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電磁気基礎
B6 電磁気基礎 ☆磁気の正体は? 電気の正体は であった。では磁気の正体はなんだろうか。 電子 異極 磁気も同じようにN極とS極があり は反発しあい、 は引き合う力が働く。 同極 ○磁力 仮に磁荷をm1,m2とすると電気の クーロンの法則 磁力 磁場 F= km m1m2/r2 式: 真空の透磁率 μ0: μ 0 = 4 π× 10-7N/A2 m [Wb] r μ 0 = 1/4 π km μ 0: μ 0 =心配ない ○磁荷 と同じように次の力が働く。 上の式からkmと磁荷mの単位を決める。km: 電気より 6.3×104N m2/Wb2 Wb ] ウェーバ 磁荷 m: [ N 磁場の強さ 電場と同じように1[ Wb ] の 極の磁荷の受ける力が である。 ○磁場 H [N/Wb] N→S H 記号: 向き: 式:磁場 電場 F= m H 単位:H [N/Wb] F=qE ・モノポール モノポール ところが電気と磁気には違いがある。今までN極 (S 極 ) だけをもつ粒子 (単磁荷) は発見されてない。つまりどんなに細分してもNとS極をもつ棒磁石が基本となるのだ。 磁荷保存則 電流 したがって磁荷は単独で存在できず も も成り立たない。 Q . 長さ L、両端に+m [wb] と-m [wb] の磁荷を持つ質量 M、長さ L の細い棒磁石 A,B 2本 を図のように距離 L だけ離して置く。棒磁石 A に働く力を求めよ。棒磁石の幅は無視できる。 +m L +m A L θ ○磁束 ( 磁力線の束 ) Φ [Wb] F1 FN F2 よって F1 と F2 の合力 FN のx成分は FNx=F1-F2Cos θ=k m m2/L2{1ー 1/2 √2}となる。 よって棒磁石 A の重心には S 極から同じx方向に力が加わるので 合力 Fx は Fx=2FNx= k m m2{2 ー 1/ √2}/L2 となる 磁気にも電気と同じように磁場があり、磁力線を考えることができる。磁力線は磁石の 外側 μ に等しい。 N=4 πkmm=m / N S で 極から 極に向かう曲線である。 磁力線の数 N は 0 Φファイ B[Wb/m2] とすると が成 Φ= BS 新たに磁力線を表す磁束 とし、磁束密度を 磁荷 り立つ。磁束と磁力線は同等で に等しい という関係がある。 Φ=m ○磁束密度 B[Wb/ m2] Φ= BS B= μ H B はループ ・電場との比較 B= μ H 単位面積当たりの磁束を という。磁場Hと磁束密度Bは の 磁束密度 Tテスラ B[Wb/ m2] 関係がある。単位は で ( ) ともいう。 Q1 磁場のガウスの法則から磁束密度 B と磁場 H の関係を導け。また N と Φ の関係を導け。 磁場でのガウスの法則から H・S=m/ μ① また磁束の定義から Φ = BS =mとなるから ①に代入し、H・S = BS/ μ これから B= μ H という関係が出てくる。 また N=m/ μ=Φ / μであるから N ≠Φに注意する。 Q2 棒磁石の磁力線を図示せよ。中の磁場の向きは 磁束密度 N→S B は S→N Q→ B の立場 H の立場 E→ N S N S N S ε→ 磁場 H の立場では電気力線と同等で磁 B の立場では磁石の中は S から N( 青) N→ 石の中も N から S(赤) ○磁性体 磁気を帯びることを磁化といい磁化しやすい物質を という。電気の 誘電率 磁性体 ・透磁率 と同じように が存在する。記号は 。ここにも磁気の特徴があり、 透磁率 μミュー μ [N/A2] ・比透磁率 μ' 磁力 磁場 比透磁率が なる が存在する。 (水、銅) 反磁性体 1より小さく +強磁性 酸化鉄 フェライト 酸化マンガン 酸化ニッケル反強磁性 - Q. 誘電体と同じように透磁率μを比透磁率μ’ で表せ。μ と μ’ の単位も示せ。 μ=μ’ μ0 μ [N/A2] = [Wb2/(Nm)] F= k m1m2/r2 F =m H N= 4 πkm μ ' 定数 B[Wb/ m2] Φ= BS B= μ H 電磁場 —1 B はループ B6 電磁気基礎 ○磁力線 S→N N S N→S 磁石の外で から に向かう。内では H の立場で B の立場で B6 電磁気基礎 ・磁場は干渉する 長さ 10cm、半径 10cm、10 回巻きのソレノイドに2A の電流を流した時、中心の磁場の強 Q1 静電遮蔽のように磁力を遮蔽するにはどうすればよいか。 Q1 さを求めよ。このコイルをつぶして長さを非常に小さくした時の中心の磁場の強さを求めよ。 静電場のように導体ではダメ。磁性体を用いるが完全には遮蔽できない。 Q2 次のように強磁性体 ( 鉄、コバルト、ニッケル)、常磁性体(アルミニュウム、空気) 、 巻き数密度度n =N/L=10/0.1=100[1/m] だから N は巻き数だから H = NI/2r ソレノイド:H =n I H=100・2=200[N/Wb] H=10・2/(2 × 0.1)=100[N/Wb] 反磁性体(銅、水、水素)がある。 磁力線の様子を図示せよ。 Q2 1.強磁性体 2.常磁性体 3.反磁性体 強磁性体は磁力 S N←S N S 線の密度が外よ N N り大きくなる。 図のように直線銅線に電流を流し、南北にそって方位磁針と重ねる。銅線を磁石の上、下に 反 磁 性 体 は 反 対 ・地球の北極には何極が 置いた時の振れ方を図示しなさい。Q. また北に向けてから電流を流した時、方位磁針が 60° S あるのだろうか。 に磁化されるの 1) 線が上 2)線が下 で密度が小さい 傾けば地磁気の強さを Ho とすると電流からの磁場はど れだけか。 ・2 次元のガウスの法則 ○円磁場 H= I 2πr 電流: [ I A ] 磁場: [ H A/m ] 積分表現: 基本はコマ形 I ガウスの法則: r ガウスの法則 平面でみる I ◎から に向かう HL = I から と ES=N の代りに H・2 πr= I HL = I が成り立つ。 H=I/(2 π r) は紙面裏から表 H=N I 2r + + + - ただし H ⊥ L 等電位面 上図で見るように磁力線は電気の場合の と同じ形になる。しかし、導線に ことが発見される。これから磁場と電場は していることがわかる。 直交 同極 引力が働く時が で、斥力の時が となる。これからも磁場と電場が 異極 式: N は巻数 dH H=NI/2r 直交 していることがわかる。 r ◎ H I ids I 円磁場を足し合わせ て磁場 H が出る。 斥力 引力 ・I と B はループ ビオサバールの法則 また、逆に I の円電流の中心には次の磁場が生じる。向きは にしたがう 右ねじ ○円電流 に並べて置く。ア) A,B それぞれどういう力が働くか。左に合成磁場を磁力線で表せ。 は紙面表から裏 磁場の向き 電流を電荷とみおなす 60° H ○磁場のイメージ 図のように電流 I が流れている 2 本の導線を距離rだけ離して A) 同じ向き B) 反対向きに Q H=I/2 πr 電流の向き I H ・電荷とみなして # Hdr = I 式: Ho H=HoTan θ=√3Ho ○アンペールの法則 1820 年彼は図のように定常電流 I の周りに磁界が発生することを発見する。 N イ) 導線と垂直な面の磁場の様子を図示しなさい。また各点での磁場のベクトルを図示’せよ。 dH = ids # 3r 4rr 磁場の向き 電流の向き 円を描きその接線方向のベ クトルを合成する。 S 1 辺をrとすると ◎ 青 H1 = I/( 2πr ) 紺 H2 = I/2 π√ 5r ・ソレノイドコイル H=nI ・巻数と巻数密度 N=nL 細長い銅線を などで し、同じ向きに何回も巻きあげたものを エナメル 絶縁 これをベクトル和して赤 という。単位長さ当たりの巻数を という。 巻き数密度 n ソレノイド Q1 巻数 N、長さ L、のコイルの中心での磁場を求めよ。また巻数密度nを巻き数 N で表せ。 ここの H =0 内側を H として中心を通る無限に長いループを考える n=N/L H=nI と外側の磁場は0。さらにループ内の電流は NI だから H=NI/L=nI ∫ Hdl=HL = NI である。よって H = NI/L=nI ガウスの法則: ◎◎◎◎◎◎ L H 上= NI/2L 側はほとんど磁場がな にはどうすればよいか。図のように電流を流した時の磁場を図示せよ。 場を持つ 鉄芯が入ると H=knI である(kは 1 より大) ☆電磁気と相対論 N めた。アインシュタインの登場以前に電磁気の分野にいくつか新しい発見がはじまる。 Q 磁場 H の単位を電場と同様に2通りで示せ。 これから電磁力として予想される力 F をI、B、L(長さ)で表してみよ。 S H[A/m]=H[N/Wb] これから単純に計算するとF=A・(Wb/m2)・m=IBL 円電流 円磁場 円磁場 H=I/2 πr H=[N/Wb]=[A/m] 電流と磁場 ソレノイドコイル 円電流 H=NI/2r n= N/L E=[N/c] =[V/m] 電磁場 —2 17世紀 Newton が登場し、彼の運動の法則は産業革命や様々な科学の基礎を形成する。