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第4号 - 静岡理工科大学
第4号 新袋井フォーラム会報 新しい町づくり・人づくりを考える有志の会 新袋井フォーラム 2006・6・1 会報 第4号 平成 18(2006)年 6 月 1 日発行 これが方言です。方言はその地方の手形と 言われる所以です。浅羽にもそんな言葉が生 まれていました。 方言は地域の特徴ですから、他の地域とは 異なった強弱発声、抑揚(イントネーション) をし、その地域に合った情緒ある言葉となり ます。言葉の研究者はこの言葉を方言といっ ています。ですから方言は広い意味での方言 という範囲で使い、ションバイなどという言 葉を俚言といって方言の範囲の中の一つの分 野として捉えています。ギャーロのような元 来蛙と解るものを発声が変化して言われるも のを訛語という分類に分けています。 方言は、俚言と訛語が組み合い入り乱れて 作られています。 浅井昂さんが『遠州の方言考』という本を 平成 5 年に出版しています。それ以前 10 年 も前から草稿を練られていたもので大変なも のです。 そんな立派な方が浅羽町に住まわれるよう になり、浅羽の方言を残さまいかと企画され、 時の村松町長が賛同、そのお鉢が澤田図書館 長に回り、担当の鈴木つね子さんを中心に「浅 羽方言保存スタッフの会」が発足しました。 平成 13 年 9 月のことです。 その後、方言の勉強会から始まり、回を重 ねてゆくうちに録音しようという話になって、 方 言 は 心 の 「ふ る さ と 」 浅羽方言保存スタッフの会 会長 本 会 会 員 柴田和夫 産まれた時から人間は泣き声で母親と会話 をして成長してゆきます。赤ちゃんは乳が欲 しい時はこんな泣き方、オシッコの時はこん な泣き方と心得ています。親は子供のことで すから今何を言おうとしているのか泣き声で 直ぐ理解します。 だんだん大きくなり欲しいもの、したいこ となど色々と思うようになると、あれやこれ やを人に伝えなければなりません。 何も知らない子供達は、両親や近くの人達 の言葉を自分なりに理解し、片言ながらも相 手に伝えたり又聞いたりして意思の疎通を図 り、遊び方を覚えてゆきます。 近所の友達と一緒になればまず「あそばま い」と誘い、かくれんぼ、トンボ釣り、ザッ コ採りなど、その土地の自然に合った遊び方 をします。そこで使われる言葉はもとからそ こに住んでいた人達が常日頃使っていた言葉 を極く自然に使います。 子供達はその地域だけに通ずる会話をし、 親達も近所の人達だけに解って貰えれば良い 言葉を使って生活してゆきます。 2 月 28 日(火)午前、袋井市立浅羽東小学校 5 年生の児童が、自ら考案・製作した方言カルタの絵札の仕上げ作業。笑 顔が一杯でした。当日は朝日新聞も取材(3 月 9 日地方版紙面に記事掲載)。以下、注記のない写真は同日、小栗が撮影。 -1- 第4号 新袋井フォーラム会報 夢は大きく膨らみました。こうして「残さま いか 浅羽の方言」の企画が誕生しました。 【注:『浅羽の方言いろいろ∼残さまいか浅 羽の方言∼』のタイトルで CD・DVD・冊子 がセットになったものが平成 15 年 3 月、浅 羽図書館から発行】 同志の善意だけが頼りの企画でしたので、 いざ作るとなると大変でした。原稿作りから です。方言をふんだんに使って、この地方に 合った内容の原稿作りですから、そんなに簡 単に出来る話ではありません。 皆さんに一編以上の作品をお願いしたとこ ろ、全員が快く引き受け、一生懸命書いて下 さいました。子供の頃の思い出話、農作業風 景、食事の様子、思い出旅行などの話をその 時の情景、気持、動作、又、習慣など、瞼に 浮かぶような作文が出来上がりました。 録音は、スタジオが在りませんから町民会 館の舞台で行いました。反響を少しでも少な くするために舞台の垂れ幕の近くに出演者だ けが椅子に座り、紙の音がしないように気を 使いながらのものでした。初めての経験でし たので、皆緊張の連続でした。今度は巧くゆ くかなと思うと飛行機が来たからストップで す。この録音の為に何回も練習し、やっと本 番を迎えられたという次第でした。 CD・DVD の完成によって浅羽東小の先生 が総合学習の時間に方言を取り上げて下さり、 古新田学習発表会【「古新田」は同小がある地 域の地名】で劇やカルタを発表。NHK の放 送局も取り上げてテレビに放映されました。 その影響から児童も大いに乗り気になり、カ ルタの制作へ発展しました。 そのカルタも今年の秋までに完成が確実に なりました。子供達が字札(読み札)の文を 考え、子供達がその字札のイメージをもとに 右端が柴田和夫氏。06 年 2 月 21 日、浅羽東小 学校にて。(写真提供・鈴木つね子) -2- 2006・6・1 絵札を描き ました。会 員もお手伝 いに教室に 通いました。 子供らしい 素直な作品 が出来上が りました。 やがては消えてしまうかもしれない方言を 残す方法は、次世代に永く伝えてゆかねばな らないと思います。方言を使うことにより正 直な心を育て、その心を素直に表現する手段 としての使い方を覚えることが大切です。 国語教科書も大切な言語文章ですが、方言 はその地方の情緒や生活習慣のふるさとなの です。今後はそれぞれの地方で CD や映像あ るいはカルタが作られ、末永く育てられ、膾 炙することで、過去の郷土を知り、ゆとりを 保持するための資料となることと信じていま す。 皆さん、大いに方言に関心を持って下さい。 私達も最初はそれ程高い関心があったとは言 えませんが、方言との係わりが増すにつれて、 その素朴さとか、穏やかな心の拠り所として 安らぎを得るようになり、次から次へと深み にはまってゆきました。大勢の協力者を呼ん で下さったのも方言の力の賜物です。 今度のカルタにしても、浅羽東小学校の 3 年生だった皆さんが 5 年生になって制作に頑 張って下さったお陰です。