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【整形外科コースカリキュラム】

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【整形外科コースカリキュラム】
【整形外科コースカリキュラム】
1.
一般目標
1)
一般目標1(総論的)
① 外科系専門医ならびに整形外科専門医として、適切な臨床的判断能力と問題解決能力
を修得する。
(★)
② 手術を適切に実施できる能力を修得する。(★)
③ 医の倫理、特に日本整形外科学会の定める整形外科医の倫理要綱に配慮し、外科系診
療を行う上での適切な態度と習慣を身に付ける。
(★)
④ 医学の進歩に合わせた生涯教育を行うための方略の基本を修得する。(★)
2)
一般目標2(各論的)
:卒後初期臨床研修を修了した後、外科系診療に必要な基礎
知識、基本的手術手技および診療技術を修得する。(★)
① 東京医師アカデミー整形外科コースカリキュラムに基づき学習する。(★)
② 外科系各科に共通する基本的問題解決に必要な基礎知識、技能および態度を修得し、
さらに運動器疾患の理解に必要な運動器の生理学および病態生理学を学習し、運動器
疾患の正確な診断や安全な治療を行うため基本的手技を習得する。
(★)
注1:基礎知識とは外科系各科に必要な局所解剖、病理・腫瘍学、 病態生理、輸液・輸血、血液凝
固と線溶現象、栄養・代謝学、感染症、免疫学、創傷治癒、術後疼 痛管理を含む周術期管理、麻酔
学、集中治療などすべてを包括する。
③ 外科系疾患(外傷・熱傷など)の救命・救急医療に対して、適切な判断と治療を行う。
特に運動器疾患・外傷に対応できる基本的診療能力を習得する。(★)
2.
到達目標
1)
到達目標1:外科系診療に必要な下記の基礎知識を習熟し、臨床応用できる。
(1) 局所解剖:手術をはじめとする診療上必要な局所解剖について述べることができる。
特に体幹・四肢の解剖を修得し、次の組織の次の組織の正常組織像と各種疾患での
病理組織像を述べることができる。(★)
①
骨
②
関節
③
脊椎・脊髄
④
末梢神経
⑤
筋腱・靱帯
⑥
血管
(2) 病理学:整形外科病理学の基礎知識を理解している。
(★)
(3) 腫瘍学
① 手術、化学療法および放射線療法の適応を述べることができる。(★)
② 抗癌剤と放射線療法の合併症について理解している。
(★)
(4) 病態生理
① 周術期管理などに必要な病態生理を理解している。(★)
② 手術侵襲の大きさと手術のリスクを判断することができる。(★)
③ 神経の変性と再生について述べることができる。
④ 関節症と関節炎の病態の違いを述べることができる。
(5) 輸液・輸血:周術期・外傷患者に対する輸液・輸血について述べることができる。
(★)
(6) 血液凝固と線溶現象
① 出血傾向を鑑別できる。(★)
② 血栓症の予防、診断および治療の方法について述べることができる。(★)
(7) 栄養・代謝学
① 病態や疾患に応じた必要熱量を計算し、適切な経腸、経静脈栄養剤の投与、管理につ
いて述べることができる。
(★)
② 外傷、手術などの侵襲に対する生体反応と代謝の変化を理解できる。(★)
③ 骨代謝の概略を述べることができる。
④ 軟骨代謝の概略を述べることができる。
(8) 感染症
① 臓器特有、あるいは疾病特有の細菌知識を持ち、抗生物質を適切に選択することがで
きる。(★)
② 術後発熱の鑑別診断ができる。
(★)
③ 抗生物質による有害事象(合併症)を理解できる。(★)
④ 破傷風トキソイドと破傷風免疫ヒトグロブリンの適応を述べることができる。(★)
(9) 免疫学
① アナフィラキシーショックを理解できる。
(★)
② GVHD の予防、診断および治療法について述べることができる。(★)
③ 組織適合と拒絶反応について述べることができる。
(★)
(10)創傷治癒
(★)
① 創傷治癒の基本を述べることができる。
② 骨折の治癒過程を述べることができる。
③ 軟骨修復について述べることができる。
(11)周術期の管理:病態別の検査計画、治療計画を立てることができる。(★)
(12)麻酔学