もは やその理論はゆるぎないものとして確立していく。ところがいくつかの矛盾点がみつかりはじ ○電磁力の登場へ N S 外の磁場は弱くなる。 ソレノイドコイルの外 巻き密度が n なら中心でH=nIである。 N に似ている。 H=H 上+ H 下 =NI/L I'=NI Q2 無限長のソレノイドコイルの外側の磁場はどれだけか。また巻き数以外に磁場を強くする 石は棒磁石と異なる磁 波の所のホイヘンスの が新しい波としたこと H=I/2r L 外側は H =0になる。鉄芯などの強磁性体を入れる。 ウ)次のように電流が連続してある磁界を合成せよ。また、単純なモデルに置き換えよ。 原理で素元波の包絡線 H 上 2L = NI から いので鉄芯のない電磁 ○円ベクトルの和 電磁場 —3 B6 電磁気基礎 ○電磁誘導 慣性 電磁気の世界にも力学の のように同じ状態を保とういう性質が発見される。これは 磁束 閉回路をなす 変化 を させた時、そこに 導体があると、この H=[N/Wb]=[A/m] 変化を打ち消そうと新たに電場や磁場を作る現象である。この時、閉回路の導体に電源がなく E=[N/c] =[V/m] 誘導電流 面積 ても磁束の変化を感知する があればその境界に を流して磁束 B6 電磁気基礎 ○ローレンツ力 質量 加速度 Newton は力は と の であると明確に定義した。また、静止と 積 ◇物理数学 外積 等速度運動は力的に区別できない の法則を示した。 慣性 a ×b= abSin θ 電磁誘導 変化を打ち消そうとするわけである。この現象を という。 ◇数密度n 速度 と関係しているのに対し、ローレンツ力は と関係している。 Q. 次のようなコイルに図の向きに電流を流した時、両端の N,S を図示せよ。 nに体積をかけると個数 式: また、隣に銅のリングをつるしておくとどうなるか示せ。 N=nV 磁束の変化 ΔΦ / Δt S N N N S S Φ= BS[Wb] μ [N/A2] 2 2 ε [C /Nm ] ○磁場中の電子 V は体積として I =Δ Q/ Δt= en Δ V/ Δt= enSΔL/Δt て銅のリングには右ねじに従って電流が流れる。近く 実際に電子は加速、減速 = enSv に同極ができるのでリングは反発する。 を繰り返している。 また S とθをなす時のΦを求めよ。また、磁束と磁荷の関係を求めよ。 Φ= BS =m [Wb] Q. 真空の透磁率と誘電率をμ0、ε0とする。これらにはどういう関係があるだろうか。 f0 n0 つまりこれは光の速さである。εとμは真空の光速に関係している。 Q. 次のように磁場 B と+q [c] の電荷の速度vがあるとき力 F を求めよ。 ア)B v がつくる面積 rq B = mv ○平行電流に働く力 向きは表から裏 F=qv B L L この時片方の力 F に注目することに注意する。I2 の電流に働く力 F = BI2L F=µ これに B= μ H =μ I 1/ 2πrを代入する。 I1 I2 L 2πr 静止していると何もおこらない。が、vを持つとそれと垂直に力が発生す る事実がある。よってこの電荷は円運動をおこなう。vと B から力の向 F = qv # B きを考えると という関係がある。 (× は外積) r Q1 ○対象と環境を区別する ア)図のように 1 辺 a の正方形の各頂点に紙面裏から表に電流 I を流す。各導線の単位長さ 当たりに働く力を求めよ。 図のように力 F1、F2,F3 が働くのでこれらをベクトル的に合成す F1 2 F3 く、下が少なくなり下向きに力が生じる。 Q2.B を左向きにとり、帯電体 q が一定の速さvで運動しているときの磁場と力を図示せよ。 ればよい。公式から F1 = F2 =μ I 2/2 π a だから F1 + F2 はこ F2 a れの√2倍で中心を向く。F3= μ I2/ √ 2 π a で中心を向くから F = F1 + F2 + F3 = またその力を求めよ。 √ I2 I2 3I 2 +µ √ 2µ = µ √ 中心向き 2πa 2 2πa 2 2a 2つのBとB’ この時働く力は外積で右ねじの関係で向きが決ま が干渉し、左が る。 F= qv× B である。導線の長さを L と イ)図のように 1 辺 a の正方形のコイルに図の向きに電流 I2 を流す。このコイルから距離 疎、右が密にな すると電流 I = Q/t だから IL = qv で置き換え L だけ離れた所に無限に長い直線があり上向きに I1 を流す。コイルに作用する力を求 り左に力が働く F=IL × B となる。これをローレンツ力という。 ・対称性 めよ。ただし2次電流は考えない。 Q3.上問で帯電体は静止し観測者が v で反対に動く場合、また磁場全体が動くとどうなるか。 コイルだけで考えると図のように上下左右の力が働くが上 下の力は対称なので打ち消し合う。次に L1 からの力を考え、 帯電体がvで右に動くので電流が流れたのと同じで円磁場ができる。しかし、この場合は観 F1 測者は磁場の運動も観測するのでこの磁場を打ち消し、結果、帯電体は静止する。 I1 磁場だけ動けば観測点が異なるだけで同じ状況なので、同じように円運動する。 つまり帯電体の磁場に対する速度が力と関係している。 Q4. この力に反作用・反作用の法則は通用するか。また、何が力と関係しているか。 ローレンツ力は作用・反作用の法則から逸脱している。 F=qv × B=IL × B ×は外積 ローレンツ力 電磁場 —4 平行電流 a F1 と F2 の合力を求めればよい。 公式から F1 = a μ I 1I 2/2 π L L F2 = a μ I 1I 2/2π(L + a) I2 I1 I2 F = µa 2πL(L + a) ローレンツ力 F B= μ H Φ= BS =m [Wb] F2 2 vは磁場と帯電体との相対速度である。観測者の速度にはよらない。 F = qv # B θ が働く。 μを透磁率とする。 引力、斥力も示せ。 反対向きの磁場が生じるので磁束の数が上が多 よってmv / r=qv B からr= mv/qB を得る。 磁束・磁場 v⊥ B だから 距離rだけ離れた 2 本の長い平行線に電流 I1I2 を流すと長さ L の部分には次のような力 F 電荷が右に動くと上には同じ向きの磁場、下は この力が向心力となって円運動をする。 ○ローレンツ力 θ イ)B F=qv B sin θ v Q1.帯電体が静止している時、どうなるか。また帯電体に初速 v を右に与えるとどうなるか。 ◎ S q = enV V=SL よって qv = IL よって F=IL×B I = envS これまで電流のまわりの磁場を見たが逆はどうだろう。図のように紙面裏から表に一様な磁束 ◎ *Q=enV であるから ΔQ=enΔV qv 電流 ΔV I ⊥ B とすると電線の長さを L として上式から v=I/enS F = IL × B μ0=4π×10-7N/A 2 ε0=8.85× 10-12C2/ N m 2 である。 を計算すると数値は3.0×108 単位は A =c / sから [m/ s ] を得る。 1 c= ΔL Q 2.長さ L の導体、ローレンツ力 F を電流 I と L、B で表せ。 ○面積がキー! 密度 B の磁場をかける。そこに電荷 + qをもつ質量mの帯電体を置く。重力は考えない。 ・半径rも求めよ B 磁場 ○電流のミクロ表現 vまたは I と B ・透磁率と誘電率 磁場 電場 v は と の相対速度 F = qv × B 極)をつくり磁場を消そうとする。(S 極も同じ)よっ ファイ Q. 磁束をΦ( )とする 磁力線が面積 S を磁束密度 B で垂直に貫いている時、 ○磁束 F力 Q 1.電流 I を電気素量 e, 密度 n、速さ v、断面積 S で表せ。 何もなかったところに N 極ができると近い方に同極 (N きっかけは? 外積 しかし、先の問いから考えると磁場 B と帯電体qの速度vの から力 F がもう一つの ローレンツ 加速度 直交 した次元に働く、この力を 力という。Newton の力が F=µ I1 I2 L 2πr となる。 (同じコイルの影響は打ち消し合う) よって左向きを正とすると F=F1 ー F2 = a 2μ I 1I 2/{2 π L(L + a)} 向きが同じは引力、反対は斥力 電磁場 —5 I = envS F = qv × B F=IL × B B6 電磁気基礎 ○磁気モーメント 一様な磁場 H[N/Wb] のなかに長さ L、両端に+m [wb] と-m [wb] の磁荷を持つ質量 M *磁極の位置 の棒磁石の中点を固定軸にし、力 F を加えたら次のように鉛直と θ の角度でつりあった。 F ア)F の作用する側は N 極が S 極か。 LSin θ 端点に異極が 2 つある N 極 (磁石の中は S- > N) θ ものを双極子という L/2-x H 双極子のモーメント は力に長さと Cos,Sin をかけるだけ 磁束変化 レンツ 磁束 の法則を応用すると、 があればその の変化を打ち消す 誘導起電力 誘導起電力 向きに が生じ、電流が流れる。これを式にすると次のようになる。 