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終盤の超接近戦を制して 20 号車が逆転優勝!!

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終盤の超接近戦を制して 20 号車が逆転優勝!!
(2014.10)
【終盤の超接近戦を制して 20 号車が逆転優勝!!】
2014年のスーパー耐久シリーズ、第5戦は三重県の鈴鹿サーキットが舞台。例年同様に世界最高峰のスプ
リントレースであるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)と併催される一戦、今年は2グループに分かれ
て140分の決勝で競われた。
RS オガワは予選でレギュラーの20号車&30号車に加え、もう一台のランサー・エボリューションを加えた3
台体制でエントリー。中でも20号車にとってはチャンピオン争いにおいて絶対に負けられない一戦となった
が、決勝はスタート直後に大きく出遅れる厳しい展開に。しかしそこから総力を挙げての猛追撃を繰り広げ、
終盤にはトップを行くインプレッサと激しい接近戦を演じた。この戦いを最後は制して逆転優勝を飾り、チャ
ンピオン争いは最終戦のオートポリスへ持ち越すこととなった。
スーパー耐久シリーズ2014 第5戦
「FIA WTCC Race of JAPAN」
開催会場 : 鈴鹿サーキット (三重県鈴鹿市)
開催日程 : 練習走行 2014年10月24日(金)
決
天
勝
10月26日(日)
候 : 練習走行 晴れ/ドライ
決
勝
晴れ/ドライ
決勝時間 : 140分 (1周=5.807km)
参加台数 : 50台 (ST-2クラス 7台)
入場者数 : 土曜)12,000人
日曜)21,000人
今年もWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)と併催された、スーパー耐久の鈴鹿ラウンド。WTCCは今年
から新しい車両規定が導入され、エンジンこそ昨年と変わらない排気量1,600ccターボながら、空力性能やタ
イヤサイズの向上によって大幅に速さを増し、予選ベストタイムはスーパー耐久ST1クラスのレコードタイムを
上回るほどであった。そして4年目の鈴鹿開催で、初めてフルコースを舞台としたことも話題を集めた。
第1レースはシトロエンのホセ・マリア・ロペス選手、第2レースはホンダのガブリエレ・タルクィーニ選手が、
それぞれポール・トゥ・ウィンで優勝を飾った。ロペス選手はこの勝利によって2014年のドライバーズタイト
ルを獲得。タルクィーニ選手は岡山時代を通じて初めての日本ラウンド優勝となった。
【練習走行 レポート】
2014年のスーパー耐久シリーズ、第5戦の舞台は鈴鹿サーキット。今年で7年目の開催となる、世界最高峰
のツーリングカーによるスプリントレースであるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)の日本ラウンド併催
レースとして開催されるのは、昨年までと同様である。
ただ、昨年はドライバー交代無しのスプリントを3レー
ス行った鈴鹿だが、今年は2回のドライバー交代を
義務づけられた140分、つまり2時間20分の決勝で
競われることとなった。
シリーズの他レースから見ると短めだが、2時間を超
えると耐久レースに位置づけられるという考え方も
あり、感覚的にはセミ耐久といったところだろうか。
そして鈴鹿ラウンドならではのレースフォーマットと言えるのが、公式予選を行わずにこれまでのシリーズポ
イントランキング順でグリッドを配すること。さらに決勝は2グループにわけられ、ST2クラスはSTX/ST1/
ST3クラスとともにグループ1に分類され、日曜日に決勝レースが行われるタイムスケジュールとされた。
レースウィークの金曜日は、いつものように参加者団体による専有練習走行が3本設けられる。
今回RSオガワは、20号車は大橋正澄選手と阪口良平選手のツードライバーでエントリー。
一方で30号車は、成澤正人選手/下垣和也選手/堀田誠選手とレギュラーの3人がこれまで通りにステ
アリングを握る。
そして今回は46号車としてもう1台を加え、ランサ
ー・エボリューションの3台体制を構築。このマシンに
は佐藤敦選手/岸純一郎選手/松本武士選手を
登録した。
3 台体制ということで表彰台独占という望みも抱い
