疾患が悪化し入院になった。その結果、生活自
立度ランクJがランクBに下がってしまい、寝た
きりに近づいてしまった。
1
畑呼
訓野
副鋤
湖涯
面却
S.Mさんは、肝硬変で入退院を繰り返している。
1
1
I
1
1
口里宮■呆
ランクJ
肝硬変■呆
ランクB
■垣室
ランクC
画毎宮■呆
うンクB
厘厘室■墨
ランクB
■イレウスにて入院
ランクBになった
入 院を■U す
ショートステイを
侭日に間用
竃人係■黛殴入所
算良にて入艮
ランクCになった
詞
0
2
4
6
8
IC 7
2
高齢で重度の基礎疾患があるのでやむを得ない。
S.I氏は頻回に、ほとんど1カ月ごとにショー
トステイを利用されている。介護を担当しない長
男が施股入所を強硬に反対しており、これが現実
もらうことである。そして、なるべく少ない医療
的な対処である。
行為でそれが維持できるように努力している。
T.Hさんは家族と相談の上、老人保健施設に入
生活に問題をかかえていれば、いくら積極的な
所していただき、家族も本人もずいぶんと元気に
医療行為を行っても、病状は不安定になりがちで、
なった。やはり、在宅療養が困難なケースであっ
悪化し入院すれば、生活自立度が低下してしまう
た
。
T、T氏は非常にスコアが低く、急性上気道炎か
事が多い。
ら肺炎をおこし入院になったところ、あっという
介護力がある程度より低い方を自宅で療養してい
くことは、問題が多く避けるべきである。社会的
間に生活自立度が低下し寝たきりになってしまっ
た。当分退院できそうにない。
今回は、介護力をスコアを用いて検肘したが、
介護力で補える部分には限界があり、現状では介
総合介護力の低い症例は、病状が悪化して入院
膜的な施設に入所することが妥当であると考える。
介護保険が平成12年に開始されることが決ま
になったり、介獲上の問題で施設入所したりで、
結果的に在宅医療が良好に継続できていなかった。
った。佐賀関町では当院がその一部の業務を引き
受ける予定である。この制度ですべての問題が解
9,考察
決できるわけではないが、高齢者の人生の一部分
病弱な高齢者が自宅で生活する場合、家庭内で
の質的充実を目傑に、当地における在宅医療をさ
の生活介助、つまり、食事、排池、入浴、そして
らに発展させていきたい。
暇な時間の過ごし方などが大きな問題となる。日
本では以前は医師による往診と家族による介護と
いう形の在宅医溌が存在した。現在ではごく一部
参考文献
1)宮森正他:「在宅介謹スコア」HOME
の老人のものになってしまった。そこで看護・介
CARE
護を含んだ在宅医療が必要となり、ついには国の
月間地域医学5(1):670­675
制度としての介護保険にまで発展した。
SCOREの提案,、
2)飯島克巳他:この一冊で在宅患者の主治医
になれる,南山堂
我々の目的は、病気を治すことではなく、安定
した病状を維持することによって生活を楽しんで
­42­
平成9年度高齢者サービス体制整備支援事業(モデル事業)を実施して
大分市保健所○仲西きよ子
坂 本 文 子 中 宗 三和 子
木 崎 美 穂 生 野 裕子
【はじめに】
【調査員の構成(大分市)】
介護保険法が成立し、平成12年施行
に向けて各自治体では準備が進められて
いる。
高齢者サービス体制整備支援事業は、
平成8年度は国のモデル事業として県下
3地域で実施された。それをふまえ、今
年度は各福祉圏域毎、県のモデル事業と
して実施されている。大分圏域(大分・
挟間・庄内・野津原・湯布院)の調査員
としてこのモデル事業に携わり、要介護
認定に関する様々な課題のあることを感
じ、また、市町村保健婦としてどのよう
な役割を担って行かなければならないか
考える機会となった。今回、より多くの
関係者の方と要介護認定のあり方につい
て考える機会となればと思い、大分市の
実施状況を報告する。
在宅介護支援センター保健婦3名
看護婦1名
社会福祉主事1名
介 護 福 祉 士 1 名
大 分 市 保 健 所 保 健 婦 1 名
【調査対象者】()は大分市
大分圏域対象者150名(93名
要介護度認定者144名(87名
6名は主治医の意見書未回収の
為認定を受けていない
【訪問調査時間】
調
査
時
間
4
3
(最長調査時間200分)
(最短調査15分)
事 務 処 理 時 間 3 8
移
動
時
間
2
5
総 処 理 時 間 1 0 6
【大分市の概況】H,9.10.1現在
人 口 4 3 1 , 9 1 0 人
6 5 歳 以 上 の 人 口 5 4 , 8 9 6 人
在 宅 寝 た き り 老 人 4 1 2 人
高 齢 化 率 1 2 . 7 %
特 別 養 護 老 人 ホ ーム 1 1 施 設 7 9 0 床
老人保健施設12施設1,017床
在宅介護支援センター16カ所
訪問看護ステーション12カ所
分
分
分
分
【介護サービス計画作成平均所要時間:
課 題 分 析 1 1 7 分
介護サービス計画案作成91分
サービス担当者会議資料作成50分
サ ー ビ ス 担 当 者 会 識 9 7 分
会議後の計画作成時間等85分
【モデル事業の流れについて】別紙参照
【調査員の事業実施経過】
9.10.28調査員事前研修3時間
10.30∼11.5対象者の選出
協力依頼と同意書を得
る為の訪問
11.5∼12.5認定調査訪問の実施と
報告
11.27∼12.25要介護認定審査会出席
4回
10.1.7∼1.14モデルサービス担当者
会議(ケアカンファレンス)開催
サービス計画作成と報告
一件あたり
【大分圏域の要ヅ
ニ次判定でq
二
次
判
定
璽 介 岨
凸
I
■
日 皿
鐸 ロ ゼ
ー
、
!支獅
次 理
判
定 介
脳
1
6
肘
壷更肴I
­43­
I
I
6
I 1' B
I(
2 8
121 2
:20
4 3! 2
2
10 1 1 1
0
1
1 1 2
0
4
Ⅱ
句 0
適
再&
3 4 5査自 小
ロ
I
1
l
可
3
3
6
3
7
2
3
144
6
4 ∼
劇
合創
。
』
d
p
q
3
36
3
7
2
3
144
【在宅者のサービス利用状況】
①在宅者42名について、月平均のサービ
ス利用状況を見ると、要介護度が高く
なるにつれ、利用回数は少しずつ高く
なっている。(図1)
②サービス利用内容をみると、要支援.
