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空 蝉 縋 全 肢 鉤
角谷 昌子 望郷の身を夕焼の畑に置く 矢部ミヨノ 市内守屋 透明な傘を選びぬ牡丹園 郡山市深沢 千恵 吉澤 福島市飯坂町 鈴木満喜子 お早うがやさしき朝の水芭蕉 太箸や男まさりの母のこと 市内花の里 木村 繁子 榾郎の碑に会ふ小鳥きてゐたり 市内八幡町 須田フチエ 転居してふるさとふゆる冬桜 市内東作 鵜沼 操 岩瀬郡鏡石町 塩田 和子 市内千日堂 長兄がどんと筍置いて行く 稲田 スミ 泣きさうな夢二の女大夕立 市内森宿 三瓶 紀子 父乗せて花のみちのく横断す 郡山市大槻町 益永 涼子 弓なりに体をそらし夏を押す 市内柱田 村上 トム お彼岸に供ふ習はし通信簿 市内北横田 伊藤 琴 市内上北町 渡辺 盛子 蕗芽摘む岩瀬なる名の村にきて 市内田中 村越恵美子 追ひ越して行く自転車の葱匂ふ ぼうたんや歩けば土のやはらかく 市内の景勝地など か所に設置している俳句ポストには、毎年、沢山の作品が投 かんされています。今年度も市民の皆さんをはじめ、 北は北海道から南は福岡まで、 本市を訪れた皆さんから、一般の部に1561句、子どもの部に1367句が寄せ きっこうぎんしゃ られました。これら作品の選句会を2月4日、桔槹吟社の森川光郎さん、道山昭爾 さん、齋藤耕心さん、益永孝元さんの4人が行い、平成 年度の年間特選句と入選 句を選びました。今月号では、今年度第3回の入選句と併せて紹介します。 特 選 一 般 の 部 空蝉の縋る全肢を鉤となし 東京都三鷹市 子どもの部 高橋 拓海 (小二) 夏やすみシュートをきめたぼくの足 市内西川 寒い冬全校生で走ったよ 市内畑田 濱田 夏実 (小五) たのしいなあひるとさんぽばらのはな 市内雨田 須田 夏央 (小一) アブラゼミ 「あつくなるよ」 とないている 市内中山 山㟢 彩音 (小三) 秋晴れの空に塗られた体操着 市内あおば町 浦山 尭之 (中三) 書き初めに一年分の決意こめ 市内北横田 久下 稜太 (小五) 年度 第3回入選句 大そうじ思い出アルバム出てきたよ 市内深渡戸 舟橋 春香(小五) かるたとりさいごのかるたとられたよ 市内畑田 鈴木美彩子(小三) はねつきでかあさんあいてつよすぎる 市内矢沢 星野 遥(小二) 息をとめ一点集中茸狩り 市内和田 野内 麻稀(中二) 三角にバッタの顔がいかってる 丸山ちひろ(小六) 市内池ノ下町 緑川 未宙(小四) 渡り鳥みんなで線かく大移動 市内西川 太箸や男まさりの母のこと 納谷 西白河郡矢吹町 鯛焼の骨を外して喰ふ心算 つんつんと牡丹の冬芽青空へ 金丸 子どもの部 輝男 輝男 仲丸 綾乃(小三) 内山 校庭に一番のりのいぬふぐり 市内長沼 花畑みんなで作る物語 市内大栗 ← 颯人(小三) 石井 市内森宿 長田 有加(小六) 羽山とざん春のにおいでかこまれる 市内畑田 石川郡玉川村 仁井田ツヤ子 ばたばたと音連れ来たる年の暮 冬日向人のつもりの猫とゐる せみ 市教育委員会生涯学習課☎ ( ) 9172 一光 鐵蕉 仁井田ツヤ子 水戸市千波町 石川郡玉川村 冬日向人のつもりの猫とゐる 秋桜天衣無縫に広がれり 仲丸 市内北横田 伊藤 琴 ばたばたと音連れ来たる年の暮 市内畑田 88 岡本 堯子 年間特選句に選ばれたとのご連 絡に大変驚くとともに、感謝の気 持ちでいっぱいです。 