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危険ドラッグ等薬物乱 対策の現況について
資料1 危険ドラッグ等薬物乱⽤対策の現況について 平成26年8⽉28⽇ 佐賀県 健康福祉本部 薬務課 1 危険ドラッグとは? 大麻や覚醒剤などと似た作用がある合成化学物 質を含んだ薬物。 お香、ハーブなどと称して販売されているが、 体内への摂取(乱用)目的で使われている実態 がある。 規制を逃れるために、化学構造の一部を変えた 新たな化学物質が次々に出回るが、毒性や依存 性が未知の薬物であり、使用すると何が起きる か、誰にも予測がつかない状態となっている。 使用者の健康被害や、自動車運転による交通事 故の発生などの二次的犯罪が多発している。 2 危険ハーブとは? 乾燥植物⽚に、覚せい剤や⼤⿇に似た 作⽤のある薬物(合成化学物質)を吹 き付けたもので、危険ドラッグの⼀種。 植物を乾燥 させたもの + 合成化学物質 沢⼭の種類があり、これはその1例。 AM2201 合成カンナビノイド (⼤⿇類似成分) 平成23.9.20 平成25.4.26 指定薬物指定 ⿇薬指定 危険ドラッグの例 リキッド、アロマ ハーブ パウダー、バスソルト (写真は厚⽣労働省公表資料引⽤) 販売⽅式 インターネット店舗 店頭販売(ヘッドショップ、雑貨店)、デリバリー店舗 販売形態 1パッケージ3g⼊りで4,000〜6,000円程度。 1g単位やタバコ型1本単位の販売もある 4 危険ドラッグに対する法規制 譲受、施⽤、 所持等まで 規制 ⿇ 薬 に 指 向精神薬 譲渡、譲渡⽬的所持 定 指定薬物 製造、輸⼊、販売等 を規制 (個⼈製造、輸⼊ も規制) さらに単純所持 等も規制 ⿇向法による規制 薬事法による規制 指 定 薬 物 に 指 定 指定薬物に該当する物 ⿇薬 ⿇薬に該当する物 依存性 精神毒性 保健衛⽣上の危害 有 害 性 ⼤ 無承認 無許可医薬品 販売、授与、 販売授与⽬的の製造 等を規制 ○「中枢神経系の興奮若しくは抑制⼜は幻覚の 小 有害性⽴証の程度 ⼤ 作⽤」を有する蓋然性が⾼く かつ ○⼈の⾝体に使⽤された場合に保健衛⽣上の 危害が発⽣するおそれがある物 ⼩ 5 危険ドラッグに対する法規制の例 MDPV (1-(3, 4-メチレンジオキシ フェニル)-2-(ピロ リジン-1-イル)ペン タン-1-オン) MDMA ⿇薬 ⿇薬 中枢興奮作⽤を有し、使 ⽤すると意識障害や呼吸 困難など健康被害を引き 起こす恐れがある。 MDA ⿇薬向精神薬 取締法改正 ⿇薬指定 (H24.7.4) 薬事法改正 指定薬物指定 (H20.12.17) 危険ドラッグ 指定薬物 無承認無許可 医薬品 製造、販売、輸⼊等 を規制 H26.4.1から所持等 も規制 ⿇薬 メタンフェタミン 覚せい剤 ⿇薬 所持、譲受、譲渡 施⽤、製造、販売 輸⼊等を規制 6 危険ドラッグ対策の経過 1995年〜 2000年ころ 2002年 「合法ドラッグ」として販売 「脱法ドラッグ」東京都の買い上げ調査により呼ばれるようになる マジックマッシュルームが「⿇薬原料植物」として規制される ビデオクリーナー、芳⾹剤、研究⽤試薬等と称して、⼈体接種を⽬的としないかのように偽装 して、薬事法による規制逃れ 2005年3⽉ 2006年 東京都が条例により「知事指定薬物」の規制 5-MeO-DIPTの中毒情報が増え、「⿇薬」に指定 薬事法改正(2007年施⾏)により「指定薬物」として、医療等の⽤途以外の ⽤途に供するための製造、輸⼊、販売等を禁⽌(ラッシュ等亜硝酸エステル) このころから、「合法ハーブ」と称する⼤⿇類似の合成カンナビノイド系薬物の流⾏ 販売店の増加及び乱⽤者の健康被害や⾃動⾞運転による事故等の⼆次的被害の急増 2012年 2013年 2013年3⽉ 2013年10⽉ 2014年4⽉ 国内未流通の薬物も対象にした指定薬物への迅速な個別指定 有害性が⾼く、指定薬物指定後も市場流通する指定薬物を⿇薬へ格上げ 指定する等規制強化 愛知県、⼤阪府、徳島県、和歌⼭県が条例化 包括指定導⼊(2⽉合成カンナビノイド系指定、12⽉カチノン系指定) ⿃取県条例化 ⿇薬取締官・⿇薬取締員に対し、指定薬物に関する取締権限を付与 薬事監視員等による収去の規定 指定薬物の所持、使⽤、購⼊禁⽌ 7 包括指定の導⼊ 似たような構造の薬物をまとめて規制 AWH-018 AM-2201 類似物質を合成 合成カンナビノイド系 (⼤⿇類似成分) H25.2 759物質指定 8 包括指定後も新たな成分が流通 東京池袋の⾃動⾞暴⾛事件で、吸引された脱法ドラッグに 含まれていた合成カンナビノイド系成分 5-Fluoro AMB AB-CHMINACA H26.7.15指定薬物 に緊急指定 H26.7.25施⾏ 9 危険ドラッグに係る直近の対策強化等の動き <危険ドラッグ乱⽤者による事件事故の多発> ・H26.6.24 東京池袋で乱⽤者による⾃動⾞暴⾛事故で8⼈死傷。 <政府の危険ドラック対策強化> ・H26.7.3 販売店の詳細な把握、警察、⿇薬取締官、都道府県⾏政 が連携した積極的な⽴⼊を求める通知。 ・H26.7.8 政府危険ドラッグ対策推進会議開催(総理⼤⾂指⽰) ・H26.7.15 池袋事件の原因薬物を指定薬物へ緊急指定、施⾏までの 間の無承認無許可医薬品としての指導取締指⽰ ・H26.7.18 危険ドラッグ対策推進会議開催、緊急対策取りまとめ 指定薬物でない成分も危険性について速やかに情報発信、迅速な 指定、連携した⽴⼊の実施、検査命令、無承認無許可医薬品として の取締、効果的な運⽤を検討、鑑定の迅速化検討など。 ・H26.8.27 ⿇薬取締部等の⼀⻫⽴ち⼊り調査(東京,⼤阪,愛知,福岡) 30店舗に対し製品検査命令及び販売停⽌命令(417製品) ・H26.8.28現在 指定薬物指定物質数:1,400物質 10 県内の状況 【県の危険ドラッグ対策】 ・県内の危険ドラッグ販売のおそれのある店舗、インター ネット店舗の把握 (現状) 県警察本部、薬務課共、店舗確認数ゼロ。 ※ 全国では252店舗(H26.3時点)。 九州地区は福岡県、沖縄県に集中。 ・緊急搬送事例の把握 (現状) 薬務課が把握する事例は、現時点で1事例。 ・買上調査の実施 平成24年度から国が実施する買上調査に参加。 今年度は、県独⾃に県外インターネット店舗から買上 調査実施。 ・検査体制の整備 ・特に若年層を対象とした危険性の周知・啓発 県HP、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動、薬物乱⽤防⽌教 11 室等の機会を捉えて啓発活動実施