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水力発電ダム
(別紙) 御意見の概要及び御意見に対する考え方 御意見の概要 「及び」は、一つ目の要件は満たすが二つ 目の要件は必ずしも満たさないもの及び 二つ目の要件は満たすが一つ目の要件は 必ずしも満たさないものの両方が許され ると誤解されるおそれがあるため、改正案 の第48条第4項第3号中「及び」を「か つ」とするべき。 御意見に対する考え方 法令において、 「Aという要件及びBと いう要件を満たす」という表現は、 「A という要件」と「Bという要件」の双 方を共に満たすという意味で用いられ ることから、原案のままとします。 2 電気事業法第56条の「ダム水路主任技術 者の免状の種類」と「保安の監督をするこ とができる範囲」についての改正案が示さ れているが、第1種ダム水路主任技術者は 水力発電を目的とした、水力発電用ダムの 設計施工監督及び、管理経験がなければ取 得ができない特殊な免状であり、現時点で は地方自治体の職員では資格を取得でき ない仕組みとなっているため、第2種ダム 水路主任技術者免状の監督範囲を拡大す るか、第1種ダム水路主任技術者の資格認 定を試験により行う制度の確立をお願い する。 3 改正案の 第48条第4項第3号 において、 今般の第一種及び第二種ダム水路主任 技術者の監督範囲に係る改正は、一定 の条件を満たす小型又は特定の施設内 に設置される水力発電設備について、 ダム水路主任技術者の選任を不要化す ることに伴うものであり、ダム水路主 任技術者免状の資格取得要件等の見直 しに伴うものでないことから、改正案 に対する御意見ではないと考えます。 なお、ダム、水路等は、公共の安全に 係る特に重要な電気工作物であるた め、実務経験を有する者がこれらの設 備の保安監督業務を行うことが保安確 保の観点から必要です。設備の異常を 発見する能力、事故時の対応能力、運 転操作を指導する能力等は実務経験に よって養われるものと考えます。 一般用電気工作物は、公共の安全確保 と環境の保全という法目的の観点から の安全性が高いと認められる設備であ るため、事業用電気工作物に比べ緩や かな規制となっています。本改正に係 る技術的検討においては、一般用電気 工作物として扱うことができる水力発 電設備の範囲について、水力発電設備 特有のリスクに鑑み、最大使用水量が 1m3/s 未満のものであれば、これが溢 水・漏水しても、公共の安全に影響を No 1 「水力発電設備であって出力 20kW 未満及び 最大使用水量 1m3/s 未満のもの」とあるが、 ケースによっては現行の「出力 10kW 未満の もの」より規制強化となることがあるため、 規制緩和の観点から最大使用水量の規制を なくすべき。 例:現 行 9.8×2.0m3/s×0.5m×80%=8kW → 一般電気工作物 改正案 使用水量が 2.0m3/s のため → 事業用電気工作物 1 4 改正案の第52条では,ダム水路主任技術者 の選任について「水力発電所で小型のもの又 は特定の施設内に設置されるものは除く」と あるが、除かれた水車などの水力設備の保安 業務は、技術基準に定める技術員又は無資格 の者が担務しても良いか。 5 水の危険性(リスク)は、水のエネルギー にあると考えるが、水量そのものにはエネ ルギーはなく、流水の速度や落差があって 初めてエネルギーとなる。すなわち、この エネルギーは流量と落差の積であり、これ は水力発電の出力に相当する。今回の規制 の一部適用除外条件に、発電出力 200kW 未 満というエネルギーの条件があるため、 「最大使用水量 1m3/s 未満」などという条 件を設ける必要はないと考える。これによ り、規制者のみならず、被規制者及びその 関係者にとってもわかりやすく明確なも のになると考える。 6 農業用水を利用した低落差の発電施設等 の導入推進を図るためには、設備所有者に おいてダム水路主任技術者を確保する必 要がある。この場合において発電用ダムの 実務経験が3年以上(土木工学関する学科 の大学卒業者)必要であることから資格者 を確保するのは難しいと考える。水力発電 設備がダム・堰を有する場合、ダム水路主 任技術者の選任について、現行では外部委 託は認められていない。