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ホタテ貝の新たな食品としての需要をもとめて (PDF:283KB)

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ホタテ貝の新たな食品としての需要をもとめて (PDF:283KB)
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6・3)
釧路水杖だより 第7
4
号
柱 フレークの品質 に影響を与えるので注意し
柱周囲 の薄皮などを丁寧 に取り去ります。こ
こでいい加減な処理を行うと'製品化した貝
ヒ
」
」 川 雅 彦
小 玉 裕 幸
需要 をも と め て
ホ タ テ貝 の新 た な食 品 と し て の
はじめに
ホタテ貝 の消費を喚起するひと つの方法と
十六分から二十三分問責熱を続けます。煮熟
時間が長 いはど'硬め の貝柱 フレークが でき
て下さい。また、貝柱 の洗浄を長時間水 に晒
し て水ぶくれをさせな いことが必要 です。老
し て、家庭 での調味汎用性を高めることがあ
げられます。そ こで貝柱 フレーク状食品素材
ます。食塩水 の濃度は、三%から八% の間で
の製造方法と'貝柱 のほか に外套膜や精卵巣
ルト調理食品を試作する ことなどを目的とし
てホタテ貝新需要開拓技術開発試験を行 って
調整すると良 いでし ょう。八%食塩水 で再沸
熟は貝柱 の五倍容 の食塩水を用い'再沸騰後
います。今回は特 に、家庭 での調理汎用性が
騰後 二十三分問責熟したとき の貝柱 の塩分は
も利用した冷凍食品、電子レンジおよび レト
レーク製造方法と フレークを用いた試作品 の
高ま ると期待 され るホ タテ生貝柱 から の フ
四・
五%でし た。また、 このとき のホタテむ
98
枝
076
04 2
身玉
き 醐
呑
む生2
のではなく'貝柱 の繊維感を残した フレーク
械 により フレーク化することが必要となりま
した。さらに'単 に煮熟した貝柱を切り刻む
れと対照とし て付属 の金属刃です。
ン製 で厚さ 1・
五と三・
〇 mmの自作した刃、そ
検討した フードカ ッタの刃は'ポリプ ロピレ
効率的 に製造するため に、手作業 ではな-機
を機械 で製造することも要求されました。そ
クを製造 できるのではな いかと考えました。
こで、金属刃を高速回転させて切断、混合を
き身 に対する老熟貝柱 の歩留まりを表 Ⅰに示
行う フードカ ッタに注目しました。金属刃を
しました。
次 に煮熟貝柱を フレークにする方法 ですが' 何かはか の素材 でできた刃に換えることによ
り' フードカ ッタで繊維感 のある貝柱 フレー
試作結果 に ついて紹介します。
ホタ テ鼻柱 フレークの製造方法
まず' フレーク製造 のため に貝柱 の加工方
注 )()内の数値 は生玉 に対 す る歩 留 ま り
47.9
26.8(55.9)
最初 にフレーク製造 のため の貝柱加工方法
を図1に示しました。貝柱 に付着している砂
-
15
-
歩 留 ま り(
‡)
量 (kg)
重
や'内蔵を取るとき に 一緒 に外せなか った貝
法と、加工された貝柱を フレークにするため
の条件 に ついて説明します。
表 1 ホ タテむき身 に対する歩留 ま り
写真 一に金 属 刃を 用 いた と き の粉 砕結 果を
刃 の方向 を 回 転 方 向 と逆 向 き に取 り つけ た金
示し まし た。 通常 に取 り つけ た金 属 刃' ま た
属 刃 は' 一五 ∼ 三 〇秒 でホ タ テ貝 柱 の繊 維 が
な り ま し た。 ま た 、 こ のよ う な 短 い粉砕 時 間
切 断 され '煮熱 ホタ テ貝 柱 特 有 の食 感 は無 -
では '調 味 液 の均 一な 混合 も 困難 であ る と考
え ら れ ま し た 。 写真 二 に厚 さ 三 ・〇m
