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横浜トリエンナーレ2005 船上シンポジウムプログラム(参考)

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横浜トリエンナーレ2005 船上シンポジウムプログラム(参考)
Life on BoardⅡ-13 号計画
Life on BoardⅡ-13 号計画は、退役後の艀(はしけ)を人の集う空間に転用し、山下埠頭を起点に
今後数年にわたって東京湾内の各地を漂流していこうとするプロジェクトである。
かつては水上輸送の要であった、しかしコンテナ船が主流となった現在はその役目を終え、多くは廃
棄処分を待っている艀ーーそれはまさに近代化の遺産であるーーを、我々は新たな公共性を紡ぐ空間
/身体装置として価値転換する。ここで使用するのは、東京・潮見で約 30 年間ゴミ運搬用として使
われていた尾竹型 13 号と呼ばれる小型艀で、積載量 90t、全長 21m、船倉面積 70 平方メートル。
横浜トリエンナーレ会場に係留された 13 号は、作品であると同時に会場の一部としても機能し、水
上ラウンジ、休憩所、ミーティングプレイスなどとして利用される。
この 13 号は、 陸 上 の あ ら ゆ る 空 間 に 比 し て 不 完 全 で 不 安 定 な 空 間 で あ る 。 人 の 集 う こ と の で き る 空 間
ではあるが、建 築 で は な く 、 ま た 完 全 な 船 で も な い 。 海 の う ね り で 絶 え ず 揺 ら ぎ 、 地 球 を と り ま く 天 体
の重力がそのグ ラ ン ド レ ベ ル = 潮 位 を 上 下 さ せ る 。 安 定 し た 陸 上 の 生 活 か ら 移 動 し て く る と 、 ま ず は そ
の揺れに眩暈を 催 す か も し れ な い 。 だ が 、 ひ と た び そ の リ ズ ム に 身 を 委 ね る な ら 、 水 上 で 起 き る コ ミ ュ
ニケーションに 僅 か な ず れ と 、 そ こ か ら 眺 め 直 す 都 市 生 活 に 別 の ア ン グ ル を 見 る こ と が で き る だ ろ う 。
そしてまたこの「 計 画 」は 、次 な る 停 泊 地 を 求 め て 都 市 水 面 を 漂 っ て い く「 計 画 な き 計 画 」で も あ る 。 我 々
は、会期中を通 じ て 1 3 号 の 可 能 性 を 追 求 す る と と も に 、 こ の 「 計 画 」 に 関 わ る あ ら ゆ る 交 渉 を こ こ で
行う。終了後の 1 3 号 が ど の よ う な 姿 に 変 貌 を 遂 げ て い く か 、 そ れ は 我 々 に も ま だ わ か ら な い 。
Life on BoardⅡ-13 号計画とは、陸地に寄生しつつ都市生活にこれまでにない別のバランスをもた
らす、ひとつの 触 媒 、 物 語 、 予 測 で き な い サ ー ベ イ な の で あ る 。
Life on Board Ⅱ-13 号計画/ BOAT PEOPLE Association / 2005 年
協賛:帝蚕運輸株式会社
協力:横浜はしけ運送事業協同組合 有限会社丸安 株式会社梅屋幸 L.O.B.Ⅱ-13 号は、横浜トリエンナーレ 2005 会場に係留/展示されています。
横浜トリエンナーレ 2005
会 期 : 2 0 0 5 年 9 月 2 8 日 ( 水 )∼ 1 2 月 1 8 日 ( 日 )
開場時間:午前 10 時∼午後 6 時
( 金 曜 日 は 午 後 9 時 ま で 。 入 場 は 閉 場 の 1 時 間 前 ま で )
会 場 :横浜市山下ふ頭 3 号、4 号上屋(山下公園先)ほか
入場料 :大人 1800 円/大学生・専門学校生 1300 円/高校生 700 円
Photo : KAMEMURA Fumihiko
about
about
都市の水上経験をつくる
BOAT PEOPLE Association は、アート、建築、都市計画、地域交流などの分野で活動するメンバーによっ
て構成されるグループ。現在のボード・メンバーは、坂倉杏介、井出玄一、山崎博史、藤田雄三、岩本唯史の 5 名。
このボード・メンバーを中心に、プロジェクトごとに様々な分野からアソシエイト・メンバーが集まり、知恵
と体力と技術を提供しあって進めています。その全体が、BOAT PEOPLE というアソシエイションです。
テーマは、都市に新しい「水上経験」をつくること。おもに産業を支える基盤として優先的に利用されてきた
都市部の水辺ですが、今後は都市の生活を彩る資源としても期待されています。そのためには、ハード的な整
備とともに、水辺の使い方というソフトウェアを拡張していくことが必要だと考えています。様々な形で都市
水面に触れる機会をつくり、使い方の方法論を広く共有していくこと。それは時にアートとしての問いかけに
もなり、また時には地域の人々とのワークショップや、建築デザインの提案という形にもなります。
こうしたアソシエイションが形成されてきた遠因は、かつて井出が仲間とともに東京湾で(こっそり)経営し
ていた水上バー「L.O.B.」。それを発端に徐々に有志が集まりはじめ、2004 年、品川区・港区を対象とした
左 : C a n a l C r u i sing Map:
C H U O - C H I Y O D A(2005)
右 : F l o a t i n g C AFE!!