ての鈴鹿ラウンドとなったが、金曜日の練習走行で
は 3 台のマシンに次々と試練が襲いかかる。
朝の 1 回目は 20 号車が 2 分 16 秒 888 をマーク
してクラストップ。チャンピオンを争う 59 号車・イン
プレッサに対して 1 秒以上の差をつけて上々の滑り
出しを見せた。30 号車はクラス 5 番手、46 号車はド
ライバーの慣熟を主としたためクラス 8 番手に留まっ
たものの、各車ともまずは順調にメニューをこなしていく。
しかしお昼の 2 回目で状況は一変。20 号車は 2 分 17 秒 040 のクラス 2 番手タイムをマークしたが、エン
ジントラブルに見舞われてしまい 5 周を走るに留まった。そして 46 号車は岸選手のドライブ中に前ぶれなく
エンジンから出火し、コースサイドにマシンを止めてしまう。この火は早々に消し止められ大事には至らなかっ
たが、ピットは慌ただしさを増す展開となった。
2 回目の走行枠におけるトラブルから、30 号車のみがコースインした 3 回目の走行。ここでのタイムは 2 分
20 秒 848、トランスミッションの調子が芳しくなく鈴鹿をホームコースとする下垣/堀田の両選手をもってし
てもタイムは伸び悩んでしまった。
メカニック陣は 3 台のトラブルシューティングに追わ
れる。ただひとつ幸いなのは、今回は予選が行われ
ないレースフォーマットのため、ST-2 クラスにとって
は土曜日が丸一日空いており、この一日も使ってメ
ンテナンスを施せることである。
ストレスの溜まるレースウィーク入りとなってしまった
鈴鹿ラウンド。小川日出生代表を筆頭に、メカニック
は土曜日もエンジンやミッションの交換などトラブル
シューティングに、ピットガレージで精を出すこととなった。
【決勝レース レポート】
「手に汗握る展開」。
モータースポーツのレポートでは比較的使われるフ
レーズだが、今回の鈴鹿ラウンドはまさにチームスタ
ッフもファンも、誰もが手に汗握って勝負の行方を見
守ったことだろう。
第5戦・鈴鹿ラウンドは金曜日の練習走行で 3 台の
マシンが次々とトラブルに襲われる展開となった RS
オガワ。しかしマシンは土曜日のうちにメカニック陣によってトラブルシューティングを完了し、日曜朝のフリ
ー走行には 3 台揃ってコース上に姿を見せた。
決勝は、2 回のドライバー交代が義務づけられた 140 分で競われる。スターティンググリッドはシリーズラン
キング順となるので、20 号車は 2 番手、30 号車は 5 番手、初参戦の 46 号車はクラス最後尾から、それぞ
れスタートを迎える。
10 時 50 分、1 周のフォーメーションラップを経てグリーンランプが点灯、第5戦の決勝レースがスタート。20
号車の阪口選手は鋭いスタートダッシュを決め、1 コーナーで 59 号車のインを奪いに行く。しかし 59 号車も
易々とトップを明け渡す筈が無く、両者はサイド・バイ・サイドに近い状態でターンしていくが、コーナーの中
程で接触してしまい、20 号車はスピンを喫して最後尾へとドロップしてしまった。
スタート早々に大きなハンデを背負うかたちとなっ
た 20 号車だが、阪口選手はここから怒濤の追い上
げを見せ、5 周目には再び 59 号車の続くクラス 2
番手のポジションへと回復する。
一方の 30 号車は成澤選手が今回もスタートを担当。
505号車のエボリューションⅩ、その後ろに陣取って
安定したラップを刻んでいく。
今回は6つのクラスを2つのグループにわけて決勝が競われている。ゆえに周回ペースが大きく異なるST4
やST5クラスがいない分だけ、バックマーカーの存在を気にせずにラップを刻んで行ける。逆に言えばコンス
タントに安定した速いラップが求められるということだ。
2回のドライバー交代が義務づけられている本大会、
20号車は21周、30号車は22周を消化して1回目の
ピットイン。ドライバーを大橋選手と堀田選手にチェ
ンジしてルーティンピットワークをそつなくこなし2台
は戦線に復帰する。
ここからの中盤で見せ場を作ったのは、30号車の堀
田選手。成澤選手がキープしたポジションでコース
に復帰、ほどなくして30号車は505号車と、トラブル
で大きく遅れている6号車・エボリューションⅨの間に陣取り、3台が隊列状態で周回する展開に。
ヘッドライトを点灯させて、前を行く505号車にプレッシャーかけながらパッシングのタイミングを伺っていく堀
