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ア ンデ レ
時 の しる し
主教 アンデ レ 中村 豊
神戸教 区 の皆様 、明け ま してお めで とうござ い ます。
振 り返 ります と、 昨年 1月 か ら 2ヶ 月は何事 もな く、平穏 な毎 日を過 ご してお りま した
が、 3月 11日 の東 日本大震災発 生 を機 に、 社会や 生活 環境 が 一 変 しま した。そ の後 、紀伊
半 島 の土 砂災害や トル コの大地震 、東南 アジア の大洪水 、最後 は フィ リピ ン、 ミンダナオ
島 を襲 つた 台風 な ど、アジア各地 に 自然災害が起 こり、 多 くの 人たちがそ の犠牲 とな り、
被害者 は今 なお 困難 な生活 を余儀 な くされてお ります。 このよ うななか、東 日本大震災 で
は教 区関係者 の ご支援 とご協 力 によ り、 い ち早 く救援活動 を実施す る ことがで き、それは
京 阪神 3教 区協働 の 小名浜聖 テ モテボ ランテ ィアセ ンタ ー に引き継がれ てお ります。
コ ヘ レ トの疑 間
災害 な どで困難 な状況下 に置 かれて いる人たち を思 うとき、 旧約聖書 のコヘ レ トとい う
人 の言葉 が思 い浮 かび ます 。「生 まれ る時 、死 ぬ時、 植 え る時 、植 えた もの を抜 く時、殺
・、 コヘ レ トは、人生 の 中で 起 こる両極端 の 出来事 の 14
す時 、癒す時 、破壊す る時 」・…・・
を列挙 し、人 とい う のは、「定 め られ た時 」 に喜 びや苦 難 を 日々 、毎 年 、経験 しなが ら生
きて いるが、そ の 「時」は誠 に 「空」で ある といい ます。空 のヘ ブ ライ語 は 「ヘベ ル」だ
そ うです が、 これは 蒸気 、気息 な どを意 味 し、 これが転 じて、 実体 のな い 、停 い現象 とな
るのです。
す べ て に定 め られ た時が ある こと を認識すれば 、初 めて、変化 す るあ らゆる ことの移 り
変わ りを包 み込 んだ上で 、神 の業 は永遠 に不 変 で あ り、付 け加 える ことも、 除 くことも許
され な いので す。 一 方 、人は、時 を見極 め る必 要が あるが、それ を見極 めて も、なお、そ
の時 のす べ て を知 る ことはで きな い。永遠 を思 う心 を神か ら与 え られなが ら、神 の業 を知
る ことがで きな い な ら (3章 11節 )、 それ が 一 体何 にな るのか、 とコ ヘ レ トは言 い 、「善人
で あ りなが ら、悪 人 の業 を受 け る者 が あ り、悪 人で あ りなが ら、善人 の業 の報 い を受 け る
者 が ある。 (8章 14節 )」 と、人 間世界 で 起 こる様 々 な矛盾 を嘆 き、神 が人間 に関心 を もち、
人 と深 い関わ りをも とうとして いるのか どうか を コヘ レ トは疑 って いるので す。
道 は険 しい
ク リス マ ス の物語 の なかで重要 な役割 を担 って いるのが、 ユ ダヤ人 で ある羊飼 い と外 国
人 の 占星術 の学者 です。 羊飼 い たちは ベ ツ レヘム郊外 の野原 で、天 使 か ら、イ エス 誕 生の
知 らせを聞き、誕生の地に駆けつけました。恐 らくその地までは、わずか数キ ロ足 らずで
あったでありましょう。一方、夜空に輝 く異常な星を救 い主誕生のしるしと理解 した 占星
2012 1.1
第 32号
術 の学者 たちは、今 のイ ラク南部 、 クエー トの地域か らラクダ に乗 って砂漠 を横 断 し、千
キ ロ以 上 の道 の りを経て、 ユ ダヤ の地 までや って き ま した。 羊飼 いた ちは、天使 の知 らせ
を聞 き、 ベ ツ レヘ ム郊外 の 、洞窟 の家畜小屋 を一つひ とつ あた りなが ら、誕生 の場所 を探
し当てた と想像 します。 一 方 、 占星術 の学者 たちは、誕生 の地 をエ ルサ レムだ と確信 して
お りま したが、そ うでは あ りませ んで した。 しか し、 ここで、 引き返す ことをせず 、星 の