@ B a n k A R T S t udio NYK
/ 芝 浦 ポ ン ツ ー ン/ TOKYO
E - B o a t i n g P a r t y(2005)
「Canal Cruising Map」の制作を期に、正式に結成されました。これまで数々の企画航海、BankART
Studio NYK でのイベント、手漕ぎボートで運河をめぐる E-Boating Party など、水上経験の様々な形を模
索しています。
Process
Life on BoardⅡ-13 号計画の経緯
of Life on BoardⅡ-13
横浜トリエンナーレへの参加をきっかけに動きだし、トリエンナーレの終了後も止まることができず
に 漂 流 し て い く 運 命 に あ る の が 、L i f e o n B o a r d Ⅱ - 1 3 号 計 画 だ 。 こ こ で こ れ ま で の 経 緯 を 振 り 返 る 。
2005 年 11 月現在、次なる停泊地は絶賛捜索中。
係留申請
Life on Board 116 号
いわゆる初代 L.O.B.。山下埠頭で
行われる横浜トリエンナーレで、
艀を使ったことができないか。キュ
レーターからの打診で L.O.B.2 号
のプロジェクトがはじまる。
7 月に入り、本格的な係留の調整。
事務局の絶大なる協力により、比
較的スムースに進むも、調整先は
埠頭センター、はしけ組合、近隣
各事業者、港湾局、海上保安庁、
国道交通省など多方面に。たっぷ
り 1 ヶ月半以上かかる。
横浜トリエンナーレ開幕
曳航
ようやく係留許可の目処がたち、
いよいよ 13 号の曳航。8 月の強
烈な陽射しに妬かれながら。
?
一風かわった作品搬入風景
現地調査
横浜が見えた!
山下埠頭の艀は巨大。自分
たちで作り込むには手に余
る、ということで東京でベー
スとなる艀を探すことに。
制作
企画会議
台風を避けるため新山下に係留し、制作
開始。たくさんのボランティアスタッフ
の方々にサポートしてもらいながら、毎
週末ごとに作業。ビニールハウスの建設
と砂利の運び込みは、特にハードワーク
だった。
春から企画を開始。以降毎週のように集
まり議論を繰り返す。それはどんな空間
か、トリエンナーレ以降はどうなるのか。
議論は最初から漂流し、最終的にも漂流
していくことに。
13 号を発見
潮見の清掃業者が小型艀の処分を検
討しているというので見学に。13 号
との出会い。
2006 年、L.O.B.Ⅱ-13 号はどこで
どのような場所になっていく
のだろう?