① 局所・浸潤麻酔の原理と局所麻酔薬の極量を述べることができる。(★)
② 脊椎麻酔の原理を述べることができる。
(★)
⑤ 気管内挿管による全身麻酔の原理を述べることができる。
(★)
⑥ 硬膜外麻酔の原理を述べることができる。(★)
⑦ 局所麻酔法を正しく実施できる。(★)
(13)集中治療
① 集中治療について述べることができる。(★)
② レスピレーターの基本的な管理について述べることができる。
(★)
③ DIC と MOF を理解できる。
(★)
(14)救命・救急医療
① 救急医療に関する法律を理解し,遵守できる。
② 蘇生術について述べることができる。
③ ショックを理解できる。(★)
⑤ 重度外傷を理解できる。(★)
⑥ 多発外傷における重要臓器損傷とその症状を述べることができる。
⑦ 意識レベルを評価できる。
(★)
⑧ 骨折・脱臼を列挙して,その臨床像と治療方針を述べることができる。
(15)運動器のバイオメカニクスの概略を述べることができる。
2)到達目標2:外科系診療ならびに整形外科診療に必要な検査・処置・麻酔手技に習熟
し、それらの臨床応用ができる。
(1) 下記の診察手技ができる。
① 医療行為に関する法律を十分に理解し遵守できる。
② 患者やその家族と良好な信頼関係を確立することができる。
③ 病歴聴取に際して患者の社会的背景や QOL に配慮できる。
④ 主な身体計測(ROM,四肢長,四肢周囲径など)ができる。
⑤ 骨・関節の身体所見がとれ,評価できる。
⑥ 脊椎の身体所見がとれ,評価できる。
⑦ 神経学的所見がとれ評価できる。
a) MMT
b) 感覚障害の検査
c) 反射
(2) 下記の検査手技ができる。
① エックス線単純撮影:適切なエックス線写真の撮影部位と方向を指示し,読影できる。
② CT、MRI:造影の要否も含め適応を決定し、読影することができる。
③ 骨シンチグラフィー:適応を理解し,適切な核種を選択して指示し,判定できる。
(★)
④ 超音波診断:自身で実施し、病態を診断できる。
⑤ 関節造影・脊髄造影:適応を決定して安全に実施し、読影することができる。
⑥ 血管造影:適応を決定し、読影することができる。(★)
⑦ 電気生理学検査(筋電図、神経伝達速度など)の適応を理解し判定できる。
⑧ 骨量測定の概要を理解し,指示・判定できる。
⑨ 侵襲的検査を行う場合,その必要性,概要,侵襲性,合併症などについて患者・家族
に説明でき,十分な納得と同意を得ることができる。
⑩ 組織生検の適応と手技を理解して,指導責任者のもとで実施できる。
⑪ 病理標本を検鏡し,正常像と病的組織像の鑑別ができる。
⑫ 関節鏡検査の適応と合併症を理解して,指導責任者のもとで安全に実施できる。
⑬ 検査施行後の合併症を熟知し,予防的管理を適切に実施できる。
⑭ 日整会各種機能評価判定基準を用いて評価できる。
(3) 医療記録ができる。
① 医療記録は社会的に開示を要求されうるものであることを常に意識して正確に作成
できる。
② 医療記録に対する厳重な管理責任が必要であることを理解し,その方策を立て,実施
できる。
③ 運動器疾患について正確に病歴が記載できる。
記載内容:主訴,現病歴,家族歴,職業歴,スポーツ歴,外傷歴,アレルギー歴,内
服歴,治療歴など
④ 運動器疾患の身体所見が記載できる。
記載内容:脚長,筋萎縮,変形(脊椎,関節,先天異常),ROM,MMT,反射,感覚,
歩容,ADL など
⑤ 検査結果の記載ができる。
記載内容:画像(X 線像,MRI,CT,シンチグラム,ミエログラム),血液生化学,
尿,関節液,病理組織など
⑥ 症状,経過の記載ができる。
⑦ 検査,治療行為に対するインフォームドコンセントの内容を記載できる。
⑧ 手術記録を適切に作成できる。
⑨ 紹介状,依頼状を適切に書くことができる。
⑩ リハビリテーション,義肢,装具の処方と結果が記録できる。
⑪ 障害認定(労災,身障,交通災害,年金)と診断書の種類と内容が理解でき,適切に
記載できる。
(4) 診療基本手技ができる。
① 医療安全の重要性を理解できる。
② 薬物療法の基本と適応を理解し,適切に処方できる。
③ 麻薬管理に関する法律を理解し,適切に処方できる。
