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11巻 5号 (1980年1月発行) - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部

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11巻 5号 (1980年1月発行) - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
11巻5号 昭和55年1月
東京大学理学部
地球周辺空間における
自然電磁波のスペクトル
目 次
核融合エネルギーの展望……………………官 本 健 郎…… 2
“数学は目の科学である′‥・……=…‥‥=…・小 嶋 稔…… 5
2号飽RI分室の改修に当って思うこと‥・代 谷 次 夫…… 7
退職に醸して…………………………‥=‥…新 井 久 男…… 8
新井事務長…‥・………………………………杉 森 政 雄…・= 9
<学部消息>……=…………・=‥‥…………………………………10
`
雌lど 1
ソ
・■
`:ヽ ,
1
)│
:
地球i周 1辺 空 FH5に おける 自然電1磁
波の.ス ベ ク トル
地球をかこむ広大な磁気圏は:稀 簿電離プラ.ズ マに充あてぉり,自 然Q重大なプライマ実験室と
云える。.と くICtt」 liネ ルギ■粒子が飛,び かっている額聴 (地 球申心から―
地球瓢径の3ん 10借 に
わたる個域)で は,1羮 動
●
粒子
・
精二作幕で発生する様々なプラズ■汲動1赫 存在する。この うち
静電1的 波動は地■t・ は観測されなぃが1電 子のジャイロ潤鱗蠍 より書い周籐数帯oホ インス│ラ ‐
モード渡は地上意│で 劃達する。これらはvL.F故射iと1熙 れておわ ,:覆懸な動スペタトル
構造を
も,て いる。ここに示した例は,南 種昭和基地■ 970年 1月 26日 1爆 力2o摯 -16わ
llさ
10.π UTに わたって観■
れた準庸期的放射のスペタトル.で ある。離神は凋1波 .数 で,ス ペ│タ ト
ツ輯 ぶ膿淡で示されてお│り ,時間にともに変化する、
ノ
スペタ トル0様相が勇らかにされでい.る 。
赦射離 は20∼ 3o紗 の周蒻で変調を受けており:,そ れれ .の かた│ま りは1さ らに糧郎的雌、
り返し (周 調約3秒)を もつ欲細構造清:示 │し て,ヽ る。この短潤‐
期構造1ま ,地 球10確力線に沿っ│て
きイッスラーモー ド波東が南北両辛球に│わ たって往復する.こ とによ.る ものであり,長 1朧期成分は
ら鶴い毒裁輔制本波に,よ ―
贈
,て ,‐ 放射翁
るこ―
とによると考えられているo
このように地球周辺空間でのメラズマ競動を研斃する上にVLF自 1然 電磁
塑 観測が役立って
`
いる。
‐
一
分
地減物理研究施設1 国
1‐
、 =i_[_三 二:二 ■ .│:=
征
核融合 エ ネル ギ ーの展望
宮
1.序
本
健
(物 理)
郎
が 06で あ る こ とを考意す る と,そ の 25倍 の 量
論
`
核 融合 エ ネ ル ギー とい うとき 夢 の エネル ギ
にな る)で あ り,わ ず かな量である。 したが って
ー″ とい う形 容詞 の つい た形で 紹介 され ることが
U-235の
か つ ては 多か った 。それ はい つ にな った ら実現 す
では ,当 面は重要 な貢 献 が期 待で きて も長期的 な
るのかわか らない夢 のよ うな話 とい う意味 と,も
観点 に立 てば 安 心す る こ とはで きない 。
核分裂連鎖反 応を用い る熱 中性 子炉
し実現 したな らば無尽蔵 の ク リー ンな エ ネル ギ ー
現在開発 が 進 め られて い る高速増 殖炉 は,U―
資源 を手 にで きるか も知れ ない 夢 のよ うな期待が
へ て ,よ うや く科 学的実証 にむ けて 現実的 な展 望
235の 核分 裂 によ って エネ ル ギーを発生 しつ つ
同時 に高速 中性子 を燃 えな い U-238あ るい は
Th-232に ぶつ け て ,燃 えやすい核燃料 Pu―
239,U-233に
核 変換 し,増 殖 させてい く
が 開かれ るよ う にな って きた。それ に ともな って
タイプの原子 炉 であ る。 この 高 速増殖炉 は よ うや
核 融合 に対す る夢 の よ うな期 待 も現実的 な評価 に
く原型炉か ら実証炉 が建設 され る段 階 にな って き
おきかえ られ よ う としてい る。
た 。 この タイプの炉 が 実用化 されれ ば,天 然 ウラ
,
こ め られ ていた よ うに思 われ る。
戦 後間 もな く始 まった核融合研究 は紆余曲折 を
ンの 大部分 を 占め る U-238を
よ く知 られ てい るよ うに世界の エネ ル ギ ー消費
43× 106ト ンは
350Q程 度 , トリウム資源量 13× 106 トン
量は 19世 紀 に入 って増加 の一 途 をた どり,1975
年 においてはおよそ 025Q/年
全部利 用で き る
よ うにな る。 ウラ ン資源量
(lQ=1.05
× 1021ジ ュ_ル )の 割 合 にな って いる。 これ に
は
100Q程
,
度 の エネル ギ ー資源 と考 え る ことが
で きる。
対 して 石 油 の採掘 可能埋 蔵量 は未発見 の もの も含
めて およそ 10Q程 度 (確 定 量 36Q:628×
109バ ー レル ∼ 1.0× 10■ 1配 ホ),天 然 ガスは
ア,ア フ リカ に,ト リウムは イ ン ド,ブ ラジル
お よそ 10Qと 推定 されて い る。石炭 は これ よ り
アメ リカに偏在 していて 日本 には少な い こ と,核
や や 多 くておよそ 70Q程 度 と見積 られてい る。
分裂生成物 の処理 ,プ ル トニ ウム核拡散の 問題 な
したが って化石燃 料 の埋 蔵量 は 90Q程 度 と考 え
られてい る。■)
ど困難 な問題が控えてい る。さ らに 450∼ 500
しか しなが らウラ ンは北 ア メ リカ,オ ー ス トリ
,
Qと い うエネル ギ ー資源 も何世紀 もの 長 い期間 で
次 に現在 実用化 され てい る熱 中性 子炉 の エネル
考 えると充分 な量 とは いえ ない。
ギ ー資源 を 見て みよ う。 OECDお よび国際原 子