しかしながら今 後、小規模発電設備の導入を進めるために 2 及ぼす恐れが小さいと考えられるとい う結論を得たことから、最大使用水量 が 1m3/s 未満というしきい値を設けて います。 なお、出力 10kW 未満のもので最大使用 水量が 1m3/s を超える水力発電設備は、 小水力発電においては一般的でないと 考えます。 本改正によって、ダム水路主任技術者 の選任が不要とされた設備の保安業務 については、設置者が、ダム水路主任 技術者を選任することなく行うことが 可能となりますが、電気事業法に基づ く技術基準に適合するよう維持する必 要があります。 本改正に係る技術的検討においては、 水のエネルギー(水量及び落差)が大 きい場合には、設備の故障や人為ミス などが発生した際に、その保有してい るエネルギーが水車発電機や水路など の設備に損傷をもたらす可能性が大き くなるため、水のエネルギーを示す指 標の発電出力 200kW 未満をしきい値と しています。また、水力発電設備に流 入・流出する水量が 1m3/s を超える場合 は、これが溢水・漏水したときに公共 の安全に影響を及ぼすリスクがあるこ とから、最大使用水量 1m3/s 未満をしき い値としています。 今般の第一種及び第二種ダム水路主任 技術者の選任に係る改正は、一定の条 件を満たす小型又は特定の施設内に設 置される水力発電設備について、ダム 水路主任技術者の選任を不要化するも のであるため、改正案に対する御意見 ではないと考えます。 なお、水力設備の保安確保のためには、 その工事、維持及び運用に当たって、急 激な溢水、相当量の漏水又は土砂崩れに よって工作物が損壊し、人体への危害又 7 は、ダム主任水路技術者の外部委託を可能 は物件への損傷を起こすこととならない とする緩和措置を要望する。 よう、時々刻々と天候等の影響により変 化する水量等や回転機器である水車の管 理を常に行う必要があることから、ダム 水路主任技術者の選任が必要であると 考えます。 一定の要件を満たす小型の水力発電設備 本改正に係る技術的検討においては、 に係るダム水路主任技術者の選任及び工 水のエネルギー(水量及び落差)が大 事計画届出の不要化に関し、要件の1つで きい場合には、設備の故障や人為ミス ある「発電出力が 200kW 未満であること」 などが発生した際に、その保有してい を「発電出力が 500kW 未満であること」と るエネルギーが水車発電機や水路など の設備に損傷をもたらす可能性が大き して頂きたい。 3 最大使用水量が 1m /s 未満であることの規 くなるため、水のエネルギーを示す指 制に対して、発電出力でしきい値を決定す 標の発電出力 200kW 未満をしきい値と べきと考える。日本での上水設備や水を活 しています。また、水力発電設備に流 用 し て の 設 備 で 我 々 生 活 の 周 り に は 入・流出する水量が 1m3/s を超える場合 0.98MPa(10KG)以下での仕様設備がたく は、これが溢水・漏水したときに公共 さん運用されている。よって小型の水力発 の安全に影響を及ぼすリスクがあるこ 電設備分野では圧力に対しての解釈とし とから、最大使用水量 1m3/s 未満をしき て、もっと緩和されるべきと考える。水の い値としています。 エネルギーを示す発電出力は、流量と落差 また、発電設備の安全を確保するため の積が出力に関係してくるので、それぞれ には、水力発電、燃料電池発電、太陽 にしきい値を設けるのは適当ではないと 電池発電、風力発電等の各発電設備そ 思われる。発電出力でしきい値を決定する れぞれの設備的特徴に起因するリスク べきで、500kW と提案したのは、推定許容 を考慮して安全規制を行う必要がある 最大値を採用したとしても と考えます。 3 例:9.8×100m×0.72m /s×0.7=500kW 9.8×30m×2.4m3/s×0.7=500kW と、技術基準に適合する電気工作物の水力 発電所であれば、流量も落差も安全に対し て重大な影響をもたらす可能性は低い範 囲に納まってくるのではとの見解による ものである。電気的な観点からしても燃料 電池や風力、太陽光のような直流変換装置 を用いる分野の 500kW 未満というしきい値 に比べ、水力は同等以上であるべきと思わ れる。よって、工事計画の届出を求めない こととするしきい値としても的を外れた 値(500kW 未満)ではないと考える。 3