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家具と生活雑貨の輸入卸業で急成長 基幹業務システムを全面刷新し

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家具と生活雑貨の輸入卸業で急成長 基幹業務システムを全面刷新し
不二貿易株式会社
家具と生活雑貨の輸入卸業で急成長
基幹業務システムを全面刷新し
経営状況の今を捉えるIT活用を実現
導入の狙い
事業規模の拡大に伴い、増え続ける
事務処理を効率化したい
迅速かつ正確な意思決定が行える情
報基盤を構築したい
導入システム
基幹業務システム
『SMILE BS 販売/会計/人事給与/CAB』
輸出入貿易業務管理システム『TOSS-SP』
FAX受注支援システム『FAXお助け名人』
BIツール『QlikView』
統合型グループウェア
『eValue NS』
リコー製複合機
導入効果
幹部会議で業務課題に速やかに対処
できるようになった
業務の効率化で残業時間が年間・部
門計で2,000時間以上削減された
FAXによる注文書の管理が飛躍的に
効率化された
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
不二貿易株式会社
●業種:貿易商社
●事業内容:世界30カ国以上から家具・雑貨・
家具に加え、生活雑貨も取り扱うようになり、事業規模が急速に拡大。取引先は大手量販店から町の小さな小売店まで多岐にわたる
福岡県北九州市に本社を構える不二貿易株式会社は、世界30カ国以上から家具や
生活雑貨を輸入し、国内で卸販売を行っている。自社で企画したオリジナル商品を
海外の工場で生産して輸入している点も大きな特長だ。同社は、事業規模の拡大
に伴い、増え続ける事務処理を効率化するため、基幹業務システムを
『SMILE BS
販売/会計/人事給与/CAB』へ刷新。輸出入貿易業務管理システム『TOSSSP』
と連動させると共に、BIツールを有効活用することで、経営データの可視化を
実現。日々の業務課題に迅速に対処できるIT基盤を構築することに成功している。
日用品などを輸入し、国内で卸販売。海外の
工場で製造したオリジナル商品も手がける
●従業員数:193名
(2014年7月現在)
業務効率の大幅な向上と経営データの可視化を
実現した不二貿易株式会社
2015年8月取材
販売にも参入。大手ショッピングセン
家具と生活雑貨の2本柱で
事業規模を急速に拡大
ターにある雑貨店の大半が、同社の生
1964年に設立された不二貿易株
100円ショップを展開する企業との取
式会社は、世界中の工芸品や家具を
引もスタートさせた。またネット通販
輸入販売し、業績を順調に拡大してき
ショップとの取引も急増している。
た。ベトナムに唐木製品の製造工場を
「現在の売上比率は家具が75%、
開設し、ベトナム政府から輸出貢献企
生活雑貨が25%ですが、売上比率を
業として表彰されたこともある。その
50対50にして、それぞれを売り上げ
後、2010年から生活雑貨の輸入・卸
100億円規模へ成長させていく計画
1
活雑貨を取り扱うようになり、最近は
不二貿易株式会社
です。特に生活雑貨は始めたばかりな
対応するために、その都度、システム
ので、急成長する兆しがあります」
と代
ベンダーに新たな要望を伝え、追加拡
表取締役社長の内田 隆博氏は語る。
張して運用していたのである。ところ
同社の大きな強みの一つは、自社で
が、追加修正するうちに、ほかのとこ
オリジナルのデザインを企画し、それ
ろに予期せぬ不具合が頻繁に発生し
を海外の製造工場で量産している点
た。もはや継ぎはぎだらけのシステム
だ。最近は大手家具販売店とオリジナ
では、新しい事業の急速な規模拡大に
ル商品を共同開発し、海外で生産する
対処できなくなっていた。
取り組みも始めている。
また、家具の市場は流行に影響され
もう一つの強みは、家具の輸入販売
ず比較的安定しているが、生活雑貨の
で長年蓄えてきた豊富な資本力を有
市場は流行の変化が激しいため、今日
している点だ。生活雑貨はある程度ア
売れているものが明日も売れるとは限
イテム数をそろえて納品しないと購入
らない。そのため、売れ筋商品などを
してもらえないため、中小の雑貨卸業
タイムリーに分析できるシステム基盤
は、大量の商品を保管する場所に苦慮
を構築することも重要な課題だった。
している。その点、同社は、もともと家
そこで、2010年にITベンダー7社
具を保管していた広大な敷地面積の
に新システムの提案を依頼。その後、
自社倉庫を保有している。また、家具
3社に絞り込み、最終的に大塚商会が