V = −N 式: ( 巻き数 N の場合) dΦ dt V= ーdΦ / dt 巻き数nの場合は V= ー N d Φ/ dt イ)磁気力による磁気、モーメントを求めよ。また F を求めよ。 ○磁気モーメント M= m HL B6 電磁気基礎 ○ファラデーの法則 重心が固定されているから重力は考えなくてよい。 ○磁束変化 Q1:図のように間隔 L の金属レール上で長さ L の金属棒をvで動かす。( 重力、摩擦は無視 ) 磁気モーメントはずらし法から mHLsin θ [Nm]、 きっかけは 次の場合、閉じたループを見つけループ内の面積を通過する磁束の変化を求めよ。 一方 F によるモーメントもずらし法から FLsinθ/2 よって また棒(コイルには)L あたり R の抵抗がある。v方向をx軸 ( 右端原点)、金属棒の初めに F =2m H[N] 位置はx= L である。紙面裏から表をz軸、棒の向きをy軸とする。(a,b,c は定数) ウ)F を与えず、水平なまま回転させないためには固定軸をどこにしたらよいか。 誘導起電力、金属棒を流れる電流の向きと大きさを求めよ。 左端からxの位置とするとこの点まわりではモーメントの和を N とすると N=-(L/2 -x)M g+xm H + (L - x)mH =0であるから x= L(1/2 ーm H/Mg)[m] ○電磁誘導 力 力学では慣性が働いている状態に変化をおこそうとすると必ず が必要になった。 ○レンツの法則 慣性 電磁気学でもこの関係は通用する。真空であっても電磁気から見ると に似た性質が ファラデーより数年後 場にはあるのである。そこで下図のようなコイルを用意する。図のように磁石を変化した時、 検流計の振れ方を答えよ。また、最初の場合のコイル上部に働く力を図示せよ。 N *うず電流 S S + 負 G N N S S S S N N N S B N + 正 G B + 正 G とめる。 誘導起電力 [ V ] 誘導電流 [ A ] Δx + G Φ= BS だからΔΦ= B Δ S = BL Δx よって ΔΦ/Δ t=BLv x V= ーΔΦ / Δt=ー BLv I=BLv/R 向きは磁場を打ち消す向きがから ・裏から表がz ○電流の向きはΦ 下向き イ)B が B(a,b,0) の場合 ウ)Bが (0.0.at) の場合 ΔΦ=Δ (BS) =Δ B・S + B Δ S の2アクション! =L2a Δ t+atL Δ x ①Φが増える よってアから (減る) ②Φを減らす F ○誘導起電力 ア)B が一定で上向き 面積は増えるので磁束は面積に比例して増える y (増やす) ②が誘導電流! 面積を貫く磁束はないので ΔΦ / Δt= aL2+at・Lv ΔΦ / Δt=0 V= ー aL(L+vt) I=aL(L+vt)/R 下向 よって I=V=0 エ)1 辺 L の単コイルの下を磁場一定の B が v で動く(B の領域はコイルの面積と同じ) 打ち消す このような現象はすべて場の変化を ように新しく電場や磁場が生成されるとし レンツ て説明がつく。これを の法則という。 Φ= BS だから B を止めてコイルを反対向きに動かせばよい。 誘導起電力 誘導電流 変化を打ち消すように発生した電圧を といい、発生した電流を 磁束は減少するので電流は増やす向きに左周り ΔΦ / Δt=ー BLv I=BLv/4R 電磁誘導 電磁誘導 という。磁場の変化により新しく起電力が生じる現象を という。 変化 ソレノイドコイルに する電流が流れると磁場も変化するのでこの変化から誘導起 自己インダクタンス 反対 自己インダクタンス 電力が元の起電力と 向きに生じるこの強さが である。 □応用例1 Q1. 図のように単位長さ当たり n1,n2(n1<n2) の巻数を持つコイル A,B を鉄芯でつなげる。 コイルの面積を z 方向から見れば L2 × Cos ωtである。ΔΦ = BΔS ○相互誘導 ア)V1 に交流 V1 = VoSin ωtの電圧をかけると V2 から出力される電圧を求めよ。 同じ磁束変化 *同じ鉄芯で連結されれば を受ける。( 自己インダクタンスは無視する ) V= ーnΔΦ / Δt=ーn BL 2Δ Cos ωt /Δ t ・交流 ・トランス n1 V1 =nBL2 ω Sin ωt I=nBL2 ω Sinω t / 4Rn=BL2ωSinω t /4R 誘導起電力は磁束の時間変化と巻き数nに比例するので n2 V = −n ∆Φ とおける。よって V2/V1=n2/n1 の関係がある。 ∆t V2 よって V2=Vo・n2/n1・Sinωt となる。 振幅は変化するが、位相変化はない。 ・電力の保存 オ)一定の B の中でn巻きコイルがωで回転する。( 図の位置が t=0、B はz方向で一定) 電力 イ)V1 側を1次コイル V2 側を2次コイルとし、どちらも同じ になることか ら 1 次、2 次の電圧、電流と巻数の関係を導け。電力、電圧、電流のグラフを示してみよ。 回転軸 Q1 図のように導線のレールに長さLの摩擦のない導体棒を置く。抵抗はR,磁場Bは一定である。 *変化量をとる、 G は交流検流計である。 つまり微分すると 位相 がずれる。 *電流と電圧の位相 同じ は Sin θ・Sin θ= (1 - Cos2 θ )/2 V I P 2次 V I P 1 次 ◇物理数学 倍角 t 電力は P=VI で積になる。1 次も 2 次も同じ。 レンツの法則 トランス V = −n ∆Φ ∆t + G 検流計の正負、ΔΦを求めよ。また、左に動かす場合はどうか。 左に動かすと面積が増える。するとこれを打ち消す向きに電流が流 れるから検流計は負、ΔΦ / Δt= B Δ S/ Δt= BL v 右に動かすときは反対になる。 電圧は赤、電流は青で 1 次、 n2 n1 B ア)棒をレール上で速さvで右に動かす。Δt秒間の磁束の変化 t 2 次でも磁束が共通してい イ)棒をvは回路の面積が S になるところで固定し、B = B0Sinω tの変動磁場を加え、 るので変化は同じ。その 検流計を電流計にした。磁束Φと電流計の読みを同じグラフ上に示せ。 積は電力で一定。電力は V= ーdΦ / dtから V= ー B0d(Sin ωt )/dt 正で2倍の振動数 =ー B0 ω Cos ωtだkら I =ー B0 ω Cosωt/R V の形は B と位相がずれる。 赤が電流 V1/V2=n1/n2 V1I1=V2I2 電力は負にならず 2 倍の振動。 電磁場 —6 青が磁束 電磁場 —7 B6 電磁気基礎 ○電流がある場合 Q2 図のように導線のレールに長さLの摩擦のない導体棒を置く。抵抗はR,電源はV ・ローレンツ力の向き 重力の影響は考えない。磁場Bは一定である。棒に働く力と向きを求めよ。棒方向を B6 電磁気基礎 力学的エネルギー ○モーターと発電機 モーターは外部に電源が 、発電機は電源はなく外部から を加える。 あり Q1 y軸、図左右にx軸をとる。 F ⊥ IB 平面 の中に置く。電気素量 e、導線の中の電子密度 n、断面積をSとする。 ア)B が垂直 イ)B はy方向にθ傾ける ウ)B はx方向に θ 傾ける B F=BIL B はじめにモータを考えよう。図のような縦横が a,b の長さのコイルABCDを一定の磁場 B θ B F=BILCos θ F=BIL θ 電子密度と電流、電荷 q=enSa はじめ端子PからABCDの順で一定電流Iを流す。 B I=enSv N b C a ア)導線 AB 中の電子の速さv ,AB 間の電気量qを求めよ。 S I=enSv だからv= I/(enS) q=enV (V は体積 ) =enSa A D P イ)コイルBC ( AD ) が図のように磁場Bに対して θ の向きにあ Q る時、 コイルの各辺の力とコイル全体の受けるモーメントを求めよ。 力は電流からと磁場からに分けよ。 PQ 側からの図 AD のみ見えている。 電流から A B B C 磁場から コイルには図のように電流と磁場から力 B を受ける。この内 F1 のみがモーメントに C F1 θ ◎D A A D F1 効き、AB と CD で F1=IL × B = IaB で図の ように働く、モーメントは M=IBabCos θ D [Nm] ウ)θが0から 2 πまで変化するとき、コイルに働くモーメントMと θ のグラフを描け。 またこれはどういう回転を表しているか。( 上図の θ =0をt=0とする ) イの結果から M=IBabCos θ[Nm] M だからこれをグラフにする。M が負 θ=ω t になるところは反対に回転しているの で正負の半回転を繰り返す。 エ)コイルの端点PQは図のように電圧端子+、-とつながり続ける必要がある。尚かつコイ ルが回転を続けるために端点PQにどういう器具が必要か図示せよ。( 図は θ = 90°) ○整流子 ある回転角度で電気の流 れ方が反対になるように 整流子 回転しても電気的な接点 を保つように工夫された Q4 図のように抵抗 R, 電流計の回路に角度θの導体のレールをつけ、長さ L 質量mの導体棒 装置 Q1 整流子を入れた後のM-θのグラフを描け。 - M + θ=ω t Q +と-を入れ替える装置 ○ブラシ P 回転子、ブラシ Q2 ダイオードを入れた後のM-θのグラフを描け。 P M Q を高さhのところに静かに置いた。