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現状と課題 [PDFファイル/224KB]
○死因究明等の推進に係る現状と課題 第1回協議会における議論の概要 関連する全国状況・国の方針等 【県警】 (1)死体取扱数 の状況 平成26年の年間取り扱い死体数は5,831体(犯罪死体:23体、変死体: 965体、その他の死体:4,843体)。 【第七管区海上保安本部】 平成26年の海保の遺体取扱総数は1,284体で、七管の取扱いは151 体。そのうち福岡県の海域で発見され取り扱われた遺体は49体。海上で 発見された遺体についても、沿岸部等で発見された遺体は警察機関と 連絡を取り合同で検視等を行う。 ①検案 【検案の質】 検案は多くの場合、地域の臨床医が個別に対応するため検案の質に 差が見られた。(死因究明等推進計画P3) 【検案医の技術向上】 厚労省はH17年度から、医師を対象に死体検案研修を国立保健医療 科学院で実施。H24年度までに延778名が修了。(国の死因究明等推進 計画検討会:第9回資料) 5年後を目途に、原則、当該研修を修了した医師が警察等の検視・調 査への立会い・検案を実施できるよう、検案に携わる医師の充実及び技 術向上に努めていく。(死因究明等推進計画P9) 死 因 究 明 【大規模災害への備え】 日本医師会は大規模災害時の派遣体制の整備などのため、全国的な 組織化を行い、警察等の検視・調査への立会い、検案をする医師のネッ トワークを強化する。(死因究明等推進計画P6) ②検視 ⑵ 検 案 ・ 検 視 の 体 制 【県警】 【検視官の臨場率】 H26年に検視官が臨場した件数は5,831体のうち3,935体(臨場率67.5%)。 H26年の全国平均の検視官臨場率は72.3%。 【検察庁】 H10年以降に発覚した犯罪死の見逃し等事案として45件を把握。この うち、検視官が臨場していなかったものは35件。(国の死因究明等推進 警察からの変死体の発見情報に対し、代行検視を行ってもらうか検察 計画検討会:第2回資料) 官が臨場するか、あるいは死因が定かでない場合は司法解剖・死亡解 剖を行うかといった点について警察と協議しながら判断している。 ○検視官及び検視官補助者の体制…H21年度以降増員している(国の 死因究明等推進計画検討会:第2回資料) H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 検視官 160名 196名 221名 268名 304名 検視官補助者 169名 317名 358名 450名 520名 【警察庁:検視支援装置の整備】 検視官が現場に臨場できない場合でも、現場の映像と音声を送信し、 検視官が死体や現場の状況をリアルタイムに確認することができるよう、 検視支援装置の整備に努めていく。(死因究明等推進計画P11) 23年度以降、5か年計画で都道府県警察における装置の整備について 予算措置(国の死因究明等推進計画検討会:第2回資料) ③鑑識官 【七管】 ・法医調査 鑑識官を門司保安部に1名配置 官 【海上保安庁】 鑑識官を平成26年までに全国で34名配置。 【七管】 【海上保安庁】 法医調査官の養成のため、九州大学、大分大学、長崎大学の法医学 法医学教室等への職員の派遣研修を継続し、死体取扱業務に必要な 教室に毎年各1名の研修生を送っており、研修後に法医捜査官として身 専門的知識・技能を修得した職員の海上保安部署への配置の拡充に努 元判明の検視業務を行っている。七管には22名の法医捜査官を配置。 めていく。(死因究明等推進計画P8) 1/3 本県における今後の課題 ○死因究明等の推進に係る現状と課題 第1回協議会における議論の概要 関連する全国状況・国の方針等 本県における今後の課題 ①法医学 【解剖実施機関】 【解剖実施機関】 教室 H25年度の解剖委託先は80機関(H26.6.11警察庁刑事局「司法解剖の 九州大学、福岡大学、久留米大学、産業医科大学に法医学講座があ 実施」) り、警察からの嘱託により司法解剖、新法解剖、遺族の承諾による承諾 解剖を行っている。 ②解剖数 【解剖医の数】 【解剖医の数】 九州大学2名、福岡大学2名、産業医科大学・久留米大学に各1名で、 H25年度の解剖医は154人(H26.6.11警察庁「司法解剖の実施」) 福岡県全体を6名でカバーしている。 【解剖医一人当たり解剖数】 全国と比較して平均的な水準。 【解剖医一人当たり解剖数】 全国平均は150体程度。 【県警取扱分】監察医制度がないので、解剖率は全国平均より低い。 【警察取扱分】 福岡県 全国 死体取扱数 解剖数 解剖率 死体取扱数 解剖数 解剖率 H24年 5,982 292 4.9% 173,833 19,218 11.1% H25年 5,852 356 6.1% 169,047 19,036 11.3% H26年 5,831 444 7.6% 166,353 19,392 11.7% *東日本大震災被害者、交通関係を除く解剖数(司法解剖と行政解剖の合計) 【七管取扱分】平成26年の管内解剖総数は17体。うち福岡県内分は5体。 