力機 関 の資 料 に よる と共産 圏を除 く国 々の ウラ ン
核 融合炉は軽 い原 子核 の 重水素 D,あ るいは三
天然 ウ ラ ンの わず か
重水素 Tの 核 融合反応を利 用 しよ うとい うもので
106
占め るにす ぎない。 U-235の エ ネル
ギ ー資源 は 24Q程 度 (プ ル トニ ウムヘ の転換 率
07%を
*琵 琶湖の水量 27×
109ぱ
核融合 エ ネ ル ギ ー 資源
トンで
埋 蔵量 は推定埋 蔵量を 含 めて 4.3×
あるが ,こ の 内 U-235は
2
あ る。
D2+T3→ He4(3.52 MeV)+n(14.06 MeV)
D2+D2→ T3(lol MeV)+p(303A/1ev)
H e3(o82 MeV)+n(2.45 MeV)
の 3.6倍
-2-
ちなみ に水素分子 H2が 燃焼 してH20に なるさい
の エネル ギ ー は
10 19ジ
2 96eVで ある。(l eV=1.6×
ュール )。
DD反 応 の核 燃料 とな る重水素 は きわ めて豊 富
で ,海 水 中の 水素 の 0015%(原 子数 の割 合 )
であ る。も し DD炉 が実現 した とす れ ば ,海 水
135× 109翻 に含まれ る重 水素 の エ ネル ギ ー
資 源は 37× 109Qと 考 える こ とがで きる。い
いか えれ ば 海水 1′ 中に含 まれ る DD反 応の核 融
合 エ ネル ギ ーはお よそ石 油 76イ の エ ネル ギーに
L
trr'*ii
相 当する。 そ して核 融合 反応 それ 自体 か らは放射
能生成物 は発生 しない (た だ し,と びだ して くる中
図
性 子 によ る炉構 造材 の 誘導 放射能 の 問題 はある。)
1
核 融合炉 の概念 図
47× 107Q程 度 の エ ネル ギ ー資源
したが って夢 の核 融合 エネル ギー とい う形容詞 が
ン存在 し,
つ くわ けで あ る 。 しか しなが ら,こ の よ うな DD
と考 え る こ とがで きる。すなわ ち海水 1′ 中 のLi
炉 の実現 の 見通 しは まだ立 っていない。
は石 油 1′ に相 当す る。
現在進め てい る核 融合研 究 の ターゲ ッ トは DT
比較 のた め 海水 中に含 まれ るウラ ンにつ いてみ
炉 で ある。 DTの 核反応断面積 が DDの それ に較
る と 3"/術 の割合 で存在 し, 4×
べ て エ ネル ギ ーの 低い領 域 で 大 きいか らで ある。
3×
105Qの
109
トン
,
エ ネル ギ ーは対 応す る。 す なわ ち
しか し二重 水素 Tは 天 然 には 存在 せ ず , リチウ ム
海水 1′ 中 の ウラ ンの核 分裂 エネル ギーは,石 油
を利 用 した人工 的増殖 を 行 なわ なけれ ば な らな い。
64淵 に相 当す る。
Li6+n→ T3+He4+4.8N腱 V
L i7+n→ T3+He4+n' 25 MeV
そ のため 上 記 の よ うな Li― n反 応を利用す る。
リチ ウム,ウ ラ ン採 取等 に必要 な エ ネル ギーは こ
したが って 核 融合プ ラズマの まわ りに
Liの ブラ
(も
ちろん海水か らの重水 素
れか ら差 し引かれ な くて はな らない )。
3.核 融 合炉 の展望
ンケ ッ トを置 き,DT反 応で飛 びだ して くる中性
一 般 に物体 は温度 が高 くな るに したが って 固体
Liに ぶ つ けて二 重水素 を増 殖す る。また一
か ら液体 ,気 体 に変 化 して い くが , さ らに高 温 に
方 で 高速 中性子 を減 速 して 熱 エ ネル ギ ー を発生す
してい くと,や がて 中性粒子が イオ ンと電 子 に分
Li溶 融塩 か ら
適 当な熱交換 器 によ って 蒸気 を発生 させ ,発 電 タ
か れ電離す る 。この よ うにイオ ンと電子が ,そ れ
ー ビンを回す こ とが考 え られ てい る。 (図 1)
の状態 をプ ラズ マ とい う。核融合 研究 において 対
子を
る。そ して 熱 くな った Liま た は
ぞれ の電荷が ほぼ等 しい 状態 で 集 ま って い る高温
で は DT炉 の エ ネ ルギ ー資源 は どの くらいあ る
象 とな るプ ラズマは温度が高 く,イ オ ン間 にはた
かを算定 して みよ う。 これ は二 重水素 に変換 され
らくク ーロン反擁 力に抗 して互いに 衝突 し,核 融
Liの 量 によ って 制約 され る。 Li鉱 石資源 の
調査資料 は ウラ ン資源 ほ ど整 ってい ないが ,お よ
合反応 が起 り うるもので な くてはな らない 。 DT
炉 の 場合 イオ ン温度 は数千 万度か ら 1億 度 の高 温
そ 8∼ 9☆ Jl o6ト ンと推定 され てお り,1,700
で な くて はな らない。
る
Qの エネル ギ ー資 源 に相 当す る。 なお海水 申 には
Liは 017,/配 と比 較 的多 く 23×
,
101■ ト
-3-
さ らに核 融合反応 によ って 得 られ る エ ネ ルギ ー
は,そ の 効率 を 考慮 した上で ,そ の 高温 プ ラズ マ
,
1983年 に完成 予定 で 炉 心 プ ラズマ条件 の 実
∼
現 を 目指 してい る。
を保つ ため に必要 な エネル ギ ーよ り大 きい ことが
条件 とな る。そ のためには ,プ ラズ マの 密度 nと
エ ネル ギー 閉 じ込 め 時間 τとの積 nτ が 10■4鷹
3
核 融合炉 に対す る評価や展望 は立場 によ って 必
ず しも一 致 してい る とは限 らな い し,研 究 の 進展
sec程 度以上 で な くてはな らな い 。
につ れて 変 って い くこと もあ りうるが ,お およ そ
制 御熱核 融合 に関す る研究は 第 2次 大戦 後 アメ
つ ぎの よ うに考 え られ る。
リカ, ソ連 ,イ ギ リスな どで極 秘裡 に進 め られ て
1)核 融合 炉 は原理的 に核 暴走す る こ とは考 え
いた 。やが て核融 合 の 研究 は最初 の 期待 に反 して
られず ,高 速増殖炉 よ り安全 であ る。
多 くの 困難 にぶ つ か った。高 温 プ ラズマが 激 しい
時 間 しか 閉 じ込め る ことができなか った 。核融合
il)プ ル トニ ウ ムな ど核 拡散 の危 険 はない 。