設計
13 号の実測を経て設計
も本格化。屋根の構造
が最も難しい課題に。
墨屋宏明
シンクタンク勤務 システムアナリスト
横浜トリエンナーレ 2001,2005 ボランティアスタッフ
夏の海のシーズンになると、僕の地元の葉山の一色海岸には海小
屋ができる。仕事が早く終われば、この季節は寄り道もせず、ビー
チサンダルに履き替え、夜の海の家に行く。真っ暗な砂浜につく
とそこには、薄明かりの中、海の家がまだやっていてビーチで生
演奏が聞ける。休日の朝には、朝食サービスなんかもあり、犬の
散歩、ジョギングを終えた地元の人が、朝からのんびり海を眺め
ながら食事をしている。昨年から海小屋は朝のヨガや太極拳の
ワークショップも始めたようだ。
葉山の海小屋は夏に生活の中に完全に溶け込んで秋になるとやは
りあたりまえのように解体される。
今年の秋、もうひとつの海小屋に出会った、山下埠頭に停泊する
鉄の艀LOB13 号。ボートピープルと一緒に、夏の日差しが残
る山下埠頭でビニールハウスを組んだとき、海の家ができる感覚
と同じものを感じた。
この鉄の海の家LOB13 号が、トリエンナーレの会場を出発し、
あなたの家のすぐ近くの水辺にある日現れ、あるときは、古本カ
フェあるときは、バー、ライブハウスになり、最先端の現代アー
トを運んでサーカスのようにまたどこかの水辺へ消えていった
ら。その期間中、そこに住んでいるビジネスマンはきっと毎日仕
事を早く終えて、
LOB13 号の新しい変化に富むサロンの中で、
新たなビジネスプランが生まれるかもしれない。
坂倉 杏介
井出 玄一
慶應義塾大学
NPO 法人地域交流センター研究員
地域プロジェクトコーディネーター
現代美術、空間実践
Life on BoardⅡ-13 号計画とは何か?
What is
Life on BoardⅡ-13 ?
岸壁から Life on BoardⅡ-13 号を眺める。その鉄
はじめてバージ船というものに関わったのは、2000 年
の塊がうねりに揺すられる様を見るのは、事物を対象
から 2002 年まで、東京の芝浦運河で水上バーをやって
として捉える、足場を持った揺るぎない視線だ。
いた時でした。
だが、ひとたび艀の内部に移動するなら、それは途端
当時のぼくは、渋谷や原宿といった東京の街がどんどん
に心許ないものに変わる。身体が揺れと同期していく
幼稚化しているような気がし、一方で天王洲やお台場と
につれ、それまで対象だったものは環境に溶け拡がる。
いった商業色に強く染まったウォーターフロントの大規
外部から眺めた時には対象との距離を定めてくれた足
模開発にも全く興味が持てませんでした。東京のどこか
場と事物の輪郭線はもはや消失し、そば立つ波は見え
に、大人が楽しめる、地に足が付いている新しい場所を
ず、ただ遠景が揺らぐのみ。揺れているのは、あちら
探したいと思い、日々オートバイでさまよい歩いていま
かこちらか。リアリティの重力が下がり、常識が岸壁
した。そんな時通りかかったのが、倉庫街のはずれに船
から剥がれはじめる。科学、言語、精神、社会といっ
が浮かんでいる芝浦の運河でした。本当にユニークな場
た無限定に広がり得ると感じるものにさえ、この艀か
所でした。そこに繫がれていた艀舟(バージ船)を見て、
ら眺めるような外部が存在するのではあるまいか。な
その怪しさ、素材感、空間の強烈さに魅了されました。
らば我々の常識とはなんと根拠の薄弱なことだろう。
早速船の所有者に掛け合い、バージを一隻貸してもらい
しかし他方、それを外から見る視点を持たない以上、
水上バーが実現しました。そのバーの名前が Life On
この内部こそがやはり全体なのだ。従って当面の必要
Board です。
は、内部にありながら、どうにかそこに別のバランス
今回横浜トリエンナーレでは、奇しくもアート作品とし
