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COP18における市場メカニズムに関する交渉の結果

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COP18における市場メカニズムに関する交渉の結果
大阪カーボンカンファレンス2012
2013年1月7日
大阪カーボンカンファレンス 2012
COP18における市場メカニズムに関する交渉の結果
平成25年1月7日
環境省地球環境局
市場メカニズム室
市場メカニズムに関する国際交渉の構造
気候変動枠組条約
の下での交渉(COP18)
京都議定書
の下での交渉(CMP8)
制度改善
•京都メカニズム(CDM/JI/国際
排出量取引)の改善
•現行の京都議定書の範囲内
様々なアプローチ(AWG-LCA14)
第2約束期間のための制度変更
(AWG-KP16)
•各国の取組のための枠組み
•(国連が管理する)新たな市場
メカニズム
•京都メカニズム参加の適格性
•京都議定書の改正を伴うものを
含む
•2013年以降の適用が前提
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大阪カーボンカンファレンス2012
2013年1月7日
ドーハでの主な決定事項(市場メカニズム関連)
条約の下での交渉(AWG-LCA)
• 日本が提案している二国間オフセット・クレジット制度(JCM/BOCM)
を含む様々なアプローチについては、実施のための「枠組み」につい
て作業計画を実行していく。
• 国連が管理を行う新たな市場メカニズムについては、方法・手続の
開発のための作業計画を実行していく。
議定書の下での第2約束期間の交渉(AWG-KP)
• 京都メカニズムは2013年から継続する。
• 第二約束期間に参加しない国も2013年以降のCDMへの参加は可
能。
• 適応基金原資のための天引きをJIと排出量取引にも拡大(2%)。
• 繰り越された余剰AAUは、基本的に第二約束期間中に取引できない
(また日本を含む有志国が、余剰AAUの不買を宣言)。
議定書の下での第1約束期間の交渉(CMP)
• CDM/JIのルールの見直しをCMP9で行う。
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我が国にとっての、2013年以降の京都メカニズムの取扱いについてのポイント
第一約束期間のクレジット(過去に決定済み)
我が国は、第一約束期間の調整期間(2013年~2015年後半以降まで)は、
CDMクレジット(CER)の原始取得(CER発行後に日本の登録簿に転送すること)、
JIクレジット(ERU)の獲得、国際排出量取引による京都メカニズムのクレジット
(CER、ERU、AAU、RMU)の国際的な移転や獲得を引き続き行うことができる。
第二約束期間のクレジット(COP18による決定)
第二約束期間に参加しない我が国は、国際排出量取引による京都メカニズム
のクレジット(CER、ERU、AAU、RMU)の国際的な移転や獲得を行うことはでき
ない。
ただし、登録済みのCDMプロジェクトに継続して参加し、CERを引き続き原始
取得すること、及び今後登録されるCDMプロジェクトに参加し、CERを原始取
得することができる。
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大阪カーボンカンファレンス2012
2013年1月7日
第一約束期間のクレジットと第二約束期間のクレジットの取扱い
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
第1約束期間の調整期間
第1約束期間
(英語ではadditional period、true-up period等と呼ぶ)
第一約束期間のクレジット
我が国においては、(第1約束期間の京都メカニズム参加要
件を満たす限り)調整期間の間に、 CERの原始取得、ERU
の獲得、国際排出量取引によるCER、ERU、AAU、RMUの国
際的な移転や獲得を引き続き行うことができる。 [決定
27/CMP1, XIII (FCCC/KP/CMP/2005/8/Add.3 p101)参照]
なお調整期間の終了日については、第一約束期間全体の
排出量の確定に要する期間を勘案しCMPが決定を行う
(2015年後半以降の見通し) 。
 CDM・JIプロジェクトによる2012年末
までの排出削減分に基づいて発行さ
れたCER・ERU(2013年以降に発行さ
れる分も含む)
 第一約束期間の排出枠として発行さ
れたAAU
 第一約束期間の森林吸収分として発
行されたRMU(2013年以降に発行さ
れる分を含む)
第2約束期間
(2013~2020年)
第二約束期間のクレジット
 CDM・JIプロジェクトによる2013年以
降の排出削減分に基づいて発行さ
れるCER・ERU
 第二約束期間の排出枠として発行
されるAAU(2015年以降に発行され
る予定。我が国では発行しない。)
 第二約束期間の森林吸収分として
発行されるRMU(我が国では発行し
ない)
 我が国においては、登録済みのCDMプロジェクトや新規登録さ
れるCDMプロジェクトに参加し、CERを原始取得(CER発行後に
日本の登録簿に転送)することができる。 [AWG-KP結果に関す
る決定-/CMP8 パラ13(FCCC/KP/CMP/2012/L.9 p3)参照]
 国際排出量取引による京都メカニズムのクレジット(CER、ERU、
AAU、RMU)の国際的な移転や獲得を行うことはできない。
[AWG-KP結果に関する決定-/CMP8 パラ15(a) 参照]
※ AWG-KP結果に関する決定-/CMP8は、まだ決定番号が付されていない。