導 き によ り、 とうとう目的地 に辿 り着 い た ので す。
占星術 の学者 たちや羊飼 い たちが歩 んで きた道 、育 って きた環境 、真理 の探究 の動機、
生 き方 は様 々で す。私 たち も同様 です。羊飼 い たちは根気強 く、そ の場所 を探索 しま した。
そ の根気 が失せ た とき、羊 のいる場所 に引き返 したか もしれ ませ ん。 占星術 の学者 は、旅
の途 中、猜疑心や己 の欲望 に負 けそ うにな った り、人間や 自然 に起 因す る 困難 に遭遇 した
とき、途 中 で あき らめか けた こともあった と想像 され るのです。私 たち も同様 で す。
自分 た ち に与 え られた しる しを最終 的 に確認す るため には、 羊飼 いたちが 「さあ、 ベ ツ
レヘ ム に行 こ う。主 が知 らせ て くだ さったそ の 出来事 を見 よ うではな いか」 と決心 し即座
に行 動 した よ うに、 目的地到着 まで には、熱意 、勇気 、努 力が求 め られ るのです。 どうし
て 彼 らは、挫折 を免れ た ので しょうか。それ は 「時 の しる し」 で ある、「神 が共 にお られ
る 。イ ンマ ヌ エ ル」場 が、とうとう人間世界 に実現 した との確信 を抱 いたか らです。事実 、
幼子 イ エス に相 まみ えた時 、イ ンマ ヌエルが実現 し、 神 の栄光 が現 れたのです。
神 と共 に あ る2012年 に
2012年 、私 たちは、「2人 または
3人 がわた しの名 によって集 まる ところには、わた し
もそ の 中 にい る。 (マ タイ 18:20)」
ことを どのよ うな時、 どのよ うな場 で 体験す る こと
ができるで しょうか。東 日本大震災 に関係 していえば、 日立聖アンデ レ教会や小名浜聖テ
モテ教会、 日立 の婦人会 の人たちが神戸 を訪れ、阪神地域 の人たちと会食を共 にしたマン
ダ リン・ パ レス、あるいは、室根聖ナタナエル教会 に宿泊 し、ボランティア活動 を行った
神戸教区の中高生たちが、ある日、被災 した港 を訪問し、海岸近 くで、頭 を垂れて祈 りを
献げた ときな ど、神が共 にお られるイ ンマヌエルが実現 したのではないで しょうか。
羊飼 いや博士たちが幼子 に会え、感動 と喜びに包 まれたように、私たちも、共 に手をた
づさえて、神が共にある場 に向か つて歩み を進め、私たちの 「信仰が真理 のうちに強め ら
れる (祈 祷書 179頁 )」 2012年 であることをお祈 り申し上げ ます。
英国巡礼 の旅 へ のお誘 い
豊主教 副 団長 松浦 信行神父 (カ トリック大 阪大 司教 区司祭 )
日 程 2012年 5月 9日 (水 )∼ 18日 (金 )ま で の 10日 間
費 用 298、 000円 (※ 除 く空港税 ・ 燃 油サ ー チ ャー ジ 。12月 15日 現在 67,710円 )
団
長
中村
定
員
40名
訪 間地
エジンバ ラ、湖水地方、コベン トリー大聖堂、オックスフォー ド・ クライス ト・チャーチ
ス トー ンヘ ンジ、ウインチェスター大聖堂、カンタベ リー大聖堂 (聖 餐力 、聖パ
げ 一城)な ど
ウロ大聖堂 (ロ ンドン ウエス トミンスター・ アベイ、セン ト・ ジョー ジチ ャベル (ウ イン
大聖堂 (主 日礼拝
)、
)、
参加希望者 は神戸教 区事務所 (078… 351¨ 5469)ま で 申 し込 み くだ さい。
2012.1.1
6月 18日 (土
)、
日立 ボ ラ ン テ
1ィ ア セ ン タ ー か ら全 員 が 小 名
浜 聖 テ モ テ教 会 に 集 結 、 い わ
き市 の キ リス ト教 各派 の人 た
ち と共 に支援物資 を配給
ハ
鶴
[_
第 32号
← 日立聖ア ンデ レ
教会 の婦人会 の人
た ち を目んで、交
換 会 (マ ン ダ リン
・パ レス)
神 戸 中華 街 に て
教 区中高生たちが 、祈 りを献 げる (宮 古 にて )
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