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地域まちづくり団体ヒアリング 地域まちづくりフォーラム
地域まちづくりフォーラム 第1回 日時:6月26日(土) 場所:えだきんパーク 地域まちづくり団体ヒアリング ■活動団体の区分 テーマ【地域まちづくりとNPO】 主な活動分類 ル 事 業 活 動 団体分類 中 間 支 援 テ ー プ ラ ン ー ◎パネラー:桜井悦子(横浜プランナーズネットワーク)、嶋田昌子(NPO法人横浜シティガイド協会代表) 鈴木実(NPO法人横浜青葉まちづくりフォーラム代表) 戸塚洋一(特定非営利活動法人「NPO緑の街」代表) ◎コーディネーター:山路清貴(武蔵工業大学環境情報学部講師) 番 号 区 1 鶴見区 2 鶴見区 ○ ○ 3 神奈川区 ○ ○ 4 中区 ○ 5 中区 ○ 6 旭区 ○ 7 磯子区 ○ 8 都筑区 9 都筑区 ○ 10 青葉区 ○ 11 戸塚区 ○ ル 第2回 日時:7月3日(土) 場所:エコライフかながわ マ 系 地 縁 系 テーマ【既成市街地のまちづくり】 ◎パネラー:石川喜三郎(山手まちづくり推進会議)、安田洋一(白幡宝づくりの会) 椎橋陸男(潮田・本町地区街づくり協議会)、重岡昭男(鶴の恩返し) 古居みつ子(グループハウス美しが丘)、菅孝能(日本建築家協会神奈川) ◎コーディネーター:谷口和豊(横浜プランナーズネットワーク) 第3回 日時:7月17日(土) 場所:大正地区センター テーマ【地域と団地のまちづくり】 ◎パネラー:内海宏(横浜プランナーズネットワーク)、緒形昭義(NPO汐見台福祉コミュニティ代表) 鈴木方規(保土ケ谷区川島原地区連合会会長・くぬぎ台団地自治会長) ◎コーディネーター:吉田洋子(関東学院大学講師) 第4回 日時:7月31日(土) 場所:横浜市立大学金沢八景キャンパス テーマ【地域まちづくり活動の展開】 ◎パネラー:竹谷康生(さかえ住環境フォーラム)、山口都子(野村港南台地区地区計画委員会副委員長) 大竹比呂志(洋光台まちづくり協議会)、福島富士子(NPOらしく並木) 名和田是彦(まちづくりフォーラム港南) ◎コーディネーター:新明健(横浜プランナーズネットワーク) 第5回 日時:8月28日(土) 場所:はまぎんホール ヴィアマーレ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ テーマ【協働による地域まちづくりの仕組み】 ◎パネラー:鈴木実(NPO法人横浜青葉まちづくりフォーラム代表)、安田洋一(白幡宝づくりの会) 鈴木 方規(保土ケ谷区川島原地区連合会会長・くぬぎ台団地自治会長) 山口都子(野村港南台地区地区計画委員会副委員長) ◎コーディネーター:名和田是彦(東京都立大学教授) ○ ○ ○ 地域まちづくりの仕組みづくりに向けたキーワード - 第1回∼第5回地域まちづくりフォーラムより - ●地域と行政の役割分担 ●情報提供とその透明性の確保 - 身近な情報窓口の整備が何より重要(2) - まちづくりを考える権利としてのストック情報と、開発 等の動きといったフロー情報の双方の蓄積・発信が重 要(3, 4) - 合意形成のルールとして、情報公開、透明性、説明責任、 優先度という項目が重要である。(3, 5) - 行政の窓口の一本化、 縦割り行政の克服(4) - 地域は合意形成、行政は支援や事業等の実行という 役割分担を明確にする(2, 3) - 地域で将来ビジョンをプランとして作成し、地域と 行政とで推進に向けての役割分担を行っていく必要 (5) ●地域における日常の コミュニケーションと人材育成 - 地域の合意形成には日常的なコミュニケーションが何より 有効(2, 3, 5) - 地域を知る人材を育ててゆくには、情報と人との交流を図 るしくみが必要(1, 5) - ルールの運用などまちづくりのスキルを地域が身につける よう行政の支援が必要(2) - 誰もが参加しやすいしくみを地域で作ることが必要(5) ■まちづくりの市民の公共性を考える ●地域まちづくりのニーズに合った 活動拠点の整備 - 地域には行政の公共性(均一性・平等性)とは違う、地域 の固有性に根ざす市民の公共性がある。これを大事にし ないといけない(1) 協働による 地域まちづくり - 市民活動の共同オフィス、市民団体が自由に使え るスペース、ふらっと立ち寄れる情報・交流空間 の三重円の活動拠点が必要(4) ■まちづくりにおける 市民の立場を保障する ●専門家や中間支援組織 (NPOなど) による支援 - 地域が独自の計画・ルール・事業を 提案できる権利を保障することが重 要である(2, 5) - - まちづくりのそれぞれのステップ・状況に応じた専 門家派遣の仕組みを作る必要がある(3) - NPOを行政も市民も専門的事業体として適正に位置 づけてゆく必要がある(1, 4) - NPO自体も自立した事業体として、経営体力をつけ る必要がある(1) - NPOの活動を社会がどれだけ認知してくれるのかが 問題。