④ 牽引療法の基本と適応を理解し,適切に実施できる。
⑤ 清潔操作で関節穿刺・注入,直達牽引が実施できる。
⑥ 理学療法の基本と適応を理解し,適切に処方できる。
⑦ 運動療法の基本と適応を理解し,適切に処方できる。
⑧ 作業療法の基本と適応を理解し,適切に処方できる。
⑨ 装具療法の基本と適応を理解し,装具や杖を適切に処方できる。
(5) 周術期管理ができる。
① 局所解剖に基づいて手術の概要を述べることができる。
② 手術の必要性,侵襲度,合併症などにつき,指導責任者のもとで患者と家族に説明で
き,十分な納得と同意を得ることができる。
③ 術前の準備(患者と患肢の確認,体位,手洗い,ドレーピングなど)が適切に実施で
きる。
④ 術後疼痛管理の重要性を理解し、これを行うことができる。(★)
⑤ 周術期の補正輸液と維持療法を行うことができる。(★)
⑥ 輸血量を決定し、成分輸血を指示できる。(★)
⑦ 出血傾向に対処できる。(★)
⑧ 血栓症の治療について述べることができる。
(★)
⑨ 抗菌性抗生物質の適正な使用ができる。
(★)
⑩ 抗菌性抗生物質の有害事象に対処できる。(★)
⑪ 切開およびドレナージを適切にできる。
(★)
⑫ 骨・軟骨・神経・血管・筋腱・靭帯などの運動器の基本的な手術技術に習熟し,実施
できる。
⑬ 骨移植の種類を理解し,その適応を判断できる。
⑭ バイオマテリアルの種類を理解し,その使用基準を判断できる。
⑮ 顕微鏡手術の準備が適切に行え、基本的手技が実施できる。(■)
⑯ 術後に患者と家族に手術の内容と術後合併症の可能性などを適切に説明できる。
⑰ 術後合併症を熟知し、予防的管理を適切に実施できる。
⑱ 手術記録を適切に作成できる。
⑲ 術後のリハビリテーションを適切に処方できる。
⑳ 運動器リハビリテーション・在宅医療・社会復帰などの問題を他の専門家,コメディ
カル,介護福祉士などと協議できる。
(6) 次の麻酔手技を安全に行うことができる。
① 局所・浸潤麻酔(★)
② 脊椎麻酔(★)
③ 気管内挿管による全身麻酔(★)
④ 神経ブロック(★)
⑤ 硬膜外ブロック(★)
(7) 外傷の診断・治療ができる。
① 専門領域の外傷の初期治療ができる。(★)
② 骨折や脱臼の徒手整復を正しく実施できる。
③ 多発外傷における治療の優先度を判断し、トリアージを行うことができる。
(★)
④ 緊急手術の適応を判断し、それに対処することができる。
(★)
⑤ 開放骨折の重症度を判断し、適切な応急処置を実施できる。
⑥ ブラッシング,デブリドマンといった緊急の基本的創傷処置を正しく実施できる。
⑦ 固定法(包帯法・副子・ギプス・テーピングなど)の基本を理解し初期治療が適切に
実施できる。
⑧ 次の組織の損傷を診断し,適切な応急処置を実施できる。
a) 神経
b) 血管
c) 筋腱
d) 靱帯
⑨ 神経学的診察によって脊髄損傷と末梢神経損傷の麻痺の高位を判断し,適切な応急処
置を実施できる。
⑩ 手の外傷の特徴を理解し,神経・腱損傷の適切な処置を実施できる。
⑪ スポーツ外傷・障害の特徴を理解し,適切な初期対応ができる。
⑫ 急性期の骨・関節感染症の症状を評価し,適切な処置を実施できる。
⑬ 災害医療に携わる医師の一人として災害実践教育研修や災害派遣医療チーム(DMAT)
の研修を受講する。(■)
⑭ 救急研修期間中に脳卒中初期診療標準化コース(ISLS)などの研修を受講する。
(■)
(8) 以下の手技を含む外科的クリテイカルケアができる。
① 心肺蘇生法―ALS(気管内挿管、直流除細動を含む)
(★)
② 動脈穿刺(★)
③ 中心静脈カテーテルの挿入と管理(★)
④ レスピレーターによる呼吸管理(★)
⑤ 胸腔ドレナージ(★)
⑥ ショックの診断と原因別治療(輸液、輸血、成分輸血、薬物療法を含む)(★)
(9) 外科系疾患の初期治療ができ、かつ、専門医への転送の必要性を判断することがで
きる。(★)
3)到達目標3:一定レベルの外傷および整形外科疾患を経験し、処置・手術を適切に実施
できる能力を修得し、その臨床応用ができる。
経験すべき疾患および処置・手術は以下のごとくである。
A
下記に属する疾患の臨床像を述べて鑑別診断でき,検査・治療方針をたてることがで
きる.