カルタ作りに当っ て書いて下さった感想文を読ませて頂いたと き、協力した甲斐があったと本当に感動を憶 えました。勿論先生方も大変なご指導をして 下さいました。本当に有難うございました。 「残さまいか、浅羽の方言を」と始めた行 動が皆さんの協力により次々と発展し、CD・ DVD、そしてカルタへと進み、その上、静岡 理工科大学の小栗先生の発案で、児童たちの 感想文やこれまでの制作記録を書籍として発 行することにまでなりました。児童達の思い 出だけでなく、作成の段階で話し合った家族、 近所の人、関係者の皆さんの思い出の集大成 になります。 新袋井市となってこのような特徴あるカル タや文集が出来るようになったことを非常に 嬉しく思います。 第4号 新袋井フォーラム会報 浅羽弁というと大袈裟になりますが、遠州 の方言の記録として、これらの成果が何時ま でもいつまでも愛され使われてゆくことを切 に望み、この制作に関係して下さった皆様に 本当に有難うございますと御礼申し上げます。 今後もいろいろとご指導ご鞭撻をお願い致し ます。(5 月 25 日) 方言カルタを作った袋井市立 浅羽東小学校児童の作文より 【いずれも抜粋部分のみ。順不同。06 年 3 月筆】 ■村松萌さん■ 私たちは字札に合った絵 ふだを一生けん命書きました。そのカルタに は、私たちの思いと、方言スタッフの方の一 生けん命さがかいてあります。方言スタッフ の方には、本当に感謝しています。 ■山田乾人君■ ぼくはメジロのカルタを 作ることになっていました。最初はメジロが 鳥なのか魚なのか分からなくて、メジロを書 くのが一番たいへんでした。それで、苦労の 結果、自分でもじょうずなメジロが書けて、 いいカルタができました。 ■古田真菜さん■ 私が書いた絵は、飛びこ む直前の絵です。初めは、(これでいいのか な)と思ったけど、方言スタッフの人が良い よと言ってくれたので、絵の具で色をぬりま した。そしてアドバイスを聞いて、線を太く したりしました。できた時は、とってもうれ しかったです。私は(これがカルタになるの は楽しみだなぁ)と思ったし、とってもわく わくしました。 ■広岡美紗妃さん■ 今ではみかけない虫 の絵ふだで、絵をかくのが大変でした。下書 きを何枚も書いたりして、苦労したけど、方 言スタッフの人たちにアドバイスをしてもら って、い い作品が できるよ うに努力 しました。 浅羽の方 言を知っ てよかっ たです。 -3- 2006・6・1 ■角替啓人君■ カルタを作るのは想像力 が大切だなあと少し思いました。なぜかと言 うと、カルタは一つ一つに思いがつまってい るからです。カルタ作りのおじさんやおばさ んと相談し、やっとの思いで作ったカルタな んだあと少し思いました。 ■松本茜音さん■ 下書きは3回も書きま した。とっても手がつかれました。でも、上 手に書けたのでうれしかったです。色ぬりは、 最初は、手がふるえて、とってもむずかしか ったです。でも、きれいにぬれたのでうれし かったです。方言が分かって、とても良かっ たな、と思いました。 ■村松悠太君■ ぼくは最初、浅羽の方言は なんだろうかと思いました。周りのみんなの 言葉を聞いていると、とてもへんな感じがし ました。なぜかと言うと、ぼくは富士宮から きたので、浅羽の方言がとてもへんでした。 CDを聞いてみると興味がわいてきました。 ■上村梓実さん■ 私は 3 年生になってから 方言の勉強を習いました。私は、「方言て、な んだろう?」と、不思議に思いました。それ から私たちは、方言のげきもやりました。3 年生では方言のげきをやって、おもしろいこ とや楽しいこともあったので、あの時を思い 出すと、「そうだった。あんなこともやったっ け∼!」と、今も思います。そして私たち 5 年生は今、方言のカルタ作りをやっています。 ■荻原彩乃さん■ 私は本当に方言カルタ が発売されるとは思っていませんでした。九 才の子どもが作ったカルタなんですから。で も、五年になって方言ほぞんスタッフの人た ちが〔カルタを作るという〕私たちとの約束 をちゃんと覚えていてくれたことがとてもう れしかったです。(中略)自分の作ったカルタ が発売されると思うと「がんばらなくちゃ」 という気持ちでいっぱいになりました。 ■岩崎一輝君■ 作っている最中には、(やだ なー。めんどっちいなー)と思っていても、 できた時の喜びは、心の底からわきでてくる 感じでした。この方言カルタが出来て商品化 されて、売れたら、その買ってもらった人に 楽しんでもらえれば、うれしいです。 ■浅羽絢那さん■ 書いている時に、この絵 がカルタとなって、ずっとのこるんだなと思 いました。私は、方言の勉強をやってよかっ たなと、すごく思っています。 第4号 新袋井フォーラム会報 2006・6・1 す。千葉県生まれです。40 年程、企業で機械 設計を担当していましたが定年退職しました。 地元の千葉の黒大豆が凄く美味しくて、その ことがずっと頭にあったのですが、企業を辞 めた後、その黒大豆の生産に係わることにな りもう 10 年位になります。6年前に浅羽に引 っ越しまして、ここでも黒大豆をやっていま す。その関係でフォーラムの食品部会に入れ て頂きました。よろしくご指導の程をお願い 申し上げます。 小栗 次に平野正巳さんですが、平野さんは 遅れておられるようですので、後ほどお見え になられた時にお願いしたいと思います。 次に新入会員ではございませんが、このよ うな全体の会合に初めてご出席下さった方が 何人かおられますので、一言ずつご挨拶をお 願いしたいと思います。まず、村松幸成さん、 お願いします。 村松(幸) この会には村松姓が複数おります。 自然部会長の村松孝司さんが通称・村松Aで、 私が村松のBです(笑)。樹木医をしておりま す。この地域では街路樹の切り方や海岸の松 喰い虫の猛烈な活動等が気になります。今日 は松を枯らすセンチュウの写真を持ってきま したので、後ほど皆さんでご覧になって下さ い。自然部会でお手伝いが出来ればと思って おります。