を持ち込むこと。改めてデッキへ上り、海を眺める。
て実現した L.O.B.II-13 号は、ぼくにとっていろいろな
陸と水との境界面に位置せざるを得ないこの装置は、
意味で、初代 L.O.B. を考え直すきっかけになっています。
さらに、ここではないどこかへと志向する動きを孕む
初代 L.O.B. は口コミで広がったうわさが人を呼び、週末
空間である。現実社会の一部を構成しながら、計画な
はかなりの賑わいを見せていました。せまい船内には人
き計画という空白が都市を漂う時、そこに流れ込むも
が溢れていましたが、肩を並べていた人々は自然と隣の
のは、どんな種類であれ創造的な何かに他ならない。
テーブルの人と会話を始めるのでした。それはある意味
Life on BoardⅡ-13 号とは、世界と世界の外側と
で不思議な光景でした。都市に欠如していると言われて
の関係を指し示す装置であるとともに、世界の内部を
いる、ごく普通の「コミュニケーション」が、この怪し
漂流していく空間だ。視点と地点の絶えざる移動は、
げな船内では可能になるのです。いわば「コミュニケー
現代の都市生活で麻痺しかかった五感とコミュニケー
ションツール」としての船であり、「水上経験」の可能
ション形式を、幾ばくかは健全に保ってくれるだろう。
性というものを強く感じました。これは都心の店舗や公
陸と水を分かつのではなく、境界を不可分にしていく
共施設ではめったに味わえない感覚でした。
ことが水辺の文化だとするなら、それを紡いでいくの
そんなことを考えながら、他のメンバーからのいろいろ
にこれほどふさわしい空間装置はない。
な影響を受けつつ、ぼくと BOAT PEOPLE は漂流して
います。行き先はおぼろげながら見えてきた、かもしれ
ません。
山崎 博史
藤田 雄三
岩本 唯史
鹿島建設(株)建築設計本部に在籍
都市プランナー
建築家
一級建築士、2級小型船舶操縦士
L.O.B の水 辺 活 性 化 の 可 能 性
昨 年 実 施した運河マップの調査を通して、水際が手摺
日本の河川や港湾はなぜこんなに私達の生活から遠ざ
移動可能な こ と 。 耐 荷 重 性 に 優 れ る こ と 。 リ サ イ ク ル
り や 倉 庫に囲まれ日常的な利用には敷居の高い境界と
かってしまったのでしょうか?
であること 。 B A R G E C o n v e r s i o n は 計 り 知 れ な い
な っ て しまっていることを再認識した。逆にこのよう
私が生活する東京都中央区には、亀島川という都市河
可能性を感 じ さ せ ま す 。 ア ム ス や セ ー ヌ に 出 来 て 、 東
な 境 界 を取り払うことで有効に使えそうな水際も多く
川があります。都心部に近接していることに加えて構
京で出来な い は ず は あ り ま せ ん 。 L O B は 安 価 に 水 際
存 在 し ていることも発見した。一方、周辺の倉庫街に
造的に堤防が低く水が他の河川に比べて近いように感
の実験的な 試 み を 提 供 す る ツ ー ル な の で す 。 ち ょ っ と
は 生 活 や文化のインフラが十分にないまま、新しいマ
じられ、運河としてつくられた歴史をそのまま感じさ
した法規制 の 調 整 や 住 人 意 識 の 変 換 で 、 即 日 実 行 可 能
ン シ ョ ンの住民が大量に流入し始めている。運河を含
せる河川です。しかしながら、このような特異な河川
なのです。
め こ う した水際を人々が使いこなすことが「まち」の
においても人々の活動が感じられない他の河川と同じ
■東京都運 河 ル ネ ッ サ ン ス 構 想 の 一 環 と し て
将 来 、 あるいは私達個人の生活に大きく影響する。
状態になっています。それはなぜなのか?