1.先天異常症候群
( 1 )手の先天異常―形成障害,分化障害,重複,指列誘導異常,過成長,低形成,絞扼輪症候群
( 2 )足の先天異常―形成障害,分化障害,重複,指列誘導異常,過成長,低形成,絞扼輪症候群
( 3 )奇形症候群―先天性結合組織疾患,その他の奇形症候群
2.骨系統疾患
( 1 )FGFR3 異常症―軟骨無形成症,軟骨低形成症
( 2 )Ⅱ型コラーゲン異常症―先天性脊椎・骨端異形成症,Kniest 骨異形成症, Stickler 骨異形成症
( 3 )多発性骨端異形成症,偽性軟骨無形成症
( 4 )骨密度低下を伴う骨異形成症―骨形成不全症
( 5 )多発性異骨症―Morquio 症候群
( 6 )骨形状変化を伴わない骨密度増加を伴う骨異形成症―大理石骨病,濃化異骨症
3.神経・筋疾患
( 1 )脳血管障害
( 2 )脳性麻痺
( 3 )運動ニューロン疾患―筋萎縮性側索硬化症,脊髄性筋萎縮症
( 4 )末梢神経障害―単神経障害,多発性単神経障害,多発性神経障害
( 5 )脱髄疾患―多発性硬化症
( 6 )変性疾患― Parkinson 病,脊髄小脳変性症
( 7 )筋疾患―筋ジストロフィー,先天性ミオパシー,その他のミオパシー,重症筋無力症,筋無力症候
群,周期性四肢麻痺
4.脊椎・脊髄疾患
( 1 )頚椎の先天異常―頭蓋底陥入症,歯突起骨,Klippel-Feil 症候群
( 2 )脊髄空洞症
( 3 )斜頚
( 4 )頚椎椎間板ヘルニア
( 5 )頚部脊椎症
( 6 )頚椎後縦靱帯骨化症
(
7 )リウマチ性脊椎炎
( 8 )破壊性脊椎関節症
(
9 )脊柱側弯症
( 10)腰椎椎間板ヘルニア
( 11)脊椎分離症
( 12)脊椎すべり症
( 13)腰部脊椎症
( 14)腰部脊柱管狭窄
( 15)脊椎・脊髄腫瘍
( 16)化膿性脊椎炎,結核性脊椎炎
5.骨・関節の感染症
( 1 )骨髄炎
( 2 )結核性骨関節炎
( 3 )非定型抗酸菌症
( 4 )骨関節の梅毒
( 5 )感染性関節炎
( 6 )人工関節置換術後の感染
( 7 )筋肉感染症
( 8 )特殊な感染症
6.慢性関節疾患
( 1 )変形性関節症
( 2 )痛風
( 3 )偽痛風
( 4 )神経病性関節症
( 5 )血友病性関節症
( 6 )色素性絨毛結節性滑膜炎
( 7 )血液透析における骨・関節症
7.関節リウマチと類縁疾患
( 1 )関節リウマチ
( 2 )悪性関節リウマチ
( 3 )若年性関節リウマチ
( 4 )成人(発症)Still 病
( 5 )強直性脊椎炎
( 6)乾癬性関節炎
( 7 )掌蹠膿疱症性関節骨炎
( 8 )Tietze 症候群(病)
( 9 )回帰性リウマチ
( 10)リウマチ性多発筋痛症
( 11) Reiter 症候群
( 12)腱(靱帯)付着部症
( 13) Jaccoud 関節症
( 14)サルコイドーシス
8.四肢循環障害と阻血壊死性疾患
( 1 )四肢に循環傷害をきたす疾患―閉塞性血栓血管炎,閉塞性動脈硬化症,血栓性静脈炎
( 2 )外傷後の腫脹による血管圧迫―区画症候群,Volkmann 拘縮
( 3 )骨壊死―骨端症,一次性・二次性骨壊死
9.代謝性骨疾患
( 1 )骨粗鬆症
( 2 )くる病,骨軟化症
( 3 )上皮小体(副甲状腺)機能異常
( 4 )甲状腺機能異常
( 5 )成長ホルモン異常症
( 6 )ステロイド剤投与による骨病変
10.骨軟部腫瘍
( 1 )骨軟骨腫
( 2 )軟骨腫,内軟骨腫
( 3 )骨巨細胞腫
( 4 )その他の良性骨腫瘍と骨腫瘍類似疾患
( 5 )骨肉腫
( 6 )軟骨肉腫
( 7 )骨悪性線維性組織球腫
( 8 )骨線維肉腫
( 9 )Ewing 肉腫
( 10)骨原発悪性リンパ腫
( 11)脊索腫
