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Page 1 Page 2 フランス革命期行政裁判制度研究試論 フランス革命期
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Title
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<論説>フランス革命期行政裁判制度研究試論 : 総裁政府
における行政官=裁判制度の変容
村上, 順; Murakami, J.
神奈川法学, 14(1): 63-128
Date
1978-12-25
Type
Departmental Bulletin Paper
Rights
publisher
KANAGAWA University Repository
フランス革命期行政裁判制度研究試論
論
説
次
村
総 裁 政 府 にお け る行 政 官 11裁 判 制 度 の変 容 ー
フ ラ ン ス革 命 期 行 政 裁 判 制度 研 究 試 論
1
目
閣 行政官 観裁判制 度 の変 容 とそ の原 因
↓ 国 有財産 売却 訴訟 の展 開
■
二 国 家債務 訴訟 の展 開
二 行 政官 11裁 判制 度 の変 容 とそ の前 提 および帰結
↓ 積 極 的権 限争 議手 続 の確 立
■
ニ フラ ソス型権 力分 立制 の成 立
籔
上
そ の中 央 集 権 主 義 的 再 編
を 跡 づ け た。
前 章 第 二 節、 第 三 節 (
第 三論文 二、 三) に お い て、 わ れ わ れ は 行 政 階 層 構 造 の側 面 か ら 憲 法 制 定 議 会 ・立 法 議 会 に お
い て成 立 し た行 政 官 11裁 判 制 度 の国 民 公 会 、 総 裁 政 府 下 に お け る 変 容
そ こ で、 本 章 で は さ ら に、﹁国 有 財 産 売 却 訴 訟 ﹂ と ﹁国 家 債 務 訴 訟 ﹂ を め ぐ る 司 法 権 と 行 政 権 の裁 判 管 轄 権 争 議 、お よ
(63)
63
順
ユ び 積 極 的 権 限 争 議 手 続 の確 立 過 程 を 中 心 に、 行 政 官 "裁 判 制 度 の変 容 を 追 求 す る。 そ し て これ に よ って得 ら れ る も の
が 、 原 始 的 蓄 積 期 に お け る ﹁フ ラ ン ス行 政 裁 判 制 度 の構 造 ﹂ の理 解 であ る 。
一 行 政 官 11裁 判 制 度 の変 容 と そ の原 因
産 の 売 却 く①昌け。 傷①・。 び凶
。口. 昌薗怠。昌。煽× を 見 返 り と す る " )
.シ ニア紙 幣 の
↓ 国有 財 産売 却 訴訟 の展開
一 序 説 ω 革 命 の全 過 程 を 通 じ て、 そ の時 々 の政 府 は国 庫 財 政 の窮 迫 に悩 み 、 そ の立 て直 し に苦 慮 し た が、 中
で も 憲 法 制 定 議 会 に お い て採 ら れ た 国 爵
し た が って、 こ の、 一定 の土 地 財 産 を 没 収 ・署
化﹄
次 い で 払 い下 げ
の 撤 廃 と 並 び 、 封 建 的 土 地 所 有 の解 体 を 目 指 す 革 命 期 土 地改
発 行 は、 そ の後 の革 命 期 財 政 政 策 の 一つ の基 調 を 構 成 し た も の と し て重 要 な 意 味 を 持 つも の であ った 。 の み な ら ず 、
であ つ穣
こ の国 有 財 産 の売 却 は、 封 建 的 諸 権 利 費 9宏 ま o審 員
革 の 環 を な す も のと し ても 轟
る と いう 政 策 は、 財 政 的 お よび 政 治 的 な 二 つ の動 機 に出 で た こ と に な る 。
こ の こ と を 明 ら か に し て い る も のが、 一七 九 〇 年 五 月 一四- 一七 日 のデ ク レ前 文 であ る 。
ヘ
セ
﹁国 民 議 会 は・ 国 有 財 産 の売 却 に関 す る 一七 八 九 年 一二 月 一九 日 お よ び 一七 九 〇 年 三 月 一七 日 のデ ク レ の執 行 に つ
い て・ 市 町 村 お よ び す べ て の 市 民 が 示 し た 熱 望 に答 え 、 ま た、 こ の政 策 が 企 図 し て いる 二 つの 目 標 、 す な わ ち、 財 政
伽皇 驚 ・および特に・⋮ ⋮ ・
田慰 焦 ゆ陰 、怠 葱 急 獣 蜜 レ藩 獣 募 ひど、を二 つながら護
す る こ と が 重 要 であ る と い う 考 慮 に基 づ き 、 次 の様 に規 定 す る 。 ⋮ ⋮ ⋮﹂
し か し・ 問 題 は いず れ の動 機 が 優 先 す る か、 であ った 。 す な わ ち、 可 能 な 限 り 高 価 払 い下 げ を 目 標 と す る な ら ば 、
小 所 有 農 民 創 出 と いう 目 標 は 断 念 せ ざ る を え な く な り、 他 方 、 後 者 への偏 重 は 革 命 期 の政 府 が 直 面 し た 国 庫 危 機 の打
64
(64)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
開 に資 さ な い、 と いう ジ レ ソ マに陥 ら ざ る を え な か った 。
玄 o諺
鳥o 胃 oヨ 酵 o
し た が って、 国 有 財 産 売 却 に関 す る 政 策 は こ の 二 つ の目 標 の妥 協 の 上 に 立 たざ る を え ず、 事 実 上 の経 過 も ほぼ こ の
(6 )
様 に推 移 し た 。 す な わ ち、 一七 九 〇 年 五月 一四i 一七 日 の憲 法 制 定 議 会 に よ る第 一種 財 産
玄 o霧
αΦ 器 6§ αo o亭
霞一
αqぢ011僧 族 財 産 (
僧侶 .教会 の領主直 領地) の売 却 で は、 国 庫 第 一主 義 お よ び 重 農 主義 的 大 経 営 重 視 の原 則 に貫 かれ
て富 裕 者 に 有 利 な 売 却 方 式 が 採 ら れ、 一七 九 二年 八 月 一四 日 の国 民 公 会 に よ る 第 二 種 財 産
OQぎ011 亡 命 者 財 産 (
亡命貴 族 .市 民 の領 主直 領地 .保有地 ) の売 却 で は、 小 土 地 所 有 の増 加 に幾 分 傾 斜 し た売 却 方 式 が 採
ら れ た。 し か し な が ら 、 革 命 の全 期 間 を 通 じ 一貫 し て競 売 方 式 が 採 用 さ れ た 事 実 は、 政 策 の基 調 が 常 に国 庫 第 一主 義
(7 )
次 に、 国 有 財 産 の 売 却 の 手 続 と 方 式 は 、 一七 九 〇 年 五 月 一四 - 一七 日 の デ ク レ に よ る 第 一種 国 有 財 産 、 一七 九
に あ った こ と を 示 し て い る 。
②
二 年 八 月 一四 日 の デ ク レ の 第 二 種 国 有 財 産 の 場 合 、 次 の 様 に し て 行 わ れ た 。
(8 )
す な わ ち 、 国 有 財 産 の 売 却 ・譲 渡 は 立 法 府 の デ ク レ に よ っ て 命 じ ら れ (一七 九〇 年 一 一月 二 一百 ー 一二月 一日 のデ ク レ
二章 八条)
、 具 体的 管 理 と実 行 (
競売 ) は 行 政 体 に委 ね ら れ た 。 さ ら に、 具 体 的 に は、 第 一種 国 有 財 産 の 場 合 、 売 却 物
価華
が定 め ら れ (たζ 渓
そ の蝦
.ストリクト執行官 の査定)
、 これら は所在 地 の市 町村 庁 の管 理 下 にお か れ る。市 町村 庁
農用控 暮 価格 の三 儂 現物地代賦課地は二・債 貨幣地代賦課地は 一喬
件 が 四種類 (
農 用地 、現物 地代賦課地 、貨幣地代 賦課地、特 別法 によ って規律 され たそ の他すべ て の土地) に分 け ら れ、 そ れぞ
聾
比地は鑑淀睡 の瀬比
陽 基 に比た匿
は 直 ち に売 却 物 件 を 公 示 し 、 競 売 の 日時 を 定 め る 。 競 売 はデ ィ ス ト リ ク ト の主 邑 で行 わ れ、 一ケ月 後 に最 高 入 札 者 が
確 定 す る。 競 売 で 財 産 を 取 得 し た 者 は次 の条 件 で代 価 を 支 払 う 。 落 札 後 一五 日 以 内 に、 第 一次 払 い込 み と し て、 森
林 、 水 車 場、 工 場 に つ いて は 三 〇 % 、 家 屋 、 池 二 〇 %、 耕 地 、 牧 草 地 一二 % を 支 払 い、 残 額 は 五% の利 子 で 一二年 年
(65)
IV
賦 と され嬢
し か し・ 五 旦
四 日 のデ ク レ にと って か わ った 一七 九 〇 年 = 月 三 ⊥
吉
のデ ク レは、 買 受 人 の払 い
oo﹁℃ω と し て評 価
込 み条 件 を改 悪 し、 た と え ば 、 牧 草 地 の場 合 、 第 一次 払 い込 み 金 は 二〇 % に引 き あ げ ら れ、 ま た 、 年 賦 も 四 年 半 と 短
縮 さ れ た。 の み な ら ず 、 そ れ ま で 認 めら れ て い た 部 分 的 な い し 一地 片 毎 の売 却 は 禁 じ ら れ、 一体
(10 )
さ れ た 定 期 借 地 ま た は 折 半 小 作 地 の土 地 す べ て、 な いし は 同 一人 に よ って 耕 作 さ れ た 土 地 のす べ てが 一単 位 と 観 念 さ
れ、 売 り に出 さ れ た こ と で あ る 。 これ ら は いず れ も 小 農 に 一層 不利 な も の であ った 。
これ に対 し、 一七 九 二 年 八 月 一四 日 のデ ク レ の 第 二 種 国 有 財 産 の場 合 は、 小 農 に買 い安 く す る た め、 競 売 に先 立 ち
対 象 物 件 を 分 割 し、支 払 いも 一〇 年 年 賦 と さ れ た 。 さ ら に、貧 農 保 護 の た め、国 が 国 有 財 産 の 一部 を 留 保 し て おき 、こ
れ を 競 売 に よ る こ と な く 分 配 す る 手 だ て と し て、 何 ら の土 地 も 持 た な い家 長 に地 価 の 五 % で 一ア ルパ ン の土 地 を賃 貸
す る か、 あ る いは 一〇 回払 い で当 該 土 地 を 買 い取 ら せ る 措 置 が 講 じ ら れ た (一七九 三年 七月 二五日 のデ ク レ四章 二、 三、
四条)。 し か し 、 こ の措 置 も 実 効 性 を 収 め る前 に、 一七 九 三 年 九 月 二 二日 のデ ク レ に よ り 撤 回 さ れ た 。 か わ って、 課
税 台 帳 に登 載 さ れ ず 、 共 有 地 の な い共 同 地 に居 住 す る、 土 地 を 持 た な い家 長 に 限 り、 五 〇 〇 リ ーブ ル の証 券 が 与 ・
兄ら
れ、 これ に よ り 亡 命 者 財 産 の買 い 入 れ が 奨 め ら れ た 。 こ の場 合 、 返 済 条 件 は 二 〇 年 間 、 無 利 子 二 〇 回 の平 等 分 割 払 い
(11 )
問 題 は 国 有 財 産 を めぐ り 法 的 紛 争 が 生 じ た 場 合 の ﹁裁 判 権 ﹂ 者 であ る。 これ に は多 種 多 様 の内 容 のも のが 存 在
と さ れ た (二条)。
③
し 湿 ポ ・ 国 有 財 産 取 得 者 か ら の所 有 権 の追 奪 可 能 性 の観 点 か ら 最 も 重 要 な 意 義 を 有 し て い た も のが 、 国 有 財 産 と 宣 告
さ れ た 財 産 の所 有 権 を め ぐ る 紛 争 であ った 。 こ の紛 争 は 二 つの局 面 に分 け ら れ る 。 す な わ ち、 一つは、 本 来 没 収 さ れ
る べ き 筋 合 い に な いも のを 国 が 誤 って 国 有 財 産 と し た こと を 理 由 に、 国 を 相 手 ど った所 有 権 返 還 請 求 訴 訟 が 所 有 権 者
よ り提 起 さ れ る 場 合 。 も う 一つは、 こ の財 産 が 競 売 に付 さ れ た場 合 、 そ れ が そ も そ も 競 売 の対 象 と さ れ る べ き ﹃国 有
66
(66)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
財 産 ﹄ ではな いこと を理 由 に・ 落 札者 に対 す る所有 権 返還請 求 訴訟 が提 起 され る場合 であ華
そ こ で、 右 の 訴 訟 の ﹁裁 判 権 ﹂ の帰 属 で あ る が 、 これ を めぐ って 二 つ の考 え 方 が 対 立 し た 。 そ し て、 これ こそ 革 命
の全 過 程 を 通 じ て最 も 紛 糾 し た 事 柄 であ る 。
す な わ ち、 e 第 一の考 え 方 (かり にこれをO 説 とす る。
) は右 の訴 訟 の い ず れ も 所 有 権 に 関 す る 通常 裁 判 権 者 た る 司
法 権 の管 轄 権 を 認 め る 。 これ に 対 し 、 @ 第 二 の考 え 方 (同じ く⇔ 説) は、 競 売 以 前 に お い て は、 国 に 対 す る所 有 権 返
(14 )
還 請 求 訴 訟 と こ れ の司 法 権 に よ る 裁 判 管 轄 権 を容 認 す るが 、 一旦競 売 が 行 わ れ た後 は、 所 有 権 に基 づ く 国 有 財 産 売 却
(15 )
の 効 果 を 争 う 訴 と い え ど も 、 司 法 権 に 帰 属 す る こ と な く 、 行 政 権 (た だ し 、国 民 公 会 時 代 にお い ては 立 法権 。) の 裁 判 管 轄
権 に服 す る、 と いう も の であ る 。 か く し て、 次 の様 に 図 式 化 さ れ る 。
e説{
繍 ﹀羅
呈 繍 口繹
e 説 が 革 命 の打 ち た て た私 法 原 理 に忠 実 であ る と し た な ら ば 、 ⇔ 説 も ま た、 革 命 の政 治 的 現 実 に対 し て忠 実 であ り
え た 。 す な わ ち 、 ⇔ 説 は、 旧 封 建 勢 力 、 そ の他 の者 か ら の所 有 権 の主 張 を 一切 排 除 し、 革 命 の政 治 的 成 果 を 護 持 す る
ハー6 ︺
と いう 目 的 と 、 窮 乏 化 し た 国 庫 財 政 を 救 う と いう 財 政 目 的 完 遂 のた め に と ら れ た措 置 であ った 。 そ し て、 結 論 を 先 取
経 つ つも ・ 葉
的 に こ の⇔ 説 が 勝 利 す る 過 程 で あ った ・
り す る な ら ば 、 革 命 期 に お け る 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の 農 開 は、 財 政 危 機 の深 刻 化 と 共 に、 総 裁 政 府 に お け る 両 二 説 の調
警
㈲
67
※
次
本稿 をも 含 め た全体 の内 容 は次 のごと く であ る。
目
憲 法制 定 議 会 にお け る行 政 官 11裁 判 制 度 の成 立
ぽじ め に
第 一章
第 一節 旧体 制 下 の行 政 裁 判制 度 の展 開
コ
一 旧体 制 下 の行 政 裁 判 制 度
■
二
一七八 九 年 の陳 情 書
δ 巻 二 ・三合併号)
憲 法 委員 会 法 案 におけ る ﹁行 政 お よび租 税 訴 訟 裁 判官 ﹂ を めぐ る議 論
旧体制下 の行政裁判制度 の廃 失
第 二節
行 政 官 11裁 判 制 度 の成 立 と そ の原 因 お よ び論 理 構 造e
ヨ
第 三節
行政 官 11裁 判制 度 の論 理 構 造⇔ (二 巻 一号)
行 政階 層 構 造 の展 開
第 四節
第 二章
総 裁 政 府 におけ る行 政 官 11裁判 制 度 の変 容
総 裁 政府 におけ る行 政階 層 構 造 (一 一巻 二 。三 合併 号 )
第 一節 憲 法制 定 議 会 ・立 法議 会 におけ る行 政 階 層 構造
コ
一 国 王 の階層 的 監 督 権 の制 限
工
二 中間 総 括
第 二節 国民 公会 におけ る行 政階 層 構 造
第 三節
第三章
'﹂
第 一節 行政 官 11裁判 制 度 の変 容 と そ の原 因
コ
一 国・
有財 産 売 却 訴 訟 の展開
■
二 国 家債 務 訴 訟 の展 開
第 二節 行 政官 11裁 判制 度 の変 容 と そ の前 提 お よび 帰結
コ
一 積 極 的 権 限争 議 手続 の確 立
■
ニ フラ ソ ス型 権 力 分 立 制 の成 立
68
C68)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
(1)
総括 (以上本号)
革 命 後 期 におけ る行 政 裁判 制 度 が いか な るも の によ ってそ の構 造 が 規 定 され 、 確 立 し たも の であ る かを 最 も鋭 く洞 破 し て いた も の は、 復古
王政 期 行 政裁 判 制 度 論争 に司 法 国 家論 の立 場 から 加わ ったブ ロイ公 爵 竃 処二〇 畑o 切﹁
轟 蕾 であ った 。
まず 、ブ ロィ公爵 は革 命 期 にお け る行 政 ︹
事 件 ︺ 裁 判権 が 司 法 権 にで はな く 行 政権 に授 与 さ れ た経 緯 の真 の理 由 を 、 一定 の事項 が ﹁権 力的
に裁 判 され る﹂ 。・
冨仲
轟 段 巖oO巳・。。。
p。昌8 必要 性 が存 した 点 に求 めら れ る、 と 正当 にも指 摘 す る。
さ ら に、 こ の意 味 で革 命 期 行 政裁 判 制 度 の基 本 構 造 を決 定 し た 訴訟 事 項 とし て、ブ ロイ公爵 は、 e 公務 員 訴 追 事 件、 ⇔ 国有 財 産 亮 却 訴訟 、
コ
昌 国有 財 産 付着 債 権 請 求 訴 訟 、㈲ 納 品契 約訴 訟 (
⇔ と ㈱ は ﹁国 家 債務 訴 訟 ﹂後 述 二参 照 。
)、 を挙 げ る。 そ し て、 これ ら の事 項 を し て ﹁
権力
的 ﹂裁 判 を 行 わ し め た必然 性 、あ る いは い いかえ れば 、司 法 権 か ら裁 判 管 轄権 を半 ば 暴 力 的 に奪 い、 行政 権 に帰 属 せ し めた 具体 的 理 由 お よび
そ の政 治 的 ・経 済 的 背景 に つ いて、 ブ 縣イ公 爵 曰く 、 ﹁国 は はじ め僧 族 財産 を、 次 に は 亡命 者 の財 産 を 奪 った。 これ ら の財産 の差押 え と管 理
は地方 行 政庁 の仕 事 とさ れ た。 これ ら の財産 は売 り に出 され た。 競 売 を 実 行 す るも の は まさ に地 方 行 政庁 であ った。
財 産 を 取得 し た こと によ って、 [国 は これ ら財 産 の︺債 務 も 承継 し た。 財 産 を没 収 さ れ た 旧所 有者 に対 し諸 権利 を有 して いた者 と の清 算 が
必要 とさ れ た。 これ ら 清算 の任 は行 政権 に委 ねら れ た。
そ の直 後、 聖 職 者、 亡命 者 、 貴 族 お よ び特 権 階級 に対 す る迫 害 が 始 ま った。 高 等 警察 の措置 は地方 行 政 庁 に委 ねら れ た。 一七 九 一年 以 降 の
恐 怖 の数 年 間 に お い ては好 都 合 の こと であ った わけ であ るが、 行 政 庁 の構 成 員 にと って、 彼 等 の共犯 者 およ び使 膿 者 の同意 な く し て は、 これ
そ れも ︹
後 に︺ 革 命 裁
通常 裁 判 権 の掌中 に委 ねさ せ えな い、 と し た こと は都 合 の良 い こと であ った。 これ に
ら残 忍 な措 置 の実 行 者 た る 血 に飢 え た官 吏 を 、 国民 公 会 自身 が 常 に か つ当 然 の こと な が ら警 戒 し た、 こ の司法 権 のー
判 所 と 軍 事委 員 会 にと って かわ ら れ たわ け であ るが 1
よ り彼等 は 一再 な ら ず 恥知 らず に時 を送 った こと であ ろう 。
同 じく 、 国有 財 産 を買 い取 る者 にと っても、 売 却 から 生 じう る紛 争 に お い て、当 の売 主 を 裁判 官 と す る こと は好 都合 のこと であ った 。 なぜ
にさ え 違背 す るも のであ った こと は誰 の目 にも 明 ら かな ほど の、拙 速 、 暴 力、 無
な ら、 競 売 は かか る事 項 に ︹
本 来 ︺ 妥 当 す る 原 理 に違 背 し て行 わ れ た のみな ら ず、 こ の時 代 一般 の法 律ー - こ の時代 、 法 律 は起案 に充 分 な時
を かさず、 採 択 は 喝采 にょ る満 場 一致 の形式 で行 わ れ たー
法 を も って、 ︹
し かも︺ 混 乱 と 欺 隔 のう ち に行 われ た から であ る。 一七 九 三年 ま で は、 人民 協 会 ⑭8 獄菰。。宮 唱巳鉱希 ω やジ ャ コパ ソ ク ラブ を
前 にし て いる にも か かわ ら ず、 か か る違法 な 契 約 (
競 売 ー 註 ・村 上) を 無 効 にす る ほど 大 胆 な裁 判 官 が 見 られ た。 そ の様 な 判 決 を不 可 避 とす
る ほど の スキ ャ ソダ ルな 売 却 が 存 在 し た から であ る。
し か し、 さ ら に、 司 法 権 の権 限 に対 す る行 政 権 の侵 犯 に最 も 広 い門 戸 を 開 放 し たも の は、 公債 務 一般 の清 算 、 と り わけ 、僧 族財 産 お よ び 亡
(69)
69
命 者 財 産 の取得 か ら生 じ た公 債 務 中 の当 該 項 目 部 分 の清 算 であ った。 この溝 算 は立 法府 の中 から選 出 さ れ た委 員 会 の管 理 と、 同 じく そ の監 視
一七九 二 (
三 の誤 り1 註 ・村 上) 年 七月 二 五 日 の法 律、 共 和 暦 二年 牧月 二 一日 の法律 1
言 g
しコδ α・萱
9 暑 §
①§
琶
げ藍く謹
Φg 護§
邑
が 、若 干 の特 殊 な 事 項 に つ いて、 これ ら
鐘 門一
Φ・。 ↓同§ づ四¢属 m量
コ一
の什﹃帥自 ・。 比 ①<偉Φ
た と え ば 、 総 裁 政 府 に お い て も 、 財 産 再 建 の手 だ て と し て 国 有 財 産 の売 却 に よ る 換 金 措 置 が 企 て ら れ た 。 こ れ が 共 和 暦 四 年 風 月 二 八 日 の 地
ら 極 め て 貴 重 な 示 唆 を 得 る こ と が で き た 。 な お 、 プ ロイ 公 爵 の司 法 国 家 論 の立 場 の 分 析 は 続 篇 に お い て 行 う 予 定 で あ る 。
革 命 後 期 に お け る 行 政 裁 判 制 度 の変 容 と 近 代 的 行 政 裁 判 制 度 へ の成 熟 の過 程 を 考 察 す る 本 稿 の課 題 の た め に 、 私 は 右 のブ 冒イ 公 爵 の引 用 か
坤き 3 冨o 旨。 ◎ コoく①ヨぽ Φ 一。。N。。憶 ゼ, Φ。。・ 一8 簿 一零
わ れ た の で あ った 。 ⋮ ⋮ ⋮ ﹂ 芭
︹およ び︺ 国 と 国 の債 権 者 と 名 乗 る者 と の間 の ︹
紛 争 に つ いて] 裁判 官 とな る こと は行 政権 の権 限 に属 す る事 柄 であ ると す る政 府 の主 張が 行
為 な ので、 疑問 が あ る場合 、 単 に、 契 約 条 項 を解 釈 す る権 限 は行 政 権 にあ る のみな らず 、 そ の際 提 起 され た何 ら か のあ ら ゆ る紛 争 の裁判 、
のな い山 師 は自 己 の優 利 な 立 場 を利 用 し た。 ︹これ に対 し︺権 力 を 持 つ詐 欺 師 の方 ではそ の特 権 を行 使 した。 こ こ から、 納 口
叩契 約 は行 政庁 の行
乏 の下 で は、 納 品業 者 は極 め て しば しば 、 権 力 を 持 つ詐 欺 師 (国 の こと1註 ・村 上 )と 取引 を交 す 抜 け 目 のな い山 師 でし かな か った。 抜 け 目
まも な く 戦 争が 勃 発 した。 戦 争 と共 に、 交 易 、食 糧 調 達 、 物資 供給 の必要 性 が お こ った。 と ころが 、 国 の信 用破 産 状 態 とあ ら ゆ る物資 の欠
を 正確 に見 抜 い て いた こと は、 右 の文 章 全 体 の調 子 から う かが わ れ る と ころ であ る。
)。
・註 (19× 20× 84)参 照 。 な お、 プ ロイ公爵 も ま た、 こ の時 点 です で に、 右 の法 律 の趣 意 と 国家 債 務 訴 訟 の裁 判 権 の帰 属 に関 す る 問題 の本質 と
の機 関 に裁 判権 を 付 与 して いた (
註 ・右 の法 律 は国家 債 務 訴 訟 に関 す る行 政 権 の裁 判 管 轄権 を根 拠 づ け るも の では な いこと に つ いて は、 後 述
の法 律 ー
下 に、 地方 行 政庁 によ り 行 われ た。 両者 とも 、 これ ら債 務 の認 定 から生 じ う る紛 争 を裁 判す べく、 そ の ため の法 文 を援 用 した。 ︹
事 実 ︺若 干
(2 )
河 野 健 二 ・﹁土 地 改 革 ﹂ (桑 原 武 夫 編
﹃フ ラ ソ ス革 命 の 研 究 ﹄) 一四 三 頁 。
券 ヨ 餌ロ儒鉾 冨 瑳 搾oユ巴 発 行 の 決 定 で あ った 。 柴 田 三 千 雄 ・マハブ ー フ の陰 謀 ﹂ 一二 三 、 二 一
= 頁参 照 。
(3 )
留 鵬墨 P ピ帥 鼠ぴq巨 餌二8
凋①2 ①= 2 ︿①軽 ・5 仲﹂ 旨 や ミ ω・
﹄ド ピoぷ言 臣 。。犀ざ ρ
ピ①h①げく円Φ の 研 究 の要 領 の よ い紹 介 に 基 づ
ω餌αq昌鋤P o, o一
什二 娼, 嵩 ρ ミ 。。℃ 旨 ㊤ Φ梓 一。。ご 柴 田 ・﹁封 建 的 土 地 所 有 の解 体 ﹂ 前 掲 書 四 六 頁 。
︼
≦餌ユoP
6一
≦ 一〇 血Φ 貯 菰 くo冨 匡o鵠 ぐ螢p鴫巴 。。ρ 一。
。㊤。。畢 , 一刈O⋮柴 田 三 千 雄 ・﹁封 建 的 土 地 所 有 の 解 体 ﹂ (大 塚 .高 橋 .松 田 編
(4 )
(5)
革 命 期 に お け る 国 有 財 産 売 却 の 全 経 過 に つ い て は、 ω帥㎎コ餌P 霞
﹃西 洋 経 済 史 講 座 ﹄ 第 四 巻 ) 四 五 頁 。 河 野 ・前 掲 書 一六 九 頁 。
(6)
(7 )
す な わ ち 、 ﹁⋮ ⋮ ⋮ 国 有 財 産 お よ び そ れ に 附 随 す る 権 利 は、 国 王 に よ って裁 可 さ れ る 立 法 府 の 正 式 のデ ク レ に よ って、 こ の種 の譲 渡 の有 効
く 、 河 野 ・前 掲 書 一六 五 頁 以 下 が 便 利 で あ る 。
(8 )
70
C70)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
性 に つ いて定 めら れ る方 式 を遵 守 し て、 永 久 の、 奪 わ れ る こと のな い名 義 で売 却 さ れ、 譲 渡 さ れ う る 。
﹂ な お、 同 じ く 一七九 一年憲 法 三篇 三
章第 一節 一条 九 号 参 照。 さ ら に、 国有 財 産 売 却手 続 の詳 細 に つ いて ぱ、 一七九 〇年 七 月九 日 "七 月 二五 日 のデ ク レ参 照 (
樋 口 ・稲本 ・高 橋 ・
島 田編 一七九 一年 憲 法 の資 料 的研 究 一二七 頁 以下 。 な お、 本稿 全 体 を 通 じ て、 私 は こ の資 料 的 研究 を大 い に利 用さ せて いただ いた。 こ の機 会
(9)
こ の第 一種 国有 財 産 の亮 却方 式 の政 策 転換 を めぐ って は、 ﹁小 農 擁護 論 ﹂ と ﹁国 庫 主 義 ﹂ と の問 に対 立 ・応 酬 が 存 し た。 まず 、 ﹁
小 農 擁護
河 野 ・前 掲 書 一六九 頁 。
に謝意 を記 す 。
)。
(10)
論 ﹂ は次 の様 な 主 張 を な すも の であ った。 た と えば 、 貧 民 救 済 委員 会 8 a 融 創① ヨ窪 臼6凶
菰 のド ・ラ βシ ュフー ロー議員 ﹁国民 議 会 は土 地
彼 等 には彼 等 が 肥沃 に した分 の土
所 有 者 の数 を増 やす こと に よ って貧 困 と 断固 闘 う ことが でき る。 ⋮ ⋮ ⋮国有 財産 に属 す る千 五 百な いし 二千 ア ルパ ン の土 地 が、 荒 蕪 あ る いは
沼 沢 の泥 津、 あ る いは 因習 の支配 下 に放 置 さ れ て いる。 貧 民 によ って これ ら の土 地が 耕 作 され るな らば 1
地 が譲 渡 され る こと に よ って、 彼 等 の労 働 の 一部 が 償 わ れ る こと にな る。i i 彼 等 を 永 遠 にそ の悲 惨 から 救 いだ す であ ろう 。
﹂ あ る い は、 王
立農 業 協 会 。・
8幽
0菰 容唄巴¢血.
