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Page 1 149 法律論議 第七四巻 第二・三号 (二 一・一 ) 企画業務型

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Page 1 149 法律論議 第七四巻 第二・三号 (二 一・一 ) 企画業務型
 14
説︼
法律 論 叢
︻論
第 七 四巻
第 二 ・三 号 (
二 〇〇 一 ・一〇)
企 画 業 務 型 裁 量 労 働 みな し 制 と
次
ホ ワ イ ト カ ラ ー の労 働 時 間 規 制 法
目
協 定 代替 決 議 制度
企 画 業務 型 裁 量 労働 みな し 制 の要 件 と効 果
一 企 画 業務 型 裁 量 労働 みな し 制 の制 定 経緯 と立 法 趣旨
はじ め に
二
お わり に
三
は じ めに
青
野
覚
企 画業 務 型 裁 量 労 働 み な し制 は、 ホワ イ ト カ ラー の新 らし い働 き 方 と働 か せ方 を 創 設 す る と いう 政 策 意 図 か ら 、 一
九 九 八年 労 働 基準 法 改 正 によ り制 定 さ れ 、制 度 の適 正 な運 営 を確 保 す る た め の指針 (
告 示 一四九 号 )や 労基 則 (
労 働省
O
0
1
5
令 五 一号 ) の整備 を 経 て、 二 〇 〇 〇年 四 月 に施 行 さ れ た。 同 制 度 は、 裁量 労 働 みな し 制 の先 行制 度 であ る専 門 業 務 型
裁 量 労働 み な し制 (一九 人 入 年制 定 ) と は、 ホワ イ ト カ ラー 労 働 時 間管 理 の新 たな 形 態 を 可能 にす る と いう 点 では 共
通 す る も の の、 制 度 の対 象 と要 件 に お い て著 し く 異 り、 労 基 法 の労働 時 間 規 制 に及 ぼす 影響 は い っそ う 大 き な も の で
あ る 。 さ ら に、 そ の規 制 の様 式 は労 基 法 の労 働条 件 規制 形 式 自 体 にイ ンパ クト を 与 え る 体 のも の であ り 、 加 え て、 労
型 裁量 労働 みな し 制 を 導 入 し て いる企 業 は ・ 対象 霧
の拡 大 し 空
九 九 三 年 法 改 正 と そ れ を 受け
働 時 間規 制 逸 脱 の要 件 と し て導 入さ れ た労 使 委 員会 制 度 が従 業 員 代表 制 度 とし て の展開 可能 性 を 持 つな ど 、 今 後 のわ
実 際上 ・ 専 門 霧
が国 の労 働 法 全 体 にも 大 き な影 響 を も つも のと な って いる。
(
-)
た平 成 九 年告 示七 号 を経 た現 在 でも 、全 体 で 二% 程度 に とど ま って いる。し か し、裁 量 労 働 み なし 制 を導 入 し て いな い
一
叢
企業 でも 裁 量 労 働 みな し制 自体 への関 心 度 墜 口
回侮
は導 入 を検 討 す る と積 極 的姿 勢 を 示 す 企業 は三 割 弱存 在 し て い菟
企 画業 務 型 裁 量 労 働 み な し制 成 立 直 前 の調査 では ・法 改 正 によ ・
論
て裁 旦里嵩
叢
年 数 が三 年 以 上 であ り 、 企 画 等 の霧
が七 割 以 上 占 め る 労讐
にあ .ても 、適 用 の実 態 的 要 件 であ る業 馨
理と
だ が、 現 実 の労 働 現場 で は、 現 行 企 画 業務 型裁 量 労 働 みな し制 の外 形 的 な 要 件 であ る本 社 勤 務 であ り 、 配属 部 署 で の
み なし 制 の対象 範 囲 が 拡大 され た場 倉
律
法
一
(4 )
労 働 時 間 管 理 の裁量 性 が認 めら れ た者 は そ の 二割 程 度 に す ぎず 、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し 制 の導 入 は困 難 な 実 態 に
あ る こと が指摘 さ れ て いた。 企 画 業務 型裁 量 労 働 みな し制 の導 入 状 況 は 、施 行 後 半 年 段 階 で、 全国 で労 使 委 員 会 設 置
(5 )
の届 出 は 九 人件 、 労 使 委 員 会 決 議 の届 出 件 数 は九 一件 で あ り、 今 日 でも 、東 京 都 に おけ る 最新 の調 査 でも 導 入 事 業 所
(6 )
は○ .七 % にす ぎ な い。 立 法 過 程 です で に多 く の論者 か ら予 想 さ れ て いた よう に、 導 入 が 進 ま な い大 き な 理 由 は ﹁
制
約 事 項 が多 す ぎ る﹂ ﹁手続 き が煩 雑 ﹂ であ る と さ れ て いる 。
こ のよう な 制 度 と運 用 実 態 を前 にし て、 使 用 者 側 と政 府 は、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し 制 の施 行 直 後 から 、 現 行制
度 の改 編 を は っき り と 指向 す る。 経団 連 は 、﹁二〇 〇 〇年 度 経 団連 規 制 改 革 要望 ﹂ (
二 〇 〇〇 年 十 月 一七 日) に、 雇 用 ・
講
↑
高度 な専 門 能 力 を 有す る ホ ワイ ト カ ラ ー 等 の増 加 と 能 力主 義 ・成 果 主義 賃金 な ど の労 働 条 件 の個 別 化 の進 行 そ し て 労
府 総合 規 制 改 革会 議 は ﹁重 点 六 分 野 に関 す る中 間 とり ま と め﹂ (二〇 〇 一年 七 月 二 四 日) のな か で、産 業 高 度 化 に伴う
○ 年 十 二月 一二日 ) のな か で、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し制 に つい て、 手 続的 要 件 の簡 素 化 と、 法 施 行 後 三 年 の見 直
叢
労 働 分 野 の重 点 要 望 項 目 と し て、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 み な し制 の対 象 業 務 の大 幅 な 拡 充 と 手 続 の簡 素 化 を 新 規 に加 え
翻
働
労
の
プ
相に当てた ・規制 改革 に ついての見解﹂ 三 ・・
防
拡 大 を挙 げ 、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 制 に ついて は、 法 施 行 三 年 後 の見直 し を 前 倒 し に し て、 本 秋 から 実 態 調 査 を 行 な つ
和委員ムムは・本部長 た・奮
イ
ワ
ホ
捷
ガ
観
に、 いわ ゆ る ホワ イ 蕩
本部 ・親鍵
観
労
量
裁
鯉
、高 度 な専 門能 力 ・ と .自 己 の裁量 の下 で畠
府 の行政改董
醸
に相 応 し い労 働 時 間規 制 の実 現 を
課 題 とな って いる 。
7
労基 法 の
フー
規制 改 革 会 議 は 、
+数年些
剛
ド と す る新 し い労働 者 像 と し て の ホ ワイ 占
.イ グ ザ 。プ シ .ンを考 慮 し て制 度 改 革 を 検討 す べき と し て いる .馨
に働 け るL を 幸
時期 を 繰 り 上 げ て早 急 に めざ す べき であ る と幽
・三・
、し て い奄
労働 時 間 規 制 の片 隅 に労 働 時 間 の算定 方 式 の例 外 制度 と し て誕 生 し た 裁量 労 働 みな し制 が、 今 や 労 基 法 改 正 の焦 眉 の
・
了
を高 度 な 専 門 能 力 を有 す る ホ ワイ ト カ ラ ーな ど の新 し い労 働 者 像 に対 す る新 たな 時 代 の雇 用関 係 の基 本 法 と す る た め
て 可 及的 速 や か に必 要 な 見 直し を す る と提 =
一
巳 て いる. さ ら に、 ・
新 し い労 働 者 像 に 応じ た制 度改 革 ﹂ と し て、 労 基法
意 識 から 、 ﹁就 労 形態 の多 様 化 を可 能 にす る規 制 改 革﹂ の 一つとし て ﹁自 己 の裁 量 の下 で自 由 に働 け る ﹂裁 量 労 働制 の
働者 個 人 の就 労 意 識 の多 様 化 から 生 ず る ﹁新 し いタ イプ の労 働 者 像 ﹂ には、 従 来 型 の法 規制 は不 適 切 であ る と の問 題
て は 労働 時 間 規 制 の適 用除 外 (
イ グ ゼ ンプ シ ョン) 制度 の検 討 が適 当 であ る と主 張 し た 。 さ ら に、 本 年 七 月 に、 内 閣
し に向 け て、 対 象 事 業 場 と対 象 業 務 の範 囲 の見 直 し を主 張 し、 さ ら に、中 長期 的 な 課 題 と し て ホ ワイ ト カラ ー に対 し
↓
1
15
52
1
本 稿 は、 根 本 的 な 改 正論 議 の火 中 にあ る と は いえ 、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し制 はあ く ま でも 労基 法 の労 働 時 間 規
制 の 一制 度 であ る 以 上 、 そ の労 働 時 間 規制 の基 本 理 念 が、 す べ て の人 に共 通す る ﹁時 間 ﹂ を 指 標 と し て労 働 者 の ﹁働
か さ れす ぎ ﹂ を 防 止 す る こと によ って労 働者 に人 間 に値 す る 生活 を保 障 し よう とす る と ころ にあ る ことを 踏ま え、 当
該 ホ ワイ ト カラ i 労 働者 の保 護 に欠 け る 結 果 を生 じ な いよう にす る こ とを 基本 視点 とし て、 現 行 制度 の諸 論 点 を 検 討
し、 そ こ から 、 改 正 す べき でな い点 と改 正 し ても よ い点 の検 討 を 加え て改 正 論議 への提 言 を 試 みる も のであ る。 さ ら
に 、 現行 制 度 が採 用 し て いる規 制 形 式 が 、特 に、 従 来 の労 使 協定 任 意 的 規 制 か ら労 使 委 員 会 決 議 任意 的規 制 に変 更 さ
主
(1)
(2) 九 社
% 会二
経済
九生
九産
九性
年度
本部
二生
・産
}性
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)究
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、 千﹁裁
人量
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上働
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企業
に関
です
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五調
・査
七﹂
%、
(一
三
九百九人四以年上)の企 業 では 四 ・ 一% と な って いる 。
平 成十 二年 度労 働 時 間等 総 合 実態 調 査 結果 (
労働 省 ) で は、専 門 業務 型 裁 量労 働 みな し 制 を導 入 し て いる企 業 の率 は、 一 ・
討 過 程 で考 察 を 加 え る も のであ る。
一 れ て いる こ と およ び規 制 の重 点 が従 来 の実 体 的規 制 から 手 続 的 規制 に変 更 さ れ て いる ・ とな ど の点 で ・労 働 条 件 規 制
叢
.
(
ヱ
の将来 のあ り 方 ・方 向 を 示す も の と評 価 さ れ る こ とも あ る こと か ら、 規 制 形 式 の政策 的 当 否 に つ いて も、 諸 論 点 の検
論
律
蝕
東 京 都産 業 労 働 局 ﹁
労 働 時 間管 理等 に関 す る実 態 調 査﹂ (二〇 〇 一年六 月 )
連 合総 研 ﹁裁 量 労 働制 の適 用 可能 性 に関 す る調 査 ﹂ (
二 〇〇 〇 年 )
連合 ﹁
企 画 業 務 型 裁量 労 働 制 の実施 状 況 に関 す る調 査 ﹂ (二〇 〇 一年六 月 )
日 本 人事 行 政 研 究 所 ﹁
雇 用 流 動化 時 代 におけ る企 業 の人事 管 理 諸施 策 に関 す る調 査 ﹂ (一九九 入 年 )
(
5)
荒 木 尚志 ﹁労 働 条 件決 定 ・変 更 と法 シ ステ ム﹂ ﹃
一= 世紀 の労 働 法第 三 巻 ﹄ 七 ・入 頁
(3)
(
6)
(
4)
(
7)
↑
擶
-
一 企 画 業 務 型 裁 量 労 働 み な し 制 の制 定 経 緯 と 立 法 趣 旨
制定 の経緯
四
ホ
廷
あ
勧
一
㍗
防
労 働 制 研 究会 は、 労 働 省 が 一九 九 四年 四 月 に 労働 基 準 局 長 の私的 研究 ム・と し て 設置 し たも の であ る. 一九 九 三 年 労 基
次 に、 この問 題 が、現 行 法 の形式 で論 じ られ る 切 っ掛け は、 一九 九 五年 四月 の裁 量 労働 制 研 究 会報 告 であ った。裁 量
わ る 者﹂ の具 体 的 業 務 範 囲 に つ いて の結 論 を得 る こと は 困難 であ る とし て 、 別途 検 討 の場 を 設け る と され た。
制 部会 報 告 の提 言 から 始 ま る。 そ こで は、 ﹁経 営戦 略 上 の問題 に携 わ る者 ﹂ へのみな し制 の適 用 拡 大 が提 言 さ れ て いた
が 、 そ の方 式 は、 専 門 業務 型裁 量 労 働 みな し制 の命 令 によ る列 挙 が考 え れ て いた。 し か し 、 一九 九 二年 十 二 月 の中央
企 画業 務 等 を 対 象 とす る労 働 時 間 みな し制 の導 入 に 関す る 立法 論 議 は 、 一九 九 二 年 九 月 の労基 法 研 究 会 労 働時 間法
臨
協 定 によ って 対象 業 務 が選 択 さ れ る ・ と にな った. そ ・ で、 同法 にも とづ - 対 象業 務 の拡 大 が同 時 期 の立 法 論 の焦 占⋮
劇
働
労
の
鮒
裁
型
務
蝶
・な 犠
型 裁量 労 働 みな し制 の対 象 業 務 の明確 化 と いう 意 図 にも と づ いて・ 対象 業 務 を 抽 象 的 に 定
研究 会 は 、 一九 九 五 年 ﹁裁 量 労働 制 に関す る研 究 会 報告 ﹂ (
以 下 裁 量労 働 制 研 究会 報 告 ) を 公表 し た。同 報 告 は 、当 面
を 経 て労 働 大 臣 の指 定 す る業 務 ﹂ の範 囲 が焦 点 と な った。 こ の検 討を 任 務 とし た のが、 裁 量 労 働 研 究会 であ った。 同
具体 濁 には 、労 基則 二 四条 の 二 の第 六 項 (
現 二 四条 の二 の 二第 二 項山ハ.
