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日立評論2009年10月号 : 環境対応のエンジン機器(可変動弁システム)
Vol.91 No.10 764-765 環境,安全,快適を実現するオートモティブシステム開発技術 feature article 環境対応のエンジン機器 (可変動弁システム) Variable Valve Actuation Systems for Automotive Engines to Respond to Environmental Issues 原 誠之助 Seinosuke Hara 菅 聖治 Seiji Suga 渡邊 悟 Satoru Watanabe エンジンの可変動弁は,出力性能だけでなく, 燃費や排気の改善に有効な技術として近年,普及が進んでおり, 特に環境問題に対応する有望なCO2低減技術として,その重要性が高まっている。 日立グループは,1980年代半ばにVTCを実用化し,2007年からはVELの大量生産を開始した。 VTCはガソリンエンジンには標準的に適用されつつあり, VELはVTCと組み合わせることで燃費効果が大きく,採用が広まっている。 日立グループは,燃費規制対応のキーテクノロジーとして,可変動弁のさらなる高機能化をめざしていく。 1. はじめに に活用されるようになった。 自動車のエンジンは誕生以来目覚ましい進歩を遂げ,そ この間,日立グループはカムの回転位相を変える VTC の回転やトルクの運転範囲は大幅に広がった。しかし,エ (Valve Timing Control:可変位相)を 1980 年代半ばに国 ンジンバルブの作動タイミングは固定のままで,エンジン 内で他社に先駆け実用化した。さらに 1990 年代に入って の最適設計が困難となっていた。そこで,運転条件に応じ 可変リフトの開発を行い,初めに VVL(Variable Valve てバルブタイミングを最適化する可変動弁が 1980 年代か Lift:カム切り替え)を製品化し,2007 年には VEL(Variable ら使われるようになった。当初は,出力向上とアイドル燃 Valve Event and Lift Control:連続可変バルブリフト)が 焼安定の両立など用途が限定的であったが,排気や燃費の 日産自動車株式会社のスカイラインクーペ(V6,3.7 L) 規制強化に伴ってその有効性が高まり,これらの規制対応 などに採用されて量産を開始した(図 1 参照) 。 燃費規制 動向 140 g/km(2008年) 120 g/km(2012年*) 35 mpg(2020年) 185 g/km (1995年,実績) 27.5 mpg (1985年) 欧州CO2 米国CAFE *含タイヤなど エンジン 技術動向 エネルギーマネジメント化 エンジン 高効率化 アイドルストップ ポート噴射 筒内直噴 ハイブリッド 廃熱利用 ダウンサイジング,過給 HCCI燃焼 カム リフタ 可変動弁 高機能化 バルブ ・高応答化 ・可変レンジ拡大 ・電動化 高機能化 ・他システムとの協調 など 排気 吸気 2007年∼ 連続可変リフト (VEL) 高機能 カム切り替え (VVL) VEL(+連続VTC) 1997年∼ 組み合わせ技術 連続化 2段VVL 可変位相 (VTC) 連続VTC オン, オフVTC 1986∼ (製品化) 連続化 2000 吸排化 1998年∼ 2005 電動化 2010 (年) 注:略語説明 VTC(Valve Timing Control) ,VVL(Variable Valve Lift) ,VEL(Variable Valve Event and Lift Control) ,HCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition) , CAFÉ(Corporate Average Fuel Economy),mpg(Miles per Gallon) 図1 可変動弁の高機能化 可変動弁は走りと環境を両立する技術として重要度が高まり,今後自動車のCO2削減のキーテクノロジーとしてさらなる高機能化が進む。 