帥鋤
q甑o巳 建 ﹁
o のボ ソ セ ルフ 窪 湾 o筑 議 員 ﹁貧 困者 の生 存 を 確保 す る配慮 は、 王 国 の憲 法 にと って富 者 の所 有 権
を確 保 す る目 的 と重 要 性 にお いて劣 る こと のな い目 的 であ る 。
﹂ ﹁かく て、 県 の答 申 に基 づき 、空 地 や沼 地 の 一部 を実直 で貧 し い家族 に無 償 で
配 分 す る こと、 そ し て同 時 に、 一年 間食 糧を 彼 等 に支 給 す る こと 、 また 、 そ の居住 に 必要 な建 物 を 提 供 す る こと によ って、 そ こで自 活 でき る
様 援助 す る ことが ⋮⋮ ⋮ 良き 政 治 と さ れ よう 。﹂ そ こで こ の立 場 から、 五 月 一四 日法 の改 悪 に反 対 す る。 す な わ ち、 ド ・ラ ロシ ュフ ー コー議
員 曰く、 ﹁維 持 せ よ。 諸 君 が市 民 に土 地 所有 者 とな る こと を勧 め た条件 を、 余 り豊 か でな い市 民 のた め に維 持 せよ。 諸 君 は こ の偉 大 な 政策 的
の背 後 に、 実 は、 都 市 に流 入 し てく る多 数 の未 就 労 下 層
観 点 を これ ら 財 産 の代 価 の速 やかな 回収 と いう 誘 惑 の前 に犠 牲 にす るな 。
﹂ 以 上、 6一
叡 や碧 qo動ひ
q墨 P o, o一
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二 やマ ミ 一卑 嵩b。.な お 、 サ ニャ
ックは、 ﹁小 農 擁 護 論﹂ の か かる ﹁博 愛 主 義 的感 情 ﹂ 白
。
①母 営 ①づ房 や三竃馨 ぼ oもδ億窃
民 を こ のま ま放 置 し て おく こと の危 機 意 識 が あ った ことを 指 摘 す る。 留 σ
q田 P o, 6押 ', 嵩 曽
これ に対 し、 改 悪 を強 行 し た ﹁国 庫 主 義﹂ の立 場 と は次 の様 な も のであ った 。 す な わ ち、 ポ ルヴ レ ル 聞o署霞 9 議 員 ﹁二〇 億も の債 務 を負
って おり、 し かも 自 己 の財 産 を売 る以 外 に負債 を免 れ る いか な る手 段 も持 たな い国 民 瓢簿 一
〇コ は﹂ ﹁
販 売 価 格 の支 払 い のた め に買取 人 に 一五年
も の期 間 を与 え る こと は でき な い。﹂ 同 じ く、 パ ソト ヴ ィ ユ ーセ ル ノ ン ℃①艮①<譲 ? O臼ロo鵠 議 員 ﹁す べ て の政 策 の最 大 の欠陥 は、 こ の財 産
の開 放 を、 常 に ︹
土 地改 革 の︺帰 結 と し て、 単 な る結 果 と し て理 解 され た こと にあ る。 し かしな が ら 、 これ こそ は ︹
政 策 の︺ 原則 と し て、 さ
ら に また、 ︹
債 務 消 却 の︺ 手 段 と し て考 えら れ な け れば な ら な い。
﹂ 以 上、 o一
融 や窺 ωゆ讐 "P 8 .o搾 補賢 一
日ρ
か かる政 策 の転 換 には、 こ の年 の九 月 から 一〇 月 に かけ て の財 政 逼 迫が 存 した こと 、 こ のた め政府 は国 有 財 産 を担 保 と す る利 子 付債 権 と し
て の ア ッシ ニァを無 利 子 の流 通紙 幣 に改 め、 一二億 リ !プ ル に限 って発 行す る こと を 定 め た と いう事 情 が 存 し た。そ こで政 府 は こ の ア ッシ ニ
C71)
7x
(11)
(12)
ア紙 幣 の財政 的裏 づ け と し て国 有 財産 を有 利 か つ速 や か に売 り渡 す こと が求 め られ て いた のであ った。 河 野 ・前掲 書 一七 一頁.
な お、 同デ ク レは 経過 措 置 と し て、 五月 一四 日法 の方 式 によ る払 い込 み方 法 を 一七 九 一年 五 月 一五 日 ま で存 続 さ せ る (二条 ) と し て い た
が 、 ほと んど の地 方 で未 だ 五月 一四 日法 に基 づ く 国有 財 産 の売 却 に着 手 さ れ て いな か った状 況 の下 では、 こ の残 り 六 ヶ月 の猶 予 は事 実 上意 味
を な さな く、 こ の猶 予 の恩 恵 に浴 した 小農 民 は極 く 例 外 的 であ った。 ω帥伽
qロ帥ρ oや 6一
f P 峯 0・
ω蝉閃轟 P o, o搾 唱や ミP な お、 こ のデ ク レの下 で も、 競 売 Φロ9 酵 ① 方 式 の存 廃 を め ぐ って、 ﹁小 農擁 護 論﹂ 者 (ファ イ ヨー 岡塁 窪 議
員 ) と ﹁国庫 優 先主 義 ﹂者 (ロゾ ー ピoN窪 鐸 議 員 ) と の間 に論 戦 が行 われ た こと に つ いて、ω⇔α
q舜 P o宰 鼻 二 , 鵠 O⋮河 野 .前 掲書 一八 二
頁 以 下参 照 。
な お、 国有 財 産 売 却 の結 果、 現 実 に利 益 を 得 た のは基 本 的 にブ ルジ ョ ワ階 級 であ り、 一部 のみ農 民 階級 の利 益 に帰 し た こと、 ま た、 国有 財
2
Φ。。巳 霧 締
本 洋 之 助執 筆 ) 参 照。
o。暮 ①a p
二 の ω参 照。
ピ賃8 。・ 山o 需 。。一〇9 P o, 息 f , 刈9
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な お、 こ こ で 行 政 権 が 介 在 す る 競 売 行 為 は 、 公 権 力 の 行 使 で は な く ﹁契 約 ﹂ と 理 解 さ れ て い た こ と
こ の 場 合 で も 、 国 民 公 会 の 立 法 権 ぱ 実 質 上 執 行 権 に か わ る 行 政 機 能 を 営 む も の で あ る こ と に つ い て は、 第 二 章 第 二 節 二 の ω 11 第 三 論 文 二 の
蚕 菖くP 一。
。一。。灘 押 , ω一㎝ ㊦臼磐 国有 財 産 売 却 訴 訟 の 内 容 紹 介 は 続 編 に お い て 果 す 。 こ こ で は 革 命 期 のそ れ の 一斑 の み 示 す 。
畠﹁。犀 践 巳 三 。・9
を 総括 す る、 河 野 ・前 掲書 一七 二 頁以 下、 一八五 頁 以 下、 一八 八 頁 以下 参 照 。 同 じ く、 ﹃マルク ス主 義法 学 講座 ﹄ 四 第 一章 第 二節 九 〇 頁 (
稲
産 売 却 は、 農 民的 ﹁小 土 地 所有 ﹂ の強 化 ・増 大 と 農 民 の階 層 分 化 を 一層 促 進 さ せる役 割を 果 し た こと、 に つ いて、 フラ ソ ス経 済史 の研 究成 果
(13 )
(14 )
(15 )
に 注 意 す る 必 要 が あ る。 そ し て こ の ﹁契 約 ﹂ の有 効 無 効 を 争 う 訴 訟 の 裁 判 権 は 一貫 し て 行 政 権 に属 し た 。 =o厳 ご昌 匹。 窟 ロ。。①ざ UΦ 一.
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憲 法制 定議 会 は、 国有 財 産売 却 訴訟 の裁 判権 を、 所 有権 に関 す る普 通法 裁判 権者
島r 悼φ寧 ㍉ ﹂ ㌧ , 韻 ①⋮冨 富 。
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(17 )
憲 法 制定 議会 ・立法 議会
(16 )
二
た る 司 法 裁 判 所 に委 ね て いた ︹
0 説 ︺。
ま ず 第 一に、 没 収 さ れ る べ き 筋 合 い に な い財 産 を 国 が 国 有 財 産 と し た こ と を 理 由 に、 国 を 相 手 ど って 所 有 権 返 還 請
、
72
C72)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
求 訴 訟 を提 起 す る 場 合 、 逆 に、 無 権 限 者 が 国 有 財 産 を 競 売 し た 場 合 等 に、 デ ィ スト リ ク ト 行 政 体 が 所 有 権 返 還 請 求 訴
訟 を 提 起 す る 場 合 、 こ の場 合 、 訴 訟 の提 起 に は、 一定 の手 続 の履 践 が 求 め ら れ た。 す な わ ち、 私 人 の 場 合 に は 訴 願 前
置 の履 践 を 、 デ ィ ス ト リ ク ト 行 政 体 の場 合 に は 訴 権 行 使 に際 し て の県 執 行 部 の許 可 を 必 要 と し た 。
の個 人 債 権 者 、 俗 人 領 主 十 分 の 一税 α巨 Φ ぎ 隷o鼠 ⑦ の補 償 に関 す る ﹂ 一七 九 〇 年 一〇 月 二 三- 二 八 日 のデ ク レ
ま ず 、 国 有 財 産 の所 有 権 帰 属 を め ぐ って 私 人 が 争 う 場 合 、 そ の手 続 は、 ﹁国 有 財 産 の売 却 と 管 理 、 種 々の家 屋 ヨ p甲
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三 章 に規 定 さ れ て い る 。 す な わ ち、
﹁行 政 体 を 相 手 ど って 訴 訟 を 提 起 し よ う と す る者 は、 これ を 上 記 (
県) の代 理 官 に対 し て向 け な け れ ば な ら な い。
﹂
(一三条後 段)
﹁い か な る者 であ れ 、 事 前 に略 式 趣 意 書 に ょ り、 ま ず 、 そ の意 見 を 述 ぺ さ せ る た め にデ ィ ス ト リ ク ト執 行 部 に、 次
に、 そ の裁 決 を な さ し め る た め に県 執 行 部 に、 異 議 申 立 てす る こと な し に、 上 記 県 代 理 官 に対 し い か な る 訴 訟 も 提 起
し え な い。 さ も な け れ ば 無 効 で あ る 。 デ ィ ス ト リ ク ト お よ び県 執 行 部 は、 証 拠 書 類 と 共 に、 デ ィ ス ト リ ク ト の書 記 局
に (趣意書 が)送 達 さ れ た 日 か ら {ヶ月 内 に、 趣 意 書 に基 づ い て裁 決 す る 。 な お、 デ ィ ス ト リ ク ト書 記 局 は (
趣意書 に
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対 し)受 取 証 を 交 付 し 、 ま た、 これ に つい て 登 録 簿 に記 載 す る。 趣 意 書 の送 達 と 登 録 は時 効 を 中 断 す る 。 そ し て、 行
ヘ
政 体 が こ の期 間 を 徒 過 し ても な お 裁 決 し な い場 合 に は、 裁 判 所 に出 訴 す る こ と が 許 さ れ る 。
﹂ (一五条 )
次 に、 デ ィ ス ト リ ク ト行 政 体 が 国 有 財 産 の所 有 権 を 主 張 し て 裁 判 所 に出 訴 す る 手 続 は、 同 じ く 右 の 一七 九 〇 年 一〇
(18 )
月 二 三- 二 八 日 のデ ク レ三 章 、 並 び に、 行 政 体 の組 織 に 関 す る 一七 九 一年 三 月 一五- 二 七 日 のデ ク レ に規 定 さ れ て い
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る 。 いず れ も 同 一の 事 柄 を 規 定 し て い る に す ぎ な い の で 、こ こ で は 後 者 の デ ク レ に つ い て 見 る こ と に す る 。 す な わ ち 、
ヘ
糊国 有 財 産 ま た は 公 の所 有 に関 す る 訴 は、 県 執 行 部 の許 可 を 得 て で な け れ ば デ ィ ス ト リ ク ト執 行 部 に よ って提 起 さ
{73)
73
れ 、 ま た は 維 持 さ れ な い 。﹂ (一三 条 )
﹁こ れ ら の 訴 は 、 県 代 理 官 の 名 に お い て 、 か つ、 財 産 所 在 地 の デ ィ ス ト リ ク ト 代 理 官 の 発 立日
心に よ っ て 提 起 さ れ 、 ま
た は 維 持 さ れ る 。﹂ (一四 条 )
第 二 に、 ﹁国 有 財 産 ﹂ と し て 競 売 に 付 さ れ た 財 産 が そ も そ も 競 売 の 対 象 と さ れ る べ き 筋 合 い に な い も の で あ っ た こ
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事 件
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(国 民 公会 下 の判 例 であ
と を 理 由 に、 落 札 者 に対 す る 所 有 権 返 還 請 求 訴 訟 が 提 起 さ れ た 場 合 も 、 同 じ く 司 法 裁 判 所 の管 轄 権 に服 し た 。 これ を
対 カブ ル ワ
卜。 ⋮ ω冨 ど
明 ら か にす る も のと し て・ た と え ば 、 借 地 権 を め ぐ る 紛 争 に つ い て であ る が 、 次 の判 例 が あ る
聞 竃 くo壁Ω 置 信卑
ヘ
国 有 財 産 と し て 没 収 さ れ た 土 地 の借 地 権 者 が 国 有 財 産 取 得 者 に自 己 の権 利 を 認 め さ せ よ う と ノ ルド 県 執 行 部 に提
フ ィヴ ェ ー ク リ ケ
るが 、 事 件 の実 質 は、 立 法 議 会 下 のも の であ る 。事 案 中 の県 執 行 部 の命 令 を 見 よ 。)。
1
訴 し た 事 件 が こ と の起 り であ る 。 これ を う け た県 執 行 部 は、 一七 九 二 年 二 月 二 五 日 、 当 該 財 産 が 一旦 行 政 の掌 中 から
ヘ
離 れ た 以 上 、 事 件 の審 理 権 は も は や 自 己 にな いと し て 、 通 常 裁 判 所 に移 送 を 命 じ た 。 こ の移 送 を う け た 訴 訟 事 件 の控
訴 判 決 が 本 件 で あ り 、 破 設 裁 判 所 は、 先 の県 執 行 部 の結 論 を 追 認 し た 。 門国 有 財 産 が 売 却 に よ って 行 政 の手 か ら 離 れ
国 民 公会
のデ ク レ であ る 。 こ れ は、 ボ ー モ ソ 切§ 暮 昌什 市 の住 民 であ る息 子 ル ご フ ン 冨
国 民 公 会 は、 当 初 、 憲 法 制 定 議 会 ・立 法 議 会 の 例 を 踏 襲 し、 e 説 の立 場 を 採 って い た。 こ れ を 示
b 時 、 こ の財 産 の落 札 者 と 自 ら 借 地 権 者 と 名 乗 る 者 と の間 に提 起 さ れ た紛 争 を審 理 す る の は裁 判 所 の権 限 に属 す る 。﹂
三
す のが 共 和 暦 二 年 牧 月 二 百
に 対 し 、 国 民 公 会 が 回 答 を 与 え た デ ク レ で あ る 。 事 案 は 、 従 前 亡 命 貴 族 に よ って
げ冨昌o 塗 ω 氏 の請 願 と 、 以 前 の サ ソ ・ゴ ー ド ン ω巴 暮 ・
O蝉& Φ韓 、 ︹
現 ︺ モ ソ . ユ ニテ 寓 。嶺雫d昌騨甑 デ ィ ス ト リ ク ト 裁
判 所 に ょ る 立 法 的 レ フ ェレ 融 ま泳
不 法 に 占 有 さ れ て い た 土 地 で 、 今 日 国 有 財 産 と 宣 告 さ れ た も の に 対 す る 、市 民 か ら の 所 有 権 返 還 請 求 訴 訟 の 裁 判 権 は 、
74
(74)
フ ラ ンス革 命期 行 政 裁 判 制度 研究 試 論
果 し て 司 法 裁 判 所 に属 す る か ど う か が 争 わ れ た も の で あ る 。 こ の様 な 問 題 が 何 故 提 起 さ れ た か と いう と 、 国 有 財 産 と
し て 没 収 し た 亡 命 貴 族 の 土 地 の中 に は、 種 々 の債 務 名 義 (
た とえば 抵当権) が 付 着 し て い た も のが あ り、 か か る債 務 の
清 算 は 国 が 肩 代 り す る こと に な って い た わ け であ るが (
国家債務 清算 )
、 一七 九 三 年 七 月 二 五 日 のデ ク レ は、か か る 場 合
(19 )
の 国 家 に対 す る 市 民 の債 務 清 算 請 求 訴 訟 (
国 家債 務訴訟 ) の裁 判 権 を 、 行 政 体 に委 ね て いた こ と であ る (二章 一五条)。
し か ら ば 、 {七 九 三 年 七 月 二 五 日 のデ ク レは 、 債 務 の清 算 の み な ら ず 、 所 有 権 の帰 属 を め ぐ る 紛 争 の裁 判 権 に つい て
も ま た 、 行 政 権 に委 ね た も の で あ る と い う 風 に も 解 釈 さ れ え な いか、 が 論 点 と さ れ た 。 し か し な が ら、 これ に対 し 、
国民 公 会 は否定 し て曰く、
﹁先 に制 定 さ れ た 諸 法 律 は、 行 政 体 に、 亡 命 者 の消 極 債 務 に 関 す る訴 訟 の審 理 を 授 与 し た にす ぎ ず 、 亡 命 者 に対 し
の下 にあ る。 ⋮ ⋮ ⋮﹂
(20 )
提 起 し え た であ ろう 権 利 不存 在 の訴 訟 の審 理 権 ま で授 与 し た も の で はな い。 かく し て、 こ の点 で、 事 態 は な お普 通 法
酔 o詳 oo§ ヨ §
(2
1)
と こ ろ が 、 右 の 様 な 状 況 は 、 共 和 暦 三 年 に 到 る と 一変 す る 。 す な わ ち 、 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の裁 判 権 は 、 司 法 権 か ら
立 法 権 に移 管 さ れ た 。 これ を 規 定 し た も のが 、 共 和 暦 三 年 実 月 一日 のデ ク レで あ る 。
鳥窃
﹁国 民 公 会 は、 議 員 の提 案 に基 づ き 次 の様 に規 定 す る 。 国 有 財 産 あ る い は そ の様 な も のと み な さ れ る 財 産 の 競 売 の
有 効 な い し無 効 に関 す る す べ て の請 願 お よ び 問 題 は、 専 ら 財 政 委 員 会 ooヨ 淳仏 飢㊦ω ヨ 習 8 。。 の財 産 部 ωoo鉱8
(22 )
島qヨ鱒ぢ0ω に移 送 さ れ る 。﹂
そ し て こ のデ ク レ の下 で 行 わ れ た のが 、 共 和 暦 四年 霧 月 二 日 の命 令 であ る。 これ は、 共 和 暦 四年 葡 萄 月 一五 日、 国
有 財 産 売 却 訴 訟 に関 す る 司 法 裁 判 所 の 一判 決 に不 服 を抱 く 者 に よ って な さ れ た 請 願 に 基 づ き 、 国 民 公 会 が 立 法 委 員 会
と 財 政 委 員 会 に案 件 を 付 託 し た も のを う け て行 わ れ た も の で あ る 。 そ の本 来 の事 案 は、 一七 九 一年 二 月 四 日 、 ボ ルド
(75)
°75
-市 の フ ィ ヤ ン ク ラブ 是
よ そ
行 わ れ た . コ レ イ ・ム ネ ィ 9 奪
寮 §
氏 の 土 地 の 、 シ ャ ル ル .牛
カ ソ 9 餌﹃一。ω
いoロ爵 o蕊 氏 へ の売 却 後 ・ コ レ イ ・ムネ ィ氏 の相 続 人 等 が 所 有 権 を 主 張 し て争 った も の であ る 。 デ ィ ス ト リ ク ト 裁 判
所 は売 却 の適 法 性 を 認 め・ コ レ イ ・ムネ ィ氏 の相 続 人 等 の訴 を 棄 却 し た 。 こ れ に対 し 、 コ レ イ ・ムネ ィ氏 の相 続 人 等
は不 服 を 持 ち・ 議 会 に 請 願 し た の を受 け て、 立 法 ・財 政 両 委 員 会 は 、 共 和 暦 四 年 霧 月 二 日 の命 令 に よ り、 国 有 財 産 売
総 裁政 府
右 に み た憲 法 制 定 議 会 か ら 国 民 公 会 に 到 る 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の裁 判 権 を めぐ る論 争 に 一応 の終 止
却 訴 訟 に関 す る司 法 裁 判 所 の関 与 を 全 面 的 に排 除 す る こ と を 宣 言 し 、 あ わ せ て先 の判 決 を覆 し、 売 却 を 違 法 と 宣 告 し
梅
四
符 を 打 つ結 果 を も た ら し た も のが 共 和 暦 三 年 実 月 五 日 憲 法 (
共和暦 四年葡萄 月 一日施行)三 七 四 条 であ る 。 こ の 規 定 の
内 容 は そ の後 ・ ナ ポ レオ ソ体 制 (
共和暦 八年霜月 二一百 の法律 )復 古 王 政 期 (
憲章九 条、 一八 一四年 一二月 五日 の法律) に 踏
襲 さ れ て いく 。 こ の規 定 は 次 の様 な も の であ る。
﹁フラ ソ ス国 民 は、 同 じ く、 公 の誓 約 と し て次 の様 に 宣 告 す る。
る動 ぎ
理 由 が あ る 場 合 、 国 庫 に よ って補 償 さ れ る 。
﹂
そ の起 源 (
僧 族財産 か、 亡命 者財産 か) が い か な る も の で あ れ、 適 法 に行 わ れ た 国 有 財 産 の競 売 の後 は、 正 当 な取 得
者 は これ を 没 収 さ れ え な い・ た だ し・ 異 議 を申 辛
こ の規 定 は・ 一旦 国 有 財 産 の競 売 が 適 法 に行 わ れ た う え は、 た と え 当 該 財 産 が そ も そ も 没 収 さ れ る べ き ﹃国 有 財
産 ﹄ で は な か った に し て も 、 そ の意 味 で違 法 な 没 収 に基づ く 競 売 で あ った に し ても 、 第 三者 の落 札 人 に対 す る所 有 権
(24 )
返 還 請 求 訴 訟 に よ って 追 奪 を 認 め る も の で は な い と し た も の で あ る 。 た だ し 、 第 三 者 に は 国 庫 に対 す る 損 失 補 償 請 求
の途 が 残 さ れ て い る。
し か し な が ら ・ 第 三 者 が 少 く と も 競 売 前 に予 め国 を 相 手 ど り司 法 裁 判 所 に所 有 権 返 還 請 求 訴 訟 を 提 起 し 、 異 議 を 提
7(}
(76)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
出 し て いた 場 合 に は、 た と え そ の後 、 当 該 財 産 が 競 売 に付 さ れ た と し て も 、 所 有 権 者 は 司 法 裁 判 所 の確 定 判 決 を 待 っ
(25 )
て、 財 産 を 現 実 に取 り 戻 しう る こ と であ る 。 な お、 こ の場 合 に は、 財 産 を 追 奪 さ れ た 落 札 人 は代 金 の請 求 あ る い は損
(26 )
失 補 償 請 求 訴 訟 を提 起 し う る 。 これ を 明 ら か に し た も のが 共 和 暦 四 年 実 月 二 七 日 のデ ク レで あ る 。 これ は 先 に敗 れ た
ル ー カ ン氏 に よ る、 総 裁 政 府 の 立 法 府 を 構 成 す る 元 老 会 議 ooコω
o鵠 αoω碧 息窪 。。 お よ び 五 百 人 会 議 oo霧 o鵠 Ooωoぎρ
oo韓 ω への告 発 に基 づ き 、 これ ら 会 議 が 、 司 法 権 への侵 犯 と 憲 法 違 反 を 理 由 に 先 の共 和 暦 四 年 霧 月 二 日 の命 令 を 取 消
し たも のであ る。
﹁競 売 は、 法 律 に 規 定 さ れ た す べ て の形 式 を 履 践 し て お り 、ま た 、落 札 者 は ア スト 在 住 の 相 続 人 等 ず臼 一
二①﹁。。血、
﹀。・仲
(
土地所有権- 註 ・村 上) に関 し裁 判 す べ
に よ って 主 張 さ れ た 土 地 所 有 権 が、 予 め ︹
裁 判 所 に お い て︺ 確 認 さ れ 、 証 明 さ れ、 か つ、 土 地 が 国 有 と 判 断 さ れ な か
った 場 合 で し か、 物 件 を 奪 わ れ な い こと に ょ り、 裁 判 所 の み が 係 争 中 の権 利
き であ り 、こ の判 決 の後 ︹は じ め て︺、売 却 ︹
契 約 ︺ の有 効 性 お よ び 正 当 に補 償 さ れ る べ き 賠 償 に つい て の決 定 権 が 、
行 政 庁 に専 属 す る こ と に よ り、 さ ら に、 競 売 に係 る原 告 の権 利 が 承 認 さ れ る 前 に、 か つ、 当 事 者 ︹の訴 訟 ︺ が な お そ
の当 時 裁 判 所 に 係 属 し て い た の に、 ︹
そ れ に も か か わ ら ず ] 善 意 の取 得 者 か ら 土 地 を 奪 った 財 政 委 員 会 の命 令 は、 立
法 行 為 な い し 司 法 権 に対 す る 侵 犯 以 外 のな にも の でも あ り え な い。 そ こ で、 当 事 者 にそ れ ぞ れ の権 利 と 訴 権 を 回 復 さ
せ る た め に、 こ の命 令 を 破 殿 す る こと は 緊 急 の事 柄 であ る ゆ え に、
一条 ﹃ボ ルド ー市 の フ ィヤ ソ ク ラブ 員 に よ り か つて行 わ れ た コレ イ ・ムネ ィ氏 の土 地 の、 シ ャ ル ル ・ル ー カ ン氏 へ
(2
7)
の 一七 九 一年 二 月 一四 日 付 の競 売 を 破 殿 し 取 消 し た、 ア スト 在 住 の 相 続 人 の申 立 て に係 る 共 和 暦 四 年 霧 月 二 日 の財 政
委 員 会 命 令 は無 効 と み な さ れ る 。﹄
二 条 ﹃当 事 者 は そ の権 利 に つい て裁 判 し て も ら う た め に権 限 あ る機 関 (
司法裁 判所-註 .村 上) に 出 訴 し う る 。﹄﹂
C??)
77
この意 肇
・ 共和 暦 四年 実月 二吉
のデ ク レ 窺
定 さ れ た 場 合 を 除 け ば 、 ﹃国 有 財 崖
と 塞 口さ れ た 財 産 の 競
のデ ク レは、 競 売後 の国 有財 産 の所 有 権 を めぐ る裁 料 権 に ついて 葎 行 政権 に
二吉
あ り と し た 国 民 公 会 の先 のデ ク レ の結 論 を 一定 程 度 押 し 戻 す も の で あ った。
し たが って・ 右 の共 和 暦 四年 斉
の落 札 人 に対 す る所 有 権 返 還 請 求 訴 訟 が 提 起 さ れ 、 裁 判 管 轄 権 を め ぐ る 紛 議 が 存 在
売 後 は・ も は や 司 法 的 紛 争 は起 り え な い ア
﹂と にな る。 し か し な が ら 、 当 初 こ の こ と は 必 ず し も 周 知 徹 底 さ れ た 事 柄 で
は な く・ な お・ 競 売 後 ・ 旧 所 薯
国 庫 財 政 の深 刻 化 を 北
目
ラ ソプ レ ヒ
着 を つけ る べ く 、 共 和 暦 六年 雪 月 二 日総 裁 政 府 に 提 出 さ れ た も の で あ る 。 こ の中 で、
が 次 の司 法 大 臣 ラ ソプ レ ヒ ト い§ げ§ 7けの墾 口薫田か ら う かが わ れ る 。 こ れ 整
こ の問 題 籍
し て いた檬
景晦
身 は国有 財産 に関す る管理 のた
ト は、 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の管 轄 権 を 司 法 権 に委 ね た 場 合 の危 険 性 と 、 共 和 暦 三 年 憲 法 三 七 四 条 の立
日
心
義 を 宣 明 し、 これ
ま で の、 国 有 財 産 競 売 後 の裁 判 権 を めぐ る 議 論 に終 止 符 を う と う と す る 。
第 一に、
裁 判所 が 実 は
︹そ れ は ︺ 私 有 財 産 で あ った と 裁 判 す る な ら ば 、 .
.
.