万) の 、そ の他 中 央 労働 基 準 審議 ム云の議
め る法 文 の文 言 が削 除 さ れ 、命 令 に よ って対 象業 務 が具 体 的 に特 定 さ れ、 そ の命令 で定 めら れ た 業務 のな か から 労 使
法 改 正 によ ・て・ 専 門 霧
労 働 基 準審 議 会 労 働 時 間部 会 報 告 で は、 専 門業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 の適 用 に なじ む ﹁高度 な 経営 戦 略 上 の問 題 に携
↓
53
1
4
-
措 置 す べき 事 項 と し て、 現 行 五 業 務 に類 似 す る業 務を 指 定 す る 必 要 があ る と の観 点 か ら 、① コピ ー ラ イ ター の業 務 ②
公 認 会 計士 の業 務 ③ 弁護 士 の業 務 ④ 一級建 築 士 の業 務 ⑤ 不 動産 鑑定 士 の業務 ⑥ 弁 理 士 の業 務 の六 つを、 労 働大 臣 の指
定 す る 業 務 とす べき と提 言 し た 。 そ し て、 同 研 究 会 は 、広 く ホ ワイ ト カ ラコ 労 働 者 が従 事 す る事 務部 門 に おけ る 一部
の業 務 を 裁 量 労働 制 の対 象 と し て 労 働時 間 制 度 の弾 力 化を 求 め る産 業 界 の要 請 に留 意 し 、新 た な 裁量 労 働 制 にお い て
はよ り 積極 的 に 労働 時 間 では な く 労働 の成 果 によ る 評価 を 可能 にす べき であ る と の意 見 を 踏 ま え て、 中 期 的 視 点 で新
たな 裁 量 労 働制 の在 り 方 を 検 討 す る。 そし て、 労 働者 の多 様 で自 律 的 な働 き 方 を 可 能 にす る な ど の原 則 か ら 、 高度 に
論
働 き 方 は労 働 時 間 の長 さ でな く 労働 の成 果 によ る 評価 を 可 能 にす る制 度 と考 え る 立 場 か ら、 みな し 労 働 時 間制 と いう
企 業 内 労使 委 員 会 で の協 議 と いう 方 法 も 検 討 す べき であ る と提 言 し た。 さら に、 同 報 告 は、 裁 量 労 働 制 と いう 新 た な
一 専 門 的 又 は創 造 的 な能 力 を 必 要 とす る霧 であ ・て業 務 命 令 か ら自 律 的 であ る霧 を適 用 対 象 とす べき であ る とし て・
叢
企 画 ・法 務 ・知 的 財 産 ・分 析 評 価 等 の業 務 を 挙 げ る。 そ し て手 続 的要 件 とし て 、労 使 協定 と届 出 と いう 方法 のほ か に、
律
法 的 効 果 の 現行 枠 組 みで は 不徹 底 であ り 、 本 来的 に は労 働 時 間 規制 の適 用 除 外 が 適 当 と提 言 し た。 た だ 、 現行 の労 働
法
一 時 間法 制 の原 則 を 外 し て し ま ﹂。 、 は大 問 題 であ る から 、 軽 々に 決 め ・ べき では な い・結 論 す ・. 本 報 止口は、 そ の基
本 認 識 及 び論 理 構 成 か ら 、 後述 す る ホ ワイ ト カ ラ ー労 働 時 間制 度 説 に依 拠 す る も のと評 価 さ れる も の であ った。
な お、本 報 告 に先 立 って 一九 九 四年 十 一月 に公 表 され た日 経連 裁 量 労働 研 究会 報 告 は 、 いわゆ る ﹁ホ ワイ ト カ ラー 生
産 性向 上 諭 ﹂ に依 拠 し て、 本 来 ホ ワイ ト カ ラ ー の労 働 時 間 は 労 基法 の労 働 時 間 規制 の適 用除 外 と す べき であ り 、 そ れ
への移 行 の 一つの在 り 方 と し て裁 量 労 働 みな し制 の対 象 業 務 を拡 大 し 定 着 さ せ る べ き であ る とし た。 この報 告 は、 す
で に裁 量 労 働 みな し制 度 を 実 施 し て いる各 企 業 の基 本 見 解 を総 括 す るも のと 位 置付 け ら れ るも の であ る。 そし て、 こ
こで は、 ホ ワイ ト カ ラ ー の業 務 で該 当 し な いも の はな いほ ど極 め て広 範 囲 の業 務 を 対象 とす べき と し て いる。 裁 量 労
九九五年三月に策定・れ た ・
鰻
和推進計画Lを再改訂ヒ
平成七年度か
働 制 研究 会 報 告 と 日 経 連 裁量 労 働 研 究 会 報 告 は、 基 本 認 識 の点 で軌 を 一にす る も の であ ると 言 え る。 そし て、 そ の後
九九七年三月 ≦
の中期 的 立 法 政 策 は 、 こ の裁 量 労 働 制 研 究会 報 告 を 軸 に論 じら れ て い った 。
府整
ら 平成 九 年 度 ま で の三 ヵ年 の規 制 緩 和 推 進計 画 L (
以 下再 改 訂 計 画) を 閣議 決 定 し た。 こ こ では、 労 働 時 間 に係 る規 制
・の護
鰯
し て大 幅 に拡 大 す る こと、 第 二 に、 裁 量 労働 みな し 制 に係 る時 間 外 労 働 .休 日 労働 .休 憩 に関す る規 制 の適 用 に つ い
卍
醐
働
労
の
恥
て当事 者 合 意 を 要 件 とす る 方式 を導 入 す る こ と、第 三 に、休 憩 の 一斉 付 与 規 定 の弾力 化 を は か る こ と、を 挙 げ て いた。
醸
鶴
労
量
裁
鯉
イ
ワ
ホ
k
卸
批
様 の .労使 委 員 ムム・ が決{
疋﹂
配 分 の決定 な ど に関 し 使 用 者 が 具体 的 な 指 示 をす る ・と が 困難
け る 企 画、 立案、 調 査 お よ び分 析 の業 務 ﹂ とす る。 そ し て、 具 体 的 な 対 象 者 に つ いて は ﹁業 務 の遂行 の手 段 及 び時 間
新 た な裁 目
星労 働 み なし 制 の制 定 を提 案 し 、第 三 の点 に つ いて は、労 使 協 定 に よ る適 用 除外 方 式 の導 入を 提 案 し て いた。
そ し て、同 年庭 中 に具 体的 方 策 を 検討 す る事 項 と し て、第 一に、裁 量 労働 みな し制 の対 象を ホ ワイ ト カ ラー の業 務 に関
の緩和 計 画 の対象 の 一つと し て の裁 量労 働 みな し制 に関 し て 、 一九 九 七 年 七月 ま でに 見直 し の方向 を決 定 す る と し た。
隔
↓
要 件 と し て、 労 使 委 員 会 で 対象 の具 体 的 範 囲 のほ か、 代償 休 日付 与 な ど の措 置 と苦 情 処 理 に つ いて決 定 す る こと と し
そ の決 {
疋の届 出 は不 要 ・す ゑ
労 働 みな し制 を 提 案す るも のであ る.そ の対 象 は、現
そ の効 果 は 現 行 と同 歪
な し 労 働時 間 制 と﹂
その
も の・ を 判 定 基 準 とし て、 現 行 時短 促 進 委 員 会 と 同
行 制度 の対 象 であ る ﹁専 門的 業 務 と は性 格 を 異 にす る﹂も の であ り、 ﹁本 社 お よ び他 の事 業 場 の本 社 に類す る部 門 にお
労働 省 の試 案 は、従 来 の裁 量 労働 みな し制 とは 別 の新 た な重
契 約 法 制 のあ り方 に つ いて﹂と題 す る労 基 法改 正試案 (以 下試 案 )を 提 示し た。労働 省 の試案 は、第 一の点 に ついて は、
この再 改 訂 計画 をう け て、 一九 九七 年 七 月 に、労働 省 は中央 労 働 基準 審 議 会 に対 し ﹁今後 の労 働 時間 法 制 お よ び労 働
踊
た。 ま た、 労働 者 本 人 の同 意 をう る こと 等 は 指針 とし て定 め る とし た。
6
1
一九 九 七 年 十 二月 の中 央 労 働 基 準審 議 会 の建 議 を へて労 基 法 改 正 案 が成 立 し 、 提 案 さ れ た が、 国 会 で の審議 は労 働
者 側 の反 対 に遭 遇 し て難 航 し 、 対象 労 働 者 の同意 を要 件 とす る こと 、労 使 委 員 会 の労働 者 側 委 員 の要 件 、 実施 状況 の
報 告義 務 な ど の修 正 が加 え ら れ た。 さら に、 労働 条 件 の適 正化 を 目的 とし た指 針 を 策定 す る た め に実 施 時 期 を 一年 延
期 す る こと と さ れ た。 加 え て 、新 裁 量 労 働 制 に つ いて は三 年 後 の見 な おし 規 定 が盛 り 込 ま れ た (
法 附 則 一 一条 一項 )。
改 正 法 (三八 条 の四 第 三 項) と指 針 にお いて業 務 対 象 を 可能 な か ぎり 明ら か にす る こ と と労 使 意 見 の尊 重す る こ と
企 画業 務 型裁 量労 働 み なし 制 の立 法趣 旨 と制 度構 想
に・労 基 則改 正 が交 付 さ れ ・
な ど を内 容 とす る衆 参 議 院 委員 会 付 帯 決 議 を 受け て、 労 基 局 長 の下 で の新 裁 量 労働 制 指 針 在 り 方 研 究 会報 告 が 一九 九
一 九 年九 月 に提 示 さ れ・ 同年 + 二月 中 央労 働 葦 護 △あ 答 申 を経 て・同 年 年 + 二 月 二吉
叢
指針 (
告 示 一四 九 号 ) が 告 示 さ れ、 二〇 〇 〇 年 四月 一日 に施 行 さ れ た。
2
妾
論
律
ω
趣旨・を めぐ ・ 見解
法
一
まず 、 一九 八 八 年労 基 法 によ る 専 門業 務 型 裁 量 労 働 みな し制 の趣 旨 に関 す る論 議 を 見 てお く こ と にす る。 行 政 当 局
上 不 可能 に近 い
L ・と から ・あ ら かじ め現 状 に近 い線 で労 使 協定 で労 働 時間 を みな す も の と解 し て い蒐
学説 の
は、 裁 量 労 働 み な し制 を 労 働 時 間 算定 の特 殊 な 方 法 と位 置付 け て いる 。 そ し て、 こ の理 解 に 立 って、 労 働 時 間 管 理 が
・髪
多 く も 、 立 法 過 程 で の政 府 委 員 の発 言 およ び労 基 法 上 の裁 量 労 働 みな し条 項 の配 置 を 重 視 し て、 本 制 度 を 実 労 働時 間
の算 定 は 客 観的 に は可 能 であ る が、 そ の業 務 の性 質上 、 使 用 者 によ る 厳格 な労 働 時 間 の把 握 を前 提 と し た 通常 の労 働
時 間 算 定 の原則 を 適 用 す る こと が ﹁不 適 切 ﹂ あ る いは ﹁困 難 ﹂ であ る 裁量 労 働 のた め に 特 に創 出 され た算 定 方 法 で あ
る と解 し て い蒐 ここ から ・ 裁 量 労働 みな し 制 は・ 裁量 労 働 者 の所定 労働 時 間 自 体 では 富
(
3V
理を 主 な 目 的 にし た も のと位 置 付 け ら れ る こ と にな る。
、 時 間 外 労 働 の適 正 な管
格 別 含 ま れ て いな い新 し い発想 に基 ぞ
↑
講
聞
時
働
砺
る こ の見 解 は、 裁 量 労 働 みな し制 は、 賃 金 制度 の成 果 主 義 化 を特 にそ の終 着 点 であ る年 俸 制 を 可能 にす る た め の制度
これ に対 し 、 裁 量 労働 みな し 制 を 労 働 の量 つま り 実 際 の労 働 時 間 数 に か か わり な く そ の成果 に応 じ た報 酬 制度 を可
プ
と位 置 付 け 、常 に賃 金 制 度 と の関連 で捉 え る 点 を特 徴 とす る 。 そ し て、 こ の見 解 は、 専 門 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 を
能 な ら し め る労 働 時 間制 度 と位 置 付 け 、 同制 度 の趣 旨 を ホ ワイ ト カラ ー に特 徴 的 な 裁 量 労 働 と いう 新 たな 働 き 方 に相
防
(
5)
導 入 し た企 業 に共通 す る導 入 の論 理 と志 向 を 正 確 に 反映 し た も のでも あ る。
働
労
腿
帆
裁 量 労 働制 と いう 新 た な働 き方 に関 す る 労働 時 間 算 定 制度 か ら さら に ホワ イ ち
働 基 準法 研 究会 労 働時 間法 制 部会 墾 . (一九九 二 年九 月 二 八 日)を 契 機 と し て いた.同 墾 .は 、裁 、
星労 働 みな し 規 定を
そ れ とも ホ ワイ ト カ ラ ー用 の新 たな 労働 時 間 制 が創 設 さ れ たも のと解 す る か の認 識 の差 に基 づく も の であ る。
こ の見 解 の対 立 は、裁 量 労 働 みな し条 項 の労 基法 上 の配 置 を重 視 し て労 働 時 間 算定 の特 殊 な方 法 の創 設 と解 す る か、
応 し い労働 時 間 規 制 方 式 を創 出 し たも のと 解 し て、 そ こ には実 際 の労 働 時 間数 に でき る だけ 合 致 さ せよ う と の要 請 は
(4)
制 度 で あ る と理 解す る見 解 があ る . ホ ワイ ー カラ ー 労 働時 間制 度 説 と呼 ば れ
イ
ワ
ホ
翫
鯉
質 さ せ よ う とす る立 法 提 言 であ ・た・ そ し て ・本 格 的 な ホ ワ イち
・
フー 労 働時 間規 制 制 度 へと 改 善 養
であ っ
ラ i 労 働時 間法 制 の立 法 化 へ向 かう ま で の当 面 の
同制度 の利用拡大 のために不 可欠な規制緩和を提言 した窃
間 部 会 報 告 (一九 九 二年 十 二月 一人 目) は ホワ イト カラ i労 働 時 間 問題 は議 論 を 煮詰 め るま で に は いた らず 、 ﹁とり あ
た。 そ し て 、 九 三年 法 改 正 作 業 は、 同報 告 を 基軸 に展 開 し た 。 た だ、 労 基 研 報 告 を 承け た中 央 労 働基 準審 議 会 労 働 時
みなし制 の利用を め萱
の みな し労 働 時 間制 適 用 問題 が ・具体 的 な 立法 論 議 の過 程 で・意 識的 に検 討 され る のは、労
蝶
対応策・して裁旦
嵩
な お・ ホワ イ ト カラ よ
↓
7
15
58
1
によ って特 定 す る こと が 提言 され る。 こ の対 象 業 務 の特定 方 法 の変 更 が 一九 九 三年 改 正 法 の目玉 とな った 。そ し て 、
えず は手 直 し ﹂ に止 ま る こと にな った。 た だ 、 こ こ で、 法 文 に つ いて の所 要 の整備 を お こな い、 同時 に 対象 業 務 を 命
令
同 年改 正 は内 容 的 に は ﹁中 途 半 端 な ﹂ も のに 終 わり 、 専 門 業務 型裁 量 労 働 み な し制 の制 度 趣 旨 の理解 に関 す る基 本 的
な対 立 は、 依 然 あ いま いな まま 残 こ った 。 つまり 、 以 上 の経緯 を た ど った 立 法 過 程 から は、 専 門 業務 型裁 量 労 働 みな
指摘 す る吉
に・ 専
し制 の制 度 趣 旨 の理解 に関 し て対 立 す る 見解 の いず れ が現 行制 度 の理 解 と し て 整合 的 かを 客 観 的 に 判定 で き る状 況 に
は な いと言 え よう 。
これ に対 し て ・前 述 し た企 画 業 務 型 裁 日
夏労 働 みな し 制 の立法 過 程 から は ・前 掲 の労 働 省 試 黍
門 業 務 型 裁 量 労働 み.な し制 と は異 な る ﹁新 た な ・別 個 の制 度 ﹂ とし て創 設 さ れ たも のと解 され る こと に な る。 そ し て、
前 述 し たよ う に 、 本制 度 の発 想 と制 度 設計 の基 礎 と な って いた の は裁 量制 研究 会 報 告 であ り 、 同報 告 はま さ に ホワ イ
[
叢
論
ト カラ i 労 働 時 間 説 そ のも の であ った。
は、 高 度 な 専 門 性 をも つ ﹁業 務 ・ の性質 から そ の働 き 方 に蔑
な董
性 が要 求 され 、 そ れ 故 に使 用者 の具 体 的 指 示 が
ま た、 具 体 的 に 両制 度 の相 違 を 見 る と、 ま ず 、 対象 業務 に関 し て、 専 門業 務 型裁 量 労 働 み な し制 度 の基 本 的 枠 組 み
律
法
一
困 難 であ り 、 そ の結 果 みな し 制 を適 用し て労 働 時 間 を算 定 す ると いう も のであ った。 そ れ 故 、同 制 度 の対 象 業 務 を確
定 す る た め の論議 は、 働 き 方 に高度 な裁 量 性 を 要 求す る高 度 な 専 門 性 をも つの は ど のよう な業 務 か と いう 視 点 か ら な
さ れ て いた のであ る。 これ に対 し て、 企 画 業 務 型 裁量 労 働 みな し 制度 は本 社 機 能 を は たす 部 門 の企 画 等 の業 務 を広 く
対 象 と す る も の であ り 、 個 別 業 務 の専 門 性 を 問 わ な いと いう 点 で、 ま ったく 異 な った 労 働時 間 みな し 制 度 であ る。
次 に、 手続 的要 件 に関 し ては 、専 門 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 の労使 協定 は、 強 行 法 規 か ら の逸 脱 を 承 認 す る 要件 と
いう 位 置 付け を も つも のと さ れ、 そ こ で の関 心 は、 も っぱ ら 制 度 の枠 組 み の制 定 にあ った。 これ に対 し 、 企 画 業務 型
裁 量 労 働 みな し制 度 で は、 労 使 委 員会 と いう 常 設 の労使 協 議 機 関 が、 同制 度 の設 計 か ら 運 用 ・監 視 ま でを 自主 的 に管
まξ
新し い労働時間制度・評価 ・装
理す るも のと さ れ て いる。 ただ 、 労働 時 間 算 定 の例 外 であ ると いう 労 基法 上 の位 置 付 け から 、 行 政 監 督 への届出 が残
本制匿
ざ・一
・の点 ξ
∵
立法 過 程 で の経 過 と 両制 度 の質 的 な違 いを 踏 ま え る と、 企 画 業 務 型 裁量 労 働 みな し制 の制 度 趣 旨 に ついて は 、 ホ ワ
・れ・のであ有
飾
イ ト カ ラー 労 働 時 間説 に依 拠 す るも のと解 さざ る を え な い。 た だ、 解 釈論 上 残 る問 題 は 、 両制 度 は、 と も に労 基 法上
か ・たも の毒
醐
あ る にも か かわ ら ず 、 両制 度 の制 度 趣旨 に相 違 を 認 め る こ とな る と、 新 旧 両制 度 の法 制 度 と し て の体 系 的 整 合 性 を ど
対 象 とし て・ みな し 効果 を 発 生 さ せる制 肇
蠣
の
プ
のよう に 理解 す べき か と いう 点 にあ 砺Q
労働 時 間 算 定 の例 外 と し て の位 置 付 け にあ り ・ 同 様 に ホ ワイ ト カラ 差
防
ω '企 画業 務型 裁 量労 働 みな し制 の制度 構想
四
ホ 概
企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し制 の基 本 的 な制 度 構 想 は 、 裁量 労 働 制 研 究 会 報 告 に はじ ま り 、 今 日 の立 法 論 議 の中 心 と
お いて自 律的 に業 務 を 遂 行 す る幅
糺
鶴
労
量
裁
狸
ド は、 .高度 な専 門 的 能 力﹂ と ﹁労 働 過 程 で の自 律 性﹂ であ る. ま さ に新 し い労 働者 タイ プ の†
規 制 改 革 会議 と りま とめ にも 此ハ
通 す る も ので あ る.