26 2009.10 ここでは,自動車エンジンの環境対応に有効な可変動弁 は小リフトなどによる燃料微粒化やオーバーラップ制御に システムの性能効果と,代表的な可変動弁システム VTC よる燃料壁面付着の抑制などの効果が大きい。可変動弁の および VEL の概要について述べる。 具体的な機構は図 4 のように分類される。 機能性が増すほど性能効果は高いが,コストや搭載性の 課題が大きい 1)。 2. 可変動弁の機能と性能効果 古くから動弁機構には出力を上げるための大リフト化, 高速化が求められてきた。機構が複雑化する可変動弁で 3. 可変位相 (VTC) システム は,これらがまず基本課題となる。そのうえで燃費や排気 VTC は,図 5 に示すようにカム軸先端のスプロケット をよくするために可変機能による熱効率向上や燃焼改善が 部のアクチュエータで位相変換できるので,簡便で搭載し 必要となる。エンジン性能向上因子と可変動弁機能の関係 やすい方式である。日立グループは,まずヘリカルギア構 を図 2 に示す。 造の油圧オンオフ制御方式を実用化した。VTC はカム軸 可変動弁は出力だけでなく燃費,排気に幅広く効果をも の交番トルクに起因するギア音が課題であったが,独自の たらす。熱効率関係では吸気弁閉時期によるポンプ損失の バックラッシュ除去機構で解決した。その後 1990 年代終 低減をはじめ,小バルブリフトによる燃料微粒化やガス流 わりに,連続制御で高応答,高変換角のベーンタイプを実 動強化による燃焼改善などの効果が大きい。 用化した。連続制御ではエンジン運転条件に応じたバルブ 部分負荷域で約 8%の燃費効果が得られる。排気関係で 具体的にはクランク角やカム角のセンサー信号に応じてソ は HC(炭化水素) ,NOx(窒素酸化物)の有害成分の低減 レノイドバルブを駆動し,VTC 油圧室への油圧を調整し 効果が大きい。現在では触媒技術が進歩して冷機始動時の ている。この連続制御により,燃費や排気が大幅に改善さ 触媒暖機前の HC 排出が課題として残っているが,これに れ,現在ではガソリンエンジンに標準的に採用されるよう 排気バルブ 排気開 吸気バルブ 吸気開 位相 吸気閉 排気閉 リフト バルブリフト タイミングの最適化のため,高精度な制御が求められた。 下死点 上死点 下死点 クランク角 バルブオーバーラップ 性能アイテム ・トルク 出力 主な向上因子 充填(てん)効率 吸気応答 ・燃費 形式 ・吸気弁開時期 可変位相 (VTC) エンジン出口 燃料微粒化 燃料付着抑制 内部EGR(NOx) (大リフト,作動角,微小リフト) 解媒出口 解媒暖機 (HC, NOx) バルブリフト 特性 (早閉じ,遅閉じ,有効圧縮比) (遅開きでガス流動) 機械効率 ・排気 バルブタイミング バルブリフト スロットルレス 圧縮 (膨張)比 ガス流動 内部EGR 燃料微粒化 残留ガス減 ポンプ損失 小バルブリフト,休止 図示熱効率 (CO2) (正味熱効率) 注:○ 可能 △ 一部可能 × 不可能 可変動弁機能 ・吸気弁閉時期 ・排気弁閉時期 カム カム あり 切り替え (VVL) (残留ガス封じ込め) ・排気弁開時期 (有効膨張比) ・バルブリフト 可変リフト (VEL) 位相 リフト 作動角 休止 作動角 連続 エンジン 搭載性 コスト 制御 性能 ○ × × × ○ △→ ○* ○ ○ ○ ×→ △* △→ ○* ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 低い 良い 低い 高い 悪い 高い ・バルブオーバーラップ カム 油圧または なし 電磁駆動 (残留ガス増加,掃気) ・弁休止 (気筒休止,片弁休止) *可変位相の組み合わせにより機能性アップ 注:略語説明 EGR(Exhaust Gas Recirculation) 図4 可変動弁の形式と機能比較 可変動弁は出力だけでなく燃費や排気にも幅広い効果が得られる。 高機能化によってエンジン性能は向上するが,コスト,搭載性の課題が大きい。 