11)放 射能 の 問題 は核分裂炉 よ りも少 ない 。
炉 の 実用化 は ほ ど遠 く,国 際的 な研究 情報 の交 換
iV)DT炉 に よ るエ ネル ギー資源 は核 分裂炉 の
不安定 性 のた めに磁 場 を 横 ぎって逃 げて しまい短
それ よ りか な り大 きい 。
お よび 協力 の必要性 が認識 され るにいた った。
1958年
原子力平和利 用国際会議 の分科会 で
V)DT炉
,
それ まで秘密の ベ ールの 中で 進め られ て いた研究
の 建設 費は ,高 速増殖炉 よ リコス ト
高 であろ う。
(15倍 以 上)
内容 が 堰 を きったよ うに発表 され た。か くして核
宙 )核 融合炉 に至 るまで には ,炉 心 プ ラズマの
融 合研究 に関す る国際協力 と競 争 が 始 ま った 。そ
実現 ,技 術的諸 問題 (特 にプ ラズマ に面す る
れ以来 さま ざまな 実験 が積 み重 ね られ ,実 現 した
第 1壁 の 材料)等 ,多 くの難 問 が控え て い る。
DT炉 の炉 心 プ ラ ズマに 関 して は トカ マ クの開
イオ ン温度 τと nτ 値 は炉 心プ ラズ マの条件 に 肉
発 が先行 して い る。 トカマ クの開発 は 大型 トカ マ
薄 しつ つ あ る。 (図 2)
ク実験装置 (現 在建設 中),工 学 テス ト炉 ,原 形
炉 ,実 証炉 ,商 用炉 の段 階を経て進んでい くシナ
リオが考 え られ る。 1段 階進 む のに要す る期 間 は
少 くとも 6∼ 8年 程度 と思われ る。核 融合 の研究
は トカマ ク炉 の他 に ミラー炉 ,あ るい は慣性 閉 じ
。
6
T
m
・
月
一ヽ
︶
﹃
T
E
J
J
込 め炉等 の研 究が後を追 ってい るが紙 面 の都合 上
割愛す る。核 融合 エ ネル ギ ーの 開発研究 は理学
,
工 学 の広 い分 野 に関連 した息の長い長 期的な もの
であ る。 1980年 代 の代替 エ ネル ギーの役割 は
期 待 で きないが ,
21世 紀以降 の 長期 的展望 に立
つ な らば ,今 か ら着実 に研 究開発努力を続 けて い
かな けれ ばな らない 。
参考文献
1)C.L.Wllson:E nergy;Global Prospects
1985-2000, MCGnw―
図 2 nτ
一 Tダ イ ア グ ラ ム にお け る
2)K.Miyamoto;Plasma Physi6 for Nuclear
核 融合 研 究 の 進 展
Fusio n,MIT Press 1980.
現在 ア メ リカ, ヨー ロ ッパ , 日本 , ソ連 におい て
大型 トカ マ ク装 置 が 建設 され つ つ あ り,
Hill 1 977.
1982
-4-
`
数学 は 日の科学 である 〃ォィラー
/」
スイ ス の 大 数 学 者 レオ ンハ ル ト・ オ イ ラ ー
ヽ 山
鳥
稔
(地 球物理)
け て くる瞬間が ある ,こ の 瞬間を つ か まえれ ば
(Leonhttd Ed er,1707-1783)は ,後 年 一眼
の失 明 に つづ き,つ いに は全 盲 とい う悲劇 に見舞
われた。 しか しこ う した悲運に もかか わ らず,変
分 法を始 め近世数 学 の創始者 の 1人 と して ,数 学
史上永 久 に 名 を とどめ る ことにな った。標題 にか
に
か げた `数学 は 目の科学 で あ る″ とい う彼 の言 葉
は,全 盲 の苦 悩 の底か ら肺腑 を つ らぬ き,私 達 の
心を うつ 。 この 辺 のいき さつ は ,高 木 貞治先生 の
`
″
名 著 近 世数 学史談 に詳 しい 。
,
あ とは ス ラス ラ解 け るもん だ,と い う教 授 自身 の
`
経験 を語 られ た。 数学 は 目の科 学 で あ る″ 。
この抽象 的な数学 に して この通 りで あ る。地球
科学 にお いて , `見 るこ と′は更 に重要 で あろ う。
アメ リカ, フラ ンス の共 同計画 によ る FAMOUS
計画 と して 知 られ てい る大西 洋 中央海嶺 の潜 水調
査 ,そ れ にアポ ロ計画 に よ る月 面 の探査 な ど,現
`
実 に 日で見 る″地球科学研究が及 ぼ した その イ
ンパ ク トの大 きさは,は か り知れ ない ものがあ る。
オ イ ラーの 名言 は ,そ の後筆 者 が シカ ゴ大学 の
おそ ら く,今 後地球 科学者 の思 考 の上 に,機 器観
chamrasekhar教 授 の 下 で 勉強 していた折 ,あ
測 による間接的 な結 果 か らの 認識 とは次元 を異 に
らため て個 人的な体験 と して思 い あた る こ ととも
した ,深 刻 な影響を 及 ぼす ことにな るだろ う。
な った 。Chandrasekhr教 授は ,天 体 物理学 の
海洋底 は,中 央 海嶺,深 海底 それ に海 溝 の 3つ
指導者 として 令名が 高 いが ,ま た 1960年 代 に
の 基本的構造 に大別 され よ う。海 嶺 は水 深が比較
は,流 体力学 や 電磁流体 力学 の研 究 に精力 的な仕
的浅 い こ ともあ り,以 上 の 3つ の基 本的構 造 の 中
事 を つづ けて お られ た。 この理論 的研究 と平行 し
で は最 もよ く調査 。研究が行 われて来 た。 とりわ
て ,中 川好成 博士 が シカ ゴ大学 の 歴史的 なサイ ク
け F A1/10US計 画 中 に行 われ た潜水調査 船 (sub_
ロ トロンの磁 石 を用い ,電 磁流 体力学 の 実験的研
mersible)Archimede号
究 を ,こ れ もまた驚 くよ うな エ ネル ギーで進め て
号 (ア メ リカ)に よ る直 接観 測 0調 査 は圧巻 であ
お られた 。筆 者 は 中川博士 のお手伝 いと して 1年
る。また深 海底 に ついて は 1973年 以降の IP
半 ほ ど Chandrasekhar教 授 の グル ープに参加 出
OD(国
来 た次第 で あ った。 フェル ミ研 究所 では ,や は り
理 解 が進 んでい る。他 方,海 洋底 の第 3の 基本 的
Chandrasё khar教 授 の 下 で理 論 を 専攻 していた
構造 で ある海溝 に ついて は,海 溝 が 海洋底で最 も
