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自己組織化制御による 新規分子素子を目指した基盤研究
自己組織化制御による 新規分子素子を目指した基盤研究 メンバー (代表) 横山 崇 准教授 橘 勝 教授 篠崎一英 教授 立川仁典 教授 高山光男 教授 重田諭吉 教授 梶原康宏 教授 1 キーワードは 「自己組織化」 自己組織化とは? 「他の制御なしに自発的に組織や構造を作り出すこと」 2 機能性分子を利用した次世代電子素子 有機トランジスタ 有機EL SONY http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20031121/60293/ 単一分子素子 3 正孔輸送層 ソース ゲート 有機トランジスタ ドレイン 発光層 電子輸送層 発光 有機EL <現状> 半導体結晶から分子薄膜に材料を代えただけ しかも,結晶ではなくアモルファス 分子の並び方を”精密に”,”思い通りに”制御できれば, 自在な素子設計が可能になる!! 自己組織化を利用して構造制御 4 プロジェクトの研究体制 生体分子応用(梶原):8% デバイス(橘):20% 分子合成・光機能(篠崎)20% 単一分子計測(横山):20% 分子自己組織化 理論(立川):13% 質量分析(高山):8% ナノ測定(重田):10% 分子の自己組織化制御 教員同士の自己組織化 5 主要3テーマの 研究成果トピックス 6 自己組織化によるデバイス特性の向上(橘) 単結晶を用いたFET ゲート ソース ドレイン 単結晶を用いることで 自己組織化の有用性を探る 有機トランジスタ プレートサブリメーション法 テトラセン (10-5 Pa) 育成されたテトラセン単結晶 これまで困難だった巨大単結晶を作成!! 7 自己組織化によるデバイス特性の向上(橘) 単結晶を用いたFET 性能 高 単結晶試料の デバイス特性(移動度)の測定 薄膜(アモルファス的) 劈開テトラセン 単結晶 107up 荷重 ゴム片 ソース Au n+- Au 薄膜(多結晶的) SiO2 Si(ゲート) HP 4156C VG ドレイン A 105up ID VD 単結晶 キャリア移動度(cm2/Vs) テトラセンFETにおける世界最高値を実現!! 自己組織化(結晶性)がデバイス特性に大きく影響することを証明した 8 自己組織化変化による光特性(篠崎) Pt錯体のエキシマー発光 Pt錯体 分子の色 すりつぶし 処理 結晶構造 すりつぶし処理によって, 光励起状態で分子自己組織化 が変化(二量体化)!! → 発光特性の変化 オレンジ発光 黄色発光 Intensity (a.u.) 発光色 Wavelength(nm) 9 自己組織化変化による光特性(篠崎) ロジウム錯体の水素ガス添加による色変化 !# !# [Rh(bpy)2H2]+ H H H 570nm H H Time (μs) !# 0.97μs H & !#1$ "% ロジウム錯体への水素ガスの付加・脱着制御 10 基板上での自己組織化制御(横山) 形状効果によって異性体の分離や混合を制御 C6 chain シス相 トランス相 6T-Si-Dod 異性体分離 C12 chain 6T-Si-Hex 6T-Si-Hex C6 chain 混合相 6T-Si-Et トランス C2 chain 6T-Si-Pro シス C3 chain 混合 T.Yokoyama et al. JPC C(2008) 11 基板上での自己組織化制御(横山) 超分子テンプレートを利用した高次構造制御 多層に積み重ねる + F.Nishiyama, T.Yokoyama et al. APL(2006) 異種分子を取り込ませる monolayer thickness of trans-COOH porphyrin 水素結合による 自己組織化分子テンプレート Close packed assembly of C60 without a temprate F.Nishiyama,T.Yokoyama et al. Adv.Mater.(2007) 12 単一分子計測(横山) ポルフィリン・ヘテロダイマー Aviram & Ratnerが提案した分子ダイオード e- e- N N NH N N N Co N HN 占有状態(Vs=-1.0V) EF P N 非占有状態(Vs=+1.0V) Si Si N S Si Si N Si Si N S S S S S N N Si Si Si Si S Si Si N Si Si N S S S S S N N Si Si Si Si S Si Si N Si Si N S S S S S N N Si Si Si Si S Si Si N S S S S S N N Si Si Si Si 10nmワイヤー:24T-Si-Dod 10nm分子ワイヤ構造の直接計測 分子ダイオードの直接計測 13 それ以外の研究成果トピックス 14 それ以外の研究成果トピックス 厳密計算への挑戦(立川) 2探針STM(重田) [HCN;e+] Unit 2 Unit 1 +Y -Z -Y Tip2 