有効吸入行程 図2 エンジン性能向上因子と可変動弁機能の関係 (バルブタイミング) ・直列4気筒 2.4 L,DOHC ・1, 200 rpm−39.2 Nm 吸気早閉じ 上死点 1, 000 28 吸入負圧が小さくなる 上死点 下死点 排気 * (8.2%) 吸入行程の短縮 スロットルバルブを開く 吸気遅閉じ 100 カム角センサー バックラッシュ 除去機構 −64 ポンプ損失 吸気 ソレノイドバルブ VTCアクチュエータ 初期ヘリカル型 (オン, オフ) 現行ベーン型 (連続) 上死点 スプロケット −21 99 ロックピン 吸入負圧の減少 10 10 * (5.7%) 有効吸入行程 早閉じ 遅閉じ スタンダード 上死点 行程容積V (cm3)100 スタンダード 上死点 0 下死点 58 1, 000 油圧室 バルブリフト 筒内圧力 P(kPa) 大気圧 排気 *ポンプ損失低減による燃費効果 (スタンダード比) 注:略語説明 DOHC(Double Overhead Camshaft) 図3 気筒内の圧力変化とバルブタイミングによるポンプ損失の低減 吸気の遅閉じ,あるいは早閉じにより,有効な吸入行程が短縮して吸気が制限され, その分スロットルを開く。これによって吸入負圧が減じ,ポンプ損失が低減する。 ベーン ECM 吸気 クランク角センサー クランク角 注:略語説明 ECM(Engine Control Module) 図5 VTCシステム クランク角やカム角のセンサー信号に応じてVTCへの油圧を制御する。 27 feature article 可変動弁によるポンプ損失低減例を図 3 に示す。 Vol.91 No.10 766-767 環境,安全,快適を実現するオートモティブシステム開発技術 になった。適用は吸気側が基本であるが,排気側適用も拡 て往復運動を発生させ,それをリンクなどで揺動カムに伝 大してきており,特にガソリン直噴エンジンでは,ターボ える。さらにロッカアームの揺動支点を上下することに 過給と組み合わせてバルブオーバーラップにより掃気効率 よって揺動カムの揺動位置を変化させ,リフト,作動角を などを高め,ターボラグの改善を図っている。今後は始動 連続的に変える。VEL は往復運動をリンクなどで強制的 時からバルブタイミングの最適化が可能な電動型などの に揺動カムに伝えるため,揺動カムを引き戻すリターンス ニーズが高まってくるものと予測される。 プリングが不要であり,機構の駆動フリクションを小さく できるのが特長である。またリンク機構による強制駆動の 2) , 3) 4. 連続可変バルブリフト (VEL) システム ため,高速化が容易であり,この種の機構では最高の リフトや開弁期間(作動角)が変わる可変リフトは, 7,500 エンジン rpm(Revolution per Minute)を達成して 1960 年代から研究が進められてきた。日立グループもま いる。さらに VEL は 0.7 mm から 12.5 mm までワイドレ ず VVL を製品化したが,これは 2 段切り替えのため燃費 ンジにリフトが制御でき,燃費,出力効果を高めている。 効果などを十分に得られず,VEL の開発に取り組んだ。 特に微小リフトによってスロットルレス運転が可能とな VEL 開発にあたっては,1980 年代前半に SOHC(Single り,スロットルに起因するポンプ損失を大幅に低減するこ Overhead Camshaft)エンジン用にまとめたプロトタイプ とができた。また,バルブでスロットル作用を行うため吸 4) 気の応答がよく加速レスポンスが向上する。ここで微小リ 開発の経験を生かしている 。 フトによる気筒間の吸気ばらつきが課題となっていたが, 4.1 基本構成と作動原理 独自のリフト調整機構で解決した。 VEL のシステム構成を図 6 に示す。開発にあたっては, VEL のアッセンブリとその構成部品を図 8 に,VEL の (1)既存エンジンの小変更で搭載可能, (2)ワイドレンジ アクチュエータを図 9 にそれぞれ示す。これはブラシ付き なリフト,作動角可変, (3)高回転化, (4)低駆動フリクショ DC(Direct Current)モータ,ボールねじ減速機構とコン ン,および(5)高い制御応答性などを主なねらいとした。 トロールシャフトの角度センサーから成る。