( 12)骨髄腫
( 13)その他の悪性骨腫瘍
( 14)線維肉腫
( 15)軟部悪性線維性組織球腫
( 16)脂肪肉腫
( 17)平滑筋肉腫
( 18)横紋筋肉腫
( 19)血管肉腫
( 20)滑膜肉腫
( 21)悪性神経鞘腫
( 22)胞巣状軟部腫瘍
( 23)類上皮肉腫
( 24)淡明細胞肉腫
11.肩関節の疾患
( 1 )肩関節の先天異常―肩甲骨高位症(Sprengel 変形)
( 2 )肩関節の不安定症―反復性肩関節脱臼,非外傷性不安定症
( 3 )肩軟部組織の変性疾患―石灰性腱炎,肩峰下インピンジメント症候群,腱板断裂,五十肩(凍結肩),
上腕二頭筋長頭腱の傷害
( 4 )スポーツによる肩の傷害―投球による障害
12.肘関節の疾患
( 1 )離断性骨軟骨炎
( 2 )変形性肘関節症
( 3 )肘部管症候群
( 4 )上腕骨外側上顆炎
13.手関節と手指の疾患
( 1 )手の炎症性疾患―腱鞘炎と腱炎,手の関節リウマチ,手の変形性関節症
( 2 )手の感染症
( 3)手の骨壊死
( 4 )手の神経麻痺―橈骨神経麻痺,正中神経麻痺,尺骨神経麻痺,手根管症候群,前骨間神経麻痺,回
内筋症候群,尺骨神経管症候群,後骨間神経麻痺
14.股関節の疾患
( 1 )先天性股関節脱臼
( 2 )Perthes 病
( 3 )大腿骨頭すべり症
( 4 )単純性股関節炎
( 5 )化膿性股関節炎
( 6 )変形性股関節症
( 7 )大腿骨頭壊死症
15.膝関節の疾患
( 1 )発育期の膝関節障害―反張膝,内反膝,外反膝,Blount 病
( 2 )離断性骨軟骨炎
( 3 )Osgood-Schlatter 病
( 4 )Sinding-Larsen-Johansson 病
( 5 )ジャンパー膝
( 6 )有痛性分裂膝蓋骨
( 7 )半月板損傷
( 8 )靱帯損傷・捻挫―内側側副靱帯(MCL)損傷,前十字靱帯( ACL)損傷,後十字靱帯(PCL)損傷
( 9 )膝蓋大腿関節障害―膝蓋軟骨軟化症,滑膜ひだ障害,膝蓋骨亜脱臼,脱臼膝蓋大腿関節症,変形性
膝関節症,膝の特発性骨壊死
16.足関節と足趾の疾患
( 1 )先天性足変形―先天性内反足
( 2 )後天性足変形―麻痺性足部変形
( 3 )足部痛
1.扁平足
2.後足部有 痛性疾患―腓骨 筋腱脱臼,踵骨 骨端症,アキレ ス腱滑液包炎踵 骨棘および足底 腱膜炎,第 1
Köhler 病,足根管症候群
3.前足部有痛性疾患―外反母趾,Freiberg 病,第 2 Köhler 病行軍骨折, Morton 病,変形性関節症
4.足趾の疾患
5.下腿の疾患―先天性下腿弯曲症と先天性下腿偽関節症
B
下記の整形外科外傷および疾患、検査、治療については必要な症例数の診察・治療を
経験する。
東京医師アカデミー整形外科コースにおいて経験すべき整形外科外傷および疾患、検査、
治療は、日本整形外科学会の研修記録に準ずる。
表記の仕方は以下のとおりとする。詳細は備考参照
外傷・疾患 名:(分野番号)‐(重み付け)‐(要 経験症例数)
注目点(D)
必要な保存療法及び処置(C)
必要な検査 (E) # 必要な診断および
必要な手術療法(O)
新鮮開放創: 2-5-a 開放骨折の分類(D)デブリドマン,皮膚の処置(O)
神経断裂: 2-3-c 損傷病態分類,機序分類(D)神経縫合(O)
血管損傷: 2-3-b MRI,血管造影(E)血管縫合(O)
脊椎損傷(骨折・脱臼):2-5-a
MRI,CT(E)体幹ギプス,褥創管理(C)脊椎固定術(O)
脊髄損傷: 2-5-b MRI(E)神経障害(型分類)(D)ステロイド大量療法(C)脊椎固定術(O)
胸郭損傷: 2-3-b 内臓損傷の把握(D)
鎖骨骨折: 2-5 神経障害(D)R(O)