Case Stu d y 1 : 八 潮 京 浜 運 河 緑 道 公 園 の 使 わ れ て い
バ ー ジ 船を改装した L.O.BⅡはこうした水際を使いこ
ない水上バ ス 乗 場 、 ポ ン ツ ー ン を 利 用 し て 係 留 。 運 河
な す 一 つのツールであり生活空間となりえる。しかし
沿いの公園 に 東 屋 や 海 の 家 的 キ オ ス ク と し て 設 置 。 カ
こ れ ら の係留された継続的に利用可能なものを「水上
考えました。水辺を歩いても、都市の裏側を隠密行動
フェ・LIV E ・ ギ ャ ラ リ ー な ど 、 多 様 な 展 開 が 可 能 。
空 間 」 と定義するなら、「水上空間」は限られたエリ
しているように感じられ、例えて言うのであれば、学
防災機能を 併 用 し た 施 設 に す れ ば 、 移 動 可 能 な 防 災 拠
ア の 限 られた条件でしか成立しないのが現状である。
校の裏庭で先生の目を気にしながらデートをしている
点となる。
ど ん な 形であれ L.O.BⅡを水際に係留することは「水
生徒の気分とでもいいましょうか。
Case Stu d y 2:芝 浦 ア イ ラ ン ド の 船 溜 ま り を 整 理 し 、
上 空 間 」を広く展開する上でのトリガーとなる。
このようになってしまった原因にはたくさんの複合的な
艀を数隻係 留 、 B A R G E v i l l a g e を 形 成 。
こ う し た「水上空間」を僕らがあえて「浮動産」と提
要素が考えられます。歴史的な背景、機能的な問題、産
屋台村のご と く 、 水 上 に 賑 わ い と 競 争 を 自 然 発 生 的 に
唱 し て いるのは、単に社会実験や公共空間として実現
業的な背景、水害への不安、意識の問題、汚染の問題な
作り出し、 新 し い 街 と 既 存 の 街 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ
さ せ る だけでは生活に根付く利用が制約されてしまう
どなど。これらの問題はそれぞれに解決しなければなら
ンエリア、キ ャ ナ ル カ ル チ ャ ー の 情 報 発 信 基 地 と な る 。
こ と へ のアンチテーゼでもある。より積極的に社会・
ないのかもしれない。しかし、それをも簡単に超越して
移動可能な た め 、店 舗 の 入 れ 替 え は 一 晩 で 可 能 。 ま た 、
経 済 シ ステムに位置付け、多様な人々のモチベーショ
しまえるような水辺の使い方はないのでしょうか?
新マンショ ン の 共 用 ラ ウ ン ジ と し て の 利 用 も 可 能 で
ン が 水 際で容易に展開されれば、都市生活を豊かに変
横浜トリエンナーレに出展した、この建築でも船で
は?
え る 力 となる。
もない物体(LOBⅡ-13)にはそのポテンシャルがあ
■横浜市ナ シ ョ ナ ル ア ー ト パ ー ク 構 想 の 一 環 と し て
今 回 、 L .O.BⅡはなるべく簡易に、そしてほぼセルフ
ると考えています。しかし、これをアートイベントの
Case Stu d y 3 : 横 浜 B a n k A r t s t u d i o N Y K 前 の
ビ ル ド により改装した。これは「浮動産」をハードと
形をとらずに、都市のなかに水辺の有効利用の起爆剤
運河に係留 。 水 上 ス ペ ー ス を 提 供 。 期 間 限 定 で 係 留 す
し て 仮 設的に実現させることが可能であり、バージ船
として実際に稼動させるためにはまだまだ多くのハー
るも良し。
が リ ノ ベーションに対し非常にフレキシブルでローコ
ドルがあるのも事実です。
Case Stu d y 4 : 横 浜 象 の 鼻 地 区 に 数 隻 係 留 。
ス ト に 成立する「浮動産」のプラットフォームである
カフェや映画館、劇場や水上温泉、カヌー乗り場、レ
BARGE v i l l a g e を 形 成 し 、 横 浜 港 湾 カ ル チ ャ ー を 発
こ と を 意味する。そう、「浮動産」は移動可能であり、
ストラン、ホテル、店鋪、ギャラリー、体育館。水上
信。アート を 主 体 と し た 、 海 の 家 的 プ ロ グ ラ ム を 導 入
置 か れ る場所により変幻可能な環境適応型の空間なの
にあることでウキウキするような用途の数々。これら
し、自然発 生 的 な 展 開 を 誘 導 す る 。
である。
が近い将来、東京湾のあらゆる場所でできるようにし
ま ず は 作品である「水上空間」L.O.B.Ⅱを「浮動産」
たいと思っています。そして、都市の多くの部分が水
に 生 ま れ変わらせましょう。
辺を意識せざるを得ないようになるのではないでしょ
Life on BoardⅡ-13 号計画とは何か?