VEL は機構 搭載性については従来エンジンのカム軸位置を変えずに, 本体の低フリクション,ボールねじの高伝達効率などによ 気筒間の空きスペースに可変機構を配置して実現した。 VEL の作動原理を図 7 に示す。駆動カムの回転によっ VEL アッセンブリ/構成部品 VTC/ソレノイドバルブ DCモータ VEL アッセンブリ 角度センサー ボールねじ アクチュエータ VEL アクチュエータ アクチュエータ 駆動電流 リンクA コントロールシャフト ドライブシャフト 駆動カム VEL 制御軸角度 角度センサー VTC VEL ロッカアーム VEL シリンダヘッド (V6) リンクB 揺動カム バルブリフト調整機構 VTC VEL-ECU エンジン/車両情報 バルブリフタ (DLCコーティング) VTCの制御 排気 吸気 目標VEL角度 12.5 mm (最大) VEL 0.7 mm(最小) 下死点 上死点 注:略語説明 DC(Direct Current) ,DLC(Diamond-like Carbon) 実際のVEL角度 下死点 VTC 図8 VELアッセンブリと構成部品 CAN VEL-ECU ECM 従来のカム軸位置にドライブシャフトを配置するのでシリンダヘッドにコンパクトに納 まる。 注:略語説明 CAN(Controller Area Network) ,ECU(Electronic Control Unit) コントロールシャフト 図6 VELシステム VELによるリフト制御とVTCの位相制御が協調制御される。 アクチュエータアーム コントロールシャフト 大バルブリフト ロッカアーム コントロールカム 揺動支点 リンクB リンク 小バルブリフト バルブリフト調整機構 リンクA 駆動カム 揺動カム 大リフト 小リフト ドライブシャフト リフタ バルブ DCモータ (定格出力:60 W) 角度センサー ボールねじ機構 小リフト 大リフト 図7 VELの作動原理 図9 VELアクチュエータ 揺動カムの揺動姿勢を変えてバルブのリフトを変化させる。 高効率のボールねじ減速機の利用などにより,モータの小型化が可能となる。 28 2009.10 り,定格出力 60 W の小型モータで高い制御応答性を実現 レノイド消費電力 (2.8 W) よりも低いレベルに抑えられた。 以上の機構および制御開発により,VEL は実車燃費 している。 (CO2)約 10%低減,冷機始動時の排気(HC)約 50%低減, 出力約 10%向上などの性能効果を達成できた。 4.2 制御システム VEL の駆動制御は,車両やエンジン情報からエンジン 制御モジュール(ECM:Engine Control Module)で VEL VEL の今後の課題としては,さらなる高応答化,可変 レンジ拡大,低コスト化,コンパクト化などがある。 制御目標を演算し,CAN(Controller Area Network)通信 で VEL 制 御 ユ ニ ッ ト〔VEL-ECU(Electronic Control 5. おわりに Unit)〕に送る(図 6 参照)。そして VEL-ECU は,コント ここでは,自動車エンジンの環境対応に有効な可変動弁 ロールシャフトの角度センサー信号をフィードバックして システムの性能効果と,代表的な可変動弁システム VTC アクチュエータを駆動制御する。 および VEL の概要について述べた。 VEL の駆動制御に求められる機能は,高応答や高安定 可変動弁は高機能型になるほど制御パラメータが増え, 高度なシステム開発力が求められる。VEL は機構開発と 時変化や環境変化に対するロバスト性が高いこと,および 制御開発が一体となって最適なシステムを世に出すことが (3)モータ消費電力を抑えられることなどである。これら できた。今後は厳しい環境規制の中でパワートレインの電 のうち(1)と(2)のために 2 自由度系のモデル規範制御を 動化が進むが,まだ当面の間は内燃エンジンが主役となる 適用した。 (3)に対してはモデル規範をベースに独自の ものと予想され,このエンジンの極限までの効率向上に, フィルタ回路を設けた。VEL はバルブスプリングの反力 可変動弁はさらに重要な役割を果たすと期待される。 などからコントロールシャフトに交番トルクが発生する。 