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第9回日本男子学生選抜バスケットボール大会について チーフコーチ
第9回日本男子学生選抜バスケットボール大会について チーフコーチ 青木 隆(金沢工業大学) 標記大会において、第3位という結果でした。北信越学連の皆様に、お叱りを受けずに 報告できる結果ではなかったかと胸を撫で下ろしています。 私、今まで、運営面では北信越学連に対して、ご協力をいたして参りましたが、強化と いう立場では、初めてチームに参加させていただきました。 まず、コーチングスタッフの選考について、触れておかなければなりません。会長の「若 手指導者でのチームづくり」、「強化のためのチームづくり」の2つの要求を満足するため に、昨年度は土田先生(上越教育大学)にお願いし大会に臨み成功を納めました。当然、 本年もそのまま続行だろうと考えていましたところ、土田先生より「春季大会(新潟市開 催)において、1部リーグの選手を見ることが出来ないので、責任をもってチーム作りが できない。」との相談がありました。そのため急遽、1部リーグを優勝したということ、先 にも記しましたように、過去8年間一度も強化という立場で、選抜のお世話をしたことが 無いという理由で、反響が大きいことを覚悟しながら、今年に限り私がチームを引き受け ることとしました。やはり、その点につきましては、私がしゃしゃり出たという誤解を受 け、辛辣なご批判をいただきました。土田コーチ(上越教育大学)・永山コーチ(北陸学院 短期大学)・宮崎コーチ(新潟経営大学)・廣瀬コーチ(金沢大学)の各コーチの方々と協 力をしながら、チームづくりや大会に臨んだことで「若手指導者でのチームづくり」とい う点は配慮しているということでお許しいただければ幸いでございます。 最低目標は、上位リーグへ勝ち上がることとし、選手の選考を初めてさせていただきま した。なぜなら北信越学連で戦っている全ての選手に、レベルの高いリーグで戦っている のだというプライドをもってもらう事が重要で、そのためには、ベスト4をクリアするこ とが選考されたコーチ・選手の責任だと考えていたからです。そのための学連からの補助 金であるとも思っています。 選手選考の観点は3つ。全国の上位チームと1ゲーム走り合える脚力を持っていること。 3Pライン近くの確率の高いシュート力を持っていること。選抜であっても北信越チーム のために縁の下の力持ちとなって働いてくれる選手。この選手選考に関しては、チーフコ ーチとしてチームづくりをしていくための生命線だと考えていましたから、妥協せずにわ がままを通させていただき、12名を選出しました。 6月18・19日と金沢市にて合宿をしました。4つのテーマがありました。まず、大 型選手だけでゾーンディフェンスが出来るかどうか。これは、練習早々にあきらめました。 ガードの脚力の方が大型選手の指高よりも敵にとっては驚異であると判断しました。次に 大型選手3名を同時に試合に出したい。すなわち、山田(金沢大学)・寺井(金沢工大)・ 熊倉(新潟経営大)が、#3∼#5までを違和感なくスムーズにこなせるのか。スピード がダウンしないのか。というチェックです。3名は、私の要求に応えるに十二分に高い能 力を持つ選手でした。心配いらないという確信を得ました。3 つ目は、出場時間よりもチー ムの勝ちを優先することが出来る人間関係の構築です。宿泊はホームステイ方式を採用し ました。主将川崎(金沢工大)・KING末石(信州大)の活躍もあり、一晩でチームにな りました。新潟から金沢まで一言も話さなかった菊沢(新潟大)がブレークするようにな りました。最後に、オフェンスとディフェンスの約束事は、理解しておいてもらいたいと いうことです。皆、すぐに理解して、動き始めました。バスケットボール IQ の高さに正直 驚きました。日曜日は、日本リーグチームの石川ブルースパークスと対戦し82−82の 同点という結果でした。コーチの立場でいうと、リーグ戦ではみることの出来ない選手の 潜在能力が把握できたし、選手間で合うか否かが判断でき大変良い練習会になりました。 大会では、全ての選手が生き生きとバスケットボールを楽しんでくれました。それがコ ーチとしては何よりでした。 ベスト4に残るためには、是が非でも東北学生選抜には勝たなくてはなりません。ゲー ムの最初と終わりに大変苦しみましたが勝つことが出来、げんきんなもので、その瞬間に 目標は3位入賞に代わりました。 3位決定戦は、西日本大会を制した九州産業大学を主力とした九州学連選抜でした。こ こでも、皆、輝いてバスケットボールをしてくれました。確かに、最後は、2連続の3ポ イントシュートの成功と劇的でしたが、そこに至るまでの過程は北信越学連のレベルの高 さを示していました。シュートミスが続き引き離された時間もありましたが、決して流れ を無視しての攻撃ではなかったので、全く心配していませんでした。川崎・山田・熊倉と 早々に4ファールしましたが、他の選手も充実していたので、メンバーには苦労しません でした。私の意を酌みとって素直にプレーしてくれたので、クロスゲームになると確信し ていました。ただ勝利を得たのは、選手の和です。熊倉のオフェンスリバンドを引き出し た心の和です。杉本・奥矢の3ポイントを成功させたチームの和です。 (大会中の詳しい試合経過については、HPをご参照下さい) 最後に、北信越学生バスケットボール連盟は決して弱いリーグではありません。北信越 のリーグでなかなか勝てないからといって自信を失うことはありません。また、そう簡単 には、上位へ食い込めるリーグではないということです。本学連に所属する皆さんが、自 信をもって切磋琢磨して、努力しあって更なる発展につながればと思います。