醸
の命 題 を 蔑
な ・て いる馨
↓
裁 量 労 働 制 研究 会 報 告 に よ ると 、 ﹁高度 に専 門 的 又 は創 造 的 な能 力 ﹂ あ る いは ﹁高 度 な 知 識 .技 術 等 の職 業 的能 力﹂ と
.・と にす ゑ
手
7
ド でも あ る. ・
.占
、
同腹 な 専 門 的能 力庭
7
のを 裁 目
星労働 制 とし て 設定 す る と いう も の であ る. こ ・ で の裁目
重労 働 の幸
は いか な ・実 態 に直 面 し て い・ のか を 見 て ぞ
され る 。 こ の専 門 的能 力や 高 度 な 職業 能 力 が ﹁会 社 の技能 ﹂ で はな く、 いわば ﹁職 ﹂と 評価 され る ほ ど のも のであ る と
す ・襲
同 構 想 の第 一の命題 は、 ﹁高 度 に 専門 的 又 は創 造 的 な能 力 を 必 要 とす る業 務 ﹂ にお いて ﹁使 用者 と の指 揮命 令 関 係 に
9
15
0
1
[
叢
論
律
き に は、 個 別 労 働者 に と って労 働 者 と し て生 き て いく 上 でよ り大 き な 自 律 性 をも つた め の最 も有 効 な 手段 であ る。 し
か し、 今 日、 一九 七 〇年 代 以 降 の産 業 労 働 の再 専 門 職 化 の進展 を 背 景 に、 専 門労 働 者 の職 業 的 技能 ・専門 能 力 は、 一
般 的 に、 す で に大 衆 化 さ れ た状 況 にあ る と指 摘 さ れ て いる。 こ こ で の専 門能 力 の大 衆 化 と は 、技 能 資 格 習 得 の可 能 性
(7 )
の非 常 な 拡 大 を意 味 し て おり 、 あ ら ゆ る 種類 の専 門能 力 や語 学 力 な ど が 、 いま自 分 のし て いる こと は、 他 の多 く の人
に も で き る 、 あ る い は 習 いさ え ず れ ば で き る と い う 状 況 に あ る と さ れ る の で あ る 。 今 日 で は 、 専 門 的 能 力 を 有 す る 労
働 者 は容 易 に代替 でき な い人 間 では な いの であ る ・ つまり ・ 大 衆 化 さ れ た 現在 の専 門 能 力 の有
様
働 者 は現 在 就 労 し て いる企 業 に つな が れ て いる の では なく 、 勤 務 先 を変 え て渡 り 歩 く こと も 可能 と はな る が、 企 業 に
と ・ては ・ 当薄
は、 従 来 の個別 労 働 者 と 使 用者 の労 働 力 交 換 過 程 に おけ る力 関 係 を 大 きく 変 更 す る 体 のも ので はな く 、 そ の意 味 で 専
門 職 労 働者 と は い っても ﹁強 い
﹂ 労 働 者 とは 言 い難 い状 況 にあ る。
第 二 の要 素 であ る ﹁労 働 過 程 で の自律 性 ﹂と は、 遇 とも と 、業 務 遂 行 手 段と 労働 時 間 配 分 に関 す る 自律 性 を 意 味 し て
お り 、 労務 管 理 論 で言 う 目 標達 成 方 法 の次 元 に 限定 され て いる も のであ る。 あ く ま でも 、 作 業 の達 成 目 標 の最 終決 定
法
﹁ 権 は使 用者 に留 保 さ れ て いる. し た が って、 労働 時 間 管 理 の側 面 で は、 目 撃 設定 さ れ指 示 さ れ る と 、 そ の達 成 の た
(8 V
め に投 入す べき 労 働 投 入 量 の総 量 つま り 労働 時 間 の大 枠 (労働 時 間 の長 さ ) は 、 明 示的 で はな いと し ても 、 事 実 上 決
定 指 示 され た も のと見 る こと こと が でき る。 た だ 、 こ の点 に つい て、裁 量 労 働制 研究 会 報 告 は、 ﹁労 働 時 間 の配 分 に つ
いて大 幅 な 裁 量 を有 す るも のであ る以 上 、労 働 時間 の長 さ (
労 働 の量 )﹂ に つ いて も裁 量 があ る と し て おり 、使 用者 に
よ る目 標 設 定 の持 つ この意 味 を ま った く 考慮 し て いな い。 し かし 、 使 用 者 の目 標設 定 によ る 労働 時 間 の総 量 の特 定 を
前 提 に、 そ の労働 時 間 の配 分 を 労働 者 の自 律 的 決 定 に 委 ね る の が、 こ こ で の自律 性 の内 実 であ り 、労 務 提 供 過 程 にお
け る自 律 性 は 極 め て限 定 さ れ た 範 囲 で のも の にす ぎ な い のであ るの な お 、 実際 上 も 、 業 務 管 理 の側 面 で の自 律 性 に つ
制
規
間
鵬
↑
型 的 な 労 働 形 態 に おけ る他 律 性 を 大幅 に低 下 さ せう る と いう 点 は 首肯 でき る. つま り 労働 者 にと ・て の畠
者 の自 由 が 拡 大す る面 も あ り 、 使 用者 から の労 働者 への権 限 委 譲 と いう 形 態 自 体 を 全 面否 定 す べき でな で なく 、 自 由
(
u)
度 の高 い労 働 時 間管 理 のあ り 方 と し て可 能 性 を 検 討す べき と の見 解も あ 奄 裁 .
舞 働 み なし 制 が、 テ ⊥ フ圭 義 的 定
こ の労 働 時 間 配 分 の自 律 性 を も って 、労 働 時 間 自 体 の長 さ は変 わ ら な く とも 、 労 働 時間 配分 が可 能 に な れ ば自 由 が感
じ られ る時 間 と な 募
働 時 間 の質 を変 化 さ せ得 るも のと な る と 評価 す る見 解 も あ 夢
た・ 形 式 的 にで はあ れ労 働
(
9)
いては 、必 要 に応 じ て自 分 で作 業 手 順 を変 えら れ る と答 え る ホ ワイ ト カ ラ ー は二 割 程度 にす ぎ な い実 態 にあ る 。た だ 、
嚇
り 、 ﹁新 し い働 き方 ﹂ の基 礎 と な り う る制 度 と 評価 す る ことも でき よう 。 ただ 、同 時 に、 労 働 時 間規 制 の実 労働 時 間 原
と長 さ だけ でな く 、業 務 遂 行 方 法 に おけ る裁 量 性 が要 件 とさ れ て いる こ と から も 、 労働 の自 律 性 が高 ま る 可能 性 があ
働 き 方 を 実 現 す る 可能 性 と いう 観 点 か ら は、 同 様 の制 度 であ る フ レ ック スタイ ム制 に 比較 し て、 単 に 労働 時 間 の配 分
度 の高 い
プ
カ
ト
イ
翻
の次元 で の自 律 性 の実 現 だけ では 労働 の自 律 性 の回復 に は+ 分 では な いで ・・ に留意 す べき であ ろ濾
め に活 動 す る と いう 意 味 で の他 律 性 の場 所 (
次 元 ) が変 わ った だ け であ る とも 雪目え る し、 そ も そ も、 労働 過程 の 一つ
則 の排 除 と いう 労働 時 間 みな し 制 の本 質 ゆえ に、本 制 度 は労 働者 に と って重 大 な 不 利益 に転 化 す る制 度 内 在 的 な リ ス
概
し
な
み
働
労
競
実
量 労 働 制 の下 で 働く ホ ワイ ト カ ラー 戦
・二
夏
従 来 の蕎
保 護 法 制 によ ・て把 え ら れ た ・傷
者L概念
積 極 的 に労 働 時 間 で はな く 労 働 の成 果 によ る評 価 を 可能 にす る ﹂ 立場 を表 明し 、 賃金 の成 果 主 議 化 と の連 動を めざ す
な お、 裁 量 労 働制 研究 会 報 告 は 、 そ の基 礎 と な った ホ ワイ ト カ ラ : 労働 時 間 制度 説 と 同様 、 ﹁新 たな 裁 量 労 働制 を、
の基 本 的 な 枠 組 み を はず れ ・も ので は三
以上 の点 か ら 裁
クを 含 む こと を確 認 し、 単 に使 用者 に と って の ﹁
新 し い働 かせ 方 ﹂ に 終 わ る危 険 が常 に存 在 す る こと に留 意 す べき で
(
12)
あ る。 さ ら に、 裁 量労 働 みな し 制 に おけ る労 働者 の自 律 性 の有 様 も、 他 者 によ って前 も って決 定 さ れ たあ る目 的 のた
鯉
蝶
↓
1
16
62
1
点 が本 構 想 のもう 一つの特 徴 と な って いる。 裁 量 労働 みな し 制 のも と で なけ れ ば賃 金 の成果 主 義 化 は実 現 でき な いも
の でも な く 、 現 に従 来 の月 給 制 ホワ イト カラ ー の場合 に は、 賃 金 の処 遇 は主 とし て成 果 等 を基 礎 に行 わ れ て いた の で
あ る。 し か し 、 人事 労 務 管 理 論 の観 点 から は、 労 働時 間 で測 定 さ れ た 労働 の投 入 が 成 果 に 比例 す る場 合 に は、 投 入 し
た労 働 の量 で賃金 を求 め る労 働 者 と成 果 を 以 て管 理 し た い使 用 者 の間 で 矛盾 は生 じ ず 、 労働 時 間 は労 働 と 成 果 の両 方
を 測 定 す る 指 標 と し て機 能 す る と さ れ る。 そ れ が 、裁 旦里労 働 制 のよう に労 働 の仕 方 を 労 働者 に任 せ る業 務 の場 合 、 労
羅 完的機能 が霧
管理 にと ・て決定的とな ・たと解析され麺
同意
に著
く重
労働制と
働 の投 入 と 成 果 の乖離 が拡 大 す る こと から 、 労 働 時間 は人 事 労 務 管 理 の基 盤 にな ら な く な り、 代 わ って、 成 果 主 議 的
一 賃金処遇 のも つ作善
裁 量 労 働 み な し制 の導 入企 業 の論 理 で強 調 さ れ て いるよう に、 ﹁時 間 に こ だわ ら な い働 き 方 の促 進 ﹂ と いう 導 入 意 図 に
成 果 主 義 賃 金 制度 と の連 動 は、 こ のよう な 労 務 管 理的 視 点 から 不 可 欠 なも の であ った の であ り、 さら に、 専 門 業 務 型
論
(
15∀
応 え るも のと 評 価 でき る。
叢
律
同 構 想 の第 二 の命 題 は、 裁 量 労働 制 の法 的 効 果 と し て、 労 働 時 間 の算定 に つい て実 労 働時 間 に よ る と いう 労 基 法 の
法
一 労 働 時 間 規 制 原 則 の適 用を 除 外 す る 。と が適 当 であ る とす るも ので あ る. .あ 命 題 の根 拠 と し て、 裁 .
舞 働制研究会
報 告 は、労働 時 間 の長 さ (
労 働 の量 ) と労 働時 間 の配 分 に裁 量性 があ る こと から み なし 制 では裁 量 労 働制 の趣 旨 が ﹁あ
いま いに な る﹂ こと 、お よ び裁 量 労働 制 が成果 主 議 の促進 の立 場 に 立 つと みな し 制 で は ﹁不 徹 底 であ る﹂ こ とを 、挙 げ
て いる。 第 一の論 拠 の前 提 認 識 は 、前 述 し たよう に、 実態 を 正 し く 捉 え たも の と はとう て い言 えな いこと な ど 、 適 用
除外 を 選 択 し た 政 策的 判 断 には 説得 力を 欠 く も のと 言 わ ざ るを え な い。 そ も そも 、 現 行 の適 用 除外 の対 象 であ る 管 理
監 督 者 は、 判 例 法 上も 、 職 務 と 地位 の実 態 から 見 て経 営者 と 一体 的 な 立場 にあ り 、 出 退 勤 に つ いて自 由 裁 量 の権 限 を
有 し厳 格 な 労 働時 間 の制 限 を 受 け な い立 場 にあ る こと を基 本 的 要 素 と し て 判定 され てお り 、・
つま り、 こ こ で の検 討 に
そ って言 え ば 、 労 働時 間 の配 分 に つ いて の裁 量 と 労働 の量 (
労 働 時 間 の長 さ) の裁 量権 限 を とも に持 つ者 と さ れ て い
命 題 は、 専 門 業務 型裁 量 労 働 みな し制 を 導 入 す る 企業 が、 労 働 時 間管 理 の弾 力 化 の視点 から 、 裁 量 労 働 み なし 制 を フ
地 位 ・処 遇 にあ ・者 であ ⋮
一四基 発 一五 〇 号 ) に よ って適 用 除 外 の対 象 とさ れ た スタ ッフ職 も、 部 下 が いな いだ け で本 来 の管 理 監 督者 と 同等 の
る。 ま た 、昭 和 五 〇年 代 初 頭以 降 の諸 通達 (昭和 五 二 ・二 ・二八 暴 発 一〇 四 号 の二、 同 暴発 一〇 五 号 、昭 和 六 三 二 二・
ト
レ ック スタ イ ム制 か ら労 基 法 の適 用 除外 の中 間 に 位 置付 け て、 み な し制 から ﹁もう 一歩 抜 け 出 た ﹂制 度 を希 求 す る傾
応 え たも のと・ 評価 でき る・ とも かく ・ 今 次 の改 正論 議 のな か で裁 目
重労 働 制 の効 果 を適 用 除 外 と
た裁 量 労 働 みな し制 の対 象 労 働 者 と管 理監 督 者 は そも そも 類 型 を 異 にす るも のな の であ る・ さら に・ こ の構想 の第 二
のみ が与 えら れ
嗣
向 が見 ら れ る こ欝
し た が ・て・ 労 働時 間 の配 分 燈
輔
働
労
の
プ
が、 適 用除 外 の論 拠 ・ な ・て い菊
防
唐 津 博 ﹁みな し 労 働時 間 制 ﹂ ﹃労働 時 間 法 論﹄ 二七 七 頁
伊藤庄平 .
労 働 基 準法 の改 正 ﹂ 労働 法 学 研 究会 墾
・・
了
頁
労 働時 間制 度 説 の問 題点 ・ つ ・て拙 稿 ・ホ ワ て
的 な 企 業 で は・ 導 入 目的 が ホワ イ ト カ ラー の働
カラ ー 労
す べき か 否 か は、現 行 適 用 除外 制 度 自 体 の重 大 な変 更 と な るも の であ る こ と から も、 さ ら に慎 重 な 検 討 が必 要 と な る。
(・)
渡 辺 章 ﹃わ かり や す い改 正労 働 時間 法 ﹄ 九 七頁
九 二六 号 =
(
2)
菅野和夫 .
新 労 働 時 間法 のす べ・・ = ・ 頁、 ホ ワ歪
注
(
3)
イ
ワ
ホ
と
制
批
(
・)
型 裁 量 労働 みな し 制) を 導 入 し た袋
の特 徴 は 、裁 量 労 働 み な し の導 入 が労 務 管 理制 度 全 体 の成果 主 義 的 再 編 のな か に位 置付 け ら れ 、成 果 主 義 的 賃金 制 度 と の結
び つき が当 然 の こと と捉 え ら れ て いる点 にあ る。 詳 細 は、 拙 稿 前 掲 法 学新 報 一〇 一巻 九 ・十 号 三 九 五頁 以 下 参 照
イ ム制 と労 基 法 適 用 除外 と の中 間 に位 置 す る も の と位 置 付 け て いる。 第 二
き徴
特
放
方
がを
期
の変
第革
待
さ
一す
れ
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導
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と
入労
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労働
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時
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間
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制
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の生
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展向
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捉に
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直点
接的
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果て
とし
いる
て。
労さ
働時
ら間
に、
管同
理制
か度
ら の導
使入
用論
者理
の解
の
裁 量 労 働 みな し 制 (
現 在 の専 門 霧
働 時 間 管 理 問題 と裁 量労 働 みな し制 L 法 学 新報 一〇 一巻 九 ・十 号 四 〇八 頁 以 下参 照 。
み
働
労
(
三
濾
型
繍
噸
ヨ
ー6
(
8)
(7)
(
6)
佐 藤 博樹 ﹁ホ ワ イト カ ラ ー の働 き 方 と労 働時 間 管 理 のあ り方 ﹂ ﹃
裁 量 労働 制 の適 用可 能 性 に関 す る 調査 研 究 報 告書 ﹂ 一一頁
浪 江 巌 ﹁﹁裁量 労 働 制 ﹂ と労 働 時 間管 理 ・作 業管 理 およ び 賃金 管 理 L 立命 館 経 営 学三 六 巻 六 号 十 頁以 下
ア ンド レ ・ゴ ル ツ ﹃労働 の メタ モ ルフ ォー ズ ﹄ 一二七 頁 以 下
大沼邦博 ﹁
改 正労 基 法 の政策 と 法 理 (
中 )﹂ 労旬 一四六 三 号三 二頁 は 、体 系 整 合 性 は欠 け て いる と評 価 し て いる。
(
11)
ア ンド レ ・ゴ ル ツ前 掲 = 二五 頁 以 下
浪 江 巌 前 掲 一 一頁
浪 江 巌前 掲 一 一、 二 一頁
16
(
9)
(
12)
余 暇 開 発 セ ンター ﹃
時 間 と は、 幸 せ と は﹄ 四 三 頁
以下
(
13)
今 野 浩 一郎 ﹁ホ ワイ ト カ ラー の労働 時 間 管 理 ﹂ 日本 労 働 研究 雑 誌 四 八 九号 四 九 頁 、浪 江 巌 前 掲 一入 頁
(
10)
一
(
14)
菅野和夫 ﹁
労働法 (
第 5補 正 版 ご 二五 六 頁
拙稿
企 画 業 務 型 裁 量 労 働 み な し 制 の要 件 と 効 果
前 掲法 学 新 報 一〇 一巻 九 ・十 号 三 九 八 頁
前 掲法 学 新 報 一〇 一巻 九 ・十 号 三 九 六 頁
叢
(
16)
二
拙稿
概要
(
17)
(
15)
論
律
一
法
1
現 行 企画 業 務 型裁 量 労働 みな し 制 は、そ の効果 に ついて は、労 基法 上 の労働 時 間 に関 し て 、客 観 的 に測定 され る 実際
の労 働 時 間 の量 に関 わ らず 、 =疋の量 であ る と み なす と いう 効 果 を持 つ点 で、 専 門 業 務 型裁 量 労 働 みな し 制 と 異 な る
も ので は な い。 し かし 、 そ の要 件 に お いては 、 大 きな 相 違 があ る 。第 一に、 労 基 法 の強 行規 定 の逸 脱 制 度 と し て、 専
門 業 務 型 裁量 労 働 みな し制 が労 使 協 定 の締結 と届 出 と す る のに対 し て、 企 画業 務 型 裁 量 労 働 み な し制 は労 使 委 員 会 の
設 置 と 決議 そし て、 そ れ ら の届 出 を 必 要 と し て いる。 第 二 に、 適 用 対 象 は 、現 行 専 門 業 務 型 裁量 労 働 みな し 制 では命
防
鯛
働
労
の
プ
櫛
も に ﹁制 度 実 施 に 関 し て当 事 者 が留意 す べき 事 項 を定 め る﹂ と す る も のであ る 。 し た が って、 労 使 委 員 会決 議 事 項 の
法 源 とす る点 で、 特 徴 を持 つ。指 針 は、 法第 三 八条 の四 第 三 項 に基 づ い て ﹁労 使 委 員会 決 議 事 項 ﹂を 明 ら か に し、 ﹁対
さら に、企 画業 務 型 裁量 労 働 み なし 制 は 、労基 法 上 の規 定 お よび 施 行規 則 の他 に指 針 (平成 一 一年 告 示 }四九 号 )を
同意 を問 題 にし て いる 点 が、 特 徴 的 であ る。
働 み な し制 で は対 象 業 務 の限 定 が比 較 的 緩 や か に定 め ら れ て い るも の の、 対象 事 業 場 が 限定 さ れ、 さ ら に対 象 労働 者
型 裁 量労
イ
ワ
ホ
比
も
批
が広 一 公 式 に知 ら せ る公 示 形 式 た ゑ 、示 によ り 明 ら か にさ れ た関 係当 事 者 が準 拠す べき 行 為 準 則 であ り 、単 な る行 政
に限 ・ れ て い ・ の に対 ・ て・ 企 画 霧
働
労
量
裁
鯉
指 導 の根 拠 と な る ガイ ド ラ イ ・を上 回 る法 的 拘 束 力 をも つと 解 さ れ る. 行 政 解 釈 も 、指 針 全 体 は 、 労使 関 係 者 に向 け
に よ ・て専 門 的 業 務 の類 型 が限 定 列 挙 ・ れ・ そ のな か の業 務 の翻
醸
た ガイ ド ・
ブイ ンであ ってそ れ 自 体 が法 的 拘束 力 を 持 つも の では な い・し つ 竃
∵
↓
てな され た場 合 は、 法 の規 定 自 体 に反 す る こと に な るも の であ って、 そ の結 果 み な し労 働 時 間 の効 果 が生 じ な いと し
て 、 同 規 定 が 一種 の 有 権 的 解 釈 で あ る こ と を 承 認 し て い る
(平 成 一二 ・ 一 ・ 一基 発 一号 )。
、具 体的 に 明・ か にす ・事 項 ・ に反 し
規定 ﹂ 及 び ﹁当事 者 が留 意 す べき事 項﹂ は、 立 法者 意 思 に基 づ き 、
●法 規 命 令 に準 じ た国 家 行 政 組 織 法 三条 の行 政 機 関
規定 は法 律 の委 任 に基 づく 法 規 命 令 (
国 家 行政 組 織 法 一四条 ) と解 さ れ る。 そ し て、 ﹁実 施 す る た め⋮ 法 規定 を定 める
いて ﹁同法 を 実 施 す る た め に﹂﹁同条 の規 定 を 具体 的 に 明ら か にす る 必要 があ る と認 めら れ る事 項 ﹂を 規 定す す る とと
象業 務 ・対 象 労 働者 の範 囲 を 指 針 に お いて具 体 例 を も って可 能 な 限 り 明確 化 す る﹂ と いう 衆 参 両 議 院 附 帯 決議 に基 づ
の範 囲 に限 定 が付 さ れ て いる・ 第 三 に・制 度 の適 用 に つ いて は・ 企 画 業務 型裁 量 労 働 み な し制 が適 用 労 働 者 の個 別的
5
16
、
叢
論
律
一
法
166
適
用
対
象
対 象 事 業場
が 生 ま れ て き た の で あ る . そ し て 、 .あ
地 域 統 轄 支社 ・支 店 等 であ る と され る (
指 針 第 2)。
.層 と し て の ホ ワ イ ト カ .
