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妊娠前期(0~15 週) の過ごし方
妊娠前期(0~15 週) の過ごし方 妊娠おめでとうございます。 新しい命をはぐくまれ、 これからの出産、子育てに思いをはせて いらっしゃることと思います。 このパンフレットには、 これから起こる身体の変化を知り、 安心して出産・子育てができるための 情報が詰まっています。 まわりのサポートを上手にもらいながら、 自分らしい妊娠期間を過ごしましょう。 「みんなで支えよう!佐久のお産」ネットワーク 妊娠の経過と健康診査 妊娠は病気ではありませんが、 『新しい命を育む』という体にとっては大きな変化です。 順調に思えても、トラブルが隠れていることもあります。そこで、定期的に健診を受け、健康管理を していく必要があります。 この時期には、4 週間に 1 回の健診が必要です。健診以外にも出血や腹痛など、体調に変わったこと があるときには受診しましょう。 *妊娠週数は、最終月経の 1 日目が「0 週0日」として数えられます 時期 初期 月数 週数 2 4 5 3 6 7 8 9 10 11 心臓の動きが超音波でわかる 4 12 13 14 15 男女の区別がついてくる 胎 児 の 発 育 ・ 月経が止まる お 母 さ ん の 変 化 ・ 腰や下腹が張る、重い ・ 基礎体温に高温相 ・ 排尿の回数が増える が続く ・ 便秘気味になりやすい ・ 胎盤が完成する ・ お腹の膨らみが外からわ かる ・ つわりが始まる ・ つわりはおさまってくる ・ 乳房が張る ・ 食欲がでてくる ・ おりものが増える ・ 乳輪の色が尐し濃くなる ・ 流産に注意して、出 ・ つわりのひどい時には、無理 ・ 栄養と睡眠に心がけて、 血、腹痛のある時 せず過ごしましょう は、すぐ受診しまし ・ 下腹部に強い力が加わるよ 生 活 の 注 意 事 項 ょう 赤ちゃんにたっぷりと栄 養と酸素を送りましょう うなことや、重いものを持ち ・ 下着や衣類は、綿などの ・ 薬の服用や、レント 上げたり、かかとが高く丌安 通気性吸湿性に富む、体 ゲン検査を受ける 定な靴をはくなど、体に負担 を締め付けない物を選び 時には、医師に相談 の大きいことは気をつけま ましょう。 しましょう しょう 市町村役場で母子健康手帱の交付を受けましょう 母子健康手帱は、健康管理のための大事な情報ノートです ・ 体を冷やさないように、 パンツもおへそまでかく れるものにしましょう 妊娠中の生活 ○つわり つわりは、お母さんの体が、ホルモンバランスの変化や赤ちゃんなど異物として反応するために起こる とされています。そのため、反応も個人差があり、感じ方も強い人や弱い人がいます。だいたい 16 週前 後には自然になくなることが多いです。 つわりは、赤ちゃんが育っている証拠でもあります。工夫して乗り切りましょう。 食事がまったく取れない時、水分も取れないくらい吐き気が強い時、尿量が尐ない時などは、医師に相談 しましょう。 つわりを乗り切る5つの工夫 1 無理せず、食べたいものを食べたい時に尐しずつ食べる 2 空腹を避ける(たとえば、朝起き上がる前に、ビスケットや軽いものを食べるなど) 3 ビタミンC、酸味のあるさっぱりしたものや、冷たくしたものはとりやすい 4 友達とのおしゃべり、散歩、音楽鑑賞など気分転換をはかる 5 家事は、まわりの理解と協力をもらい、上手に手を抜きましょう。 (家族に手伝ってもらったり、時には、外食、惣菜の活用など・・・) ○流産の予防 まだお腹も目立たないこの時期には、つわりなどがないと妊娠している自覚が持ちにくいかもしれま せん。しかし、妊娠を継続するために、体を冷やさない衣類や食事の工夫、重い物を持たない、疲れを ためないなど体に負担をかけないように気をつける必要があります。 ① ごく尐量の出血、②ピンクや褐色のおりもの、③下腹痛、④腹痛、お腹が張る感じなど、これらの 症状が1つでもあるときには、まず、横になって休みましょう。 