要介護度Iの人は主にヘルパー派遣や
デイサービス・デイケアを、要介護度
Ⅳ∼Vの人は訪問診療・訪問看護を受
けている割合が多い。(図2〕
【大分市の要介護認定対象者の内訳】
在
宅
4
2
名
特別養護老人ホーム.23名
老 人 保 健 施 設 2 2 名
判定基準別対象者の状況
I
人
正
Ⅱ
8 Ⅱ
b Ⅲ
I Ⅲ
a ­ B r
一
Ⅲ
一人平均サービス利用回数(図1
雲
圭
要支優
対象者のうち、痴呆のある人は
51名(58.6%)だった。
要介 ■ 度
要介 田 度 Ⅱ
要介 国 度 Ⅱ
要介 風 度 Ⅳ
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要介 ■ 度 V
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要介護度別サービス利用状況(図2
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…
回肪問診寂
■肪問君厘
圃ヘルパー派遺
圏入浴サービス
■デイケアサービス
白檀能、彼
/
7
介護報酬単価が示されていないため、
今回は現在受けているサービスの利用料
の算出は出来なかった。しかし、軽い認
定を受けた人の中から、自己負担が増え
る為ヘルパー派遣やデイケアを受ける回
数が減り、在宅療養が難しくなる対象者
が出てくる可能性もある。今後、介護認
定を受けた後も現在受けている必要なサ
ービスが継続出来るかどうか、事例を追
って検討してみる必要がある。
­44­
【問題点と今後の課題】
1.認定調査について
①聞き取りをした後に動作を再現しても
らうと調査結果にくい違いが生ずる事
があった。動作の再現を求めるかどう
かは調査員の判断に任されている為、
調査方法により差を生じやすい。
②生活の状況をふまえ、在宅と施設では
質問の内容を変えた方が良い項目があ
る。例えば「火の始末ができるか」
「調理ができるか」など
③意志疎通の困難な対象者の場合、理解
の程度を正確に把握する事は難しい。
「判定不能」「行っていない」を追加
するなど、何項目かについては選択肢
の検討が必要である。
④用語の定義や判断基準となる範囲が示
されていない為、調査員の見方、考え
方で調査結果に差が出やすい項目があ
る。「明らかな身鉱障害」
「介護がかなり不足している」
「虐待が疑われる」など
⑤福祉用具の利用や介護環境、本人の意
欲の有無などの環境要因により、同じ
程度の身体機能を有する人が違う認定を受
ける可能性がある。この事が、自立への意
欲の低下につながらないか、懸念される。
⑥特記事項の書き方には個人差が見られ
るため事前研修のなかで、具体的な内
容を盛り込んでいく必要がある。
大分市では調査を開始後、調査員の窟
見交換の場を持った。事前研修を受け、
調査要領を配布されたが、調査方法や詣
査項目の受け止め方、記入のし方に個人
差がみられ、それぞれが調査方法を見
す機会となった。調査員の数が多くなそ
ほど調査方法などにバラツキが出やすし
ので、定期的な研修会、連絡会議を持ち
意思統一を図る必要がある。
アプラン作成が必要であり、主治医の
出席が望ましいが、困難であれば何ら
かのかたちで主治医に情報を得ておく
必要がある。
③施行後の現場の状況や問題等を把握す
る為にも市の職員の出席が必要と思わ
れるが、現状のマンパワーでは難しく、
今 後 、 体 制 整 備 の 中 で 検 討 して い く 必
要がある。
④ケアプラン作成について
課題分析(アセスメント)は、実務に
あ たる 多 職 種 の 人 た ち が ケ ア 方 針 を 共
有する上で大切である。関係者が相互
理解をする為には、統一した様式を用
いたほうが良いのではないかと思う。
また、事務処理に時間がかかるのでも
う少し簡素化出来ないか内容の検討が
必要である。
【まとめ】
介護認定審査会、主治医の意見書につ
いて も 関 係 者 か ら 様 々 な 意 見 が 出 さ れて
い る 。 短 い 準 備 期 間 に ま だ ま だ 多 くの 課
題 が 山 積 して い る が 、 ま ず、 対 象 者 の 実
態 を 把 握 し 、 ニー ド に 基 づ い た サ 一 ビ ス
が 提 供 で き る よ う 体 制 整 備 を して い か な
ければならない。
(市町村保健婦の役割として)
1.介護保険制度が機能していくために
は、関係機関の連携・協力が必須とな
る。今後、小地域毎に連絡会議等を持
ち、情報交換を行い、地域で支援体制
を作って行く事が大切である。
2.訪問活動を通して、市民の生の声を
聞き、問題や状況を把握する事が大域
である。また、他課との連携を持ちな
がら諸問題の検討をしていく必要があ
る
。
3.申請をしても要介護認定を受けらm
ない人、また、年齢・疾患から介護サ
ービスが必要にもかかわらず、対象外
2.モデルサービス担当者会議
(ケアカンファレンス)について
①関係者の出席依頼をするのに、時間q
調整が難しいので会議の定例化などq
検討が必要である。
②病状と治療方針等を把握した上での&
­45­
となる人たちをどのように支援して0,
くかが、重要な課題である。
今後、予防的視点に立った事業を言
画 して い く 必 要 が あ る と と も に 、 個 k
関 わ って い く 上 で は 対 象 者 の 人 生 観 べ
価値観を尊重した支援が出来るようg
力したい。
〔参考1 *雌ん
平成9年度高齢者介護サービス体制整備支援事業 モデル事業の流れ
4
­
1
介
腫
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四
服
査
協
力
眉
意
祖
ル
皿
調査しない
かかりつけ医の意
介護浬定調査
地
↓
域
介護サービス調査票
(別紙様式2)
かかりつけ医
意見書
概況鯛査
特配事項
基本鯛査
(別紙様式3)
判定用コンピューター
による判定結果
(一次判定)
モデル介護認定審査会
(保健・医療・福祉の学織経験者)
審査・判定(二次判定)
自立
●
●
●
■
●
●
■
●
要介護(I∼V)
要支援
● ● ● ● ィ ■ ● ● ● ● ● 。 。 ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 屯 ● ・ ・ ・ 一 ・ ・ ■ b ・ ・ ・ ・ ・ ■ ロ ・ ・ ・ ロ ・ ・ ・ ■
ワ ロ ゥ ・ 色 ・ ・ ・
介護サービス計画作成対象者選定(在宅のみ)
1
2
3
介渡サービス計画課題分析(アセスメント)
モデルサービス担当者会識
渡サービス計画作成
­46­
再調査
■ ・ 口 ・ ­ ・ ・ ・ 。 。 。 。 ・ ・ ・ ・ ロ
介一言蔓イ呆13鯉入、こr^-Kナブと
テ 雪 イク ーフ ^ c o 貝 Ⅱ 宮 し !