田選手。その接近戦は34周目に決着、ピットでは成澤選手や下垣選手、そしてチームスタッフがモニターを
見守る中で505号車をパス、ポジションをアップさせてその後は505号車に付け入る隙を与えない。
20号車の大橋選手は、59号車に続く2番手のポジションをキープ。今回は阪口選手との2ドライバー体制、ミ
スのない走りで“中継ぎ役”をしっかりとこなしていく。この大橋選手のステディな走りこそが、この後に大観衆
を魅了するドラマの序章となったことは間違いない。
43周目、ポジションをひとつあげた堀田選手がピット
イン、アンカー役の下垣選手へとマシンをリレーする。
同じタイミングでピットインした7号車・エボリューショ
ンⅨよりも先にコースへと復帰、このあたりは経験豊
富なRSオガワならではの本領発揮といったところ
か。
これで30号車のポジションは2番手。7号車も背後か
ら追走してくるが、堀田選手と同様に鈴鹿をホーム
コースとする下垣選手、実は30号車はミッションが不調を訴えて4速が使えない状況に陥ってしまうのだが、
そんな難しい状況の中でペースを落とさずにラップを重ねていく。
このまま下垣選手はフィニッシュまでマシンを運び、クラス3番手でチェッカードフラッグ。残念ながらWTCC
併催の今回は各クラス優勝のみの暫定表彰式となったために表彰台に立つシーンは見られなかったが、世
界選手権併催の大舞台で今季最上位を獲得することに成功した。
序盤の出遅れを早々に回復して59号車を追う20
号車。大橋選手は42周でピットイン、そのステアリン
グは再び阪口選手に託された。
25周、35周とピットインして最終スティントに入って
いた59号車に対し、20号車はピタリと後ろにつける。
140分のレースは大詰めを迎えてチェッカーまでの
カウントダウンが始まった。そして残り15分というとこ
ろで59号車と20号車の差は僅かに0.6秒、完全なテール・トゥ・ノーズ状態となり、カウントダウンが進むに連
れて接戦のボルテージは一気に高まっていく。
ストレートではマシンを左右に振って、59号車にプレッシャーをかける阪口選手。そしてコーナーでは、隙あら
ばいつでもインを奪いに行く姿勢をアピールしながら、両者は刻々と迫るチェッカーに向けて最後の一騎討
ちを演じていく。
そして残り6分。ダンロップコーナーからサイド・バイ・サイドに持ち込んだ阪口選手は、59号車と軽く接触を
伴いながらコーナーを駆け抜け、最後はマシンを前に出すことに成功。その後は59号車が逆襲、プッシング
される場面もあったが阪口選手は動じることなくポジションをキープ。
前に出て通過したストレート、続く1コーナーでは59
号車がサイド・バイ・サイドに持ち込みかけるが、ここ
で大きくアウトに膨らんで勝負は決した。
20号車は小川日出生代表も満面の笑みで迎える
ホームストレートを再び駆け抜けてウィニングチェッ
カー。第3戦の富士ラウンド以来となる今季2勝目を
飾り、シリーズチャンピオン争いを最終戦の九州・オ
ートポリスへ持ち越すこととなった。
【ドライバー・コメント】
■大橋正澄 選手 (20 号車)
観客のみなさんが喜んでくれる、面白いレースでしたね!!
ただ、チームとしては金曜日に3台出ている3台ともにトラブルという、かなりよろしくない出だしになってしま
いました。そんな状況からメカニック陣の頑張りもあって、優勝を飾ることが出来たのは大きな成果ですね。
決勝前のフリー走行で乗ってみてマシンの問題は全くありませんでした。決勝は2人体制なので3分割で私
が中継ぎ、作戦は事実上これしか選択肢がありませんでした。
オープニングからドラマがありましたが、あれは攻めているからこその致し方ないアクシデント。2番手で自分
がステアリングを受け継いでからは、59号車も見えていたのでコーナーで間隔が詰まったり開いたり。これは
上位クラス車両にパスされるタイミングだったり、車両特性によるコーナーの得意不得意によるところですね。
そうこうしているうちに59号車がピットインしたのですが、自分としては終始冷静なドライビングに徹しまし
た。最後はモニターを見たら差も詰まっていたし、「これは行けるかも……」という思いを持って見守っていた
のですが、見事な逆転劇でしたね。
ポイント差としては厳しいですが、とにかく全力で59号車の前でフィニッシュすることだけが最終戦のテーマ。
天候が不安定なオートポリスですが、出来れば今年はドライコンディションで戦いたいですね!!