と一緒に生活雑貨を配送することで、
提案した、基幹業務システム『SMILE
配送コストを安く抑えることもできる。
B S 販売/会計/人事給与/C A B
家具に加えて小さな生活雑貨も取
(Custom AP Builder)』
と輸出入
り扱うようになったため、同社の取引
貿易業務管理システム『TOSS-SP』
先は約3,000社に上り、大手量販店
を連動させたシステムを選定するにい
から町の小さな小売店まで多岐にわ
たった。
たる。そして取扱商品点数も急増し
「大塚商会を選定した理由は、営業
た。それに伴い、事務量が増加し、既
担当者が熱心で誠実だったことです。
存の基幹業務システムでは対応しき
できな いことはできな いとはっきり
れないという大きな課題に直面してい
言ってくれるので信頼できると思いま
た。そこで、2010年に基幹業務シス
した。ほかのベンダーさんは、何でも
テムの抜本的な改革に着手。これが功
できますと言いながら、結局、できな
を奏し、毎年、家具と生活雑貨の2本
いことが多かったですからね」と内田
柱で増収増益を重ねている。
氏は語る。
そしてシステム選定理由として、使
いやすさとカスタマイズ性に優れてい
社内でカスタマイズすることで
開発の追加コストを大幅に削減
る点を高く評価している。
基幹業務システムを刷新する以前
較検討し、一番良かったのが大塚商会
は、17年前に構築したシステムを使
さんのシステムでした。中でも、一番
い続けていた。輸入生活雑貨の取り扱
の決め手は、自分たちでオリジナルの
いに伴う、売り上げや取引先の増加に
帳票を容易に作成できるCABの存在
「画面の見やすさや使いやすさを比
2
代表取締役社長 内田 隆博氏
「大塚商会さんは、さまざまな商材を取り
扱っているので、ITに関するノウハウをたく
さん持っています。その意味では、良きパー
トナーに巡り合えたと感謝しています。今後
も大塚商会さんのノウハウをぜひ活用させ
てもらいたいです」
電算/物流 主任 秋元 俊二氏
「大塚商会さんが提案してくれたシステムを
導入したことで、ここ数年で業務効率が飛
躍的に向上しました。しかし、世の中はどん
どん変化しています。この先も新しい仕組
みが必ず必要になるので。引き続きサポート
していただきたいです」
今回のシステムで業務効率が大幅にアップし、伝票枚数
が1.3倍に増えたにもかかわらず、残業時間は年間・部門
計で2,000時間以上も削減された
でした。これは他社製品にはない大き
点、さまざまな角度からデータを抽出
な魅力でしたね」と、電算/物流 主任
して帳票を自由に作成できるCABは、
の秋元 俊二氏は語る。
まさに打ってつけのシステムだった。
新たな基幹業務システムを構築す
また、以前に比べ業務効率が飛躍的
るにあたり、まず、約半年かけて要件
に向上したことも大きな成果である。
定義を行った。そのポイントは、自社
「事業規模の拡大に伴い、伝票枚数
独自の業務ルールを極力なくし、パッ
が導入以前よりも1.3倍に増えたにも
ケージの標準機能に業務を合わせる
かかわらず、事務部門の残業時間が年
ことで標準化を図ることだった。とは
間で2,000時間以上も削減されまし
いえ、自社の業務の特長を生かしたシ
た。昔は、商品の出荷点数が多いとき
ステムを構築するためには、どうして
は夜11時頃まで仕事をしている女性
もカスタマイズせざるを得ない部分
社員がいましたが、今は遅くても夜7
が発生する。その分、全体のシステム
時には帰れるので、女性社員の笑顔が
構築作業が遅れ、開発コストも余分に
増えましたね」
と内田氏は語る。
かかってしまう。
特に出力系で発生する多くのカスタ
て帳票類を自社制作することで、全体
BIツールで問題点を洗い出し
迅速な意思決定を実現
の開発期間やコストを軽減することに
同社は、今回BIツール『QlikView』
したのだ。それによって、新システム
も併せて導入し、日々の経営判断に役
の開発作業は予定通りスムーズに運
立つデータをタイムリーに分析できる
び、開発の追加コストを半分以下に抑
環境を整備している。
えることに成功している。
日々の業績を見る上で必要となる
「CABの使い方は、大塚商会さんか
定型的な帳票類はCABを使って作成
ら教えていただきましたが、もともと
している。新たな問題点などを分析・
誰でも簡単に使える仕様になっている
チェックする際には、
『Q l i k V i e w』を
ので、すぐに使いこなせるようになり
使って必要なデータを抽出しグラフで
ました。私のように、SEでなくても帳
ビジュアライズする。この二つの仕組
票を簡単に作成できるのですから、も
みを用途に応じてうまく使い分けるこ