∼介護I荊関rn腰は利用者0淵晶済的負担を軽;銅-るか?∼
【はじめに】
当苑デイケアは陽う秒lifリ職('90年7月)
と同時に併設され、本年で7*1半を経過した.
現在定員35名、デイケアスタッフは姉
婦2.5人、介誕士3人を中心に、当苑各職
種(ホE談買、栄養士、PT、OT、サービス
ステーション首混の議勤 備直士等)全員
の〃割愛体制で 戎されている。
燐に 測、訓剖看誕ステーション、
在宅介護支援センター、ヘルパーステーショ
ン等があり、 )体制のもとに征Eにおける
医療・福祉サービス(以F在宅サービスと記
す)に取り組んでいる。
今回97年12月の当苑デイケアイll用省
を対象に、モデル介護認定審査会運営要綱に
基づく要介息鍍の予想半I淀と、在宅サービス
利用状況の調査を行った。あわせてその中で
重介護を要し、複数の在宅り・一ビスを利用し
ている一事例を選出し、珊弥¦腰Fと介諏保
険導入後の自己負担額のt脈を行ったのでそ
のホ課を報告する。
老人保健施設「陽光苑」
○ 看 護 婦 : 神 野 映 子
デイケアスタッフ
理学療法士:高橋孝吉
施 設 長 : 輪 田 順 一
(③の聖鮒船
l 介)
氏名: MB氏、83歳、男性、要介誕度予
想ト¦淀:要備咽(態区分5、基礎疾患:脳
塞後遺症、維過: 85判鮒災塞をク航し寝
たきり状態となった。現在、厚生省寝たきり
度ランクはC2である。主たる備貿者である
妻は'8 1年サ脳の手術を受け、現在病弱・
高齢の状態にある。長男(55歳)も93年
にII仙血を発症し、重度な寝たきり状態とな
り、現在長男の妻がその介謹を行っているた
めMB氏に対する介誕の協力は得られない。
昨年12月初旬、妻は介護疲れにより精;軸勺
及ひ欄伽勺な疲労がピークに達し、徐々に十
分な介誠を行うことができなくなりMB氏は
低栄謝犬態に陥った。
これに対し妻の「家で看取りたい」という
姉ぃ希望を雛直し横i融勺な在宅サービスの導
入に至った。
【紬采】
①当苑デイケアポIl用者は、要介調犬態区分3
∼5の都$3 7名(4 6%)と要介息鍍の
【対象】
97年12月の一ヶ月間に当苑デイケアを
ホl淵された81名と、要介護度子僻I淀力竣
儒醐ホ態区分5で、複数の在宅サービスを利
用していた一事例を対象とし諦直を行った。
【方法】
①モテル介冒鴎R定審査会運営要綱に基づき、
デイケアスタッフ、キ鴎絹、PT、OT等
により詔、し、要介高鍍の予想II淀を行っ
た
。
②対象者を各要焔鍍毎に6つのグループに
分け、それぞれの在宅サービスの利用状況
を調査した。
③要介調犬態区分5のグループの中から、複
数の在宅サービスを利用している一事例を
選出し、淵弥1度Fと備側荊喚導入後の在
宅サービスポI間における自己負担額のt徹
を行った。
­47­
高い者ス)約半数を占めていた。
『当苑デイケア利用者予想備鍍分蛍馴査』
(97年1 2月)
デイケア利用者(81名!
割台
要 介 調 度
人 数
要支援状態
9名
11.I9i
要介調犬蝋X分1
24名
29.6%
要介測(蝋X分2
i 1*
1 3. 69i
要介 犬蝋X分3
14名
1 7.3^
要介調ハ態区分4
11名
13.6例
要介調k蝋X分5
1 2名
14.8%
〔モデル介息蕊砺ミ審査会退嬉要綱に基づく〕
②当苑デイケア利用者8 1名'Iコ34名(42
%)がデイケア以外の在宅サービスをホ¦¦用し
ていた。また備 の高い要介測ハ態区分4
と5に該当する利用者の過半数がデイケア以
外の在をリービスを利川していたにも¦Ⅱ¦わら
ずヘルパーのイll川率は1 5%とまだ低いもen
であった。
『予想介護度別在宅り・一ビス利剛(況』
グ ゲ グ グ ク ク ゲ グ グ グ グ グ ク グ ク ク グ ク グ グ グ ゲ グ グ ク グ ク タ グ グ ク グ グ 牢 ク ク グ ク グ グ ゲ ク ダ タ グ
タ グ 〃 〃 〃 夕 〃 グ ー
<サービス分類>
①デイケア、② 澗寄貿、③訪問診察、
④ヘルパー、⑤在宅介謹支援センター
入浴サービス・デイサービス
グ " グゲ グク ク ク グググク グク ク ク グク グググク ク タ グタ グ 〃
グク タ グク ヂ グク ク タ ヂ タ ク グク ク ク グク ダク グク グク 夕
­48­
③miM b氏の自己負担額の比臓課
*デイケア8回/月
¥9,932 8回=¥79,456
*訓iwmsM/月
¥5,300 8回=¥42,400
*洲Ili螺2四/j|
(寝たきり老人在宅総合診療料)
¥23,000
*身体介;鯉ヘルパー25回/月
¥3.130 25回= ¥78.250
{必要費用縦頁= ¥223,106/月}
1カ月の費用総額は¥223,1 06と推
定されるが、現行-;iii臆下では身体機能イ畑や
経i剤犬況等により月々の自己負担額は¥7.