mのポ リ
砕結 果を 示
し ま し た 。 こ の刃 では、 金 属 刃 より も ホ タ テ
プ ロンピ レ ン刃を 用 いたと き の粉
貝 柱繊 維 の切 断 を 受 け に- - な り ま し た が '
破 砕 時 間 が九 十 秒 以上 にな ると 貝 柱繊 維 が軟
二 五 mmのポ リプ ロンピ レ ン刃を 用 い て粉 砕
弱化 し て団 子 状 になり ま し た。 写真 三 に厚 さ
- 1二〇秒 間 粉 砕 し ても ホ タ テ貝 柱繊 維 が軟
し た結 果 を 示 し ま し た。 こ の刃 の場 合 ' 九 〇
手 裂 き により 製 造 され た 貝 柱 フレ ー ク に非 常
弱化 され ず ' 煮 熱 貝柱 特 有 の食 感 が保 た れ '
に近 い状 態 のも のが得 られ ま し た。 し か し '
百 二十 秒 を 超 え る と厚 さ 三 mのポ リプ ロンピ
レ ン刃と 同様 な 結 果 にな り ま し た。 以上 か ら 、
た フード カ ッタを 用 い て' 煮熱 ホ タ テ貝 柱を
厚 さ 一・
五 mmのポ リ プ ロピ レ ン刃を 取 り 付 け
きに近 いホタ テ貝 柱 フレ ー クを 製 造 でき る こ
九 〇∼ 二 一
〇秒 間 粉砕 す る こと により ' 手 裂
と が わか り ま し た。図 二 に貝 柱 フレ ーク の製
造 工程を 示 し ま し た。
調味 を 行 う場 合 は粉 砕 を 始 め てか ら 一五秒
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釧路水式 だよ り 第7
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図 1 ホ タテ フ レーク用 2
青煮鼻柱の製造工程
釧路水武だより 第7
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後 に調味料を添加すると良 いでし ょう。調味
%グルタ-ン酸ナトリウム、二% ソルビーI
二
ホタテ貝柱 に、 それぞれ終濃度とし て〇・
味液 の例をあげると、八%食塩水 で煮熟した
図 2 ホタテフレークの製造工程
gに対し三〇∼五〇Q
E
g
の
料は'ホタテ貝柱二k
砕
水 に溶かし'水溶液とし て添加しました。調
柱
ルになるよう添加しました。三%食塩水'お
よび五%食塩水 で煮熟した場合'煮熱貝柱 の
塩分はそれぞれ約 一・
四%'約二・
〇%となり
ます。塩味を強めたい場合は調味液 に食塩を
加え、希望する塩分 になるよう調整します。
ホタテ貝柱 フレークを用 いた拭作品
ク
︰
三種類 の市販されたチーズ スプ レ ッド (
プ
ロセ ス、クリーム'カ マンベール パ ンにぬ
るタイプ のチーズ)と貝柱 フレー を混ぜま
した。 フレークとチーズ の割合は 一︰二でし
た。貝柱 フレークの増量を希望する意見もあ
りましたが、塗り易さを考慮した場合'その
割合は 1:1でしたo いずれ の試作品ともパ
ンと の相性は良く'サ ンド イ ッチ'トー スト、
カナ ッペ、チーズ入りオムレツへサラダなど
組み合わせ により用途が拡がると考えられま
す。
(
きたがわ まさ ひこ ・こだま ひろゆき
利用部)
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写真 1 金属刃を用いて粉砕 したときの貝柱 フレーク (
9
0秒後)
写真 2 厚さ 3
m
m
のポ リプ田ピレン刃を用いて
粉砕 したときの具桂 フレーク (
9
0
秒後 )
写真 3 厚さ1
.
5
m
m
のポ リプ田ピレン刃を用いて
粉砕 したときの鼻柱 フレーク (
9
0
秒後)
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