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2013年以降における第一約束期間調整期間中(2015年後半以降まで)の
第一約束期間のクレジットの取扱い
CDM登録簿
(国連)
日本企業による
CDMプロジェクトへの参加
(2012年末までの削減分)
CDMプロジェクト
によって発行され
たCER
国別登録簿
(日本)
CERを原始取
得(CER発行
後に日本の
登録簿に転
送)すること
ができる
CERを他国
の登録簿
で原始取
得すること
もできる
A法人口座
国内口座間の取引は
引き続き可能
B法人口座
クレジットは京都議定書第
一約束期間の目標達成の
ために活用することが可能
国別登録簿
(他国)
X法人口座※
国際排出量取引による京都メカニズムのクレ
ジット(CER、ERU、AAU、RMU)の国際的な
移転や獲得を引き続き行うことができる
Y法人口座
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大阪カーボンカンファレンス2012
2013年1月7日
2013年以降における第二約束期間のクレジットの取扱い
CDM登録簿
(国連)
日本企業による
CDMプロジェクトへの参加
(2013年以降の削減分)
CDMプロジェクト
によって発行され
たCER
国別登録簿
(日本)
CERを原始取
得(CER発行
後に日本の
登録簿に転
送)すること
ができる
A法人口座
国内口座間の取引につ
いては国連のルール上
の制約はない
CERを他国
の登録簿
で原始取
得すること
もできる
国別登録簿
(他国)
×
X法人口座
×
Y法人口座
国際排出量取引による京都メカニズムのクレ
ジット(CER、ERU、AAU、RMU)の国際的な
移転や獲得を行うことができない
B法人口座
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二国間オフセット・クレジット制度に関する進展
AWG-LCAにおける議題「多様な取組(アプローチ)」の決定文
○COPとして、各国が独自に又は共同で、市場を含む様々な取組を行うことを
認識
 ダーバン合意では、前文で留意されるにとどまっていた。
○様々な取組のための枠組みを、SBSTAで作り込んでいくこととなった
 ダーバン合意では、枠組みを検討していくとされていた。
○SBSTAでの作業項目の一つとして、排出削減結果の移動を正確に記録し、
ダブルカウントを防ぐための技術的事項が含まれた
 国を超えてクレジットが移転することを前提とした作業項目が含まれ
た。
先進国の隔年報告書様式
○先進国が今後2年おきに提出する隔年報告書に関して、二国間オフセッ
ト・クレジット制度など、UNFCCCが管理しない市場メカニズムの活用に
関する報告欄を含む共通報告様式について合意された。
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大阪カーボンカンファレンス2012
2013年1月7日
二国間オフセット・クレジット制度に関する進展
大臣バイ会談による進展
○長浜環境大臣が、モンゴルとの間で「環境協力・気候変動・二国間
オフセット・クレジット制度に関する共同声明」に署名し、来年の早
い時期に同制度を開始すること、そのためにできるだけ早期に二
国間文書に一致することを確認。
○バングラデシュとの大臣バイ会談においても、制度の開始につい
て実質的に一致した。
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平成25年度 二国間オフセット・クレジット制度の構築等事業
 我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に活用するため、海外における我が国の排出削減・吸収へ
の貢献を適切に評価する新たなメカニズム(二国間オフセット・クレジット制度)を構築することが必要
 制度構築に向け、海外において具体的な排出削減事業を推進するとともに、制度を実施するための手続
き・ルール等を整備し、国際社会の理解を得ていくことが不可欠
事業内容(予算規模41億円)
制度構築に向けた取組
【制度内容の検討】
 制度設計やMRV方法論の開発、
合同委員会の準備等
【情報普及】
 制度に関する最新情報等の提供
や事業者等からの相談の受付
【記録簿整備】
 排出削減量の記録・管理のための
システムの整備に向けた検討
プロジェクト開発に向けた取組
【実現可能性調査】
 制度の対象として有望な案件の発
掘と実現可能性調査の実施
【MRVモデル実証調査】
 具体的な事業に基づきモデル的に
MRV方法論を適用し実証を行う
二国間オフセット・クレジット制
度のイメージ
途上国政府・事業者の支援
【途上国等人材育成支援】
 制度実施のための現地の人
我が国の低炭素
材育成、案件発掘・形成のた
技術・製品・インフラ等
めのワークショップ開催等
途上国
日本
【審査・MRV体制の構築支援】
温室効果ガ
 途上国等においてMRVを実
ス排出削減・
文書
吸収
施する検証機関の育成支援

専門家派遣による個別事業
共同
プロジェクト
の審査や現地人材を招聘す
る研修プログラムの実施
我が国の削減目標
の達成に活用
プロジェクトの実施支援
温室効果ガス排出削減・吸収効果
を定量評価し、適切なMRVを実施
※MRV:Measurement (測定)、
Reporting(報告)、 Verification(検
証)
【設備補助】
 二国間協議が先行する途上
国において、CO2排出削減事
業の初期投資費用に補助を
行いMRVを実施する
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