よろしくお願いします。 小栗 次に榊原保禄さん、お願いします。 榊原 榊原でございます。小栗先生とは袋井 市文化協会が行っている「愛の手紙コンクー ル」の審査会でご一緒させて頂いております。 最近の『袋井文芸』誌に、可睡齋の碑(いしぶ み)や袋井市とも縁のある一木喜徳郎(宮内大 臣、枢密院議長等を歴任した顕官)が残した碑につ いて書きました。小栗先生がそれをご覧にな ってフォーラムの歴史部会へどうかとお声を 掛けて下さったようです。この地域には碑が 新袋井フォーラム・第 2 回 「フォーラム」の記録 日時:平成 18 年 2 月 19 日(日) 午後1時 30 分∼4時 場所:浅羽北公民館(袋井市浅羽) 内容:・新入会員紹介、・各部会活動の中間 報告と次年度計画案について、・意見交換 出席者 21 名:小原望(会長)、下山好治(副 会長)、浅原哲則、名倉孝、村松孝司、村松 幸成、原田秀夫、今村龍夫、榊原保禄、小 栗勝也(事務局長)、山本貴史、大石久美子、 浅井昴、横井村主、岡本寛二、金坂ただし、 鈴木三郎、村松雄志、平野正巳、鈴木つね 子、田中 孜(オブザーバー) 【注:紙面の都合で各位の発言を一部圧縮し ました。また加筆修正した所もあります。】 小栗 只今から本年度第 2 回目の「フォーラ ム」、即ち会員の皆様による自由な意見交換 会を開催させていただきます。初めに、会長 の小原望さんからご挨拶を頂きます。 小原 お忙しいところ有難うございます。皆 様方から知恵と経験を頂きながら、自分達の 町をより美しくより楽しくしたいと思い、そ の為にフォーラムを始めましたが、事業が遅 遅として進んでいないではないかとのお叱り の声もあります。地道な努力を続けて、地元 のためになるような仕事をしたいと思ってお りますので、ご協力の程をお願い致します。 本日はよろしくお願いします。 小栗 意見交換会の前に、昨年の総会以降の 新入会員の方が 4 名あり、そのうち柴田和夫 さんは本日欠席ですが、他の 3 名の方はご出 席ですので簡単に自己紹介を頂きたいと思い ます。最初に鈴木三郎さんからお願いします。 鈴木 初めてこの席に出席 させて頂きます。袋井市の 東南に位置する中新田の鈴 木三郎です。私のような者 は何だか場違いのような気 がしますが、どうぞよろし くお願いします。 小栗 続きまして金坂さん にお願い致します。 第 2 回「フォーラム」 右から小栗事務局長、小原望会長、下山好治副会長、 金坂 金坂ただしと申しま 浅原哲則会員、名倉孝会員、最左・山本貴史会員 (写真提供・鈴木つね子) -4- 第4号 新袋井フォーラム会報 多く残っていますが、人々の意識の中では埋 もれてしまっている状態で残念です。古きを たずねて新しきを知る、もっといろいろ調査 をして発表して行けたらと思って参加させて 頂きました。よろしくお願いします。 小栗 続きまして、村松雄志(つよし)さんで す。村松さんが 3 人目になりました(笑)。 村松(雄) 3 番目の村松でございます。5 年程 前になりますが、東海道 400 年祭の実行委員 長を務めさせて頂きました。祭りは大好きで す。フォーラムの会報第 1 号を小栗先生から 送って頂きまして、その中に掲載されていた 駅南開発の発想に私も同感しまして、フォー ラムの事務局へ FAX させて頂きましたことが 縁で、この会に入れてもらうことになりまし た。今は浅羽の砂防林の復元を組織的にやろ うとしています。また先日、袋井市に県人会 を立ち上げました。よろしくお願いします。 小栗 もうお一人方、大石久美子さん、お願 いします。 大石 大石でございます。このような席に参 加させて頂いて、ちょっと恐れ入っておりま す。私は浅羽の図書館で読み聞かせなど主に 絵本関係の活動をして参りました。また方言 保存の会で方言カルタ作りに関わっておりま した。今回フォーラムでこのカルタを取り上 げて下さることになり、その関係でここに座 らせて頂いています。 よろしくお願いします。 小栗 また、森町の方から田中孜(つとむ)さ んが、オブザーバーでご出席頂いております。 2006・6・1 やはり子供達により良い環境を引き継いでい くことが、今生きている私たちの務めだろう と思っております。そのような考えから資料 のような活動案をまとめてみました。 フォーラムが発足して以来、私たちの身近 な自然に関して、既に 2 つの事例が起ってお ります。その 1 つは浅羽にある「亀ノ松」で す。樹齢 500 年という説もあるようですが、 少なくとも 300 年はある松です。青々として すごく元気な松でした。ところが、その松が 最近まったく「ご臨終」の姿になってしまっ ているんです。私も見に行ってきました。こ の写真は 10 日程前に撮影したものです。 300 年以上も人々の生活を見届け、浅羽の 象徴になっているこの黒松が、2006 年を迎え て途端に枯れてしまったのです。歴史ある松 を無碍に枯らしてしまうことは、本当に耐え 難い思いがします。松の中に何億と増殖して しまったセンチュウの姿を写した写真があり ますので、これもぜひ見てもらいたいと思い ます。10 ㎝位の枯れ枝を水の中に入れて、中 から出てきた虫を 50 倍の顕微鏡で見た写真 です【下の写真】。新生「袋井」になった途 端にこのような憂き目に遭ったことを、どう 考えていいのかは判らないのですけれども、 実際に起きた問題です。 もう1つは、今年の 1 月ですが、新しい焼 却場の下にある「ウナギ堀」という名前の水 路の改修工事が始まっていた訳ですが、昔か らそこに石亀が生息していることを私は見て いましたし、また、ここには淡水魚のタイリ クバラタナゴも見られましたが、タイリクバ ラタナゴはドロ貝がないと共棲関係上、生き て行けないことも知っていましたので、どう いう改修がされるのか気になって、市に尋ね ましたら、工事の方法は 3 面張り(3 面をコン 袋井「自然マップ」の作成を 小栗 それでは今日の本題であります各部 会活動の中間報告とそれに関する意見交換に 移ります。