600である。これに対し介護偏喚導入後、
要介誕状態区分5にヌ;ける給付額は29万円
程度とされており、MB氏の場合給付限度枠
内に収まるが、必要費用総額の1割が自己負
担となるため、介護偲境導入後は月々¥2
2,310(現在の約3倍)を自己負担しな
ければならなくなる。
【考察及びまとめ】
当苑デイケアルII用者をヌ;像に、要介護度の
予想リ:¦淀、在宅サービスのイ¦¦用状況の調査、
重偏雌要する在宅高齢者の介護偲喚導入前
後における自己負担額のt職を行った。
結果①よりデイケアカ重介護を要する高齢
者の在宅生i舗聯において重要であり、重介
高 の在宅支援に十分とは言えない力墳献で
きたのではないかと考えられる。
ボ課②より特に重備幽を要する高齢者が在
宅生活を$職していくためにはデイケアをIま
じめとして訓削議曹、訂澗診療、ヘルパー、
デイサービス等、複数の在宅サービス利用が
不可欠であると考えられる。またこれらの在
宅サービスの中でヘルパー利用鋤i低いのは
未だに根強く残る福祉への偏見力影響してし
るのではないかと考える。
結果③より介護閑鵬入後に必ずしも利用
者の経↑剤勺負担力聯耐-るとは考えにくく、
特に繍剤勺負担に影響を受けやすいホ¦開者に
とっては、益々測肋撤しくなることも予想
される。同時に、今樹二mめ峡定する要介護
認定の基準や要介護度毎の吊嚇合州恨度額等
によっては、在宅サービス利用の量よりも、
サービスの質で対応しなければならない事態
が生じることも予想される。そのためにも私
達デイケアスタッフは、在宅サービスの一側
であるデイケアの柵Eやサービスの税を見直
し、ポl側者にとって有川となり得るデイケフ
のあり方について模索していきたいと考える。
<参考文献>
・厚生省厚生大臣官房老人保健福肥IJ: r
たきり老人ゼロ作戦」を剣世するために一社
会福祉・医療事業団、東京、1992,3-6.
・モデル介息 懸E審査会巡営州S:老企I 2
7号、平成8年1 2月4日、音¦悩阿県高齢者
介讃描課長宛て厚生省老人保健福祉局企1
課長通知『モデル介調認定審査会の運営につ
いて』、介護識置調査要領:老企1 28号、
平成8年12月4日、音碓洲県高齢者介息駐
管課張宛て厚生省老人保健福祉局伽綴長I
知『高齢者ケアサービス伽l陛肺支援事業に
おける介護諦置審査要領について』一月刊介
護(剰 2月号1997、No. 11.
・介護保険法の施行について:厚生省発走鐸
1 03号、平成9年1 2月26日、厚生事務
次官依命m.
­49­
特
別
講
講師:小森雅一
司会:坪山明寛
演
特別講演
「介護保険制度とその影響」
大分県高齢者福祉課
小森雅一参事
小森雅一先生のプロフィール
千葉県出身
昭和38年生まれ(34歳)
妻、子2人と大分市に在住。
私立開成高校、東京大学法学部卒。
昭和63年に厚生省に入省し、老人保健福祉部、薬務局、
健康政策局等を経て、
f平成9年4月に大分県高齢者福祉課参事、
介護保険対策班班長として出向している。
­51­
シ
テ
ア
ーマ
ン
ポ
ジ
ウ
ム
「介護保険導入にむけて一各施設の立場から
司会:大分県健康対策課内田勝彦
シンポジスト:
大 分 県 医 師 会 常 任 理 事 嶋 田 丞
佐 伯 保 健 所 所 長 藤 内 修 二
老人保健施設陽光苑施設長輪田順一
介護支援センターこがソーシャルワーカー
佐藤博文
デイサービスなごみ塾施設長橋本祐輔
姫島村訪問看護ステーション看護婦
高 橋 恵
『一一一一一・
介
護
保
険
へ
の
関
わ
り
(医療機関・医師の立場から)
大分県医師会常任理事嶋田丞
公的介護保険は平成12年からの施行が決まったが、行政をはじめ多くの職種の参
加が求められている。
医療では医療保険のなかで現在行なわれている行為のかなりの部分が介護保険の範
鴎に移ることになる。在宅サービスでは寝たきり老人の訪問診療、訪問看護、訪問指
導管理、訪問リハビリ指導、在宅絶合診療、そして老人デイケアなどが介護保険へ移
行する。又、施設医療サービスでは有床診療所のショートステイや療養型病床群があ
り、医療機関が行なっている老健施設、在宅介護支援センター等がある。これらの移
行するサービスについて医師は必然的に介護保険へ携わることになる。
介瞳保険制度が施行したならば、そのなかで医療機関としては「申請業務」におけ
るケアプラン作成機関としての利用者に代わっての申請。「要介護潔定業務」では昆
定調査員やケアプラン作成機関としての調査の委託もある。介護認定審査会の介護度
の判定は医師の大きな役割であり、他にもかかりつけ医の意見書としての参加もある
「ケアプラン作成業務」では、プラン作成機関としての参加の他に介護保険での中
心的役割を担うケアマネジャー資格を得ることも必要となっている。主治医として、
医師として、多くの職種と共にケアカンファレンスにも参加し、医学的意見を述べる
ことも必要である。その他に介護保険審査業務もある。
病院における勤務医としても介護保険を傍観してはならない。介護保険では大病院
の医師であっても利用者から信頼されておればかかりつけ医としての意見の記載が必
要であり、療養型病床群や在宅医療を行なっている病院にあってはカンファレンスに
参加する機会もある。又、定年後の介護施股への勤務も考えられる。
介護保険が運用されるまでには多くのクリアーしなければならない問題もある。
①マンパワーの養成、あるいは基盤整備での地域格差の改善②財源確保のための保
険制度の準備③医療のようにアクセスとサービス提供が円滑に行なえるか④要介護認
定審査の公平性、客観性の保持⑤ケァマネジャーの質の保持と数の確保がある。
医師にとって主とした関わりは①給付対象者の医学管理②かかりつけ医の意見書③
要介謹隠定委員会④学職経験と専門的知識を持つレフリー的存在が挙げられる。
介護保険を動かすものは人的資源であり、介護に携わる各職種が個々の特性を活か
し、お互いの垣根を取り払い、仕事の内容を知り、欠如部分を埋め合って、理解し協
力して介瞳保険を支えることが大切である。
­53­
保健・医療・福祉の連携に向けて一ケア・アセスメントの共有化の試み一
佐伯保健所藤内修二
介護保険(long term care insurance)の導入に伴い,従来以上に保健・医療・福祉の連携が必要となる。3領域の
専門職からなるチームによるアプローチを行うとき,ケースの状況について情報の共有化が不可欠となるが,その
情報の共有化を容易にするために,ケアアセスメントイメージを考案したので,紹介する。
介 護 負 担 の 評 価 ( TA I )
図 1 ケ ア ア セ ス メ ン ト イメ ー ジ
護
繍
① 介 護 負 担 保 健 福 祉 ② 介 護 力
サービス
③ 壁郷
" J③ ¦ 譲
▲
安
乱
上
勃
『
歩行可能で食事も排池も自立
食べこぼしたり、時々粗相が
あるが、一応、食事と排池か
自立している
り・LL4】訂.
