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Title 乳癌の浸潤・転移におけるウロキナーゼ型

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Title 乳癌の浸潤・転移におけるウロキナーゼ型
Title
Author(s)
乳癌の浸潤・転移におけるウロキナーゼ型プラスミノー
ゲンアクチベーターシステムの活性化の意義
金, 昇晋
Citation
Issue Date
Text Version ETD
URL
http://hdl.handle.net/11094/3146
DOI
Rights
Osaka University
347
大阪 大 学医 学 雑 誌
第48巻第6� 12�}平成8tド12 fj
乳 癌 の浸潤・転 移 におけるウロキナーゼ型 プ ラスミノーゲンアクチ
ベーターシステムの 活性 化の 意 義
The Significance of the Activation of Urokinase Type Plasminogen
Activator System in Breast Cancer Invasion and Metastasis
大阪大学医学部附属バイオメディカ ル教育研究センター腫場外科学研究部
Univ
p.t ofO nc ology, Biomedical ResearchCenter, Osaka
Oivision ofSurgicalOncology,De
Med. School
金
昇晋
Shoushin Kim
(指導:高井新一郎教授)
(、ドIJ文8�I�lOJJ
9
rL2H)
The ai m of this study is to evaJuate the significance andtheprognostic vaJues of u-PA system in
cancerInvaslon釘,d metastasis.
u-PA and u-PAR ex
pression in94
bre
ast
cancers was
investigated immunohistochemicaJlyusing monoclonaJ antibodies againstu-PA andu-PAR w
ith
LS A B method.
u-PA expression was mainly observed on cancer cells, and LトPAR
expressions was both on cancer cells and stromaJ cells. Patients with highu-PA ex
pression in
cancer cells h剖high r剖apse rates compar ed topatients with lowu-P A ex
pression by the
K aplan-Meier method( p<0. 001).
Pati ents with high uPAR
ex
pression in cancer cells or
stromaJ cells had high relapse rates com
pared topatients with lowu-PAR ex
pression( p=O 013
and 0. 014
, respectively). This study has
shown thatpericelular
l
proteo l ysisInduced by the
activation ofu-P A system accel erates breast cancer invasion and metastasis
K ey word: u-PA
, u-PAR, breast cancer, invasion and metastasis,
progn ostic factor, imm
un ohistochemistry
緒言
の大部分は、 癌細胞や周囲の間質 細胞など から一
本鎖の不活性型u-PAとして分 泌され 、 嬉細胞や
近年、 癌の 浸潤・転移にプロテアーゼが深く関
与することが乳癌1.2)、
大腸癌3.4)、
胃袋5 6)などで
- A特異的受容
間質 細胞の細胞表面に存在する uP
報告されている 。 その中でも中 心的役割を演じる
体 (u-PAR) と結合 することにより二本 鎖の活性
のが‘セリンプロテアーゼの一つである ur okinase
型u-PAへ と変換され る。 こ の活性型u-PAが、
PA)
pe plasminogenactivator(u
ty
である 。 uP
- A
plasmin ogen を分解 し plasmln へ 変換し、 変換さ
41
3-19
348
れた
では、
plasmi nが prometallo・pr oteaseを分解し、
活性型の
Inten sltyI ndex(811=無染色率X O+弱陽性率X 1
+中
metallopr otease に変換する。 また活性