自由に意見交換をして頂ければと 思います。資料も配布してございます。部会 毎に 10 分位で簡単に説明をお願いして、 その 都度意見交換を行って頂きたいと思います。 最初に自然部会からお願いします。 村松(孝) 部会で色々議論してきましたが、 自然がなければ人間は生きていけないという 大前提から考えますと、全てのことが自然に 結びついているように思います。具体的にど ういう活動をして行くか、ということについ てですが、―私は環境庁の自然観察指導員 としても子供たちと接して来ておりますが、 「亀ノ松」の枯れ枝から採取されたマツノザイセン チュウ。2 月 10 日に確認。(写真提供・村松孝司) -5- 第4号 新袋井フォーラム会報 クリートで囲う方法)ということでした。これは 2006・6・1 く、ねじれもあり木の個性が強くて、この薬 がなかなか効きません。浅羽町からの依頼で 以前から業者がこの薬を使ってきましたが、 なかなか難しかったようです。 上の方は枯れているけど下は大丈夫ではな いか、という声もあるようですけれども、そ れは時間の問題でして、センチュウがいます から必ず枯れてしまうだろうと思います。12 月まですごく元気だったのに、1 月のある時 から急に枯れてきたわけですが、そういうこ ともあります。下の方はまだ大丈夫のようで すから、まだ時間は少しもつでしょうけど、 しかし下まで枯れることを止めることはでき ません。木にセンチュウが入った時点でダメ なのです。上の方の枯れた所だけ切ったら枯 れるのが止まるかというと、止らないです。 薬でももう止まりません。ですから「亀ノ松」 は結果的にはもうダメだと私達は見ています。 市の方も手を拱いて見ているわけではなく て、いろいろと苦慮しているのですが、今と なってはもう解決法はないと思います。いつ の日か「亀ノ松」は「終わり」になります。 【補足:この松は 4 月 29 日に撤去された。 】 名倉 自然の大切さの話の中で、水について も注目すべきではないかと思います。水は樹 木だけでなくて、人間の体にとっても一番重 要なことではないかと思うんです。自然の水 でも良いとされるものが幾つかあるようです が、行政に頼んでその水質を検査してもらう とすると何十万円という大変なお金が掛かる らしいですね。もっと簡単に、頻繁に、水質 検査をする方法があったら良いと思いますが、 何とかできないものでしょうか。 小栗 静岡理工科大学の先生でその種の仕 事に関心を持って下さる方がいらっしゃれば、 学生等にも協力してもらって水質検査をする ような企画を立ち上げることは不可能ではな いと思います。 なお私から質問ですが、「自然マップ」の作 成について、フォーラムとしてこれを行う場 合、いつ頃から、誰が、どのように進めて行 くか等については具体的な計画はありますか。 村松(孝) 広範囲になりますから、とりあえ ずは現在分かっている事象をまとめることか ら始めることになるだろうと思います。また、 この作業には多くの人の協力が必要です。私 は小中学校を廻って周辺の自然を聞いたりし 手っ取り早い河川改修方法として良く行われ て来たものですが、最近では国や県が行う場 合には 3 面張りは止めて、なるべく自然を残 す方向に変わってきています。それで市に聞 きましたら、3 面張りは地元からの要望があ ってそうしたという回答があったものですか ら、びっくりしました。地元の人の意識にも 問題があるように思います。 そこで自然部会としては、私達の身近に残 っている貴重な自然を保全するように心掛け る活動を中心に、出来ることから進めて行き たいと考えています。例えば、分かり易い「自 然マップ」を作って、子供達にも、大人にも、 自然に目を向けてもらえたらと思います。そ のような所から、自然の保全につながるよう な活動をしたいと考えています。 浅羽の象徴「亀ノ松」の最期 村松(雄) 海岸の松林もずいぶん松喰い虫 にやられていますが、専門家の目から見て、 完全に枯れてしまう前に、その徴候が少しで も見えてきたような段階、つまり少し松が黄 色くなってきたような段階で、何か手の施し ようはないものなのでしょうか。 村松(幸) 私から話をさせて頂いてよろし いでしょうか。あの「亀ノ松」の担当課は今 は袋井市の商工課に移りましたが、そこから の依頼で私どもに診断をしてくれとのことで した。先程の枝のサンプルもその時に持って 帰ったものです。磐田の業者が高所作業車を 持ってきて、市と業者と私たち樹木医の 3 者 で診ました。去年はまだシャンとしていたん ですが、今年の1月中頃から、上3分の1程 の所、所謂笠の所が見事に赤くなっています。 下の方はまだ青いんです。そういう状態にな ったので、どうなのかということで診た訳で すが…、もう「手遅れ」です。 今まで枯れなかったのが不思議な位で、あ の「亀ノ松」は樹齢 300 年はあるだろうと思 いますが、近くにもっと若い松の林がありま すけれども、それはもう全滅するのではない かという位に真っ赤に枯れることが頻繁にあ って、その都度処置してきました。あのよう な単調な木ならば「グリーンガード」という 薬が効くのですが、「亀ノ松」は横幅が大き -6- 第4号 新袋井フォーラム会報 ていまして、その中で知ったことですが、八 幡神社の近くに神社の杜の湧き水を使って県 が池をつくるという話があるようでして、ど うせ作るなら、近くの南小学校の児童も利用 できるから、ぜひビオトープのようなものを 作ったらどうかというような議論がされてい るようです。 里浜の会や里山の会もあります。 そういう方達とも連携して、さらには自然部 会の仲間も増員して、多くの人の力を借りな がらマップにして行きたいと思っています。 また、エコパのある小笠山の一角には、群 生林に近い、人の手が入らない自然のままの 森があり、県の学術参考林にもなっています。 こういうものも含めて情報を確認しながら進 めたいと思います。