磁場 B は鉛直上向きで一定である。 導体棒を放したら導体棒はあるところで一定の速さvになった。 ア)このときの電流計の読みをvを用いて表せ。またこのvを求めよ。 ローレンツ力の向きはθに関係なく i × B の外積で決まる。 A B R F=BILCos θ =mgSin θ①の時に等速になる。ΔΦ/Δ t= BLvCosθ だから θ B I = BLvCos θ /R ①より B2L2vCos 2θ/R=mgSinθ v= Rmgtanθ/(B2L2Cosθ) F=ILB イ)このvと同じ速度で観測者が運動をした。観測されるローレンツ力の大きさを求めよ。 ローレンツ力は磁場と電場の相対的な速度で決まるので観測者の運動に無関係。 誘導起電力 V = - n dU dt ΔΦ=Δ B・S + B Δ S F ⊥ IB 平面 モーター モーメントは M=IBSCos θ[Nm] 電磁力 電磁場 —8 電磁場 —9 B6 電磁気基礎 ○交流発電機 Q1. 図のような一様な地場 B があるなかに辺の長さが a,b のコイル ABCD を辺 AB の速さvで 図Cの様に一定の速さで時計まわりに回転させる。PQ 間は全部で R の抵抗があるとする。 B b ア)コイルBC ( AD ) が図のように磁場Bに対して θ の向きにある時、 ○モーターと発電機 C 磁場に垂直なコイルの閉曲線内の断面積Sを求めよ。S0=ab とせよ Q a N S また、θを角速度ωとtで表せ。またωとvの関係を示せ。 *平行関係 A ω=v / r=2v / b S0=ab だから S=S0sin θ θ=ωt D T=2 πr / v=πb / v P Q ◇物理数学 三角関数 Sin 1 - cos 2i θ= 2 Cos θ= 1 + cos 2i 2 一定磁場の中でコイルを回転すると誘導起電力が生じた。この電位は直流の場合と異なり、 記号: AC と共に変化する。Vo を最大値として電圧が V = で表される時、 時間 VoSin(ωt+θ) 交流電源 これを という。 交流 Q, モーターに回転を与えて得られる電圧は交流か。図で示せ。また整流させる方法を記せ。 また整流をダイオードで行った場合の V-t グラフを描け。 モーター:整流子 モーター:ダイオード V V t イ)Sとtのグラフを描け。( 図のθ=0をt=0とする ) S v 2 2 B6 電磁気基礎 ○交流 B θ=ω t θ ウ)磁束Φ、誘導電力 V を求め。V - t、コイル内を通過する磁束 Φ - t のグラフを描け。 V Φ Φ= BS sin ωt 整流されているので交 t 流ではない。整流子か ダイオードを用いる。 ○実効値 電圧、電流の1周期の間の2乗平均の平方根の大きさを と定義する。 実効値 ○交流の実効値はエネル Q1. V = VoSin ωt、I = IoSin ωtとし、電圧、電流の実効値を求め、1周期 T の間の ギーから考える。 エネルギーとの関係を求めよ。その意味を図でも示せ。 実効値 Vr= √ {Vo2/2T・∫ T(1 - Cos2wt)dt} = Vo/ √2 電流も同様に Ir = Io/ √2 0 V= ー d Φ /dt = BS0 ω cos ωt① t \ 太赤:磁束Φ、青が誘導電力 V Q2. 家庭用の電源 50Hz、電圧の実効値が 100V の時、電圧の最大値を求めよ。 微分しているのでπ / 2ずれる。 最大値は√2倍だから 140V ただし、実効値の定義から1周期より長い時間で考えな 【開拓者たち】マイケル・ エ)端子PQを抵抗Rに接続する。コイルを流れる電流Iとその向きを答えよ。また、I-t、 フ ァ ラ デ ー(Michael Faraday, 1791 年 9 月 電力 P-t のグラフを描け。先問で得た整流子がある場合、ない場合共に描け。 整流子がない場合は P,I I=V/R から I=- ω BS0cos ωt /R 赤 22 日 - 1867 年 8 月 25 2 2 2 2 2 整流子を入れると図のように I の負の部分は 知られるイギリスの化 N 学者・物理学者。 出典 : ウィキペディア v P コンデンサは直流では過度的な状態以外は 電流は流れない ジュール熱 ただし、 は発生しない。振動数大なら ・コイル S 電流は A → B を正とする 磁束が増えるので誘導電流 ジュール熱 ただし、 は発生しない。振動数大なら ・抵抗 ジュール熱 電圧降下 抵抗は直流でも交流でも同じように がおこり、 が発生する。 ・電力 実効値 交流の電力は で求める。例えばある電気素子に最大電圧 Vo、最大電流 Io は磁束を消す向き、負 D カ)コイルの線分 AB に働く力 F とコイルに生じるモーメント M を求め Q よ。コイルの面積 ab = S0 としてよい。 B θ 抵抗 の交流が流れている時、消費電力は次のようになる。ただしこれは のみである。 2 P=V0/ √ 2・I0/ √2= V0I0/2 F=ILB= ω B aS0cos ωt /R 2 2 2 2 2 M=FbCos ωt = ω B S0 cos ωt /R = ωB S0 (1+Cos2wt)/2 R ○インピーダンス ○モーメントの仕事 W=F・S=M・θ コイルは直流では過度的な状態以外は 導線と同じ 抵抗としてふるまう XL=L ω しかし交流では 式: オ)磁場からの力、誘導電流の向きを図に示せ。図 C の θ=ω tとし、 C A ・コンデンサ 反転 次に磁場から受ける力を考える。 b a 交流が を持っているので のように考える必要があるからである。 ) とは異なりコンデンサやコイルは別な働きをする。これは XC=1/C ω 電流は流れる 抵抗としてふるまう しかし交流では 式: 電磁誘導の法則の発見、 明などの数々の業績で リアクタンス 2 = B ω S0 /R・(1 + Cos2 ω t)/ 2 青 B AC ) は直流 ( DC 交流 ( 2 ける電気分解の法則や ブンゼンバーナーの発 ○交流回路の抵抗 P=I R だから P=B ω S0 cos ωt /R t 日)は、電磁気学にお 2 いと意味がな Z キ)t=0で A が図 A のθ=0の位置にある時、磁束密度 Φ とコイルの回転に必要な モーメント M のグラフを描け。横軸はθとする。 交流が直流のように単純ではないのが回路の全抵抗である を求め インピーダンス る場合である。例えば次のようにコイル L、コンデンサ C、抵抗 R の直列回路があるとする。 L C R コイルの抵抗を XL、コンデンサの抵抗を Xc( リアクタンス という)これは抵抗 R を基準とすると下図のような位相関係 ・リアクタンス になる。つまり抵抗は のようにふるまう。 ベクトル また、単位時間あたりに外力のモーメントのした仕事を求めよ。これは何に等しいか。 外力のモーメントは正の向きその仕事は 複素空間 Q. 右図のように抵抗 Xc、XL、R がある時全体の抵抗 Z を求めよ。 単位時間ではθ=ωだから *抵抗を実軸に また図に Z を書き込め。さらに電源の電力を P として L、C、R で とる。 の電力を求めよ。 W=M・θ=ω2B2S 2/ 2R・(1+Cos2wt) ③ これは電力に等しい t 発電機 モーメントの仕事 インピーダンス 電磁場 —10 Vr = 1 T #V T 2 Z R PL=PC=0 PR=P 電力は抵抗でのみ生じる。 交流実効値 Xc dt Vr=Vo/ √2 Ir = Io/ √2 0 電磁場 —11 XL B6 電磁気基礎 □コイル 電流 磁束 コイルに交流を流すとコイルを流れる が変化するのでコイル内の B6 電磁気基礎 ○リアクタンス ( インダクター ) 誘導起電力 誘導磁場 が変化する。するとこの変化を打ち消そうと が生じ、 を作る。 ・回路記号 自己インダクタンス(L) この強さを表すのが である。従って、力学の X L[ Ω ] 質量 のように電磁気における の大きさをあらわす。 慣性 自己インダクタンス 記号: 式 コイルの中のはじめの磁場 誘導磁場 L [H] 単位: V=ーLΔ I/ Δt Q. 次のように波形発生装置(ファンクションジェネレーター FG)で電源を与えた。コイル L、 ・時定数 コンデンサー C がある場合、出力側の電圧波形を描け。また電流の波形も描きなさい。 T=CR 入力電圧 V、電流 ア C R 赤:電圧 Vo t 0 回路の基準 Vo 電流の位相は同 じ Q1 コイル両端の電圧 VL とコイルの抵抗であるリアクタンス XL の大きさを求めよ。 抵抗 R ~ 直流電源 E = Vo、交流電源 E = VoSin ωtとすると、コイルはどういう働きをするだろうか。 交流 Q2 L1 A は直流電源、B L1 は交流電源である。VL、VR、IL を求めよ。 V1 A B 100mH 100mH VL =0 12 V V VL 50 HzVL I= 1.2A 12 V 0Deg R1 IL R1 IL rad/s VR= - 12V は 1 本道なら共通 t して流れる。抵抗以 外は位相 (Sin,Cos) る。 VR 10.0Ω 測するためには FG の振動数をいくつにセットすればいいか。 