立 法 府 か ら授 与 さ れ た 特 別 の委 任 に基 づ い て 国 有 と 宣 止口し、 売
﹁⋮ ⋮ 財 産 を 国 有 と 宴 一
自す る 権 利 は・ ⋮ ⋮ 立 法 府 に留 保 さ れ て き た 。 行 政 讐
︹
後 に な っ三
め に設 置 さ れ た 仲 介 機 関 にす ぎ な い・ ⋮ ⋮ 行 政 肇
り に出 し ・ 競 売 し た 財 産 を・ ⋮ ⋮
⋮ :裁 判 所 は ・ 公 の所 有 物 を少 しず つ蚕 食 し、 適 法 に行 わ れ た財 産 の取 得 を 保 障 し て いる 憲 法 三 七 四 条 を 無 視 し て、
国有 財 産 の落 札 者 、 取 得 者 を 排 除 す る こと が 許 さ れ る こ と にな る 。 競 売 が 適 法 に行 わ れ た な ら ば 、 鍾 冗の対 象 と さ れ
た 財 産 に つ い て は も は や司 法 的 紛 争 が 起 り え な い こと は、 憲 法 三 七 四 条 か ら 明 ら か に結 論 づ け ら れ る 。
﹂
第 二 に、
﹁裁 判 官 は 引 き 続 き 五 年 間 そ の職 にと ど ま る 。 そ し て彼 等 は 際 限 な く ︹
任 期 を︺ 更 新 し う る 。 こ の憲 法 上 の規 定 か
10r
(78)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
も
ヘ
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ヘ
ヘ
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へ
われ われが 論 じ て いる膿
の局 面 で・ と り わ け ・
ら 真 の永 続 性 が 生 ず る 。 私 は ほ と んど 終 身 制 と いお う 。 こ の終 穿 響 の不 可 避 的 結 果 と し て の絶 対 的 独 立 性 か ら・ そ の
へ
次 に は、 状 況 に よ って は政 府 と 共 和 国 に対 す る 反 抗 心 が 芽 隼 麺
ヘ
そ れ が 国 有 財 産 に向 け ら れ る な ら ば 、 そ の最 も 貴 重 な 財 産 源 に対 す る 攻 撃 と 破 棄 に よ って 自 由 を 喪 失 せ し めえ よう 。
︹これ に対 し ︺ 国 有 財 産 の有 効 あ る い は無 効 ︹
を 決 す る︺ 裁 判 官 が ま さ に行 政 官 であ る 場 合 、 こ れ ま で の不 都 合 は
。。Φ昌識輿
を 歩 み、 彼 等 が あ え て わき 道 に そ れ る 場 合 に
懸 念 さ れ な く て す む 。 毎 年 、 県 行 政 庁 は 五 分 の 一ず つ改 選 さ れ る 。 さ ら に、 ⋮ ⋮ ⋮ 県 行 政 庁 は 処 分 理 由 が 開 示 さ れ る
解 任 に 服 す る こ と に よ って、 極 め て 慎 重 に そ の義 務 の細 道
も 、 憲 法 に は、 ・
・
:⋮ -そ の こと を喚 起 さ せ る よ り 迅 速 か つ確 実 な 手 段 が 備 わ って い る 。 ⋮ ⋮ ⋮
政 府 自 身 は そ の行 為 に つい て責 を 負 い、 そ の責 任 は裁 判 官 の そ れ 以 上 に は っき り と確 立 さ れ て い る 。 ⋮ ⋮ ⋮ 総 裁 は
(31 )
市 民 の利 益 の擁 護 者 た る べ く 生 み だ さ れ た も の であ り、 そ の構 成 員 は、 各 々自 身 単 な る 市 民 階 級 に 立 ち 戻 る 日 に毎 年
直 面す る。 ⋮ ⋮⋮L
そ し て最 後 に ラ ソプ レ ヒ ト の結 論 が 下 さ れ る 。
﹁市 民 の利 益 は 国 有 財 産 の有 効 あ る い は無 効 に 関 し 裁 判 す る 権 限 を 行 政 権 に委 ね た と し ても 損 わ れ る こ と はな い。
であ 徳 ﹂
⋮ :⋮ ・
国 有 財 産 の取 得 者 を あ ら ゆ る 追 奪 か ら 保 障 し て い る 国 民 の 利 益 と 憲 法 原 則 と を 犠 牲 にす る こ と に よ って し か政
府 か ら 取 り あ げ る こと の でき な い権 能 を 自 己 に留 保 す 登 ﹂と は・ 政 府 の霧
碧 岳 § ま ・ と し て利 用 す べく ﹂ 法 令 書 室
§
ユ。ω 喜
す る こ と を 命 じ姻 ・
・ す な わ ち・ 共 和 暦 六年 霜 月 = 一
日・ 雪 月 四 日
に叢
総 裁 政 府 は司 法 大 臣 の こ の意 見 を 採 用 し 、 共 和 暦 六 年 雪 月 二 日 の命 令 を も って、 こ の報 告 書 を ﹁法 律 執 行 の た め の
宴 暑
かく し て、 国 有 財 産 売 却 訴 訟 に お け る ⇔ 説 の 立 場 は こ こ に確 立 煙
の総 裁 政 府 命 令 は、 司 法 大 臣 に よ る 一連 の報 告 を 踏 ま え つ つ、 次 の様 に規 定 す る 。
(79)
79
軋
轄
耀糠 藁 ゼ
懸 獅
鋭欝 罫 雛黙 繕 樋
舞鞭 諜
和 国 の 存 在 を 危 う く し よ う と す る も の で あ る 。﹂
轄権 を確 立 した。
あ な お・ 共和 暦 七年 鶉
月 三 日 の総 裁 政府 零
は、 競 売以 前 に所 有権 茎
張 して崇
した場 A.に、 司 法裁 判所 の管
鮪
離舞懸鱗難綴畿灘
行政 庁 付 き 総裁 派 遣 委 員 に よ って遂 行 さ れ か つ指 揮 さ れ る 。
﹂ (一- 二 条)
(
91
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裁
欝 製鰐 雛 嫁
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酔鰭 腰牡
認 影 難 難報
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局の担当者との対甕
づ養 権者団責 あるい総 代の糞
徴した後 デ・ー
ク舞
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灘雛難撫繋謙 魏糠灘 鱗羅一
叢犠撫購
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80
Cso)
フ ラ ソス革 命期 行政 裁 半弱
制度研究試論
見 に基 づ き 、 県執 行 部 は、 訴が デ ィス トリ クト執 行部 事 務 局 に提 出 され た 日か ら 一ケ月以 内 に、 いわゆ る趣意 書 と訴 訟資 料 に基 づき 提 起 さ れ
も
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た 訴 に つい て裁 判 す る。デ ィ スト リ ク ト執 行 部 事務 局 は受 取 証 を交 付 し、 これ に ついてそ の ため にあ て られ た 台帳 に記載 す る。 趣意書 の提 出
ら
と 登録 は時 効 を 中断 す る。﹂ (一四条 )
﹁県 執 行部 の決 定 に対 し 不服 が あ る場 合、 こ の訴 は 二人 の仲 裁 人 によ って確 定 的 に裁 判 さ れ る。 こ の仲 裁 人 は 一人 は原 告 た る債 権 者 によ つ
て、他 の 一人 は県 執 行部 に よ って任命 され る。 裁 判 は県 ︹
執 行 部 ︺ の決定 から 一ヶ月 以 内 の いず れ か の 日 によ ってな され る。 こ の訴 に つ いて
司 法 裁判 所 へのあ ら ゆ る不 服 申 立 は禁 じ ら れ てあ る。 仲裁 人 の間 で意 見 が まと ま ら な い場 合、 仲 裁 裁 定 のた め彼 等 相 互間 で第 三 の仲 裁人 を 取
り決 める 。
﹂ (一五条 )
み られ る通 り、 こ こ で は国 家債 務 訴 訟 に関 す る行 政権 に ょ る裁判 管 轄 権 は 、 共和 暦 五 年以 降 の場 合 と 異 り、自 己貫 徹 を果 し て いな い (
仲裁
(21 )
(20 )
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人 の関 与 )。 した が って、 こ の規 定 の趣 旨 は、 亡命 者 財 産 売 却 に伴 う 膨 大 な 国家 債 務 事務 処 理 に つ いて 司法 裁判 所 の管 轄権 を例 外 的 に排 除 し
(22 )
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た にと ど ま り、 国家 債務 訴 訟 に関 す る行政 裁 判管 轄権 を積 極 的 に基 礎 づ け よ う と し たも ので はな い ことが 理 解 され る のであ る。
(23 )
O億¢。。餓o彦 ⋮ ・
・
6や o搾 矯や 。。Oρ な お 、 第 三 者 と し て、 実 際
国 内 の市 民 を 意 味 す る 。 亡 命 貴 族 が 許 さ れ て 所 有 権 返 還 請 求 訴 訟 が 認 め ら れ る の は 、 共 和 暦 十 年 花 月 六 日 の上 院 決 議 か ら で あ る 。 こ れ ら
やb ×ピ昌 卑 ωミ ・
(23 a)
の者 は 第 三 者 諜㊥﹁。。 に 対 し 、 旧 所 有 者 雪 905 碧 o¢恥 。口﹃ と 呼 ぶ 。 6⇔Nヨ ①三 P
に は ど の様 な 者 が 訴 訟 を 提 起 し た か は 、 未 だ 経 済 史 文 献 を 参 照 し て い な い の で 不 明 であ る が 、 国 有 財 産 取 得 者 に対 し て 、 執 拗 な 攻 撃 と い や が
ら せ を し か け た 者 が 反 革 命 貴 族 ・憎 侶 であ った こ と に つ い て は、 ﹀ ・O巴P ピ騨 器 の富 二鎚 蹴o誰 o峠一
窪 玄 ㊥器 価㊥の似慧 ひ
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(26 )
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(24 )
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(25 )
(27 )
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(28 )
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(29 )
(3
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(30 a)
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な お 、 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の裁 判 管 轄 権 の 司 法 権 か ら 行 政 権 へ の移 管 は 、 共 和
コ
(後 述 じ の 三 の 個 参 照 )。
一
窃
同 じ く 別 の 箇 所 で ラ ソ プ レ ヒ ト 曰 く 、 ﹁国 民 か ら 財 産 を 取 り 上 げ る こ と を 企 図 し て い る 様 な 裁 判 所 は 、 反 革 命 家 か ら 構 成 さ れ て い る と い
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﹁性 質 上 の 行 政 訴 訟 ﹂ の 成 立 に 連 動 す る も の で あ る
一。。心ρ
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わ れ て も 仕 様 が な い で あ ろ う 。 経 験 は 不 幸 に も こ の 推 測 が 単 な る 幻 想 に お わ ら な か っ た こ と を 証 明 し て き た 。 ⋮ :⋮ ﹂
(31 )
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(32 )
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(33 )
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判 例 と し て 、 ↓ 触豊
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暦 五 年芽 月 二 日 の総 裁 政府 命 令 によ る
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(33 a )
(34 )
(35 )
ココ
(3
6)
ニ 国 家 債 務 訴 訟 の展 開
︹
一 こ こ で 国 家 債 務 訴 訟 と いう 場 合 に は、 革 命 期 に お い て 国 家 と市 民 間 と の間 に生 じ た 一連 の債 権 .債 務 関 係 を め
(36 a )
ぐ る訴 訟 の総 称 を 意 味 す る 。 そ の内 容 は 多 岐 に わ た る が 、 と り わ け 重 要 な も の は、 種 々 の 旧債 、 国 有 財 産 と し て没 収
(37 )
さ れ た 財 産 に付 着 し て い る 種 々 の権 利 の清 算 ・補 償 、 不 当 に 財 産 を 没 収 さ れ た本 来 の所 有 権 者 に対 す る補 償 、 政 府 契
(3
8)
約 の履 行 と し て行 わ れ る 金 銭 支 払 請 求 、 並 び に契 約 責 任 に基 づ く損 害 賠 償 訴 訟 であ る。 そ し て、 こ れ ら 国 家 債 務 訴 訟
を 規 定 し て い た要 因 は、 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の場 合 と 同 様 に、 ま た、 こ の訴 訟 と の牽 連 関 係 に お い て、 あ た う 限 り の国
庫 の利 益 の実 現 にあ った こ と であ る。
も と よ り 、 こ の国 家 債 務 訴 訟 の場 合 にも 、 当 初 よ り紛 争 処 理 形 式 の 一方 性 ・専 断 性 の要 請 か ら 行 政 権 に裁 判 管 轄 権
が 委 ね ら れ て い た わ け で は な か った 。 国 有 財 産 売 却 訴 訟 が ﹃所 有 権 ﹄ を めぐ る紛 争 であ った こ と と 同 様 、 ﹃
債 権 .債
82
C82)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
務 ﹄ 関 係 を めぐ る争 い であ った こと か ら 、 ﹁私 法 ﹂ 原 理 が 貫 徹 し、革 命 後 暫 く の間 、裁 判 管 轄 権 は司 法 権 に委 ね ら れ て
証 の過 程 と を 跡 づ け る 。
ジ ユスチ イフイカ シオ ン
い た 。 本 節 で は、 そ こ で、 国 家 債 務 訴 訟 裁 判 権 の こ の司 法 権 か ら 行 政 権 への推 転 と そ の弁
(39 )
と ころ が 、 こ の国 家 債 務 訴 訟 裁 判 権 の司 法 権 か ら 行 政 権 への移 管 に つ い て、 と り わ け 、 行 政 裁 判 権 の根 拠 と な る法
文 の理 解 に つ い て、 革 命 期 か ら 立 法 、 判 例 に 多 く の混 乱 が 存 し た。 こ れ は、 革 命 期 に お い て、 国 家 債 務 訴 訟 に よ る
﹁債 務 清 算 ﹂ の 方 法 を 認 め て い た こ と に よ る 。 そ し て 、 こ の 一連 の 行 政 的 処 理 に よ る
(40 )
﹁
債 務 清 算 ﹂ の方 法 と な ら ん で、 ﹁債 務 清 算 ﹂ の迅 速 な 処 理 を 目 指 す た め、 法 律 で認 め ら れ た特 定 の債 務 に つい て簡
易 .敏 速 な 行 政 的 処 理 に よ る
﹁債 務 清 算 ﹂ に 関 す る 諸 法 律 が 、 実 は 、 国 家 債 務 訴 訟 の 裁 判 権 を 司 法 権 か ら 奪 い 、 行 政 権 に 授 与 す る 際 の 根 拠 法 文 と
し て、 意 識 的 に 転 用 さ れ た こ と で あ る 。 本 節 は、 こ の 国 家 債 務 訴 訟 の 裁 判 権 が 司 法 権 か ら 行 政 権 に 移 管 さ れ る 際 の直
接 的 根 拠 法 文 の 欠 落 に よ る 、 そ の ド ラ ス チ ッ ク な 転 換 を 明 ら か に す る 。 そ の た め 、 叙 述 の方 法 と し て 、 は じ め 、 行 政
(
註 (74)参照 ) 知 れ る。 な お、 >o﹃監①
これ も国 家 債 務 訴訟 に入 る こと に つい ては、 納 品契 約 の履 行 を めぐ る 訴訟 の裁 判権 が 司法 権 から行 政 権 に授与 され るべき ことを 説 いた、後
これ に つい て は共和 暦 六年 霜 月 二 二 日 の法律 二条 参 照 。 さ ら に、 ﹀・O鉱斜 o, 6睡
け
こ 戸 ド や 一①・
註 (4
6)参 照。
的 処 理 に よ る 国 家 債 務 清 算 手 続 を 規 律 す る 一連 の 法 規 に つ い て 言 及 し た 後 、 国 家 債 務 訴 訟 に つ い て 論 じ る 。
(36)
(36 a)
(37 )
述 共 和 暦 五年 芽 月 二 日 の総 裁 政 府 命 令 が、 国 家債 務 清 算 に関 す る法 文 を根 拠 と し て い る こ と か ら
︼
≦¢ω窪ρ U① 囲
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Q。㊤縛 b, Φド Q。劇無 卯 ⋮ ∪①ω Ω 一
一
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'oや 9什
こ , 継Q。刈も 国 家債 務
訴 訟 の標題 の下 に、 これ を論 じ る。
﹁司 法 権 の 権 限 に対 す る 行 政 権 の侵 犯 に 最 も 広 い 門 戸 を 開 放 し た も の は 、 何 よ り も 、 僧 族 財 産 お よ び 亡 命 者 財 産 の取 得 か ら 生 じ た 公 債 務 一
註 (74 )参 照 。
(38)
(39 )
メ ス ト ル は こ れ を 、 国 家 債 務 の ﹁非 訴 訟 的 宣 告 ﹂ 叡 o一
霞母圃
8 ロ8
60耳 oコ酔一
①ロ。。Φ ユo 留 洋① と 呼 ぶ 。 こ れ は 量 的 に ま と ま り の あ る特 定 の 債
般 の 滴 算 、 特 に公 債 務 中 の当 該 項 目 部 分 の清 算 で あ った 。﹂ 竃 ロ9 島① じd憎轟 膏 讐註 (1 )参 照 。
(40 )
務 に つき 、 敏 速 .簡 易 な 処 理 と 救 済 を 与 え る た め 、 債 権 者 の申 出 に岐 つ ざ、 一定 の審 査 の後 、 行 政 権 (革 命 当 初 は、 立 法 権 ) が 自 主 的 に債 務
(83)
83
二
を 承認 す る行為 であ る。
ω
- ル は、 国 家霧
の ﹁訴 訟 的 宣 告 ﹂ §
塁
一
。:
。暮 。旨瓜①鐸・.① 価① 血㊥茸① と 呼 ぶ . }
ア ン シ ヤ ン レジ し ム
革 命 期 に おけ る国 家債務 の行 政的 処理権 限 を根 拠づ け た最初 の法文 は、 一七九
訴 訟 によ る債 務 清 算 を 三
oO・ o剛陣二 bや・ N Φけ ρ
こ れ に 対 し・ 国 家 霧
一
≦ Φ。。茸 ρ
国 家債 務 の行 政 的処 理
(
第 一次的審査 にあ たる のは議会内委員会 、決 定権者 は議会 自身) に委 ね た こと で
○ 年 一月 二 二 日 ・ 三 月 二 五 日、 三 月 二 八 日 のデ ク レであ った。 注 目 す べ き こと は、 旧 体 制 下 に お い て国 王 に専 属 し て
い た こ の権 限 を・ 憲 法 制 定 議 会 は立 法 権
あ菊
す な わ ち 、 まず 、
﹁⋮ ⋮ こ の清 算 を な す た め に ・ 財 政 委 員 会 に お け る = 一人 の 構 成 員 か ら 成 る 委 員 会 (後 、 正 式 の名 称 は ﹁清算 委 員 会 ﹂
8 ヨま ユ。 一
5巳9 件
δロ と な る。 - 註 ・村 上) を 任 命 す る 。L (六条 )
そ し て、
萎 曇 緯 禁 審査森 念 レ蕊 い・衡勝 客 募 陰 いで議念 響 い、かつ、異議の余地のありうる債務
(42 )
の判 決 を 議 会 に付 託 す る 。
L
し か し な が ら・ こ の国 家 債 務 の行 政 的 処 理 権 限 の立 法 権 の授 与 に つ い て は当 初 か ら執 行 権 に授 与 す べ く 主 張 す る議
論 が な か った わ け で は な い。 これ を か わ す べ く 憲 法 制 定 議 会 で 行 わ れ た議 論 は 次 の様 な も の であ った 。
す な わ ち、 一七 九 〇 年 七 月 三 日、 清 算 委 員 会 の名 に お いて 行 わ れ たバ ッ じ6帥言 議 員 の報 告 に 曰 く 、
酬公 債 務 の清 算 一
昼巳審 二〇"自oのooヨ冥 oωに よ って 何 が 理 解 さ れ よう か。そ れ は 主 権 者 の判 定 であ る 。これ に よ って
債 権 の額 と 正 当 性 が 確 定 的 に 決 定 さ れ 承 認 さ れ る。 旧 体 制 下 で は、 国 家 の代 表 権 と 主権 を ひ と り 行 使 し て い た 国 王が
彼 の顧 問 会 議 に お い て す べ て の 公 の支 出 を 命 じ た 。⋮ ⋮ ⋮ 清 算 と 補 償 は 国 家 元 首 と し て掴 王 に よ って の み宣 告 さ 九 た 。
84
(S4)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
し か し・ 何 ら か の未 払 い部 分 の清 算 獣ρ巳店⇔ユ8 侮 § ① ℃O算 脚
8 ρ器 一
〇〇口ρロ① 傷o 一
げ霞 一
伽㌫ は、 こ れ を 支 払 う 紛
定 を 必 要 と し、 ま た、 こ の清 算 は 公 の債 務 と租 税 お よ び 国 民 の委 任 を 生 ぜ し め る の で、 国 民 の代 表 者 の み が 明 ら か に
(43 )
こ の債 務 を 宣 告 し承 認 す る 権 利 を 有 す る 。 同 様 に、 そ の義 務 は債 務 を 承 認 す る 前 に そ の正 当 性 を 検 査 し確 認 す る こ と
o泳 § ooω 僧旨 菰臥 $ と清 算 委 員 会 の職 務 に関 す る 一七 九 〇 年 七 月 一七 日 - 八 月 八 日 のデ ク レ
にあ る 。 そ れ ゆ え 、 国 民 に よ る監 査 を 準 備 す る (た めに作ら れた)委 員 会 の設 置 は憲 法 原 則 か ら の第 一の帰 結 であ る 。
L
そ し て、 未 払 い債 権
は ま さ に こ の報 告 に基 づ い て制 定 さ れ た も の であ る。 す な わ ち、
(44 )
﹁国 民 議 会 は国 庫 に対 す る い か な る債 権 も 国 王 に よ り 裁 可 さ れ た 国 民 議 会 のデ ク レ に よ る の で な け れ ば 、 国 家 の債
務 に編 入 さ れ え な い こ と を 憲 法 原 則 と し て規 定 す る 。
﹂ (一条 )
﹁清 算 委 員 会 は、 国 民 議 会 が 宣 告 し な け れば な ら な いす べ て の未 払 い債 権 の性 質 に つ い て の報 告 書 を 国 民 議 会 に提
出 す る 。 清 算 委 員 会 は、 ⋮ ⋮ ⋮未 払 い債 権 が 規 則 お よ び 命 令 に よ って規 定 さ れ た形 式 に お い て審 査 さ れ 、 あ る い は 判
定 さ れ 、 監 査 さ れ た か ど う か を 特 に審 査 す る 。﹂ (
九条 )
こ の様 に国 家 債 務 の行 政 的 処 理 権 限 が 立 法 府 に授 与 さ れ る に到 っ た の は、 こ の時 期 (一七九〇 年)未 だ 予 算 制 度 が
は っき り と し た形 で確 立 さ れ て お らず 、 さ ら に国 庫 窮 乏 の折 り に、 租 税 と し て徴 収 さ れ た 財 源 を 執 行 権 が 恣 意 的 に費
(45 )
消 す る こと を、 憲 法 制 定 議 会 が お そ れ た 結 果 であ った 。 そ こ で、 こ の権 限 を 憲 法 制 定 議 会 自 ら留 保 し、 こ の た め納 税
者 の負 担 巨国 民 代 表 制 議 会 の権 能 の強 調 が 行 わ れ た の で あ った 。
つづ い て、 一七 九 〇 年 一二 月 = バー 二 二 日 のデ ク レは、 先 の清 算 委 員 会 に か え て、 清 算 総 務 局 忌 お o鉱8 σq曾 曾 毘o
鳥¢一
昼三α讐 ざ昌 を 置 く 。が 、こ のデ ク レ の意 義 は、 国 家 債 務 の行 政 的 処 理 機 関 の名 称 、構 成 が 変 化 し た こ と にあ る の で
は な く 、 これ ま で のデ ク レが す べ て 国 家 債 務 の種 類 を 憲 法 制 定 議 会 が 旧 体 制 下 か ら引 き 継 いだ 未 払 い債 権 o融 m暑 $
(85)
85
9
。三 騨 価窃
8 ロ8 ω 一
Φω 畠卑 8 ω αΦ 一、
国雷 什 oo霞 働馨 Φω に 拡 張 し た こ と
へ
に限 定 し て いた の に対 し、 あ らゆ る 種 類 の債 権
の清 算 の た め に・ 国 王 に よ って任 命 さ れ た委 員 の下 に総
に あ る 。 す な わ ち、
ぺ て の種 類 の債 務 件
。。器 ω 。げ奮
﹁以 下 に特 定 さ れ 響
(47 )
に 規 律 さ れ る ω震 o馨 融 σq一
仙Φ。。・ と 規 定
国 民 公 会 に 到 る と 、 こ の 憲 法 制 定 議 会 の シ ス テ ム は 改 め ら れ 、 国 家 債 務 の行 政 的 処 理 権 限 は 行 政 権 に 授 与 さ れ
務 局 が 設 置 さ れ る 。 こ の 部 局 の 一般 的 任 務 は こ れ ま で に も 説 明 さ れ た 様 に 国 民 議 会 の 諸 委 員 会 に よ って 監 視 さ れ る 。﹂
②
た 。 す な わ ち 、 一七 九 三 年 九 月 二 六 日 のデ ク レ は 次 の 様 に 規 定 す る 。
﹂
﹁国 民 公 会 は 国 家 に 対 す る す べ て の債 権 は 行 政 的 に 9。α巳 一
巳 。。甫 象 一
く①ヨ o簿
す る。
}
以 後 、 こ のデ ク レ は国 家債 務 の行 政 的 処 理 権 限 の根 拠 法 文 と な った 。
(41 )
後 段 の 条 文 は 国 家 債 務 訴 訟 に 関 す る 規 定 で あ る。 後 述 三 の ω 参 照 。
8 ・6一
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(42 )
﹀﹁o罫 冨 昌 し ㊥﹃。 。。仙二P け 5
竃 Φωqρ 8 ・o一什こ , 悼O⋮U①。。 Ω 一一
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(43 )
な お、 こ のデ ク レ に 基 づ く 未 払 い債 権 の対 象 ぱ 、 一七 九 〇 年 一月 二 二 日 、 三 月 二 五 日 、 三 月 二 八 日 のデ ク レで は コ 定 の未 払 い債 権 8 ﹃,
唱曹 Φ。
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(44 )
UΦの Ω 一
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Φ弩 。。匂呂 ・島什二 や ト謹 .
富 言 ①ω oは m昌o霧 費 ユ驚 伽霧 ﹂ と さ れ て い た も の が 、 ﹁す べ て の 未 払 い債 権 8葺 Φ。
。冨 の o泳 窪 oΦω 9頃 一
恥 ひo。・﹂ と いう 具 合 に 拡 張 さ れ た 。
(45 )
こ れ に つ い て は 二 条 に.
列 挙 さ れ て い る 。 す な わ ち 、 e 各 県 の未 払 い債 務 、 ⇔ 議 会 に ょ って 償 還 の命 ぜ ら れ た 司 法 官 職 株 、 そ の他 の官 職 株 の
8 巳 。。 鳥、
凶く睾 60 簿 S 葺 ざ目 ①ヨ Φロ$ 血Φω
器 8 コロΦ 帯 有 者 へ の 返 還 金 、 ㈹ 身 分 会 議 議 員 へ の年 金 窟 霧 一
〇器 a Φ。。 灼O葺 ω興 く一
。窃 話 コ山島 帥 一.
蝉 讐 、 ㈹ 旧 年 金 の未 払 い に よ る 差 額
この法文 が、 国家債 務 訴訟 の行 政 裁 判権 を根 拠 づ け るも ので はな い こと に つ いて は、 }
寓 Φ。・茸ρ oや o一
一二 や 刈。。 卑 9 と り わ け
や 。。ポ
金 、 ⇔ 従 前 の封 建 的 お よ び 不 動 産 に 関 す る諸 権 利 、さ ら に 国 有 財 産 に付 着 し て い た 諸 負 担 の 清 算 、 ⇔ そ の他 議 会 が 清 算 を 命 じ た す べ て の債 務 。
Φ房 締
畠 p﹁鴨 。。 卑 8 ヨ 巨 。。・・一
〇器 畠o ⇔葛 昌8 、 ㈲ 今 日 廃 止 さ れ た 俗 人 領 主 十 分 の 一税 の償 還 、の 種 々 の原 因 に 基 づ く 損 失 補 償 金 、㊨ 留 保 付 与 状 げ﹁of
取 得 金 、 ⇔ 国 有 財 産 の抵 当 権 者 に 償 還 さ れ る べ き 金 銭 、 ⑳財 務 職 ・委 員 の前 払 い金 、 身 元 保 証 金
(46 )
(47 )
86
(86)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
三
ω
革 命 初 期 に お い て は 、 右 に 見 た 国 家 債 務 の 行 政 的 処 理 の 外 に、 こ れ と は 別 に 裁 判 的 宣 告
U①ωΩ=o¢﹁ρ o, o霊噂, 幽Q。S なお、註 (74)の㈲参照。
国 家債 務 訴訟
(4
8)
の方 法 が 併 行 的 に存 置 さ れ て い た 。 市 民 は いず れ の方 法 に よ る か を 選 択 し え た わ け であ る 。 す な わ ち、 こ の点 を 明 ら
か にす る も のと し て、 先 の清 算 委 員 会 のバ ッ議 員 の報 告 書 に 日 く 、
﹁一言 で いえ ば 、 そ の (
清算委員会 の)設 置 は、 ⋮ ⋮ ⋮ い か な る 裁 判 所 の運 営 にも 変 更 を も た ら す 様 な も の で は な
(49 )
い、 と 委 員 会 は 考 え て い る 。
﹂
そ し て右 の発 言 を 裏 づ け る も のと し て、 前 掲 一七 九 〇 年 七 月 一七 日- 八 月 八 日 のデ ク レ七 条 に は次 の様 にあ る 。
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﹁延 滞 債 務 の 一覧 表 に登 載 さ れ る ︹べき ︺ こと を 主 張 す る す べ て の債 権 者 は 以 下 の期 間 内 に審 査 し ても ら わ な け れ
ば な ら な い。
ヘ
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す な わ ち、 フ ラ ン ス に 居 住 す る 者 に つ い て は 現 デ ク レ の公 布 の 日 か ら 二 ヶ月 。 ⋮ ⋮ ⋮
ヘ
これ ら の期 間 内 に、正 式 に 確 認 さ れ た債 務 名 義 に し ろ 、債 務 の確 認 を 得 る た め に これ に つ い て審 理 し ても ら う べ く 諸
ヘ
裁 判 所 に 提 起 し た 訴 訟 に し ろ、 清 算 委 員 会 に証 明 し な か った者 は す べ て当 然 に国 庫 に対 す る そ の返 還 請 求 権 を 失 う 。
﹂
し か し な が ら、 問 題 は こ の国 家 債 務 訴 訟 の裁 判 権 の所 在 であ る。 まず 、 革 命 当 初 は司 法 権 が 組 織 さ れ る ま で の暫 定
期 間 お よ び 旧体 制 以 来 の伝 統 的 管 轄 権 に し た が って、 これ は は じ め国 王 顧 問 会 議 に委 ね ら れ る べ く 予 定 さ れ て い た
コ
こ と であ る 。 こ れ が 前 掲 (
第 一章第 一節 三 の 一11第 一論文 三 の 一) 一七 八 九 年 一〇 月 二 〇 日 の デ ク レ であ る。 す な わ ち、
︹
﹁憲 法 制 定 議 会 は、 司 法 権 と 行 政 権 の権 力 を 組 織 す る 日 ま で、 国 王 顧 問 会 議 が そ の下 に 現 在 係 属 し て い る事 案 に つ
い て裁 判 す る こ と を許 し ⋮ ⋮ ⋮﹂
と こ ろ が 、 こ の国 家 債 務 訴 訟 の裁 判 権 に関 し て今 一つ注 意 す べ き 事 柄 と し て、 国 王 顧 問 会 議 の判 決 に は終 審 と し て
(87)
87
の権 威 が 与 え ら れ ず 、 議 会 の 一定 の統 制 に服 し て い た こ と であ る 。 こ れ を 規 定 す る のが 前 掲 一七 九 〇 年 一月 二 二 日、
三 月 二 五 日、 二 八 日 のデ ク レ であ る 。
﹁委 員 会 は、 ⋮ ⋮ ⋮異 議 の余 地 のあ り う る債 務 の判 決 を 議 会 に付 託 す る 。﹂
同 じ く 、 一七 九 〇 年 二 月 一五 日 のデ ク レで あ る。
9。O霞 oヨ o韓 の αΦ 8 日 営 o を 継 続 す べ き で あ り 、 か つ、
﹁憲 法 制 定 議 会 は次 の様 に 判 断 す る。 国 王 顧 問 会 議 の権 限 を 維 持 し た 一七 八 九 年 一〇 月 二 〇 日 のデ ク レ に し た が
い、 国 王 顧 問 会 議 はそ の下 に現 在 係 属 し て い る債 務 の審 査
︹
国 王 顧 問 会 議 の︺ 債 務 あ る い は 補 償 の審 査 の後 、 議 会 が こ れ ら を 自 ら に移 送 す る 場 合 、 お よ び ︹
国王 顧 問 会 議
の︺ 審 査 に いく つ か の誤 り を 見 いだ し た場 合 に は、 こ の点 に つ い て適 切 と 考 え る 措 置 を 宣 告 す る も のと す る 。
﹂
こ の こ と は暫 定 的 措 置 と は いえ 、 国 王 顧 問 会 議 の封 建 的 ・反 動 的 性 格 に対 す る 顧 慮 か ら議 会 に よ る 一定 の民 主 的 コ
ソ ト ロー ルを 及 ぼ そ う と す る 憲 法 制 定 議 会 の意 思 の現 わ れ に外 な ら な い。 し か し な が ら、 さ ら に問 題 は こ の議 会 に よ
る統 制 の法 的 性 格 規 定 で あ る 。 こ れ が 一七 九 〇 年 四 月 一七 日、 二 五 、 二 六 日 と 三 度 に わ た り 憲 法 制 定 議 会 に お い て論
争 さ れ た事 柄 であ る 。 す な わ ち、 そ れ は果 し て、 法 外 的 な 政 治 的 ・財 政 的 考 慮 も 容 れ う る無 定 量 .包 括 的 な 監 督 権 な
の か、 あ る い は 国 王顧 問 会 議 の判 決 に対 し法 的 観 点 か ら 再 度 見 直 し の機 会 が 与 え ら れ る 破 殿 裁 判 権 な の か、 で あ る 。
(50 )
前 者 を 主 張 す る も のが ラ ソジ ュイ ネ 議 員 で あ る 。 す な わ ち、 同 議 員 は ま ず 、 議 会 に は国 王 顧 問 会 議 の判 決 に 対 す
る 財 務 的 監 督 権 が与 え ら れ て い る こ と を 指 摘 す る 。 さ ら に、 国 王 顧 問 会 議 の性 格 は 旧 体 制 以 来 、 裁 判 所 の名 に 値 す
む ソ
る 機 関 であ った こ と は 一度 も な く 、 ︹
行 政 官 と債 権 者 た る 市 民 を 面 前 に し た︺ 対 審 手 続 の下 で の 判 断 も 真 の 意 味 で
の判 決 と は異 る こと を力 説 す る 。 し た が って、 顧 問 会 議 の か か る性 格 に か んが み て何 ら か の統 制 が 行 わ れ て し か る べ
き 理 由 が 生 ず る わ け であ る 。 そ こ で、 旧 体 制 下 の顧 問 会 議 が 法 的 に は と も か く 事 実 上 は裁 判 機 能 を 営 ん で いた 点 に着
88
(88}
フランス革命期行政裁判制度研究試論
(52 )
目 す る な らば 、 ﹁議 会 は 司 法 権 を 行 使 し な い の で、 そ の結 果 、 破 殿 裁 判 所 ﹂ が 国 王 顧 問 会 議 の料 決 を破 殿 し、 そ の統
制 下 に お く と い う 可 能 性 が 生 ず る の で あ るが 、 ラ ンジ ュイ ネ は こ の結 論 を 採 ら な い。 す な わ ち、 ラ ソジ ュイ ネ は ﹁わ
れ わ れ が こ こ で主 と し て参 照 し な け れ ば な ら な い﹂ も の と し て、 一七 九〇 年 一月 二 二 日 のデ ク レと 一七 九 〇 年 二 月 一
五 日 のデ ク レ の趣 旨 か ら 結 論 を引 き だ そ う と す る 。 と り わ け、 後 者 のデ ク レ後 段 ﹁⋮ ⋮ ⋮ ︹
国 王 顧 問 会 議 の︺ 審 査 に
何 ら か の誤 り を 見 いだ し た場 合 に は、 ︹
議 会 は︺ こ の点 に つ い て 適 切 と考 え る措 置 を 宣 告 す る も のと す る 。
﹂ の文 言 に
注 意 を喚 起 し つ つ、 次 の様 に 曰 く 、
﹁こ の最 後 の文 言 は問 題 を 解 明 す る 光 明 であ る様 に見 え る 。 顧 問 会 議 は今 後 共 公 債 務 を 清 算 し つづ け る。 し か し、
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議 会 は そ の判 決 を 再 点 検 す る 。 そ し て議 会 が 誤 り を 見 いだ し た 場 合 に は、 自 ら が 適 切 と判 断 す る事 柄 を 決 定 す る 。 か
ヘ
く て 、 こ の事 項 に お い て は、 顧 問 会 議 の判 決 は、 決 定 権 が 県 の執 行 部 に属 す る事 項 に つ い て のデ ィス ト リ ク ト の意 見
ヘ
(53 )
のご と く 、 最 終 的 決 定 権 が 国 王 に委 ね ら れ 、 あ る い は 立 法 府 に授 与 さ れ た す べ て の事 項 に お け る県 の命 令 のご と く 、
議 会 の再 審 査 に服 す る 予 備 的 意 見 鋤く冨 嘗 9 碧 舞 o貯o。。 以 外 の何 も の でも な い 。
﹂
ラ ンジ ュイ ネ の発 言 を 文 字 通 り に解 す る な ら ば 、 議 会 は 国 王 顧 問 会 議 を 下 級 行 政 機 関 と し、 そ の判 断 を ﹁
予 備 的意
見 ﹂ と し て再 審 査 す る後 見 的 行 政 監 督 権 を 行 使 し う る が ご と き 存 在 と な る 。 かく て は、 議 会 の権 能 は 先 に み た 行 政 的
処 理 権 限 と 同 一に 帰 し 、 国 家 債 務 訴 訟 の存 在 余 地 を全 く 否 定 す るが ご とき 結 果 と な る の であ る。
し か し な が ら 、 こ の点 は ラ ンジ ュイ ネ 自 身 ど こま で明 確 な 自 覚 を も って 議 会 の権 限 の性 格 規 定 を試 み よ う と し た か
は 不 明 で あ る。 む し ろ 、 そ の窮 極 的 意 図 は、 か か る 事 柄 を 不 問 に 付 し た ま ま、 破 殿 裁 判 所 の関 与 を 排 除 し、 旧 体 制 下
に お い て 国 王 顧 問 会 議 が 行 使 し て い た事 実 上 の権 限 を そ の ま ま追 認 し た う え で、 ﹃
後 見 的 監 督 権 ﹄ の下 に これ を そ の
ま ま 議 会 の権 能 と し て吸 い 上 げ よ う と す る も の のご と く 見 受 け ら れ る の で あ る。
(89)
89
すな わ ち 曰く、
﹁旧 体 制 に お い て は、 諸 原 則 は 訴 訟 事 件 に関 し 、 顧 問 会 議 の権 限 を 認 めな か った 。 ︹に も か か わ ら ず ︺ 旧 体 制 下 に
お い て事 実 上 、 他 のす べ て の事 柄 同 様 、 訴 訟 事 件 に つい て も 明 ら か に 不 正 な 口実 の下 に これ を破 殿 す る 様 な こと が 行
わ れ た 。 そ し て、 顧 問 会 議 自 ら 破 殿 し た後 、 本 案 に関 す る新 た な判 決 を 下 し た 。 な に ゆ え議 会 は財 務 事 項 に関 し顧 問
(54 )
会 議 が 持 って い た のと 同 一の権 限 を、 同 一範 囲 で行 使 し て は い け な い の か。 憲 法 に よ れ ば 、 破 鍛 裁 判 所 に よ っ て で
は な く、 わ れ わ れ 自 ら 債 務 を 裁 判 し これ を清 算 す る こと は、 わ れ わ れ の任 務 の主 た る 目 標 であ る 。
﹂
(55 )
し か し な が ら 、 議 会 の権 能 の性 格 規 定 を 不 問 に し、 無 定 量 な 権 限 の外 観 を と る ラ ンジ ュイ ネ の提 案 に対 し、 種 々 の
立 場 か ら の反 論 が 起 った 。 そ の 一つ、 カ ミ ュ議 員 曰 く (一七九 一年四 月 二六日)、
﹁誰 もが 、 顧 問 会 議 の判 決 は国 民 議 会 の 目 か ら み て取 消 し え な い権 威 を 持 つも の で は な い、 と い う こ と で は 一致 し
て い る。 ま た 、 国 民 議 会 は何 ら の審 査 も す る こ と な く 、 こ の様 に し て清 算 さ れ た債 務 の支 払 い を 命ず べ き で はな い と
い う こ と で も 一致 し て い る 。 す べ て の問 題 は 国 民 議 会 の ︹か か る︺ 審 査 の ︹
法 的 ︺ 性 質 が い か な る も の であ る か を 知
る こと にあ る。
清 算 委 員 会 の構 成 員 のあ る者 は ︹
国 王 顧 問 会 議 の判 決 は︺ 法 的 事 由 ヨo団o鵠ω 血Φ 脅 o詳 に基 づ く も の で な け れ ば
︹
国 民 議 会 に よ って︺ 取 消 し え な いと 考 え て いる 。 他 の者 は、 一七 九 〇 年 一月 一 一日 の諸 君 のデ ク レの 日 以 後 、 清 算
(56 )
を 対 象 と す る顧 問 会 議 の判 決 はす べ て見 直 さ れ ね ば な らず 、 か つ、 そ れ ら は 清 算 委 員 会 の提 案 に基 づ き 諸 君 (
国 民議
会 ) に よ って す べ て取 消 さ れ ね ば な ら な いと 考 え て い る。
私 はこの ︹
後 者 の︺ 方 法 は 必 要 な い と 考 え て い る 。 単 な る形 式 違 背 のみ な らず 財 務 諸 原 則 の侵 犯 、 王 国 の旧 法 違 反
を 対 象 と す る訴 訟 方 法 くoδω Ω¢ 舟 o# で 満 足 す る 必 要 が あ る と 考 え る 。 ⋮ ⋮ :
90
Cso)
フ ラ ンス革 命期 行政 裁 判 制 度 研 究 試 論
通 常 裁 判 所 は訴 訟 の方 法 に よ って提 起 さ れ た 訴 追 し か審 理 し え な い の で、 諸 君 は諸 君 (国民議会 ) に司 法 権 を 授 与
し た こと に な る 。 ⋮ ⋮ ⋮
︹
顧 問 会 議 の判 決 をす べ て見 直 し 、 議 会 が 全 く新 た に清 算 を 命 ず るが ご と き は︺ 諸 君 のデ ク レ に よ って 諸 君 が 一時
的 に も 顧 問 会 議 の権 限 を 維 持 し て お き な が ら、 これ を 事 実 上 無 にす る こ と に な ら な い か。 ⋮ ⋮ ⋮ か か る方 法 を と る な
(57 )
ら ば 、 そ れ は 国 民 議 会 を専 制 の議 場 に 転 落 さ せ る こ と に な ろ う 。﹂
カ、
ミ ュ議 員 の提 言 は 右 に現 れ た 様 に、 国 王 顧 問 会 議 を 国 家 債 務 訴 訟 の第 一審 裁 判 所 と し 、 議 会 を破 穀 審 と す る構 成
をと る も の であ った 。 こ の意 見 は議 会 の大 方 の同 調 を 得 、 こ こ に債 権 、 補 償 お よ び 金 銭 支 払 請 求 の清 算 を な す 国 王 顧
問 会 議 の対 審 的 に 行 わ れ た 裁 判 的 決 定 に関 す る 一七 九 一年 四 月 二 六 日ー 五 月 四 日 のデ ク レが 成 立 す る 。
や霞
一
①ω
﹁︹
憲 法 制 定 ︺ 国 民 議 会 は 以 下 の様 に定 め る 。 債 権 、 補 償 お よび 金 銭 支 払 請 求 の清 算 を な す 国 王 顧 問 会 議 の対 審 的 に
行 わ れ た判 決 が 清 算 中 央 委 員 会 に 提 出 さ れ た 場 合 、 清 算 中 央 委 員 会 は まず そ の判 決 が 訴 訟 的 方 法 に よ っ て
<90。。 OΦ 締 o客 攻 撃 さ れ う る性 質 のも の か否 か を 審 査 す る 。 そ れ ら が 訴 訟 的 方 法 に よ って 攻 撃 さ れ う る 性 質 のも の
であ る 場 合 、 暇 疵 あ る 行 為 は、 取 消 訴 訟 の提 起 が 準 備 さ れ る た め に国 庫 の官 吏 に送 付 さ れ な け れ ば な ら な い。 し から
ざ る 場 合 に あ た る 時 に は、 清 算 委 員 会 は債 務 の支 払 い を 議 会 に 求 め る べ く義 務 づ け ら れ る 。
﹂
か く し て、 憲 法 制 定 議 会 は革 命 当 初 の 一時 期 、 国 家 債 務 に関 す る行 政 的 処 理 権 限 と 裁 判 権 限 を 一身 に集 め、 強 力 な
権 能 を 行 使 し う る こと に な った の であ る 。 し か し な が ら、 か か る特 異 な 制 度 的 型 態 は 束 の間 に お わ り、 翌 日、 す な わ
(58 )
ち、 一七 九 一年 四 月 二 七 日- 七 月 六 日 のデ ク レは、 司 法 制 度 改 革 の達 成 に伴 い、 こ れ ま で国 王 顧 問 会 議 に 係 属 さ れ て
い た 訴 訟 事 件 の普 通 法 裁 判 権 者 た る 司 法 裁 判 所 への移 管 を 宣 告 す る 。
﹁個 々に委 員 会 を 有 す る、 訴 訟 顧 問 会 議 、 財 政 顧 問 会 議 、 内 務 顧 問 会 議 、 財 務 官 房 噸 雪 α① 9器 o怠8 に 係 属 し て
(91)
91
在 係属 し て いる ︹
国が 債権 者 あ る い 綾
い る す べ て の事 件 は、 ⋮ ⋮ ⋮ そ れ ら に関 す る 審 理 権 が 帰 属 す る 裁 判 所 に 提 起 さ れ る 。 ⋮ ・
⋮.