日立グループは,そのシステム開発力や各種基盤技術を この交番トルクはアクチュエータの外乱となり,これを抑 活用して,合理的なコストで可変動弁の究極の高機能化を えるための操作量が過大となることにより,モータの消費 めざしていく。また直噴,過給,HCCI(Homogeneous 電力が増大する。この過大な操作量の抑制にはセンサー信 Charge Compression Ignition)燃焼,ハイブリッドなどと 号へのフィルタリング処理が有効であるが,応答性を損ね の組み合わせ技術をさらに追求し,自動車エンジンの るという問題があった。そこで図 10 に示すように駆動制 CO2 低減に貢献していく所存である。 御出力段にフィルタを設定し,このフィルタも VEL 機構 の周波数特性の一部であるとして伝達特性を仮定し,規範 モデルを含めた制御系を再構築した。この結果,応答性, 安定性を確保しつつ過大な操作量を抑える制御系が構築で きた。VEL の実車走行の消費電力は 2.2 W と,VTC のソ フィードフォワード補償器*1 *1 P−1(S)R(S) =F−1(S)P−1(S)R(S) ( F S) P−1(S)R(S) フィードバック フィルタ 補償器 + + + R(S) ( F S) K (S) ( F S) − ( F S) 規範モデル 目標VEL角度 最適化後フィルタ位置 VEL VEL角度信号 (S) P 参考文献 1) 原:可変動弁システム,自動車エンジン要素技術(Ⅰ),進化を続けるテクノロジー のすべて,p.165∼181,山海堂(2005.6) 2) M. Nakamura,et al.: A Continuous Variable Valve Event and Lift Control Device(VEL)for Automotive Engines, SAE 2001-01-0244 3) Y. Yamada,et al.:Development of Continuous Variable Valve Event and Lift Control System for SI Engine(VEL), SAE 2008-01-1348 4) S. Hara,et al.:Application of a Valve Lift and Timing Control System to an Automotive Engine, SAE 890681 執筆者紹介 原 誠之助 1995年株式会社日立ユニシアオートモティブ入社,元 日立オートモ ティブシステムズ株式会社 エンジン機構事業部 設計開発本部 エ ンジン機構設計部 所属 自動車技術会会員,SAE会員 最適化前のフィルタ位置 操作量(V) VEL 角度信号 (deg) 小 ← リフト → 大 モデル規範制御 (最適化前) モデル規範制御 220 ms*2 (最適化後) 80 60 目標VEL角度 40 VEL角度信号 VEL角度信号 20 20 10 0 −10 −20 1.5 注:*2 90%応答時間 60 目標VEL角度 40 0 1.5 180 ms*2 (エンジン:1, 000 rpm) 80 菅 聖治 1978年株式会社日立ユニシアオートモティブ入社,日立オートモ ティブシステムズ株式会社 エンジン機構事業部 エンジン・制御ブ レーキ本部 エンジン機構設計部 所属 現在,エンジン機構製品の設計開発に従事 20 3 3.5 2 2.5 過大な操作量 2 2.5 3 3.5 時間 (s) 4 4 4.5 0 1.5 20 10 0 −10 −20 4.5 1.5 2 2 2.5 2.5 3 3.5 4 4.5 操作量の低減 3 3.5 時間 (s) 4 4.5 渡邊 悟 1985年株式会社日立ユニシアオートモティブ入社,日立オートモ ティブシステムズ株式会社 パワートレイン&電子事業部 パワートレ イン設計本部 制御システム設計部 所属 現在,パワートレインマネジメントシステムの開発に従事 図10 VEL駆動制御のブロック線図とフィルタ位置の最適化 駆動制御出力段にフィルタを設けて伝達特性を最適化し,過大な操作量を抑制した。 29 feature article 性に加え, (1)応答周波数特性を規定できること, (2)経