コンデンサは T=RC=10 × 10 -6 -4 × 10 = 10 = 0.1ms IL=1.1sin(50t)[A] =I・XL = 5.5sin(50t)[A] 電圧の位相 Q3 コイルは T=L/R=10 /10 = 10 =0.1ms よってこの 5 倍程度は 0.5ms、 抵抗 ・位相の進みは左周 次に位相変化のない を流れる電流を I0Sinωt と決めよう、 周期はその 2 倍で 1ms, 振動数f= 1/T だから 1kHz りの動径を使う。 LR 直列回路のコイルと抵抗の両端の電圧、電流を求めてそのグラフをそれぞれ描け。 -3 -4 コイル 電流の変化 する。コイルの断面積を S とする。このコイルに電流を流したり、電磁誘導で誘導電流が生じ 反対向き 電流の変化 誘導起電力 たりすると により、 起電力と に が生じる。 ・自己誘導 自己誘導 これをコイルの という。これから生じる電位 V の向きと大きさを求めよ。 ・交流の位相 ・巻き数密度 H =n I から B= μ0n I Φ= BS、V= ー n'ΔΦ/Δt から 巻数 n’ =n/d (n は巻数密度 ) コイル V= -nμ0n S Δ I/ Δt LV 2 *nは2回かかる V =-n μ0S/d・Δ I/ Δt向きは電流と反対方向に誘導電流を流す向き。 赤:電圧 t 緑:電流【コイル】コイルの両端の電圧は VL = L d I/ dtだったから t 自己インダクタンス L 自己インダクタンス n2μ0S/d 上の結果の定数 を で表し、 これを という。 ○エネルギー H(ヘンリー) 単位: 式: I= I0・Sin ωtを代入して VL= = L ω I0・Cosω tとなる。 コイルの電流は共通していて I0Sin ωtである。 抵抗 赤:電圧 【抵抗】 緑:電流 t コイルは電圧進み 抵抗は同位相 この時、抵抗の電圧はコイルの電流と同じように変化する。 【電源】 電源電圧 V=VL + VR である。ただし、波と同様ベクトル和 抵抗 位相 このように交流に直流にはない が加わる。これは波の場合と同様にベクトルと して考えると理解し易い。電源電圧 V は常にベクトル和として である。 V=VL+VR V=ーLd I/ dt ○ LR 回路の位相 全電圧を V、抵抗の両端電圧を VR、コイルの両端電圧 VL としてグラフとベクトル図を描け。 Δt秒の間にコイルに電流 i が i +Δ i だけ変化した時の仕事を考えよう。 Q4 抵抗の両端電圧を I 0R・Sin ωtとし、VL,V を求めよ。V のなす角 θ を求めよ。 Q. Δ W = を用いて電圧 V, 電気量 Q の仕事を求め、変分表示してみよ。 Δ W=P Δt ・LR 回路の電圧図 電源、コイル、抵抗の電圧 =V・s /A ・コンデンサーは = √125=5 √ 5 Ω= 11 Ω ・コイルの電流と さらに詳しくみる。長さd、単位長さあたりn回巻いたコイルがある。真空の透磁率を μ 0と U=1/2・Li 2 Z= √ ((L ω )2+R) VR=11Sin(50t) *きっかけは ・コイルのエネルギー XL=L ω=5Ω VL=IR より VR 10.0 Ω めよ。また、この時、図のような波形をオシロスコープで観 63% 63% VL=I0L ω Cos ωtで大きさだけとれば VL = I0Lω = I0・XL だから ・コイルと直流、 交流回路でも電流 Q. Vo=10V、R=10 Ω、L=1mH、C=10μF の時の時定数を求 1/e=0.37 回路全体では電源の電圧を V とすると XL = L ωである。 出力電圧V イ L 誘導起電力V’ =ーLΔI / Δtは電源と反対に働くので V ーLΔI / Δt= IR よって V=L Δ I/ Δ t + IR = VL + VR とみなせ ○ LR 回路の式 が入るので注意す ・基本形 コイル L る。VL = L Δ I/ Δtである。これに I=I0Sinω tを入れると Vo t 抵抗での電流が I=I0Sin ωtで自己インダクタンス L のコイルと抵抗RのLR回路がある。 R ~ ア C ・コイルの両端電圧 イ L 出力電圧V コイル T=L/R Lω 抵抗 となる。交流では では電流と電圧の が同じになる。 位相 VL = L Δ I/ Δt S ○矩形電圧 LC 回路 コンデンサ 導線 反対 コイルは直流では としてふるまい、交流では誘導起電力が 向きに働くので リアクタンス 抵抗 としてふるまう。この抵抗値を という。コイルの場合この値は ただし、誘導起電力に逆らう向きを正とする。 微少変化の仕事はΔ W=P Δtから *交流回路 Δ W=iV Δ t = iL Δ i/ Δt・Δt= Li Δ i 抵抗中心で考える 緑:抵抗 赤:コイル t 青:電源 ベクトル図 V VL θ VR Q. 上の結果から電流が 0 から I まで変化した時のコイル内に蓄えられるエネルギーを求めよ。 VR=I0R・Sin ωt、VL = I 0L ω・Cosω t、V=VL + VR =√ (VL 2+ VR 2) W = L # idi = 1 LI 2 2 0 I コイル リアクタンス 交流電源の場合コイルに流れる電流の位相はコイル両端の電圧に比べ、 π / 2遅れる 自己インダクタンス コイル V = I0 √ (R 2+ ( ω L) 2) tan θ= VL/VR = ωL/R 電源電圧=電流 MAX・Z XL=L ω 電磁場 —12 同じ LR 回路では V=VL + VR、ただしベクトル和 抵抗は電流と電圧の位相は 電磁場 —13 B6 電磁気基礎 ○ LR 回路インピーダンス Q. 上の結果から交流の RC 回路の抵抗 RL、R のベクトル図を描き、インピーダンス Z を求めよ。 ベクトル図 2 2 Z =√ (R + ( ω L) ) VR=I0R・Sin ωt、VL = I 0L ω・Cosω t、 Z XL 2 2 V=VL + VR =√ (VL + VR ) 2 R 2 V = I0 √ (R + ( ω L) ) よって Z0 =√ (R2+( ω L)2) B6 電磁気基礎 □電圧に対する位相 直流回路ではコンデンサには 状態をのぞき、電流は 過度状態 流れない コイルとコンデンサ 交流回路では極板の が入れ替わるので電圧がかかった直後ほど電流は 正極、負極 ・交流の i の微分表現 i = dq/dt 自己インダクタンス 一方、コイルでは が慣性の役割を演じたので 流れる 流れない。 電圧がかかった直後は電流が 。これによってコイル、コンデンサはそれぞれ の両端にかかった電圧に対し、電流の が変化することになる。 位相 Q1.次のコイル、コンデンサの両端の電圧 V=V0sinωt として電流を求め、グラフに記せ。 Q. この場合コイル、抵抗で1周期の間に消費されたエネルギーを求めよ。 ○ RL 回路の消費電力 は 起電力に対して コイルの仕事 W= ∫ ILVLdt=I0V0/2 ∫ Sin2ωtdt=0[J] V と I が なら 抵抗の仕事 W= ∫ IRVRdt=I0V0/2 ∫ (1-Cos2ωt)dt=I0V0/2・T [J] 仕事は0 ・微分積分と位相 この結果のように交流回路では電流と電圧の位相が π/2 だけずれる場合にはその仕事は R Q 1次のように半径r , 長さdの nA 回巻のコイル A と同じ形状でn B 回巻のコイル B がある。 d d それぞれ自己インダクタンスを LA,LB, 透磁率を μ とする。 B ア)A,B それぞれに等しくコイル内に磁場 B(t)[T] を与えた。 R V=Q/C= ∫ Idt/C C V = LdI/dt L I=V0 ω Csin ω t これから XC = 1/ ω C π / 2進む I= ー V0/ ω Lcos ω t これから XL =ω L 赤:電圧 になる。これが 0 リアクタンス の特徴である。 ○相互インダクタンス また、各リアクタンスとコイル、コンデンサでの消費電力を求めよ。 微分すると * R 方向を実軸にとる ・リアクタンス * マイナスがかかるの s 緑:電流 ・リアクタンス t t XC= 1/ ω C A,B に流れる電流 IA、IB を求めよ。 巻数密度は n'= n /d だから H=n'I, B=μH、よって I=H/n'=Bd/μn よって IA = Bd/ μ nA IB = Bd/μnB よってコンデンサでは両端の電圧に対して電流は 、コイルは π / 2進み π / 2遅れる インダクタンスと巻数 H=n'I イ)誘導電圧をそれぞれ求めよ。 ・ ・ VA= ー LAdIA/dt =ー LABd/ μ nA VB= ー LBdIB/dt =ー LBBd/ μ nB n'=n/L ○インピーダンス 0 π /2 どちらも電流と電圧の位相差が なので消費電力は となる。 ・位相の進み 実際の回路には が存在するので閉回路全体の電流の に対する 位相は全抵抗である によって決まる。抵抗 R が変化すると位相は変化する。 V= ー nd Φ /dt ウ)誘導電圧はこの場合ちょうど nA:nB になる。これから LA:LB を巻数の比で表せ。 n' は単位長巻数 2 上の結果から LA:LB = nA :nB n は巻数 ○相互インダクタンス 2 IR、R 変圧器(トランス)には1次側、2次側について が V 1=―M・dI 2/dt V 2=―M・dI 1/dt 成り立ち、M を という。 