■阪口良平 選手 (20 号車)
大好きな鈴鹿サーキットで勝てた、ということが嬉しいですね。スタートでは59号車に追いつきすぎてしまい、
危機回避でイン側に入ったのですが僕が死角に入ったのか接触してしまい。僕のミスでポジションを下げて
しまったのですが、うまくリカバリーできたのですが、ステアリングが少し左に振れてしまい右コーナーが辛く
なってしまいました。でも、それは自分の責任なので、そこからは思いっきりプッシュして。1コーナーなどは毎
周危ないな、というくらいまで行って、抜けないまでもプレッシャーをかけられるところまで回復することが出
来ました。大橋選手も難しい中で19秒台で走ってくれて、最後のピットを終えたタイミングで59号車が1コー
ナーに向かうのが見えたので、これは7秒差くらいだな、と。そこからはまたフルプッシュで追いましたが、向こ
うはタイヤが4本新品、こちらはピットストップ時間短縮のために2本のみ新品。なのでオーバーステアがきつ
い場面もあり、ACDを切り替えたりしてなんとか合わせていきました。
最後はヘアピンが勝負どころかと思っていたのですが、相手もブロックが上手くて。バックマーカーも少ない
のでガチンコ勝負になったので、難しい展開でしたが、なんとか思った通りに前に出られました。
■成澤正人 選手 (30 号車)
チームとしては金曜日から3台ともにトラブルに見舞われて大変なレースウィークでした。その中で30号車は
オーバーヒート症状とミッションのフィーリングに問題があったのですが、他の2台に比べれば軽傷な方で
(笑)。今回は予選が無かったので、金曜夜から土曜にかけてメンテナンスされたマシンを、決勝前のフリー走
行で確認してスタートに臨むという流れでしたが、フリー走行で余裕を持って走った中でタイムも悪くなかっ
たので、決勝のイメージを作ることが出来ました。決勝中はペースを上げられるだけの余裕を残してラップ、
必要なところでプッシュしてベストタイムを出したという展開で自分のパートを走りきりました。
今回は堀田選手と下垣選手の素晴らしい走りのお蔭もあって、今季最上位となる3位でフィニッシュ出来ま
した。お二人と表彰台に立ちたかったので、優勝者だけの表彰台はちょっと残念でしたが……。
次の最終戦、この良い流れを維持して臨めれば、厳しいかもしれませんがシリーズ3番手を獲得できるよう
に全力で戦い抜きたいと思います。
■下垣和也 選手 (30 号車)
走り慣れた鈴鹿ということで、他のサーキットに比べれば気持ちのゆとりもあるレースウィーク入りでしたが、
逆に鈴鹿だからこそ絶対に結果を出したいという強い気持ちもある中でレースに臨みました。
決勝では私の前のパートを走った堀田選手がポジションを4番手にアップしてくれたので、自分もひとつ上げ
てなんとか3位表彰台を獲りたいという思いと、必ず壊さないでマシンをゴールさせるという意気込みを抱
いてドライバー交代の時を迎えました。ピットインのタイミングでうまく3位にポジションアップできたので、実
際に走り始めてからは何とか逃げきりたいという思いで頑張りました。ただ、路面に乗ったラバーの影響なの
か、朝のフリー走行では感じなかったオーバー/アンダーの症状が強く、かなり乗りにくいセットになっていま
したね。さらに4速が渋かったのであまり使わないようにしていたのですが、鈴鹿はほとんど4速で走るコース
なので、これはきつかった。終盤は7号車が迫ってきたので、壊れないでくれと祈りながら4速を使って逃げき
りました。
今季初の3位ということで、「みんなで勝ち取った」という思いがシンクロして、感無量というか何とも言えな
い気持ちになりました。チームのみなさんに感謝しつつ、最終戦のオートポリスもこの勢いで結果を出してい
きたいと思います。
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