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電気計測器校正業務の紹介 (PDF 99.2kB)
長野県工業技術総合センター 精密・電子技術部門 −電気計測器校正業務の紹介− 電気計測担当 松沢草介 花岡健一 旧名称 2005.3月まで 長野県精密工業試験場 LFIクラブ 2005.7.7 中小企業の技術支援 ① 技術相談 (電気計測全般) ② 依頼試験 (JCSS、依頼校正) ③ 研究開発 (特別・共同・受託・経常) ④ 人材育成 (講習会・研究会・技術者研修) 1 依頼校正試験 現場用測定器 ・ ディジタル計測器 (LCRメータ、DMM、Wメータ、) ・ 指示計器類 ・ 周波数カウンタ ・ 安全性試験器(絶縁抵抗計、耐圧試験器、漏洩電流計 等) ・ 抵抗ブリッジ 等… 標準器類 ・ 標準自己誘導器 ・ 標準コンデンサ ・ 標準抵抗器 ・ 6ダイヤル式抵抗箱 ・ 高性能能 DMM ・ キャリブレータ、標準電圧電流発生器 等… インピーダンスの校正試験 標準器・測定器 ・ LCRメータ (HIOKI、ANDO、HP、 GR、桑野、ADEX) ・ 標準(可変)コンデンサ (ANDO、YEW 等) ・ 標準インダクタ (ANDO) 20∼30台/年 校正精度の目安 1/1,000 企業の製造品 ・ モータ巻き線 ・ 通信機器 ・ 通信ケーブルコネクタ ・ 通信機用コイル ・ プリンタ用コイル ・ 電界コンデンサ ・ フィルムコンデンサ 2 依頼試験の料金 (2005.4.1改正) 指示計器類(アナログメータ) ・ 電力計 0.5級 6,100円/(5試験点=1件) ・ その他の計器 0.5級 2,500円/(5試験点=1件) 電気計測器 ・ 精度 1/100,000 9,600円/(5試験点=1件) (周波数カウンタ、JCSS) ・ 精度 1/10,000 5,200円/(5試験点=1件) (標準抵抗器、キャリブレータ、DMM) ・ 精度 1/1,000 3,100円/(5試験点=1件) (LCRメータ、標準自己誘導器、標準コンデンサ、DMM) ・ 精度 1/100 2,000円/(5試験点=1件) (絶縁抵抗計、耐圧試験器、漏洩電流計) 校正関係の依頼試験 約1500件/年(約500台/年) トレーサビリティ体系 (誘導側) 日電検 (JEMIC ) 標準自己誘導器 1H,100mH,10mH 1mH,100μH 安藤電気 RS形 日電検の試験精度 1H,100mH,10mH ±0.01% ±0.02% 100μH ±0.05% (at 1kHz) 1mH 置換法 LCRメータ HP 4284A 標準自己誘導器 LCRメータ(L側) 3 トレーサビリティ体系 (交流抵抗側) 日電検 (JEMIC ) 6ダイヤル形可変抵抗器 横河電機 2786 1∼1111.110kΩ 0.1∼111.111kΩ 日電検の試験精度 1000kΩ ∼ 1kΩ ±0.02% <1kΩ ±(0.02%+10mΩ) <5Ω ±10mΩ (at 1kHz) 置換法 LCRメータ HP 4284A 標準交流抵抗器 LCRメータ(R側) トレーサビリティ体系 (容量側) 日電検 (JEMIC ) 標準コンデンサ E.S.I. SC1000 (1000pF) GR 1404−B (100pF) キャパシタンスブリッジ GR 1621 GR 1620 標準コンデンサ 日電検の試験精度 ±20ppm (at 1kHz) 標準コンデンサ YEW−CS形 HP GR 標準可変コンデンサ GR1413 ANDO LCRメータ(C側) 4 標準コンデンサ一覧 日電検 (JEMIC ) GR YEW 1403−G (10pF) 1403−K (1pF) CS−1 (1μF) CS−0.1 (0.1μF) CS−0.01 (0.01μF) CS−1000A (1000pF) CS−100A (100pF) GR 1404−B (100pF) 1年ごとに依頼 3年目安に依頼 技術報告 E.S.I. HP SC1000 (1000pF) 16387A (1μF) 16386A (0.1μF) 16385A (0.01μF) 16384A (1000pF) 16383A (100pF) 16382A (10pF) 16381A (1pF) GR 1413 (1p∼1.11111μF) ANDO DSC−1 (0.001μ∼11.110μF) SOSHIN QS330D (10μ∼100μF) TM520C (0.3μ∼1F) SM330D (1μ∼10μF) 三端子形標準コンデンサ測定補助具 GR162 キャパシタンスブリッ 同軸コネクタ 同軸ケーブル リード線 バナナ端子 H G L このケーブルの問題点 ① ガード端子に接続されている リード線の位置が変わると 測定値も変わる。 (概ね、±0.003pF) ② 測定者の手がコンデンサの の端子に近づくと、ブリッジの 平衡が不安定になる。 YEW-CS100A 100pF 長野県精密工業試験場研究報 No.11,p57−59(1998) 5 技術報告 端子間浮遊容量の改善 電気力線 同軸ケーブル 端子をシールド 端子間浮遊容量 H H L G L G 直接容量 100.408pF (± 0.003pF) 100.375pF (= 端子間浮遊容量 // 直接容量) 技術報告 三端子形標準コンデンサ測定補助具 バナナ端子−BNC変換 端子のシールド YEW-CS100A 100pF 6 技術報告 三端子形標準コンデンサ測定補助具 − 装着時の様子 − 標準コンデンサの履歴 ① − 開放形空気コンデンサ − YEW CS-100A 100pF (S/N3058L80) の校正履歴 100.395 容量 (pF) 100.390 100.385 ±0.01% (±100ppm) 100.380 −50ppm 100.375 100.370 100.365 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 11月 11月 10月 10月 10月 10月 10月 校正日 JEMIC校正値 GR1621による校正値 7 標準室の環境条件 ・室温 : ・湿度 : ・気圧 : 空気の誘電率への影響 (±5ppm) 23℃ ± 1℃ (±24ppm) 50% ± 10% 大気圧 (自然変動に依存) → 調査 2004年 諏訪測候所発表 現地気圧推移 2004 諏訪測候所発表の気圧推移 現地気圧(hPa) 平均 空気の誘電率への影響 950 (±13ppm) 945 927hPa ± 25hPa 940 935 930 925 920 915 910 905 1/1 2/29 4/28 6/26 8/24 10/22 観測日 12/20 8 空気の誘電率 −気圧− 長野県岡谷市 (長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門) 海抜 790m 918hPa 東京都港区 (JEMIC ) 海抜 0m 1013hPa 気圧の 影響 −95hPa 長野県の方が気圧が低い 空気の比誘電率 気圧については、理科年表を参考 (23℃、50%RH) +0.53ppm/hPa* 容量は、約50ppm小さめに測定される *春日 他 「空気コンデンサの環境特性及びその補正式」 計測標準フォーラム (2003.11.21) 資料を参考 標準コンデンサの履歴 ② − マイカコンデンサ − YEW CS-0.01 0.01μF (S/N3056H12) の校正履歴 0.0100115 容量 (μF) 0.0100110 0.0100105 ±0.01% (±100ppm) 0.0100100 0.0100095 0.0100090 0.0100085 1998年11 1999年11 2000年10 2001年10 2002年10 2003年10 2004年10 月 月 月 月 月 月 月 校正日 JEMIC校正値 GR1621による校正値 9 技術報告 二端子形標準自己誘導器測定補助具 同軸コネクタ 安藤電気 RS形 標準自己誘導器 矢形プラグ 同軸コネクタ 2端子バインディングポスト→同軸コネクタ バナナ端子 校正現場での悩み・今後の課題 誘電損失の標準 ・ 企業では、 tanδ で材料・部品を評価する。 LCRメータの tanδ側校正の要望あり。 交流抵抗の標準 ・ 6ダイヤル式抵抗器では不安定。 固定抵抗器(金属箔抵抗器)への移行。 管理している標準コンデンサの特性評価 ・ 環境(温度、湿度、気圧)の影響。 ・ 試験条件(電圧、周波数)の影響。 校正技術は少しずつ進歩する ・ ドキュメントの管理 10