のすごく大きなメリットです」と秋元氏
とで、基幹業務システムのデータを有
は語る。
効活用している。
同社では、前日の売上実績をもと
「さまざまなBIツールが販売されて
に、今後の商品展開などを検討してい
いますが、
『QlikView』は誰でも直観
る。商品別やカテゴリー別など、さま
的な操作で簡単に利用できるので、
ざまな要素を組み合わせ、常に変動す
非常に優れた製品だと思います」と秋
る市場の動向にマッチした、的確な意
元氏が語るように、新システムへ移行
思決定が必要になる。
「こういうデー
した最大の成果は、S M I L Eシリーズ
タを見たい」
という要望が頻繁にあり、
と
『QlikView』を併せて導入したこと
その度に、ITベンダーにカスタマイズ
だ。さまざまなデータを瞬時に分析す
を依頼していたのでは遅すぎる。その
ることで、自社が直面している問題点
マイズに関して、秋元氏がCABを使っ
3
不二貿易株式会社
を洗い出し、解決するためのアクション
具体的には、FAXで送られてきた注
がすぐに取れるようになったのである。
文書をイメージデータに変換。取引先
同社は、毎朝8時半に社長室で各
ごとに自動振り分けし、データベース
部門の幹部を集めた会議を行ってい
に登録する仕組みを構築。これにより、
るが、以前は、会議資料を準備するだ
P C上で得意先コードを入力すれば、
けで何日もかかっていた。しかし、現
その顧客の注文書を誰でも確認でき、
在は、社長室にある大型モニターに
顧客からの問い合わせにも迅速に対
『QlikView』の画面を映し出し、前日
応できるようになった。
の売り上げや粗利などの経営データ
また、営業活動の効率化を図るため、
をタイムリーに抽出し瞬時に分析する
モバイル環境も大幅に強化し活用して
ことができる。これにより、さまざまな
いる。外出や出張する機会の多い営業
問題点を解決するための意思決定が
担当者にiPadを支給し、社内のSMILE
迅速かつ的確に行えるようになり、ス
にアクセスして在庫確認や受発注など
ピード経営を実現している。
が行える環境を整備している。
「QlikViewは、もはや会議には必
さらに、大塚商会から統合型グルー
要不可欠です。例えば、商品が極端に
プウェア『eValue NS』を導入してお
安売りされていた場合に、それを誰が
り、外出先や出張先からiPadを使って
行ったのかすぐに分かります。以前は、
営業日報の入力や商品情報の確認、
調 べるのに丸 1日かかっていました
顧客へのプレゼンなども行っている。
が、今はわずか5秒くらいで簡単に確
「 以 前 は 出 張 するときに、スーツ
認できます。その結果、利益率の向上
ケースに大量の商品カタログを詰め
など目に見える成果に結びついてい
て持ち歩いていましたが、今はi P a d
ます」
と内田氏は語る。
で必要な情報を取り出してお客様に
iPadを使って社内の基幹系や情報系システムにアクセス
することで、外出先や出張先から在庫確認や営業日報の
入力などが行えるようになった
いつでも見せることができます。営業
ITを効果的に活用し
事業規模の拡大に柔軟に対応
日報を書くためにわざわざ会社に戻っ
てくる必要もないので、営業効率は格
段にアップしました」
と内田氏は語る。
一方で、同社は受注業務の課題も
現在は、出荷・配送業務の効率化を
抱えていた。小売店を中心に送られて
図るために物流システムの構築にも
くるFAX注文書は、多いときは1日に
着手している。
600件を超える。以前はこれを全て
「変化の早い事業をITでどう支援す
手作業で管理していたのだ。その結
るかは、今後も大きなテーマであり続
果、事務員が注文書を自分の机の中に
けます。従来のIT活用レベルとは異な
しまい込んだことを忘れて、出荷が遅
り、いま時のITは、新たなビジネス展
れてしまったという苦い経験もあった。
開を俊敏にサポートするものでなけれ
同社は大塚商会に相談し、リコー製複
ば意味がありません」
と秋元氏は語る。
合機とF A X受注支援システム『F A X
同社は大きな経営目標の実現に向
お助け名人』を導入した。受注業務の
けて、スピーディーな事業活動に追随
手作業の課題を解決し、注文書の管理
しかつ支援可能なI T活用をこれから
が飛躍的に効率化された。
も進めていく考えだ。
不二貿易株式会社のホームページ
http://www.fujiboeki.jp/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2015年10月に作成されました。
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