死 因 究 明 ⑶ 解 剖 の 実 施 体 ③死亡時画 【県警】 制 像診断 【海上保安庁】 解剖数 H21 1,285 468 H22 1,124 461 H23 1,440 491 (国の死因究明等推進計画検討会:第2回資料) 死体取扱数 県警の実施状況 死体 死後画像検査実施数 うち県費分 取扱数 H24年 5,982体 120体 65体 H25年 5,852体 141体 68体 H26年 5,831体 149体 67体 【技術者の養成】 死亡時画像の撮影、読影には特殊な技術や知識が必要になり、現状 においては対応できる者が限られている。(H28年度厚労省の概算要求 資料) 日本医師会は、厚労省の委託でH23年度から死亡時画像診断に関す る研修会を実施。H24 年度までに延べ医師117名、診療放射線技師175 名が受講。(国の死因究明等推進計画検討会:第9回資料) ④薬物検査 【警察庁】 簡易検査キットを用いた予試験の徹底、複数の簡易薬物検査キットの 活用等薬毒物検査の充実に努めるとともに、科学捜査研究所において、 必要な定性検査が確実に実施されるように努めていく。(死因究明等推 進計画P15) 2/3 ○死因究明等の推進に係る現状と課題 第1回協議会における議論の概要 関連する全国状況・国の方針等 (4)死因分類別の 【県:人口動態調査】 死亡率 ・健康施策や施策の方向・評価などに活用している統計。 死 ・死亡に関するデータも含まれ、市町村が死亡届及び死亡診断書あるいは 死体検案書に基づき、WHOの原因死選択ルールに従って死亡の原因や死 因 因の種類を確定している。 究 ・H23~25の福岡県は死亡数、死亡率とも 【死因分類別の人口10万対死亡率(人口動態調査)】 全死因 左のうち外因死 左のうち溺水 に増加して5万人弱で、全国と比べると外 明 因死の死亡率が高い。その中で「不慮の 全国 福岡県 全国 福岡県 全国 福岡県 事故」が少し高く、「溺水」が高い。 H23年 993.1 955.0 74.6 63.8 5.8 10.6 関 H24年 997.5 970.6 58.3 63.8 6.3 10.8 H25年 1,009.1 979.9 57.1 60.2 6.0 10.0 係 ①歯科法医学 ⑸ 身 元 確 認 ②通常時 身 元 確 認 の ③災害時 体 制 (6)診療行為に関連 した死亡 【歯科法医学講座】 【歯科法医学講座】 九州歯科大では、学内に法医歯科学分野はないが、本年度から解剖 全国の歯科大学(歯学部)29校のうち、歯科法医学講座を有するのは7 学の教員が法医歯科学の講義を行っている。このような新しい可能性を 大学のみで、首都圏に集中し、西日本には1か所もなく、偏在の解消が 学生に提示することにより、この分野に進む学生を育成していく予定。 必要。(国の死因究明等推進計画検討会:第7回資料) 南海トラフの被害想定からしても、歯科法医学講座の新設が急務であ る。(国の死因究明等推進計画検討会:第7回資料) 【歯科医師会の対応】 【警察庁】 県警、海上保安庁の協力要請に対応している。 「身元不明死体情報」と「行方不明者情報」を対照するに当たってDNA 型情報及び歯科所見情報の活用を図るため、これらの情報について整 生前の資料があれば、歯牙の位置関係等からほとんどの確率で本人 理・保管・対照する仕組みを構築していく。(死因究明等推進計画P12) 確認ができる。 日本歯科医師会に問い合わせがあったものは、全国の会員に照会が できるようHPや広報誌に掲載する。 【歯科医師会の対応】 組織として迅速に対応できるよう、身元確認作業に協力できる医者の 名簿を作成している。 東日本大震災時は、被災地へ会員4名を派遣。 【照合検索システム】 今後起こりうる大規模災害に備えるためにも、生前情報と死後情報と の照合により「絞り込み」を行う照合検索システムの導入が急務(国の死 因究明等推進計画検討会:第7回資料) 【医師会】 【医療事故調査制度(医療法第6条の10~11:H27.10.1施行)】 ○診療行為に関連した死亡の福岡県医師会調査分析事業 ・医療事故が発生した医療機関において内部調査を行い、その調査報 告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター:日本医療安全調 ・平成24年度から、診療行為に関連した死亡の原因を究明し、調査結果 査機構)が収集・分析することで再発防止につなげる。 を遺族と医療機関に提供することにより、医療の透明性の確保・再発防 止を図り、医療の安全と資質の向上を図ることを目的に実施。 ・対象となる医療事故は、医療機関に勤務する医療従事者が提供した医 療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該医療 ・問題事例が発生した場合、病院から福岡県医師会への連絡を受けて 機関の管理者がその死亡又は死産を予期しなかったもの。 院外の専門委員を派遣し、事故調査委員会を開催して報告書を作成す る。報告書は当該病院に交付され、病院は報告書をもとに遺族に説明す る。現在まで全12例。(H27.9月末時点では14例) 3/3 本県における今後の課題