.
﹂ (一条 )
7 ⋮ ⋮ 種 々 の顧 問 会 議 あ る い は 在 来 のパ リ 租 税 高 等 法 院 窺
ヘ
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務 者 の資 格
ヘ
で私 人 と 争 う︺ こ の種 のす べ て の事 件 は パ リ の 六 つ の裁 判 所 の 一 つに提 起 さ れ る。 :⋮ ⋮ ・
当 該 裁 判 所 は終 審 と し て 裁
判 す る 。L (一〇 条)
Φ。・ び8 。・島.
蜜 鼻
。Φ・・ § 奮
お よ び 国 庫 の官 吏 に よ って提 起 さ れ た す べ て の訴 訟 、
つ い で・ 一七 九 一年 八 月 八 - 二 二 日 のデ ク レ は国 家 債 務 訴 訟 の司 法 裁 判 所 に よ る裁 判 権 を 確 認 す る と と も に右 のデ
2邑
ク レ に規 定 さ れ た管 轄 裁 判 所 を さ ら に特 定 す る 。
薗 債 財務 官 § 茎
あ る い は・ 顧 問 会 議 に し ろ 、 他 の裁 判 所 ⋮ ⋮ ⋮ に し ろ、 係 属 し て いる す べ て の訴 訟 は、 ⋮ -⋮ ・
パ リ 市 の第 一地 区 の裁
判 所 に提 起 さ れ る。 ::・
⋮L
か か る 国 家 債 務 訴 訟 の管 轄 裁 判 所 の特 定 は、 国 王 顧 問 会 議 か ら 司 法 裁 判 所 へ の管 轄 権 限 の移 管 に伴 う 混 乱 の経 過 措
置 と し て・ 国 側 の対 応 を 配 慮 し て定 め ら れ た も の であ る 。 す な わ ち 、 国 が 一方 当 事 者 と な る こ の種 の訴 訟 に お い て、
そ の都 度 国 側 訴 訟 代 理 人 が フ ラ ソ ス の各 地 の裁 判 所 に赴 かな け れ ば な ら な い こ と の 煩 雑 さ を 回 避 す る た め のも の であ
判 所 の制 限 は課 せら れな か
し かし なが ら・ 新 た に提起 され る国家 債務 訴 訟 ξ
いては か かる管 難
ると説明 され 華
題 があ .
。. これ
か く て・ こ こ に よ う や く に し て、 国 家 債 務 訴 訟 に関 す る司 法 権 の終 審 と し て の裁 判 権 限 が 確 立 さ れ
・
。こ,
.
﹂
に簡
会議 の判 決 の権 威 によ っイ、
覆 わ れ るか諸 君 は知 悉 シ 、
喜
った 模 様 であ 葡
っ た 。
︾・]
≦ 霧 嘗 ρ ob・ 6津二 b・ Q◎・
た の で あ
(48 )
諺容 F
な気 前安 さと 公 金 費 消が 鶴
に関 し、 終 審 とし て の決 定 あ る いは判 決、 と り わけ 顧 問会 議 の判 定 権 限 を難
争 いえな い判決 であ る と し たな らば 、 い か に歪
対 す る債 権 の獲
窓 準 し 伽﹁o 。。仙ユ ρ 仲・ 一①℃ 冒・ ⑦。。一・
(49 )
薗 窪
登
(5・)
蘇
92諮
(92)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
(51)
いる はず で あ る。 ⋮ ⋮ ⋮
簿
︹噌七 八九年 一〇 月 二〇 日 の規 定 の趣旨 は ︺単 に顧 問会 議 が 一時 的 に他 の事 件 に つい てと 同様 、適 法 な裁 判 官 にな ったと いう こと であ る。
し かし、 議 会 が 自 ら 財称 静 賢 心 ういも顧 問 会 議 の判 決 を 取 消 す権 限 を 放 棄 し た わけ で はな い。
﹂ ︾需劉 や碧 ♂ 諦﹁
o 。・
似コρ け ト。伊 や, 一鴛
届。。・ な お、 メスト ルは、 こ こ で ラ ソジ ュイ ネ の いう 議 会 の財 務 的 監 督 権 を、 国 王顧 問会 議 に よる債 務 の存 否 と額 の確 定 を踏 ま え たう え で の、
し かし、 こ の様 に狡 い意 味 に解 し が た い こと は、 カ ミ 諜議 員 の発 言、 一七 九 一年 四 月 二 六 日i 五 月 四 日 のデ ク レによ って明 ら かであ
現実 の債 務 履 行 に際 し て の、 支 払 い方 法、 時 期 の選 択権 、 相 殺 の抗 弁権 と い った狭 い意 味 に解 し て いる。 } 竃 ①。。qP o賢 息f 層, 誠 ・鳶
簿 葵
る。 な お、 同 じ く註 (52)参 照。
﹁旧 フラ ン スの統 治 ︹
制 度 ︺ の真 の原則 に は、 国 王顧 問 会 議 が訴 訟 事 件 に関 す る第 一審 裁判 権 を 有 す る と い った事 柄 は見 いだ しえ な い。 国
王顧 問会 議 は適 法 な 裁 判所 で はな か った。 そ れ はま さ に国 王 の選 任 に か かる委 員 会 にすぎ ず 、 国 王 の内 政 上 の諮 問機 関 に ほかな ら ず、 王 国 の
法 律 によ り認 めら れ た 裁判 所 で はな か った。 そ れ ゆ え旧 体制 下 で は国 王顧 問会 議 の判 決 は た と え対 審手 続 の下 で行 われ た も の でも 法的 に は、
メ スト ル は、 こ の ﹁立 法 府 は 司法 権 を 行使 しな いので ﹂ の発 言 を根 拠 に、 これ が 当時 の憲 法 制
法 律 によ って非 難 さ れ た行 為 であ り、 専 制 の忌 わ し い果 実 であ ったと 結 論 づけ ら れ よう 。
﹂ ︾﹁∩
﹃ 饗 拝 .猛噌
o 。,
騨団
ρ 戸 憎㎝・, 温 8
﹀旨戸 智 昌 '諦﹁
o 。・
驚 劉 糟幹 悼伊 , 額 鉾
﹀﹁
臼
窟 昌 ﹂ 曾 。 。・
盆 P 戸 鱒燐
b , 一罵
腿}
(52)
定 議会 議 員 の共通 の認 識 であ る と し て、 国 家債 務 訴 訟 に関す る議 会 の裁 判 権 を 一般的 に否 定 す る。 ﹀.竃 Φω
葺ρ o, 。坤
梓
二b掌 認 ①け刈も。・し たが
って、 国 王顧 問 会 議 の判決 を再 審 す る議 会 の権 能 は先 に指 摘 し た様 な (註 (50 )
) 極 め て挾 い権 能 にと ど ま る こと にな る。 こ の見 方 に反 証 を挙
(53)
﹀﹁
島
げ て反論 す る の は、 国.ピ黒①凌一
驚 ρ oや o一
齢
己 笛.盆 ; け ド 唱, お 刈卑 お⑳ 私 も ラ フ ェリ エー ル の見 解 に賛 成す る。
(54)
たと えば 、 ホ ルビ ユ 団昆 o<厳 6 議 員 の発 言 が あ る (一七九 一年 四月 二五 日)
。 そ の趣 旨 は、 国家 債 務 の行 政 的 決 定 の場 合 から も、 ま た、 国
騰 の縁 ﹁圃
P 戸 卜。伊 7 一蜜
(55)
家 債務 訴 訟 の場合 から も 、 国民 議 会 の関与 を徹 底 して排 除 し、 これ にか わ って破殿 裁 判 所 を 介 入 せ し めよ う とす るも のであ る。
まず 、 国 家債 務 の行 政 的 決定 に関 し て 曰く 、 ﹁
私 は国 民 議会 が 自 己 のなす ぺき こと、 あ る いはな す べ から ざ る ことす ぺ て に つ いて宣告 しな
け れば な ら な いと は決 し て考 えな い。 国 民議 会 は 国 コロ傭o昌 を代 表 す る。 かく し て、 彼 は裁 判 官 た ると同 時 に当 事 者 と いう こと にな ろ う。 他
方、 国 民議 会 は国 家債 務 事 項 に ついて そ の官 吏 (清算 委 員 会 ) の行為 を審査 す る権 利 を 有 す る。
そ の官 吏 の誤 った 行為 に よ って、 国が 負 担 す る いわれ のな い金 額 の支 払 いを命 ぜ ら れ たな ら ば、 そ の時 、 国 は私 人 が 訴 え る のと 同様 破 殿 裁
判 所 に訴 え る 。
﹂
次 に国家 債 務 訴 訟 に っ いて 洞く、 ﹁私 は顧 問 会 議 の多 く の判 決 に っ いて再 審査 す る理 由 が あ り そう だ と いう 意 見 にし たが う。 し か し、 わ れ
(93)
93
われ ︹
国 民議 会︺ が 直 接 判 決 を下 し、 わ れ われ が 承 認 す る債 権 以外 の債 権 は存 在 し な いと いう ことが 要 求 され て い ると し たな らば 藁 こ の様な
事 柄 は 司法 のあ ら ゆ る精 神 に反 す る ので、 私 は こ の規 定 を嫌 悪 をも って 却け る。 ︽賛 成︾ ﹂ ﹀﹃
o﹃ 窓 蔦 L ①.
。 。。
仙﹁
一
Φ噛叶
.悼9 , ωω吟
し か し、 議 会 の賛 成 意 見 にも か か わ らず、 翌 日 の カ ミ ュ議 員 の発 言 によ って、 大勢 は本 文 で述 べ たと ころ に決 し た。
こ の提 案 をな す も のは、 一七 九 一年 四月 二五 日 のラ ソジ ュイネ議 員 であ る。 カ ミ ュは こ の日直 ち に反 論 し て い る。 ﹀﹁
。ド も蝉昌 藁Φ.
.ゆ
仙同す
≧ 。F 冨 昌 し 。﹃
① 。。
騨す 仲
・卜。伊 b・ω偉
(56)
(57)
な お、 こ のデ ク レ 一 一条 は次 の様 に規 定 す る。 ﹁諸デ ク レに よ って清算 委 員 会 の審 査 ①×騨ヨ。コ と国 民議 会 の決 定 鼠 o一
ω一
。ロ に服 し て いる案
鈴 卜9伊 膨 ω謹 ・
(58)
件 に つ いて は前 条 (一〇 条 ) の規 定 に含 まれ な い。
﹂ これ は、 国 家債 務 の行 政 的 処 理 に関 す る規 定 であ り、 一〇 条 の国 家債 務 訴 訟 の場 合 の処
理 と の峻 別を 明 ら か にす る。
この規定 を 国家 債 務 訴 訟 の通 常 裁 判 所 への移 管 に伴 う残 務 処 理 のた め の経 過措 置 規 定 であ る とす るデ .シ ィ ルー ルの解 釈 は誤 り で あ る。
ル ・シ ャプ リ エ議 員 の答 弁 であ る。 ︾携戸 冨 昌 し ①
﹃①。。恥一
ρ け b。伊 , ω①一・
U窃 Ω 一
一
〇信既9 0や.o一
暦
こ も.埼⑩.
(59)
か かる 土 地管 轄 に関 す る特 例 は係属 中 の事 件 かぎ り のも のと解 され る。 すな わ ち、 一七九 一年 四月 二 七 日ー 七月 六 日 のデ ク レ 一〇 条 は ﹁
現
革 命 初 期 に お け る 国 家 債 務 訴 訟 の裁 判 権 が 司 法 権 に 帰 属 し て い た こと は 右 に見 てき た と こ ろ に よ り 確 認 さ れ
かと考 え られ る。
在係 属 し て いる 碧 2巴 ①日Φ韓 O①邑 帥葺Φω﹂ と規 定 す る。 ∪Φ。・Ω 一
一
〇霞 P oP of や 心刈
P 一七 九 一年 八 月 八- 一二日 のデ ク レに つ いても 同 一
(60)
②
(﹁民 事 裁 判 所 に よ っ て な さ れ
た 。 し か し な が ら 、 こ の 様 な 制 度 状 況 は 総 裁 政 府 に 到 り 一変 す る 。 す な わ ち 、 総 裁 政 府 は 国 家 債 務 訴 訟 の 裁 判 権 を 司
法 権 か ら 奪 い、 こ れ を 行 政 権 に 帰 属 せ し め た 。 こ れ が 共 和 暦 五 年 芽 月 二 日 の 総 裁 政 府 命 令
(61 )
た 二 つ の 判 決 に 対 し て 、行 政 権 の 管 轄 に 属 す る 事 件 で あ る こ と を 理 由 に 、破 般 裁 判 所 に 異 議 申 立 て を 行 う こ と を 命 ず る 総 裁 の 命 令 ﹂)
で あ り 、 そ の 弁 証 が ﹁性 質 上 の 行 政 訴 訟 ﹂ の 論 理 で あ った 。
ま ず 、 こ の 総 裁 政 府 命 令 の 対 象 と な った 司 法 裁 判 所 の 事 件 の 概 要 は 次 の 様 な も の で あ った 。
市 民 ホ ル チ エ 聞oH二〇吋 氏 は 、 サ ソ ・カ ン タ ン ω巴 ロサO ロo算 ぎ 市 の 運 送 業 者 と し て、 政 府 の 委 託 に 基 づ き 、 ム ジ ェ
94
(94)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
ル
寓 ¢N睡
。N①・。 市 ま で の軍 霧
資輸 誉
管
た 。 同 氏 は、 当 地 に お い て運 送 塗
§ 8昆
弩
邑
¢§
億吋。 の提 示 に基 づ ぎ
ま
く さ れ た 営 業 の損 害 賠 償 請 求 と
判所 に 提 起 し
ノ モ ン氏 が 抗 弁 の中 で ホ ルチ エ氏 の請 求 は
く ・ 同 判 決 の控 訴 審 と し て の マル
を相 手 ど り 、 ア ルデ ン ヌ >a § 。
.・県 の民 嚢
、 同 氏 は さ ら に 延 滞 利 息 金 の支 払 い と 、 支 払 い猶 予 期 間 中 余 儀 な
運 送 費 を受 領 す る 手 はず と な って い た も のが 、 政 府 側 の支 払 い資 金 不 足 に よ り 数 日 支 払 いを 延 期 さ れ た 。 運 送 費 は
も な く支 払 わ れ 奈
を 求 め て、 当 地 の会 計 官 た るブ ノ モ ン 蜜
判 所 に お い ても 第 蓉 判 決 を 支 持 し た 。 こ れ ら は、 ブ
た 。 裁 判 所 は 共 和 暦 四年 熱 月 一四 日 の判 決 に お い て ホ ル チ エ氏 の訴 を 認 容 し 、 同 じ
ヌ 寓 ..口。 県 民 嚢
関 し て行 政 官 た るブ ノ飾
行 政 体 に対 し て行 わ れ る べ き .
﹂と、 国 庫 は支 出 分 にあ て ら れ た 財 源 の範 囲 内 で の み 支 払 いう る に す ぎ ず ・ さ ら に 支 払
い遅蓮
府委 員 砦
.﹃
童
簿
この総 裁政 府
の管 轄 権
.
⋮ :L
よ って・ 執
き であ 華
b行政 権
命 じ たも のが
判 所 は、菰
申 立 てす べき こ誓
であ り 、ア ルデ ン ヌ県 の民 嚢
の二 つの判決 に対 し肇
ぎ
理 す 登 ﹂と を 拒 否 す る こ と に よ って、 自 ら 無 権 限 であ る こと を 宣 言 す べ
の行 動 は 不 適 岱
裁判 所 付 き総護
)
ン氏 個 人 に は何 ら の帰 責 事 由 も な い .
﹂と 、 を 蚕 し て 主 張 し てき た に も か か わ らず
右 のご と く 判 示 さ れ た も の であ る。
ζ 、で、 嚢
:.
ホ ルチ 昆
命 令 で あ った 。
曰く、
﹁⋮
に全 面 的 に服 す る 事 件 馨
そ の理 由 は、
﹁政 府 の 命 令 に 基 づ き 、 政 府 の 監 督 下 に 、 そ の 直 属 の 官 吏 に よ って 、 し か も 国 庫 か ら 支 出 さ れ た 財 源 に
。。窪㊤二くΦ。。 に 分 類 さ れ る 。
原 因 と な って惹 き 起 す 金 銭 支 払 い請 求 、 あ る い は こ れ ら の活 動 に よ って生 じ た そ の他 の紛
行 さ れ る す べ て の 活 動 は 当 然 に 行 政 事 件 9。駿鉱 器 。。 巴 量 巳
か り に、 .
﹂れ ら の活 勲
Cs5)
争が 通寒
判 所 に鑑
され た ならば・ ⋮ ・
⋮ 裁 判 所 の下 す す べ て の判 決 籔
行 力 を 伴 う こと か ら 、 そ の結 果 、 国 家 の
得 す る共 和 国 の債 権 者 の思 い の儘 に な っ て し ま お
持 す る物 品 、 財 、 動 産 は そ の用 途 が 妨 げ ら れ よ う . 国 庫 の資 金 自 身 も
財 産 は既 判 力 に よ って これ ら の財 産 を債 権 の担 保 と なす 権 利 叢
う . か く て は・ 政 府 が そ の係 官 の手 に よ っ羅
を発 生 さ せる権利 蘇
す るも のであ る (.
㌦
ついても権 力 分立 制 北
裁判 作 用 の統 塵
の慧
塞
対
つき ﹃司法 裁
二論文三の二の②)
、 革命 初期 行政 裁 判 制 度 は、 国 王 "執 行獲
動員 され た行 政官 -裁 判 制度 の ﹁訴 訟法 ﹂ レヴ 、ルで の論 理的 対応 を 示す も のであ .た.
の観 念 は、 国民 公会 以降 の行政 の中
に対 し、 政 府 のた めに働 いた人 々のた め
矯 譲雛 庭 諺 鱈
難磯.
蕪 態 簸糠 蕪 励
的再 編 の 覆
の行政 訴 塗
留保 され た清算 罹 限︺ の結 果 であ るべき であ る。L
則 に反 し共和 国 に対 して羅
嚢
こ の共 和暦 五年 芽 月 二 日 の総 裁政 府命 令 に現 われ た ﹁性 篁
の補 償 は専 ら 執行 穫
の
央鍵
た様 に (
笙 章笛 節 二の察
から・ 国 と私 人 間 の行政 紛 筐
すな わ ち・ 先 覧
す る牽 制 の警
い て は・法 律 上 特 に 裂
さ れ た も の に限 り 、﹃行 政 官 u 裁 判 制 度 の例 外 的 裁 判 権 一
ロ.一
α}
。,
判 所 に よ る普 通 法 裁 判 権 ﹄ を肯 定 し て い たが ・ 他 方 、 革 命 政 権 の財 政 危 機 を 契 機 と し て、 直 接 税 訴 訟 事 件 等 .
﹂の時 期
の政 府 の行 政 的 型 量 項 ξ
判制 度 の難
の 芳 の支柱 を儀
己 を雛
的 に嘉
すべ
執 す る意 義
し てき た権力 分 立制 " ﹁裁判 作 用
行権 とそ の他 の公権 力 と の階 級的 同質 性 を実現 し、 旧体 制 以来 の市民 階 級
けご う ユゆ
ロけヨ げロけご コ を め て い た の で あ っ た む
処刑 籔
命 初期 行肇
判制 度 は求 めら れ て いる現実 の要 請 に対 し、 さ ら 旨
と・そ の論理 的 帰結 と し て の ﹃行政 事 件 に関す る司 法 裁判 所 の並・通法 裁判 権 ﹄ の原 則 箇
排 除 した・ 三 ﹂量
し か し・ 国 民 公会 におけ る里
生
誉
の綾
性﹂の慧
後 退 した・ いま や・ 行 政官 義
の蓮
は大 鰻
96
(96)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
く 可 能 と な った の で あ る 。
e これ は 一つ に は、 革 命 後 期 に お け る 財 政 危 機 の深 化 に対 処 す べ く 財 政 政 策 の主 要 な 方 策 の 一つと し て採 ら れ た 国
有 財 産 の売 却 と これ を め ぐ る 紛 争 処 理 形 式 の 一方 性 .専 断 性 の要 請 であ つ焔㌍
⇔ さ ら に 一つに は、 戦 争 に 伴 う 軍 需 物 質 の納 品 契 約 と こ の契 約 条 項 の解 釈 ・執 行 を め ぐ る紛 争 処 理 形 式 の 一方 性 ・
専 断 牲 の要 請 で あ った。
⇔ そ し て、 右 の両 者 の事 項 に関 し て、 す な わ ち 、 e に つ い て は 国 有 財 産 に付 着 し て い た債 権 の国 に対 す る肩 代 り請
求 、 な いし 誤 って財 産 を 没 収 さ れ た者 あ る い は 財 産 を 追 奪 さ れ た 者 に 対 す る損 失 補 償 と、 ⇔ に つい て は、 契 約 債 務 額
の 確 定 な い し契 約 責 任 に基 づ く 損 害 賠 償 請 求 と が 提 起 さ れ た 場 合 、 事 案 が 国 庫 の利 害 に 関 わ る こと か ら、 こ こ で も ま
た 紛 争 処 理 形 式 の 一方 性 ・専 断 性 が 求 め ら れ た の であ った 。 こ れ が 国 家 債 務 訴 訟 であ る。
そ し て、 これ ら の事 件 を 、 従 来 の ﹃普 通 法 裁 判 権 者 と し て の司 法 裁 判 所 ﹄ の管 轄 権 か ら 引 き 揚 げ 、 紛 争 処 理 の 一方
性 .専 断 性 の要 請 か ら 行 政 裁 判 権 に 投 ぜ し め た 論 拠 が 、 ﹁も ゆ愉 野 血 行 政 権 の管 轄 権 に全 面 的 に 服 す る 事 件 ﹂ (
﹁性質
上 の行 政訴訟﹂) の観 念 であ り 、 これ は、 お よ そ ﹁
政 府 の命 令 に基 づ き 、 政 府 の監 督 下 に、 そ の直 属 の官 吏 に よ って・
しかも臨 鶴 爵 鳶 蘇 豫 な で隷 鳶 かゑ で忽 動窓 懇 赫 謙 雰 象 馨 ﹂というものであっ
た 。 そ し て こ の ﹁性 質 上 の行 政 訴 訟 ﹂ の観 念 の成 立 を も って、 こ れ を 行 政 権 と 司 法 権 の裁 判 管 轄 分 配 の基 準 と し て捉
し たも のであ 輪w 行政 官 裁
判制 度 の ﹃例 外 的 裁 判
.