大学院生 と同室だ ったが ,chandrぉ ekhar教 授
深 い部分であ るとい う困難か ら,前 2者 に比 べ か
は,時 折 や って来 て はあれ これ私達 の研 究の進 行
な り研究がお くれて いる。海溝 のす ぐ隣 りに位置
状 況 などを尋 ねて 行 くが ,こ のよ うなあ る 日,大
す る 日本夕J島 に住 む地球 科学 者 として ,ま た 明 日
学院生氏 が彼 の扱 つて い る電 磁 流体方程式 が, ど
にで もお こ るか も知れ ない大地震 の震 源 をかかえ
う して も解 けない と訴 えた こ とが あ った。 chand‐
た 海溝 に隣 り合せに 暮 してい る住民 として も,海
rasekhar教 授 は即刻 ,方 程式 を解 くには 1週 間
溝研 究 の立 ちお くれ は,何 とも切 歯 な もので あ る。
′
で も 2週 間 で も毎 日根気 よ く `
眺め て い る こ と。
(フ
ラ ンス)と Al宙 n
際深海掘 削計 画 )の 進展 で ,格 段 にその
FAMOUS計 画 に おい て有 人潜水観測船 によ る
始 めは取 りつ く島 もない とい った風情 の方程式 も
研究調査 のすば らしい成 果 を もとに,数 年 ほ ど前
毎 日眺め て い るうちに口許が ほ ころび ほほえみか
か ら Le
,
-5-
Pichon教 授を 中 心 とす る フランスの科
●
│
学者 は 日本 海溝研究 の共 同計画を 日仏 科学協 力事
の 精度で 限 られ た 区域 の 直接 観察 によ る詳 しい地
業 の ひ とつ と して提案 していた 。私 達 日本 の研究
`
′
者 に とっては ,ま さに 魚心 に水心 のよ うな も
形・ 地質調査を行 う。 これ に submerdbleで 採取
ので ,
画 に忙殺 されてい る東大海洋研
果 が,最 終情報 と して 加 わ る。 こ うした情報を統
究所 の ピ ンチ ヒ ッター と して ,東 大 理 学部が 中心
合 し,問 題 とす る地 域 の 立体的 な姿が浮かび上が
に,上 記 日仏 協力研究 をすす め る こ とにな ったの
る,と い うのが研 究 の進 め 方で あ る。 日仏共同研
1昨 年 (1978)の 春 であ った。 こ う した 次
第 で,潜 水調査 には全 くの素 人 の 私達 が ,い ろい
究 の フ ラ ンス側 代表者 で あ る Le PIchon教 授 が
ろお世話 をす る羽 目にな った 。昨年来 い ろいろな
な海底地 図 (等 高線 が 20π ,
IPOD計
した海 底試料 (岩 石 ,泥 ,水 ,… )の 室 内分析 結
は,
,
つい 先週得 た ばか りとい う Hellenic海 溝 の 詳 細
学 会 や ら会合 の機会 を と らえ,潜 水観測 の経験 な
1/20000と い
う,ま さに我 国の 国土地 理 院 1/50000の 地 図
どにつ き多 くの人 か ら学 ぶ機会 を得 た。 と りわ け
にも相 当す る よ うな)を 前 に,海 溝調査 の結果 を
1昨 年 10月 ケンブ リッジ大学 で行 われ たPenrose
説 明 して くれた 。 つい先 頃 まで は暗黒 の 世界 に 閉
Conferenceの 折 には submersible(深 海 観測船)
じこめ られ ていた海底地質構造 が ,ほ ぼ 陸上の 詳
によ る海底研 究の経験を持 つ 幾 人かの アメ リカ
しい地質 調査 と同 じように すす め られ る時代 にな
フ ランスの研究者 か ら,彼 等 の 経験 につい て 実 に
ったわけであ る。
,
多 くの こ とを 学 ぶ こ とが 出来 た。
submersibleの 経験者 が一 様 に語 る こ とは ,直
研 究調査 の進 め方は ,ま ず海上か らの測定 ,特
径
10伽 足 らず の 窓か ら深 海底 を眺めた に しろ
,
に最近 発展 した シー・ ビー ム (seabeam)と よば
この経験を通 し海底 地質 を見 る `日′ が 始 めて ひ
れ る multiple narrow beam echo― sounderと
らか れた ことの重要性 の 指摘 で あ った 。
,
トラ ンス・ ポ ンダー位置 lll定 を併 用 し (い ずれ も
どん な度 胸 の あ る人で も,最 初の ダイ ビングで
我 国では まだ実 用 に供 され ていない),水 平距 離
は,ほ とん ど何 も見 ないで浮 き上が って くるのが
に して 100%,高
さに して 20%程 度 の 精度 で
ふ つ うだ,と い うこ とで ある。 3回 目位か ら始 め
広 い範囲 にわた り詳 しい 海底地 図 をつ くる。次 に
て まわ りの 地質構造が頭 に入 るよ うにな った,と
submersible(潜 水観測船 )に よ り数 π∼ 数十π
数十回 もの 潜水経験 を 有す る ニ ュー ヨー ク大 の
,
19791¬ こLc Pichon らに よ
り行われた,国 際共同研究
`Hellenic海 溝調査'で つ くら
れ た 海 底 地 形図の一 部 sea‐
bcam(本 文参照)に より, 16個
の naFrOw beam echo‐ sound‐
erで 16個 の 格 子 点 を同時 に
観測 各 narrow beamは 2°
2/3の ひろが りをもち,16個 の
グ リッ ドは船か ら見て 42° の立
体角 にひろが っている 船は 10
ノットで航行 図に示 した地形
図は,船 上でほぼ real timeで
つ くられ た もの (Cadet教 授の
厚意 による)
:
-6-
,
しか しこ う した 不 自由 も,未 知 の もの を `見 る′
」.Fox博 士 が 話 していた 。submersibleは ,岩 壁
に約 40m程 度 まで近 づ くので ,岩 石 の斑 晶まで
興 奮 の 前 には 全 く物 の 数 で は な い ら しい 。
よ く見 えた とい うこ とで ある。
最近
Fox博 士 は 2π 近 い長 身 で,終 始 アグラをか い
Woods Hole研
究所 の submersible Alvin
を 用 い た 海 嶺 研 究 で は ,女 性 科学 者 も男子 に 劣 ら
た まま (submersible内 部 は 約直径 187ル の 球
ず 活躍 してい る。― 児 の 母 親 で もあ るM.1.T.