ですが具体的な作業計画 としてはまだ明確には確定しておりません。 小栗 次の部会の報告に入る前に、先程新入 会員の平野さんがお見えになりましたので、 ここで自己紹介をお願いしたいと思います。 平野 平野正巳と申します。遅れてきて申し 訳ありません。大門の角で食事処をやってい ます。僕は食べることしか知らないのですが、 協力できることがあれば一生懸命頑張りたい と思いますので、よろしくお願いします。 2006・6・1 切にする」 という所か ら手をつけ てみたらど うかと考え ました。そ の中でも、 この地域は 昔から俳句を作ることが盛んだったと聞いて います。それにちなんだ企画として俳句を募 集するような企画を行ってはどうかと考えて います。1∼2年を掛けて実施して良いと思 います。そのための広報やPRをどのように していくか、またどのように事業を定着させ ていくかが課題であります。実施にあたって は部会のメンバーを増やして、特に女性の力 も借りたいと考えています。 先日の新聞で文科省が学習指導要領の改訂 を行うという記事を見ました。「ゆとり」では ないということですね。改訂の核になるのは 「言葉の力」ということのようです。自分の 意見をしっかり書ける、話せることが非常に 大事だということです。その入口は低学年だ と今朝のテレビでも文部大臣が言っていまし た。ちなみに小学校6年の国語の教科書にも 短歌・俳句を扱う部分があり、「言葉の響きを 味わおう」という副題がついています。俳句 も読書も、日本語を大事にすると共に言葉の 響きを味わう上で大切なことだと思います。 子供の言語環境が豊かになれば、その子自 身も幸せになれるし、周囲の人も幸せになれ ると思います。そんなことを願って「言葉の 力」を高めてやれる一助になればいいなぁと 思っています。いろいろと教えてください。 名倉 この頃の子供も、その親である大人も 少しおかしいと思うのですが(笑)、どうでし ょうか。 原田 実は部会で話をした時も、この頃の親 はおかしいぞ、から始めたんです。しかし、 あれもこれもは出来ないので、まずは子供を 対象にして始めたらどうかということになり ました。 子供でも俳句は作れるんです。季語が難し いのではないかという意見はあるかもしれま せんが、何とかなるでしょう。例えば私の知 っている例で、こういう俳句を作ったお母さ んがあるんです、 「勉強を何が何でもやらせま 子どもたちに「言葉の力」を 小栗 では次に、教育部会から、原田秀夫先 生にお願い致します。 原田 お手元に資料があると思いますが、 「このごろの子供は、ちょっと変だぞ」とい うのを出発点のテーマにして、新袋井市の子 供達を、より良い子供達に育てていきたいと いう考えから、いろいろと部会で話し合って 参りました。基本理念は「豊かな心を育む」 ということであります。 具体的な施策として幾つか考えているもの もあります。例えばその1つとして、他団体 との協力によって、読み聞かせの推進ができ ればと考えています。 「読書百返、意自ら通ず」 ですから、読書は非常に大事なことだと思い ます。もう1つは食育の推進です。生きる力 を育てるために必要なことの1つだと思いま す。これも他団体との連携をしながら進めら れればと考えています。その他にも幾つか施 策の案を挙げてあります。 しかし、まずさしあたっては「日本語を大 -7- 第4号 新袋井フォーラム会報 す」(笑)。それに対して「季語がないじゃな いか」と言う声があったんですが、そうした ら「一年中だ」という声(笑) が子供から出て、 お母さんの気持ちがよく表われていじゃない かということになりました。小学校6年生で も、そこまで考えて言えるんです。 6 ヶ月の赤ちゃんに「読み聞かせ」 山本 小学校で読み聞かせの活動をやって いる知り合いの方から聞いたんですが、ボラ ンティアの人達は、次は何を子供達に読んで あげようか悩まれているようです。1つの希 望ですが、これを子供に読んであげてもらい たいなぁと思うような「本」をフォーラムで 作ってはどうでしょうか。例えば坂本竜馬、 勝海舟、徳 川家康とか、 日本の歴史 の良いとこ ろから日本 人の心を伝 えるのに役 立つような 話を短くまとめたような小冊子のような本で す。1 つの話について 5 分∼10 分ぐらいで読 み聞かせが出来るような「偉人伝」のような 本をこの会で作れないでしょうか。内容の洗 練されたものを提供できればいいなあと思い ます。一度検討して頂けたらと思います。 小栗 面白いアイデアですね。本そのものを 作れたら良いとは思いますが難しいかもしれ ませんね。読み聞かせたい本のリスト化・紹 介という程度の冊子を作るのでしたら、比較 的取り組み易いかもしれません。小原会長か ら伺った案ですが、子供達に読んでもらいた い図書を指定して、読書感想文の募集をフォ ーラムで行うという方法もあるかもしれませ ん。いずれにしても本に親しむことを奨める のは大事なことだと思います。 大石 私も読み聞かせの活動をして参りま したが、本当の読み聞かせは身近にいる人が 毎日 10∼15 分位でも、 コツコツ積み上げるよ うに行って、本の面白さを子供に教えること から始めて、徐々に自分で本を読む楽しさが 分かるようになることが大事だと思います。 読書の強制だと逆効果になることもあります。 -8- 2006・6・1 学校で 10 分間、 毎日継続して読んでいくこと もいいと思います。とにかく、身近な所で身 近な人が読み聞かせを始めるのが一番効果的 です。小学校 3 年生位まで、そのような本と 親しむ経験をさせられたら良いと思います。 既にイギリスでは「ブックスタート」が国 家的に進められています。 日本でも 2000 年の 「子ども読書年」を契機に広まっています。 赤ちゃんが産まれたら母子手帳と共に、本を 2 冊あげる訳です。お金がかかりますから、 浅羽では本をあげることはしていなかったの ですが、図書館のボランティアが協力して生 後 6 ヶ月位の赤ちゃんに読み聞かせをしまし た。