在宅ケアの破綻
排池と食事に全面的な介助を
必要とする
で
i
A
剛
今
Ame'1jly
低い
排池、食事のいずれか一方に
介助を必要とす月
一
目
画
し
飲み込みに難があり、食事の
援助も困難であ月
Typlogy of the Aged with Illustration
介護力の評価
l
『?..、、蝿 .?
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■ ← 丞 ・ ・ 生 己 . ­ 面
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■
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凸
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、.主観的健康度等。
:耐精神的健康度ふ
:薄 ,・睡眠満足度
り
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あまり健康でない
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睡眠不足
睡眠が足りている
ゆとりない
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うまくいってない
うまくいっている
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75歳以上の場合1点を減じる
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­1点∼6点
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Amenityの評価
ご
ほぼ健康以上
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時々ゆううつ
,..l経済的ゆどi
・要介膜者との人間関係
・介瞳べの支援〆・
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6
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0
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̅
■
3食ともベッド上
3食中1食は食卓等
昼間もベッド上
ト イ レ , ポ ー タ ブル !
入浴月に6回以下
入浴月に8回以上
室内のみ
庭へ,屋外へ出る
・=: :、移.i動癖 鵜・
0点∼4点
5段階
Stabilityの評価
■
凸
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.$・ 嬉、糸,;鳥..,,、識#糖
0
⑪ a ヒ ー ロ ユ ー 上 図 j 二 一 品 名 画 皇 泊 畠 .
<1介護上の無理#
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少ししている
していない
できない
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ゆとりあり
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­2点∼+2点
5段階
第18回大分県地域医療研究会シンポジュウム要旨
老人保健施設陽光苑施設長輪田順一
老人保健施設陽光苑は定員90名,デイケア35名の独立型老人保健施設である。1 9
90年7月に開設され8年目を迎えている。陽光苑のある大南地区は人口約20000人
で高齢化率約1 7%である。この地区には4つの病院, 5つの診療所, 3つの訪問看護ス
テーション,3つの在宅介護支援センター,2つの老人保健施設,2つの特別養護老人ホ
ーム,3つのホームヘルパーステーションがあり地域の中で一貫した保健・医療・福祉サ
ービスを提供できる環境にある。この様な地域環境の中で陽光苑は母体である特定医療法
人天心堂の保健・医療・福祉サービス提供施設の一員として,また地域の他の医療機関,
福祉施設,行政機関との連携をとりながら地域ケアの拠点施設として活動してきた。
2000年4月より公的介護保険の実施が決まり,その中で老人保健施設の位置付けか
明示された。介護保険実施に当たって老人保健施設は施設サービスの一つとして組み込ま
れることになった。介護保険実施前と後で老人保健施設のあり方や利用者側の選択が大き
く変わってくることが予測される。
今回のシンポジュウムでは以下の内容で報告を行い問題提起としたい。
1.老人保健施設の現状
1)長期利用者の増加
2)重介護者の増加
3)逓減性の問題
4)老人保健施設めぐり,老人保健施設のたらい回しの問題
2.長期利用者の背景
1)在宅ケアの受け皿はあっても帰れない
2)在宅ケアの受け皿がない
3)特別養護老人ホーム入所待ち
3.介護保険実施後の老人保健施設利用の問題点
1)従来利用可能であった「要支援」者の施設利用制限
2)デイケア利用の制限
3)老人保健施設利用時の自己負担
4)長期利用者,重介護者の増加
5)福祉施設との役割分担の変化,在宅ケアの負の変化
­55­
介護保険導入に向けて
̅在宅介護支援センターのあるべき姿、機能そして責任∼
大分市在宅介;鮎 暖センターこ力
佐藤博文
擬 シ 1 縦 セ ングーとは?