等度陽性率 X 2+ 強度陽性率X 3 ) を算出した。 8 11
型 u-PAは、直接 metallopr oteaseをも活性化す
る。 最終的には、
これら活 性 化された
陽 性率に染 色 強 度を加味し 8tain ing
< 12 7 の例 を低発現群、 811孟 1.2 7 の例を高発現
metaJlo­
extrocellular matnx を分解 して癌の
群とした。 u-PARは、 癌細胞と間質細胞の両方で
7
浸潤・転移を促進すると 考えられている2. 8)。 従
の発現について評価した。 癌細胞では、 陽性細胞
って、 癌の 浸潤・転移にとって u- PAシス テムの
の割合 を計算し 10%未溝を 低発現群、 10%以上
活性化 は主要 なメカニズムの一つで あると推察で
を高発現群とした。 間質細胞では、 染色 強度 から
きる。 実際 、 乳癌組織中の u-PAや uP
- ARの抗
陰性、 弱陽性、 強陽性の 3群に分類した。 u- PA と
原量を測定し、
u-PARのカ ットオフ値は、 それぞ れ予後 に最も影
proteaseが、
高値群は低f直群に比べ有 意に予後
響を及ぼす値を選んだ。 読影に際し、
不良であった とする報告がなされているふ1針。 し か
し、 免疫組織学的に u-PAシス テムの役劃や予後
者背景が分から ないように、
との関係について検討した 報告はない。
グした。
局在 を免疫組織学的に明 かにし、
転移、
乳癌の 浸潤・転
腫癌径 、
estro g en recepto r
dextran- coated charcoal
新規の予後 因子 となり得るかについて検討した。
法で測定し、 カットオフ値はそれぞれ 5.0、 10.0
科において乳癌線治術を受 け、
A BACU8社のコンビュー
ターソフト (S tatV iewおよび SurvivaJ Tools) を
1988年 1
月"'1989年 12月の聞に当
使用し、
病理組織倹査にて
u-PA 及び uP
- A Rの 発現 と臨床病理学
的因子 との関係につ い てはχ
浸潤性乳癌と診断された 94 人。 平均年齢は 4 7.5
癌細胞にお いて高 発現例は、 低 発現例 に比べ有
無、 リンパ節転移の有無、 E円、 PgRの有無、 腫
に予後不良で あ り( p=O 01 3 )、 間質細胞にお ける
宿径、 術後 補助療法とは有 意の関係は 認めな か っ
発現でも 強陽性 例は、 陰性・ 弱陽性例 に比べ有
た が 、 再発の有無とのみ有 意の相関関係を 認めた。
に予後不良で あった( p=0.01 4 )(Fig 3)。 さらにψ
観察期 間中 に再発をき たしたのは、
Table
2
WhitneyのU検定で、
であった。 観察中 央値は 569カ月。
Meier 法 で 、 単変量と多 変量解 析は C ox比例ハ
術後 健存率はKaplan -
testを用いた。
市販の し8A B染色キット
u-P Aは、 おもに癌細胞の細胞質に( Fig 1 、)
u­
Corporatlon, code no K 681) の手順に従った。 一
PARは癌細胞と周囲のマクロファージや線維芽
次 抗体の反応は、 抗ヒト u-PA モノク口ーナル抗
細胞などの間質 細胞に発現が認められた( Fig2 。)
体 と、
抗ヒト ル PA R モ ノ ク 口一ナ ル 抗体
癌細胞において、 uP
- A は 2 3%、 u- PA Rでは 38%
(AmencanDlagnostlcInc, # 3689および#3936)を
の症例が高発 現群で あ った。 間質細胞にお ける
用いて、
4"Cで 16.-..., 18時 間反応 させた。
評価方 法は、
low
high p value*
low
high
72
22
58
36
戸宅
53
16
42
27
post
19
6
16
9
uP
- A Rの発現は、
67 0 で
0 、
ス ライドの任意の 4点 をモニター
上に映し、 各視野で約 2 50個の癌細胞をカウント
弱陽性、
強陽 性を合わせると
癌細胞に比べより高率に発現が認められ
た。 各因子の局 在 に関して、
し、 その内の陽性の細胞の割合 を計算した。 u-PA
u-PAは癌細胞の細
- ARでは癌細胞の細胞質に加え細胞膜
胞質に、 uP
42
stromal cells
p value*
IOW'1 high11
82
12
62
7
20
5
47
7
35
5
P value*
NS
NS
NS
Ly mph node involvement
negatlve
45
9
poS\tlV巴
27
13
NS
34
20
24
16
NS
NS
negatJve
24
7
posltJve
26
12
unknown
12
3
PgR
NS
19
12
31
17
8
7
22
11
28
18
8
7
NS
27
4
40
8
15
O
26
7
NS
"
negalIve
25
8
posltlve
25
