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1.サブプライムローン 33

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1.サブプライムローン 33
2011年12月21日
ご参考資料
33
今回のテーマ
改めて振り返る「リーマン・ショック前夜」
最近の欧州の問題も、2008年のリーマン・ショックが象徴する
新人くん
日興アセットマネジメントの
新人。営業推進部門に配
属され、投信や経済につい
て勉強中。少しずつ投信の
役割や面白さが分かってき
たが、まだまだ勉強不足。
「金融危機」が少なからず影響しているといわれます。それは
一体どういうものだったのでしょうか。今をより深く理解するた
めに振り返ってみたいと思います。
1.サブプライムローン
サブプライムローンとは、2000年代後半の金融危機に関して必ず
出てくるキーワードです。これは、信用力の低い人でも組むことがで
きる米国の住宅ローンです。「プライム」は「優良」などという意味で、
それに「下位の」ということを意味する「サブ」がついています。
信用力が劣る人のためのローンなので、プライムローンと比べる
と金利が高く設定されています。また、最初の2年間の金利は低く、
3年目から高くするなど、収入が低い人でも借りやすく工夫されたも
のもあったとか。2000年代の米国では住宅取得ブームが起こって
おり、そこにサブプライムローンが拍車をかけたようです。今まで家
を買うなど考えもしなかった人たちも夢のマイホームを手にできた
のだと思います。
サブプライムローンのほと
んどは、“証券化”される
ことで投資家が貸し手の
リスクを取っていました。
さらに住宅価格が値上がりをしていたので、ローンの借り換えを行
なうことで、担保価値の上昇分を現金として手にした人が多くいたそ
うです。彼らはその現金を大型テレビや車の買い替えなどに使うな
ど、まさに夢のような好循環が続いていたのです。
□当資料は、日興アセットマネジメントが経済用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありま
せん。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点の
ものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもありま
す。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
ご参考資料
2.米国住宅バブル
米国住宅バブルは、ITバブルの崩壊から始まったといわれていま
す。ITバブルとは、1990年代後半から2000年にかけて情報技術
(IT)の発達による“新しい社会”への期待が過剰に高まり、IT関連
企業の株価が大きく上昇したことです。しかし、バブルの崩壊によっ
てIT関連企業の倒産が増え、米国は景気低迷の恐れがありました。
米連邦準備制度理事会(FRB)は大幅な金融緩和を行ない、2001
年は年間で4.75%の利下げ、さらに2003年までに1%という歴史的 住宅投資は、個人消費へ
大きく影響します。バブル崩
な低水準にまで政策金利を下げました。この低金利のなかで住宅
壊による住宅市場の低迷は、
投資が活発になり、住宅価格の上昇がさらなる住宅投資を呼ぶ住
いまも米国経済の懸念材料
宅バブルが発生していきます。
です。
金融緩和が功を奏し、景気回復が確かなものとなった2004年から、
FRBは金融政策を緩和から引き締めに転換します。2005年末まで
には、政策金利を4.25%まで引き上げました。
その結果、住宅投資は抑制され、住宅価格の上昇は止まり、やが
て下落を始めます。さらに、金利の上昇によって支払い負担に耐え
られなくなる人が増え、「サブプライムローン」の延滞率が急上昇し
たことが住宅バブルの崩壊、そして金融危機の始まりでした。
3.証券化商品
米国の住宅バブルの背景には、低金利とともに、金融商品の発達
によって世界中の投資家から住宅市場に資金流入があったことも
挙げられます。
その金融商品のひとつが、住宅ローンの債権を証券化した「住宅
ローン担保証券(MBS)」です。債権を証券化して投資家が取引でき
るようにしているので「証券化商品」と呼ばれます。
MBSはいくつかの住宅ローンの債権をまとめて証券化したもので
す。まとめたものを、返済を受け取る優先順位を分けて切り出すこと
で、なんと「サブプライムローン」からでもAAAなど高格付のMBSを
金融危機前、MBSは米国
国債よりも発行残高が多く、
より高い利回りを期待できる
“人気”の投資対象でした。
作ることができたそうです。
MBSは投資対象として取引されるだけではなく、複数のMBSをま
とめて“再証券化”することで「債務担保証券(CDO)」が作られまし
た。この証券化においてもMBSのときと同じように、信用力の劣る
MBSからでも、高格付のCDOが作ることができました。
このように証券化商品は複雑な仕組みで組成されていくことで、た
とえ高格付が付与されていても、実際はリスクがどれだけあるのか
よくわからない投資対象だったということです。
(次のページへ続きます。)
□当資料は、日興アセットマネジメントが経済用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありま
せん。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点の
ものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもありま
す。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
ご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
ご参考資料
しかし、MBS、CDOといった証券化商品は証券化を行なう機関
や保証会社によって元本保証されていることが一般的であり、魅
力的な資産として、米国のみならず世界中の金融機関が投資し
ました。この証券化商品を通した資金流入が、米国住宅市場の
高騰を支えていたようです。
4.サブプライムローン問題
サブプライムローンを利用する人の多くは、数年後の借り換えを
前提として変動金利で住宅ローンを組んでいました。それが、住宅
バブルが崩壊したことで、住宅価格の下落によって住宅を担保とし
た借り換えができず、金利の上昇によって返済そのものも苦しくな
ります。
サブプライムローンは延滞率が上がり、住宅ローンを裏づけとす
る証券化商品は売られ始め、価格が急落します。その影響は米国
のみならず、海の向こうの欧州にも及びました。
2007年8月に、仏大手銀行BNPパリバが傘下のファンドの解約
を凍結したことで金融市場が大きく揺れた「パリバ・ショック」が起き
ます。ファンド凍結は、投資していた証券化商品の価格が大きく下
落するなか、ファンドの解約請求に対して、適正な解約価格を計算
できないことが原因でした。
この凍結を受けて、どの金融機関がどれだけ証券化商品を持っ
ているのか、どれだけ含み損があるのか市場は疑心暗鬼になり、
銀行間で融通し合うインターバンク市場から資金が引き揚げられて
いきました。一気に市場の緊張感が高まり、欧州中央銀行(ECB)、
またFRBなど各国の中央銀行は大規模な金融緩和、また資金供
米国で5.2兆ドル*ものMBS
の保有・保証を行なってい
た政府支援機関(GSE)が
破綻の危機に陥り、「世界
恐慌」が意識されました。
*2008年FRB調査
給を行ない市場の流動性を確保しようと努めます。しかし、市場の
危機感は続き、ノーザンロック(英)、ベアスターンズ(米)といった
大手金融機関が資金繰りに行き詰まり、破綻し始めます。
これがサブプライムローンに端を発する「金融危機」で、2008年9
月には、皆が知るリーマンブラザーズの破綻、つまり「リーマン・
ショック」を迎えます。
なぜ、米国の住宅バブルの崩壊が世界的な金融
なぜ、米国の住宅バブルの崩壊が世界的な金融
危機につながったのか理解できました。次は、な
危機につながったのか理解できました。次は、な
ぜその金融危機の影響がいまもなお残っている
ぜその金融危機の影響がいまもなお残っている
のか調べたいと思います。
のか調べたいと思います。
次は金融危機の影響に
ついて調べます!
□当資料は、日興アセットマネジメントが経済用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありま
せん。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点の
ものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもありま
す。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用を
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