すると、赤ちゃんでも本を見るんです。 内容が理解できなくてもいいんです。お母さ んが子供に話し掛けることでコミュニケーシ ョンをとる一つの手段として役に立つんです ね。いま若いお母さんの中には、どうやって 子供に話かていいか分からない人もいます。 だから絵本が役に立てばいいなあと思うんで す。合併して袋井市になりましても継続して 欲しいと思います。教育部会で読み聞かせの 応援もして頂ければ嬉しいです。 小栗 俳句も読み聞かせも良い企画だと思 います。当面1・2年の計画で考えたいとの ことですが、ぜひ実現させるための具体的な 段取りをご検討下さい。 可睡齋の碑が判読困難に 小栗 では次に歴史部会ですが、本日、部会 長の柴田静雄先生がご欠席ですので、榊原保 禄先生の方からお願い致します。 榊原 部会長に代わって報告させて頂きま す。お手元の資料のように、地域に残る碑(い しぶみ)の再調査と、地域に残された物語な どについて、 やって行こうと相談致しました。 ます碑ですが、記念碑・墓碑・顕彰碑・句碑・ 歌碑あるいは道標に至るまで、石に掘られた ものには意味がありまして、人間社会の永続 性や発展繁栄を願うという人間の基本的な性 情の表れと捉えることができます。その割に は、単なる置物としか見られなくなって、忘 れ去られてしまうことがありがちです。 例えば、可睡齋の奥の院の入り口に、東海 一大きいのではないかと思われる巨大な碑が あります。可睡の因縁が彫られています。4・ 第4号 新袋井フォーラム会報 5 年前までは読めたのですが、大気汚染のた めでしょうか、今は、ほとんど読めなくなっ ています。それで、私は 5 日程通って拓本に 写したんです。その時に可睡の事務所で聞い たら、何が書かれているか分からないと言う んです。それから調べてみたら、色んなこと が書いてあり、歴史的にも面白いことが書い てあったので、『袋井文芸』にそのことを書 きました。 袋井市には碑が沢山あるんです。恐らく何 百とあると思います。 浅羽にもかなりあって、 平成 15 年に柴田静雄先生らが調査したもの を浅羽町の教育委員会から本にして出してい ます。機会をとらえて再認識のための活動を 続けないと忘れられてしまいますので、その ような活動をしたいと考えています。また、 地域に残された物語に関する活動としては、 例えば、この辺りで跳梁跋扈していた日本左 衛門のことなどを調査して、残していきたい と思っています。 具体的には、碑については 3 年計画という ことで考えています。各方面にも協力をお願 いして 1 年位で再調査をしたら相当な量が出 るのではないかと思います。2 年目には、そ れらの中から選択して、何が書いてあるのか、 誰が書いたのかを精査し、解読したいと思い ます。3 年目には成果を写真と文章でまとめ て小冊子などにして残したいと思っています。 小栗 有難うございました。次に地域情報部 会については部会長の私から報告致します。 部会全体の目標は、袋井地域に関する様々な 「情報」の掘り起こし、収集、整理、分析、 発信等の活動を行い、袋井に対する内外の認 識を新たにしてもらう点にあります。当面は 以下の 4 つのプロジェクトを進める計画です。 第 2 回フォーラム。マイク・榊原保禄、手前・岡本 寛二。村松幸成の各会員(写真提供・鈴木つね子) -9- 2006・6・1 まず「袋井新聞情報研究プロジェクト」(担 当:小栗)です。ここでは新聞で報道された 袋井の記事を集めて、本にしたいと考えてい ます。地元記事の収集を今は市役所でも図書 館でもどこでもやっていないそうなので、私 たちでやろうと思いました。新聞記事からそ の時々の袋井を記録することになりますから、 小中学生の教材としても利用して頂けるので はないかと思います。また、これらの記事を 系統的に分析して何らかの傾向を抽出できれ ば、今後の町づくりのトレンドを考える参考 資料として役立つかもしれません。既に静岡 理工科大学の私の研究室の学生と共に、記事 の切り抜き作業を進めております。浅羽図書 館からも新聞記事の提供を受けました。さら に協力して頂ける方を求めています。形ある ものとして確実に残して行けますから、この 活動を定着させたいと思っています。 袋井からの新たな情報発信 小栗 次に「バーチャル袋井市プロジェク ト」(担当:手島)です。これも理工科大学の 手島裕詞先生のご指導の下で、学生が開発に 協力してくれております。コンピューター上 に 3 次元のバーチャル袋井市を構築し、名所 や施設についてのコンテンツをグローバルに 情報発信することが最終目標です。それに至 るまでの過程として短期・中期・長期的な目 標を立てて逐次進めていく計画です。当面は コンテンツの拡充が目標とのことです。 もう1つは 「方言カルタ・プロジェクト」(担 当:柴田和夫他)です。これまで「浅羽方言 保存スタッフの会」と浅羽東小学校の児童が 進めて来られた「方言カルタ」の製作と発行 についてフォーラムとしても出来るだけの協 力をすることに致しまして、地域情報部会の 企画として組み入れました。既に、読み札と 絵札について、児童が長い時間をかけて手が けてくれておりまして、完成間近になってい ます。これを形にまとめて発行するお手伝い をフォーラムで引き受けたいと思います。 最後の 4 つ目は「フィルムコミッション袋 井」ですが、これについては山本貴史さんか らお願いいたします。 山本 「フィルムコミッション袋井」につき ましては、お手元の資料のように 2006 年活動 第4号 新袋井フォーラム会報 目標と年間計画案を作成致しました。具体的 な内容としては、①組織づくり、②中編映画 の制作準備、③短編映画の制作、④先進地へ の視察、という 4 つの柱で進めていこうと思 っています。映画をキーワードにして若者の エネルギーを引き出すことで町の活性化に役 立てられたらと考えています。せっかく静岡 理工科大学があるわけですから、学生さんに も呼びかけて協力してもらってはどうかとい う意見も出ています。