で,総 数 3名 が乗 り込み ,空 間 の節約 のためイ ス
の Tanya
等 はない)の 恰好 ではず い分 窮屈 だ ったろ うと思
Craneさ ん もそ の 仲 間 で ,submersible divingに
う。球 内は エ ア コンデ ィ シ ョ ンがな いので ,潜 水
は 女子 大 学 院 生 の 参 加希 望 も多 く,順 番 待 ちで な
始め は 大変暑 いが ,数 時 間経 って海底 に つ く頃は
か な か ,か ん た んで はな い ,と い う話 で あ った 。
ガ タガ タす る程 寒 い とい う話 で ある。 フラ ンスの
ア メ リカ女性 の 心意 気 には 全 く頭 の 下 が る思 いで
submersibleに は ,こ の 国の伝統 に したが い ワイ
あ った 。
ンを持 ち込 むが ,そ の生 理的 な 後 始末 に苦労す る
Atwater博 士 や ,p
ost dOctorの Cathy
海 底 地 球 科 学 の 研 究 は ,こ の よ う にsubmersible
に よ る海 底 の 直 接観 測 の 時 代 に 入 りつつ あ るよ う
とい う話で あ った 。
400077bの 海底 の場合 ,潜 水・ 浮上 だけで 合
に 見 え る。
計 5∼ 6時 間 ,ち ょうど東京 一大阪を新幹線 で 往
この 反 面 ,近 年 にお け る エ レク トロニ ク ス や 観
復す る程度 の 時間 がかか る6更 に海底 で 3∼ 5時
測 機 器 ,そ れ に コ ン ピュー タ ーの お そ ろ しい まで
10時 間
の調査旅行 とい う こ とにな る。室 内では 3人 が 向
の 発 展 に 目を うば われ ,お そ ら く 自然探 求 の 原 点
`
″
と もい うべ き 日で 見 る ことの 重要 性 が やや も
い 合 ってアグ ラをか く。足 の シ ビレをは ぐすた め
す る と見 のが され が ちで は な いだ ろ うか 。 最 近 の
交代 で足 をのば し合 うとい うこ とであ る。無論食
submersibleに よ る海 洋底 研 究 の 発展 は ,大変 良
い 反 省材 料 に な りそ うで あ る。 `地 球 科 学 も 目の
″
報12)
科学であ る 。
(歪 讐 籠完 警芳痣上撃略学プ
間調査 につ いやす , とい うわけで ,延 約
事 も この姿勢 ,
10時 間 ともなればその 必然的 な
後始末 もまた この 恰好で ,と い うこ とに なる。
2号 館 RI分 室 の改修 に当 って思 う こ と
代
理 学部 2号 館 の改修 に 当 り,地 階東側 の 7単 位
約
谷
次
夫
(動 物 )
設 で 発足 した 前 後 の こ とが 何 か と思 い 出 され て な
150イ が 幸 いに も RI施 設 に 用 い るこ とが許
らな い 。
も うふた 昔 も前 の こ とにな る のだが ,私 の RI
され ,第 1期 工 事 で完了 して理 学部放射性 同位 元
素研 究 室 2号 館分 室 と して新 しく発足 した 。汚染
との 出会 い はそれ よ り更 に 数 年 前 ,14c02を 光 合
検査 室 ,測 定室,写 真暗室 ,大 実験 室 ,実 験暗室
成 で とり こ ませ た 桑 の 葉 を立 教 大 学 か ら分 与 され
植物栽培 室,動 物飼 育室 ,ガ ス RI室 ,貯 蔵室
た こ とに 始 ま る。 抽 出 した糖 の 放 射 能 測 定 には
,
,
,
排水施設 (中 庭 ),排 気施設 (屋 上),空 調施設
当時学 内 で も貴重 な存 在 で あ った 化 学 教 室 の GM
か らな り,こ の 面積 としては満足 な 内容 と云えよ
カ ウ ン タ ー の 使 用が 許 され ,何 回 か 赤煉 瓦 の 建 物
う。面 目を一 新 した施設 に入 る と,昭 和 36年 に
に通 った 。汚 染 を 心 配 して絶 え ず の ぞ きに 来 られ
地 階東南 隅 の約 7″ ,1/4単 位 の板 囲い のよ うな施
た 斉 藤 信房 先 生 が な つ か しい。 ペ ーパ ー ク ロマ ト
ー
7-
グ ラ フイ用 の戸紙 に つけ た試料 は,病 院地 階 の 全
位 に拡 張整備 され,測 定 室 ,廃 棄物貯蔵庫 を合 め
(?)の 暗室 で ,当 時放射線科 の杉村
て 計約 50イ の施 設 ,2号 館 改修前 の 姿 に改造 さ
隆氏か ら頂 い た X線 フイ ルムに露 光 させ た。 2号
れ た。 42年 の こ とであ る。 この とき排 気 ,排 水
館 か ら毎 日の よ うに通 って 1週 後 ,や っと黒 点 が
施設 も新た に作 られ ,貯 溜槽 の 水位 が パ イ ロ ッ ト
膜 面 に現われ た ときは思わず同氏 と歓声を あげた
ランプで 表示 され るよ うにな った。 トイ レにた と
学 セ ンター
ものだ 。 こんなわけで学 内をか けず り廻 りなが ら
えれば ,よ うや く簡易水洗式 とな った と云え よ う。
4cを 扱 う こ とは大 へん な こ とだ と思 っていたの
■
それ までの排水 施設 は ,既 存 の ドラフ ト (こ れ が
で ,板 囲 いで も 2号 館 内に施設 がで き,GMカ ウ
排 気 施 設 )の 床 下 に 置いた 約
ンター も入 った ときは,狭 いなが らも我 が 家 の感
で ,排 水がた まる度 に放射能 を測 ってはす てる