肩関節脱臼: 2-5 神経障害(D)徒手整復固定法(C)
肩鎖関節脱臼: 2-5-a(上記 2 つ含む)
分類(D)固定法(C) R(O)
上腕骨近位端骨折: 2-5 分類(D)ハンギングキャスト(C)R,人工骨頭(O)
上腕骨骨幹部骨折: 2-5 橈骨神経障害(D)ハンギングキャスト,U スラブ(C)R,髄内釘(O)
上腕骨顆上骨折を含む肘関節部骨折・脱臼: 2-5-a(上記 2 つ含む)
小児阻血性拘縮,神経損傷(D) R
(O)
肘内障: 2-3-b 徒手整復(C)
前腕骨骨折: 2-5 脱臼合併の有無(D)R,髄内釘(O)
手関節部骨折(手根骨骨折・脱臼を含む):2-5 徒手整復(C) R(O)
手指の骨折・脱臼: 2-5-a(上記 2 つ含む)
徒手整復,創外固定術(C)R(O)
指関節靱帯損傷: 2-3 固定装具,スプリント(C)
手の腱損傷: 2-5-b(上記含む)
腱縫合,腱移植,腱延長(O)
骨盤骨折: 2-5-b 内臓損傷,血管損傷の把握(D)骨盤輪創外固定術(C)
股関節脱臼: 2-5-b 神経障害(D)牽引療法(C)R(O)
大腿骨頚部・転子部骨折: 2-5 R,人工骨頭置換術(O)
大腿骨骨幹部骨折: 2-5-a(上記含む)
R,髄内釘(O)
膝周辺骨折・脱臼・靱帯損傷: 2-5-b 装具療法(C)R,靱帯再建術(O)
下腿骨骨折: 2-5-a コンパートメント症候(D)創外固定術,PTB ギプス(C)R,髄内釘(O)
足関節部骨折・脱臼: 2-5 R(O)
足関節靱帯損傷: 2-5 R(O)
踵骨骨折: 2-5-a(上記 2 つ含む)
R(O)
離断性骨軟骨炎,肘のスポーツ障害: 2-3-b MRI(E)病態(D)
脳性麻痺: 3-1-c N,病型(D)
筋性斜頚: 3-3 他の原因との鑑別(D) 筋切り術(O)
多・合指症: 3-1 治療開始時期(D)
先天性股関節脱臼: 3-5 MRI,関節造影(E)牽引療法,リーメンビューゲル(C)観血的整復術(O)
Perthes 病: 3-5 MRI(E)下肢装具(C)骨端固定,骨切術(O)
先天性内反足: 3-3-a(上記 4 つ含む)
矯正ギプス,矯正靴 (C)
骨系統疾患(* 1 参照):3-5 分類,予後(D)
先天性偽関節: 3-1 病態(D)
代謝性骨疾患(* 2 参照):4-3-c(上記 2 つ含む)
分類,予後(D)
骨粗鬆症: 4-5-a 骨密度測定(E)N(D)投薬療法(C)
痛風,偽痛風: 4-3-b 内科的合併症(D)投薬療法(C)
血液透析による骨関節症: 4-3-c 透析期間からみた治療適応(D)
軟部腫瘍(* 3 参照):5-5-b MRI(E)病理学的分類(D)軟部腫瘍摘出術(O)
色素性絨毛結節性滑膜炎: 5-3-c 原因,病理(D)滑膜切除術(O)
骨原発性腫瘍(* 4 参照):5-5-a
MRI,血管造影(E)病理学的分 類(D)生検,化学療法(C)骨腫
瘍摘出術,患肢温存療法(O)
骨転移性腫瘍: 5-5-b MRI, CT(E)原発巣(D)集学的除痛(C)手術治療選択の是非,基準(O)
関節リウマチ:6-5-a "stage, class "(D)投薬療法,装具療法(C)人工関節置換術 ,関節形成術(O)
化膿性骨髄炎(脊椎炎)・関節炎: 6-5-b MRI( E)結核性との鑑別(D)抗生薬の選択(C )腐骨除去,
関節洗浄(O)
結核性骨髄炎(脊椎炎)・関節炎:6-5-c
MRI(E)化膿性との鑑別(D)抗結核薬の選択(C)
頚椎椎間板ヘルニア: 7-5-b MRI(E) N(D)保存療法の限界(C)前方除圧前方固定術(O)
脊柱靱帯骨化症: 7-5 CT,MRI(E) N,家族集積性(D)椎弓形成術(O)
変形性脊椎症(頚・胸・腰椎):7-5