Tip1 +Z +X MC_MO(HF) -92.90074 (hartree) [ e-/e+= 6-311++G(2d,2p) /15s 15p 6d 2f ] VMC -93.2591(5) [1] [ e-: 6-311++G(2d,2p) e+: 6-311++G(2d,2p) + 10s GTF (off-atom)] +Z -92.901915 CISD Sample Tip2 Tip1 DMC -93.39830(8) 量子モンテ テカルロ法による 数値的変分解の の世界記録樹立! [1] H. Chojnacki and K. Strasburger, Mol. Phys. 104 2273 (2006) ナノテスター立ち上げ段階 15 それ以外の研究成果トピックス 大気イオンの水和(高山) 大気中の負イオンと水の間の 自己組織化構造を明らかにした 水和構造の質量分析スペクトル 糖タンパク質合成(梶原) ヒト型糖鎖を持つタンパク質の 化学合成に成功 NHK TVでも報道 16 教員同士の自己組織化 自己組織化とは? 「他の制御なしに自発的に組織や構造を作り出すこと」 17 分子間の斥力を利用した自己組織化 (横山+篠崎) 双極子相互作用 repulsion top view りん光分子 + Ir(PPY)3 attraction + side view + Dipole 18 双極子モーメントを揃えることで 単一分子分散を実現 T = 81K 95nm95nm 19 Repulsive intermolecular interactions of Ir(PPY)3 on Cu(111) 6nm x6nm T = 81K 95nm95nm Dipole adsorption structure obtained by Quantum Chemical Calculations Physica Review Letters誌 の注目論文 20 シアル酸転移反応機構の理論的解析 (立川+梶原) QM/MM法 シアリル糖鎖 生体内において細胞間の接着・ 分化、神経繊維の発達に関わる Fig.1. シアル酸 Fig.2. シアル酸転移酵素 CMP シアル酸転移酵素 酵素中でどのように反 反応機構 が進行するのか? CMP- (SN1 or SN2 ?) CMP シアル酸 r2 Fig.3. シアル酸転移反応 理論計算によってシアル酸転移の 反応機構を解明する r1 1 糖受 受容体 計算モデル 21 MALDIにおけるプロトン化過程の理論計算 (立川+高山) MALDIにおけるイオン化収率と プロトン親和性の関係を理論解 析によって明らかにする 一般的に気相中のプロトン親和性に 依存するMALDIのイオン化収量が、 依存しない場合がある H N C H C O H H C C H O O H H 22 新規分子を用いた有機FETの試作 (橘+篠崎) ソース ゲート ドレイン 有機トランジスタ 高性能FET実現のため,最適材料探査を 分子合成レベルから行う 23 顕著な研究成果など 24 受賞 •文部科学大臣表彰科学技術賞(若手科学者賞):立川仁典教授 •日本分析化学会学生奨励賞:関本泰子(高山研究室) •日本化学会学生講演賞:鈴木机倫(立川研究室) •日本化学会学生講演賞:岡本亮(梶原研究室) •日本表面科学会講演奨励賞:西山文貴(横山研究室) 25 発表した高インパクトファクター論文 10.0 Angewandte Cheme (梶原) 8.2 Advanced Materials (横山) 7.9 Journal of American Chemical Society (梶原:NHK TV報道) 7.1 Physical Review Letters (横山+篠崎:注目論文) 5.3 Analytical Chemistry (高山) 5.1 Chemical Communications (梶原) 4.1 Journal of Physical Chemistry B&C (横山x3,立川) 4.0 Journal of Organic Chemistry (梶原) 4.0 Crystal Growth & Design (橘) 3.6 Applied Physics Letters (横山) 3.5 ChemPhysChem (立川) 3.2 Organic Biomolecular Chemistry (梶原) 3.0 Physical Review A (立川) 3.0 Journal of Chemical Physics (立川x7) 26 外部予算申請 大学院教育改革支援プログラム(大学院GP) 「計算科学を実践できる自立型実験系人材育成」 代表・全体の総括:橘 勝 副代表・計算科学教育の総括:立川仁典 自立型実践教育の総括:梶原康宏 実験科学教育の総括:横山 崇 残念ながら不採択(審査対象外?)・来年度再挑戦 27 まとめ 生体分子応用(梶原) デバイス(橘) 分子合成・光機能(篠崎) 単一分子計測(横山) 分子自己組織化 理論(立川) 質量分析(高山) 分子の自己組織化と機能 教員同士の自己組織化 ナノ測定(重田) 今後の発展に期待!! 28