が深か った。
い わば汲取 式 であ ったのだ。
,
10
100′ 容 の 水槽
,
それ に して も狭か った 1/4単 位 の施 設 は,放 射 線
現在 の排水施設 は電 動式 で ,細 部 に工 夫 が凝 ら
生 物学講座 の新設 に 当 って 37年 に購 入 された 大
されてい る。立 派な表示板 ,パ イプや バル ブがや
型 フー ドの 設置 の ため に1/2単 位 に拡張 された。 こ
た らに多 い 。排気施設 も核種 と数量の 増 加 に応 じ
の 時 同時 に 自動試 料交換装置付 の 無窓 ,薄 窓 GM
て,構 造 も フイル ター も複雑 にな った 。今 まで の
カウ ンター も購入 され ,廊 下 を 隔て た植物測定 室
不備は殆 ん ど解決 され たか のよ うで隔世 の感 にた
に設 置 され た 。 こ うして RI施 設 と して の 面 目が
えないが ,心 配 の 種 はつ きない 。た とえ ば
整 いは じめ る と,実 験 の 能率 は上 り,当 然 なが ら
lll定
RI使 用人 口も使 用量 も増加 しは じめた。何 しろ
解 決 され たが ,使 用の 増 大 に伴 って 液浸廃液 の 間
それまで は 自 らが動 く試 料交換機 で あ つたのだか
題 が発生 して い る。解 決 には 尚 日時 を要 しそ うだ。
ら。熱 中す る と暴 走 しが ちな のは 研究者 の常 で あ
今 まで多 くの難 問を解 決 して来 た人知のた くま し
る。その頃私 も含め て核酸 の 生理 化学 的研究 に伴
さ,技 術 のた くみ に期待 をかけ るが ,人 間が何か
ない 32Pの 使用量 が年毎 に増大 し,施 設 の能力 を
を 営む とき,そ れ が些細 にみえ て も ど こかで歪 が
時 に上廻 るよ うに なり,そ のた め 2号 館施設 も含
生 じ,次 々に拡 大 して行 く場合 があ る。本質 的な
めて 学 内のい くつか の施設 が,科 学技術庁 か ら改
解 決 とは何な のか 。新装な った現在 の施設 を 内外
善 の指摘 を うけた。無 理 な操業 の 結果 で あるが
か ら眺め,単 純素朴 な音 を思 い 出す とき,ふ っと
,
3Hの
は液 体 シ ンチ レー シ ョンカ ウ ンターの普及 で
幸 いに実状 が大学 当局 に理 解 されたので あろ う。
不安 にか られ る こ とがあ るのは ,考 えす ぎであ ろ
当時 の 金 で 約 200万 円が支 出され 実験 室は 1単
うか 。
退
職
に
際
し
て
新
12月 31日
井
久
男
(事 務)
在 に至 りま したが ,そ の 半分 も実施す る こ とがで
付 で 定年 退 職 す る こ とに な りま し
た。 昭和 52年 7月 1日 付 で ,理 学 部 事務 長 と し
きずに 去 るこ とは,い さ さか残 念 に 思 い ます。
理 学部 に在職 中,附 属 中間子科学 実験 施設 ,附
て赴 任 して か ら 2年 6ケ 月 に な ります が ,つ い 先
属地殻化学 実験施設が発足 し,情 報 科学 科 に専門
日の よ う に思 われ ます 。
課程 が設置 され ,御 手伝 いがで きた ことを うれ し
就 任 して か ら,あ れ も これ も と計 画 を 樹 てて 現
-8-
く思 い ます。 その 他人事 関係 で は,行 政職員 の他
省 み ます れば ,昭 和 12年 工 学部 に無給 嘱 託と
大 学 ,他 学部 との交流 の推進 を 計 って まい りま し
して 就職 し,現 在 まで 兵役 と千葉大 学 に 3年 間転
たが,異 動 した 当人 には喜 こばれた反 面 ,教 室 に
出 した 外 は,東 京大学 の職員 として第 二工 学部
は御迷惑をか けたのではないか と思 い ます 。
生産技 術研 究所 ,施 設 部 ,宇 宙線研 究所 ,原 子核
,
研究所 ,東 京天 文台を経 て理学 部 にまい りま した。
建物 関係 で は, 2号 館 の 改修 が 出来 , 1号 館 の
増築部分 の 外壁 タイ ル 張 りとサ ッシュ塗装 の予算
現役 の最後 の職場 が,大 学 の 中枢 で あ る理 学部で
が つ きま したので,年 度 内 には外観 は きれ いにな
あ った こ とは非常 に うれ し く思 い ます 。
るこ とで しょ う。化学館の新築計画 は ,旧 化学館
短 い期間 では あ りま したが ,学 部 長は じめ皆様
の 保存 につ いて 問題 が あ りま したが,マ スター プ ラ
よ りうけた御支援 と御懇 情 に対 し厚 く御礼 申 し上
ン委員会 と一 応 の話 合 いが で き,現 在 は 化学教 室
げ ます ととも に,在 職中 の非ネLを 御許 し願 いた く
と施設部 とで ,プ ラ ンを 練 ってお ります ので,一
退 官 に際 して の御挨拶 といた します 。
,
日 も早 く着 工 の運 び とな ることを祈 ってやみ ませ
(昭
54 12 6記
)
ん。
新
井
事
務
長
杉
森
政
雄
(事 務)
と説得 力を具えて お られた こ とによ る ものと思 わ
満 63才 を迎 え られ , この 12月 末 を もって定 年
れ ますが ,常 に遼 巡 す る こ とな く,直 裁 的で 明快
退職 され る こ とにな りま した 。
な指示を され ,そ れに難 色 を示 す者 には理の あ る