相互インダクタンス M= √ L1L2 ・単位ベクトル法 IC,XC エ) ウの結果から自己インダクタンスと巻き数の関係を利用し、相互インダクタンス M が IL,XL A n1 V1 B n2 V2 回路の電圧の式は V = Q/C+IR V = LdI/dt+IR V=I0/C ∫ sin ω tdt+I0Rsin ω t V=I0L ∫ sin ω tdt+I0Rsin ω t V=I0( ー 1/ ω C・cos ω t+Rsin ω t) 2 となる。これを代入すると、V 1=―k n1n2・dI 2/dt、V2=―k n1n2・dI 1/dt ・ハイパスフィルター よって M= k n1n2 ①とおけば V 1=―M・dI 2/dt、V2=―M・dI 1/dt という関係を得る。 ・ローパスフィルター 赤:V2 ・交流の場合の接続 Lω V1:V2 = n1:n2 先の結果から L=kn1n2 だから ア)このコンデンサのリアクタンスと電流の実効値を求めよ。π を用いてよい。 ω=100π ンデンサとしても合成 XC= 1/ ω C = 1/( 50π ) Ω I= 5×103πA の結果は同じ イ)同じコンデンサを2つ直列につなぎ、同じ交流電源につないだ。 V1=n1/n2・V2=kn1n2dI2/dt=MdI2/dt=V0sinωt とおくと リアクタンスと電流の実効値を求めよ。 抵抗として合成すると直列だから 1/( 25π )Ω よって I =2. 5× 103πA よって I1=-n2/n1V0/M ω・cos ω t よって 2 次コイルも電圧と 電流が直交しているので仕事をしない。 2 R 1/ ωC Xc = から交流の周波数が高いほどコンデンサを通過する電流は よく流れる 低い ωL また、コイルの XL = から逆に周波数が ほど電流はよく流れる。 ・Xc は抵抗としてもコ t I2= ー V0/M ω・cos ωtとなり V2=n2/n1・V1=kn1kn2dI1/dt=MdI1/dt=n2/n1・V0sinωt となる。 ー Vo/M ω 緑:I 2 V=I0( ω L・cos ω t+Rsin ω t) Z Q2. 静電容量が0. 5[F] のコンデンサ C1 に50Hz,100V の交流電圧をかけた。 オ)上の関係から n1,n2,Vo, ω、M を用いて V2 と I2 のグラフを描け、また、2 次コイルで I、V n2Vo/n1 2 θ R は巻数nの 2 乗に比例していたので比例定数をkとおけば L1= k n1 2、L2= k n2 2 発生するジュール熱を求めよ。V=V0Sinωt とする。 トランス 回路の電圧の式は 先の結果から V 1=―L2n1/n2・dI 2/dt V2=―L1n2/n1・dI 1/dt であるが自己インダクタンス ①は M= √ (L1L2) とかける。 ○位相相関図 ンスを求め、その位相関係を図示せよ。 よって Z =√ (R +(1/ ω ) ) 1/ ω C 等しくなることを示せ。また、M を L1,L2 で表せ。 C Q1 のコンデンサとコイルの回路について抵抗を流れる電流を I0Sinωt として各インピーダ 2 Z =√ (R + ( ω L) ) tan θ= VL/VR = ωL/R 電源電圧=電流 MAX・Z 相互インダクタンス M= √ L1L2 トランス:電圧は同位相 電磁場 —14 コイル・コンデンサ コイル XL =ω L 電流π / 2遅れ リアクタンス コンデンサ XC= 1/ ω C 電流π / 2進み 電磁場 —15 Z B6 電磁気基礎 ・RC 回路 B6 電磁気基礎 ○共振周波数 Q2.RC 回路で R=20k Ω、C=1000 μ F V=10sin(t/20)の場合について次に答えよ。 ア)角振動数ωを求めよ。 この共振周波数を求め、この時回路に流れる電流の最大値を求めよ。 R ω= 0.05[rad/s] 共振周波数 イ)RLC回路でインピーダンスが最小になる場合の周波数を という。 L ω= 1/ ω C から ω=1/ √ (LC) f =1/ 2π √ (LC) C よってI max =Vo / R イ)回路のインピーダンスを求めよ。 Z= √ (20k 2+ (20/1000u)2) = 10 3√ (20 2+ 202) =20√2k=28k Ω ○交流の RLC 並列 Q4. 自己インダクタンス L のコイル L と R Ωの抵抗 R、静電容量 C のコンデンサ C を並列 に接続し、電源 V = VoSin(ωt)の交流電源に接続した。 並列 ・力率 ウ)回路に流れる電流とその実行値を求めよ。 電圧は同じ I=V/Z =0. 36sin(t/20+ θ )mA 電流の位相は電源とずれる。 電流は和 I ア)R,C,L それぞれを流れる電流 IR,Ic,IL を求めよ。 まず全体を流れる電流を右回りにIとおく。 R 抵抗に位相変化はないから Ir = Vo/ R・Sinω t ・ よって実効値は10/(20√2・√2)=0.25mA コンデンサはV=q / Cだがq= i だったから Ic = CdV/dt エ)回路で消費される電力を求めよ。また、この値と Z ベクトルとの関係を求めよ。 IC=ω CVo・Cos ωt Cos θ= を という。 R/Z 力率 2 コイルは V = VL=Ldi/dt だったからこれを満たすためには IL =- Vo/Lω・Cosω t 2 *単位ベクトル法 P=I r R = Ir ZCos θ=1.25m W イ)回路に流れる全電流とこの回路のインピーダンスを求めよ。 全体の I = IL +IC+ Ir = Vo(ω C -1/Lω)Cosω t+ Vo/ R・Sinω t 上図から ZCos θ= R なので結局抵抗でしか電力を消費していない。 = Vo{ (ω C -1/L ω)Cos ωt+1/ R・Sinω t} ここで Y = 1/Z とすると ○交流の RL 回路 *コイルもコンデンサも Q1. 図のような自己インダクタンス 100mH のコイル L と 10Ω の抵抗 R を直列に接続し、 Y=(ω C -1/L ω)Cos ωt+1/ R・Sinω t よってt= π/ 2+ θ と選べば 100/ π Hz、最大 44V の交流電源に接続した。 Y=(1/L ω-ω C)Sin θ+1/ R・Cosθ よってこの Y が図のような位相図を満たす。 ア)回路に流れる電流の最大値とその実効値、また消費電力を求めよ。 よって Y= √{ (ω C -1/L ω)2 + ( 1/ R )2} ω C ω=2πf=200 ω L =20よって 抵抗として電圧を下げる。 Y インピーダンス Z= √ (102+202)=10 √5=22Ω 1/R よって最大値 Imax = V/Z =2A 実効値は2/ √2=1.4A * i のおき方 に決める。 1/L ω 消費電力は i2R=20[W] R RCos θが残るよう これから Z=1/Y =1/ √{ (ω C -1/L ω)2 + ( 1/ R )2} ウ)抵抗に流れる電流を IoSin ωtとして抵抗、コイル、コンデンサの両端の電圧、電流 イ)交流電源の替りに図のような ON-OFF を繰り返す矩形波を電源に入れ替えた。 と時間のグラフを描け。また、時刻tで回路で消費する消費電力を求めよ。 コイルがある場合とない場合について抵抗、コイルの両端の電圧のグラフを描け 抵抗は電流と電圧の位相は電源の位相と同じ上の図から見るように また、抵抗、コイルを流れる誘導電流の波形を描け。 コイル内では電圧がπ / 2進み、コンデンサでは電圧が π/ 2おくれる。 電圧 電圧電流:コイル 電圧電流:抵抗 よってグラフは次のようになる。よってコイルやコンデンサではリアクタンス はあるが電力は0,抵抗では t t 2 赤:抵抗、青コイル、緑コンデンサ 2 Io RSin ωtの電力を消費する。 t t *実効値にすると平均化されるので ここでは最大値を用いて表す。 ○交流の RLC 直列 Q2. 自己インダクタンス L のコイル L と R Ωの抵抗 R、静電容量 C のコンデンサ C を直列 ・全体の電圧が与え に接続し、電源 V = VoSin(ωt)の交流電源に接続した。 られた時 ア) 電流を i とし、関係式を作り位相の図からインピーダンス Z を求めよ。 位相差のない 抵抗基準! 抵抗を X 軸に ○共振周波数 エ) 振動数fを変化させた時の回路に流れる電流とインピーダンスのグラフ Z-f グラフを描 ・周波数特性曲線 け。極値をとる場合はそのfの値も書き込むこと。 コイルの誘導起電力 V' =- Ldi/dt, 抵抗での電圧降下は iR, コンデンサは インピーダンス Z の式から L ω=1/C ωの時に極値をとる。ω =2π fから V=q/C から V=iR + Ldi/dt + q/C が成り立つ。この式の両辺を微分し、 f=1/(2 π√ LC) この時、Z=R となり I = V/ R となる。 dq/dt=i を利用すると。