11
unknown
12
3
NS
NS
41
コ
15
O
NS
Tumor size (cm)
13
9
38
24
2
7
2
三五2.0
19
3
2.0<・2玉5.0
45
17
8
none
11
tamoxifenσAM)
10
chemotherapy
16
6
TAM+chemo出巴rapy
35
13
yes
5
16
no
67
6
NS
19
3
53
9
3
10
O
6
7
10
3
7
4
10
12
10
33
15
8
13
50
23
NS
吋S
Adjuvant therapy
結果
(Dako
u-PAR
cancer cells
Menopausal status
行った。 まず 4μmの切片を作製し、 脱パラフィ
の染 色 は、
invasive breast cancer patients
u-PA
>5.0
ンの後 、 マイクロウェーブ処理を行った叫。 以後
94
cancer cells
ザードモデルで行った。 有意差検定には、 l ogrank
labeled streptavidln- b lotln me thod
(L8A B法 に
) て
Correlation of u-PA and u-PAR with the c1inicopathological features
in
test、 Mann­
歳(2 7 '" 73歳 で
) 、 閉経前が 69人、 閉経後が2 5人
染色方 法は、 パ ラフ ィン包埋標本を使 用 し、
1
P A と u-P ARの 癌細胞での発現 を合わせて検討
2 11 94 例
ER J)
f. mol/ mg protem で あった。
統計学的解析には、
べ有意に予後不良で あった(pく0 001)0 u-PAR は、
係 をTable1に示す。 uP
- A
、 u-PARとも閉経の有
(ER) 、
検討した。 E円、 PgRは、
対象は、
- Aの高発現群は低発現群に比
存率の検討では、 uP
u-PA
、 u-PA R の発現 と臨床病理学的因子との関
No. of cases
服窟リンパ節
か、 また u-PA と u-PARの発現が乳癌において
患者と方法
け る発現は、 癌の 先進部により 強く認められた。
検者には患
progesterone recepto r ( PgR)、 術後 補助療法を
移にお いて u-PAシ ス テ ムがいかに 関与するの
( 2 2 3% )であった。κaplan- Meler 法による術後健
検体はナンバー リ ン
臨床病理学的因子 としては閉経 、
今回私達は、 乳痘組織中での uP
- A、 uP
- ARの
にも 認められた。 また、 u-PARの間質 細胞にお
NS
NS
19
3
43
5
NS
Recurrence
p<O 00 1
p=O 012
15
6
67
6
1) a low group was consisted of a negative and a weak expresslon groups
2)
a high group was consisted of a strong expression group
Cutoff points
=
3) 5.0 f.mo1/mg protein.
本; p values were caJculated wlth the x
'
4) 10.0
f.mol/mg proteln
lest or lhe Mann-Whitney
43
U
tesl.
NS
=
p> 0.05
pO 014
351
350
b
'-' 100
,
、
‘
E
z
C司
b
100
寸s一一寸「\'L..
80
2
40
60
E
で40
ω
g
20
20
.�
2
。
12
向 3
24
36
48 60
Month
stromal cells
cancer cclls
cancer cells
ー
‘
\
1
し�ー
p
=
p value
80
u-PA expression
cancer cel\s (high vs \ow)
60
20
12
24
36
48
60
Monlh
。
72
12
24
36
48
60
Month
72
そ�
100
司自
EEunロ
80
60
ω
マ
』ω
40
100
80
60
40
p = 0.004
20
由
。
12
24
36
48
60
。
72
12
24
36
Month
u PAR cxprcssion in canccr cclls. lhc dirrcrcncc of
DfS hclwccn palicnts with thc high u PA anJ 1l.PA R
cvcnls) I】ccamc largcr (p <
60
72
2.90 (1.20・7.02)
0.047
2.88 (1.02・8.(7)
0.020
3.1 0 (1.20 - 8.00)
0.003
3.19 (1.70・14.47)
0.437
0.632 (0.20 - 2.01)
O ∞5
5.60 (2.1 6・14.48)
0.001).