12年 10月 に実験補 助 嘱託 と
して東 大 工学 部 に入 られ ま したが ,翌 年兵役 のた
め や め られ ま した。その後昭和 16年 5月 に東大
庶 務課 に入 られ た 後 ,工 学部 ,第 二工 学部 ,生 産
技 術研究所,営 繕課 (施 設部 )を 経 て 昭和 40年
説得 を されてその意 に従わ させ るとい う風 に強 い
事務長 は ,昭 和
4月 千葉大学 に施設部企 画課 長 と して転 出され ま
した が ,昭 和 43年 1月 に原 子核研 究所 事務長
指導力を示 して こ られ ま した。
新 井事務長 はまた人情 家肌 の 温容な方 で ,誰 で
も気楽 に話 し合 え ,何 で も気軽 に相談 で きるふん
囲気 を持 って お り,事 務室 の皆 に親 しまれ てお り
ま した 。 `誰 もが気 楽 に 出入 りで き る事務長室 に
したい ″ とよ く言 ってお られ ま したが ,実 際 ,事
(宇 宙線観 測所事務長を兼任 )と して 東大 に戻 ら
務室 や教室 の沢 山の 人が気 軽 に事務 長室 に 出入 り
れ,天 文台を経 て 昭和 52年 7月 に理 学部 に こ ら
し,そ れを喜 んで 迎えて お りま した 。忘年会 そ の
れ ま した。以 来今 日まで 2年 半 の 間,非 常 に精力
他 の 事務室 の飲食 の会合 で,常 に,中 心 に事務 長が
的 に仕 事を され て理 学部 の為 に蓋 して こ られま し
お り,そ れを囲んで話 が弾 んで 行 くとい う状 況 で
た。
あ ったのは ,事 務 長 の話題 の豊 富 さと話 し上 手 に
新 井事 務長 につ い て考 え る とき,ま ず感 じるの
よ るところ もあ りま したが ,何 よ りも事務 長が皆
は優れ た指 導力を持 って お られ た とい うこ とで す。
に慕 われ てい る一 つ の あ らわれであ ると思 い ます。
それは仕 事 に通 暁 してお られ ,又 ど 自分 の考 え
事務 長は時 には厳 しい態度を示 され る こ ともあ り
0
判 断 に 自信 を持 ってお られた こ と,そ れ に決断力
ま したが ,そ の厳 しさの 中 に温情が感 じられ ,怒
-9-
ト
蔽丁︱︱︱トーーー上
︱︰
⋮一 ー
〇
新 井事務長 は大 正 5年 のお生れで本年 10月 に
ヽ
るぅというより教え訓されて│い .る ,と い
ら│れ てし
輔 で│し た。
1蘇 鼻事務長憾また轟味の広い方で■緋旬は大分
音わらやってお1らまし,製 肇も,轟 うておられるとい.
「
うと,逢 ですレ十ま抱獣録卸醗れ嘔籠端嘆1小嘔
の名続 ま く痴っておられる.の ポ爆動いされたこ
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量
雖瘍絣
属 理
所 物
地物 研
官
名
氏
職
助教 授
堀
田
助教授
国
分
凱
目
的
国
期
間
樹
シ ョゥ ジ ョゥバ ェの行 動
突然変異 の 解析 研 究お よび
行 動遺伝学 に関す る 国際集
会 出席 の ため
征
オ ー ス トラ リア
11 25 ∼
国際磁気 圏観測 シンポ ジウ
ムお よび第 17回 国際測地学
・ 地球物理学連合総会 出席
の ため
55.1 15
オ ー ス トラ リア
也
ソ ビエ ト連 邦
”
別
誠一 郎
イン ド
”6
育
夫
オ ー ス トラ リア
12,1∼
第 17回 国際浪l地 学・ 地球物
理学連合総会 出席 のため
豊
オー ス トラ リア
12.2∼
第 17回 国際測地学 e地 球物
理学連 合総会 出席 のため
夫
オ ー ス トラ リア
123∼
第 17回 国際測地 学・ 地球物
理 学連合総 会 出席 のため
健次郎
ア メ リカ合 衆 国
12 24∼
アメ リカ動物学会 シ ンポ ジ
ゥム「魚類の発生生 物学」
出席 および発生生物 学 に関
す る研究 打合 せ のため
山
鳥
稔
オー ス トラ リア
121∼
第 17回 国際測地学・ 地球物
理 学連合総 会 出席 の ため
田
敏
オー ス トラ リア
12.1∼
尽
″
黙長
柩憾瞑ず
3
クス連
のため
教
授
福
島
地物 研
助教 授
佐
藤
哲
動
物
助教授
川
島
地
質
教
授
久
城
地
物
助教授
永
田
地
物
助
杉 ノ原
動
物
助 教授
山
上
地
物
教
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地
物
教
授
浅
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直
地物研
授
的
11 16∼
12: 10
手
目
アメ リカ合 衆 国
イン ド
伸
11 24 ∼
12 19
12.16
12 18
12.15
55 1 29
12.15
12.15
第 17回 国際測地学・ 地球物
理 学連合総会 お よび 国際磁
気圏観測 シ ンポ ジ ウム 出席
な らびに会議運営準備 のた
め
プ ラズマ非線形現象 に関す
る 日ソ合 同 セ ミナー 出席 の
ため
第 3回 イ ン ド時 間生物学会
議 出席 お よび 内分泌学 に関
す る研究連 絡の ため
合間委員会 出席
教
地物 研
助教授
国
地 物研
助
林
務員
佐
教補
地物研
手
藤
哲
月ヽ 口
町
分
幹
田
也
アメ リカ合衆 国
カナ ダ
アメ リカ合衆国
128∼
55 8.15
”2
地物研