フー ﹂ を 捉 え る 対 象 の
には 、本 社 ・本 店 、及 びそ れ に準 ず る 企 業 等 の事 業 運 営上 の重 要 な 決定 を 行 なう 権 限を 分 掌す る事 業 本 部 、地 域 本 社 、
適 用事 業 場 は ﹁事 業 運 営 上 の重 要 な 決定 が行 わ れ る事 業 場 ﹂ であ る (法三 八 条 の四第 一項 本 文 )。指 針 で は、 具体 的
ω
捉 え 方 が、 今 次 の改 正 論議 に おけ る適 用 対象 の拡 大 の論 理 的 可能 性を 提 供 す る こと に な った の であ る。
務 の 特 定 を 委 ね る と い、
つ懸
困 難 な業 務 を 対 象 とし て いる。,さら に、 そ こか ら、 後 述 す る 労使 代表 者 から な る 労使 委 員 会 の決 議 に 具体 的 な 対 象 業
に 、本 社 中 枢 業 務 を 担う 層 に適 用範 囲 を 限定 す るも の であ り 、 そ も そも 対 象 業 務 を 一律 的 .画 一的 に 特定 す る こ と が
画 業 務 型裁 量 労 働 みな し制 は、 ま ず 、 業 務 と し て の境 界 線 が 不 明確 な ﹁層 と し て のホ ワイ ト カラ ー 労 働﹂ を捉 え、 次
専 門 性 に注 目 す る も の では なく 、 本 社 機能 を は たす 部 門 で の企 画 等 の業 務 を 広 く対 象 とす るも の であ る。 つま り、 企
働時 間 を算 定 す る と いう も のであ ったか ら であ る。 これ に 対 し て、 企 画 業 務 型 裁量 労働 みな し 制 は 、 個別 対 象 業 務 の
ら そ の働 き方 に高 度 な 裁量 性 が要 求 さ れ 、 そ れ故 に使 用 者 の具体 的 指 示 が困 難 であ る こ と から 、 みな し制 をも って労
も のは ど のよう な 業 務 かと いう 視 点 か ら対 象 が 特定 され て いた。そ れ は、同 制度 が、高 度 な専 門 性 をも つ業 務 の性 質 か
適 用対 象 に関 し て、 専 門業 務 型 裁 量 労 働 み なし 制 では 、 そ の働 き方 に高 度 な 裁量 性 を 要 求 す る 高度 な専 門 性 を も つ
2
労 働 省 試 案 お よ び中 央 労 働 基 準 審議 会 建 議 の ﹁本 社 およ び他 の事業 場 の本 社 に類 す る 部 門﹂ と いう 文 言 が 、法 文規
翻
↑
針 に関 わ るも の と解 さ れ る こと から 、 非 本社 事 業 場 の判 定 に際 し て は、 当 該非 本 社 事 業 場 の属す る企 業 等 に係 る 事 業
し て の企 業 単 位 で の概 念 と解 され る こと に な る。 そ し て 、事 業 運 営 上 の重要 な 決 定 とは 、 企 業全 体 の基 本 的 な 経 営 方
ユ。
し た が って 、事 業 と いう 法 文 上 の文言 に関 わ ら ず 、 法 人 と
法意 思 は ﹁企 業 単 位﹂ であ る こ と には変 更な いと さ れ る
定 の表 現 に変 更 さ れ た が、 それ は本 社 と いう 用 語 が 法律 用語 では な いと いう 法 文 形 式 上 の事 情 によ るも の であ り 、 立
輔
運基
る (
指 針 第 2 の2 ω). ま た、 指針 は、非 本 社 事業 場 の判定 に関 し て 、同 事 業 場 への役 員 の常 駐を も って対 象 簗
体 に大 きな 影 響 を 及 ぼす 決定 (
例 基 業 計 画 の決定 ) を 行 な う 権 限 が与 えら れ て いる か 否 か が判 断 の決 手 と な
蠣
あ り と 推定 さ れ ると し て いる (
第 2 の2 ω )。 実 務上 、 労使 委 員 会 設 置届 出 (
様 式 一三 号 の三 ) に は、 常 駐す る役 員 の
場性
プ
の
防
有 無 に ついて の記 載 欄 が用 意 さ れ て おり 、 これ に よ って適 用 事業 場性 が推 定 さ れ る ことな る。 な お 、 ここ で言 う 役 員
ホ ワて
カ ラー の自 律 的な 働 き 方 に 注目 す る 改 正義
の観点 から は、
次 に、 業 務 遂行 のあ り 方 に つ いて は 、② 業 務 の性 質 上 業 務 遂行 の方 法 を 大 幅 に 労働 者 に委 ね る 必 要 があ る業 務 で、 か
対 象 業 務 は、 業 務 の性 質 に つ いて は、 ① 業 務 の運 営 に 関 す る事 項 に つ いて の企 画 、 立案 、 調 査 及 び分 析 の業 務 で、
ω 対象霧
本 社 等 と同 様 の業 務 を 遂行 す る非 本 社 事 業場 の同 種 の労働 者 への適 用 の拡 大 が当 然 求 め ら れ る と ころ とな ろう 。
こ の限 定 には 論 理的 な 必然 性 は見 いだ し えな 吃
た だ、 こ の適 用 事業 場 の要 件 は、層 とし て捉 え た ホ ワイ ト カラ ー の範 囲 を 限定 す る要 素 の 一つと位 置 付 けら れる が、
れる (
平 成 一二 . 一 .一基 発 一号 )。
は、 原 則 と し て商 法上 の取 締 役 を い い、 執 行 役 員 は商 法 上 の取締 役 に準 ず る権 限 を も って いる場 合 に ﹁役 員﹂ と解 さ
財
ホ
と
制
航
動
鮒
裁
型
礁
↓
7
-
68
1
つ③ 業 務 遂 行 手 段 及 び時 間 配 分 の決 定 に関 し て、 使 用者 が 具体 的 指 示 を し な い業 務 、 の いつ れ にも 該 当 す る こと が 必
あ り 、 た と え該 当 し な い業 務 を 労使 委 員 会 で決議 し ても 、 みな し効 果 は生 じ る こと は な い (
三 八 条 の四 第 一項 一
要で
号 、 指 針第 3 の一ω イ)。
まず 、 業 務 の性 質 に ついて の要件 のう ち 、 業 務 の運 営 に関 す る 事 項 に つ いて の業 務 と いう 要 件 は、 前 述 し た 適 用 事
業 場 の解 釈 と同 様 、企 業全 体又 は事 業本 部 全 体 の運 営 に影 響 を 及 ぼす 業 務 であ ると解 さ れ る (
指 針 第 3 の一 ω イ )。 次
に、 企 画 、 立案 、 調 査 及 び 分 析 の業 務 と いう 要 件 は、 企 画 、 立 案 、 調査 及 び分 析 を 相 互 に関 連 し 合 う 作 業 を 組 合 せ て
行 なう こと を内 容 とす る 業 務 で あ り、 個 別 労 働者 が遂 行 を 命 じ ら れ た業 務 であ 駆 、 部 署 の業 務 全 体 で はな い (指針 第
修 計 画 策定 、 財 務 経 理 部 署 で の財務 計 画 策 定 、広 報 部 署 で の広 報 企 画、 営 業 企 画 部 署 で の全 社 的 な 営 業 計 画策 定 、 生
3 の一 ω ロ)。指 針 で は、具 体 的 に、経 営 企 画部 署 で の経 営計 画 ・社 内 組 織 策定 、 人事 労務 部 署 で の人 事制 度 ・教育 研
講
産 企画 部 署 で の全 社的 な 生 産計 画 策 定 な ど の業 務 が 例 示さ れ て いる (
指 針 第 3 の一 ω ロ)。 企 画 等 の業 務 に限定 さ れ た
叢
律
理 由 は 、 こ れら の業 務 の性 質 か ら働 き 方 に つ いて の裁 量 性 が高 く、 それ 故 裁 量 労 働 みな し制 の適 用 に 相応 し いも の と
法
﹁ 判 定 さ れ た こ と によ る 。 し か し、 実 際 は 、 企 画等 の業 務 に従事 す る労 働 者 の業 務管 理 と労 働 時 間 管 理 の裁量 の 程度 は
(
3)
そ れ 以外 の業 務 の従 事 労働 者 の裁 量 の程 度 に 比 べ て特 に高 いも ので はな いと いう 実態 が指 摘 さ れ て いる。 この こ と か
ら す る と、 今 後 の立 法 論議 で は、 企 業 全 体 の運営 に重 大 な 影響 を 及 ぼす 程 度 の重要 な業 務 性 を 要 件 とす る こと は業 務
の高 度 性 を 求 め る 点 か ら不 可欠 とし ても 、 企 画等 の業 務 に 限定 す る こと.
には 疑 問 が 呈 され よ う 。 た と え ば、 裁 量 労 働
制 研究 会 報 告 が 対象 業 務 と し て いる ﹁高 度 な 法 務関 係 業 務 ﹂ ﹁高度 な 特 許 ・知 的 財 産関 係 業 務 ﹂な ど への拡 大 が議 論 さ
れ る可 能 性 も 高 い。 し か し、 同 報 告 が指摘 し て いるよ う に 、使 用者 側 が 日経 連 裁量 労 働 研 究 会 報 告 (一九 九 四 年 十 一
月 ) 以 来 強 く 要 求 し て いる営 業 ・渉 外業 務 は、 そ も そ も 顧客 と の関 係 で労 働者 の裁 量 が規 定 さ れ 、 さ ら に労 働 時 間 帯
が他 律 的 に設 定 さ れ る な ど業 務 遂 行 のあ り方 の要 件 を充 たす も の では な い こと から 、 対 象業 務 とす る には 不 適 切 な も
のと解 さ れ る。
.
あ る事 業 場 外 労 働 みな し制 が、 業 務 場 外 労働 の労 働 時 間 は使 用者 によ って客 観 的 に把 握 す る こと が でき ず 、 そ れ 故 に
務 と いう 要 件 は、 当該 業務 の性 質 に 照 ら し て客 観 的 に そ の必 要 性 が 存す るも の でな け れ ばな らな い (
指 針第 3 の 一ω
に委ね ・必要があ・業
労働 時 間 算 定 が困 難 で あ る と いう こと を前 提 とし て いる の に対 し て、 裁量 労働 みな し 制 は そ の労 働 時 間 は 客 観 的 に把
遂行の方法を大幅に労讐
継
握 で き る にも かか わ らず 業 務 の性 質 上 そ の業 務 遂 行 を 労働 者 の裁 量 に委 ね る必 要 があ る こと を みな し 制 適 用 の論 理的
霧
繭
働
労
の
ト
の性篁
防
業 務遂 行 のあ り 方 に つ いて の要 件 のう ち 、③ の業 務遂 行 手 段 及 び時 間配 分 の決 定 に関 し て使 用者 が具 体 的 指 示 を し
(
4)
な い業務 と いう 要 件 は 、専 門業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 と 共通 す る解 釈 論 上 問題 の多 い要 件 で あ る。 こ こ で労 働者 に委
のあ・方に ついての要件 の墓 ・② の霧
イ
ワ
ホ
廷
制
就
容 の指 示 .変 更 権 限 、各 段 階 で の進 捗 状 況 の報 告 を 義 務 づけ る権 限 、 出勤 を義 務 付 け る 権 限 は、 使 用 者 に保 持 さ れ続
楽舞
働
労
量
裁
鯉
け る と解 さ れ る (
指 針 第 3 の一② ハ). こ ・ では 特 に、 使 用 者 が指 示す る霧
↑
蝶
こ こで の労働 者 の労 働 時間 配分 等 の権 限 を虹⋮
主
思味 ・し て し ま -場 合 が 問 題 ・な ゑ
のは 、業務 の遂 行方 法 と 労働 時 間 の配 分 のみ であ り 、業 務 の基本 的 な 内容 自 標 ・期 限 およ び基 本的
が ら 、使 用者 に留 意 を促 す に止 ま って いる (
指 針第 3 の 一ω ハ)。 こ れら の事項 に ついて の労 働 者 の決定 権 限 が 実態 上
や 期 限 の設定 が不 適 切 であ る場 合 に は、 労働 者 から 時 間 配分 の決 定 に関す る裁 量 が事 実 上 失 わ れ る こ とが あ る と しな
指 針 は 、業 務 旦里が過 大 であ る 場A.