ER (negative vs positive)
0.434
0.63 (0.20 - 1.99)
PgR (negative vs posítive)
0.324
0.56 (0.18・1 .77)
0.007
3.73 (1.45 - 9.64)
T2 vs T l
0.741
0.84 (0.30 - 2.38)
0.57 1
1'3 vs TI
0.74 (0.26 - 2.(2)
0.096
3.06 (0.82 - 11牛�)
0.014
5.00 (1.38 - 18.06)
すると、両者がと もに 高発現の症例は 12 例中 9例
癌 の 浸潤・転移には、 1 )原発巣からの離脱と浸
が再発したのに 対し、両者が低発現であった症 例
潤、 2 )脈管系 への侵入、 3 )脈管からの浸出、 4 )
では 4 8例 中 1 例 に しか再発を認めなかった( Fig. 4)。
転移臓器 への生着と 増殖 の過程 が考えられるが、
PAR
の癌 細胞と間質細胞における発現
同様に 、 u
各過程 において 基底膜や細胞外マト リックス の分
を合わせて 検討すると、 癌 細胞高発現 か つ間質 強
解が必要である1)
4 。 そのためには、u
-PAによって
陽性例 は 10例 中 5例に再発を認めたのに対し、癌
線洛系 が活性化 されなけれ ばなら ない 。 事実、 現
細胞低発現 かつ間質 陰性・ 弱陽性例は 56例中 7例
在 までに癌 組織中の uP
- Aの抗原量が高値な症例
にのみ再発を認めた(Fig. 5)。 臨床病理学的因子で
ほど予後が悪いとする報告 が、 乳癌 を始めとして
は、 臆寓 リンパ節 転移を有する症例 が、 転移の 無
-PAが そ
機々な癌 組織で なされている。 しかし、 u
い症例 に 比べ有意 に 予後不良であった( p=0 .0 04)。
の機能を発現するためには、u
-PAR との結合によ
しかし、 閉経の有無、 E 円、 PgRの有無、腫癒径、
って 起こ る uP
- Aシス テムの活性化が必要不可欠
術後補助療法の種類などでは、 術後健存率に有 意
と 考えられている則的。 uPAは実際の組織中
では、
差を認めなかった。
や uP
- A の特異的 インヒピター である
uPAR
p
lぉmlnog en activator inhibitor type
1(PAI-1) と 複
比例ハザードモデル を用いた単変量解析 では 、
リンパ節 転移の有無、 u-PA、υ-PAR での癌 細胞お
合体 を形成して い る。
こ れら しJ
PA
/u-PA円、 υ蝉
Fig.5 Evaluating the comhination of the 1I.PAR
exoression in cancer ccl1s anù stromal cells, the diff巴rence
よび間質細胞に おける発現が有意 のp値を示し 、
再発に 影響を与えたσable2 )。 多変量解析 に お い
シス テムの活性を反映し、 総 uP
- Aや uP
- ARの
events) and patients with th巴 low expr巴ssion (bolh low in
て も、 リンパ節 転移の有無、 u-PA、 uPA円
の癌
レベルより も、 より 強く予後 と 相関すると 考えら
細胞と間質細胞に おける発現の 4 因子が有 意のp
P
- A、 抗 u­
れている11)0 今回 の検討 に 用いた抗 u
値を示し、 こ れらが独立した予後因子であるこ と
- A、
PARモノクローナル抗体は、それぞれ fr eeuP
of D時between paticnts with thc high expression (both
high in cancer cel1s and strong in stromal cells) (5/ 10
c.\. prcssilln (9/ 12 cvcnts) and paticllls、\'ilh thc low
/4H
48
Month
r:ig.4 E\'aluating lhc comhination of thc u-PA anJ
cxprcssion (1
0.018
a;950ノConfïdence Interval
、-'
、.〆
巴
(95% C1')
<0.001 1 0.27 (3.65・28.90)
Tumor size
u-PAR
low
』
1330 (4.85 - 36.47)
relative risk
p value
cancer cells (high vs low)
(positíve vs negative)
cancer cells and stromal cells
cancer cells
ω
(95% cn
stromal cells (hígh vs low)
Lymph node involvement
(山tο》
卜司P八a山川叩c口R叩ssio幻刊山川i
D伽附rr…r刊viv叩刈川目討州州1川叶(σDr:S)川f“un即3児ction川O山ruルt
u-PA and u-PAR
EEs
risk
Hormone receptor
l
ぷf 幻
;
?