「在宅の要援護老人の介護者等に対して在宅介護に関する総合的な相談に応じ、住宅の要援護老人及びその介護
者の介護等に関するニーズに対応した各種の保健、 け一ビス力端合的に受けられるように市剛樗関係行政機
関、サービス実施機関等との連絡調整等の便宜を供与し、もって、地域の要援護老人及びその家族の福祉の向上を
図ることを目的としている。伎援センター運営事業実施要綱より)
ゴL­ルドプランの整備目標値相談機関としての支援センターの特色
全国1万個所①専門家が24時間対応
大分県100個所②身近な相談機関である
現在の設置数(9年度中)(中学校区に計箇所)
全国6172個所③総合的具I神9サーヒスへの結びつけ
大 分 県 6 7 個 所 ( ケ ア マ ネ ジメ ン ト 機 関 )
介護保隣制度Fの在籍介護センターの 役割
①介護網険のケアプラン作成等ケアマネジメント機関である。
②訪問介護事業所、訪問看護事業所等と#殻し、地域の最小サービス単位を形成する役割。
③引き続き地域における専門相談機関としての役割を果たすこと。
耀置聾ターの抱え る課題像アマネジメン脂機関としね
①完全なる公平性栂
(母体娠隻に影響されない地域の相談窓口とし て
)
②要介護状態になる前の高齢者や家族に対して事前把握、危険性の早期発見、適切な対応
③介護保険の対象から外れる高齢者やその家族に対しての予 向対応
④これまでの業務に上乗せされる介護保険郷に対して職員二人体制の現実的な人員不足。
­
一
一
ー
­
一
一
­
­
­
同
◇
支援センターは、ケアマネジマントで自立支援を目措す&そして介護閑脚、
最後に我々は、具体的にどういった理論、手法で何を目指すのか?と言うところに触れる。一つに、前述してき
たケアマネジメント理論にのっとって活動していくという事力樗えよう。では、ケアマネジメントで一体何を目指
すのか?と言えば対象者の「自立支援jである。
一方介護偲険と言う制度は何か?と言えば自立を支援できる社会を作ろうと言うのが発足の根本思想である。
そういった思想や、理論に基づいて、支援センターは活動していくが、体の障害だけを見て、今あるサービスにつ
なげる事をしてはならない。その人が生きてきた歴史や、思い、家族の願い等も大切にし、保険の適用、サービス
の提供を心を込めて行わねばならないのである。
­56­
導入時の問題点
社会福祉法人任運社
デイサービスセンターなごみ塾所長
橋本祐輔
(略歴)
1978年4月より身体障害者療護施設騰々舎相談員
1991年8月より現職
特別養護老人ホーム
1要介護認定は受けても実際にすぐ入所することは困難で、待機期間は在宅のサー
ビスを使うことになるが、保険者である自治体はそれに対応するサービスを提供
できるか。また、入所については高齢者自身の主体的な選択を尊重するという理
念になっているが、果たして消費者に選択する余地があるのか。また、選択する
際の情報をどのようにして得ることができるのか。
2施設入所は要介護認定を受けた高齢者と施設との契約によって決められるが、現
状では被保険者とサービス提供施設が対等な関係で契約を結ぶことができると
は考えにくいので、入所の優先順序の決定権が施設にゆだねられてしまうのでは
ないか。その際、施設からの寄付金等の要求といったことも起こるのではないか。
また、施設との強いコネで入所が決められる恐れが出てはこないか。従来の措置
制度であれば市町村が職権で利用調整が行われてきたが、介護保険制度の中では
それはできない。介護支援サービスのなかで助言・指導をするということになっ
ているが、有効に機能するかは疑わしい。
3要介護認定を受けた人は誰でも施設入所は可能であるので、施設が軽度の人ばか
りを選んで契約を結ぶことがあるのではないか。そうすると給付金額が少ないた
めに施設は運営上不利となると思われているが、何らかの上乗せサービスを提供
して差額徴収をすることも考えられる。これは要介護度に関係なく施設利用者に
対して行われる可能性もある。これらは認めない方向で検討されているが、もし
そうであるとしてもそのチェックを誰がどのようにするのか。従来の監査制度の
中で事足りるのか。また、契約違反のペナルティーを施設側に有効に課すること
ができるのか。
4施設側が利用者の自己負担能力に疑問を抱いて契約を結ばない可能性がある。介
護保険の理念としては事業者はサービス利用者の資力を理由として、サービス申
し込みを拒絶することは許されないとしているが、現実にそうならない保証があ
るのか。
5施設の努力により身体状況の改善が行われた場合の評価の方法があるのか。そう
でないと改善への意欲をそぐことになり、利用者にとっては改善の見込みがなく
なる。
デイサービスセンター
1雄利肌そいる人の7割が保険給付対象外といわれる由で、定イサーヒス利用
者には経過措置がはかられることがないので即利用不可能となる。
2デイケアーと同じように行政単位を越えての通所が行われるようになる。デイサ
ービスセンターは個別処遇が求められる。
­57­
高橋恵(たかはしめぐみ)
[シンポジストの紹介]
姫島村国民健康保険診療所の看護婦。
医師3人、看護婦11人のスタッフで、外来・入院医療
だけでなく、積極的に訪問看護活動を展開している姫島
診療所のスタッフ。
[発表概要]
高齢者ケアと介護保険の関わりについて、訪問看護の分
野に関して発表する。姫島村国民健康保険診療所(以下、
診療所と略す)を含めた医療・福祉施設の概要と、診療
所で行っている訪問看護の現況を示した上で、介護保険
が導入された際の運用の予想や、考えられる問題点など
を呈示したい。
­58­
肝細胞選択性
水溶性のメハロチンは、肝細胞に選択的に取り込まれ、強いコレステロール合成阻害作用を示しますが、
その他の臓器の細胞には取り込まれにくいことが報告されています(マウス、ラット)。
(Pro9.Med、11(9),1991]
投与法の選択
朝1回、夕1回、朝・夕2回。メバロチンは幅広い投与法の選択が可能です。
唱己
【効熊又は効果】
高脂巾症.家族性高コレステロール血症
【用法及び用量】
通常、成人にはプラバスタチンナトリウムとして、1日lOmgを
,回または2回に分け経口投与する。なお、年齢・症状により適宜
増減するが、重症の鳩合は,日I20mgまで増量できる。
【使用上の注意】
,.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)重篤な肝障害又はその既往歴のある患者[本剤は主に肝臓
において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれ
がある。](2)重篤な腎障害又はその既往歴のある患者[横紋筋
融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する忠者であり、ま
た、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められて
いる。](3)フィブラート系薬剤(ベザフィブラー卜等)、免疫
抑制剤(シクロスポリン等)、ニコチン酸を投与中の患者[横
紋筋融解症があらわれやすい。](「相互作用」の項参照)(4)
高齢者
2.画要な基本的注意
(1)適用の前に十分な検査を実施し、商脂血症、家族性高コレ
ステロール血症であることを確鴎した上で本剤の適用を考臆
すること。本剤は嵩コレステロール血症が主な異常である高
賑血挿によく反応する。(2)あらかじめ高脂血症の基本である
食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の虚血性心
疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。(3)投
与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が
められない埋合には投与を中止すること。
3.相互作用
瞳
0
本剤の適用にあたっては、あらかじめ商脂血症の基本で
る食耶撫法を行い、更に運動擦法や高血圧・喫煙等の虚
性心疾蝋のリスクファクターの軽減等も十分考腫すること。
HMG-CoA還元酵素阻害剤
高脂血症治療剤
メバロチジ
錠・錠10.細細・細知1%
併用注意(併用に注意すること
薬剤名等
函床症状・措腫方法
機序・危険因子
フィフラート系薬諏
(ぺサフィフラート等
免疫抑制剤
(シクロスホリン等1
ニコチン酸
急激な腎機能悪化を伴う横
紋筋融解症があらわれやす
い[自覚症状(筋肉痛、脱力
感)の発現、CPK上昇、血中
及び尿中ミオグロビン上昇
を肥めた鳩合は直ちに投与
を中止すること。].