MRI(E)N(D)
脊柱管狭窄症: 7-5-a(上記 2 つ含む)
腰椎椎間板ヘルニア: 7-5-a
MRI(E) N,国際分類(D)椎弓切除術(O)
MRI(E)N,年齢 差(D)保存療法の限界(手術絶対適応)(C)後方ヘル
ニア摘出術(O)
腰椎分離症・すべり症,腰椎変性すべり症:7-5-b MRI,脊髄造影(E)N(D)保存療法の限界(C)脊
椎固定術(O)
脊柱側彎症: 7-3-c 病因(D)装具療法(C)
脊髄腫瘍・馬尾腫瘍: 7-5-b MRI(E) N(D)顕微鏡下摘出術(O)
強直性脊椎炎: 7-1-c 投薬療法(C)
腕神経叢麻痺: 8-1-c 損傷型(D)
肩関節周囲炎・五十肩: 9-5-a 肩峰下滑液包注射(C)
肩腱板断裂: 9-5-b MRI,関節造影(E)関節形成術(O)
肘部管症候群: 9-3-c N(D)
手根管症候群: 10-5-b 原因(D)手根管開放術(O)
ばね指, de Quervain 腱鞘炎: 10-3-b ステロイド注射(C)腱鞘切開術(O)
手,足の骨端症,骨壊死症(* 5 参照):10, 12-5-b
MRI(E)
大腿骨頭すべり症: 11-3-c 内分泌異常(D)骨切り術(O)
変形性股関節症: 11-5-a 原因(D)骨切り術,人工関節置換術(O)
大腿骨頭壊死症: 11-5-b
MRI(E)原因(D)骨切り術,人工関節置換術(O)
変形性膝関節症:12-5-a 骨壊死合併(D)装具療法,関節内注射(C)骨切り術,人工関節置換術(O)
膝内障: 12-5-a
MRI(E)関節鏡下手術,半月板切除(O)
膝蓋大腿関節障害: 12-3-b
外反母趾: 12-3-c 矯正装具(C)
四肢循環障害:該当なし -3-b
* 1 骨異形成症,異骨症
* 2 骨軟化症,副甲状腺機能異常,甲状腺機能異常,成長ホルモン異常症,骨 Paget 病
* 3 線維性腫瘍,脂肪腫,血管腫,末梢神経腫瘍,線維肉腫,悪性線維性組織球症,脂肪肉腫,平滑筋肉
腫,横紋筋肉腫,悪性神経鞘腫
* 4 骨軟骨腫,内軟骨腫,骨巨細胞腫,良性軟骨芽細胞腫,類骨骨腫,骨線維腫,骨嚢腫,線維性骨異形
成症,軟骨肉腫骨肉腫,骨線維肉腫, Ewing 肉腫,骨髄腫,骨原発性悪性リンパ腫,脊索腫
* 5 Kienböck 病, Scheuermann 病, Osgood-Schlatter 病,Köhler 病
備考
z
分野番号は日本整形外科学会専門医制度規則第 7 条 4 項(1)①の 14 分野を表している。
1) 整形外科基礎科学
2) 外傷性疾患(スポーツ傷害を含む)
3) 小児整形外科疾患(先天異常、骨系統疾患を含む、ただし外傷を除く)
4) 代謝性骨疾患(骨粗鬆症を含む)
5) 骨・軟部腫瘍
6) リウマチ性疾患、感染症
7) 脊椎・脊髄疾患
8) 神経・筋疾患(末梢神経麻痺を含む)
9) 肩甲帯・肩・肘関節疾患
10) 手関節・手疾患(外傷を含む)
11) 骨盤・股関節疾患
12) 膝・足関節・足疾患
13) リハビリテーション(理学療法、義肢装具を含む)
14) 医療倫理・医療安全、医療制度等
z
重み付けは日本整形外科学会の研修記録に準じ 5,3,1,0 の 4 段階で表した
z
要経験症例数 a: 5 例以上 b: 2―4 例 c:1 例
z
# 検査ではこのほかに単純 X 線と CT を組み合わせて診断する
z
N:神経障害の把握を意味する
z
R:観血的整復固定術を示す
z
ギプスは特殊なものを表示した
z
腸骨からの骨移植術はこの中に含まれていないが経験としては必須である
4)到達目標4:外科系診療を行う上で、医の倫理に基づいた適切な態度と習慣を身に
付ける。
(1)指導医とともに on the job training に参加することにより、協調によるグループ