:
;
;
lロl
:
:
rA;穴ぷ 7 T宮芯;?;:: :ぷ口
:: ;E: J:;Lぶr; i以
L;
;; J1;l:;:: :訂口
r : l(同日li…
: 山 ユ: W州il川11川
:::口::じ:low
お口
にに山
山口氏)川rcssiol1 ( 15 182 cv山) (right)
穴
r 可穴 r l2M附伽1 川山
r月?M(6/
氏
<0.001
陀lative
u-PAR expression
40
0.0l3
multivariatc
univariate
::、;?二芯Ui:;z芯『:U:山山;;戸山山::芯:山:ユχロ;U口::::=;;?r:1℃!;ぷぷ川:口口::;
�
2 The ufÙvariate and muJt:ivariate regression analysis of the disease-free survival
in 94 invasive breast cancer patients
100
-i
。
72
low
high
1
Table
u-PAR
u-PAR
u-PA
cancer cel1s and wcak or negative in stromal cel1s) (7/56
events) became larger (p
=
0.004). The differenccs were
assessed with the logrank test.
PAんP
- ARPA
/
I- 1 な ど の纏合体の方が 、 より uP
- A
が判明した(Tab l e2 )。
PA円
、
uP
- A/u
司PAR
(一本鎖及び二本鎖 )と、 f r eeu
u-PA/ uPA円、
u-PA/ u-PARPAI
/
- 1 を認識する。 従
って、 こ の免疫組織学的検討において 、 u-PAや
考察
44
45
353
352
u-P A Rの高発現 例が低発現例に比べ有意に 予 後
結合 による u-PAシス テムの活性化が重要な役割
K, Wenninger A,
H,S chmitt M,Ulm
5 Nekarda
.
不良で あ った ことは、 癌の浸潤・ 転移に u-P A シ
PARの免疫組織学的な
を演じており 、u-P A と u-
Vogelsang H,BeckerK, Roder JD, FinkU,
ス テムが 強く関与 してい ることを支持するもので
発現の程 度は、 事し癌の新規の有用な予後 因子とな
町ldS iewert
り得る。
urokinase- type plasminogen activator町、d
ある。
u-P Aはおもに癌細胞に 、 u-P ARは癌細胞
と 周囲の 間質細 胞 に局在 し てい た こ とは、
PAシス テムの活性化が、
PA円 結合 による uPA/u癌組織周辺の限局された範囲で起 こっていること
本稿を終え るにあたり、 御校関 、御教授を賜り
を証明してい る 。 特に、 癌の先進部において、 間
研 究の御指導を賜り
ま した 高井新一郎教銀 、直接
ま した芝
- A円 の 強 い発現が認 め られた ことは 、
質細胞に uP
pe ncellular
英一助教授に深甚なる謝意を表 します。
英一、 小林哲郎、 弥生恵司、 古
栄成、 小山情記、 稲
nO乳癌に
治英生、 田口哲也、 高井新一郎
おける新規の 予後 因子:乳癌組織中の u-P Aお
2900・
よ びPAI-1の生化学的検討
2907, 1994
日本癌治療学会
詑(In press)
6. GaneshS,SierCFM, Heerding MM, van
KL.
KaJra
E, and
M
,
Key
13ShlS R
M, Griffioen Gerrit, WelvaaパK, van
Krieken JHJ
A ntlgen
lin-1lxed, pa raffm-embedded
retrieval in forma
deVeldeCJH,Verheijen JH,L amers
ま た 、 貴重な御助言と多大なる御協力をいただき
pr oteolyslsにより効率よく癌の浸潤
昇晋、 芝
川j頓歳、 高塚雄一、 辛
resected
gastric cancer. Cancer Res 54:
謝辞
12金
JR. Prognostic impact 01
its inhibitorPAI- 1 in completely
u­
8 189・203, 1994.