ω VoCos ωt= Rdi/dt+Ld 2i/dt 2+ i/C ①前回と R 同様に i = i0Sin( ωt+θ)を①に代入すると 1/ ω C ω VoCos Z ωt=ω Ri0Cos( ωt+θ)ー ω 2L i0Sin(ω t+ θ)+ i0/C・Sin(ω t+ θ) I R グラフは右のようになる。青:インピーダンス 赤:電流 Vo/Z Z この式の両辺をω i0 で割り、t=0を代入すると R Lω 交流 インピーダンス Z = RCos θーωL Sin θ+1/ ω C・Sinθ よって位相図は 1/(2 π√ LC) R を水平軸に取り、図のようになるよってインピーダンスZは Cos θ= R/Z:力率 Z= 電磁場 —16 R + c L~ - 1 m C~ 2 2 共振周波数 並列 RLC 回路 1 b1l b C~ - 1 l Z = R + L~ 2 2 共振: ω=1/ √ (LC) f =1/ 2π √ (LC) 電磁場 —17 f B6 電磁気基礎 ○ LC 振動 Q1. 図のように 10V の電源に 10 Ω、1000μF、10m H の抵抗 R, コンデンサ C, コイル L B6 電磁気基礎 ○周波数特性曲線 交流回路では周波数fを変化させると、インピーダンス Z は大きく変化することがある。 ・角振動数 がある。はじめコンデンサに電気量はない。 その特性をグラフにしてみよう。 S1 ・閉じた瞬間 R 時間がたった後、コンデンサの電気量と静電エネルギーを求めよ。 Q.次の回路のインピーダンス Z を求めて、Z -f、I0 -fのグラフを描け。 閉じた瞬間は:コンデンサ側に非常に大きな電流が流れる。 ア) カ) -2 時間がたてば I =1A V=10V Q=CV= 10 B ・充電後 電源は V0Sin(2πft)とする。 ア)はじめ S1 のみ閉じる。この瞬間に B に流れる電流を求めよ。 S2 A V0/R C f=1/(2 π√ LC) 青I 赤Z 電位については q/C=V=-Ldi/dt この時、dq/dt=i を代入し両辺を微分すると 1/2・m v2 d2i/dt2= ー 1/LC・i これはω 2 = 1/LC とおけば単振動である。閉じた瞬間は i=0 だから →1/2・LI2 I=I0Sin ω t ω=1/( √ LC) = 1000/ √ (10)=100 √ 10=3.2×102[rad/s] f イ) 最大電流 I0 はエネルギー保存則から 1/2・QV=1/2・LI0 から I0= √ 10A 赤Z 青I 青I よって I= √ 10Sin(100 √ 10t) Z= 2 →1/2・q /C P=mv ウ)S1 を入れてから充電するまでに抵抗で消費した熱量と電源が供給したエネルギーを求 → Φ= LI めよ。 エネルギー保存則から抵抗でのジュール熱はコンデンサに蓄えられた静電エネルギーに等しい 2 ○ LC 並列回路 J 電源は2倍の0.1J 青I 青I R R 赤Z R コイルは低周波ほどよく流れる エ) こらないので VAB=20V、IB=0A である。時間がたてば Z VAB=0V, IB = V/R = 20/10 =2A ・まずリアクタンス イ) 次に S1 を開き S2 を同時に閉じた。この時をt=0とする。この振動の角速度 ω を求めよ。 を求めておく。 また、A を流れる電流を求めその I-t グラフを描け。さらに B 点を基準とした A 点の電位 コンデンサに電荷がないので点 A を流れる電流は最大で2A だが、 単振動をする。その角速 度はω= 1/ √ LC からω= 0.2 k [rad/s] よって IL= 2・Cosω t=2Cos0.2kt である。 コイルで考えれば VL=LdI/dt= ー 0.2k×50mSin0.2kt =ー 20Sin0.2kt である。 I 赤:電流コイル コイルで考えれば図のように電圧がπ / 2進む、コンデンサ 青:電圧 で考えると V=1/C ∫ idt だから IC= ー 2Cos0.2kt t 電流の向きが B から A になるので電圧が電流より π/ 2遅 緑:電流コンデンサ れる。 とおけば単振動 2 2 U=1/2・c V +1/2・Li のエネルギー保存が成り立つが単振動しているのでコンデンサに蓄え 2 U=1/2LI = 1/2・50m × 2 = 100 m J =0.1J、コンデンサのエネルギーも U=1/2・CV だか ら先の結果から V2= 2U/C=0.2/0.5×10 3= 400 よってはじめと同じ V=20V である。 1 R2 + Cω 2 ケ) オ) V0/R 1 1 R2 Z= + 1 2 ωL f 並列は逆数だからIとZを入れ替えてエと同じ R2 + (Lω)2 コ) f=1/(2 π√ LC) 青I 赤Z 青I R f 赤Z 並列は逆数だからIとZ を入れ替えてカと同じ 有限値からスタート Z = 電磁場 —19 f 1 1 ωL グラフは指数(対数)関数 抵抗があれば限界値がある。 単振動しているので消費電力は0W である。 電流は0A 電磁場 —18 Z= 赤Z R 周波数特性 青I R 赤Z 基本はウ√の中にω が分母になる。 2 f f 2 られる最大のエネルギーはコイルの最大のエネルギーでもある。I を最大の2A に選ぶと 2 Z= 基本はイ抵抗があるため収束値がある。 d2i/dt2= ー 1/LC・i ウ)コンデンサーに最大に蓄えられるエネルギーと最大の VAB を求めよ。またこの時回路で消 費する電力、流れている電流、コイルのエネルギーを求めよ。 青I R + (ωC)2 並列は逆数だからIとZを入れ替えてオと同じ R VA-t も求めて重ねてグラフに描け。また、コンデンサを流れる電流を求め図示せよ。 1 1 R2 赤Z f 直後はコイルがあるので電流が流れない。よって抵抗で電圧降下がお B Z= V0/R 間の電圧を求めよ。また、時間経過後どうなるか。 A 2 1 − Lω ωC f=1/(2 π√ LC) f ア)はじめ S2 を開き、S1 を閉じた、直後の B 点を流れる電流と AB S2 ク) Q2. 図のように 20V の電源に 10 Ω、500μF、50 m H の抵抗 R, コンデンサ C, コイル L がある。 S1 R2 + 共振点はあるが抵抗のせいでZは有限、Iも発散しない。 ウ) はじめコンデンサに電気量はない。電流の向きは A から B を正とする。S はスイッチである。 これはω2= 1/LC R f コンデンサは高周波ほどよく流れる -2 U=CV / 2= QV/ 2=5×10 2 1 − Lω ωC f 共振点でZが0になりIが発散する。 キ) 赤Z 2 青I R 力学との対応 赤Z Z= R A 点の電流 i についての関係式を立て、角振動数 ω、i を求めよ。 1/2・kx 2 U=1/2・QV= 5.0×10-2[J] イ)次に S1 を開き、S2 を閉じる ( この時を t=0) 容量は C、自己インダクタンスは L とし、 2 R 2 + c L~ - 1 m C~ Z= − ωC 2 B6 電磁気基礎 ○電磁波 時間 電場 ここまでで時間的な磁場の 的な変化が の 的変化を新しく作る 空間 B6 電磁気基礎 □実験例1 陰極線 ヘルムホルツ ことが予想される。19世紀の終わりに によりこのことが確かめられる。 ○電子の発見2 マクスウエル 後に電磁気の理論は によりまとめあげられるが、 アインシュタイン ・電気素量 e= - 1.6 × はこの式の中に既に光の速さがあらゆる観測系からも 一定 であることが含まれてい ることを見抜いた。 ・電磁波 光速 電磁波 質量 電場と磁場を伴い真空中を で伝搬する波を という。 がない。 Q1.物体は金属板でできており回転する。陰極線を当てたら物体が回転し、その影がB側に できた。さらに電場をかけると曲がることから陰極線とはどういうものか考えよ。 ・陰極線 負の電気を持った質量ある粒子 【電子】 Q2. 次に物体は取り去り、Cに+、Dに-の Q 次の電磁波の様子を図示せよ。 電圧をかける。さらにAは-、Bに+の i) スイッチ ON,OF を繰り返す。 ⅱ)振動電流をアンテナに流す。 高電圧をかける。陰極線を図示せよ。また、 電場の代りに磁場を使って同じ向きに曲げる 誘導電場 光速で伝搬 ON,Off の繰り返しで電 子が加減速される。 にはどういう向きにかけたらよいか。 ・ブラウン管 磁場は裏から表 y B◎ A B◎ B x d D 物体 熱電子 Q3.次に物体をはずし、Aに-の電圧をかけ、フィラメントを加熱したら電子 ( ) がとびだし、スリットから水平にv0の速さでBに向かった。そこでCに+、Dに-の電圧 誘導磁場 電流 C スリット フィラメント 加速 電磁波を発生させる簡単な方法は電子を させればよい。 r またはc ○電磁波の伝搬 既に発見されていた電流は電子の流れと 向きになる。クルックス管(真空)のA極 反対 陰極線 に-、物体側にプラスの高電圧をかけると輝線が観測できる。これを という。 10-19c 短く 大きい 光や電波はその仲間で振動数が大きいほど波長は く、エネルギーが ・発生 トムソンは電子の質量をmとし比電荷 が定数であることを実験で示した。 e/m をかける。CDの極板は長さdの正方形である。CDの端からBのスクリーン(蛍光板)ま ダイポールアンテナ での距離をLとする。スリットから発射された質量m、電気量 e の電子はスクリーンに到着 Q1. 