診療を行うことができる。
(★)
(2)コメデイカルスタッフと協調・協力してチーム医療を実践することができる。
(3)診療における適切なインフォームド・コンセント得ることができる。
(4)ターミナルケアを適切に行うこができる。(★)
(5)研修医や学生などに、診療の指導をすることができる。(★)
(6)確実な知識と不確実なものを明確に識別し、知識が不確実なときや判断に迷うと
きには、指導医や文献などの教育資源を活用することができる。(★)
5)到達目標5:医学の進歩に合わせた生涯学習を行う方略の基本を習得し実行できる。
(1)カンファレンス、その他の学術集会に出席し、積極的に討論に参加することがで
きる。(★)
(2)専門の学術出版物や研究発表に接し、批判的吟味をすることができる。
(★)
(3)学術集会や学術出版物に、症例報告や臨床研究の結果を発表することができる。
(★)
(4)学術研究を行う目的で、または症例の直面している問題解決のため、資料の収集
や文献検索を独力で行うことができる。
(★)
(5)経験症例から研究テーマを立案し,プロトコールを作成できる。
(6)主演者として 1 回以上の学会発表ならびに筆頭者として1編以上の論文発表を行
う。
LS1. On the job training
1. 指導医をはじめとする上級医の指導の下に基礎知識と技術を習得する。
2. 外科系 ER 診療あるいは時間外コール番・当直業務を通じて整形外科の救急疾患の診
療を経験する。
3. 救急センター研修を通じて3次救命措置・管理を経験する。
4. 外来業務を通じて術後フォローなどを行う。
5. 屋根瓦方式の上級医として下級生を指導する。
6. 各病院の特色のある診療部分や分野を共有できるよう病院間連携によって、各病院を
またがる研修を行う。
LS2. 院内カンファレンス・勉強会
以下の各種カンファレンス等の運営に積極的に携わる。
1. 新患カンファレンス・入院患者カンファレンス・外来カンファレンスなどを通じて症
例に対する治療方針の検討などを行う。
2. 入院症例のリハビリ・看護上の問題点などを検討するリハビリカンファレンスに参加
する。
3. 抄読会の分担を受け持ち関心のあるトピックに関してレビューする。
4. レジデント向けの集合講義に参加する。
5. 院内全体で行われる研修・研究会・訓練などに参加する。
LS3. 日常の修練
1. インターネットでの文献検索システムの利用。
2. 電子ジャーナルの共同購入。
3. インターネットを利用した英語学習システムの導入。
4. 訓練用顕微鏡を用いたモデル血管等の縫合練習
LS4. 院外共同カンファレンス
1. 東京医師アカデミーで定期的にケースカンファレンス(また共同講義、講演会など)
を開催する。
2. 講師の招聘などにより履修困難項目の研修会を企画。
3. 都立病院整形外科研究会・城南整形外科集談会など定期的に開催される院外症例検討
会に積極的に参加する。
LS5. 学会、研究
1. 研修期間を通して関わることのできる質の高い臨床研究を計画し遂行する。臨床研究
発表会において定期的に研究計画・経過を報告しサポートチームのアドバイスを受ける。
2. 学会発表:4年間に4回(海外での学会発表含む)
3. 論文投稿:4年間に2編(英語論文投稿含む)
4. 海外短期研修
5. スケールメリットを生かした大規模臨床試験、共同研究テーマの提案、実施
(★):東京医師アカデミー独自のカリキュラム
(■):各病院追加分
無印:日本整形外科学会の専門医取得のためのカリキュラムに準ずる。
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