凡た も のが ﹁国 家 債 務 ﹂ の原 則 であ り、 こ の時 以 降 、 右 に掲 げ た (
O⇔⇔ )事 項 以 外 にも 、 お よ そ 行 政 的 利 害 に関 わ
る す べ て の事 項 に ついて行 政 裁判 権 を主 張す る弁証 と し て籠
権 ﹄ の原 則 を 解 体 し、 ﹃行 政 事 件 に関 す る普 通 法 裁 判 権 者 と し て の行 政 官 11裁 判 制 度 ﹄ を 確 立 し た も の であ つ輸 叱
かく し て、行 政 官 11裁 判 制 度 が 獲 得 し た 、こ の行 政 事 件 の普 通 法 裁 判 権 者 と し て の自 己 の地 位 を 一般 的 に 根 拠 づ け る
(97)
97
六日 のデ 毎
であ った・ そ こで は、 司法 権 と行 政権 の分離 を根勢
け た法 条が、 司法 裁 判権 と行政 裁判権 の分離
た め に・ そ の本 来 の趣 旨 を 歪 曲 し て援 用 し た 法 文 が 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レニ 章 二 二条 と 共 和 暦 三 年 実
旦
を 根 拠 づ け る も の と し て援 用 さ れ る 。 そ し て こ の、 司 法 権 と 行 政 権 の分 離 の原 則 が 、 司 法 裁 判 権 と 行 政 裁 判 権 の分 離
・ し か も そ の際
こ れ ら の法 条 の本 来 的 意 味 内 容 を 指 示 す る 文 言 は捨 象 さ れ、 こ れ に か わ
の法 的 根 拠 と し て、 イ コー ルに 結 ば れ る同 一化 の過 程 、 す な わ ち、 ﹁フ ラ ン ス型 ﹂ 権 力 分 立 制 は、 実 は こ こ に到 って
は じ めて登場 す る ので蟻
る も の と し て次 の様 な 一般 的 文 言 の み が 取 出 さ れ 援 用 さ れ る。
す な わ ち、 前 掲 共 和 暦 五年 芽 月 二 日 の総 裁 政 府 命 令 は 先 のパ ラ グ ラ フに 続 け て 曰 く、
﹁﹃一七 九 〇 年 八 月 一六 ー 二 四 日 の法 律 二章 = 二条 は、 司 法 作 用 は行 政 作 用 と異 り 、 つね に そ れ か ら 区 別 さ れ る、 と
ゆ いう こと を 一般 原 則 と し て確 立 し、 共 和 暦 三 年 実 月 一六 日 の法 律 に ょ り 、 裁 判 所 は法 律 に違 背 す る こ と な し に い か な
破 殿 裁 判 所 付 き 総 裁 政 府 委 員 は、 上 記 ア ルデ ソ ヌ お よ び マ ル ヌ県 民 事 裁 判 所 判 決 を 破 殿 裁 判 所 に告 発 し 、 こ
る 種 類 の行 政 の行 為 を も 審 理 す る こと は重 ね て 禁 止 さ れ る 、 と し た ﹄ こと に よ り 、 :⋮ ::次 の様 に命 ず る。
一条
れ ら の判 決 が 法 律 に反 し か つ越 権 を 含 む も の と し て破 殿 さ れ る べ き こと を 求 め よ。
か く し て・ 国 家 債 務 宣 告 制 度 は、 行 政 的 処 理権 限 に つ い て は 一七 九 三 年 九 月 二 六 日 のデ ク レ に よ り、 裁 判 的 宣
二、 三条 (
略)。﹂
の
く
Φ箪
寓 婁
ω悼㊤・
旧}
,
﹁ρ β
。ξ
,
。。幽 ①箪
."
ω髄昌α①<。圃
﹃・ 。, 6拝
も. お 劇 o叶 ㎝:
告 に つ い て は 共 和 暦 五 年 芽 月 二 日 の総 裁 政 府 命 令 に よ り 、 同 じ く 行 政 権 に排 他 的 に 帰 属 す る に到 り、 革 命 後 期 に お い
一謡
て は こ の両 者 の宣 告 方 式 を 区 別 す る 意 義 は事 実 上 ほ と ん ど 見 失 わ れ た。
},
田 く。長
鼻
(61 )
閑 02 0鵠 U ¢<①お 冷 ぴ 戸 ㊤山 ρ
。,
(62 )
98
(98)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
一。。NQ
。噂
﹁普 通 法 裁 判 権 か ら 権 限 の 一部 を 分 与 さ れ た 存 在 ﹂ 象 ヨ ㊥ヨ町 ①ー
破 殿 裁 判 所 付 き 国 王 委 員 は ﹁法 律 違 背 ﹂ を 犯 し た 下 級 審 裁 判 所 の判 決 を 破 殿 裁 判 所 に告 発 す る こ と を 任 務 と す る 。 こ れ に つ い て は 、 註 (39 )
幻06琴 障 ︼
)自くΦお 一①炉 酔・㊤-一P , 認 O.
へ脇 )
(64 )
菊Φo器 一一U口くoお 囲
Φ斜 世 ¢-一ρ や ωωP
参 照。
(65 )
ち な み に、 マカ レ ル の語 法 に し た が う な ら ば 、 こ の時 期 の 行 政 裁 判 権 は
0a ぎ蝕 ﹁¢ で あ り 、 ﹁例 外 裁 判 官 ﹂ 冒 ひ自①ω O.
①屠o①〇二〇コ で あ った 。 鼠 鋤$ 誘 押 9 。・ 一識ぴ嬬富 犀× 餌鳥ヨ 一
三 。。茸卑 一
貫
(66 )
ヨ oコ房 伽㊥ 貯 甘 二象 6ユ8
ヘ
へ
の
た
へ
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ハ
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コ
リ
カ
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へ
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巴 昆 三 。・霞坦件岡
房 o噌島 轟 井o o蝦
①メ6ゆω 二①
証 され う る
ジ ユ スタ イ フ ィ カ シ オ ン
行 政 行 為論 と結 合 す る こと によ って弁
α津 ー 1 わ が 国 の 公 法 上 の当 事 者 訴 訟 に や x近 い も のー ー に よ って 処 理 さ れ て い た 。 後 の ﹁越 権 訴 訟 ﹂﹁ooo彗 。。 宮 霞
た
を貫 徹 さ せ る論 理 は未 だ こ の時 期 には開 発 さ れ て いな か った (
もとよ
これ に つ いて は、革 命期 の納 品 契 約、 公土 木 請負 契 約 法 制 と そ の運 用 の実態 を政 府 の利 益 に 余り に偏 し た も の であ ったと し て批 判 す る復 古
ぎ ず、 か か る制 度 的欠 陥 が 市 民 階級 の利 益 に合 致 しな く な る時、 それ は やが て当 然 にも改 善 の手 が 加 え ら れ る こと にな る。 な お、 総 括 参照 。
もと より、 か か る制 度悪 は、 フラ ソ ス の場 合 、 市民 階 級 の体 制 と利 益 を 支 え る ﹁崇 高 な ﹂ 目 的 に 出 で たも のであ った限 り で容 認 され た にす
ブ ルジ ヨウ ジ コ
け る ﹁行政 官 ﹂ の予断 の介 在 と便 宜 性 の追 求 を 制 度的 に保 障 す る仕 組 み に 砥 かな らな か った。
織 法 レヴ ェルで担保 さ れ る ことが 期 待 さ れ たわ け であ る。 活 動 行 政 権 と 行 政裁 判 権 の組織 ・人 事 面 で の野 合 は、 まさ に こ の紛 争 処 理 手続 にお
ヨ
代 の行政 ﹄ 二八 五 頁以 下 参 照 。
)。 し たが って、 紛 争 処 理 手 続 上 にお け る 行政 庁 側 の特 権 の貫 徹 は、 勢 い、 最 も プ リ ミテ ィブ な 方 法 と し て、 組
で はな い。 抗 告 訴 訟 にお け る 国民 の訴権 擁 護 の側 面 に つ いて は、 高 柳 信 一教 授 の優 れ た論 文 、 ﹁行 政 の裁 判所 によ る統 制 ﹂ 講座 現 代 法 4 ﹃
現
り、 越 権 訴 訟 を 国家 の訴 訟遂 行上 の特 権 を担 保 す るも のと し て のみ 見 る こと は 一面的 であ り、 国民 の訴 権 擁護 の面 があ る こと を 否定 す るも の
と ころ のも の。 た と え ば、行 為者 の判 断 の尊 重 、 出 訴 期 間 の制 限 等1
客 鵡くo﹃ のご と き、 訴 訟 ﹁
法 論 理﹂ の レヴ ェルで の行 政 庁 側 の紛 争 処 理 手続 上 の特 権ー
震 8 冨 ヨ ①暮
革 命 期 に お い て は 、 行 政 訴 訟 事 件 は す べ て 民 事 訴 訟 と 同 様 の手 続 構 造 を 持 つ ﹁通 常 の行 政 訴 訟 ﹂ oo茸 Φ馨 一
①霞
唱.課 O・
コ
(67 )
これ に つ い て は 前 款 一に お い て 述 べ た 事 柄 か ら 理 解 さ れ よ う 。 な お、 こ こ で 私 が ﹁紛 争 処 理 形 式 の 一方 性 ・専 断 性 ﹂ と 呼 ぶ と こ ろ のも の に
つ い て 説 明 を 加 え て お ぎ た い。
(68)
王 政期 の コルム ナ ンの言 及 が参 考 とな る。す な わ ち 曰く、
﹁納 品契 約 と公 土木 の請 負 契 約 と を律 す る立 法 は 不備 であ る と 同様 に曖 昧 でも あ る。 各 省 で は恣意 的 な適 用が 行 われ る内 々 の、 非 公開 の判
例 が 作 ら れ る。 こ の事 項 に お い て は、 常 に国 家 理 性 ﹃鋤置o昌 ユ.
卑 9 が 口実 と され てき た。 ⋮ ⋮ ⋮﹂
ただ し、 コル ムナ ンは右 の様 な 事 情 を 生む 一般 的背 景 に つい ても語 る。
(99)
99
﹁⋮ ⋮ ⋮国 家 のまさ に安 全 は納 品業 者 が そ の契 約 の執 行 にも たら す 拒否 と遅 滞 に よ って危 殆 に瀕 す る こ と が あ る。 ・
⋮・
⋮ 軍 隊が 移 動 す る
時 、 そ の活 動 の迅速 性 を 確 保 す る た め に軍 隊 に糧 食 を 補 給す る 必要 が あ り、 敵 が わ が 国 土を 侵 す様 な時 、人 民 か ら微 発 、略奪 お よびあ らゆ る種
類 の暴 力 を 免 れ さ せ る た め に、 ︹
納 品︺ 契 約 と いう 方 法 に よ って軍 隊 を養 わ なけ れば なら な いで あ ろ う し、破 損 し た道 路 な いし運 河 を改 修 す
は・ 必 要性 の鉄 則 を前 にし て、 あ らゆ る 二義 的 藻
、 あ ら ゆ る個 人的 利
る こと が問 題 と な る時 、 磯 謹 が 主要 都 市 あ る いは 州 を脅 す時 、 す べ て これ ら の重 大 な 局 面下 で は交 通 の自 由 を 再建 す るた め に、 必 要 性 の 鉄
則 のみが遵 守 され な け れば な ら な い・ 福 祉 と公 益 に関 す る現 下 の聾
益 、 あ ら ゆ る通 常 の配 分 的 正義 の原 則 を 屈服 さ せな け れば なら な い こと であ る。 一日 の遅 れ は 回 復 しが た い損 害 を惹 起す る ので、 大 臣 は強 制
"臥oヨ①馨 ユΦ。。 ㌣ooヨ冥Φ に つ いて提 起 され う るあ ら ゆ る紛議 を
な お、 こ こで行 政 裁 判権 が行 政 訴 訟事 件 に関 す る普通 法 裁 判 権 者 の地 位 を 取得 し たと い っても 、 そ れ は活 動 行政 権 のあ らゆ る行 為 に対 し 裁
同 じ く 行 わな け れば なら な い。
﹂ (四条 )
の権 限争 議 の訴 を提 起 す る。 そ し て、 こ の場 合、 政 府 委 員 は、 権 限 争議 に関 す る自 己 の意 見 が い かな るも のであ れ、 前 条 に規 定 され た告 知 を
政 府委 員 と は独 立 に、 一方 で知事 は、 性 費 丘行 政 の権 限 に属 す る事 件が 裁 判 所 に係属 し て いる こと を通 告 され た場 合、 つね に、 二 つの権 限間
た と えば、 共 和 暦 一〇 年 霧 月 一三 日 の権 限 争 議 に関 す る命 令 は、 知事 の積 極 的 権 限争 議 提 起 の権能 に関 し次 のよ う に定 め る。 ﹁裁 判所 付 き
掲 書 四〇 頁 以下 参 照。
﹁公 役務 ﹂ の観念 登 場 に到 るま で の行政 権 と 司 法権 の裁 判管 轄 分 配 基 準 と し て の ﹁国 家債 務 ﹂ 原 則 のそ の後 の展 開 に ついて は、 神谷 昭 .前
旨 予 め協 定 し て おく ことが 多 か った。 これ に つい て は、 第 二論文 三 の 二 "第 一章 第 四 節 二 のω註 (71 a)の②参 照。
な お、 納 品契 約 に関 す る紛 争 の裁 判 権 老 は司法 裁 判 所 であ るが 、 こ の時 期 契 約 当事 者 は紛 争 が 生 じ た場 合 に は行 政 裁 判権 に訴 訟 を付 託す る
甘ユ臼O凱oロ o。
o自o。ロo茸Φヨo鵠餌唇三 Φ60コロ。
口叶
三δコロ①一
一
ρ 一Qo一Qo塾や 一お ①仲ω:
な ら な いほど に行政 需 要 に拘束 さ せ、 従 属 さ せ な けれ ぽ な ら な い。﹂ Oo﹁
ヨo巳P U= 60諺 Φ出 口.
障 鉾 Φコ<δ餌αq似 8 ヨヨΦ 8 コ。。
Φ出 卑 6。日ヨo
裁 定 し う る必 要 性 があ る。 これ ら の場 合、 ま さ に訴 訟 は、執 行 権 側 が 優 越 し、 か つ訴 訟 裁 判 権 を 当該 契 約 の緊 急 の必 要 性 に対 応 さ せな ければ
異 議 を 封 じ つ つ、 納 品 の時 、 所馬 態 様、 品質 、 価額 に つ いて、 およ び内 金
権 力 の発 動 によ るあ たう かぎ り の方 法 に よ って、 契 約 を履 行 さ せ るべく 納 品業 者 を 強制 す る全 権 力 を有 す る必要 が あ る。 彼 のみが 一時 的 か つ
(69)
(70)
(71)
判 的統 制 が 可能 と な った こと を意 味 し な い。 こ の当 時、 行 政 裁 判 権 に ょ る活 動 行政 権 の行 為 に対 す る統 制 は、 殿損 され た ﹁
権 利 ﹂ の保 護 .回
復 を 目的 にし た に止 ま るも のであ った こと、 し かも そ の際、 こ の ﹁
権 利 ﹂ の観 念 は 極 め て狭 隙 な も のでし かな か った こと に注意 す る必要 が あ
る。 か かる訴 訟 的 救 済制 度 と し てあ ったも のが ﹁通 常 の行 政訴 訟 (
完 全 審 理訴 訟 と同義 )﹂ であ る。 ちな み に、 阿 部 教 授 は、 通常 の行 政訴 訟
の対 象 事 項 は ﹁権 利 ﹂ の観 念 の発 展 等 に より変 化 す るも のであ る こと を指 摘 し つ つ、 フラ ソ ス革 命 以来 、 国 民が 獲 得 し た行 政 に対 す る ﹁
権
利 ﹂ の主 な るも のと し て、 最 鵜 的 に、 公 土木 、契 約、 補 償 、 賠償 、 選 挙 、 租税 、 徴 兵 、年 金 、 俸 給 事 項 を挙 げ て おら 淑 る (このう ち、 ド イ ツ
100
(100)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
的 意 味 で の公権 力行 政 に風 す る租 税 行 政 が㌔ ﹁権 利事 項 ﹂に編 入さ れ 事裁判 的 統制 の対 象 とな って いる こと に注 意 す る必要 が あ る。)
。 阿 部 ・前
ε げ奉 窪 ¥ ・
⋮ -o, 6界 " P お ⑤簿 P・ し たが って、 右 の ﹁
権 利 ﹂事 項 に
掲 書 八、 九 頁参 照 。 な お、 右 に掲 げ られ て は いな いが 、 革命 期 から 七 月 王政 に到 る間、 とり わ け重 要 な 意 義 を担 った ﹁
権 利 ﹂ 事 項 とし て、 国
有 財 産 売 却 事項 があ った こと は いう 蛮でも な い。 竃 釦o碧 o劃 U$
相 関 わ る こと のな い活 動 行 政 のそ の余 の行 為 に つ い て は、 国民 の ﹁利 益 ﹂ に抵 触 す る こと はあ っても 何 ら の裁 判 的統 制 の対 象 とな る ことな
く、 単 に訴 願 ・階 層的 行 政 統 制 が 許 され る にとど まる 領 域 と され た こと であ る。 そ し て、 こ の ﹁権 利 ﹂ と ﹁利 益 ﹂ の二元 論 に対応 す る活 動 行
政 権 の行 為 の区 分 が、 一九 世 紀 前 半 お よび 中葉 に議 論 さ れ た ﹁行 政 訴訟 の行 為 ﹂ 碧 8 脅 oo纂①箕一
①環属 巴 ヨ瞬
乱。。
け
冨 無 と ﹁純 粋 行政 の行 為 ﹂
碧 $ 島㊥ や舞 ① ゆα§一
巳。。胃卿樽
δつ の観 念 であ る (
な お、 この両 者 の区別 は、 ﹁非権 力 行政 ﹂﹁権 力 行政 ﹂ の区別 に必ず しも 対応 しな い こと は、
租税 事 項 が ﹁行 政 訴訟 の行 為 ﹂ に編 入さ れ てあ る こと から 了解 され よう 。
)。 寓 螢o
霞 ①γ 智 誌ω
箕 & o湾 ①⋮ ⋮o窄 簿 二 戸 ピ , ら。簿 印劇阿 部 ・
前 掲 書 七 頁。 前 者 に つい て は ﹁通常 の行 政 訴 訟﹂ に よ って争 いえ たが 、 後 者 に つ いて は、 行政 の適 法性 統 制 訴 訟 8 簿 Φ
韓圃
窪 区 O①撤趣
q跳 叡 と
し て の ﹁越 権 訴訟 ﹂ の登 場 と 成熟 を ま たな け れば な ら な か った ので あ る。
した が って、 フラ ン スに おけ る行 政 の裁 判 的統 制 史 と し て みた フラ ン ス行 政裁 判 制度 の研 究 に つ いて は、 本稿 以下 の 一連 の研 究 で当 面 追 跡
を 予 定 し て いる ﹁行 政訴 訟 の行 為 ﹂ の局面 で の行政 裁 判 制 度 の研 究 で は、 課 題 の半 ば を果 す にと ど ま り、 な お、 こ の ﹁純粋 行 政 の行為 ﹂ の局
面 にお け る 裁 判的 統 制 の系 譜 の研 究 が 必須 の課 題 と され な け れば な らな い のであ る。 そ し て こ の課 題 こそ まさ に、 七 九〇 年 八月 一六ー 二四
主とし
に対 す る裁 判 的統 制 の在 り か たと そ の制 約、 お よび 制約 の克 服 の過程 が 、 行 政 の損 害 賠 償 請 求訴 訟 の展開 と越 権訴 訟 の登 場
日 のデ ク レニ章 = 二条 の意 義 の検 討 を めぐ って遂 行 され な け れば な ら な い。 す な わ ち、 ア γ シャ ソ ・レジ ー ム以来 の公権 力 的 行 政て、 行政 警 察1
過程 に即 し て論 じ ら れな け れ ば な ら な い。 な お、 英 米 行 政 法 の研 究 にお いて こ の課 題 を果 し つつあ るも のと し て、 古 城誠 ﹁アメ リ カ行 政 法 に
おけ る直 接 統 制 訴 訟 (
一
)一
﹁
OO臼︾什
紳
騨O犀) 法 理 の形 成﹂ (
社 会 科 学研 究 二九巻 二 号) 参 照。 フラ ソス の越 権 訴 訟 の周到 か つ詳 密 な 制 度的 研 究 と し
(三 ・完 )﹂ 法 学協 会 雑 誌 九 一
て、阿 部前 掲書 、 さ ら に、 フラ ン ス の 一七九 〇 年 八 月 = パー 二四 日 のデ ク レニ 章 一三条 に比 定 さ れ るプ ロイ セ ソの 一八 〇 八年 地 方官 庁 改 組令
お よび 一八 四 二年 五 月 一 一日 の法 律 の意 義 を明 ら か にす るも のと し て、 村 上淳 一 ・﹁﹃良 き 旧き 法 ﹄ と帝 国 国制
巻 二号 二三 四 頁以 下 お よび トイ ッ行 政 裁 判制 度 に関す る わ が国 現 下 の水準 を 示 す 研 究、 宮 崎 良夫 ・﹁﹃法 治 国﹄ の理 念 と現 実 ⇔ ﹂ 社会 科 学 研究
二 六巻 {号 四一
二頁 以 下参 照 。
も とよ り、 本 稿 以 下 で 果そ う と し て いる ﹁行 政 訴訟 の行 為 ﹂ の局 面 で の フラ ソ ス行政 裁 判制 度 の研 究 は右 の事 柄 によ って検 討 の意 義 を減 ず
るも ので はな い。 フラ ソ ス行 政 裁 判 制度 の原 理 的 (
思 想 的 )意 義 と そ の特 異 な 制度 的構 成 (コソ セイ ユ ・デ タ)が な に よりも まず 、 こ の局 面 で問
題 とさ れ 確 立 し たも ので あ る こと から 、な お検 討 の第 一義 的意 義 は こ こに存 す る から であ る。 革 命 期 行 政 警察 の研 究 は この後 の課題 と さ れ る 。
(72 ) 共和 暦 三 年 実 月 一六 日 の テ ク レは、 一七 八九 年 八月 一六- 二 四 日 のデ ク レニ章 一三条 の規 定 と 共 に、 ﹁行 政裁 判 権 と 司法 裁 判 権 ﹂ の分 離 を
(101)
101
﹁行 政権 と司 法 権 ﹂ の分 離 の原 則 の コ ロラリ ーであ ると 理解 す る従来 の通 説を 支 え てき た規 定 であ る。 こ のデ ク レは 次 の様 に規 定 す る。
﹁国 民 公会 は財 政 委 員 会 の意 見 を 徴 し た後 、 次 の様 に定 め る。
国 民 公会 は法 律 お よ び派 遣 議 員 の命 令 の執 行 のた め に、 行政 体 お よび 革 命監 視委 員会 から 発 せら れ た差押 え物 件 、革 命税 お よびそ の他 の行
政 の行 為 に関 す る異 議、 あ る いは国庫 に払 込 ま れ た金 銭 およ び物 件 の返 還 請求 に関 し て、 司 法 裁 判 所 に お いて行 わ れ た 行 政体 お よび 革 命監 視
委 員 会 に対す るす べ て の訴 訟手 続 お よび判 決 を 取 消 す。
裁 判 所 は いかな る種 類 の行政 の行 為 を も審 理 す る こと は重 ね て禁 止 され る。さ もな け れば 法 に違 背 す る 。ただ し 、
法 律 、特 に先 の霜月 = 二日 の
法 律 の執 行 に関 し て 必要 な 場 合 には 異議 が 聞 き 届 け られ る べく 、
訴 願 者 泳6冨∋碧 ωに財 政委 員 会 ooヨ一
菰 畠窃 訪已 謬o窃 への審査 請 求 を 許 す 。﹂
と ころ で、 一七 八九 年 八 月 一六- 二四 日 のデ ク レニ章 = 二条 が 、﹁裁 判作 用 の統 一性 ﹂ の理念 に基 づ き 、行 政事 件 裁 判 権 を 司法 権 に授 与 した
﹁司法 権 と 行政 権 ﹂ の分離 に関 す る規 定 であ り、 こ の法 条 の主 たる意 味 内 容 が こ の法 条後 段 の文 言 に示 され たも の であ った こと は先 に述 べ た
通 り であ る (
第 一章 第 二節 九 の② 11第 二論文 一の九 の②参 照 。
)
。 こ の理 は共 和 暦 三年 実 月 一六 日 のデ ク レ の趣 旨 に つ いても 同 じく妥 当 す る。
ω そ こで、 以 下 に こ の こと を明 ら か にす るわ け であ るが 、 そ のた め に は こ のデ ク レの成 立 の背 景 を知 る 必要 があ る。 これ は こ の実 月 一六日
のデ ク レ中 に規 定 さ れ て いる共 和 暦 三年 霜 月 = 二日 のデ ク レ の意 義 を 論ず る こと によ って明 ら か にされ る。
こ の霜 月 = 二日 のデ ク レは ﹁法 律 上 の許 可 な く し て成 立 した臨 時 収 入 器oΦヰ窃 ㊥韓 錯oa ぎ包﹁
$ に つ いてす べ て の徴 収者 に よ って行 われ
るべき 報 告 に関 す るデ ク レ﹂ と題 され 、 大要 以 下 の事柄 が定 めら れ て いた。 す な お ち、 こ のデ ク レの成 立 の背 景 と し て、 革 命勃 発 以来 (
実際
に は主 と し て、 ジ ャ コバ ン独 裁 の期 間 を 念 頭 に置 いて いる こと に つ い ては、後 述 、 ル コワ ソト Ho8 ぎ富 議 員 の発 言参 照 。
)、 ↓部 の市民 、 憲
霧 。・8 一
鉾 δ話
の命 令 に 基 づ き 、 あ る い は こ れ に 基 づ く こと な し に、 種 々 の名 目 1
たと
法 上 の諸機 関 、 官 吏等 が、 派 遣 議 員、 ︹
県 、 デ ィ ストリ クト︺ 行政 庁 、 市 町 村 庁、 区 の
①〇二魯 、 民 事 ・革 命 の諸委 員 会 、 軍 隊、 革 命 結 社 .人
民 協 会 そ の 他 何 ら か の権 限 機 関 、 団 体 8 ﹁陽 、 結 社
で 、 市 民 か ら 金 銭 、 物 件 、 財 物 を 徴 収 、 収 受 し o算 唱o婦 鐸 o信 話 虐
9 叡 唱Oけ、 これ ら を 法 律 に何 ら の根 拠 も な い ﹁臨 時 収 入 ﹂ と し て 国
え ば 、 租 税 、 賦 課 金 、 公 債 、 差 押 え 、 寄 託 、 没 収 、 罰 金 、 醸 金 、 任 意 あ る い は強 制 に ょ る 贈 与 、 義 掴 金 、 献 金 、 保 証 金 、 教 会 か ら の没 収 等
ー
庫 に計 上 ・帰 属 せ し め て いた こと であ る (一条 参 照 。
)。 そ こで この霜 月 = 二日 のデ ク レは、 テ ルミド ー ルの反動 以後 の 一般 的雰 囲気 の下 で、
と り わけ ジ ャ コバ ン独 裁 下 で行 われ た かか る租 税 、 そ の他 金 品 の徴 収 ・収 受 と、 これ ら か ら成 る財 政収 入 のあ り か たを 反 省 し、 こ のた めまず
な により も、 かか る臨 時 収 入該 当 部 分 の洗 い出 しと、 これ ら 収 入 の現 実 の国庫 への帰 属 の有 無 、 さ ら に支 出 な いし使 途 の把 握 を 目指 す 確 定 手
続 を 法定 し た のであ った (一∼ 一〇 条、 一二条 、 一七∼ ↓九 条 )
。 そ の上 で、今 後 市 民 から のか か る租税 、 金 品 の徴収 、 収受 を 禁 じ (↓ 一、
一三 条)、 これ ら か ら成 る臨 時 の国庫 収 入 の可 能 性 を 封ず る こと によ って、 財 政運 営 の適 正 を期 そう と す るも のであ った。 そ し て、 このデ ク
レの執 行 の最 終 的 任 にあ た るも のと し て指 定 さ れ たも のが 財政 委 員 会 であ った。 す な わ ち、
102
Clot)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
﹁︹
デ ィスト リ ク ト付 ︺ 国 家官 吏 は こ のデ ク レの執 行 上逢 着 し た障 害 お よ び紛 争 に つ いて財 政委 員 会 に報 告す る。
財 政委 員 会 は提 起 さ れ た種 々 の異 議 申 立 て 融o貯ヨ国二〇誹 に つ いて、 命 令 窺苓 叡 ︹の形 式 ︺ によ って裁 定す る。﹂ (二〇 条 )
と ころ が、 共和 暦 三年 霜 月 一三 日 のデ ク レが、 ﹁法 律 の直 接 的 か つ特 別 の許 可な し に計 上 され た臨 時収 入﹂ (一条 ) を将 来 に向 って廃 止 し、
そ の由来 す る と ころ の派 遣 議 員 等 の命 令 に基 づ く、 あ る い は これ に拠 ら な い 一部 の市 民、 憲 法 上 の諸 機 関 、官 吏 等 の租 税 の徴 収、 金 品 の収受
行 為 を爾 後 一般 的 に禁 じ た こと か ら、 過 去 に行 わ れ た これ ら の命 令、 行為 の適 法 性 に疑 いを抱 いた市 民 等 が、 国 庫 に対 す る所有 権 返還 、 不当
利 得 の返 還 を 主張 し て司法 裁 判 所 に出 訴 に及 ぶ事態 を 続 出 せし め た こと であ る (な お、 損 害賠 償 訴 訟 の場 合 に は制 約が あ る こと に つい て、 第
一章 第 二節 九 隠第 二論 文 一の九 の働註 (37)参 照 。
)。
し かし なが ら 、 共和 暦 三 年 霜 月 一三 日 のデ ク レは、 これ ら の命 令 、 行 為 の適 法 性 を 過 去 に遡 って 一般 的 に否 定 し たわ け ではな く 、 個 別的 救
済 の必要 な場 合 には、 異 議 申 立 て に基 づ く財 政 委 員 会 の裁定 に委 ねら れ る べき こと を 予定 し て いた のであ った (二〇 条ー同 じ く 、実 月 一六 日
のデ ク レ参 照 。)。
す な わ ち、 司法 裁 判 所 に提 起 され た右 の訴 訟 は、 派 遣議 員 等 な ら び に 一部 の市 民、 憲 法 上 の諸 機 関 等 の命令 、 行為 の適 法 性 を 先 決問 題 と し
て争 わ ざ るを えな いわ け であ るが 、 かか る命 令、 行為 は、 こ の当時 、 ﹁活 動 行 政 事項 ﹂ と観 念 され 、 司 法 的 であ れ 、行 政 的 であ れ 、お よそ 一切
ヘ
カ
も
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へ
あ
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の ﹁
裁 判 ﹂的 介 入 を 排除 す るも の であ った こと であ る (これ は 一条 列挙 の派 遣 議員 等 、 な ら び に 一部 の市 民、 憲 法 上 の諸 機 関等 の命 令、 行為
が 、 革 命 遂 行 過程 に おけ る 高度 に政 治 的、 行 政的 内 容 の措 置 と し て行 わ れ た こ とを 意味 す るも の であ る。 そ の最 も 端 的 な 一例 と し て、 派遣 議
員 の任 務 の性 格 が挙 げ ら れ よ う。 派 遣 議 員 に つ いて は、 第 二章 第 二節 三 11第 三論 文 二 の三 の②参 照 。 な お、 そ の 一七 九〇 年 八月 一六⊥ 西 日
二Φ 竃 ・国 8 ぎ 一
。。Oど , 2 0 参 照 。
)。
のデ ク レ一一
章 二 二条 に関す る 理解 に ついて は賛 成 でき な いが 、 共 和暦 三年 実 月 一六 日 のデ ク レに つ いて正 し い理解 を示 す も のと し て 、"o<①㍗
070P コ o甑g5巴﹁
o血o 一
.