内 容 や期 限 によ り 特定 さ れ る業 務 量 が、
な 遂 行方 法 に つい て の指 示 は含 ま れ な いと解 され る。 そ れ ゆ え、 遂 行 に つ いて の基 本 的 指 揮命 令 権 、 基 本 的 な業 務内
ね る ・ とと さ 馨
前 提 と し て いるも ので あ り、 こ の要 件 は制 度 の本 質 に 根 ざす 意 義 を 持 つ重 要 な 要 件 であ る。
ハ)。 こ の要 件 は 、専 門業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 の要 件 に共 通す るも のであ る。 つま り、 みな し 制 のも う 一つの類 型 で
↓
9
16
70
1
一
叢
論
律
法
も 意 味 あ る こと が本 制 度 の前 提 で あ る こ と から 、 客 観的 に見 て過 大 な業 務 量 が使 用 者 によ って決 定 さ れ た と判 断 さ れ
(5 )
る場 合 、 具 体的 に は、 長 時 間 労 働 が 恒常 化 し て いる 場合 な ど に は、 労働 者 の決 定 の自 律 性 は 事実 上 疎 外 さ れ て いる と
を 有 Lし (
三 八条 の四 笙
項二 号 )・対 象 業 務 に ・常
解 され 、 こ の要 件 は充 足 さ れ て いな いと評 価 す べき であ る。 こ の要 件 は 、形 式 的 の みな らず 実質 的 に充 足 さ れ な け れ
対象労働者
に遂 行す るた め の知 識 ・経 馨
ばな ら な い本制 度 に と って の根 幹 的要 件 であ る。
ω
対 象 労働 者 は・・対 象 業 務 を 蕩
知 識 ・経 験等 を有 す る 労 働 者 に 限定 し た の は、 対象 業 務 に従 事 し て 職務 遂 行 手 段 の適 切 な 選択 と労 働 時 間 の自 主 的
態 とし て従 事 し て いる﹂ こと (指 針第 3 の 2ω ) が求 め ら れ る。
(6 )
調 整 を 可能 にす る だけ の知 識 と 経 験 があ る労 働 者 にあ って はじ め てそ れ ら の裁 量 性 が 現 実 のも のとな り、 裁 量 みな し
制 を 適 用 でき る と いう 趣 旨 によ る も の と解 さ れ る 。 こ の観 点 から す る と 、本 要 件 は本 制 度 に 不 可欠 な も の と位 置 付 け
(7 )
[ ら れ る 。 た だ、 制 度 設 計 の時 点 で は、 企 画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 では 対象 業 務 が広 範 で あ り、 対 象 業 務 の み では 対
象 労 働 者 を 適 切 に特 定 でき な いお そ れ があ る こと を考 慮 し て設 定 さ れ た も の と指 摘 さ れ て いる。
指 針 は、 労使 委 員 会 が、 知 識 ・経 験等 の存 否 を 判定 す る場 合 には 、 職 務経 験 年 数 、 職 能 資 格等 の具 体 的 基 準 を 決 議
で 明ら か にす る 必要 があ ると さ れ、 大卒 後 少 な く と も 三 ∼五 年 程 度 の職務 経 験 を 経 た う え で 、 そ の知 識 ・経 験 等 の有
無 の判 定 対 象 と なり う る とし て いる (
指 針 第 3 の2)。 常 態 と し て対 象 業 務 従 事 す る と の文 言 は、 ﹁指 針 の在 り 方 研 究
会 報 告 ﹂ と 指針 と が相 違 し て る と いう 経 緯 を 重 視 す る と、 限 定 的 に解 釈 せ ざ るを え ず 、 対象 業務 に従 事 す る労 働 者 が
非 対 象 業 務 にも 部 分 的 ・ 一時 的 に従 事 す る場 合 は ﹁
常 態 と し て﹂ 対 象 業 務 に従 事 す る こと にな ら なず 、 本 要 件 を 欠 く
ト
(
8)
も の と 解 さ ざ る を え な い。
出等
労使 委 員会 の性 格 と任 務
3 労使委員会の設立と決意
ω
労使 委 員会 方式 の趣旨 と 労使 委 員会 の性格
欄
鶴
①
カ
ト
イ
靭
と
制
し
な
み
働
労
耀
では な 一、 業 務 と し て の境 界線 が不 明確 で 一般 的 な 広 が り があ る霧
法 七条 ) を モデ ルと し たも の と思 わ れ 、 裁量 労 働 制 規定 の制 定 過 程 にお け る具 体 的 提 案 は 、 平成 七年 の裁 量 労 働 制 研
(
9)
究 会 撃 .に起 源 を も つも の であ った . 同墾 .で は、 中 期 的な 複 占⋮から 、特 別 の専 門 的 な 覆 と し て確 立 し て いる 業 務
企 画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 にお け る手 続 的 要 件 の特 徴 の 一つは 、 労基 法 上 の労 働条 件 規制 の伝 統 的 な 逸 脱 方 式 で
鯉
る 場合 の導 入 手続 とし て・従 来 の労 使 協定 方 式 と並 ん で・ ・企業 内 労 使 委 員会 ﹂ 方 式 が提 案 さ れ て いた・ さ ら に・ 以 上
プ
瑚
喋
の視点に如 乏
に注巳
カラ ー 労働 ま でを 適 用 対 象 とす
を拡大す ・も の・な⋮
部 門 のホ ワ歪
労働 みなし制 が労基法上の労働時間規制 の例外簸
式 が 提案 さ れ て いた の であ る。 こ の提 案 が平 成 九 年 の労 働省 試案 で採 用 さ れ、 中 央 労 働 基 準 審議 会 でも 基 本 的 に維 持
労 働 者 の利 益 への配慮 に欠 け る こと のな いよう な 手 続 要 件 と し て、 恣 意 的 な 運 用を 防 止 す る 目 的 か ら、 労 使 委 員 会 方
新たな重
この方 式 の採 用 に つ いて の立 法 過 程 上 の経 緯 は 明 ら か で はな い が、 平成 四年 の時 短 促 進 法 上 の時 短 推 進 委 員 会 (同
こと にあ る
皮 導 入 の可 否 及 び 制度 設計 を 委 ね 、 さ ら に同 委 員 会 に制 度 運 用 の監 視 を 期待 す ると いう 労使 委 員 会 方 式 が採 用 さ れ た
む
あ り専 門 業 務 型 裁 量労 働 みな し 制 の要件 でも あ った 労使 協 定 では な く 、労 使 委 員 会 を 設 置 し、 同 委 員 会 で の決 議 に制
↓
1
17
72
1
さ れ て、 現 行 制 度 と な った。 労 働 省 試案 で は、 労 使 委 員会 方 式 は、 企 画 業務 型 裁 量 労 働 み な し制 の対 象 た る業 務 の範
囲 の境 界 線 が不 明確 であ る こ とな ど の ﹁新 制 度 の特 質 に応 じ た手 続 ﹂ と 評価 され て いた 。
以 上 の立 法 の経緯 を ふま え ると 、 労使 協 定 方 式 では な く、 労 使 委 員 会 方式 を 採 用 し た 政 策 判断 の基 本 視 点 は 、 直 接
(10 )
に は、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し 制 の対 象 範 囲 の特定 と企 画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 に伴う 弊 害 の防 止 と いう と ころ
にあ ったと 言 え る。 つま り 、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 みな し制 は、 ま ず 、業 務 とし て の境 界 線 が不 明確 な 層 と し て のホ ワ
イ ト カ ラー 労 働 を 捉 え、 次 に、 本 社 中 枢 業 務 を 担う 層 に適 用範 囲 を 限 定 す る も のであ り、 そも そ も 対 象 業 務 を 一律 ・
画 一的 に特 定す る こ と が困 難 な も のを対 象 とし て いる。 そ こ で、 労 使代 表 者 から な る 労 使委 員 の決 議 に具 体 的 な特 定
制 の例 外 領 域 を 形成 す るも の であ る こ と から 、 労 働者 の利 益 への配慮 を 必要 とす る と の観点 に立 って、 使 用者 の恣意
を 委 ね ると いう 講 想 が、 第 一の視 点 であ った と言 え よう 。 第 二 の視 点 は、 新 たな みな し制 度 は労 基 法 上 の労 働 時 間 規
論
的 制 度 運 用 を防 止 し 、 弊 害 の防 止 を は か る た めに 、制 度 の導 入 の決 定 のみな ら ず 、 制度 の設計 、 改 廃 の決 定 さ ら に 運
叢
律
用 状 況 のチ ェック や苦 情 処 理 の実 施 な ど を、 労 働 者 代 表 を 構成 員 とす る ﹁協 議 ﹂機 関 であ る労 使 委 員 会 に 委 ね る と い
法 ・
う も の であ る。 特 に裁 量 制 度 研 究 会 報 告 の よう に運 用 状 況 のチ ェック機 能 を 重 視す る観 点 から は、 常 設機 関 が 必要 と
さ れ る こと に な る。 さ ら に労 働者 代 表 の選 出 手 続 や労 働 者 意 思 の集 約手 続 を 適 正 に要 件 化す るな ど労 働者 の意 思 を 反
映 し や す い制 度 を 確 保 す る こと に よ って、 労 使 協定 方 式 に比 べ て、 よ り効 果 的 な 弊 害 防 止 が期 待 でき 、 労 働者 の利 益
が適 正 に擁 護 さ れ る と判 断 し た も の と解 さ れ る。
そ し て、 ここ で採 用 さ れ た 労使 委 員 会 方 式 によ る労 働 条 件 規 制 方 法 は、 企 画 業 務 型 裁 量労 働 みな し 制 の具体 的 内 容
(11 )
の直 接 的 な規 制 を め ざ す も ので はな く 、 基 本 的 に は労 使 委 員 会 の構 成 と運 営 の ルー ルを 規制 し、 企 画 業 務 型裁 量 労 働
みな し制 の旦ハ
体 的 内容 は労 使委 員会 の自主 的 な 取 組 み 任 せ るも の であ る点 で特 徴 を も つも のであ る。 こ れは 、確 か に 、
て規定・れた労使委員倉
そ の委暴
任期を定めて碧
される ことおよび労使
実体 的 規 制 から 手 続 規制 へと重 点 を 移 し つ つあ る 労 基 法 規制 のあ り 方 におけ る新 たな 方 向 を 示す 一つの事 例 と 評 価 さ
れよ癒
以上のさ ・な政策的 判断 に養
委員 会 に労 働 条 件 一般 に関 す る 調 査 審議 権 限 が付 与 さ れ て いる こと か ら、 常 設 の労 使 の合 議 体 と 位 置 付 け ら れ て いる
↑
獅
度 の導 入 の可 否 を 決す る 這
者 と は 異 な り・ 従 業 員 の
場 に おけ る労 働条 件 に関 す る事 項 に つ いて調 査 ・ 議
働 者 の同 意 を 必要 とす ると の制 度 設計 が採 用 さ れ たも の と思 わ れ る。
②労 使 委 員会 の任務
労 使 委 員会 は、 賃 金 、 労 働時 間等 の妻
・ の労 使委 員会 の任 務 の規定 に関 し て、 労使 委 員 会 の調馨
薩
限 は、 企 画業 務 型 裁 、
舞 働 み な し制 に関 わ る 事 項
え て 、 使 用 者 に 意 見 を 述 べ る こ と を 目 的 と し て 設 置 さ れ る と さ れ て い る (法 三 八 条 の 四 第 一項 )。
し ・ そ の結 果 を 踏 ま
意 思 と は相 対 的 に 独立 し て機能 す る こと が予 想 さ れ て いるも ので あ り、 そ れ 故 に、本 制 度 の適 用 に 最 終的 に は個 別 労
そ し て ・ 労使 委 員 会 は・ 従業 員 の立
憲 を 集 約 し て使 用 者 に 伝達 す る現 行 の過 半数 袋
の拒 否権 に加 え て、 そ の制 度 設 計 及 び運 用 の内 容 を 決定 す る権 限 を も 付 与 さ れ て いる ・
議 し 使 用者 に諮 問 す る権 限 の みな らず ・ 企画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制
醐
働
砺
と から 、 企 画 業務 型裁 量 労 働 みな し制 に係 る労 働時 間規 制 に関す る労 使 協 議 機 関 と し て の性 格 を も つも の と解 さ れ て
れ 、 労働 条 件 に関 す る事 項を 調 馨
プ
い殖
も の と蟹
随
イ
ワ
ホ
捷
あ
批
鶴
労
量
裁
縫
を 超 え て 、労 働 条 件 蔑
であ ・三 参馨
働 ・社会醤
会労
の事項 に つ いて及 ぶ も の と解 す べき か が問 題 と な る. 立法 過 程 にお け る 立法 意 思 は 、 ・ の権
醸
限は企画業務 型裁量労働みなし制 の実施 に係る事項 に限{
疋・れ・・いゑ
定 代 替 決議 権 限 が付 与 さ れ て いる こと を主 た る根 拠 に、 労使 委 員 会 の調査 審 議 権 限 は企 画 業 務 型裁 量 労 働 制 に限定 さ
働 大 臣答 弁 平 成 十 年九 月 二 二 日)。 これ に対 し て、法 文 上 は そ のよ う な 限定 がな い こと、 労働 時 間 規制 に関 す る労使 協
↓
3
17
74
1
れ るも の では な く、 労 働 条 件 一般 の調 査 審 議 に及 ぶ と解 す べき であ る と の見 解 があ る。 た だ、 こ の見 解 も 、法 定 事 項
(14 )
以 外 に つい て の労使 委 員 会 の決 議 に何 ら か の法 的 効力 を 認 める も ので はな く 、 特 に組 合 のな い事 業 場 で の労働 者 の意
向 の反 映 の機 会 と 企業 内 コミ ュ ニケ ー シ ョン ・ルー ト にな る こと を 期 待す るも の であ る。 こ れ に対 し て、 立法 意 思 を
重 視 し 、 さ 与 に 、 上述 の見 解 は 、 日本 型 従 業 員 代 表制 の代 替 機 能 を 期 待す る政 策 意 図 に 導 か れ た解 釈 であ り 、 そ の意
(
15 )
図 は肯 定 さ れ る に し ても 、 そ れ を 正 面 か ら論 議 し て、 労基 法 の総 則 的 部 分 に導 入 す べき であ った とし て、 企 画 業務 型
場 で設 置 レ つる か と い・
つ問 題 に つ いて は、 法 文 は ﹁事 業 運 営 上 の重 要 な 決定 が行 わ れ る 箋
も の と解 さ れ る ・と
裁 量 労 働 みな し 制 の実 施 に かか る 労 働条 件 の調 査 審議 に 限定 す べき と す る 見解 も あ る。前 述 し たよ う に労 使 委 員会 方
労使 委 員会 の組織 と 運営
労使 委 員 会 はど の妻
① 労使 委 員 会 の設 置事 業 場 と設 置 に関す る事前 協 議
ω
一 式 の採 用 は・ も ・ば ら 企画 業 務 型 裁 量労 働 みな し 制 の特殊 性 に対 応 す る た め の政 策 判 断 に基 マ
叢
を想 起 す る と、 法 文 の文言 に拘 泥 す る ことな く 、 む し ろ 限定 的 に解 す べき も の と思 わ れ る。
論
律
法
一
場 に お いて、 ⋮ 委 員 会 が 設定 され た 場 合 ﹂ と定 め てお り 、本 社 機 能 を も つ事 業 場 に の み に限 ら れ る と解 し 得 る 規 定 と
・ 一 ・二九
基 発 四 五 号 )。
な って いる。 さ ら に、 行 政解 釈 も 、 労 使 委 員会 は、 事 業 運 営上 重 要 な 決 定 が 行 な わ れ る事 業 場 に 設 置す るも の とし て
いる (
平成 =
結 局 のと ころ 、 こ の問 題 の実 質 的 な 焦 点 は 、 ど のよ う な 労使 委 員 会 のな す 労 使協 定 代 替 決 議 に法定 の法 的 効 力 を 認
め う る か と いう 問 題 、 つま り、 設 置 さ れ た 労使 委 員 会 が決 議 し た労 使 協 定 代 替 決議 に法 的 効 力 を 認 めう る か と いう 問
題 に 収徹 す る 。論 理構 成 上 は、労 使委 員会 の労使 協 定 代 替 決議 の項 で論 ず べき と ころ で あ る が、 ここ で、 一応 の検討 を
加 え る こと とす る 。 この 問題 は、 まず 、労 使委 員 会 の設置 が本社 等 の事業 場 に限定 され る のか (
本 社 等 以外 で設 立 さ れ
ト
意 図 せず に設定 さ れ た 労使 委 員 会 の決 議 に 法定 の効 果を 承 認 で き る か) と いう 問題 の二 つに 分け て検 討す べき であ る。
ま り 同 みな し 制 の導 入 と は 一切 関係 なく 労 使 委 員 会 を設 置 す る こと が認 めら れ る か (
企 画 業 務 型 裁 量 労 働 み な し制 を
た 労使 委 員 会 の決 議 に法 定 の効 果 を 認 め得 る か) と いう 問 題 と 、 次 に、 企 画 業 務 型 裁量 労働 みな し 制 と 切 り 離 し て つ
擶
る の は、 対 象 業務 を特 定 す るた め の 一つの要 素 を 加 え る ・と であ る ・ とを まず 確 認す べき であ る . さ ら に、 労 使 委 員
場 を 本 社等 に限 定 す
輔
働
砺
会 方 式 が採 用 さ れ た の は、 前 述 し た よう に特 殊 企 画業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 の政策 的 判 断 から のも ので あ り、 そ の結
の労 使 協 {
疋代 替 効 力 の認 否 を 左
とす ると 、企 画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 の導 入 に法 がイ ンセ ンテ ィブ を与 え る こ と にな り か ね な いし 、 企 画 業 務 型裁
第 二 の問 題点 に つい では 、企 画 業 務 型 裁 量労 働 みな し制 を 導 入 し た 労使 委員 会 の みが 労 使 協定 代 替 決 議 を な しう る
文 に拘 泥 す る ・と守 、 そ の他 の制 度 本 質 的要 件 を 充 足 し た労 使 委 員 △・の決議 に、 同 決 議 の実 質的 評 価 から 、 労 使協
(
17)
定 代 替 的 効 果 を承 認 す る ことも 解 釈 論 上 可能 なも の と思 わ れ る。
右 す るも のと位 置 付 け る べき で はな いと 解 さ れ、 さら に、 労使 委 員 会 の設 置 を本 社 機 能 を も つ事業 場 に限 る実 質 的 理
はな んら の関 連を も たな い本社 等 の事 業 場 に 限定 す ると いう 要 件 は・ 労 使 委 員会 繋
も加 わ って、 同 決議 に労 使 協定 代替 効 力 を 付 与 し たも のと解 さ れ る。 し た が って、 労 使 委 員 会 の決議 が労 働 者 の代 表
果成 立し た労 使委 員会 の労 働者 代表 者 性 に着 目 す る と労 使 協 定 同様 あ る い はそ れ 以上 のも のと 評 価 す る こ と が でき る
(