重篤な
腎障害の
ある患者
指定医蕊品一般名/フラハスタチンナトリウム匡厘夏至亙罰
⑳熟態勢
­59­
97,12
【HRD】 謹識
=
1.可溶性と不溶性の2種類のファイバーを配合した高繊維の
液伏総合栄養食。
●200kcal中3.4g,lO00kcal中で17qの食物繊維が摂取できます。
2.LOO0kcal中3.75gのオリゴ鵜i
●ヒフィスス菌の増殖因子であるといわれているイソマルトオリゴ糖を
配合し、おなかをやさしく守ります。
3.脂質はMCIとLOTを1:1の割合で配合
●MCTは、門脈から直接吸収されるため、消化吸収機能が低下している
場合でも効率よく吸収され、速やかにエネルギー源として利用されます。
4.l.0OOkcalでバランス良く栄養補給が可能
●pは.l.O0Okcalで50gのたん白質が摂取できるほか、ビタミン・ミネラル
も旧の所要量を補えるよう工夫されています。
熱量を抑えながら各栄養成分がハランス良<摂取でき、高齢者の栄養
管理に適しています。
5.サラッとしたノドごしで、長期継続使用に適した味と香りです。
弓
一
繊総倉栄養食
工フツー
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HMG-CoA還元酵素阻害剤
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(シンハスタチン錠
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△(資料請求先)
や雪真講義蕪燕妻社
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96.12
【効能.効果】、【用法・用量】、【使用上の注意】等については、製品添付文書をご参照下さい。l-97ZCR9…750」
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、下職
: 1職湯懸粥、発蘇、浮厘)の改
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i 溌鞍驚蕊wmnam駕
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、ムコス風錠100
胃炎・胃潰嬉治療剤「素面墓軍面厨司
Mucosta" tabletsレバミピド製剤
韓
割
逸
見
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元
賀
項
閥
求
先
大塚製薬株式会社大塚製薬株式会社学術部
東京稲千代田区神田司町2­9東京都千代田区神田司町2.2
大塚劇薬神田第2ビル
〈95.8作成〉
リンフロテアーセを強力にフロック1.,
血液凝問B日止剤(乾燥濃縮人アンチトロンヒンⅢ)図画垂亜璽
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■効能・効畢
●先天性アンチトロンピン111欠乏に基づく血栓形成傾向.
●アンチトロンピン、低下を伴う呪発性血蟹内凝固煙候群(DIC)・
■使用上の煙垂(抜粋)
1.一般的注竃
(1)血嬢分圃製剤の現在の製適エ糎麺は、ヒトパルポウイルスB19等のウイルユモ完全に不
矯化・除去することが困雌であるためざ本剤の投与によりその感染の可能性を否定で9
ないので、オ零後の経週を十分Iこ観顕する茎とp
アナフィラキシ­橡ショック等の宜施な副作用壁起こすことがあるので使用にあたってば
経 過 … 応 る こ と .
曲癒検棄等出血管畏豆を+銅テいつつ使用すること・
ヘパリンの併用により出血番肋曇する危険性のある 合は本剤の単独投与を行うこと。
2.麟息《次の息凱
本蕗の庇分01
は投:午Lないこど》
・アナブ ラキシー嫌シ倉ツクの賑往歴 ある患病
砿則麟忌《次の患署19<翠与L率いごとを凍綱とす麺fも特に必纂とする堪合陰は慎軍に
投与する亀ど》
牢剤の戚分tこ対函嘩の 《錘のある胆轡
1.人アンチI、ロンピンⅢを高純度に含有するDIG治療
剤である。
2.トロンピンをはじめ幅広くセリンプロテアーゼ活性矛
生理的かつ強力に阻害する。
3.血中半減期は60∼70時間と長い。
4.副作用発現症例率は0.12%(5例/4,301例)
&i懸綴瀧農誌概識慰弱弘。9
, の感染奄超こず可能性を否定でき恋
(2)否定でさない.感染した埋合には、持続性の食皿を鰹こす二題がある.コ
継織蝋職銘競擬齢蝋癖鋳 織奉票稀塁を
ョ・剛作用(まれに30.1%未漢、と塵に:0.1∼5%未満、副詞なし:5%以上又は頭度不明)
(1)瓦大な期作用
アナフィラキシ­梯シ画ツク:旗れにアナフィラキシ­ ショック巻起こすことがあ壱ので観
索選十分に行い.興術が鯉められた場合には投与壱中止し適切な処厘を行うこと.
(2)その他の顧作期
1)過…gまれに発疹、毒騨庄等があらわれる二とがある.
2)肝騨:まれにGOT,GPTの上昇等があらわれることがある。
3)消化難:まれに租筑・唖吐があらわれる二とがある。
4)その他:塗れに悪寒、発触心頭 、胸部不快感、好 球増多辱があらわれることがある。
〈1987年6月1日より1鯛3年3月30日までの副作用幽麦紡果)
5.各種病原ウイルスの不活化を目的とし、60C、UI
時間の液状加熱処理を施している。
ただし、本処理においてウイルス等の感染'性を完
全には否定できない。
※用法・用号 食その他の使用 上の注意等群し<は、製品悉付文害をご参照ください峰
■
剛
■
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リ+字
十
〔資料 求先〕学術部
­61­
株式会社ミトリ十字
〒541-0042大阪市中央区今橋1-3-3
⑨登録商標1997.1作成B5
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の 改善に/
KINEDAK
工バルレスタツト錠
気、まれに下痢、曜吐、食欲不振、腹部膨満感等があらわれることがある。4)腎
臓まれにBUN,クレアチニン上昇、尿量減少等があらわれることがある。5)そi
の他ときに 怠感、めまい、また、まれに頭痛、しびれ、こわばり、脱力感、四
肢癌癌、動惇、脱毛、紫斑、浮腫があらわれることがある。3.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減垂するなど注意すること。4.