巴 §ぎ馨 轟ユoロ 賄
話 鳶 餌一
8
し たが って、 か か る活 動行 政領 域 に対 す る ﹁適 法 性 ﹂ の統 制 訴 訟 は越 権 訴 訟 の登 場 を ま たねば な ら ず 、 ﹁司法 権 と行 政権 ﹂ の分離 の原 則 の
制約 の下 にあ る司法 権 の よく 介 入 しう ると ころ で はな か った こ と であ る。 のみな らず 、 か か る活 動 行政 事 項 に つ いては、 限定 的 な ﹁
権利﹂事
項 の保 護 訴 訟 にと ど ま る革命 期 の通 常 の行 政訴 訟 に よ っても統 制 され え な か った こ と から 、﹁
行 政 裁 判 権 ﹂の対象 とも な り え な か った こと であ
る。 こ の意 味 にお いて、 共和 暦 三年 霜 月 二 二日 のデ ク レ に規 定 さ れ た財 政 委 員 会 の権 能 は、 これ ま で 司法 権 に帰 属 し て い た管 轄事 項 に つい
て、 行 政 裁 判権 を行 使 し たも の と理 解 す る こ と は でき ず 、 国 民 公会 に おけ る議 会 委 員 会 の 一つと し て、 主 に財 政 的 見 地 から 階 層 的行 政 統 制権
限 を 行使 し たも のと 解 され る の であ る。
そ し て、 以 上 にみ てき た 間 の事情 を 明 ら か にす るも のが、 共和 暦 三年 実 月 一六 日 の モ ノ 誕o募 9 議 員 の財 政 お よび 立 法委 員 会 の名 にお い
て な され た 発 言 であ り、 これ に ょ り、 同 日 のデ ク レが 成 立す る の であ る。 す な わ ち、
0103)
ユ03
ママ
﹁当該 収 入が 返還 され る べき 革 命 税 によ る も のか、 返 還 を要 しな い革 命 税 に よ るも のか に ついて決 定 す る霜 月 一六 日 (一三 日 の誤 りー 註 .
村 上) の法 律 は、 これ を めぐ る多 数 の訴 を 生ぜ し め た。 裁 判 所 は行 政 的 な事 柄 に つ いて審 理 す べき で はな いにも か かわ らず 、 これら の返 還 請
求 に関 す る訴追 の審 理 を 横 取 り し て い ると し て不 平 が語 られ る。 した が って、 ︹
司法 裁 判 所 のか か る︺ 判決 を取 消 す こと を目 的 と し たデ ク レ
案 と 、 これら の事項 に干渉 しな い こと とを 改 め て裁判 所 に禁 止 さ せ る べき こと を提 案 す る 。﹂ (
竃 o鼠審ロき 戸 N伊 や ①経 )
そ し て、 そ のう え で、 共和 暦 三 年 実月 一六 日 のデ ク レが霜 月 = ご日 のデ ク レ の単 な る 確 認規 定 に おわ らず、 そ の趣 旨 を 今 一つおし 進 めた 事
柄 と し て、 モ ノ議 員 に引 き続 く ル コワソト いΦoo一
馨 ① 議 員 の発 言 が あ る。
﹁革 命 諸委 員 会 は法 律 に基 づ いて税 を徴 取 し た。す な わ ち、 た と え 法律 が ど ん な に不 正 な も のであ った と し ても そ れが 法 律 と し て通 用 し た
のであ った。 そ のう え に、 これ ら の委員 会 は そ の私 的 な権 力 に よ って も税 を 徴 収 し て いた 。 そ の意 味 で、 これ ら の税 金 は盗 品 であ る。 そ れ ゆ
え、 私 は革 命税 の語 に ﹃現 行諸 法 律 お よび 派 遣議 員 の命令 によ って徴 収 さ れ た﹄ の文言 を付 け加 え られ る べき こと を提案 す る 。
﹂ (
冨 。鄭謬①¢﹁
・
計 Nμ や Φ㎝㎝
)
これ ま で に見 た様 に、 共 和 暦 三年 霜 月 二 一
一
日 のデ ク レは、 派 遣 議員 等 の命 令 と 、 これ に拠 る 一部 の市 民、 憲 法 上 の諸 機 関 等 の行為 、 お よび
これ に拠 る こと のな い彼 等 の行 為 に よ って、 租 税 、金 品 を 略取 さ れ た とす る者 に、 財 政 委 員 会 への異 議 申 立 て に基 づ く 返還 の可 能性 を認 めて
いた のであ った。 これ に対 し・実 月 一六 日 のデ ク レは、 先 のデ ク レが いわば ﹁命 令 ﹂ 止 ま り の救 済 であ った の に対 し、 さら に加 う る に、 ﹁法
律 ﹂ に基 づく 租税 そ の他 金 品 等 の徴収 、 収 受 の場合 にも 、財 政 委 員 会 の審査 に より 返還 が あ りう る こと を 宣 言 し、 救 済 の幅 を 広 げ よ うと した
ことであ る (な お・ か か る ﹁法律 ﹂自 体 への否定 的 態 度 は、 テ ルミド ー ルの反 動 以後 復 活 し たジ ロソド 派 によ るジ ャ コバ ソ独 裁 下 で の政 治 的
.行 政 的施 策 に対 す る 批判 的 対 応 に基 因す るも のであ った と推 測 され る。 この意 味 で、 共 和 暦 三 年霜 月 一三 日、 実 月 一六 日 の両 デ ク レに は、
過 去を 清 算 し、 財 政 的秩 序 を 回復 す るた め の テ ルミド ー ル反動 以後 の政 府 の断固 た る政治 的 決意 が 看 取 され る のであ る。)
。
そ し て・ ここ に到 るな らば 、 も はや 共和 暦 三年実 月 一六 日 のデ ク レの趣旨 は瞭 然 と な ろ う。 す な わ ち、 このデ ク レに定 め る ﹁法律 ﹂ 自 身 に
対す る適 法 性 審査 権 限 の可能 性 は、 司 法権 に よ って も、 行 政裁 判 権 によ っても説 明 しえ な いと こ ろ であ .
⇔こと は明 ら か であ ろう 。 これ は主 権
的機 関 であ る国民 公 会 に直 属す る財 政 委員 会 に よ って はじ め て可 能 と され るも のであ る。
司法的
かく て、 このデ ク レは、 従 来 司 法権 に帰 属 し て いた管 轄 事 項 を行 政 裁 判権 に授 与 した ﹁司法 裁 判 権 と行 政 裁判 権 ﹂ の分離 に関 す る 定 め で は
な く、 ﹁
活 動 行 政事 項 ≒に つい て司法 権 の容 啄 を改 め て禁 じ た ﹁司 法 権 と行 政 権 ﹂ の分離 に関 す る規 定 であ った と解 され る のであ る。
な お、 共和 暦 三年 実 月 一六 日 のデ ク レに規 定 され た ﹁行 政 の行 為 ﹂ 円 冨。。 ユ.
巴 巨 三馨轟 こ。コ の語 が 、 革 命期 にお いて は 一切 のー
一ωO 卑
一ω一 参 照 。
﹁
裁 判 ﹂ 権 を 排除 す る ﹁活動 行 政 事 項 ﹂ を指 称 す る概 念 であ った ことを 指摘 す る者 と し て (こ の点 私 は未 だ吟 味 し
ωき 血①︿o一
お o暫. 9 梓二 b宰
であ れ・ 行 政 的 であ れー
て い な い )、 即
104
Cro4)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
(73 )
(74 )
撚 第 二 に 共 和 暦 三 年 実 月 一六 日 の デ ク レ が 破 殿 裁 判 例 に お い て ﹁行 政 裁 判 権 ﹂ と ﹁司 法 裁 判 権 ﹂ の分 離 に関 す る 規 定 で あ る と し て採 用 さ れ
コ
は じ め た の は、 後 述 二 の 二 で 見 ら れ る様 に 共 和 暦 五 年 芽 月 二 日 の 総 裁 政 府 命 令 が 発 せ ら れ た 後 の こ と で あ り、 そ の 場 合 も 常 に 一七 八 九 年 八 月
︹
ヘノ
コ
一六ー 二 四 日 の デ ク レを 補 足 す る 形 で採 用 さ れ た こ と で あ る (後 述 二 の 二 の 二 の 二 の⇔ の 9 事 件 参 照 。)。
し
こ の こ と は ま ず 、 ﹁行 政 裁 判 権 ﹂ と ﹁司 法 裁 判 権 ﹂ の 分 離 の 宣 告 に際 し 、 共 和 暦 三 年 実 月 一六 日 の デ ク レは 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 の
刈 嚇m一
﹁①ざ 倉 一、
刈 嚇㎝冨 ざ 鉾 ど 想・お ㎝)、 ジ ェ ル ー ト O警 oロ宕 氏 事 件 (日ユす o釦の9噂b
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デ ク レ に 比 し 重 要 性 に お い て 第 二 義 的 意 味 を も つも の にす ぎ な い こ と を 証 し て い る 。 事 実 、 共 和 暦 五 年 以 降 の 破 殿 裁 判 例 に お い て も 、 単 に 一
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七 九 〇 年 八 月 一六 ⊥ 一
四 日 のデ ク レ の み 援 用 す る 判 例 は 決 し て少 く な い。 た と え ば 、 N 某 氏 事 件 (↓ 臥す 。器 9
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。) 等 が あ る 。
さ ら に 右 の事 柄 以 上 に重 要 な こ と は 、 共 和 暦 五 年 芽 月 二 日 以 前 に お い て は 、特 に 共 和 暦 三 年 実 月 一六 日 の当 時 に あ って は 、こ のデ ク レ は右 の
様 な ﹁行 政 裁 判 権 ﹂ と ﹁司 法 裁 判 権 ﹂ の 分 離 を 宣 言 し た も の で は な か った こ と を 示 唆 す る 。 と い う の は 、 仮 に こ のデ ク レが 成 立 当 初 か ら ﹁行
政 裁 判 権 ﹂ と ﹁司 法 裁 判 権 ﹂ の 分 離 の 原 則 を 宜 言 し た も の で あ った な ら ば 、 こ の当 時 す で に、 こ のデ ク レ の 援 用 を も って 司 法 裁 判 所 の管 轄 事
項 を 行 政 裁 判 権 に 移 管 す る 例 は 多 見 さ れ え た は ず で あ る か ら で あ る 。 し か る に、 現 実 に こ の様 な 例 は 共 和 暦 五 年 以 前 の 破 殿 裁 判 例 に 求 め る こ
と は でき な い。 事 実 は 、 こ のデ ク レ は 共 和 暦 五 年 以 前 に あ って は ﹁司 法 権 ﹂ と ﹁行 政 権 ﹂ の 分 離 と い う 自 明 の事 柄 を 述 べ た も の に す ぎ ず 、 し
か も こ の原 則 の 表 明 に は ま ず 何 よ り も 一七 八 九 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レ の み 援 用 さ れ 、 こ のデ ク レ は 同 一原 則 を 述 べ た も の と し て 右 のデ
し
ドコ ク レ の背 景 にあ って あ え て動 員 さ れ な か った の で あ る。
コ
コ
後 述 第 三 章 第 一節 二 罰 本 論 文 二 の 二 参 照 。
な お、 これ に続く 文 脈 に次 の様 な文 言 が あ る。
ヘ
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さ ら に︺ 劣 らず 確 実な 他 の原 則 は、 一七 九 〇年 一〇 月 二八 日ー 一 一月 五 日 の法律 お よび 共和 暦 四年 雪 月 一九 日 の法 律 によ り、 共 和 国 に対
ヨ
す るあ る いは 共和 国 によ る金 銭 支 払 い請 求 は (県) 行 政 庁 付 総 裁 政府 委 員 によ り、 あ る いは、 対 し て のみ提 起 さ れ え、 これ ら の支 払 い請求 が
行 政体 の審 査 を受 け た後 でな け れば 、 裁 判 所 は これ ら を 審 理 す る こと が でき な い こと にょ り ⋮⋮ :﹂
共和 暦 五 年 芽 月 二日 の総 裁 政府 命 令 が 、 行 政 ︹
訴 訟 ︺事 件 に対 す る 行 政裁 判 権 の ﹁普 通法 裁 判権 ﹂ を根 拠 づ け る た め に、 本 来 かか る趣旨 を
(105)
105
含 ま な い 一七 九〇 年 八 月 一六- 二四 日 のデ ク レニ章 二 二条 と 共 和暦 三年 実 月 一六 日 のデ ク レの意 義 を強 引 に歪 曲 し た こと は これ ま で見 て来 た
通 り であ る。 そ し て、 こ の理 は援 用 に かか る 一七 九〇 年 一〇 月 二八 日- 一一月 五 日 の法 律、 共 和 暦 四年 雪 月 一九 日 の法 律 に つ いても 同じ く 妥
当 す る。
ωまず 、 一七 九〇 年 一〇 月 二 八 日1 = 月 五 日 の法 律 は、 ﹁国有財 産 の売 却 およ び管 理、 種 々の家 屋 の個 人債 権 者 、 俗 人領 主十 分 の 一税 の
補 償 に関 す るデ ク レ﹂ と題 され、 国 家 債 務 に関 わ る問 題 はそ の四章 と 五章 に規 定 さ れ て い る。 以 下、 国 家債 務 に関連 す る法 条 を 掲げ る。
四章 ﹁
廃 止 され た家、 団 体 oo弓 ω お よび 共 同体 の個 々の債 権者 に つい て﹂
一条 ﹁
当 該 財 産 の管 理 が 一時 的 に委 ねら れ た家 屋、 団 体 およ び共 同 体 の、 そ の名 にお いて行 わ れ た出 費 は、 そ の中 から支 払 わ れ る。 当 該財
産 の管 理 が そ の手 から奪 わ れ た聖職 禄 所 有 者、 団 体、 家 屋 お よび 共同 体 に関 し て、 彼 等 によ って行 われ 、 か つ彼 等 が 負 担 し た支 出 は償 還 さ れ
な い。 ただ し、 合 理 的 理 由 があ って行 われ 、 か つ未 だ支 払 わ れ て いな い支 出 に つい て は国庫 から 支 払 われ る。 こ の場合 でも、 聖 職 禄所 有 者 に
よ って行 わ れ た支 出 のう ち 、当 該 財 産 の利 益 と効 用 を 理由 と し てな され たも の のみが 国 庫 か ら支 払 わ れ る にとど ま る 。
﹂
二条 ﹁上 記 の原 因 に基 づ き債 権 者 と 主 張す る ︹
聖 職禄 所 有 者 の︺代 理 人、 そ の株 の買 主 、 そ の寡 婦、 相続 人 あ る いは権 利 承継 人 は、 こ のデ
ク レの公 示 の日 から 三 ヶ月 以 内 に、 当 該 居 住 地 のデ ィス トリ クト の書 記 局 に、 書記 の受 領 証 と引 き かえ に、 そ の覚 え書 、 書 類、 訴 訟 書 類 を提
出 しな け れば な ら な い。 別 の三 ヶ月 内 にお いて、 デ ィス トリ クト の執 行 部 はそ の意 見 を付 し、 か つ県 の執 行部 は当 該 費 用 を決 定 す る 。
﹂
八条 ﹁聖職 禄 所 有 者 の財 産 、 同 じく 、 当該 財産 の管 理 が そ の手 から 奪 わ れ た家 屋 、 団体 お よび 共 同体 の財 産 、 さ ら に加 う る にイ エズ ス会 士
の財 産 に ついて、 訴 訟 費 用 以外 の理由 に基 づ く債 権者 は、 正 当 に彼 等 に帰 す べき と認 められ るも の に つき 国 庫 か ら支 払 わ れ る 。
﹂
五章 ﹁俗 人 領 主十 分 の 一税 の補 償 に ついて﹂
二 四条 ﹁そ の他 の補 償 に関 し て は、 支 払 期 日 の来 た他 の債 務 の支 払 いと同様 の方 式 で、 そ の支 払 いが 行 わ れ る。 こ の分 の利 子 は 一七九 一年
一月 一日 から 起 算 され る 。
﹂
二 五条 ﹁県 の執 行 部 は、 このデ ク レ の執 行 に より許 可 され た補償 お よ び正 当 と 認 めら れ た債 権 の 一覧 表 をデ ィス トリ クト の執 行 部 に作 成 さ
せ る。 県 の執 行 部 は当 該 報 告 書 を遅 滞 な く 立法 府 に送 付 す べき こと。﹂
まず・ 結 論 から 先 に示す な らば 、 総 裁 政 府 は、 このデ ク レをも って国 家債 務 訴 訟 に関 す る行 政 裁判 権 の排他 的 管 轄権 を基 礎 づ け よう と 企 図
し た こと であ る。 し か しな が ら、 こ のデ ク レは、 本来 、 総 裁 政府 の意 図 と は裏 腹 の内 容 を有 す るも のであ った。
す なわ ち、 まず 、 総 裁 政府 は、 こ のデ ク レに定 める行 政 決 定 お よび 行 政 庁 の介 在 を も って、 国 家債 務 宣 告 に関 す る裁 判 的決 定 と み な し、 行
政裁 判 権 の行使 を意 味 す る も の であ る かの様 に解 す る。 し かし、 この節 の冒頭 で指 摘 し た様 に、 こ の時 期 、革 命 初 期 に は、 国家 債務 の宣 告 に
106
C10&)
フ ラソス革命期行政裁判制度研究試論
関 し 二 つの方式 が併 存 し て おり 、 こ こ に定 め る行 政決 定 は、 国 家債 務 宣 告 に関 す る行 政 的 処 理権 限 を意 味 す るも のであ った。 す な わ ち・ 一七
九 〇年 一〇 月 二八 日ー コ 月 五 日 のデ ク レは、 こ こで規 定 す る債 務 に ついて、 ﹁未 払 い債 権 ﹂ の宣 告 の場 合 と は異 り、 国家 債 務 の行政 的 処 理
こと は
権 限を 、 清 算 委員 会 に で はなく 、 県 執 行部 に授 与 し た特 別 の規 定 であ った (五章 二 五条1 ー 一七 九〇 年 = 一
月 一六
ー 二 二日 のデ ク レは・ こ の
権 限 を 清 算 委 員会 に かわ る清 算 総 務 局 の権 限 とす る (二条 )。
)。 し たが って、 共 和 暦 五年 芽 月 二 日 の命 令 は、 国 家債 務 の宣告 方 式 を 彼 此混 同
さ せた も の であ った。
のみ な らず 、 引 用 部 分 の後 段 の フ レ!ズ (﹁これ ら の支 払 い請 求 の行 政体 の審 査 を受 け た後 でなけ れ ば 、 裁 判所 は これ らを 審 理す る
ζ 。・。仲.Φ・。・ 。詫
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七 九〇 年 δ
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= 月吾
のデ ク レ に定 め る 国 家 債 務 は ・ そ の 余 の
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府 の理 解 の混乱 を示 す も のにす ぎ ず、 メ スト ルの指 摘 す る様 董
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七 九〇 笙
○月二八〒
= 月吾
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と は特 殊 に、 司 法 裁判 所 への出 訴 を直 ち に許 す も ので はな く、 右 の行政 体 への審 査請 求 の履 践 を要 件 と し て (国家債 務 の行 政 的 処 理
に ↓旦関
ら し め る)、 司 法裁 判 所 への救済 を 認 めるも のであ った と解 す る。 } ζ警 ρ β 6鉾 窄 $ し か し、
こ の様 に解 さ れ る根 拠 は示 さ れ て い
を善 解 し、 一七九 〇年 のデ ク レと の つじ つまを合 わ せ よう と し た解 釈 であ ろう と 考 え ら れ る・ 私
総
な い。 これ は総 裁 政 府命 令 の先 の プレ 麦
は、 ,
﹄の プ レ炎
いだし が た いも のと 考え る。 市 民 はな お直 ち に司 法権 に救 済 を 求 め る こと も、 行 政 体 の決定 が そ の主張 を容 れ るも ので はな い場 合 、改 め て債
権 債 務 関 係 の存 否 を 争 って 司法 権 に救 済 を申 し 立 てう る こと も共 に可能 であ った と考 え る。
②次 に、 共 和 暦 四年 雪 月 一九 日 のデ ク レを援 用 す る こと への疑 問 であ る。 こ のデ ク レの内容 に つい て は先 に掲 記 し た と こ ろ であ るの でそ れ
も ので
を参 照 さ れ た い (
註 18)。 し か し、 これも また、 先 に明 ら か にし て いる様 に、 可決 鍮粋 所 ゆお ゆ を行 政 体 の訴権 行 使 の手 続 を規 定 し た
あ って、 国 家債 務 訴 訟 に関 す る行 政 裁 判 権 の排 他 的 管 轄 権 を基 礎 づ け るも の で はあ り えな い こと であ る。
㈹以 上 に見 てき たと ころ から 理 解 さ れ る様 に、 共和 暦 五 年 芽 月 二 日 の総裁 政府 命 令 は、 一七九 〇年 八月 一六
ー 二四 日 のデ ク レニ章 二二条 、
共 和 暦 三年 実 月 }六 日 のデ クレ、 一七九 〇 年 ﹁○ 月 二五 日1 = 月 五 日 のデ ク レ、 共 和暦 四年 雪 月 一九 日 のデ ク レの いず れ によ っても・ 行 政
さ せ よう と した も
︹訴 訟︺ 事 項 に関 す る行 政裁 覇権 の普 通 法 裁判 権 を根 拠 づ け え て はお らず 、 国家 債 務 訴訟 に関 す る行 政 裁 判 権 も ま た正 し く実 定 法 に基 礎 づ け
ら れ て は いな い こと であ る。 総 裁 政 府 命令 は これ ら いず れ のデ ク レに関 して も、 そ の本 来 の趣 旨 を強 引 に歪 め、 主 張 を貫 徹
の であ った。 鋭 ζo。
。
qP oや o搾 博, 罐 脚そ のド ラ ス チ ック性 に止 目す べき であ る。
・デ タ の裁 判権 を 基 礎
働な お、 復 古 王政期 に お い て、 再 び 国家債 務 訴訟 の裁 判 権 を めぐ る議 論 が再 燃 し た。 これ は、皇 塞 費 と し て使 用 され た シ ャ ル ル 一〇世 の市
民 から の借 財 を め ぐ り、債 権者 が 救済 を 司法 権 に求 めた こと を発 端 とす る。 こ の時、 国家 債 務 訴訟 に関 す る コ ンセイ ユ
CIO7)
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づ け る も のとし て矯
さ れ たも のが 二
七 九〇 年 七旦
八月 合
七〒
八月 合
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家霧
訴訟 の行政裁判管羅
は、 こ の当 時 、 こ の 二 つ のデ ク レが国 家 霧
清甚
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アク レの援
政期 行政
用 さ れ た 二 つのデ ク レに
べき こ と は、 そ の際、 復皇
七 九 三年 九 月 二六 日 の一
アク レ 弔
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あ り、 こ墾
①①昌。仲
Φ 已 Φコ ・。蓬
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のデ ク レ、 お よ び 一七 九 三年 九 月 二 六 日 のデ ク レに つ い て は、
橡 ・共和暦五年芽月二日 の総裁政府命令 は、復皇 政響
七∵
一月 五 日 のデ ク
訴 訟 の行 政裁 判
この当時 そ の様 なも
を根拠づけるも のとして新
訴 訟 に関 す る行 政裁 判 権 を 根 拠 づ け るも のと し 垂
﹃
ρ ・竃
にお いて、 国家 霧
用 は・ こ の後 天 七〇年 代 に到 る ま で行 われ た. } 憂
判 例 は・ 共 和暦 五 年芽 月 二 日 の総裁 政 府 零
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顔 だ に注 意 を 払 わな か った こと であ る。 この 二 つのデ ク レに拠 る こと の無 理 が感 じ ら れ た た め と思 わ れ る。
が憾
到 った 一七九 〇 年 七旦
用す乏
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いな い こと であ る. 共和 暦 五年 芽 月 二日 の総 裁 政 府ム叩令 が 仮 に これ ら の諸 規 定 をも って 聚
のと して の鷺
・・8 妻
豊
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殴鼠 蕾 。。 "ユB 一旨岡均厚梓H動一〒
る行 政 的 処 羅
律される
と規 定 さ れ て いるわ け で はな いこと にも 止 目 し、 か かる 結論 を蕃
ル は 一七 九 三 年 九 月 二 六 日 の ノ
ア ク レが 、 ﹁行 政 的 窺
・・冨 梓
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づ け よう と 試 み る はず は な か っ
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七 九〇 年 δ 月 二吾
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な援 用 によ って、 国 家債 務 訴 訟 の行政 裁 判 管 穣
管 轄権 を 根拠 づ け るも の であ る とす る認 識 に達 し て いた とす る な らば 、 あ え て、 先 にみ た如 ≦
舞
九 日 のデ ク レを も ってす る舞
。.・秦
レ・ 共 和 暦 四年 雪 旦
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巴琶
いた こ と を 明 ら か にす る も の で あ る . さ ら に、 メ う
偉。・翁
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息 什二 b・ oo一・
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訴 訟 を 中 心 に、 行 政 官 u裁 判 制 度 の内 在 的 論 理 か 星
行 政 官 "裁 判 制 度 の変 容 とそ の前 提 お よび 帰 結
∪ 慧 o茜 一
①ひ 戸 ㊤﹂ O ・ 旭P
る 。 ﹀ ・ 竃 ①ω# ρ Oや
委 け
﹂ であ って ﹁行 政的 に隷
(75 )
二
帰属 芒
め る法 的 手 続 の問 題 ξ
記
い て こ れ ま で 論 及 を残 し てき た。 こ れ が 積
件 と し て、 行 政 事 件 を 司 法 裁
判 制 度 の本 格 的 展 開 への画 響
し た 。 そ し て、 こ の ﹁性 質 上 の行 政 訴 訟 ﹂ の成 立 は、 通 常 の行 政 訴
前 節 三 お いて・ わ れ わ れ は 国 有 財 産 売 却 訴 訟 と 国 家 霧
の行 政 訴 訟 ﹂ の成 立 過 程 を 難
て・ 行 政 裁 判 獲
の行 政 訴 訟 あ 前 提 か つ成 妾
的 ﹃権 利 ﹄ 救 済 制 度 の確 立 2 踊緒 を なす も の であ り 、 フ一
・ソ ス行 肇
だ さ れ た ﹁性 篁
訟 に ょ る難
権 から奮
す も の で あ った こと を 知 った ・ し か し、 か か る ﹁性 篁
判 所 の纂
ray
0108)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
極 的 権 限争 議手 続
(76 )
08 強幹 OOω一
鉱h の確 立 の問 題 であ る 。 これ に よ って は じ め て、 行 政 裁 判 権 の通 常 裁 判 権 か ら の独
立 性 と優 越 性 が 法 的 に保 障 さ れ る に 到 る の であ る 。 し か し、 も と よ り か か る 積 極 的 権 限 争 議 手 続 の確 立 の究 極 的 狙 い
が 、 主 と し て国 有 財 産 売 却 訴 訟 と 国 家 債 務 訴 訟 を めぐ る 管 轄 権 争 議 の、 行 政 権 側 への有 利 な 裁 断 にあ った こと か ら、
む し ろ 後 者 の問 題 こ そ が 積 極 的 権 限 争 議 手 続 の確 立 を 促 迫 せ し め た と い いう べ く 、 両 者 の因 と な り 果 と な る 不 離 の関
(77 )
係 にも 注 意 を 払 う 必 要 が あ る 。
次 に、 従 来 フラ ン スお よ び わ が 国 の通 説 が 、 こ れ ま で ﹁フ ラ ン ス型 ﹂ 権 力 分 立 制 観 念 の成 立 に つい て示 し て き た 理
解 を 訂 正 す べ く 、 こ の観 念 が 共 和 暦 五 年 芽 月 二 日 の総 裁 政 府 命 令 以 降 登 場 し 確 立 し たも の であ る こと を 明 ら か に し、
フ ラ ソ ス近 代 行 政 裁 判 制 度 が 、 ﹁権 力 分 立 制 ﹂ の いわ ゆ る ﹁フ ラ ン ス的 ﹂ 観 念 に よ って成 立 し た も の で は な く 、 フ ラ
一七 九 〇 年 一〇 月 七 日 、 デ ムー ニ エは 街 道 事 項 に関 す る行 政 体 の権 限 に 関 す るデ
ン ス近 代 行 政 裁 判 制 度 こそ が ﹁権 力 分 立 制 ﹂ の ﹁フ ラ ン ス的 ﹂ 観 念 を生 み だ し た も の であ る こ舗 ガ 明 ら か にす る。
↓ 積 極 的権 限争 議 手続 の確立
︹
一 憲 法 制 定 議 会 ・立 法 議 会
ク レ案 を 議 会 に提 出 し た 。 す な わ ち、
﹁諸 君 、 (
衆)執 行 部 と 市 町 村 庁 間 に し ば しば 紛 争 が 提 起 さ れ て い る 。 一本 の街 道 が オ ー ト ・サ ォ ヌ県 の グ レイ 市
を 貫 通 し て い る 。 県 執 行 部 は、 これ ら (
県 )行 政 庁 に街 道 事 項 の管 理 権 を付 与 し て いる 諸 君 のデ ク レ に基 づ き 境 界 画
定 に関 す る 命 令 を 発 し た 。 こ れ と は 別 に同 一内 容 の事 柄 を 市 町 村 庁 も 発 し 、 か つバ イ イ裁 判 所 冨 竃 mαqΦ に県 代 理 官
を 訴 追 し た 。 こ の様 な こ と は いく つか の 土 地 で起 き て い る の で、 諸 君 の委 員 会 は諸 君 に 一般 的 規 定 に よ って こ の点 に
(79 )
備・
兄る こ と を 提 案 す る 。﹂
Cios)
109
デ ム ー ニ エの問 題 提 起 は、 県 行 政 庁 と 市 町 村 庁 間 の街 道 事 項 の管 理 権 を めぐ る 紛 争 に お い て、 市 町 村 庁 は司 法 裁 判
所 に こ の両 者 の権 限 の帰 属 を 明 ら か に す べ く 訴 を 提 起 し う る か、 にあ った 。 し か し、 議 論 の発 端 が こ の行 政 権 相 互 の
管 轄 権 争 議 に存 し た と は いえ 、 こ の点 の判 断 を 司 法 権 に委 ね た 場 A口、 行 政 権 の司 法 権 か ら の独 立 性 が お び や か さ れ る
の 、 県 執 行 部 の みが 街 道 事 項 に関 す る 管 理 権 者 で あ る と 寡 口し (一
結 果 に な る こ と は意 識 さ れ て い た事 柄 で あ り、 こ の意 味 で 問 題 の中 心 はあ く ま で行 政 権 と 司 法 権 の権 限 争 議 手 続 に ご
は同 日、 デ ム ⊥ ; の提 案 に覧
そ 存 し た の で あ った。
か く し て・ 藝
七九〇 年 一〇月 七i 一四 日 のデ ク レ 一条 )
、 ま た、 そ の職 務 を 理 由 と す る行 政 官 の司 法 裁 判 所 への呼 び だ し は行 政 権 と司
ヨ ooヨ忌 8 昌60 の主 張 は、 い かな る場 A口に お い ても 司 法 裁 判 所 の管 轄 権 に属 し な い。 そ
法 権 の分 離 の原 則 に反 す る と し た う え で (
同 二条)
、 権 限 争 議 手 続 の問 題 に関 し て は 次 の様 な 規 定 を置 いた 。
﹁行 政 体 に対 す る 無 権 限
(
別)
れ ら は 一般 行 政 の首 長 た る 国 王 に提 起 さ れ る べ き であ る 。 そ し て、 陛 下 の大 臣 が 法 律 に反 す る 決 定 を 行 った と 主 張 さ
れ た 場 合 、 異 議 は 立 法 府 に提 起 さ れ る 。
﹂(
同三条 )
こ の結 果 ・ 議 会 は グ レイ O冨 ︽ 市 のバ イ イ 裁 判 所 に お い て開 始 さ れ た訴 訟 手 続 の 国 王 への移 送 を 命 じ た (
三条 )。
た、行 政
かく し て ・ 成 立 し た 一七 九 〇 年 一〇 月 七 - 一四 日 のデ ク レは、 そ の後 総 裁 政 府 に お け る共 和 暦 三 年 実 月 二 一日 の法
律 二 七 条 が 制 定 さ れ る ま で の間 、 行 政 権 と 司 法 権 の権 限 争 議 手 続 に関 す る唯 一の法 律 であ った 。
さ ら に、 こ のデ ク レ の権 限 争 議 手 続 は、 行 政 事 件 に関 す る司 法 裁 判 所 の並・通 法 裁 判 権 の包 囲 の下 で成 轄
官 11裁 判 制 度 の例 外 的 ︹
行 政 ︺ 裁 判 権 の確 立 と、 司 法 権 か ら のそ の自 律 的 運 営 を保 障 す るも の で も あ った 。
定 の究 極的 権威 の所 在 とそ の発動 形態 の問題 が存 す る。 す な わ ち、 毛 九〇 年 δ 月 七⊥
四日 のデ ク レで
な お・ 革 命 期 に お け る そ の後 の積 極 的 権 限 争 議 手 続 の展 開 を 跡 づ け る意 味 か ら こ こ で 注 目 す べ き 事 柄 と し て、 権 限
争嚢
11(〉
(21の
フランス革命期行政裁判制度研究試論
11執 行 権 を 牽
は、 権 限 争 議 裁 定 は第 一次 的 に は国 王 の権 限 と さ れ 、 これ が 法 律 に反 す る も のと し て異 議 が 提 起 さ れ た 場 合 、 究 極 的
(83 )
に は立 法 府 の権 限 と さ れ た こと であ る。 これ は い う ま でも な く、 これ ま で幾 度 か 繰 り 返 し 論 じ た 、 国 王
制 す る 憲 法 制 定 議 会 ・立 法 議 会 の国 家 構 造 の適 用 の 一局 面 に ほ か な ら な い。
し か し、 一七 九 〇 年 一〇 月 七ー 一四 日 のデ ク レ に お け る積 極 的 権 限 争 議 手 続 の右 の構 成 は、 そ の後 、 事 実 上 変 容 を
国 民 公会
一七 九 〇 年 一〇 月 七 ー 一四 日 のデ ク レ は国 民 公 会 の下 で も 権 限 争 議 手 続 を 規 律 す る唯 一の法 律 で
余 儀 な く さ れ て いく 。
二
あ り 、 そ の構 成 は憲 法 制 定 議 会 ・立 法 議 会 時 代 のそ れ と ほぼ 同 じ であ る 。 す な わ ち、 権 限 争 議 の訴 は ま ず 、 国 王 に か
(
わ る 一般 行 政 の首 長 であ る 臨 時 執 行 評 議 会 に提 起 さ れ 、 これ に不 服 が 存 す る時 に の み は じ め て国 民 公 会 に控 訴 さ れ
(84 )
)
る 。 こ の 点 に つ い て は 、 共 和 暦 三 年 雪 月 八 日 の デ ク レ が あ る85。
事 案 は、 書 籍 販 売 業 者 であ る レジ ャン "似伽qo韓 氏 と ベ ルナ ー ル 閑 § 9。﹃低 氏 が、 師 団 の分 隊 の決 定 母 ㌫ 菰 亀o 冨
。。oo鉱8 αΦ一
.
q巳 叡 と これ を 肯 認 し た パ リ の県 執 行 部 の決 定 を、 裁 判 判 決 の執 行 を 妨 げ た と し て 無 権 限 か っ越 権 を 理
由 に直 接 国 民 公 会 に提 訴 し た も の で あ る 。
これ に対 し デ ク レ は次 の様 に規 定 す る 。
政府
総 裁 政府 下 の行 政体 と市 町村体 の霧
に関 す る共和 暦 三年実 月 二 百 のデ ク静
・ 二七条 に行 政
﹁行 政 体 の決 定 に対 し、 そ の職 務 範 囲 の逸 脱 と 司 法 権 侵 害 を 理 由 に直 接 訴 を 提 起 す べ き は、 ま さ に執 行 評 議 会 の下
襲
にであ る。
﹂
三
oo島 # α、
帥穽二ぴ暮 δ鵠 が 存 す る場 合 に は 、 総 裁 に よ って 承 認 さ れ た 大 臣 の決 定 が
権 と司 法 権 の権 限 争 議 手 続 の規 定 を 置 く 。
﹁司 法 権 と 行 政 権 間 に権 限 争 議
(lll)
111
現 を し て いる y
﹂と を 除 け ば 、 欝
あ る ま で は・ ︹
当 該 行 政 権 限 は︺ 停 止 さ れ る 。 必 要 が あ る 時 は総 裁 は これ を 立 法 府 に 照 会 す る 。
総 裁 の承 認 は 一ケ月 以 内 に発 せ ら れ な け れ ば な ら な い 。
﹂
こ の規 定 は・ 行 政 権 と司 法 権 間 の権 限 争 議 手 続 を 正 面 か ら 取 上 げ 積 極 的 装
、
蓉
。 し かし、現 窪
争議
は、 総 裁
四 日 のデ ク レ のそ れ に ほぼ 倣 う も の であ .