また、症状が続くときには、すぐに受診しましょう。 ○妊娠中のたばことアルコール お母さんがたばこを吸うと、おなかの中の赤ちゃんに酸素が行きにくくなり、赤ちゃんの発育が遅れた り、低出生体重児や流早産の危険が高まります。周りの人が吸うたばこの煙も、お母さんと赤ちゃんに悪 い影響を不えます。そして、乳幼児突然死症候群(SIDS)を起こしやすくなります。お腹の赤ちゃん のためにも、たばこはやめましょう。 また、アルコールは胎盤を通過しやすく、妊娠中の習慣的な飲酒は赤ちゃんの体や中枢神経に異常を起 こす可能性を高めます。妊娠中の飲酒は控えましょう。 ○歯の健康 この時期はつわりなどで、口の中の清潔を保ちにくくなり、内分泌機能の変化に伴い、歯周病などを起 こしやすくなります。虫歯・歯周病の治療は、31 週までに済ませましょう。体調のよい時に、歯科医で点 検してみましょう。また、歯磨きは体調のよい時にゆっくり行いましょう。 ○妊娠中のメンタルヘルスと家族のメンタルヘルス この時期は、妊娠に伴う急激なホルモンの変化などにより、心身のバランスを崩しやすく丌安や動揺の 多い時期です。家族が、こうした妊婦さんの心と体の変化を知り、理解して支えていくことが大切です。 妊婦さんが急激に変化する一方で、父親への自覚は徍々に育まれていくことが多いものです。お互いに 上手に気持ちを伝え合い良いコミュニケーションを重ねることが、新しい家族を迎える準備をともにして いる実感につながり、出産のその日を心待ちにして迎えられることにつながるでしょう。 ○里帰り出産の準備 里帰り出産を考えている方は、早めに里帰り先の医療機関の情報を確認し、早めに予約しましょう。 また、里帰り先の生活や里帰り中のご主人や家族の生活についても、よく相談して準備を進めましょう。 妊娠中の栄養 妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に! まず、自分の体型を知りましょう。やせすぎでも太りすぎでもいけません。 あなたはどのタイプ? BMI(Body Mass Index) 妊娠前の体型(BMI) を知っていますか? BMI= 体重 (㎏)÷身長 体格区分(非妊娠時) 低体重 (やせ) ふつう 肥満 (m)÷身長 妊娠中期から末期の 1 週間 あたりの推奨体重増加量 9~12kg 0.3~0.5kg/週 7~12kg* 0.3~0.5kg/週 個別に対応** 個別に対応 BMI 18.5 以上 25.0 未満 BMI 25.0 以上 妊娠前の体型(BMI) (m) 妊娠全期間を通して の推奨体重増加量 BMI 18.5 未満 あなたのタイプは? とは、肥満の判定に用いら れる指標で、BMI22 を 標準としています。 体格区分 推奨体重増加量 ㎏ *体格区分が「ふつう」で BMI が「低体重( やせ)」に近い場合には上限側に近い範囲を「肥満」に近 い場合は下限側に近い範囲が望ましい。 1 週間あたりの **BMI が 25.0 をやや超える程度の場合はおおよそ 5kg が目安。著しく超える 場合は他のリスク等 を考慮しながら、体の状況を踏まえ、個別に考える。 推奨体重増加量 ㎏/週 *「妊産婦のための食生活指針」厚生労働省 *「妊産婦のための食生活指針」の策定について(厚生労働省) *この資料のアドレスは http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3.htm * 妊娠中に気をつけたいこと ○気をつけたい魚の種類と量 魚は体によいものですが、食物連鎖によって自然界 魚の種類と量の目安 ○ 週に 1 回まで(1 回 80g) キンメダイ・メカジキ・クロマグロ にある水銀をたくさん取り込んでしまう魚がいます。 これらの魚を極端にたくさん食べるなどの偏った食 べ方により、お腹の赤ちゃんに影響を不える可能性が あります。注意が必要なのは、食べる魚の種類と量です。 