真空中の電磁場の伝搬の様子を下に描いてみよ。 したとき中心からどういう位置に輝点ができるか。ただし、CD間の電場をEとする。 光速で伝搬、横波 電子がCD間を通過する間のみCDの向きに力F=qE= e Eの力を受ける。(e は負なの 電磁場の伝達する速さはどれだけか。また横波か縦波か。 で実際にはDCの向き)この時、CD方向の加速度は ma=eE から a=eE/m である。ただし この加速度を受けている時間はAB方向にはv0で等速だからt=d / v0である。 y C y0 【開拓者たち】 (Sir Joseph John Thomson, 1856 年 12 D ここまで 2 次関 よってCDの極板を出た瞬間に電子はy0 = 1/2・a t2 = eEd2/2mv02 だけ 中心よりC側にずれる。この位置を原点としy方向に vy = at=eEd/m v0 で時間t’ = L/ v0だけ等速度運動をするからy= vy・t’ = eEdL/m v02 よって全部で y0+y=eEd(2L+d)/2m v02だけ中心より上にずれる。 数ここからは直線 大きい Q2.次は全て電磁波の仲間である。周波数の小さい順、波長の 順に並べよ。 月 18 日 -1940 年 8 月 Q4. 次に CD の電極はそのままで、AB 間に紙面表から裏に一様な磁場 B をかける。電子は速 30 日 ) は、 イ ギ リ ス さvで等速円運動した。CD の右端から CD の中点を原点にし、B 方向にx軸、図上にy軸を 波長 1 AM波 2 FM波 3 携帯電話 4 赤外線 5 可視光(赤) 6 可視光(青) 7 紫外線 8 X線 1Km 1m 1cm 1mm 600nm 400nm 100nm 1nm の物理学者。しばしば とる。円運動の中心座標を求めよ。また、スクリーンに輝点ができる条件を求めよ。 振動数 0.1MHz 100MHz 10GHz エネルギー 小さい← 100GHz 500GHz 750GHz 1THz 100THz →大きい 「J.J. トムソン」と呼ば れ る。1906 年 に ノ ー *力の向きは電子の電荷が負なので反対になるから注意する。 v B C 磁場は電子の速度vと垂直なので F=ev × B の力を受ける。図のように θ θ 【開拓者たち】 マイクロ波 ベル物理学賞を受賞し (James Clerk Maxwell、 Q3. Q2の中で真空中の伝搬速度が最も速いもの、物質中の伝搬速度がもっとも速いも た。陰極線管を改良し、 のはどれか、このように速さが変化することを何というか。その原因も考えよ。 陰極線の研究をおこな 図の F は向心力だから evB = m v2/R から R = mv/eB よって①、②から円運動の中心の x,y は x= Rsin θ= Ed/B・v0 , y= yo - Rcosθ = eEd2/2mvo2 - m v0/eB 1831 年 6 月 13 日 1879 年 11 月 5 日 ) は、 真空中では電磁波の速さはどれも同じ、しかし物質中では分散があるので い、陰極線が荷電粒子 イ ギ リ ス( ス コ ッ ト ラ エネルギーの大きい電磁波ほどおそくなる。 で あ る こ と を 証 明 し、 電子の電荷と質量の比 ン ド ) の 理 論 物 理 学 者。 1864 年にマクスウェルの 方程式を導いて古典電磁 気学を確立した。さらに、 電磁波の存在を理論的に Q4. Q2の中で真空から物質中に入射する屈折角の大きくなるのはどれか。、 の測定(トムソンの実 また、もっとも回折が大きくなるのはどれか。 振動数が大きいと屈折も大きくなる。 験:1897 年 )、 電 子 の スネルの法則から波長が大きいほど回折は大きい 予想し、その伝播速度が Q5.静止した人と時速600kmのリニア電車の中にいる人から電車と同じ進行方向に 光の速度と同じであるこ 電車の中から電磁波を発生させる。電磁波の速さはどちらが速いか。 光、電磁波の速さは慣性系の速さに依存せず、一定である。従って同じ。 と、および横波であるこ cos θ= vx/v =v0/v ②半径 R は遠心力とのつりあいから θ F F の方向に中心がある。 条件は図からx’ = Rsin θ+ R > L であればよい。よって L < Ed/B v0+ m v /eB Q5. Q4 と同じ状況で磁場を CD の端から図 B に右向きの磁場 B がかかるように変更した。 電子はどういう運動をするか、 その中心となる座標も答えよ。紙面裏から表にz軸を加える。 y v z 図から F=e v× B = e v Bsin θの力を受ける。向きは e が負から裏 B 定するなど、電子の存 θ から表。Q3 から vy が得られているので遠心力とつりあいの式は F◎ 在 を 示 し た。1904 年、 C y0 evy=(mvy) 2/R、R = mvy/eB、R = Ed/B v0 x方向は等速、中心の座 電 荷(1899 年 ) を 測 原子核をもたない原子 モデルを提案した。 x 標はx=vxt=v0t らせん運動である。 出典 : ウィキペディア とを示した。 出典 : ウィキペディア をとると、向きは先問から sin θ =vy/v = eEd/mv v0 ① y0 電磁場 —20 電磁場 —21 y=y0= eEd2/2mvo2 z= R となりこれは B6 電磁気基礎 □実験例2 半導体 の板に図のように電流 I をながす。導体の中には荷電粒子があるので磁場 B を 導体 ( ) ○ホール効果 図のようにかけると により荷電粒子は力を受ける。この力により、荷 ローレンツ力 B6 電磁気基礎 電場 ホール効果 電粒子の密度に偏りができればそこに が生じる。これを という。 ローレンツ力と仕事 磁場(ローレン ツ力)は仕事を Q1. 下図に磁場 B がある時と無い時の電子の動き、磁場を図示せよ。I の向きをx軸とする。 前面の横の長さをy方向d、縦を z 方向 h とし、奥行きをx方向 L とする。 I I d B しない。 L h + + + - - 磁場 d - + - ローレンツ力 Q2. 電子の速さvを電流 I、d、h、電子密度n、電気素量 e で表せ。 I=envS = envdh からv= I/endh ① *ホール電圧 Q3. 磁場と電場による力がつりあった時、電場 E と側面(y方向)に生じる電位差を求めよ。 ホール電圧には電気素量 この時、 +q の帯電体がx方向に L, y方向にdだけ移動した。電場、磁場から受けた仕事を求めよ。 e が出てくることに注意 磁場 B と電場 B にはたらく力から evB=eE よって E= v B ①から E=IB/endh V=IB/enh V=Ed から V=IB/enh 帯電体は磁場からは常に変位が直交しているので仕事を受けない。 電場からq V の仕事を受ける。 □実験例 3 磁場中の電子に速度を与えると円運動する。この時、磁場 B の大きさと接線速度vとの関係は ○粒子加速器 r eB = mv の関係であった。磁場や電場に変化を与えvを大きくしていくのが粒子 r eB = P サイクロトロン 加速器である。vが大きくなると普通半径 R も大きくなるこれが シンクロトロン 素粒子 で、半径を一定にしたのが である。これらは の衝突、消滅、生成等の実験に利用されている。 ベータトロン Q1. 下図のように磁場 B の中に電荷- e、質量mの電子をを入れたら半径 R、速さvで - 等速円運動をした。はじめ円内の B は平均値 B で一定である。 - ア)電子の運動量 P の大きさを e,R,B で表せ。 B - mv2/R=evB からv= eBR/m - v よって P= mv= eRB R 次にΔt秒の間に B は B から ΔB だけ増加した場合を考える。 円電場 イ)電子に働く接線方向の力 F を求めよ、また時間 Δ tの間の P の変化 ΔP を求めよ。 円運動では 円周上の電場を E とすると V=Ed から V= 2π R・E ① Φ = BS から ΔΦ = ΔB・πR 2 E=V/d よって誘導起電力の大きさ V= ΔΦ / Δt=Δ B/Δ t・πR 2② ①、②から = V/2 πr E = R Δ B/ 2Δtよって電子が受ける力 F =q E = eRΔB/ 2Δ t運動量の変化は力積 F ΔtだからΔ P = eR Δ B/ 2 - ウ)円内部の平均磁場 B だけでなく、電子の軌道上の磁束密度 B をΔ B だけ変化させる - と円運動の半径 R を一定にできる。この時の ΔB と ΔB の関係を求めよ。 - - ア)から P= mv= eRB の変分をとると Δ P =mΔv= eR Δ B これが先の結果と等 - - しくなる時、半径 R は一定にできる。R Δ B/ 2= eRΔB これからΔ B =2Δ B が求まる。 エ)R = 40cm、Δ B = 1.0 × 10 -3T、Δ t= 1.0×10 -3s,e = 1.6×10 -19C、 m= 9.1 ×10-31kgとして電子の加速度を求めよ。 先の結果mΔv= eR Δ B/ 2に代入するとΔv=3.5× 107[m/s] この時の加速度は a =Δv / Δt=3. 5×1010[m/s 2] 電磁場 —22 電磁場 —23