争 議 手 続 に関 す る 立 法 権 の権 限 は維 持 さ れ た か の様 覧
裁 定 の究 極 的 権 威 と そ の発 動 形 式 に関 す る 定 め は 一七 九 〇 年 δ 月 七 ⊥
た ・ し た が って・ 中 で も 叢
は権 限 争 議 に関 し て 立 法 府 に照 会 す る こ と は な か った。
提鯉
た行 政 権 と司法蕎
人
の治 安判 票
ただ し・ 唯 祠 外 とし て権 限 争議 の問題 が 立法 府 に照会 され た例 と し て、 共 和暦 七年 牧月 二日 の総裁 政 府 の吾
に霧
す る二人 の雇 讐
は、 甕
に関 し、 ・シ ュホ ル
対
妻
ω8 蚕
豊 愚 、 の死 亡後、 彼 等 の財窪
と ど ま華
省が 行 った封 印 貼付 § ⋮ 三 ・§
会 議 への案 件 の付託 が あ 乏
し て輩
人 会 議 は右 の照 会 に対 し、 同 年 実 月 二 三 日、 行 政 権 の権 限 壼 目定 し た 。 し か し 、 こ の権 限 争
議 自 ら 総 裁 に付 託 を働
の権 限 争 議 であ る・ 吾
会
ル の治 安 判 豪
直 接 五 百 人 会 議 に訴 を提 起 し た のを 受 け て、 吾
議 の照 会 は・ ・ シ ュキ
、妾
府 への権 限争 議 の照 会 に関 す る総裁 政府 の消極 的態 度 は、 こ の領罐
おけ る執 行権 の全 面 的
き かけ て実 現 し た も の であ り、 正 式 の手 順 を 無 視 し て 行 わ れ た も の であ った こ と か ら 、 先 の指 摘 を 何 ら変 更 す る も の
で は な か った 。
これ を要 す 乏
治 的 .行 政 的 関 心 の対 象 と し て
行 動 の自 由 を 確 保 す る 狙 い に出 で た も の であ り 、 事 実 そ の目 的 は ほぼ 満 足 さ れ た の であ った 。
も って、 新 た 姦
件 の多 発 に直 面 し て、 こ の機 に、 行 政 事 件 裁 判
かく し て・ 今 や ・ 総 裁 政 府 は か か る積 極 的 権 限 争 議 手 続 の確 妾
採 り あ げ ら れ る に到 った行 政 事 件 の存 在 と、 これ を めぐ る権 限 争 撃
到 .た の で あ .た 。 こ れ が 、 汕
則掲 共 和 暦 五年 芽
す べく、 司法 楚
対 す る 攻勢 を か け 乏
権 の積 極 的 拡 大 と優 位 を 覆
112
(112)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
o×o雰
Oo
月 二 日 の総 裁 政 府 命 令 であ り、 行 政 裁 判 権 と 司 法 裁 判 権 の分 離 の原 則 は こ こ で初 め て行 政 権 と司 法 権 の分 離 の コ ロラ
リ ー と し て 説 明 さ れ る に到 った こ と は先 に示 し た 通 り であ る 。
し か し な が ら 、 も と よ り 、 積 極 的 権 限 争 議 を 付 託 さ れ た 総 裁 政 府 が 、 司 法 裁 判 所 の判 決 に 対 し 越 権
速 口くo岸 を 理 由 に取 消 を 命 ず る こ と は、 総 裁 が 執 行 権 た る 地 位 にと ど ま る かぎ り、 む し ろ かえ って、 司 法 権 の侵 害 と
糧
抽 σq冨 ヨ o馨
αo 冒
・す な わ ち
共和暦 一
二年 嚢
はそ の二五 四条 にお い て ﹁破
o
Qo。。 ・
⋮ ・⋮ ・に つ い て 判 決 を 言 い 渡 す こ と を 職 務 と す る 。﹂ と 定 め
触 しな いか、 と いう問題 と し て提 起 さ廻
な ら な い か と い う 疑 い は当 然 の こと なが ら起 る と こ ろ と な った 。 こ れ は、 共 和 暦 三 年 実 月 二 一日 の法 律 二 七 条 が 共 和
暦 三年 婁
殿 裁 判 所 は 、 ⋮ ::・
裁 判 官 の規 律
た後 、 これ を 受 け て 二 六 二 条 に次 の様 に定 め る。
﹁破 殿 裁 判 所 付 き 国 王 委 員 は、 法 律 ま た は 手 続 形 式 に直 接 に反 す る 終 審 と し て の判 決 が 行 わ れ た が 、 そ れ に対 し
⋮⋮
て、 当 事 者 の いず れ も 定 め ら れ た 期 間 内 に破 殿 を 主 張 し な か った こと を 知 った 場 合 に は、 こ の期 間 が 満 了 し た後 ・ 破
殿 裁 判 所 にそ れ を 知 ら せ る。 形 式 ま た は法 律 に違 背 し て い る こ と が 立 証 さ れ る 場 合 に は そ の判 決 は 破 殿 さ れ る 。
・: ﹂
こ こ で は 、 形 式 的 に見 た 場 A口、 越 権 を 犯 し た 下 級 審 裁 判 官 の判 決 の破 殿 は、 破 殿 裁 判 所 付 き 総 裁 政 府 委 員 の告 発 を
得 て、 何 よ り も 破 殿 裁 判 所 の専 権 に属 し て い る か の様 に規 定 さ れ て あ る 。 し た が って、 右 の文 言 通 り と す れ ば ・ 総 裁
政 府 は司 法 権 に属 す る 下 級 審 裁 判 所 の判 決 に対 し 越 権 を 宣 告 し え な い の み か、 破 殿 裁 判 所 付 き 総 裁 政 府 委 員 の告 発 を
も って し ても 、 破 殿 裁 判 所 の判 断 そ れ 自 体 を拘 束 す る こと も ま た 不 可 能 と さ れ る こ と であ る 。
か く し て、 こ の問 題 に不 安 を 抱 い た総 裁 政 府 は、 司 法 大 臣 メ ル ラ ン 護 費 嵩昌 を し て解 決 にあ たら せ る こと にな っ
た 、 そ し て、 こ の問 題 に応 え た も のが 共 和 暦 五 年 花 月 一八 日 の メ ヅ セ ー ジ で あ る 。
(113
ユ13
裁 判所 付 き襲
政 府委 提
介 し て肇
裁 判所 に徹底 せ
す な わ ち・ 右 の問 題 に関 し て、 メ ル ラ ソ は、 権 限 争 議 手 続 に関 す る 最 終 的 判 定 権 者 が 総 裁 政 府 に あ る こ と を 確 認
し、 憲法 二 四六条 の法意 は、 この総 裁政 府 の確 定的 判 断 を嚢
の
危 険 な も の で は な い こと を
影 響 を与 、
兄る こ と か ら 、 改 め て司 法 権 に よ
し め、・
司 法 部 内 で の実 効 的 措 置 を と る べ く 破 殿 裁 判 所 に強 制 せ し め る規 定 であ る と 解 す る 。 の み な らず 、 権 限 争 議 手
続 の最 終 的 判 定 権 者 の如 何 は、 実 は国 有 財 産 売 却 訴 訟 の裁 判 権 者 の帰 鯉
る 権 限 争 議 手 続 への介 入 を 否 定 す る。 す な わ ち、
い る 保 護 の下 に、共 和 国 を 支 配 す る 燵
な ろ う 。 ⋮ - -諸 君 が 嚢
は、 憲 法 が 裁 判 所 の
関す る (
最(
終)
92
的)
) 裁 判 所 を 見 いだ す こ と に な ろ う 。﹂
裁 判 所 に権 限 争 韓
あ る い は徐 々 に、 行 政 権 か ら そ の独 立 性 と 権 限 を 奪 い、 最 健
裁 判 所 が 共 和 国 の運 命 の最 高 の絶 対 主 と な る か も し れ な い。 つね に、 裁 判 所 の側
宴 口し た行 政 府 の絶 対 的 畠
﹁す べ て の時 代 の経 験 は、 自 由 な 国 家 に お け る い か な る謀 議 も 司 法 権 のそ れ よ り 以 走
こそ あ る ・ ⋮ ⋮ あ る 日、 鑛
教 え て い る・ ⋮ ⋮ 国 の 一般 的 安 全 は、 憲 法 二〇 二 条 が 、 裁 判 所 か ら の全 面 的 独 妾
走
毛
に偏 重 す る こ と に よ って・ 次 箆
判決 写
判 定 権 を 与 え る な ら ば 、 諸 君 は 国 有 財 産 の売 却 を 無 効 とす る 二 〇 も の (
下馨
分
よ る﹁
実質的行
と ど ま って いた 段階 で の ﹁行政 裁 判 権 と 司法 裁判 権 ﹂ の震
が
極 的 権 限 争攣
⇔ 行 政事 件 の慧
法 裁 判薯
手 続 自体 はあ く ま で ﹃
価 値 中 立﹄ 的 存 在 であ る こと に注意 しな け れば な らな い。 そ れ は、 e 司法 選
か く て・ こ こ に・ 共 和 暦 三 年 実 月 二 一日 のデ ク レ の規 定 が 、 行 政 権 と 司 法 権 の権 力 分 立 制 の原 則 に違 背 しな い こと
的 権限 譲
・ の局 面 にお い ても、 ⇔ 行 政 裁判 権 が 例 外 的 裁 判穫
ただし・
穰
が 明 ら か にさ れ た。
(76 )
政 作 用 ﹂ への介 入 の歪
く適 用 され る. な お、 こ こで 綾
ヒ
コ・二
詳 6。§ 自昌①亀①ゆ﹃。・。
琵
続もま
§ 。ま 。"尋 ①
続 を 正面 にお した て て論 ず るが 、消 極 的権 限争 攣
共和 暦 五 年芽 月 二日 の総 裁 政府 命 令 後 の ﹃フ一
.ソス型
府命令以前 の ﹃
本 来 の権力 分 立 制 ﹄ 下 の場 A・
1
以 上、 共和 暦 葦
芽 月 二 日 の総 護
配 の局 面 にお いても1
箸
律 す る法律 によ って同 じ く規 律 さ れ る (
傍 証 と して さ しあ た り、 自
ー
交 替 し た段階 で の ﹁行 政 裁 判権 と 司 法裁 判 権 ﹂ と の間 の権 限 分配 の局 面 にお いても1
姦
権 力分 立制﹄ 下 の客
た・ 薯
114
(114)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
(77)
(78 )
卑 ド量
矯け 紗 , 帥9 の判 旨参 照 。
)α
革 命 期 に おけ る権 限争 議 手続 に関 し て、 コル ムナ ソは次 の様 に いう。 ﹁︹
革 命期 にお け る権 限争 議 手 続 の シ ステ ムは︺ 行 政権 が 権 限 の集 中 化
に向 って猛 烈 にか つ暴 力 的 に突 進 し、 裁判 所 を そ のく びき の下 に屈従 さ せ、 あ らゆ る事 項 を併 呑 した か か る時 期 にお い て のみ確 立 し え、 維 持
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兀た のであ った。 こ の シ ステ ムは、 そ れ故 、 政 府 の利 益 の た め に のみ、 権 力 分 立 の原 則を 強 化 し た の であ った。 そ の当時 、 そ れ は おそ ら
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く 、 政 府 の 政 策 目 的 と そ の 財 政 上 の 利 益 に 仕 え た の で あ っ た 。﹂ 6霞 ヨ 窪 }
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像.
§ ①9 § ①を め ぐ る バ イ イ裁 判 所 と 市 町 村 庁 の権 限 争 議 に関 し 、す で に 一定 の判 断 を 下 し て い た こ と が 知 ら れ て い る 。
ざ 口露 'o, o凶r
(80 )
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①。。伽凱ρ 鉾 一〇 掌 お bこ"な お 、こ の デ ク レ の成 立 以 前 、一七 九 〇 年 八 月 一 一ー 一八 日 の デ ク レが ・ 市 町 村 庁 が 行 った 十 分 の 一
霧
(81 )
税 の 請 負 巴 冒 感 09。諏§
し か し 、こ のデ ク レは 右 の事 柄 に 関 す る 個 別 的 判 断 を 下 し た に と ど ま り 、行 政 権 と 司 法 権 の管 轄 権 争 議 手 続 に 関 す る 一般 的 規 定 を 置 い た も の で
は な か った 。 窪 巳m瓜σ
q巳 oさ Oo昌強 陣︽ 店餌鵠ω切冨昌oげP Uドニo駆""貯Φα
q仏ロ騨 巴 鳥.
帥瓢ヨ ぎ 尻㌶ 四瓜o"︾ ℃, 朝O禽 ピ虞8 。励 鳥o 冨 。。δ 帥囚昌℃o, 9併; , ㊤曽
" 留 薮 ①くoぎ oや o罫 魍, 一一ω⋮な お 、 こ の 法 律 は フ ラ ソ ス 行 政 法 上 越 権 訴 訟 の 法 律 上 の起 源 (取 消 事 由 と し て の ﹁無 権 限 ぎ oo窮 篭 笛 零 ①
の成 立 ﹂) を 説 明 す る も の と し て 引 用 さ れ る 。 し か し 、 こ の 法 律 は か か る 意 味 を 持 つも の で は な い こ と に つ い て 、 阿 部 ・前 掲 書 二 二 頁 参 照 。
の概 念 も、
唱舘 型 ω彗 α甲
な お 、 P .サ ソド ボ ワ ! ル は 、 フ ラ ン ス革 命 当 時 に お け る 通 常 の使 用 法 と し て 、 8 ヨ 鳳 結 ロoρ 冒 ooヨ 葱 富 跡oo の 概 念 は 、 常 に 、 ﹁訴 訟 事 件
を審 理 す る通常 裁 判官 の裁 判管 轄 権 ﹂ の意 味 に解 され て いた こと を指 摘 す る (
閣9 署 一
〇畳 一
ρ 嵩 望占 伊 け ρ P 扇 b。 6ま
くoぎ o㌻ 6写 ・, 一
〇。。)。 し たが って、 8 ヨ冨 $湾 o の概念 は 行 政官 の ﹁
権 限﹂ の意 味 で使 用 され る こと はな く 、 ぎ8 ∋幕 冨口8
行政、
の裁 量 的統 制 訴訟 の対象 と し て の ﹁無 権限 (権 限 鍮 越)﹂ の意 味 と は無 関 係 であ った。 し たが って、 理解 し やす い様 に、 一七九 〇 年 一〇
.
た だ し、 直 接 国 民 公会 に提 訴 し肯 定 さ れ た 例 と し て、ルカ ・ド ・ペ ルー ア ンは 、e 一七九 三 年 八月 二八 臼 のデ ク レ (﹁国民 公会 は、 立 法 及 び
た だ し、現 実 に立法 政 府が この権 限 を発 動 した こと は、 こ の時期 にはな か った。 国 卜鉱 o凌δ唖
ρ o, o罫 "N。鐙 己 戸 ド , 悼OQ
。
・
であ る 。
﹂ ℃.ω偶巳 ①︿oぎ b﹂ 一
ρ
8 ヨ臓 需昌8 と す る主 張 は、 い かな る 場 合 に お い ても 司法 裁 判 所自 身 の管 轄 に属 しな い。 そ れ ら は 一般 行政 の首 長 た る国 王 に提 起 さ れ る べき
月 七- 一四 日 のデ ク レ三条 の法 文 に語 を補 う な らば 次 の様 な も の にな る。 ﹁行 政 体 の権 限 事 項 の故 に、 ﹃司 法 裁 判 所 に裁 判管 轄 権 はな い﹄ 坤
早
(82)
(83)
(84)
財 政委 員 会 の報 告 を徴 し た後、 ア ッシ ニア紙幣 の信 用 を 失墜 さ せ る た め共 和 国 の敵 によ って使 用 さ れ た贋 札 ヨ彗 8ロく器 の製造 者 お よび 共犯
(II5)
115
橿 罷辮 講購窯翠
蜘
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一つ は 消 去 さ れ る。
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に基 づき ・ 総 裁 の認 可 の留 保 の下 に立 つ司法 大 臣 であ る 。
﹂ 国。。匡
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礎 瀧黙 熱 概
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フランス革命期行政裁判制度研究試論
該 事 案 を 規 律 す る法 規解 釈 の疑 義 と いう形 式 で提 出 され た場合 であ る。 こ の場合 、 憲法 制 定 議 会 ・立法 議 会 は、 当 初 そ れが 実 質 的 に権 限 争議
裁 定 の意味 を持 つ問 題 であ れ 、 純粋 の法 規 解 釈 の場 合 であ れ、 両 者 を 区 別す る こと なく 同 一の手 続 に服 せし め て いた。 これ が 一七九 一年 四月
二七 日- 五月 二五 日 のデ ク レ五条 五号 に関 す る規 定 であ り、 か かる 立 法 レ フ ェレに関 し て は、 司 法 大 臣 を 介 し て直 接 立 法 府 に提 起 す る ことが
許 さ れ て いた (前 掲 共和 暦 二年 牧 月 二 二日 の命 令 の場 合 (
註 (84)⇔ ) が これ であ る 。
)。
こ れ に対 し、 総 裁 政 府 は、 共 和 暦 四年 葡 萄 月 一〇 日 のデ ク レをも って、 立法 的 レフ ェレに つい て 一旦総 裁 政府 の中 継 を 経 べき ことを 規 定す
る。 す な わち 、
﹁司 法大 臣 は、 司法 的 秩 序 に関 し て彼 の下 に提 出 さ れ た諸 問題 、 お よ び法 律 の解釈 を 必要 と す る諸 問 題 を総 裁 に付託 す る。 総裁 は これ らを
五 百 人 会 議 に送 付 す る。
﹂(
三 条 四項 )
そ のう え で、 司 法 裁 判 所 か ら提 出 さ れ た 立法 的 レ フ ェレのう ち、 実 質 的 に権 限争 議 裁 定 に係 るも の の立法 府 への送 付 を 制 限 し よう と す る。
これ が 共 和暦 五 年 花 月 一六 日 の命令 であ る。 事 案 は、 サ ソ ・ジ +ソ 留 冒 け
らΦ碧 市 の吏 員 であ る ペ リ オ ラー ト 男騨 圃
9舞o 氏 に対 し て発 せ られ
た逮 捕 状 を め ぐ る、 バ ロン ス郡 9。舞o瓢象羅 ヨ①コ槽脅 く鉱Φロ8 の陪審 主査 島希暮①霞 臼 冒蔓 と ド ロー ム ︼
)δ §① 県 の行 政庁 聞 の権 限 争議
に関 し て、 同 県 刑 事 裁判 所 が 、 共 和暦 五 年葡 萄月 三 〇 日、 司法 大 臣 に対 し 行 った レフ 笛レ判 決 に端 を発 す る。 す なわ ち、 一七九 〇年 八月 一六
- 二四 日 の法 律 二章 = 二条 お よび 共和 暦 三年 実 月 五 日 の憲 法 一九 三- 六条 を めぐ る司法 権 と 行 政権 の各 々の権 限 に関 す る諸 問 題 を立 法 府 に照
会 す る 様 司法 大 臣 に求 める も のであ った。
これ に対 し、 司法 大 臣 よ り 問題 を 付 託 され た総 裁 は、 共 和 暦 五年 花 月 一六 日 の命 令 に お い て当 該 事 案 の権 限 裁 定 を行 った後、 立法 的 レ フ ェ
レに関 し て次 の様 に付 言 し た。
﹁大 臣 の組織 に関 す る 共和 暦 四年 葡 萄 月 一〇 日 の法 律 三 条 の文 言 より 、 司 法大 臣 は、 裁 判 所 によ って彼 に提 起 さ れ た、 法 律 の解 釈 を要 請 す
る問 題 を直 接 立法 府 に取 り次 ぐ べき で はな く 、 司法 大 臣 は こ の問題 を ︹
まず ︺総 裁 に付 託す べき であ り、 そ の上 で総 裁 が これ を五 百 人会 議 に
取 り次 ぐ ので あ る。
︹さ ら に] こ の規 定 から 次 の事 柄 が 帰 結 さ れ る。 裁 判 所 の レ フ ェレは、 そ れが 固有 の意 味 で解 決す べき 問 題 を明 ら か にす べく 真 の疑 惑 を 呈
す る時 に し か五 百 人会 議 に取 り 次ぐ べき で はな く 、 ま た、 立 法 者 にそ の注 目 に値 す る何 も のも 示 さな い、 し かも そ の貴 重 な時 間 を全 く無 駄 に
費 さ せ よう とす る にすぎ な い レ フ ェレ の仲 介を 立 法府 に対 し行 わ な いこ と こそ 総裁 の義 務 であ る。 以 上 の事 柄 から、 当 該 レ フ ェレに関 し議決
す る 理由 はな いと 宣欝 す る 。
﹂
同 じ く 、後 述 共 和 暦 五年 花 月 一八 鼠 の メ ッセージ は、 右 の原 則 を よ り端 的 に表 現す る。
﹁︹
法 律 解 釈 を要 す る ︺ 問題 の決 定 は 立法 府 に付 託 さ れ る。 あ る いは法 律 の解 釈 を要 しな い場合 に は総 裁 に付 託 さ れ る 。
﹂ 野 巳ゆ鉱
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こ れ は 行 政 権 自 身 の手 に よ る よ り も 破 穀 裁 判 所 を 介 し て 下 級 審 裁 判 所 の判 決 を 取 消 す こ と の ほ う が よ り 実 効 性 が あ が る と 判 断 さ れ て の こ と
ob・6闘
梓二 切・一ωN・
⋮﹂ (
前掲 共和暦 三年 憲法 二六 二条 は、 これ を憲法 典 レヴ ェルで規定 したも の。
)
裁 判 所 にそ れ を 知 ら せ る。 形 式 ま た は法 律 に違 背 し て いる こと が 立 証 さ れ る 場 合 には、 そ の判 決 は破 鍛 さ れ る。 ⋮ :.
当 事 者 の いず れ も 定 め ら れ た 期 間 内 に破 殿 を 主 張 し な か った こ と を 知 った 場 合 に は、 こ の期 間 が 満 了 し た の ち、 破 殿
﹁破 殿 裁 判 所 付 き 国 王委 員 は、 法 律 ま た は 手 続 形 式 に直 接 に反 す る終 審 と し て の判 決 が 行 わ れ たが 、 そ れ に対 し て
成 、 そ の組 織⋮
お よび そ の (
管 轄)分 配 を 規 定 す る﹂ デ ク レニ 五 条 に根 拠 を 置 く も の であ る。
な お・ 右 の破 殿 裁 判 所 判 例 の形 成 は、 一七 九 〇 年 一 一月 二 七 日 1 = 一
月 一日 の ﹁破 殿 裁 判 所 の設 置 を 定 め、 そ の構
変 化 が たど られ よ う。
判 例 に即 し て 検 討 さ れ る 。 これ に よ って、 一七 九 〇 年 八 月 一六 ー 二 四 日 のデ ク レを 援 用 す る ﹁権 力 分 立 制 ﹂ の中 味 の
期 の民 事 判 例 の中 に跡 づ け よ う 。 これ は 下 級 審 裁 判 所 の判 決 を ﹁
権 力 分 立 制 ﹂ に抵 触 す る と し て 破 殿 し た 破 鍛 裁 判 所
であ る と し て援 用 さ れ ・ し か も そ の際 、 ﹁後 者 ﹂ は ﹁
前 者 ﹂ の コ ロラ リ ー であ る と し て説 明 さ れ て いく 経 過 を、 革 命
め て い た 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レニ章 = 二条 が 、 ﹁司 法 裁 判 権 と 行 政 裁 判 権 ﹂ の分 離 を 根 拠 づ け る規 定
わ れ わ れ は こ こ で ﹁フ ラ ソ ス型 ﹂ 権 力 分 立 制 が 成 立 す る過 程 、 す な わ ち、 本 来 ﹁
司 法 権 と 行 政 権 ﹂ の分 離 を定
﹁フラ ソ ス型 ﹂ 権 力 分 立制 の成 立
望 くo犀き o, 9仲こ , 一ωω 魯 碧
で あ る。 , ω帥ロ畠o<oぎ
(91 )
(92 )
〔
二〕
一
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
こ の法 文 の具 体 的 意 味 は次 の様 な も の であ る 。 ま ず 、 司 法 裁 判 所 に 係 属 中 の事 件 に つ い て、 そ こ で取 扱 わ れ て い
o蓉 αの αo ℃o信くoマ を 構 成 す
る 事 柄 が ﹁行 政 権 ﹂ の専 権 に属 す べ き 筋 合 のも の で あ る の に 口頭 弁 論 終 結 時 ま で に行 政 権 の側 か ら何 ら の権 限 争 議 も
提 起 さ れ な か った場 合 に は、 司 法 裁 判 所 の判 決 の確 定 は ﹁権 力 分 立 制 ﹂ に違 背 し越 権
る こ と に な る 。 こ の場 合 、 破 殿 裁 判 所 にお け る 行 政 権 の利 益 代 表 者 で あ る 破 殿 裁 判 所 付 き 国 王委 員 は、 直 接 あ る い は
く三 p戯o翻 αo 冨 ho門
ヨ o o離 一
〇一で あ る こと が 明 ら か と な った場 合 、
司 法 大 臣 の命 令 に基 づ き 、 当 該 事 件 判 決 に対 す る 理 由 を付 し た破 殿 申 立 尉
δ¢署 9 を 破 殿 裁 判 所 に提 起 す る 。 破 殿 裁
判 所 は、 当 該 事 件 の判 決 が 形 式 ま た は法 律 違 背
す な わ ち、 司 法 裁 判 所 の管 轄 に属 す べ き で な い ﹃行 政 事 項 ﹄ で あ る こと が 明 ら か と さ れ た時 、 法 律 の利 益 に お い て
(93 )
そ こ で、 一七 九 〇 年 八 月 一六- 二 四 日 のデ ク レニ章 = 二条 が そ の本 来 の意 味 内 容 を変 化 さ せ て いく 過 程 であ る
α鋤昌ω 一
.
謬け
鈴 津 鳥o 冨 惹 これ を 破 毅 す る。
二
(94 )
が 、 これ は 便 宜 三 つ の段 階 に区 切 ら れ る 。 す な わ ち 、 第 一期 は 一七 九 一年 か ら 一七 九 三 年 こ ろ ま で、 第 二 期 は 一七 九
第 一期
こ の時 期 破 殿 裁 判 所 が 一七 九 〇 年 一 一月 二 七 日 ー 一二 月 一日 のデ ク レニ 五 条 に 基 づ き 下 級 審 判 決 を
三 年 か ら 共 和 暦 五年 こ ろ ま で、 第 三 期 は共 和 暦 五年 以 降 であ る。
O
破 殿 す る 場 合 、 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レは援 用 され る に到 って いな い。 こ の時 期 に 主 と し て 援 用 さ れ た
法 条 は、 常 に専 ら 一七 九 一年 憲 法 三 篇 五 章 三 条 の規 定 であ り、 し か も そ こ に お い て ﹁権 力 分 立 制 ﹂ 違 反 に 問 わ れ た も
ブ レ オ ソ 国9馨 氏 事 件 (
↓き .$。。
。。
二 δ 隷く﹂ お b。⋮ω幕 ざ 齢
・ド u・ω) ︹
1︺l i フ レジ ュ 宰 勘儒ω裁 判 所 は、 関
の は ﹃活 動 行 政 事 項 ﹄ に対 す る 司 法 権 の侵 犯 I I ﹁司 法 権 と行 政 権 ﹂ の分 離 に関 す る事 柄 ll の場 合 であ る。
ω
税 徴 収 官 た る、 ブ レ オ ン氏 の生 命 ・財 産 に 危 害 が お よ ぶ こ と を 防 止 す る た め に、 同 氏 を 法 律 と 裁 判 所 の保 護 下 に お
く こと を 宣 告 し た命 令 を 発 し た の に対 し て、 政 府 委 員 は、 右 命 令 は、 市 民 の安 全 を 監 視 す る 行 政 権 の権 利 を 侵 害 す
(119)
119
る も の であ る と し て、 破 殿 裁 判 所 に通 告 し た。 ﹁一七 九 一年 七 月 二 日 の フ レジ ェ裁 判 所 の命 令 は、 ﹃裁 判 所 は、 立 法
O。日 § § 。 α.