What is
Life on BoardⅡ-13 ?
それは水辺が私達のものではなく、他のだれかのもの
であるように感じられてしまうからではないかと私は
うか。かつての東京湾がそうであったように。
Symposium on Board
水上シンポジウム
都市の浮動産「L.O.B.Ⅱ-13 号」、ポスト・トリエンナーレのシナリオ
2005 年 11 月 27 日(日)
13:30 ∼18:00
横浜トリエンナーレ 2005 BOAT PEOPLE Association 展示内
Time Schedule
プロジェクト紹介
13:30 ∼14:30
「Life on BoardⅡ-13 号計画」の経緯
BOAT PEOPLE Association
パネルディスカッション
14:30 ∼16:30
都 市 の 浮 動 産 「 L . O . B . Ⅱ - 1 3 号 」、 ポ ス ト ・ ト リ エ ン ナ ー レ の シ ナ リ オ
●パネリスト
Life on BoardⅡ-13 号計画
「L.O.B.Ⅱ - 1 3 号 」 は 、 都 市 の 浮 動 産 。 ト リ エ ン ナ ー レ 終 了 後 も 東 京 湾内を移動しながら、その土地の文脈に応じ
て様々に 形 を 変 え る 、 水 辺 文 化 と 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の プ ラ ッ ト フ ォ ーム。都市の水上経験を生み出してきた BOAT
PEOPLE A s s o c i a t i o n が 提 案 す る 、 新 し い 水 上 装 置 の ひ と つ だ 。
近年、都 市 の 水 際 を め ぐ る 状 況 は 目 ま ぐ る し く 動 い て い る 。 湾 岸 地 区の住宅開発で水の近くに住む人の数はますま
田久保雅己
マ リ ン ジ ャ ー ナ リ ス ト 会 議 代 表 、 K A Z I 編 集 長 、( 株 ) 舵 社 常 務 取 締 役
難波 喬司
国土交通省関東地方整備局空港港湾部長
光冨 正敏
東京都港湾局東京港防災事務所長
平生 進一
三菱地所(株)住宅開発事業部商品企画部長
芹沢 高志
P3 art and environment、横浜トリエンナーレキュレーター
村野 義哉
海小屋 MANA オーナー
●モ デ レ ー タ ー
井出 玄一
BOAT PEOPLE Association
BAR + LIVE + PAINTING
17:00 ∼18:00
す増え、こ れ ま で は 産 業 、運 輸 、防 災 の イ ン フ ラ と し て 利 用 さ れ て きた都市水面でも規制緩和の動きが進んでいる。
パネルディスカッション終了後は、懇親会を兼ねた BAR タイム。
しかし実 際 は 、 行 政 が 旗 を 振 る だ け で は 物 事 は 動 か ず 、 企 業 や 地 域 の努力だけでも多様な利用は進まない。多様な
KAZZ さん、師岡貴文さんによるライブ+ライブペインティングも!
アクティ ビ テ ィ が 流 入 す る に は 、 法 規 制 や 利 用 者 の 意 識 な ど の ハ ー ドルがまだまだ高いのが現状だ。
さて、こ う し た 状 況 の な か 「 L . O . B . Ⅱ - 1 3 号 」 は 、水 際 の ア ク テ ィ ビティをどのように切り拓くことができるのか。
従来は海 水 浴 場 の サ ー ビ ス 施 設 だ っ た 海 の 家 が 、 地 域 生 活 に 根 ざ し たコミュニティスペースとしてその意味を本質
的に書き 換 え は じ め て い る よ う に 、「 L . O . B . Ⅱ - 1 3 号 」 が 都 市 に お け る水辺の生活シーンを書き換えていくことが
可能だろ う か 。 そ し て そ れ は ど の よ う な 形 に な る だ ろ う か 。 港 湾 行 政、デヴェロッパー、海の家やマリンレジャー、
アートプ ロ ジ ェ ク ト 、 様 々 な 視 点 か ら 、 そ の 意 義 と 方 法 論 を 考 え る 。
http://boatpeople.inter-c.org/13.html
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