●効能・効果
糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、癌痛)、
振動覚異常、心拍変動異常の改善
(糖化ヘモグロビンが高値を示す場合)
●使用上の注意
1.一般的注意(1)脳尿病治療の基本である食事綴法、運動原法、経口血糖降下剤、
インスリン等の治綴を行った上でなお、糖化ヘモグロビンが高価を示す患者に
対して適用を考慮する。(日本剤の投与の対象となる患者の糖化ヘモグロビンは、
HbAic値7.596以上またはHbAlfSB.596以上を目安とする。働不可逆的な器質的
変化を伴う糟尿病性末梢神経障害の患者では効果が確立されていない。凶)投与
中は経過を十分に観察し、1麹間投与して効果が認められない堀合は他の適切
な治痕に切り換えること。2.副作用(まれに:0.I%未満、ときに:(!.!∼b%未満、
副詞なし:5%以上又は頻度不明)(1)重大な副作用血小板減少まれに血小板減
少があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与
を中止すること。日その他の副作用1)過敏症まれに発疹、憲捧、紅斑、水癌
等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与
を中止するなど適切な処圃を行うこと◎2)肝濠ときにG0T, GPT,γ-GTP,
まれにビリルビンの上昇等があらわれることがある。3)消化器ときに腹痛、畦
妊婦・授乳婦への投与(1)妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治癒上の有益性が危険性を上まわ:
ると判断される濁合にのみ投与すること。日動物実験(ラット)で乳汁中へ移行I
することが報告されているので、本剤投与中は授乳を避けること。5.小児へのi
投与小児に対する安全性は確立していない。6.臨床検査値への影轡本剤の投j
与により尿は黄褐色または赤色を呈するため、ビリルビンおよびケトン体の尿i
定性試験に影轡することがある。7.適用上の注意薬剤交付時:PTP包装の薬[
剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤:
飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には 孔をおこして縦隔洞炎等i
の霞篤な合併症を併発することが報告されている)
※用法・用量等詳細は添付文害をご参照ください。i
議瀧、鯛霧熟議式会社;
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大阪市淀川反宮庸3.586〒532-8577
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■効能・効果/胃潰癌
下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)
の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
■用法・用量/通常、成人には本剤を1回I1.5g(エカベトナトリウム
と{ノて1g)、1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
⑥使用上の注意については、製品添付文書をご覧ください。
、使用上の注意の改灯には十分ご囲意ください。
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Gastrom" (一般名:エカヘトナトりウム)
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心
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本態性高血圧症患者の
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正
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製品添付文書をご参照下さい。
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歴 詞
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資料購求先:藤沢薬品工業Q制医薬事業部
作成年月1997年12月
B52
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hp5■語H癖
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獄5曲:丹・
鱗 蕊 燃
。 為
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恥
画.u・』強......∼
蕊島融・
鱗
3群
懸
暫
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*その他詳細は製品添付文書をご参照
ください。
注意し本剤の「効能・効果」「用法・用量」
「使用上の注意」等の詳細については
製品添付文書をご覧ください。
錨削
<薬価基準収載〉
Conano
コサヨ 錠羅
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ヨヨト室詫41大唐市中只厘平野町二丁目 齢9
慶撹:ワーナーロう群←卜杜ア誤リカ合康団
CA-四(85兇)1996年5月改釘
­64­
…
腰痛症や変形性関節症等へ
生
関
節
症
等
へ
篭
雪
畿
夢
場
一日,一回。……
【ケトフロフエン製剤】<ユ+ク>
<効能・効果〉
下記疾蝋の慢性症状(血行障害,筋痩縮,筋拘縮)を伴う喝合の鎮撫・消炎
腰痛症(筋・筋膜性腰 症,変形性脊椎症,椎in板症.腰椎捻挫).変形性関節症, 関節周囲炎,鮭・馳 炎,
周囲炎,上腕骨上 I炎(テニス肘等)
⑧
<用法・用屋〉1日1回蝋部に貼付する。
<使用上の性悪〉
1.一般的注意
(1)消炎鎖 剤による治醗は原因擬法ではなく、対症療法であることに留意すること。
(2)皮膚の感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染を伴う炎症に対して用いる場合には適切な抗
菌剤又は抗真菌刑を併用し,観察を十分に行い恨重に投与すること。
(3)本剤による治擬は対症搬法であるので,症状に応じて薬物療法以外の振法も考慮すること。
また,投与が長期にわたる場合には恐者の状態を十分に観察し,刷作用の発現に留意すること。
(4)局所熱感.囲脹等を伴う急性期には宥効性が確認されていないので使用しないこと。
2.禁忌(次の患者には使用しないこと)
(1)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある忠者。
(2)アスピリン端息(非ステロイド性消炎釧 剤等による瑞息発作の誘発)又はその既往歴のある悠者。
[端息発作を勝発するおそれがある。]
ド
苧
販売元④祐徳薬品工業株式会社
3.佃重投与(次の患者には慎璽に使用すること)
気管支瑞息のある鯉詣。[アスピリン瑞息蝋者が潜在しているおそれがある。]
4.副作用(まれに:0.1%未満.ときに:0.1∼5%未満,副詞なし:5%以上又は頻庇不明)
(1)Ⅲ大な剛作用
1)アナフィラキシ­梯症状:まれにアナプィラキシ­橡症状(薄麻疹,呼吸困難等)があらわれる
ことがあるので,このような症状があらわれた鳩合には使用を中止すること。
2)酬息発作の鵬発(アスピリン瑚息):まれに端思発作を誘発することがあるので,乾性ラ音,噛鴫.
呼吸困難感等の初期症状が発現した淵合は使用を中止すること。(禁忌及び恨亜投与の項参照)
(2)その他の副作用
皮膚:接触皮膚炎(と遂に発疹,発赤,腫服 掻揮感,刺激感,まれに水泡・際 等),まれに光線
過敏症があらわれることがある。これらの症状が強い瑚合は使用を中止すること。
※その他の使用上の注意等については添付文書をご参照ください。
総発売元⑧溌撫蕊 社
佐賀県座鹿市大字納窟分2596番地1
製造元③祐
徳薬品エ業株式会社
佐賀県鹿囲市大字納富分乞596番地1
(資料購求先学術扉)
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脳血管障害性精神症状改善剤⑬国司
戸
⑧
フ
錠100.錠200<アニラセタム製剤〉
、剛an0H。Roche「薬価薬価基準収載
墓準収載
製造・発売元(資料請求先)
効能・効果、用法・用量、使用上の注意等の詳細
については、製品添付文書をご参照ください。
日本ロシユ株式会社
〒105東京都港区芝2­6­11997単↓月作成
­65­
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