出 。弓 ・ぎ 垣 事 件
(↓ ユげ●8 。
・。
・二 一①噂 ヨ 霞 。。 嵩 8 脚ω冨 ざ
け 押
b・躯) ︹2 ︺ 1
事 案 は 、教
権 の行 使 に介 入 し、 ま た は法 律 の執 行 を 停 止 す る こ と も、 行 政 の職 務 を 侵 害 す る こと も でき な い﹄ と規 定 し た、 憲
ア ソ ヌボ ソ 市
法 典 三 篇 五 条 三 章 に反 す る こ と に ょ り ・
・
⋮⋮・
。
﹂
沿
会 に 関 す る 行 政 措 置 に つ い て 討 議 す る よ う 、 市 の住 民 が 集 合 す る こ と を 命 じ た 、 ロ リ ア ソ ぎ 吋
一
.口什裁 判 所 の 判 決 に
対 し て 、 検 察 官 ヨ巨 。。
齢
器 崔 げぎ が 破 殿 申 立 て を 行 った 事 件 。 二 七 九 一年 一二 月 一〇 日 の ロ リ ア ソ 裁 判 所 の判 決 、
一二 日 の 調 書 胃。畠 甲く霞冨 一そ し て 同 月 二 〇 日 の 判 決 を 、 憲 法 典 五 章 三 条 、 ﹃裁 判 所 は 、 立 法 権 の 行 使 に 介 入 し 、 ま
け ド や ㎝) ︹3 ︺ 1
事 案 は、 サ
に お い て 侮 辱 を 受 け 、 精 神 的 損 害 を 蒙 った 旨 の 調 書 を 、
(
↓ユσφ$ 。。
。
。二 ω ヨ既 ミ 露 ⋮ ω冨 ざ
た は 法 律 の執 行 を 停 止 す る こと も 、 行 政 の職 務 を 侵 害 し、 ま た は行 政 官 を そ の職 務 を 理 由 と し て呼 び 出 す こ と も で
サ ン ・ド レ イ ω繊 亭 ∪。冨団 市 町 村 吏 員 事 件
き な い 。﹄ に 反 す る も の と し て 取 消 す 。L
紛
ソ ・ド レ イ の 市 町 村 吏 員 ら が 、 第 一次 会 霧 。・
。日頴 。 窟 § 9冨
県 の 執 行 部 に 提 出 し た こ と に 発 す る 。 事 件 は 、県 執 行 部 の 命 を 受 け た 起 訴 官 に ょ り 、ロ シ ュ ーボ マ ー ル 幻。。冨 bd。ヨ曽.
鳥
裁 判 所 に 付 託 さ れ た が 、 裁 判 所 は 、 被 告 発 者 等 に よ る 侮 辱 お よ び 精 神 的 侵 害 の事 実 な し と 判 断 し た 後 、 今 度 は 逆
に、 被 告 発 者 等 に ょ る 、 市 町 村 吏 員 等 に 対 す る 損 害 賠 償 請 求 訴 訟 を 認 容 す る 勢 い を 示 す に 到 った 。 こ れ に 対 し て 、
被 告 ・市 町 村 職 員 等 は、 当 該 裁 判 所 の 事 件 の 審 理 は 、 無 権 限 一
口。。ヨ忌 一
.ロ。. で あ る 旨 の 抗 弁 を 提 出 し た が 、 却 下 の
決 定 を 受 け 、 事 件 は な お 裁 判 所 に 係 属 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ の事 件 に 対 し 、 政 府 委 員 は 、 当 該 裁 判 所 の 決
定 は 、 行 政 官 を 、 そ の職 務 を 理 由 と し て 裁 判 所 に 呼 び だ す こ と を 禁 じ る 憲 法 典 の規 定 に 反 す る と し て、 破 殿 申 立 て
を 行 った 。 ﹁ロ シ ュ ーボ マ ー ル裁 判 所 の決 定 は 、 一七 八 九 年 一二 月 一四 日 の法 律 六 〇 条 (市 町 村 庁 の行 為 に対 す る 行政
120
(120)
フラソス革命期行政裁判制度研究試論
上 の不服申 立 て手続)、 憲 法 典 三 篇 五条 三 条 に反 す る と し て、 破 殿 し 取 消 す 。
﹂
さ ら に、 行 政 裁 判 権 と 司 法 裁 判 権 の権 限 争 議 の事 例 に 関 し て も、 こ の時 期 は、 行 政 裁 判 権 の例 外 性 の原 則 か ら、
﹁執 行 権 の 委 員 の請 求 を 聞 き 届 け る こ と に ょ り 、
エダ ソ 山。巴 貯 に あ る モ
直 接 税 に 関 す る 紛 争 の 審 理 権 は 、 司 法 裁 判 所 で は な く 、 行 政 体 に 属 す る と 判 示 し た 事 件 (撃 登 8 。・∼ 卜。Φ
援 用 さ れ る 法 条 も 、 列 挙 さ れ た各 個 別 行 政 事 項 の根 拠 法 であ った 。 た と え ば 働
一
師師質 嵩 Oω⋮碧吋。ざ け ど ㌘ 鼠 ) ︹4 ︺ ー 1
ン ト ル イ ユ 寓。ロけ
脱.ロ篇 裁 判 所 の 判 決 を 破 殿 し 取 消 す 。 な ぜ な ら ぽ 、 当 該 裁 判 所 は 、 そ の 審 理 権 が 、 行 政 体 に 排 他 的
に 専 属 す る 直 接 税 の 問 題 に 関 す る 紛 争 に つ い て 裁 判 し た か ら で あ る 。 こ の こ と は 、 つぎ の よ う に規 定 し た (略 ) 一
(↓き ・$ ・
。
。。二 b。一 く8 酔
・碧
鳶 ω冨 ざ 件
﹂ u や誌 。
。) ︹5 ︺ 1
公 土 木 の損 害 賠 償 訴 訟 事
七 九 〇 年 六 月 二 二日 の法 律 二 条 、 お よ び 、 つぎ の よ う に 規 定 し た (
第 一章 第 四節 一のω H第 二 論 文 三 の 一のω 参 照 。) 一
シ ャ ベ ル 9 "冨 =。 氏 事 件
七 九 〇 年 九 月 一 一日 の 法 律 }条 に 反 す る 。﹂
佃
件 。 ﹁つぎ の よ う に規 定 し た (
第 一章第 四節 一のω 11第 二論文 三 の 一のω 参照 。
) 一七 九 〇 年 九 月 一 一日 の法 律 四 条 よ り、
本 件 に お い て は、 ペ リ エ町 .
鋤翻仲
。
昌 α。頴 .
一
。
賊
。, の治 安 判 事 は、 求 め ら れ た 評 価 を な す だ け で満 足 せず 、 起 業 主 に対 し
て、 請 求 さ れ た 損 害 賠 償 の支 払 いと 掘 さ く し た 場 所 の原 状 回 復 命 令 を も 宣 告 し た 。 こ の点 、 彼 は、 明 ら か に、 デ ィ
ス ト リ ク ト お よ び 県 の行 政 体 に属 す る 職 務 を 侵 害 し、 起 業 主 の支 払 い に よ っても 判 決 へ の服 従 に よ って も 覆 いえ な
第 二期
一七 九 三 年 に 到 り ょ う や く 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レニ章 = 二条 が 援 用 さ れ る に 到 る 。
い違 背 を 侵 し た。 な ぜ な ら ば 、 裁 判 所 の命 令 は 、 公 法 に属 す る 事 柄 へ の侵 犯 だ か ら であ る 。
﹂
⇔
し か し なが ら、 これ は、 一七 九 一年 憲 法 の廃 止 に伴 い、 当 面 の準 拠 法 文 が 見 失 わ れ た 結 果 であ る 。 し たが って・ 一七
九 一年 憲 法 典 が 果 し て き た 行 政 権 と 司 法 権 の分 離 に 関 す る 一般 的 準 拠 法 文 と し て の役 割 が 、 同 デ ク レに よ って 肩 代 り
Cr21)
121
行 政 権 に 対 す る 司 法 裁 判 所 の 差 止 め 命 令 の 事 件 (↓き ・B 。・。。.
藁 ご 巨 .ミ㊤。。嚇ω冨 ざ 件・ど や﹂ ㊤) ︹6 ︺ 1
さ れ た にす ぎ な い。 た と え ば l l
ω
妻
申 立 て 事 件 。 ﹁司 法 権 の組 織 に関 す る 一七
は ・ 軍 需 品 の量 ・ 馬 匹 ・荷 車 の数 の調 査 の目 的 で、 行 政 官 に留 守 中 、 家 宅 調 査 さ れ たも のが 、 家 屋 損 傷 の損 害 賠 償
と 退 去 命 令 の請 求 を・ デ ィ ス ト リ ク ト裁 判 所 に求 め た 事 件 に対 す る轟
九 〇 年 八 月 二 四 日 の法 律 二 章 一三 条 よ り 、政 府 委 員 の 請 求 を 聞 き 届 け る こ と に よ って 、 ノ を フ ソ 氏 2.爆=ロ の 申 立 て
に 基 づ く 一七 九 二 年 九 月 二 七 日 、 一〇 月 三 日 の ア ソ グ レ ー ム ﹀ロひq。賃后ヨ。 デ ィ ス ト リ ク ト 裁 判 所 の 二 つ の 命 令 は 、
も﹄ 一) ︹7 ︺ー i 夫 が 暗 殺 さ れ 寡 婦 と な っ た 同 夫
の危 害 が お よ ぶ こ と を お そ れ て、 身 柄 の保 護 を 裁 判 所 に求 め た事 件 で、 裁 判 所 は、 彼 女 を 法 律 の
ゴ セ夫 人 冨 く窪 く。 O。。。
。。卑 事 件 (↓暮 ・8 ω。・二 躯 。。件
﹂ δ ω嚇件
ト
越 権 と 上 述 の 規 定 に 反 す る こ と か ら 、 破 殿 す る 。﹂
↓
田
人が ・ 再 び暗 馨
申 立 て し た 。 ﹁請 求 を 聞 き 届 け る こ と に よ り、 越 権 を 構 成 し、 さ ら に、 毛
九
保 護 と 市 の責 任 下 に お く こ と を 宣 告 し た 。 これ に対 し て、 政 府 委 員 は、 裁 判 所 の判 決 は、 市 民 の安 全 を 監 視 す る行
政 権 の権 限 の侵 害 であ る と し て嚢
〇 年 八 月 一六 i 二 四 日 の法 律 二章 = 二条 に反 す る と こ ろ の、 異 議 申 立 て さ れ た判 決 を破 殿 す る 。
﹂
さ ら に・ 一七 九 一年 憲 法 典 の肩 代 り であ る と いう 意 味 で、 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レを 援 用 す る判 例
関 し て は、 司 法 裁 判 所 は無 権 限
氏 お よ び マ レ ルブ 氏 が 、職 務 遂 行 中 に惹 起 し た違 法 行 為 の損 害 賠 償 請 求 事 件
ロバ ンお よび マ レ ルプ "oびぢ oけ竃 巴ず¢筈 o 氏 事 件 (
↓暮 .霧 ω
.
b ω<。鼻 琶 癖嚇ω冨 ざ 仲
﹄
審 の事 案 は ・市 町 村 吏 員 た る ・づ
ウ お ) ︹8︺ 1
の中 に は・ ただ 単 に・ 裁 判 官 の実 質 的 行 政 作 用 の行 使 を禁 じ る、 後 段 の具 体 的 文 雪口を掲 記 す る に と ど ま る も のが 多
而
い。 た と え ば ー 1
笙
で・ 婆 暑 か ら デ ィ ス ト リ ク ト裁 判 所 に提 訴 さ れ た も の。 両 氏 は、 公 務 員 の訴 邊
122
0122)
フ ラソス革命期行政裁判制度研究試論
であ る 旨 の抗 弁 を 行 ったが 、 裁 判 所 は、 被 害 者 に対 す る両 氏 の違 法 行 為 は、 職 務 に関 係 し な い単 な る 私 人 の行 為 と
し て行 わ れ た も の であ る と し て、 却 下 決 定 を 下 し た 。 こ の事 件 に対 す る 破 殿 申 立 て事 件 が 本 件 であ る。 ﹁﹃裁 判 官
は、 行 政体 の活 動 を 妨 害 す る こと が で き ず 、 ま た、 行 政 官 を そ の職 務 を 理 由 と し て呼 び だ し す る こと が でき な い。
これ に 違 反 す る時 は、 演 職 の罪 と な る 。﹄ と 規 定 す る、 司 法 権 の組 織 に 関 す る 一七 九 〇 年 八 月 一六 ー 二 四 日 のデ ク
第 三期
司 法 権 と 行 政 権 の分 離 の原 則 を 規 定 し た こ の様 な 一七 九 〇 年 八月 一六- 二 四 日 のデ ク レニ章 二 二条
レ 一三 条 よ り ⋮ ⋮ ⋮ 。
﹂
⇔
が 、 司 法 裁 判 権 と 行 政 裁 判 権 の権 限 分 配 を 根 拠 づ け る 一般 的 法 文 に変 貌 す る の は、 本 文 に述 べ た様 に、 共 和 暦 五 年 芽
月 二 日 の総 裁 政 府 命 令 によ る ﹁性 質 上 の行 政 訴 訟 ﹂ の出 現 と、 これ に基 づ く 行 政 裁 判 権 の普 通 法 裁 判 権 化 に基 因 す る
も の で あ った 。 そ し て、 こ の総 裁 政 府 に ょ り 宣 明 さ れ た 一七 九 〇 年 八 月 一六i 二 四 日 のデ ク レ に対 す る新 し い 解 釈
は 、 共 和 暦 五 年 以 降 の破 殿 裁 判 所 の判 例 に実 質 的 な 影 響 を与 え、 こ の時 以 降 、 こ のデ ク レが 援 用 さ れ る時 の ﹁権 力 分
ll ﹁司 法
事 案 は、 旧 亡 命 貴 族 に支 給 さ
立 制 ﹂ 違 反 は、 ﹃活 動 行 政 事 項 ﹄ に対 す る 司 法 権 の侵 犯 で は な く 、 ﹃行 政 裁 判 事 項 ﹄ に対 す る 司 法 権 の侵 犯
ルゴ フ 常 oq。庸 氏 事 件 (
↓き ・$ 。・
ω
二 δ 鵠。磐 9。
譜 ご ω冨 ざ 戸 封 宰 μ雷) ︹9︺
裁 判 権 と 行 政 裁 判 権 ﹂ の分 離 に関 す る 事 柄 I l を 意 味 す る 様 に な る。
ω
れ る べ き 年 金 受 給 権 を、 県 行 政 庁 の許 可 に基 づ き 、 支 給 者 が 、 他 の市 民 間 に分 与 し た 行 為 を 無 効 と 断 じ た・ デ ィ ス
ト リ ク ト 裁 判 所 の判 決 に対 し 行 わ れ た 破 鍛 申 立 て事 件 。 コ 七 九 〇 年 八 月 二 四 日 の法 律 二章 = 二条 、 同 じ く 共 和 暦
三 年 実 月 一六 日 の法 律 よ り ⋮ ⋮ ⋮ これ ら の支 給 行 為 の効 力 を判 断 し、 これ ら を 無 効 と 宣 言 す る こと は、 民 事 裁 判 所
が 、 行 政 権 の行 為 を審 理 し、 これ を 無 効 に す る こと で あ る 。 か く す る な ら ば 、 民 事 裁 判 所 は、 越 権 を 侵 し・ 一七 九
〇 年 の法 律 お よ び 共 和 暦 三 年 の法 律 に違 反 す る か ら ⋮ ⋮ ⋮破 殴 す る 。
﹂
0123)
123
呼
ロー ラ ン
ド薗霞 o暮
氏 事 件
(↓ き . 霧 ωこ ニ
ヨ 。。・。。・ 9・昌 一〇咽 。ヶ冨 ざ
ρ 員
や
塗
) [P ︺ I l 物 品 納 入 契 約
{。ロ﹁旨甲
言 器 。・ の支 払 いを ・ 政 府 担 当 係 官 (
貧民 収容所管 理官) に求 め て、 民 事 裁 判 所 に提 訴 し た事 件 に対 し、 行 わ れ た破 鍛
申 立 て事 件 ・ コ 七 九 〇 年 八 月 二 四 日 の法 律 二 章 = 二条 、 共 和 暦 三 年 実 月 一六 日 の法 律 、 共 和 暦 八 年 風 月 二 七 日 の
法 律 八〇 条 よ り・ ブ ー ルジ ェ 野 弩鴨 。。裁 判 所 が 審 理 を 求 め ら れ た事 項 は、 純 粋 に行 政 的 な も の であ る こ と か ら 、
破 殿 す る 。﹂
さ ら に・ これ 以後 ・ 閣性 質 上 の行 政 訴 訟 ﹂ の場 合 の み な らず 、 従 来 、 行 政 裁 判 権 の例 外 性 か ら 個 別 実 定 行 政 法 規 に
準 拠 す る に と ど ま って い た通 常 の行 政 訴 訟 の権 限 争 議 事 件 に関 し て も 、 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 のデ ク レ は、 積
ボ ー ヌ市 住 民
=き
塁
ω 留
切 。琶
。 事 件
(﹂
門臣ぴ. Omooロロニ NQ
o ヨ ①o自ω・ 山コ 刈旧 ω冒①ざ
け 滑
ラ 悼さo㎝) ︹咽
且︺ 1
事 案
極 的 に活 用 さ れ る に到 る の で あ る 。 た と え ば 、 直 接 税 (一七九〇年 九月 六、 七ー 一一日 のデ ク レ 一条 ) に 関 す る事 件 に つ
い てー i
㎝
は・ ボ ー ヌ市 町 村 庁 が な し た、 営 業 税 曾 o穽 α① ℃9。8算 ① の減 額 決 定 を取 消 し た コー ト ・ド ー ル Oひ仲
卑兜O同県 行
政 庁 の処 分 を 争 い・ 住 民 等 が 治 安 判 事 に提 訴 し た事 件 の破 穀 申 立 て事 件 。 ﹁
憲 法 典 二 〇 三 条 、 共 和 暦 四年 葡 萄 月 一
〇 日 の法 律 三 条 ・ 一七 九 〇 年 八 月 一六ー 二 四 日 の法 律 二章 = 二条 、 共 和 暦 三年 実 月 一六 日 の法 律 ⋮ :⋮ 、 さ ら に、
冨 くoロ<o 勺①oρ口卑
事 件
(↓暮 ・ $ 。。ω二 嵩 隷 ヨ ・雪
。
。嚇ω冨 ざ 酔・ ド o・鵠 一) ︹12 ︺ -
他 の市 民 に賦 課
憲 法 典 二 六 二 ・ 二 六 三 条 よ り、 行 政 体 の行 為 の効 力 の判 断 権 は、 裁 判 官 に属 しな い。 行 政 体 の作 用 は、 司 法 権 か ら
プ ケ夫 人
独 立 であ る 。
﹂
㈲
さ れ て い た租 税 負 担 額 を ・ コミ ュー ソ内 の市 民 間 で 均 等 に分 担 、 肩 代 り す る こと を 決 定 し た市 町 村 庁 の命 令 に基 づ
い て・ 治 安 判 事 が ・ プ ケ夫 人 に、 納 付 を命 じ た事 件 の破 殿 申 立 て事 件 。 ﹁司 法 作 用 は、 行 政 作 用 と異 り、 つね に そ
124一
CY24)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
れ か ら 区 別 さ れ る 、を 一般 原 則 と し て 確 立 し た 一七 九 〇 年 八 月 一六 - 二 四 日 の 法 律 二 章 = 二条 、 お よ び 、 裁 判 所 は 、
法 律 に 反 す る こ と な し に 、 行 政 の 行 為 を 審 理 す る こ と は 重 ね て 禁 止 さ れ る 、 と 規 定 し た 共 和 暦 三 年 実 月 一六 日 の法
律 に ょ り :⋮ ・
⋮ 治 安 判 事 は 、 越 権 を お か し た こ と か ら 、 判 決 を 破 鍛 す る 。L
私は旧稿 (自治研究五〇巻三号 =輔
= 、 二頁) にお いて、 この {七九〇年 一一月 二七日・1 一二月 一日 のデ ク レニ五条を積極的権限争議手続
の規定 であるとして紹介したが、 これは明らかな間違 いであ った ので、 ここにおわび し訂正する。 この規定は積 極的権限争議手続規 定 (一七
" 留5ユ$ oぎ 名 ・9齢
己, 一
ω卜。簿 の
:
続規 定 である。
九〇年 一〇月 七- 一四日 の法律三条、 共和暦三年実月 婦= 臼 の法律 二七条) を受け て、 行政権が実際 に司法権 に対 し権限主張を行う 場合 の手
(93)
(%)
総 括 と展望
以 上 われ われ は簡 単 なが ら フラ ン ス革 命 期 行政 裁判制 度 に ついて概観 し てき た。 これ によ ってわれ わ れ は革 命期 行
政 裁 判 制度 を成 立 せし め た動 因が、 ま ず革命 初期 におけ る直接 税制 採 用 の試 みと租税 増徴 政 策 に、 ついで国有 財産 売
却 を横 杯 とす る革命 後 期 の財 政政 策 と革 命 の政治 的 成果 と し て の土地改 革 の確保 と に求 められ る こと を知 つ煽㌍ し た
が ってより直 戴 に表 現 す るな らば、 革 命期 行 政裁 判制 度 は、 革命 諸 政府 の財政 基盤 確 立 のた め の諸方 策 を側 面 から有
効 に支 持 す る た め に、 さ ら に・ 革 命 の胎 内 か ら 生 み出 さ れ た 薪 し い権 利 L・ 薪 し い租 魏 ﹂ (
国 有財産売 却 によ って獲
得 さ れた農民 .市民 の土地 所有権)擁 護 の た め に、 合 目 的 的 に 編 制 さ れ た紛 争 解 決 シ ス テ ム であ った と い いう る の で あ
る 。 か く て、 フ ラ ソ ス行 政 裁 判 制 度 と これ に よ り 生 み出 さ れ た 行 政 ﹁公 法 ﹂ と は、 と り わ け 国 有 財 産 売 却 訴 訟 の論 理
ブ ルジ あワジ ロ
を 典 型 とす る 様 に、 ま さ に市 民 階 級 の体 制 と利 害 を 代 弁 す べ く 成 立 し た も の に ほ か な ら な か った 。
し か しな が ら、 右 の事 柄 を達 成 せ し め る た め に、 革 命 期 行 政 裁 判 制 度 と 実 体 行 政 法 の論 理 と が 、 革 命 の打 ち樹 て た
0125)
i25
﹁市 民 療
判 作 用 の琶
理 ﹂ の屡
理﹂ー
蕃
た り 同 時 に当 薯
た り え な い﹄ と す る原 理 、 お よ び 司 法 裁 判 所 に ょ る ﹃裁
を見 失 わ 芸
起 占だ そ の晶
削後 と いう意 肇
判 制 度 にお い て も 引 き 続
使 用 し てき た.
し め る所 以 で
から明
も の であ り、 そ の後 の フ 一
フソ ス行 政
な い歴 史 的 事 件 に 帰
権 と の対 立 .抗 争 か ら 説 き 起 す通 説 の
確 立 の努 力 が 積 み重 ね ら れ る こ と に な る。
後 期 ﹂ と いう時 、 国 民 公 会 成妾
解 し え な い ま ま に お わ ら し め る も の で あ ろ う こ と は、 以 上 の私 の簡 単 な 藁
行 政 裁 判 制 度 の意 義 と 讐
旧 体 制 下 の極 め て限 定 さ れ た立
、
探 し か奨
旧体 制 下 に お け る パ ル ル マ ソ圭
﹃フ ラ ソ ス近 代 行 政 裁 判 制 塵
初期﹂﹁
蕃
懲
政 期 の到 来 と そ の下 で の旧 封 建 勢 力 と の再 度 の闘 争 に お い て、 市 民
的 に ナポ レ オ ソ の行 肇
に違 背 、 自 ら これ を 踏 み にじ る も の であ った .
﹂と は、 端 的 に、 そ こ に お け る ﹁政 治 原
特 に・ ﹃何 人 も 裁 醤
性 ﹄ の理 念 ー
し か し な が ら、 復 皇
と支 配 を物 語 るも の で あ っ た ・ そ し て こ の体 制 は葉
き 変 わ る こ と は な か つ檎
三 に
階 級 はそ れ ま で の行 政 裁 判 制 度 を ﹁市 民 法 原 理 ﹂ と 調 和 せ し め るべ き こ と が か・
兄 .て そ の型 、讃
あ る こ と に想 到 塗
これ に つ いて は稿 を 改 め て 論 じ よ う 。
と も あ れ ・ フ ラ ン ス行 政 裁 判 制 度 の成 妾
に お い三
遂鐘
近 代行 政 裁判 制 度 と し て の フラ 三
解 釈 は・ フ ラ ソ ス行 政 裁 判 制 度 と 行 政 公 法 の成 妾
晦
法 史 全 体 のダ イ ナ ミズ 夢
森
ら か に な った で あ ろ う 。
(95)
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纒難 羅講 鱗
鰭 糠鰍羅醐
顎講 鱗
126
(126)
フランス革命期行政裁判制度研究試論
旧 封建 勢 力 の拠 る政府 の支 配 ・介 入 を通 じ て、 市 民 の和 益が 損 わ れ る のは火 を 見 るよ り賜 ら かであ ウた、 かく し て成 った も のが 、 一方 にお い
て、 国有 財 産売 却 訴 訟 の歴 史的 因 縁 と そ の取 扱 い に無 理解 な おそ れ のあ る、 民事 的 教 条 に依 る司 法 裁 判 所 への係 属 を 回避 し つ つ、 他 方 にお い
て、 既 存 の コン セイ ユ .デ タ の組 織 ・手続 の司 法 的編 成 替 え によ る裁 判 の公 正確 保 を 前 提 と し たと ころ の、 独 立 の行 政 裁 判 所制 度 の構 想 であ
った (コル ムナ ン、 マカ レ ル)。 そ し て、 こ の構 想 が 、 そ の後 の フラ ソ ス行 政 裁判 制 度 の発展 の原 理的 基礎 を 構 成 し て い
く 。 詳 細 は続 編 によ
る。
な お、 私 は右 の註 で述 べた と ころ から、 現 行 フラ ソ ス コソ セイ ユ ・デ タ の原 理 的基 礎 を 、通 説 の考 え る様 に、 ナポ レオ ソの コン セイ ユ ・デ
タ に求 め る ので はな く、 復 古 王政 期 の ロソ セイ ユ .デ タを め ぐ る論 争 の中 に み る。 これ こそが フ ラ ソ ス産 業革 命前 夜 にお け る行 政 裁判 制 度 の
資 本 合 理 的 編成 を目 指 す も のであ った か ら であ る。
む ソ せ イ ハ ウデ ユ コル ワ
アソタソダン
繁 書 し た様 に、 通 説 は革 命 期 行 政 裁 判制 度 の成 立 を絶 対 王 権 の種 々 の施 策 を 阻 止 し た、 融 舗 濁 防 に対 す る政 治 的 不信 感 から 説 明す る。 し か
し、 市 民 はま さ に絶 対 王 政 下 の行 政裁 判 制 度 (国 王顧 問 会 議 と 地方 総 監 ) そ のも のにも 同 じく 反 対 し て いた ことを知 ら ね ば な ら な い。 通 説 の
政 裁 判 制度 と行 政 法 と の歴史 科 学 的 比定 を 行 う ことが でき な く な る。
兼 子 ¢ 教 授 は、モ ーリ ス ・オ ーリ ューを引 照 し つつ次 の様 に述 べ られ る。 ﹁⋮ -0 ・マイ ヤ ー以 降 、 旧 ド イ ッ型 ﹃行 政 制 度﹄を 基盤 とす るド イ
様 に解 す る なら ば 、 革命 期 行政 裁 判制 度 は、 絶 対 王政 下 の行政 裁 判 制度 の単 な る後 身 にな り おわ る。 のみな らず 、 通 説 の理 解 で は、 ド イ ッ行
(99)
(001)
(0)
ツ行 政 法 が 、
裁 判 権 と 同質 の優 越 性 を も つ公 権 力 の行使 す な わ ち権 力 関 係 に か かわ る公 法 と し て、私 法 と は本 質 を異 にす る法 体係 を形 成 し てき
も
カ
あ
ヵ
む
も
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り
たと みら れ る のに対 し て、 M .オ ーリ ュー によ れば 、 フラ ソ ス型 ﹃行 政制 度 ﹄ に基 づ く フラ ンス行政 法 はた し か に 一応 ﹃自 律 性﹄(
遷一
8 0ヨo)
を も っては いるが 、本 質 上 はあ く ま でも ﹃普 通法 と の関 係 にお け る例 外 的性 格﹄ (
$ 轟簿酵① o蓉 o唱蹴零 ロ①一冨 ﹃鑓 国 δ詳 窪 紆 o搾 8 ヨ§§ )
・
を有 す ると ころ の ﹃
例 外 法﹄ (毒 時 o搾 粟 8 やユo彗 9) な のであ って、 裁 判 官 によ り 一定 の場 合 にだ け 普 通法 に優 先す るも のと し て形 成 され
た ﹃
衡 平 法﹄ (
§ 牙 o犀 鳥.
9 鼠 融) に ほか な らな い の で あ る 。
﹂(
傍 点 - 兼 子) ﹁
行 政 行 為 の公 定 力 の理論 (
中 )﹂ 国家 学 会 雑誌 七三 巻 =
一二 号 七五 、 七 六 百岱
かく て、 自 足 的 一元的 救 済 機 構 と し て予 定 さ れ てあ った司法 裁 判 所 と そ の下 で の私 法 体系 に対 し 、あ え て分離 され たと ころ の行 政 裁判 制 度
と 行政 ﹁公 法 ﹂ の存 在 意 義 は、 司法 裁 判 所 と私 法 体 系 によ って は救 済が 必ず しも 十 全的 でな い局 面 で の市 民 の権 利 救 済装 置 と し てあ る こと で
希匂。尉
65器げ田 泳 α窃
仲
鑓 く麟=誕 薯 窪 6の の理論 (
近 藤 ・前掲 書 三 三 五 頁)、 行 政契 約 の特
役務 過失 の理 論 (近 藤 昭 三 ・﹁行 政 と補 償 ﹂ 講 座現 代 法 4 三 三
あ った。 かく て われ わ れ は 市民 の権 利 救済 装 置 と し て の挙 証 貴 任 が 不断 に こ の行 政裁 判 制 度 と行 政 ﹁公 法 ﹂法 理 の側 に課 せら れ て いる フラ ン
公 土 木責 任
ス行 政 法 の構 造 に止 目 す べき であ る。 た とえば 、 行 政 の損 害 賠 償 責任 法 理ー
〇、 三 三 一頁 ) 同 じ く損 失 補 償 法 理-
殊 効 力 の意 義 (
山 田幸 男 .行 政 法 の展 開 と市 民 法 二 一二、 二 一四、 三 一六頁 ) 等 々、 司法 裁 判 例 に先 駆 け て の行政 判 例 の開明 性 は こ こに淵 源
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127
いても ・後 果 し た い・ し たが って こ ・
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少 し立 ち 入 った註 記
政期 行 政 裁
一九 七 八 ・二 ・ 一七 )
いで、 復 皇
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、 国有 財 産 売 却訴 訟 の経 済 史的 菓
なが ら論点 のみ掲 げ 試 論 と し て提 出 し て 蓼
再 び 見直 し補 正 し た いと考 えて いる. また、 革 命 初 期財 政 肇
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判 制 度 の検 討 を 行 いた い。
128
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