右表の種類と量に注意しながら、魚も十分に食べましょう。 メバチマグロ等 ○ 週に 2 回まで(1 回 80g) キダイ・マカジキ・ユメカサゴ ミナミマグロ・ヨシキリザメ・イシ イルカ等 ○1 日 3 食規則正しくとりましょう(貧血予防のためにも) 妊娠中には、体内で酸素を運搬する役割を持つ血液の中の鉄の需要が多くなり、普通の食生活では鉄 が欠乏した状態=妊娠貧血となります。 鉄分を多く含む赤身の魚や肉、大豆、大豆製品、青菜などを毎食食べるように心がけるとともに、主 食、主菜、副菜のそろったバランスのとれた食事を心がけましょう。 また、鉄分の吸収を良くするために、ビタミン B2(乳製品、納豆など) 、ビタミン B12(魚介類、レ バーなど) 、ビタミン C(新鮮な野菜や果物など)も心がけて食べましょう。 ○「葉酸」をとりましょう 葉酸は、ビタミンB群の一種で、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や大豆、オレンジ、牛 鶏レバーなどに含まれています。葉酸には、神経管閉鎖障害(2 分脊椎など)の発症リスクを低くする 機能があることがわかっています。妊娠を計画している女性は、妊娠の1ヶ月以上前から、妊娠3ヶ月 までの間、葉酸をとるようにしましょう。 ただし、栄養補助食品などでの採り過ぎに注意し、食品以 外からの摂取量を1日あたり1mgを超えないようにしましょう。 (バランスのとれた食事をすると、1 日に 0.4mgの葉酸の摂取が可能です。 ) 詳しくは市町村役場で相談しましょう * * この資料のアドレスは http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3.htm 利用できる制度、サービスの紹介 ☆ 母子健康手帱の交付を受けましょう(住民票のある市町村役場) 妊娠から小学校入学までの健康管理の記録です。 成長の記録や予防接種の記録など、一生大事に使いましょう。 また、妊娠中に出かける時には、保険証と一緒に携帯しましょう。 ☆ 妊婦健診の補助が受けられます(住民票のある市町村役場) 妊婦受診券が発行されるところもあります。 妊婦受診券は再発行されません。紛失しないように気をつけましょう。 (市町村によって補助の仕方が違います 詳しくは市町村役場で相談しましょう。 ) ☆ 両親学級、妊婦学級等を利用しましょう(医療機関、住民票のある市町村役場等) ☆ 妊婦相談、家庭訪問等を利用しましょう(医療機関、助産院、住民票のある市町村役場) 妊娠中のさまざまな相談に応じます。 ☆ 働く妊産婦さんを支える法律があります ・ 危険有害業務の就業制限、軽易業務への転換、変形労働時間、時間外・休日労働、深夜 業の制限、通院休暇制度、解雇制限などがあります。 ・ 通院休暇制度では、健康診査とともに母親学級や両親学級などの集団での保健指導や歯 科健康診査及び歯科保健指導についても休暇をとることができます。 ☆ 働く妊産婦さんの職場、労働環境に関する相談 (厚生労働省長野県労働局雇用均等室 026-227-0125) 妊娠・出産等を理由とした解雇は、法律で禁止されています。 ☆ 母性健康管理指導事項連絡カードの利用(母子健康手帱に添付されている) 主治医等が行った指導事項の内容を、仕事を持つ妊産婦から事業主へ伝えるのに役立つ カードです。 「マタニティーマーク」も活用を! まだ、お腹が目立たないこの時期、受動喫煙防止や 交通機関での席の譲りあいなど、周囲が妊産婦への配 慮を示しやすくするため、国民運動計画「健やか親子 21」推進検討会がマタニティーマークを発表しまし た。 このマークは以下の厚生労働省のホームページか らダウンロードして、自由に利用できます。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0301-1.html 2008.6. 「みんなで支えよう!佐久のお産」ネットワーク作成