16∀
こ と、 さ ら に 労使 委 員 会 決 議 と 労使 協 定 の重 複 は非 効 率 であ り、 労 使 協 定 に代 替 し ても 不 都 合 は 生 じ な いと いう 判 断
務 型 裁量 労 働 みな し制 に お いて妻
プ
性 と民 主 性 に お いて労 使 協 定 と 同等 以 上 のも のであ ると いう 判断 を 引 出 す 要件 と の実 質 的 関 連 に 注 目す る と、 そ れ と
の問 題 点 の検討 に際 し て は、 前 述 し た よ う に・ 企 要
団
イ
ワ
ホ
拷
あ
帆
由 を 発 見 す る ・と は困 難 であ る. 本 社 等 の要件 は本 制 度 にと って の本 質 的 要件 で はな いと い・
つ認識 を ふま え る と 、法
笙
働
労
量
裁
鯉
蝶
↓
5
17
76
1
重 労働 みな し制 を 廃 止 し た 場合 に労 使 協 定代 替 決 議 も 不 適 法 と なり かね ず 法 的 安定 を 損 な う こと にな る と し て、 企 画
,
(18∀
型 裁量 労 働 みな し 制 の導 入 と は切 離 し て 労使 委 員 会 が 設 置 ・存 続 でき る と 解す る見 解 があ る 。 こ の見 解 の指 摘 す
業務
る 機能 が生 ず る こと は否 定 し が た い。 し か し 、労 使 委 員 会 決議 の労 使 協 定 代 替 効 力 と いう 制 度 の モデ ルであ る時 短 促
進 法 と は異 な り、 こ こ では、 政策 誘導 型 の いわ ゆ る メリ ット 論 の視 点 は なく 、も っぱら 労 使委 員 会 決議 のも つ労働 者 代
表 性 の実質 的 評 価 が政 策 決 定 の基礎 とな って いた と解 され る。 さ ら に、 労 使 委 員 会 方式 は、 前 述 し た 様 に あく ま でも
企 画 業 務 型 裁量 労 働 みな し 制 のた め の制 度 構 想 の中 で採 用 さ れ た も のであ り 、 労 使 協議 制 に つ いて の立法 構 想 とし て
否 に つ いて の審 議 が行 わ れ た 形 跡も な いの であ る。 同見 解 が、 企 業内 組 合 の企 業 内 に お け る新 たな 展 開 可能 性 と し て
一 義 さ れ た も の でな か ・た ・と は 明 ら か であ る・ さら に、 労 使 委 員会 の決 議 ・労 使 協定 代 替 効 力 を 認 め る 規定 (
第五
叢
項 ) は 、 労 基法 改 正 案 の国 会 提 出 に先 立 つ改 正案 要 綱 の段 階 で初 め て現 われ たも ので あ り、 国 会 で同 規定 の内 容 や当
論
労 使 委 員会 制 度 の利 用 を位 置 付 け る と いう 戦 術 的 意 図 か ら のも のであ る点 は 十分 理 解 でき るも の ではあ る が、 ﹁せ っか
と は、 従 業 員袋
制 度 自 体 にと って も .幸 運 な 。と で は三
﹂ ば か り で なく 、 労 働 時 間 み な し制 から 創 設 さ れ た ﹁特
く 出 来 た ﹂ か ら と い って、 従 業 員代 表 制 度 の法制 化 に つ いて の正 面 か ら の議 論 な し に 、 な し崩 し 的 な 利 用 を 試 み る こ
律
法
﹁
殊 ﹂ な 制 度 か ら ﹁普 遍 ﹂ を 構 想 す る こ と に は疑 問 が残 る。 さら に、 団結 権 保 障 を 基 本 規 範 とす る現 行 法 にも と では法
定 従 業 員 代 表制 度 は組 合 の活 動 を補 完 す る役 割 は も ち え ても 組 合 の諸 活 動を 事 実 上 空 洞 化す る機 能 を も た す べき で は
(
19V
な い。 こ の観 点 か らす る と、 特 に 、 後述 す るよ う に、 労使 委 員 会 と 労働 組合 と の関 係 が 十 分 に整 序 さ れ て いな い点 を
も つな ど、 本制 度 は法 定 従 業 員 代 表制 と し て は十 分 な も のと は評 価 でき な い。 以 上 の点 か ら 、本 方 式 の導 入 の経 緯 や
従 業 員 代 表 制度 と し て は極 め て特 異 な 形態 であ る こと な ど に着 目 す る と 、労 使 委 員 会 はあ く ま で も企 画 業 務 型 裁 量 労
働 みな し 制 度 の大枠 の中 で位 置 付 け ら れ る べき であ る 。 し た が って、 企 画業 務型 裁 量 労 働 みな し制 の導 入 を 何 ら 念 頭
に お かな い労 使委 員会 の設 麗 は 認 め ら れな いと解 す べき であ る。 た だ、 企 画 業 務 型 裁量 労 働 みな し 制 の実施 は要 件 と
さら に・廃止し馨
にも同労筈
会 の決議 の法的効果は承認・れ維持 ・れ ・
はさ れ て いな い こと から 、 企 画 業務 型裁 量 労 働 み なし 制 を 企 図 し て いた にも か か わ らず 当 該 労 働 者 の同意 が得 られ な
施 できな い場合
と解 す べき であ ろう 。
・た等に峯
謂
(
第 4 の一) お よ び 過半 数 労 働 組 A.が 存 在 し な い場 A.を念 頭 にし た .労 使委 員 会 の設 置 に 当 た .て の モデ ル手 順・ (
平
∵
醐
働
嚇
成 一二 .一 .一基 発 二 号) によ って示 さ れ て いる。 こ の段階 で は、設 置 の日 程 ・手 順、 委 員 の数 、信 任 手 続 の管 理者 ・
労 使 委 員会 の構 成 に関 す る要 件 は、 委 員 の過半 数 に ついて 事業 場 の過 半 数 組 合 ま た は過 半 数 代 表者 によ って、 任 期
・ ②委 員 の構成 と 選出 手続
管 理 費 用 の負 担 ・投 票 方 法 ・投 票 に か かわ る 時間 のあ り 方 な ど が、 決 定 す べき 事項 と され て いる。
に先 立 つ話 合 い の手 順 は・ 指 針
プ
を 定 め て 、指 名 され 、 か つ事業 場 の労 働 者 の過半 数 の信 任 を得 る こ と であ る (法三 八 条 の四 第 二 項 一号 )。
労 使 委 員 会 の設 置 は・ 労 使 ど ち ら か のイ ニシア ー
ア・ブ によ る が ・労 使 当 事 者 の馨
防
イ
ワ
ホ
捷
も
枇
さ れ る (法 三八 条 の四 第 二 項 一号 ) が、 ・れ は衆 議 院 で の修 正 によ るも の であ った. 任 期 を 設定 す る .・と は、 労 使委
任期
労
量
裁
鯉
暴
㈲委員の人警
醸
反 映 す る ・ ・を 保 障 す ・ も のであ り 、 労 使委 員 ムム方 式 にと って重 要 な 要 件 と し て の意 味 を も つ. し た が って、 任 期 を
臨
↓
定 め ず に 選任 され た委 員 に よ る労 使 委 員 会 は、 重 要 な 要 件を 欠 く 不 適 合 な 労働 委 員 会 と 解 さ れ、 そ の決 議 の法 的 効 力
(
20)
は 否 定 さ れ る。 た だ、 任期 の具 体 的 な 期 間 に つ いては 、 当初 の予 想 に反 し て、 な んら 規 制 さ れ て いな い。 行 政 の見解
の常 設欝
とし て の性格 を 鮮 明 にす る ・と であ り 、 さ ら に、 定 期 的 に選任 さ れ る ・と に よ り 鶴
重 恩思 を 適 正 に
労 働者 代表 委 員 は、 過 半 数組 合 又 は過 半数 代 表 者 によ って、 あ ら かじ め 任 期 を定 め て選 任 さ れ なけ れば な ら な いと
7
17
8
17
↑
(21 )
は 、 過度 に 長 期 に わ た るも のは不 適 当 とす る にす ぎな いが、 労 使 委員 会 の決 議 の有 効期 間 と の兼 合 い で、 一年 間 程度
が 妥 当 と 解 さ れ て いる。
委 員 の人 数 に つ いて の規 定 は なく 、 労 使 によ って任 意 に決 定 す る こと が でき る が 、行 政解 釈 で は、 労 使 代表 委 員 各
(22 )
暴 発 一号 )。 な お、 事業 場 のす べて の労 働 者 を 公 正 に代 表 し 、使
一名 計 二 名 で構 成 され る労 使委 員会 は、 労 使 協定 と実 質 的 に変 わ ら な いこ と にな り 、法 の趣 旨 に反 す る と し て 、労 使
委 員 会 た りえ な いと し て いる (
平 成 一二 年 一月 一日
用 者 委 員 と の対等 な 協 議 を 保障 す る た め には 、事 業 場 の労 働 者 の数 に応 じ た相 当 数 とす べき であ ると の見 解 も あ る。
只
b労 働者 代 表委 員 の選 出 手続
四 第 一項)。 これ は 過半 数 代 表者 の資 格 を管 理監 督 者 以外 の者 と す る労 基 則 六条 の二 第 一項 一号 の趣旨 を踏 襲 す るも の
イ労 働者 代表 委 員 の資 格 と要 件
指
名 さ れ る労 働 者 代 表 は ・管 理監 督 者 (
労 基 法 四 一条 第 二項 ) 以外 の者 でな け れ ば な ら な い (
労 基 則 二 四条 の二 の
律
であ る 。 当該 労基 則 は、 平 成 十 年労 基 法 改 正 によ り省 令 に導 入 さ れ た も の であ るが 、 そ れ は従 来 行 政 指 導 の基 準 と し
論
法
基 発 一号 ).
て の通 達 に定 め ら れ 三
た も のであ る (
堅 ハ三 年 一月 百
一
こ の通 達 は 、 過半 数 代 表 者 の適格 性 に関 し て、 事業 場 全 体 の労 働時 間な ど の労 働 条 件 の計 画 ・管 理 に関 す る権 限を
有 す る 者 は 排 除 さ れ る べき であ り、 そ の 一例 と し て管 理監 督 者 を 挙 げ て いた。 つま り 、 自 ら計 画 ・管 理 し て いる労 働
(23 )
条 件 に関 し て 、自 ら労 働 者 の代 表 と し て承 諾 す る こと は適 当 では な く 、労 働 者 の意 向 を集 約 す る者 と し て の適 格性 を
欠 く と 判 定 し たも の であ り 、 単 に管 理監 督 者 に労 働時 間 規 制 が適 用 さ れ で いな いと いう こと によ るも の では な い。 労
(24 )
基 則 六 条 の二 の こ のよ う な 趣旨 を踏 まえ ると 、 労 働者 代 表 委 員 の資 格 は、 管 理監 督 者 に準 じ た 人事 権 限 を も つ 一定 の
管 理 職 を も 除外 す べき と解 さ れ る。
指 名 さ れ る 両委 員 に は、 対象 労働 者 や そ の上 司 の意 見 を 反 映 し やす く す る観 点 か ら、 当 該 労 働 者 お よ び そ の上 司 が
性もあ愈
が・労働
含 ま れ る こと が望 ま し いとさ れ る (
指 針第 4 の2)。 さ ら に、 こ の労働 者 代 表 委 員 は当 該 事 業 場 の従 業 員 に限 ら れ る こ
も許・れ・・解 し得 ・罷
者 代 表 委 員制 度 が従 業 員 の意思 を労 働 条 件 決 定 に効 果 的 に反 映 さ せ こ とを 趣 旨 とす るも の であ る こと 、 さ ら に、 就 労
それ以外 の者 の碧
講
実 態 を 熟 知 し た者 が望 ま し と の政策 的 観 ・⋮
か ら ・当 該 妻 場 に属 す る従 業 員 であ る ,
︺と が要 請 さ れ る と解 さ れよ 塗
)
口労働 者 代表 委 員 の選 出 手続
(
こ の選 出手 続 の特 徴 は、 過半 数 組 合 又 は 過 半 数代 表 者 によ る指 名 と労 働 者 全 員 の信 任 と いう 二 重 の選出 手 続 を 定 め
が明示的な要件 ・は・れ ていな い・・ぢ
鯛
働
労
の
ト
ると ころ にあ る。 これ は 、 立法 過程 の当 初 は 、時 短 促 進 法 同様 、 過半 数 組 合 ・代表 者 の推 薦 と 使 用者 の指 名 とさ れ て
∵
隔
いた も の が、 衆議 院 で修 正 さ れ て実 現 し たも の であ った 。し かし 、そ こ で の論 議 は必ず しも 十 分 な も ので はな か った。
ただ 、 修 正 を要 求 し た側 の意 図 は、 も っぱら 過 半 数 組合 のな い事 業 場 で のチ ェック を 創 設 す る 観点 から 、 組 合 のあ る
(
26∀
な し に関 わ らず 信 任 手 続 を 求 め たも の であ った よう であ る。 一方 、 労 働 省 は、 過半 数 組 合 ・代 表者 の指 名 が常 に適 切
とは 限 ら な いと いう 事 実 認 識を も と に、 少 数組 合 の組 A員 の意 思 も 含 めて 一般 労働 者 の意 思 を 適 切 に決 議 に反 映 す る
イ
ワ
ホ
捷
制
批
働
とし て の 正統 性 を担 保す
(
27∀
よう にし た仕 組 み と捉 え て いる。
・ の二重 の手続 を 、選出 手 続 の犀 王性 を高 め 、そ の結 果 とし て 労働 者代 表 委 員 の従 業 員 袋
労
量
裁
狸
員の
・も の・評 価す ・点 で は 、大 方 の見解 が 一致 し て い樋
た だ、 ・ の制 度 のも ・ では ・過半 数 組 合 が 百 一
指名し委
醸
員
指名を撤 回し た場食
か塾
↓
の地位 には 法的 には 影響 が及 ばな いこと さ れる こと とな る。 こ のよう な 事 例 を含 め て、 この手 続 の結 果 当然 に ﹁過 半数
組合 と労 働者 代 表 委 員 の関 係 ﹂ の整 序 の問題 が生 じ る こと にな る 。 これ に ついて は、過半 数 組 合 の労 働 者 代表 委 員 への
あくまでも当該委員選出 の最終決{
疋は労働者全員による信任 である・解・れ⋮
9
17
80
1
一
叢
論
律
(29 )
を 重 視 し て、本 制 度 が労 働 時 間 規制 の特 例 に限 定 さ れ、 組 合 の労 働条 件 規 制 機 能 の規 範的 優 位 が確 認 さ れ て い
コ ント ロー ルを 重 視す る観 点 から 企 業内 組 A口の機 能 低 下 を危 惧 す る見 解 が 示 さ れ、 これ に対 し て、 従 業 貝 代 表 と し て
の意 義
る 限 り、制 度 上 は組合 機 能 が抑制 され ると ま で は言 え な いとす る 見 解 が提 示 さ れ、 労使 関 係 上 の評価 に は対 立 があ る。
ここ で の労 働 者 代 表委 員 を 指 名 す る 過半 数 組 合 ・代 表 者 の選出 母 体 たる 労働 者 の範 囲 に つ いて は、 行 政 見 解 は、 賃
則 二 四条 の 二 の四 笙
一項 )
金 ・就業 規 則 等 の規定 でも 同 様 の表 現 が 採 用 され て いる こと を前 提 に、 当 該事 業 場 に使 用 さ れ て いる労 基 法 九 条 に該
(
30)
当す る労 働 者 す べ てと し て いる。
信 任 の方 法 は・ そ の旨を 明ら か に し て実 施 さ れ る投 票 、挙 手 等 ・ よ るも のと さ れ る (
塞
が 、当 分 の間 、投 票 に 限ら れ る (
労 基 則 附則 六 六 条 の二)。信 任 投 票 の母体 であ る労 働 者 の範 囲 も 、当 該事 業 場 に使 用
さ れ て いる労 基 法 九条 に該 当 す る労 働者 す べ て と され て いる (
平 成 一二年 一月 一日基 発 一号 )。
この信 任 手 続 に お いて信 任 を得 られ な か った 者 があ る場 合、選 出 手続 管 理 者 は、指 名 者 に改 め て信 任 を得 ら れ な か っ
た者 の数 に相 当 す る委 員 候 補を 指 名 す る よう 求 め、 そ の者 に つ いて信 任 手 続 を 行 なう こ と にな る (
平 成 一二年 一月 一
法
﹁ , 基 発 二号 .モデ ル手 順).
これ ら の選 出 手 続 要 件 に 違反 す る場 合 には 、本 要 件 が労 働 者代 表 性 を 担 保 す る 実質 的 要 件 であ る こと か ら、 当 然 そ
の労 使委 員会 によ る決 議 の法的 効 力 は否 定 さ れ る と解 さ れ る 。
③労 使 委員 会 の設 置 の届 出
労 使委 員会 の設 置 は 、様 式 一三 号 の三 によ って、 労 基 署 長 に し なけ れば な ら な いと さ れ て いる (
法 三 八条 の 四第 二
項 二 号、 労 基 則 二四 条 の二 の四第 三 項 )。 これ は、本 制 度 が 、労 使 委 員会 を 企 画 業 務 型裁 量 労 働 み なし 制 の制度 設計 か
ら 運 用 ま でを 自 主 的 に管 理す る労 使 協 議 機 関 と捉 えな がら も 、 みな し制 は労 働 時 間 算定 の例 外 であ る と いう 労 基法 上
↑
備
鯛
働
労
の
ア
防
イ
ワ
ホ
比
軋
鰯
労
量
裁
鯉
型重
労働 制 の みな し ・ いま
的効力は
の位 置 付 け か ら、 な お 行 政監 督 が必 要 であ る と 判断 し 、 労 使 委 員 会 の労働 者 代 表 性 と いう 実 質 的 要件 の充 足を チ ェッ
出出
遅反 の罰則 はな いも の の・ 企 画 霧
クす るた め に不 可 欠 な も のと し て、 労 使 委 員 会 の設 置 の届 出 を使 用者 に求 めた も のと解 され る。
使 用 者 が ・ の届 出 を し な い揚 倉
発 生 し な いと解 さ れ る (
平 成 一二年 一月 一日 基 発 一号 4 の⑥ )。 た だ、 この届 出 を 行 政 監督 を容 易 にす る 手 段 と捉 え、
公 法 的 な 免 罰的 効 力 は とも か く 、労 働 者 代 表 性 が実 質 的 に整 って いれ ば、 届 出 な く とも 私 法 的 強 行 性解 除効 力 は認 め
ら れ 、 みな し 効力 が認 めら れ る余 地 があ ると し 、 さ ら にそ こか ら 現行 制 度 上 届 出 が不 要 とさ れ て いる労 使 協 定 に代 替
(
31)
す る決 議 に限 って、 労 使 協 定 代 替決 議 の法 的 効 力を 承 認 す る 見解 も あ る。 し か し、 労 働 時 間 算 定 の重大 な例 外 であ る
こ と に留 意す る と内 容 の適 合 性 を監 督 す る契 機 であ る決 議 の届出 と の 二重 の届 出も 必要 と思 わ れ 、 さ ら に労 使 協 定 代
都度 そ の議事 録 を 作 成 し 、開催 日か ら 三年 間 保 存 し、 掲示 ・
替 決 議 に関 し て は原 則 と し て そ の決 議 の届 出 が 不要 とさ れ て いる ことを 考 慮 す る と、 設 置 の届 出 が な い場 合 は、 私 法
的 効 力 も 否定 さ れ る べき も のと解 さ れ る。
④ 議事 録 の作 成 .保 管 ・周 知
労 使 委 員会 の議 事 に つい て、使 用者 は、同 委 員 会 の覆
交 付 ・記 録す るな ど の方 法 で当 該 事 業 場 の労 働者 全 員 に周 知 し なけ れ ば な ら な い (
法 三 八 条 の四第 二項 三 号 、 労 基 則
二四 条 の二 の四第 四項 、 五 項).