やれる所から進めて参 りたいと思います。 小栗 月毎の進行計画表までご用意頂きま して有難うございました。お忙しい中、大変 だと思いますが、よろしくお願いします。 時間が長くなりましたが、あと 2 つの部会 報告が残っております。次は、配布資料は御 座いませんが、食品部会について横井さんか らお願い致します。 横井 食品部会としましては、昨年の総会で 述べました通り、黒大豆とシラスの 2 つにつ いて、理工科大学の常吉先生、桐原先生、幡 野先生らのご協力を頂きながら研究を進めて 参りたいと考えております。既に、本格的な 研究を開始できる段階まで準備が整いつつあ るといった所です。よろしくお願いします。 小栗 有難うございました。特にご意見がな ければ、最後になりましたが健康部会からお 願いします。 浅井 部会員の立場で現状を報告致します。 薬草公園を実現させたいという件については、 小原会長の懸案でもありますが、関連する施 設を市内に分散してやったらどうかという案 を相談している所です。今日、参加して下さ っています鈴木三郎さんは、海岸に近いとこ ろで「ハマボウフウ」を現在手がけています が、これも薬草公園の一部として利用させて 頂くということで、 ご賛同してくれています。 また、薬膳料理を提供できるような仕組み を持たせられたらいいなあと考えております。 薬膳については、この地域にも有能な薬膳調 理師がおりますし、薬膳に関する NPO が東京 等にもあって、いま薬膳は注目されています。 それで薬草公園と併せて薬膳についても一緒 に検討をしております。薬草・薬膳を袋井の 新しい名物として情報発信して行ければと思 っています。今日は時間がありませんので、 次の機会により詳しくお伝えさせて頂きます。 - 10 - 2006・6・1 ○本会 1 年目(平成 17 年度)の主な足跡 ・6 月 23 日、発会式及び第 1 回「フォーラム」 を開催、於・静岡理工科大学 ・8 月 1 日付、会報第 1 号発行(1千部、以下同) ・8 月 25 日、幹事会(会則案承認)、於・静岡 理工科大学 ・8 月 30 日付、同日付発行の国立国会図書館 『日本全国書誌』2005 年第 32 号に『新袋 井フォーラム会報』が掲載、同図書館にて 永久保存対象となったことを意味する ・11 月 2 日、幹事会(総会付託案件承認)、於・ 静岡理工科大学 ・11 月 16 日、「新袋井市」市制施行記念講演 会・懇親会及び平成 17 年度設立記念総会を 開催、於・静岡理工科大学 201 大会議室。 記念講演会・懇親会に対し市より補助金 ・11 月 17 日、静岡新聞・中日新聞朝刊地方 版紙面で総会の模様が報道 ・11 月 18 日、朝日新聞朝刊地方版紙面で総 会の模様が報道。 ・12 月 1 日付、会報第 2 号発行 ・平成 18 年 2 月 19 日、第 2 回「フォーラム」 開催、於・浅羽北公民館 ・3 月 1 日付、会報第 3 号発行 小栗 有難うございました。以上で本日予定 していた各部会からの報告が終わりました。 本日は時間がなくて申し訳ございませんでし た。各部会の細かなことや、全体に関するこ とで、もし更にご意見等がございましたら直 接事務局宛にご連絡頂いても構いませんので、 よろしくお願いします。 最後に、その他の議題に移りますが、下山 副会長からご発言の申し出がありますので、 お願い致します。 下山 只今は、各部会の発表があり、いろい ろな事業計画案が出されました。「新袋井フ ォーラム」は任意団体であり、今は会費以外 には確実な収入源もありませんので運営面に しましても大変なことがあります。より活動 しやすくするためにも、今後は NPO 法人化を 視野に入れて、この会を充実させて行っては どうかという考えを持っております。幹事会 等で検討して参りたいと思いますので、ご意 見が御座いましたらよろしくお願い致します。 小栗 予定の時間も過ぎましたので、以上を もちまして本日の会を閉じたいと思います。 第4号 新袋井フォーラム会報 終わりに、小原会長より閉会のお言葉をお願 い致します。 小原 本日は、それぞれの部会から活動内容 について情報提供と意見交換をしていただき ました。我々一人一人の力は微力であります が、知恵を集めてお取り組み下さいまして、 次年度に進んで参りたいと思いますので、ど うぞよろしくお願い致します。 (以上) 2006・6・1 ンド・ゴルフ大会の開催。 なお『中日新聞』5 月 21 日朝刊(中・東遠 版)、『静岡新聞』5 月 22 日朝刊(西部圏)に 総会の記事が掲載されました。方言カルタが 本年度事業の「目玉」であると紹介され、一 番大きな見出しも「浅羽方言カルタ」でした。 ✎カ ル タ 本会平成 18 年度総会開催 去る 5 月 20 日(土)午後 4 時∼5 時、袋井南 公民館(袋井市高尾)にて、本年度の総会を 開催。会員ら 31 名が参加(委任状有の欠席会 員 9 名は含まず)。小原望会長、原田英之袋井 市長の挨拶の後、議事が執り行われ、各部会・ 本部の本年度事業計画案、予算案等が承認さ れました。事業内容は以下の通り。 (平成 18 年度の事業計画) ◆本部=「フォーラム」(意見交換会)の開催、 会報発行、“新袋井フォーラム叢書”第1集 の発行、浅羽方言カルタの発行。 ◆歴史部会=碑の再調査、郷土資料研究。 ◆地域情報部会=浅羽方言カルタ及び同記録 集の製作(関連資料を会場で展示)、地元記事 の収集・編纂、フィルムコミッション組織作 り、バーチャル袋井市のコンテンツ製作継続。 ◆自然部会=名木・古木の現状調査。 ◆食品部会=薬膳に関する調査検討。 ◆教育部会=児童生徒を対象とした俳句コン クールの開催。 ◆健康部会=薬草公園・薬膳の推進、メタボ リックシンドロームへの意識向上活動、グラ 方言保存スタッフの会の方から毎回丁寧な指導を 受けます。右は本会会員でもある鈴木つね子さん。 - 11 - の 反 響 ●「方言カルタ」に関する補足記事です。 ●5 月 22 日(月)午後、袋井市立浅羽東小学 校に静岡新聞と中日新聞の記者が方言カルタ を作成した児童を取材しました。方言保存ス タッフの会メンバーも駆け付けました。 ●その時の取材を基に、5 月 24 日(水)『静 岡新聞』夕刊、第 3 面のトップに「方言カル タ商品化へ」の記事が掲載されました。記事 には絵札を掲げる児童全員の集合写真と絵札 のクローズアップ写真の 2 枚がカラーで添付 されている上に、記事本文部分だけでも 6 段 に及ぶ、かなり大きな扱いの記事でした。こ の記事の影響は大なるものがありました。 ●まだ夕刊が配達されるよりも数時間早い、 午後 2 時過ぎ、本会事務局を兼ねる私の大学 研究室に SBS テレビの情報番組「特報4時 ら」の担当者より直通電話が入った。『静岡 新聞』の夕刊早刷り(社内のみ)を見て、今 日の番組内で記事紹介の形で「方言カルタ」 を取り上げたいと思うので、浅羽の方言の例 をもう少し詳しく教えて欲しい、とのこと。 私では役不足なので浅井昂さんの連絡先を伝 えた。すぐに電話が掛かったようで、浅井さ んはカルタの字札にもなった独特で愉快な言 い回しを2例(いずれも夕刊掲載予定の記事 にないもの)教えましたら、担当者は電話口 で笑ってくれたそうです。 ●テレビ番組で取り上げて頂けるとは感謝の 極み。浅井さんの連絡先を伝えると、すぐ私 は方々へ電話を掛けて、本日放送の予定であ る旨を伝えました。東小学校にも伝えました。 近藤先生、久保先生はテレビをご覧頂けるか なあ、青木校長先生も喜んでくれるだろうな あ、と心でつぶやきました。少しして浅井さ んにも電話をしましたので、上のやり取りを 知ることができました。関係者一同、突然の 朗報に驚くと共に、大いに喜びました。私は 第4号 新袋井フォーラム会報 左・児童に絵札描画の指導をする近藤郁子先生 (浅羽東小学校・当時5年生担任) 仕事が残っていて大学の研究室から一歩も出 ませんでしたので、残念ながらテレビを見る ことはできませんでした。実際の放送では、 アナウンサーは方言の言い回しが上手く出来 ていなかったとのこと。夕方、浅井さんから 電話で聞きました。ご愛嬌です、少し位間違 っていてもいいじゃあないですか。 ●夕方、再び研究室の電話が鳴りました。夕 刊の記事を見たという富士市の年配の男性か らでした。方言に関心があり、是非カルタを 購入したいがどうしたら良いかとのこと。ま だこれから作る段階なので、丁寧に事情を説 明してお詫びしましたが、記事を見て直ぐに 反応して下さる方がいたということは、実に 有難いことです。地元新聞の力がいかに大き いかということも良く分かります。実は、そ の後も連日のように問い合わせの電話が続い ています。大きな波がどよめき始めたかのよ うな錯覚さえ覚えます。 ●5 月 22 日に戻りますが、この日は、取材の 後、関係者は静岡理工科大学に移動して、方 言カルタの製作記録集の第 1 回 「編集委員会」 を開きました。メンバーは、委員長:小栗勝 也、委員:柴田和夫(方言保存スタッフの会 会長)、山下金作、小澤壮吉、浅井昂、鈴木 つね子、大石久美子(当日欠席)、近藤郁子(浅 羽東小・教諭)、久保渉(同左)の 9 名です。 本の構成内容と各自の分担を確認しました。 また児童の作文の校閲も皆で行いました。 ●委員会の最後に柴田和夫さんが挨拶をされ、 子供達の努力に応えるため今度は我々が大い に「苦労しよう」と言われました。年配の方 言リーダー・柴田さんの口から出た言葉は、 私の胸に迫るものがありました。義を見てせ - 12 - 2006・6・1 ざるは勇無き也、です。 ●子供達の作文には、方言を学び、カルタを 製作しながら、地元を再認識できたことへの 喜びと、ボランティアの方々への感謝の気持 ち、そして、いよいよ形として完成すること の喜びが、あどけない鉛筆書きの文字の中に 横溢しています【前掲作文を参照】。これを 読んで熱き思いを湧き立たせられない者は感 性無き者でありましょう。子供達の思いをキ チンとした形にして残して上げられないなら ば、この地域の大人達は意気地無しと呼ばれ ても仕方ないでしょう。締め直すべきは、我 が腹を括る紐であります。子供達の作文を見 て、私は心の底から覚悟を決めました。 ●『静岡新聞』5 月 25 日夕刊の「紙弾」欄で は、「読み札に合わせ絵札も工夫。創造力豊か、 子どもならではの方言カルタ、商品化が楽し み。」と記されました。いまや県民注視のカル タです。今年の秋頃までに、何としても良い ものを完成させなければなりません。否が応 でも我が胸中の火柱は益々高く燃え盛ります。 子供達のカルタを世に送り出し、我等の掲げ るタイマツの炎で、「袋井・浅羽」の名を天下 に知らしめようではありませんか。 ●燃える編集委員の炎を更に燃え上らせるた めには、絶え間なく補給されることが確実な 「燃料」が必要です。カルタと記録集を発行 できるだけの物質的な下支えを何も持たない まま、編集委員は自らの魂の叫びに従い、全 身火の玉になって走り始めました。カルタを 完成させるという、子供達との約束があるか らです。元より委員は覚悟の上です。 しかし、 エンジンだけでは車は走れません。 ●重ねて申し上げます。義を見てせざるは勇 なき也。遠州袋井の人士で、この企画に意気 を感じ、共に戦場へ馳せ参じてくれる勇者は 他に御座いませぬか。篤き志を寄せて下さる 熱血漢は他に御座いませぬか。外野からの見 物だけなら要りません。自ら手を挙げて、行 動して頂きたいのです。 (5 月 26 日小栗記) 『新袋井フォーラム会報』第 4 号 発行日:平成 18(2006)年 6 月 1 日 編集・発行: 新 袋 井 フ ォ ー ラ ム 〒437−8555 静岡県袋井市豊沢 2200−2 静岡理工科大学 理工学部 情報システム学 科 小栗研究室内 新袋井フォーラム事務局 (Fax:0538−45−0110 大学代表) 印刷:榑松印刷所(袋井市浅羽)