授
佐
2 5
助教授
一
局
地 物研
プ ラズ マ物 理 学 ,計 算 機 シ
ュ ミ レー シ ョ ンに 関す る共
同研 究 の ため
カ ナ ダ地 域 に お け る磁 気 圏
入射 粒 子 と電 磁 波動 の 到 来
方 向調査 のた め
征
カナダ
アメ リカ合衆 国
1221∼
カナ ダ地 域 に お け る磁 気 圏
入射 粒 子 と電 磁 波 動 の 到来
方 向調 査 の た め
治
カナダ
アメ リカ合 衆国
1221∼
カ ナ ダ地 域 にお け る磁気 圏
入 射 粒 子 と電 磁 波 動 の 到来
方 向調 査 のた め
忍
カナダ
アメ リカ合衆国
1221∼
カ ナ ダ地 域 に お け る磁 気 圏
入 射 粒 子 と電 磁 波 動 の 到 来
方 向 調査 のた め
-12-
55 3.2
55 3 10
55.1 30
職 授
官 教
属 報
所 情
氏
授
教
文
国
田
信
夫
ベ ル ギ ー,ス イ ス
フ ラ ンス
12埒
高 倉
達
雄
イン ド
1発
米
天
的
目
名
九9日る研究打
購勢
儀繹鶴苧
合せ の た め
にする
研
力
究‐
子
兒
;110 杏
房波関 協
理 学 博 士 授 与 者
昭和 54年 4月
生
論
学
物
化
学
文
博
士
(物 理 学)
同
同
(天 文り
同
(動 物学 )
警警
李
養 r歩
田
國
強磁場下 の半金属に おける異 常な輸送現象 の研究
常
深
博
白馬 座ループか らの軟 X線 スペ ク トル
川
尻
大
津
田
日本最初 の1超 長基線電波干渉計実験
ヽムスター細胞の試験管内形態転‐
換と
突 然1変 異性無機 物質 による′
染色体異常
尾
吉
│ぱ
久
学
永
井
植
物
学
竹
能
博 士
学)
栗
同
学)
(数
同
(物 理 学 )
同
(地 球 物 理 学 )
同
(地 球物 理 学)
同
(生 物化 学 )
福 清 光
文
文
文
博
(物理 学 )
士
=繹
テイ
する
生
酸
螂の
産
性プロ
男
冨
器
14日 付 授与者
太陽フレアーに伴う高温ループ内のガスカ学と熱的輻射
貞
`
俊
を制御する天然の活性物質
カニタサにおける生殖器分イ
ヒ
原
信
線型関数 微分方 程式 の漸近 的性質
大
内
忠
大
保
夫
複 素領域 にお け る線型偏微 分 方程式 の 特異点を もつ 解 の積分表現
画像分割 にお ける領域験 出法 に対す る新 しい試み …… 階層 的 マー
ジ法 と最小 張木 縦 断 アル ゴ リズ ム
増
田
章1
不規則重 力波 の非線形特性
伊
藤
男
星
名
哲
静 的および衝撃 波条件 の超 高圧 下で の 弾性 波速 度の 測 定
表面活性剤 溶液 中 に おけ る葉緑体 チ ラ コイ ド膜 の
性質 に 関す る研究
昭和 54年 6月
論
目
子
飯
天
(数
題
ヘ ッケ作用素 の固有地 とカスプ形式の ピ リオ ド
田
昭和 54年 5月
論
文
幸
畑
轟 弘
(物 理 学)
一 邦 起
数
論
氏
専 門課程
16日 付 授与者
相
馬
嵩
11日 付
授 与者
偏‐
向系 の電子 光学 に 関 する研 究
-13-
1閣和154年 17月
物
理
学
贄地蓋物量撃声
同
(化 学)
磁m)
9日 付
授与者
徹
勘 p反 応における′,系 のピークの,研 究
』N東 縛状態とごこ→‐
藤 夏
燿
今 井 正
彦
稲
綱
高緯度地方で観測 される輸 期 ELF二 VLr赦 射り研究
ー
ポ
テレンに対するステレンの改射織グラフ ト重合反応醜
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罪オーム理鱚
緋 0動 機構
水 野
佐
田 雅
昭和 54年 9月 25日 付 舞与書
物 1理
学
共
ィヵl童 1大 神経亀索の興薔に対するい饉分子の動豪
森
啓
ニュ.‐ コンにおける繊維系蛋自質の豊彬斜榊
田
費
局所エネ!ル ギーの薩 度と構円1型 作用素のスペタトルの性質
我如 古
弘
日本周1辺 o海洋ジォイドの決定
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彦‐ │四 1面 保範極化全物囃 梓う電子分希変イ
しにつけ
昭和54年
112月
l,0日 付 腱与者
学
輔
自 成 文
―様磁場中でのレーザー生成プラズマの挙動‐プラズマ不安定性
生 物 化 学
井
上 llF雄
ニューロンのタロマナンにおける、
DNA離 の研究
植
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達 人
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矢 頭 俊 夫
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ニツジン暑華鰈 にお│け る不定胚形成の研究
ラングミュー
ア多分子アセツプリー蒲腱における構造疲存‐
キ ャ リア輸送 ‐
1鑢度空白撥に
ー
もとも く1'78年 メキ ッコ大地震の予知
中の陽電子消灘 お け る1結 轟格子 の議効果
結 晶‐
-L4-
:
茂 正 一彦 夫
浩 桂 孝 秀
高 川 平 木 木
集 飯 平 小 露一鈴
編
(数 学)
(物 理 )
(天 来 )
(化 学 )
(地 理)
内線
4053
4141
4258
4357
4575
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