FibrinolYSIS
tissues白A n enhancement method
が生じ ていることを示している11. 19. 20)。 さらにこ
ま した田口哲也助手 、 後藤多美子女史に厚く感謝
の現象は、 最近指摘されているように 、癌の浸潤・
いた します。 さ らに 、 本研究に御協力頂きま した
value of the plasminogen activators system in
on mlcrowave oven heatlng01 tissue
転移にとって癌細胞と 間質細胞の相互干渉が非常
当教室の皆様に心からお礼を申 し上げ ます 。
. Cancer 77
patients with gastric carcinoma
sections. J HlstochemCytochem 39
CBHW, andVerspaget HW. Prognostic
1035・1043, 1996.
に重要であることをも示唆し てい る21問。
urokinase receptor.
lytic enzymes in
1. Duffy MJ. The role of proteo
学的な発現の程度は、 各因子単独の検討でも、 乳
Clin. Exp. Metastasis 10・14 5・155, 1992
- Aと u-P A R (いずれも癌細胞 ) 、
た 。 また uP
8.
み合わせて予後を検討するとさ らに強力 な予後因
lysis: the prognostic
Tumor- associated fibrino
子となり得ることが示された。 既存の因子では 、
relevance of plasminogen activatorsuPA and
Fibrinol l' 695-70 2, 1990
loodCoagul and
B
予後因子" であ る臓寓リンパ節転移が 、 本検討に
3. S lerCFM,Verspaget HW, Griffioen G,
おいても術後健存率、 単変量 およ び多変量解析 で
Verheリen JH, QuaxPHA, Dooijewaard G, De
有用な独立した予 後因子であることが証明された 。
Imbalance
- A は 、 その インパクトにおい てリンパ
し かし uP
BruinPAF, andLamersCBHW.
節転移にも優っ ていた 。 本方法は、 癌組織中の抗
of plasminogen actlvators and their mhibitors
In human colorectal neoplasla. Implication of
原量の測定と比較 して、 微量 なサンプルで 、 さ ら
lorecta carcinogenesls
uroklnaseIn co
retrospectlveにも検討で きるため広く臨床応
Gastroenterology 101:
用できうると 考える。 今後は 、 prospective な検討
1522・1528, 1991
4 . GaneshS,S lerCFM, Griffioen G,Vloedgraven
で 、リンパ節無転移群や有転移 群などの亜分類に
t mor cells
Biochemical interactlons01 u
with the basement membrane.
- type plasminogen
.
Urokinase
DuffyMJ
Biochem
9.
Ann Rec
55. 1037・1057, 1986
1 5.CostantinlV,S idoni A, Deveglla R,Cazzato
295・302, 1993
liE, and
z a G,Ferri ,1 Buccl arel
. Bellez
OA
Foekens JA,S chmitt M, vanPutten WLJ,
Peters HA, BontenbalM,
t A in human breast cancer
P
乳癌において現在愚も “有用かつ信頼されてい る
BloodCoagul
activator and mali gnancy.Fibrinolysis7:
2. S chmltt M, Janicke F, and Graeff H
u-P A Rの嬉細胞 と 間質細 胞での発現 の二者を組
M
14 .L iottaLA .円 ωN, and WewerU
l 4 : 293・303, 1993.
Fibrino
cancer invasion and metastasis
症の有用な独立した予後因子で あることが 判明 し
741・748. 1991
01 the
f
ure and unction
7. MollerLB. S truct
文献
- A、u-PA Rの免疫組織
また今回の結果より 、 uP
に
10rImmuno小istochemlca
l stalnlng based
Nencl GG. Combmed
l n
j
, l
K
JanickeF
urokmase, urokmase
- pe
M. Prognostic value ofurokinasety
JG
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16 金
l- Hansen J,Ch ristensen IJ,
1 O.Grondah
英一 、 田口哲也 、 井上共生、
郎 . 乳痕浸潤の新 しい分子マーカ ー: u-PA 受
High levels
容 体の免疫組織学的検討
ofurokinase- type plasminogen activator
andItS mhibltor PA I- 1 in cyto旬Ilc
昇晋 、 芝
丹治芳郎 、 木本安彦 、 伊豆蔵正明 、 高井新一
Mouridsen HT,
K, and Bl lchert-ToftM.
Dano
inhl bitor-1IS
a ssociated with breast cancer progresslon
2:
5
6101・6105, 1992.