・れ は 、 蒙
労使 協 議 機 関 た る労 使 委 員 ムムの活 動 の透 明 性 と 公 正性 を 担 馨
る と .﹂う にあ ・も のと
的 に は時 短 推進 委 員 会 制 度 (
時 短促 進 法 七条 三号 、 同 規 則 二条 ) を モデ ルと し た も の1 周 知 を 除 いて
醸
と思 わ れ る が、 そ の趣 巳・犠
解 さ れ る 。 し た が っ て 、 こ の 規 定 に 違 反 す る 場 合 に は 、 法 的 効 力 を 否 定 さ れ る べき で あ ろ う 。
了
1
18
82
1
⑤ 運 営 規程 の作 成
命 令 で定 め る要 件 とし て (
法 三 八条 の四 第 二 項 四号 )、使 用者 は、 労 使委 員 会 の同 意を 得 て、労 働 委 員 会 の運 営 に つ
いて 必要 な 運 営 規 程 を作 成 、 変 更 し な け れ ば なら な い (
労 基 則 二 四条 の二 の四 第 六 項、 七 項 )。
定 め る べき 運営 規 程 は、具 体 的 には 、招 集 (
定 例 お よ び臨 時 労 使 委 員 会 の開 催 )、 定 足 数 (
委 員 会全 体 の定 足 数 、労
使各 側 の それ ぞ れ の定 足数 )、 議 決 (
議 長 の選 出 方 法 、議 決 の方 法 )、 そ の他 運 営 に 必要 な 事 項 (
使 用者 が 労使 委 員 会
指 針 上桂 に求 め
に開 示す べき 情 報 の範 囲 ・開 示 手 続 ・開 示時 期、 労 使 委 員 会 の調 査 審 議 事 項 の範 囲 、労 使 協 定 代 替 決 議 の範 囲 ) と さ
(
平成 三 年 夏
百 基 発 芽 5 ). そ し て 、 。れ ら の規 定 の項 目 自体 を 欠 く 場 A.は 、不 適 合 な 労 使 委 員ム云と蟹
れる
です ぐ れ たも のと し て も直 ち に現 存 の労 使協 定 制 度 の役 割 に取 って代 るも の でも な いこ とを 明ら か に す る も の であ る
と を め ざす も の であ り 、 ま た、 労 使 委 員 会 が 労働 組 合 の団 体 交 渉権 を 制 約 す る も のでも な く 、 そ の労 働者 代表 性 の点
これ ら は、 労 使 委 員 会方 式 を 採 用 し た 制度 趣旨 に照 ら し て 労使 委 員 会 の運 営 が適 正な も の とな る こと を確 保 す る こ
ら れ て いな いこと を 根 拠 に、 全 員 の合 意 であ る必 要 はな いと 解 さ れ て い る (
平 成 一二年 一月 一日差 発 一号 )。
一 れる (
指 針第 ・ の 3・平 成 三 年 一月 百 基 発 一号 )・作 成 ・変 更 の際 の労使 委 員 会 の同意 は、法 令
叢
論
律
法
一
こと にな ろう が、 具 体 的 な 項目 ご と の内 容 の適合 性 に つい ては、 各 項 目 が設 定 さ れ た趣 旨 の観 点 か ら な お 具体 的 に判
断 さ れ る こ と にな ろう 。
⑥ 委 員 の 不利 益 取扱 いの禁 止
使 用者 は、 労 働 者 が 労使 委 員 会 の委 員 であ る こ と、 な ろ う と し た こ と、 委 員 と し て 正当 な こと を し た ことを 理由 と
し て 、解 雇 、 賃 金 の減 額、 降格 等 労 働 条 件 に つ いて不 利 益 取 扱 いを しな いよ う にし なけ れば な ら な い (労 基則 二 四条
の四第 八 項 、 平 成 一二 年 一月 一日基 発 一号)。
これ は、 労 働 者 代 表 委員 が、 当 該 事 業 場 の労 働 者 の意 思 を 代 表 し 、 使 用者 に対 し て独 立 し た嘗 主 的 立 場 を 保 持す る
期中 お・びその後 の窺
定違反 の不利益取扱 いは私法上無効 ・評価・れ実
ことを 保 障 し よ う と の趣旨 によ るも の であ り、 本 規 定 は そ の文 言 か ら も 明 ら かな よ う に不 利 益取 扱 い禁 止 の私 法 規範
か荏
確認したもの・蟹
れ⋮
∵
本規 定 の趣 旨 か ら す る と、 委 員 が適 切 に任 務 を 遂 行 す る た め には 、 さ ら に、 情 報 提 供 請 求権 、 一定 の便 宜 供 与、 タ
労 使委 員会 にお け る決謹
八条 の四第 一項 )。
①決 謹 の方 法
法定 の必 要 的 決馨
だ が、 天
に決議 の蟹
形成 が困 難 にな る ・と は容
を期す ためのも 響 あ・・は解し がた い. つま
の委 員 でも 反 対 す る と決 議 は成 立 しな いと いう 方 式 を 、実 務 上 、 書
て採用したの鑑
り 、 これ は、 多 様 な 労 働者 利 益 の存 在 を前 提 にそ れ ら の労 働 者 利 益 を 労働 者 代 表 委 員 によ って調 整 す る こと を 視 野 に
(
35∀
入 れ た 政策 判 断 に基 づ く も の であ り 、 そ の調 整 を 経 た 労働 者 代 表 全 員 の合意 の みを 当 該 事 業 場 の真 の従 業 員意 思 の反
に予想 ・れ・にもかかわら萎
あ ろ九
決議 の要 件 に全 ム三 致 原則 を 採 用 し た のは、 直 接 に は、 時 短 促 進 法 上 の時 短 推 進 委 員 会 決議 を モデ ルと し た も の で
が って、 委 員 全 員 の合意 を欠 く 場 合 には 、 そ の決 議 は 本規 定 上 の有 効 な 決議 と は解 さ れ な い こと にな る。
項 に つ いて は・委 員 の金 貝 の合意 に よ る決 議 が 必要 とさ れ る (法 =天 条 の四 第 一項 柱 書 )・ し た
項 で定 め れら た ﹁必 要 的 決議 事 項 ﹂ を 決議 し、 使 用者 が、 当 該 決 議 を 労 基 署長 に届 け 出 る こと が必 要 とさ れ る (
法三
企画 業 務 型 裁 量 労働 みな し制 を導 入 す る た め には 、労 使委 員 会 が、 ﹁委 員 の全 員 の合 意 ﹂ に より 、法 三八 条 の四第 一
㈹
イ ムオ フ等 の保 障 が 不 可欠 であ ると 指摘 さ れ て い 蜷
講
醐
蠣
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イ
ワ
ホ
忙
制
枇
動
労
量
裁
鯉
醸
∵
3
18
8
4
1
映 と評 価 す る 視 点 に 立 つも のと 解 す べき であ ろ う 。時 短促 進 法 にお いて も 、労 使 協 定 方 式 の場A口に は労 使 そ れ ぞ れ の
内 部 で意 見 が 別 れ て いる とき には 労 使協 定 の締 結 に至 らな いこ とと 対 比 さ せ て、 委 員 全 員 一致 が 必要 と解 さ れ て いた
(
36)
の であ る。
こ こ で の委 員全 員 の合 意 とは 、 指 針 (
第 4 の3 ω ) お よ び通 達 (
平 成 一二年 一月 一日 暴 発 一号 ) は、 労 使 委 員 会 で
定 めれ た定 足 数 が充 た され て いれ ば 、 そ のとき に出席 し た委 員 全 員 の合意 で足 り る とし て いる。 そ の論 拠 は必 ず し も
に思 わ れ 菊
これ に対 し て・ 全 量
致 原 則 の制 度 趣 旨 を 重 視す る 立場 から ・ 労 使 奮
会
明ら か では な いが 、開 催 さ れ る 労 使 委員 会 のす べ てに 、必 ず 委 員 の全 員 が出 席 し 、 決 議 に加 わ れ る と は限 ら な いと の
る吉
(
38)
得 る べき であ る と の見 解 も あ る 。
とな どを 理 由 に、 文字 どう り 委 員金 貝 の合 意 でな け れ ばな ら ず 、 合 理 的 理由 によ る 欠 席 の場 合 にも 持 ち 回 り で合意 を
運 営 規 程 の定 足数 は会 議 成 立 の要 件 であ る こ と、 決議 の届 出 様 式 (= 二号 の 二) に は出 席委 員 の氏 名 記 載 欄 は な い こ
一 判 断 が基 礎 にな ・三
叢
論
律
月百
糞
喜 )
.
こ の合 意 の確 認 の方 法 と し て は 、当 該 決 議 に委 員全 員 の署 名 又 は 記 名押 印 がな さ れ る 方式 が、 通 達 によ り 例 示 さ れ
一 て いる (
平成 三 皇
法
② 決議 事 項
労 使 委 員会 は、 法 三八 条 の四第 一項 の 一号 か ら六 号 によ る ﹁対象 業 務 ﹂ ﹁対 象 労働 者 の範 囲 ﹂﹁みな し 労 働 時 間﹂ ﹁対
象 労 働 者 の健康 、 福 祉 を 確 保 す る た め の措 置 ﹂ ﹁苦 情 処 理 の措 置﹂ ﹁対象 労 働 者 の同 意 と 不利 益 取 扱 い の禁 止﹂ の事 項
と同 七 号 に基 づく 施 行 規則 二四 条 の二 の三 第 三 項 一号 お よ び 同二 号 によ る ﹁決議 の有 効 期 間﹂ ﹁記 録 の保存 ﹂ の事項 の
一つでも 欠 く と き は、 そ の決議 は企 画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 に必要 な有 効 な 決 議 と は解 さ れず 、 みな し の法 的効 力
を 生 ず る も ので はな いと さ れ、 そ こ から これ ら の事 項 は必 要 的 決 議事 項 と 称さ れ る 。
㌃
謂
醐
蠣
みなし製
豆
位の法定労働時間 の算定 原則 の例外・して位置付けられて
aみ な し時 間
(
労 使 委 員 会 で決 議 す べき みな し時 間 数 は、 一日 に つ いて の対象 労働 者 の労 働 時 間 数 とし て具 体 的 に定 め ら れな け れ
ならな い (
指針第 ・の・)
・ ・れ集
いる から であ り、 一週 . 一ヵ月 単位 のみな し 労 働時 間数 を も って 代替 す る こと は でき な い。
な 水 準 と は・ 直 接 には ・ み な し制 が割 書
金節 約 の手 段
指 針 は 、そ の時 間数 の決 議 に際 し て、 労使 委 員 会委 員 は、対 象 業 務 内容 や 処 遇 を 理解 し た上 で ﹁適 切 な水 準 のも の﹂
と な る必 要 があ る こと に留 意 す る こと と し て いる ・ こ の蕩
が対 象 労 働者 の労 働 時 間 の状況 等 の勤 務 状況 を把 握 す る 方法 を具 体 的 に明 ら か にす る こと (勤務 状況 の把 握 ) と そ の
制度 趣旨 の観点からは霧
一 に 堕す こ とを 否 定 す る趣 旨 であ り 、 さ ら に、 みな し 制 は業 務 の実 態 に 即 し て労 働 時 間 を 適 切 に算 定 す る と いう 本 来 の
の
晦
霧
れ麺
イ
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ホ
と
制
動
象 労 働 者 の ﹁働 き す ぎ ・働 か せす ぎ ﹂ がも た らす 労 働 者 自身 の健 康 や家 庭 生 活 への悪 影 響 な ど の弊 害 を 事 前 に防 止 す
と蟹
鶴
る目 的 か ら 、笙
の実態を反映したも のでなければなら三
動
裁
型
務
喋
労 働 者 の健 康 等 が良 好 に保 た れ る た め に使 用 者 が講 ず る措 置 を 旦ハ
体 的 に決 議 す る ・・ が、 求 め・ れ て いゑ
供
を 明確 にす る ・と (
簾
福 祉 確保 謹
)を内容とする
状 態 を 使 用者 が的 確 に把 握 す る ・と、 第 二 に 、 そ の状 況 に応 じ て
し得 る状 態 に あ った か﹂ を 明 ら か にし 得 る 出 退勤 時 刻 又 は 入 退室 時 刻 の記 録 な ど の適 当 な も のを 具 体的 に 明確 にす
決 議 す べき 勤務 状況 の把 握 方 法 は、 当 該 事 業 場 の実 態 に応 じ て ﹁いかな る時 間帯 に ど の程 度 の時 間 在社 し労 務 を 提
に、 当 該 労働 者 の勤 務 状 況 や縷
(指針 第 3 の 4ω )・ こ こ では ・ 企画 業 務 型 裁 量 労働 みな し 制 と いう 労 働 時 間 規制 の例 外 制 度 の実施 か ら予 想 さ れ る 対
状 況 に応 じ て使 用 者 が 講ず る具 体 的 な 健康 ・福 祉 確 保複
b ﹁
対 象 労働 者 の健康 、福 祉を 確 保す るた め の措 置 ﹂
(
労 使委 員会 が決 議 し 、使 用者 が講 ず る こと とさ れ る ﹁対象 労 働 者 の健康 、福 祉 を 確 保 す る た め の措 置 ﹂ は 、使 用者
↓
85
1
6
1
るも の であ る こ と が必 要 とさ れ る (
指 針 第 3 の4ω イ )。 本制 度 は、企 画 業 務 型 の裁 量 労 働 みな し 制 の制 度 の設 計 と運
用 の監 視 に労 働者 代 表 を 構 成 員 と す る 労使 委 員 会 の関 与 を 予定 す るも の の、 労働 時 間 制度 と し て の実 施 運 用 の主 体 は
使 用 者 にあ り 、 そ の法 的 責 任 は毫 も免 れ るも の では な い こと は当 然 の前 提 であ る。 つま り 、 こ こで の労 働 時 間 等 の勤
務 状 態 を 把 握す る使 用者 の義 務 の法的 性格 は、 こ の措 置 が労 働 時 間 算定 原則 の適 用 除 外 の要件 であ る こ と から 、 そ の
前 提 と し て の勤 務状 況 の把 握 義 務 は 公法 領 域 か ら 発 生す るも の と解 さ れ る。 た だ、 そ の内 容 が、 労 基 法 一〇 八 条 お よ
び 一〇 九条 を 根拠 とす る実 労 働時 間を 対 象 とす る 労働 時 間 管 理 義 務 では なく 、 健 康 ・福 祉確 保 措 置 とし て の ﹁在 社 時
﹁労 働 時 間 の適 性 な 把握 の た め に使 用者 が構 ず べき 措 置 に関 す る基 準 ﹂ (
平 成 一三 ・四 ・六基 発 三 三 九 号 ) が 、 み な し
一 間 ﹂ の把 握霧 であ る こと ・ そ の効 果 が刑 罰 を 背 景 と し た公 法 的履 行確 保 を 前 提 と し て いな いこ とな ど か ら ・ + 全 な
叢
意 味 で の公 法的 義 務 とは 異 な るも ので はあ る 。 労 基法 一〇 九 条 を 根 拠 に 公法 上 の労 働時 間 管 理義 務 の内 容 を 確 認 し た
論
制 の適 用労 働者 を そ の適 用 外 と し て いる のは、実 労 働 時 間 の把 握 義 務 の対 象 ではな いと いう 趣 旨 と 解 す る べき であ り 、
理 か ら の解 放 を 意 味 し た も の と は 解 し え な い. ・ の 方 法 と し て 、 指 針 は 、 労 働 者 か ら の 里
ロ、 上 司 に よ る 定 期 的 ・ ア
そ の意 味 で、 みな し 制 の対象 労 働 者 に対 し て の使 用者 の労 働 時 間管 理 は緩 和 さ れ た と は言 え ると し て も 、 労働 時 間 管
律
一
法
リ ング 等 の方 法 を 例 示 し て いる。 な お 、 裁 量 労働 みな し 制 にも 、休 日 ・深 夜 業 の規制 は及 ぶも ので あ る か ら、 こ の側
面 で の使 用 者 の労 働 時 間 把握 義 務 は公 法 的義 務 とし て依 然 と し て存 在 す る こと に は変 わり がな い。
さら に、指 針 は、私 法 上 、使 用者 に労 働契 約 を 根 拠 とし た 安全 配 慮義 務 が存 在す る こと を前 提 とし て、使 用 者 は 、勤
務 状況 把 握 と併 せ て、当 該 労 働 者 の健 康 状 態 を把 握 す る こと が望 ま し いとし て いる (
指 針第 3 の 4ω ロ)。 これ は、 公
法 上 の労 働 時 間 管 理義 務 が緩 和 さ れ た と し ても 、 私 法 上使 用者 が負 う 安 全 配慮 義 務 の 一環 と し て 労働 時 間 を 適 性 に把
(
40∀
握 管 理 す べき義 務 が使 用 者 に存 在す る こ とを 意 味 し て いる。 こ こ に は、 当該 労働 者 の業 務 が裁 量 労働 みな し 制 (
専門
業 務 型 裁 量 労 働 み なし 制 事 案 であ る が) であ った ことを も って使 用者 は安 全 配 慮義 務 を免 れ るも の では な く (シ ス テ
を 前 提 に 、 裁量
平 一二年 三 月 二 四 日労 判 七 七 九号 = 二頁 、
・心岳 面
ム コンサ ルタ ント事 件 東 京 地 判 平成 十年 三 月 一九 日 労判 七 三 六 号 五 四 頁、 東 京 高 判 平成 = 年 七 月 二 八 日 労 判 七 七〇
最 二小 判
の内昏 ・し て労働時間 ・労働状況 の把握霧
号五入量
霧
↑
の健 康 侵 害 への配 慮 (
注 意 )義 務 が含 ま れ ると す る (電通 事 件
二小か決労判七九 喜 六頁)
、その蓋
謝
(41 )
上・ 労 働 者 に裁量 の余 地 のな いよう な労 働 を 命 ず る べき で な
労 判 六九 二号 = 一
頁) 判例 の影 響 を 見 る こと が でき よう . この霧
同東 京 地 判
量 があ ま り に多 く ・ 妻
平 八 年 三月 二人 目
鯛
労働 みな し制 にあ ・て は・ 露
義 務 の内 容 と な って い ると も解 さ れ て いる 。
そ し て、指 針 は 、健康 ・福 祉確 保 の具体 的 措 置 と し て、代 償 休 日 ・特別 休 暇 、健 康 診断 の実 施、 年休 の連 続 取得 、 メ
い と い・
つ義 務 が 、 安 全 催
.