特に現役の場合、企業の理解も必要(5) ■地域まちづくりが継続・持続 できるしくみをつくる ●自治会・町内会と テーマ型活動グループの連携 - 地域を一番良く知っている自治会・町内会と地域 福祉ケアなどの活動グループが連携を深め、地域 まちづくりの能力を高める必要がある(2, 3) - 自治会・管理組合などの地域組織とNPOやボラ ンティア団体などが合わさった組織を認知する必 要がある(3, 5) 地域まちづくりを継続的に進めていく、 持続性のある組織と、それを行政が支援 する仕組みが必要である(2, 3, 4) ●地域による地域の管理 次世代の参画が重要である(5) - 地域まちづくり活動には、地域福祉ケア活動をはじめ、 ソフト・ハードを一体的に考えてゆく必要がある (2, 5) - 生命や財産という、皆が合意できる基本から入り、福祉 などに広げていく(5) - 行政は地域公共施設の指定管理者制度と地域まちづくり ●まちづくり活動資金の確保 を結びつける視点を持つなど、地域が施設整備や維持管 理を行えるしくみをつくるべきだ(2) - 地域での防災の取り組みには個人情報が必要な場合もあ - ストック(ex. マンションの計画修繕費)と り、その収集や管理には地域の信頼関係が重要(5) フロー(ex. 地域に廻るまちづくり事業資金) の両面から考える必要がある(2) - 町内会・自治会への市の補助金のしくみを再検 討すべき(4) - 行政からの助成や補助金に頼らず、自立した活 動を目指すべき(5) 地域まちづくり団体ヒアリングまとめ(主な意見) A:活動の課題 ●活動拠点の整備と事務局機能 ・事務所等があれば、資料置場などにも 使えると非常に助かる。 ・今の拠点を、日常的な拠点としてさらに 機能を高めていく。 ・専従のスタッフがいないために、事務 所が欲しいがメンテナンス等ができない。 ・総合調整や事務局が明確でないため、 事務局的な機能の必要が高まってくる。 ●活動資金の確保の必要性 ・連合自治会町内会の主なメンバーで運 営しており、そこから助成を受けている。 ・区、連合町内会、地区社協から補助金な どを受けている。 ・広告のような形で、企業からも協賛して もらっている。 ・各団体に町内事業に協力してもらってい るため、活動費を助成している。 ・独自の活動財源が無く、行政に依存する 面がある。 ・送迎サービスを一度やってみたが費用 がかかる。やれば赤字になる。サービス を継続する資金確保の考え方や仕組み の検討が必要。 ・資金の支援があれば、会の目的に沿っ た活動が可能になる。 ・活動内容によっては、費用がかかる。そ の時の支援の必要性は高い。 ●活動の今後の展開 ・今までにない事例をやる場合のアドバイ ス。 ・まちづくり協定運営委員会の設置 ・福祉等のソフトなまちづくりとの連携が 必要。 ・地域の需要とサービス提供を結びつけ る機能の充実が必要。 ・多くの人に関わってもらうための継続的 なイベントを開催していく。 ・防災の取り組みはこれから。災害時の 備品が少なく自主財源や寄付で充実を 図ろうとしている。 B:組織運営や連携 ●地域におけるビジョン・プランづくり ・長期ビジョンを、どのように地域で共有し ていくかが問題になっている。 ・地域での認識度を上げることの実効性を 出すために、今後長期ビジョンを市の計 画にするなどの必要性があるのではな いか。 ・高齢者対策を含めて、長期ビジョンをつく った。 ・ソフトな活動は団地の方で頑張れるが、 ハードな部分は行政にも協力してほしい。 ・プランニングの支援がほしい。(地権者と しては)具体的な情報を知りたいが、こう いったプランニングの費用は高い。 ●プラン作成後の継続的なまちづくり ・構想実現のためには、継続的な支援が 必要。 ・地区計画を作ったら終わりではない。地 域内での建替えなどのチャンスを捉え た調整が必要。これを支援していく仕 組みが必要(町内会長が建築士だから やれている部分が大きい。)。 ・構想づくりからルールづくりへの誘導も 大切。 ・「構想」の区域内で順次、具体的なルー ルづくりを進める。 ・ルールの遵守について妥協案も検討。 ●専門家の派遣 ・ハードな課題と長期ビジョンをうまくつな げて活かしていくために、「住民の気持 ちのわかる」専門家の派遣。 ・派遣される専門家の位置付けを明確に する必要がある。 ●人材の活用 ・まちづくりに若い世代が参加してほしい ・団地の中にも様々な人材がいるので、う まく活用している。 ・地域の建築士を活用し、活かす仕組み が必要。 ・リタイアした企業人・女性をどう活動に関 わってもらうかが重要。 ・現役の人材も活用したい。 ●自治会・町内会としてのまちづくり ・自治会・町内会から協議会の会員が出ており、自治会・町 内会には活動状況を定期的に報告している。 ・地域のイベントに参加していく。 ・既に良好な関係で推移している。これからの活動の展開次 第で、より細かくより深く関わっていきたい。 ・現状では自治会町内会との連携は見られないが、今後ど のように関わっていくのかを考えていく必要がある。 ・毎年自治会役員が交代しているため、活動がなかなかうま くつながっていない。 ・商店会と町内会の緊密な連携。会員に限らずルールを守っ てもらうため、会員以外の人にも 説明・周知した。 ・まちづくり協定(案)に関しては各会ごとに会合を開き、理解 を求めた。 ・マンションなどでは、今後は管理組合と自治会役員と半数 は重ねるなどの工夫が必要。 ●地権者が行うまちづくり ・調整区域が多く、所有している土地が大きく、地権者が少な いので何かあっても調整しやすい。土地が分割され、地権 者が多くなると難しくなる。 ・まちづくりは地主が音頭を取って進めることも必要である。 地主でない人が声を上げると「反対運動」になる恐れもある。 C:合意形成・認知 ●地域のコミュニケーション ・地域で相談相手となる人材の捜し方が問題。 ・ルールの策定の策定にあたり、学習会を開き 意思の確認に努めた。 ・近所付合いがあるので、ルール遵守をお願い するのは難しい場合もある。 ●地域への情報提供とPR ・活動によって協力者が必要な時は声かけ、周 知する必要がある。 ・地域へのPR活動が大切。ルールが認定され ると地域での認知も進み、効果があがるので はないか。 ・自治会の理事会で「推進会議」の活動状況を 報告している。 ・ニュースを発行し、ルールづくりの進み具合を 逐一報告し、会員の理解に役立てている。 ・わかりやすい説明と理解を得る努力が重要。 ・感じている事、考えている事を発表する地域の 場がないので、あればよい。 ・空き店舗などへの出店のため、入居したい人 や団体への情報提供や、今後の入居団体等 の情報など(不動産情報提供)を行っている。 ・NPOの活動情報も積極的に地域に出していく ことが必要。 ●組織同士の連携が必要 ・地域に密着し活動するボランティアが相互にネットワークし、情報交 換等ができるようになることが必要。 ・今後はさらに多くの企業等と連携をし、地域でお金が回る仕組みを 構築していくことが必要である。 ・自治会・管理組合・地区社協などの地域の中の連携が大切。 ・お互いの人的交流も重要。 ・現状では、他団体との連携は少ないかもしれない。 ・横浜の地域によって連携の仕方は変わるのではないか。 ●商店会との連携 ・協議会に当初は商店会も入っていたが、関心を共有できない。現在 は商店会からの参加は無い。 ・地域の商店街と連携したい。エコマネー、空き店舗を利用した生活 サービスセンターの開設などをやってみたい。 ・今後、商店主の方々とも協働でプランを考えていくことが生じてくる ので、連携は必要と考えている商店主、将来を見据える積極的な 商店主等との出会いがまず必要ではないか。 ・商店街の中に立地しているため、イベントなどでの連携はすでに出 来上がっている。 ・町内会での購入は、地元商店街に限定している。イベントの内容に 沿って、細かく商品を仕分けてもらうなどの協力を商店街にしてもら い、効率的になったし、値段も安くできるようになった。敬老のお祝 いは地元商店街で使える商品券にしたが、好評を得ている。 D:協働のあり方 ●地域を支えるための意識の変化 ・地域は地域を支えるシステムが必要であり、町内会の改革が必要。 ・町内会、住民、企業、商店街がそれぞれ地域でやれる事を地域でやるという 意識改革が未成熟。 ・自分たちで活動を行ってきたことによって、住民の自治意識を高める結果とな った。 ・NPOなど専門性が必要な場合は、現役世代の参画も必要。そのため、企業 にも理解してほしい。 ●NPOの認知等 ・NPOの活動をもっと地域に認知してもらいたい。 ・認知してもらうには、NPOの方も地域のことを勉強しないとだめ。 ●地域と行政の協働と役割分担 ・行政とも協働事業を行っていく。ルールが守られるような環境づくりに期待。 ・行政の下請け(下部組織)でない地域経営を目指すべき。 ・市民と行政が協働していくための企画立案などの支援が必要。 ・行政に対しては、協議会の開催前に内容等を連絡し、出席の協力をお願い している。民でできることは民でという発想が大切。 E:活動の具体例 ●ハード事業 ・構想区域内での「まちかど広場」の整備(1町内会1箇所)。 ・高齢者が増えてきて、ハードな部分の改善も必要になっている。 ・病院前の歩道を拡幅中。 ・団地内施設のエレベータを活用して、高さの違う地区をつないだ。