須賀川市とはご縁があって、4 年間にわたり、夏季開催の「須賀 川市俳句教室」に講師としてお招 きいただき、俳句の面白さを伝え て参りました。その教室の会場前 の牡丹園で多くの空蝉を見て、た またま投句しました。 いつも須賀川の皆様には温かく 迎えていただき、故郷のような思 いがします。今後も風土を詠み、 須賀川のすばらしさを発信する一 助となれたらと思っています。 市内大町 大髙由梨佳(中二) 藤沼に映る楽しさ五月晴 市内西川 高橋 拓海(小二) 空の海山へと泳ぐいわし雲 夏やすみシュートをきめたぼくの足 市内小中 奥川 奈月(小六) 三角にバッタの顔がいかってる 市内森宿 長田 佳子(小三) 風たちとコスモスいっしょに笑ってる 市内和田 野内 麻稀(中二) 雪だるまわたしにお鼻くださいな 茉冬(小六) 小山 市内池ノ下町 緑川 未宙(小四) 渡り鳥みんなで線かく大移動 市内花の里 郡山市亀田 佐藤 初希(小六) さみしげな冬の空見てろてんぶろ 市内あおば町 浦山 尭之(中三) 市内西川 丸山ちひろ(小六) 妹が秋桜をとりしおりとす 市内 宇佐見勇二(小四) 息をとめ一点集中茸狩り 市内山寺道 平山 杏樹(小四) ぴかっとねひかるつららはキバのよう 市内矢沢 星野 遥(小二) 初雪がふってみんなが上を見る 市内畑田 鈴木美彩子(小三) はねつきでかあさんあいてつよすぎる 市内深渡戸 舟橋 春香(小五) かるたとりさいごのかるたとられたよ 市内北横田 久下 稜太(小五) 大そうじ思い出アルバム出てきたよ 書き初めに一年分の決意こめ はい句は、1年生のときに児童 館でつくるようになりました。学 校の帰り道に、友だちとつくり、 うまくできたときは、うれしくな ります。 これは、サッカーでシュートを 決 め て、 「 入 っ た ぁ。やったぁ」 という気持ちを句にしたものです。 この句が選ばれて、はじめは びっくりしましたが、ぼくはサッ カーがとても大好きなので、今は すごくうれしいです。 これからも、いろいろなできご とをはい句によんでいきたいと思 います。 市内西川 二瓶 陽祐(小三) 秋晴れの空に塗られた体操着 矢部ミヨノ 子どもの部( 句) 市内守屋 転居してふるさとふゆる冬桜 市内東作 鵜沼 操 どこからも見ゆる灯台白い秋 市内小倉 佐久間博信 百姓に休息はなし稲の花 石川郡玉川村 古寺 初子 封筒の鋏の音も春立ちぬ 市内緑町 向山 雅子 衰へは足にはじまり冬桜 市内森宿 三瓶 紀子 郡山市久留米 横山 節哉 牡丹焚火ばせをも曽良も闇に座す 水音の追ひすがりくる冬薄日 岩瀬郡鏡石町 塩田 和子 お早うがやさしき朝の水芭蕉 稲田 スミ 諦めは悟りに似たり柿落葉 晩年はここに住みたし牡丹焚 本宮市本宮 大塚 正路 皆さんもぜひ一句詠んでみませんか 17 市内千日堂 市内花の里 木村 繁子 榾郎の碑に会ふ小鳥きてゐたり 市内八幡町 須田フチエ さ ん 入 選 一 般 の 部 藤房を揺らす太鼓の百打かな 西白河郡矢吹町 年度市俳句ポスト年間特選句・入選句紹介 角 谷 昌 子さん 空蝉の縋る全肢を鉤となし ■平成 東京都三鷹市 市立第二小学校2年 高 橋 拓 海 ← 特選者よろこびの声・一般の部 特選者よろこびの声・子どもの部 郡山市深沢 吉澤 千恵 松明あかし鯉は泳ぎを緩めをり 一般の部( 句) お早うが やさしき朝の 水芭蕉 ◦平成 21 21 24 18 22. 3. 1 22. 3. 1 21