N,
R osenquistC, Brunner
receptor. and
plasminogen actlvator
plasminogen activator in 671 pnmary
overexpression 01
乳癌の臨床
660・661. 1995
extracts01
17 PykeC, RatfklaerE, RonneE, Hoyer- Hansen
- Aや u-PA円 の発現により予後不良群
おいて、 uP
M, Boer A, WelvaartK, van deVeldeCJH,
HJ
breast carcinomasare associated wlth poor
K
KirkebyL, and Dano
G
をふるい分け 、 同群に対 して適切 な術後補助療法
Kneken JHJM,Verheijen JH,Lamers
van
prognosls. Cancer Res 53: 2513・2521,
Immunohlstochemical detection 01 the
を行う ことにより 、 乳癌の予後を改善でき ると 考
CBHW, andVerspaget HW. Prognostlc
relevance of plasminogen actlvators and their
えてい る 。
Cancer
結語
Res 54
40 65・4071
1993
receptor foruroklnase plasmlnogen
N EllisV
unner
K, BehrendtN, Br
11Dano
actlvator in human colon cancer
and PykeC. Theurokmase receptor
l cancer
Inhibltors in colorecta
1994
Hlstopathology
Protem structure and roleIn plasmlnogen
activator and cancer invaslon
字し癌の浸潤・転移において、 u-PA と uPARの
46
10
47
24 131・138 1994
354
355
強 く 発 現 し ている症例で は、
18. Hel ss MM, Babic R, AlIgay er H, Gru e包n er
p ericellu lar
pro teolysisの 作用に よ り 癌の 浸潤・転移 が促進さ
KU, JauchK帽 W,L oehr s U, an dSchi ldb er g
れていると考えられた。
FW.Tu mor- assocl ated proteoly sis and
pr ognosl s: N ew functi on al risk factors in
gastric can c er def in ed by th e urokin ase­
typ e plasmin ogen activ ator sy st em
J Cli nOn c ol
19 深尾偉晴,
13. 2084・2093, 1995.
プラスミノゲンアクチベーターの
レセプター
臨床病理
96 122・129,
1993
20. 松尾
理
プラスミノゲンアクチベーター
医 学のあゆみ
160. 639 ・643, 1992
21. Pepp er MS, and M ontesano R. Pr ot eolytic
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Cell Oif10 ev elop
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- 28, 1990
Grow1 hfactor syn thesi s an d
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87: 964・973, 1995
23.Fri edlan der M, B r ook sP
C, Sh aff er R W,
(þ
Kln cal dCM, V am er JA. an dCh er eshD A.
O efmi tlon of two angl ogen lc p athway s by
di stin ct αv in tegnns. SC len ce
Fig. 1
270
Immunohistochemical expression of u-PA in invasive breast cancer.
(original magnification: X 50).
Staining of u-PA in cancer cells was strong in the cytoplasm and celI-surface
1500・1502, 1995
和文抄録
手L癌組織中の u -P Aと u-PARの免疫組織学的にそ
の発現を 調べ 、 事L
癌の 浸潤・転移 における u-PA
システムの 意 義と 、
予後因子としての有用性に つ
いて検討 し た。対象は、 浸潤性乳癌患者 94例 。 染
色方 法は 、 パラフィン切片を抗 u-PA、 抗 u -PA円
モノク口一ナル抗体を用いてし S AB 法 で行った。
u-PAはおもに癌 細胞に 、
u -PARは
癌 細胞と間質
細胞に それらの 発現が認められた。間賞細胞では 、
癌の 先進部で
u -P A円の 発現が強く 認められた 。
Kaplan- M eler法による術後健存率の検討 では、
u­
PA、 u-PA円の癌 細胞と間賞細胞において高発現 例
あるいは 強陽性例 は、 低
発現 例 や弱陽性 ・陰性例
に 比べ有 意に 予後不良 で あ った。 u- PAシステムが
48
49
356
(<:コ)
Fig. 2 Staining of u-PAR in stromal cells around the invasive foci was
obscrved strongly
stained
(<;::J)
,and that in the cytoplasm of cancer cells was weakly
(original magnification: X 80).
50
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