蠣
の
プ
から 生 ま れ る と いう 事 実 と 、 一般 に ヨー ロッ パで は創 造 性 の高 い研究 者 の労 働時 間 が年 間 一千 時 間 を上 回 る こと は 稀
防
四
ホ
捷
も
批
で あ る と 言 わ れ る ・ と か ら す る と 、 本 制 度 の 本 旨 を 真 に 実 現 し よ う と す る 労 使 に と っ て 、 こ ・ で の諸 護
ンタ ル ヘル ス ・ゲ ア の窓 口 の設 置 、 適 切 な部 署 への配 転 そ し て能 力 開 発 を 促進 す る自 己 啓 発 休 暇 等 が、 望 ま し いと 指
伽
に設 計 す る か が最 大 の課 題 と な る と言 え よ う ・ こ の課 題 への取 組 みを 労 使 委 員 会 の決議 に委 ねる のが本 制 度 の特 徴 の
・ の決議 を 使 用 者 が遵 守 しな い場 A見 手
を ど のよ 、
・
及 び記 録 の保 存措 置を 含 め て) を 決議 し た にも
・ の不 履 行 が裁 ・
重労 働 みな し制 の法 的 効 果 に影響 を 及 ぼす
第 一の点 に つ いて は、 立法 過 程 で の経緯 と本 措 置 の実質 的 重 要 性 を 踏 ま え て、 法 定 決 議事 項 す べ て が実 際 に履 行 さ
か 否 か、 さ ら に、 労働 者 は そ の決 議 事項 の履 行 を 使 用者 に請 求 し 得 る か と いう 問 題 が生ず る こと にな る。
か か享
・ のよ う な 使 用者 の構 ず べき 措 置 (
後 述 す る苦 情処 理 に関 す る 護
一つであ る 。
揺する (
指 針第 3 の 4ω ハ、二 )。 新 た女 創 造 と効 率 の増進 は 一時 期 のが むし ゃら な頑 張 り と そ の後 のゆ と りあ る生 活
麟
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務
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↓
87
1
鵬
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が制憲
入 の要件 であ・と
本決議 の不履 行に吉
裁旦
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制 の法的効力は告
な い・す ・見解があ勉
これ に 対 し て、 法 定 決 議 事 項 の性 格 に注 目 し て 、 企画 業 務 型 裁 量 労働 制 導 入 の要 件 であ る決 議 事 項 と 導 入 を前 提 と し
れ⋮
た そ の他 の事 項 に 二分 し 、 後者 の決 議 不 履 行 は 裁量 労 働 制 導 入 自体 の法 的 効 果 を 否定 す るも と はな り 得 な いとす る 見
(
43V
解 が あ る。 使 用 者 が講ず べき措 置 は、 制 度 の位 置付 け から す る と、 導 入 を 前 提 に し て、 導 入 さ れ た 制 度 に 伴う 弊 害 の
予 防 ・除去 を めざ す も のと さ れ、 事 実 上 の重要 性 は是 認 でき る も の の、 論 理 的 に は当 該 制 度 を 構 成 す る基 本 要 素 を 内
書 の法文護
に反映したも の・も思 われ 叢
上 の諸点 か・・決華
項を 二分す・見解 は制度萎
の蔑
に
容 とす る導 入要 件 と は性 格 を 異 にす る も のと も の と解 さ れ る。 そし て、 こ の こと が、 基 本 的 に は 、 労 基法 三八 条 の四
裏
適 合 し た妥 当 な も のと言 えよ う 。 ま た 、 実務 上 も 、 一旦要 件 を 充 足 し た も のとし て裁 量 労 働 み な し制 の法 的 効 力 の発
生
を 認 めた 後 に ・使 用者 の講 ず べき 複 の不 履 行 によ ・て 遡 ・てそ の法 的効 力 否 定 す る .﹂と と な る論 理蔑 は・ 採 用
し が た いも のと解 さ れ る。 以 上 の点 か ら は、 使 用 者 が 講ず べき 措 置 を履 行 しな い こと か ら 直 ち に裁 量 労 働 みな し制 自
論
律
体 が無 効 と な る と は解 さ れ な い。
第 二 の問 題点 に つ いて は、 使 用者 の講 ず べき 措 置 の決議 は直 接 に は使 用者 に就 業 規 則 の作 成 を 義 務 付 け る も ので あ
法
る とし ても 、労 基 法 九 三 条 を 準 用 し て就 業 規 則 の直律 的 効 力 を 認 め る こ と は いさ さ か論 理的 にも 困 難 な も のと 思 え る
(44 )
こと か ら 、当 該 決 議 の内 容 は 労使 の 黙示 的 な 個 別 的合 意 を 通 じ て 労働 契 約 の内 容 と な って いる とし て、 対象 労働 者 の
履 行 請 求権 を 同 労 働 契 約 を 根拠 に構 成 す る こと が、 最 も 無 理 のな い論 理 構 成 と 言 え よう 。
c ﹁
苦 情 処 理措 置﹂
(
労使 委 員 会 が決 議 し 、使 用者 が講 ず る こと と さ れ る苦 情 処 理 に関 す る 措 置 と は、 制 度 運 用 に伴 って 生ず る対 象 労 働
者 から の苦 情 への対 応 に つ いて、 そ の申 出 の窓 口 及 び担 当者 、 取 り 扱 う 苦 情 の範 囲、 処 理 の手 順 ・方 法 な ど の具 体 的
内 容 を 明 ら か にす る こ と であ る と さ れ て いる (
指 針第 3 の 5ω )。
働 制 の実 施 に関す ・も の の みな らず 評価 方 法 ・賃金 制 度 な ど 企 画 霧
そし て、 労 使委 員会 で の決 議 に際 し て、 委 員 は 、 苦情 を 申 し 出 やす い仕 組 みと し 、苦 情 の範 囲 は 企 画 業務 型裁 量 労
↑
る こ と、 既 存 の苦 情 処 理を 利 用 す る 場A口に は相 当 な 配慮 を す る こと が、 適 当 であ る こと に留 意 す べき であ る と さ れ て
制 に付 随 す ・事 項 に 関 す る も の ・す
謝
いる (
指 針 第 3 の5ω )・
)
d ﹁決 議 の期 間﹂
(
労 使 委 員会 は、決 議 の有 効 期間 を 定 めな け れ ば ならず 、 そ の期 間 は暫 定措 置 とし て当 分 の間 、 一年 以内 の期 間 に 限 る
型裁 量 嵩
謂
働
労
の
プ
と さ れ て いる (
法 三 八条 の四 第 一項 七号 、 労基 則 二 四条 の二 の三第 三項 一号 、労 基 則 附則 六六 条 の二)。 これ は 、 こ の
.あ 一
な事 能心
を 相心{
疋し て
指 針 は、 決議 時 占⋮で は予 測 でき な 塾事 情 の変 化 が生 じ た
を 行 な い得 る と決 議 し て お く こ と が適 当 であ る こと に 留意 す べき であ る と さ れ て いる (第 3 の7ω )。
場 合 に備 え て、 委 員 の半数 以上 から 労 使 委員 会 の開 催 の申出 があ った 場 合 に は、 決 議 内 容 の変 更 の た め の調 査 ・審 議
議 の廃 棄 や変 更 は 可能 であ 奄
な お、 決 議 の有 効 期 間 の途 中 にあ って も、 事 態 の推 移 を背 景 に、 労 使委 員会 の委 員 全 員 のA・意 があ る場 合 に は 、決
な ろう 。
、
と な りう る であ ろ う し 、 そ の決 議 違 反 が重 大 な も ので あ る場 合 に は労 働者 代 表 委 員 によ る合 意 の撤 回 が認 め れ る こ と
いも の と解 さ れ る . た だ、 例 外 とし て、 実 際 上 、 使 用者 が講 ず べき 措 置等 に関 す る 決 議 の違 反 が決 議 の見 直 し の契 機
そ し て、 期 間 が 設定 さ れ た以 上 こ の期間 中 は、 原 則 と し て、 委 員 に よ る決 議 の合 意 の撤 回 や、 一方 的 破棄 は で きな
のであ る。 こ こか ら 、 一年 を 超え た期 間を 定 め た決 議 は、 一年 の期 間を 定 め た も のと扱 わ れ る こ と にな る と解 され る。
新 た な働 か せ方 に つ いて は、 事 態 の推移 を踏 ま え て 一定 期 間 経 過 後 の決議 内 容 の見 直 し が不 可欠 と解 す る と こ ろ のも
防
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ワ
ホ
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ガ
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幽
労
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裁
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89
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0
1
e ﹁記録 の保存 ﹂
(
使 用者
は、 対 象 労 働 者 の勤 務 状況 、 健 康 ・福 祉確 保 の た め講 じ た措 置 、 苦 情 処 理 に つ いて講 じ た措 置 、 企 画 業 務 型
裁 量 労 働制 の適 用 に つい て の対象 労 働 者 の同 意 に関 す る労 働 者 ごと の記 録 を 、 決 議 有 効 期間 中 とそ の後 三 年 間 は 、保
存 し て お か なけ れば な ら な い旨 を労 使 委 員 会 で決議 す る こ とが 必要 と さ れる (
労 基 則 二 四条 の 二 の三 第 三 項 二 号)。
企 画 業務 型裁 量 労 働 みな し制 に関 す る記 録 の保 存 の措 置 は、 労働 者 の権 利 義 務 関 係 の証 拠 とす るだ け では な く、 使
用 者 に よ る情 報 提 供 と あ いま って噛 労 使 委 員 会 に よ る企 画 業 務 型 裁量 労 働 みな し制 度 運営 の監 視 と見 直 し に不 可欠 な
③決 議 の届 出 .周 知 .保 存
第 1 の3 のω チ)。
一 も ので あ る と の認 識 に基 づ くも の であ る 患 わ れ る・
叢
保 存す べ き記 録 の内 容 は 、個 々の労 働 者 の状況 が確 認 さ れ れ ば 足 り る とさ れ て いる (
平 成 一二 年 一月 一日 暴 発 一号
論
律
議 の届 出 は効 力 発 生 要 件 と位 置 付 け ら れ て いる こ と から 、 企 画業 務 型 裁 量 労 働 み な し制 の法 的 効 力 は 否定 さ れ る (
平
使 用者 は、 労 使 委 員 会 に よ る決 議 を 、 様式 =二号 の 二 によ って、 労 基 署 長 に届 出 なけ れな ば な ら な いと さ れ る (
法
法
一 三 八条 の四 笙 項 、労 基則 二四 条 の二 の三 筆 項 ). ・の届 出 を 怠 った場 倉 は、 罰則 はな いも の の、法 文 盤 上も 決
成 =一
年 一月 一日基 発 一号 )。
使 用者 は、 決 議 を 、 対象 労働 者 に限 らず 労 働 者 に、 作 業 場 で の掲 示 ・備 付 、書 面 の交 付 、 磁 器 テ ープ 等 によ る記 録
な ど の方 法 によ り 、 周 知 し なけ れば な ら な い (
法 一〇 六条 一項、 労 基 則 五 二条 の二、 平 成 一二 年 一月 一日基 発 一号 第
1 の3㈲ 、 平 成 一 一年 一月 二九 日暴 発 四 五 号 第 12)。 本 義 務 違 反 には、 刑罰 が科 さ れ る (法 一二〇 条 )。 た だ、 決 議 の
周 知 義 務 の趣 旨 は 、 周 知制 度 の主 要 な 趣旨 であ る労 働 条 件 の明確 化 を 目 的 と す る のみな らず 、 労 使 委 員会 への労 働 者
(45 )
の意 見 の適 正 な反 映 を 意 図 す る も の であ ると解 さ れ、 就 業 規 則制 度 に おけ る 周 知 と は性 格 を 異 にす る こと から 、 同 義
務 違 反 が 直 ち に決 議 の法 的 効力 に影 響 す る も のと は解 し が た い。
年間 の保 存 が 使
働 者 に適 用 さ れ る評 価 制度 と こ れ に対 応 す る賃 金 制 度 の内容 に つい て十 分 説 明す る こと 必 要 と さ れ る。 ま た変 更 の場
使委 員会 の決 議 は・ ・労 働 関 係 に関 す ・重 要 な 書 類 ﹂ に該 当 す ・ ・し て・罰 則 つき で 三
擶
間
時
働
労
の
プ
合 にも事 前 の説 明 が必 要 と さ れ る (
指 針 第 3 の8)。
さら舞
防
祉 措 置 の実 施 状 況 、 苦 情 処 理 の実 施 状 況 な ら び に労 基 署 長 への定 期 報 告 の内容 を開 示 す る 必 要 があ る とさ れ る (指 針
臣
イ
ワ
ホ
忙
あ
批
第 4 の4).
用 者 に義 務付 け ら れ て いる (
法 一〇 九 条 、平 成 一二年 一月 一日暴 発 一号 第 1 の4 の ω イ、 法 一二 〇 条 )。
鶴
ω
書
型重
そ の後 竺 年以内 ご・に 両
様式 ≡ 号 の四に
労働 制 の実 施 に対す る定 期 的 行 政 監督 の実 施 を 確保 す る た め に、 労使 委 員 会 決 議 を 届 出 た使 用
会 の決議 の行なわれた・から六 ヵ月以内 に 面
月 以内 に 一回 報 告 し なけ れ ばな ら な い (
法 三 八 条 の四第 四項 、 労 基 則 二 四条 の 二 の五 、 労基 則 附 則 六 六 条 の二)。
よ り 、労 基 署 長 に対 し て所 定 事 項 の報 告 義 務 が課 され る 。 暫 定措 置 とし て、 当 分 の間、 決議 が行 な わ れ た 日 か ら 六 ヵ
者に雰
特 に企 画 霧
定 期報 土、義 務
労 使 委 員会 の委 員 が企 画業 務 型 裁 量 労 働制 の実 施 状 況 を 十分 に把 握 でき る よう に、 対 象 労 働者 の勤 務 状 況 、 健 康 ・福
さ ら に、 よ り 一般 的 に、 労 使委 員 会 にお いて十 分 な調 査 審 議 が行 なわ れ 的確 な 決 議 が 行 なわ れ る た め に、 使 用者 は、
使 用者 は、 労 使 委 員 会 の必要 的 決 議 事 項 に つ いて の決 議 が適 切 に行 な わ れ る た め に、 そ の決議 に先 立 って、 対 象 労
④使 用 者 の情 報 提供
鮒
裁
醒
酵
↓
一
19
92
1
定 期 報 告 の内 容 は 、対 象 労 働 者 の労 働 時間 状況一 平 均 お よ び最 長 の労 働時 間 状況 、 実 際 の労 働 時 間 の把 握 方 法 も 含
一 、 健 康 福 祉 措 置 の実施 状 況 、 苦 情 処 理 の実施 状 況 、 労 使委 員会 の開 催 状 況一 開 催 日時 の具 体 的報 告 を含 め一 とさ
め
適 用労 働 者 の同意
℃
れる (
平 成 一二 年 一月 一日暴 発 一号 第 1 の5)。
4
法 文上 は、 労 使 委 員会 の決 議 条 項 と し て使 用者 が適 用 労 働者 の同 意 を 得 る こと、 そ し て同 意 し な か った 労働 者 に対
意 が みな し 制 の要 件 と は さ れ て いな い。 た だ、 裁 量 労 働 制 研 究会 報 告 では 、 裁量 労 働 制 が労 働者 本 人 の自 発的 意 思 を
し て解 雇 そ の他 の不 利益 取 扱 いを し て は な ら な い旨 を 定 め る こと と され て いる に と どま り 、 法 文 構成 上 は労 働 者 の同
論
基礎 と し て いる と いう 裁量 労 働 制 の本 質 か ら、 さら に労 基 法 の大幅 な 例 外 を 認 め るも の であ る こと か ら よ り慎 重 な 手
叢
律
労働 省 試案 およ び中 央 労働 基 準 審 議 会 建 議 で は、 労 働 者 の同意 は適 用 要 件 で はな く、 指 針 で示 す 労使 委 員 会 決 議 事 項
続 きを 必 要 とす る 手 続的 観 点 から 、 労 働者 の同意 を 要 件 と す る こ と が有 意義 であ る とし て いた 。 そ の後 の行 革 委 員 会
法
一 規制 緩 和 小 委 員会 暑 し (一九 九 六 年+ 二月 ) でも 労 働 者 本 人 の意 向 を 豊 す る .﹂と が 必要 とさ れ て いた. し か し、
の 一つと さ れ て いた。 これ が、国会 に おけ る修 正 を 経 て必 要的 決 議 事項 とし て法 文化 さ れ た。 こ の修 正時 点 で の立法 趣
(
46)
旨 は、 適 用労 働 者 の同意 は適 用 要 件 であ ると す るも の であ った こと は 明 ら か であ る。 そ こか ら、 適 用労 働 者 の同意 は、
(47 )
立法 の 経緯 と自 主 的 働 き方 を 志 向 す る 制度 趣 旨 を ふま え て 、法 文 の形 式 に拘 泥す る こ とな く 、 みな し制 適 用 の不 可 欠
な要 件 と解 さ れ な け れ ば なら な いと す る 点 で 大方 の見 解 は 一致 し て いる 。 こ の同意 を 要 件 と す る 規定 に関 し て、 裁 量
労働 制 の適 用 を 最 終 的 に労 働 者 の個 別 同意 に委 ね る構 成 を 、労 働 者 の多 様 化 に伴 う 労 働 条 件 規 制 のあ り方 と いう 視 点
(48 )
か ら積 極 的 に評価 す る 見解 があ る。し かし 、こ こ で個別 同 意 を要 件 とす る のは 、裁 量 労 働制 と いう 働 き 方 に由来 す る も
の では あ る とし ても 、 これ を適 用要 件 と し た 政策 的 判 断 は 、 こ の制 度 の適 用 に よ り最 大 か つ直 接 の影 響 を 受 け る 労 働
れ た ) 逸脱 に対 す る 個 別 的 な渠 口権 を 保 障す る ・ と にあ る と捉 え る べき であ る. し た が って 、 ・れ は、 労 基 法 旧 六 四
↑
制
規
間
観
条 の三 で の ハイ ヤー タ ク シ 秦
者 の同意 を えな け れ ば 労 働者 利 益 保 護 と いう 労基 法 の本旨 にも と るも のと 解 さ れ た から であ る と位 置 付 け る べき であ
嚇
者 の同意 を 要 件 と し て いる こ と から 、 本制 度 が労 働 者 保護 の規 範 を 個 別 労働 者 自 身 に選 択 さ せ るも の であ り 、 労働 条
鯉
競
概
し
な
み
蠣
り (
指 針 第 3 の 6ω )・ 自律 的 傷
(
指 針 第 3 の6 ②)、 労 働者 の同 意 の実 質 を覆
れ る評 価 制 度 ・賃 金制 度 の内 容 、 同 意 し な か った場 合 の配 置 ・処 遇 に つ いて労 働 者 に明 示す る ・ と が望 ま し いと さ れ
の6 ω ) と され 、 包 括 的 同意 は認 めら れ な い. 使 用 者 は そ の同 意 を 得 る 際 に は、 制 度 の概要 、 同 意 し た場 A.に 適 用 さ
え る。 そ れ故 、 こ の同 意 は本 制 度 に と って本 質 的 な も のと位 置 付 け ら れ る。 そ し て、 こ のよう な 意 義 を も つ個 別労 働
能 的 に は労 働 基 準 を 労 働者 に よ る選 択 に委 ね たも のと 捉 え られ る側 面 が あ る と し ても 、 そ の本旨 はそ こ には な いと 言
に おけ る 女 性 労働 者 の申出 によ る深 夜 業 規制 の解 除 と は質 的 に 異 な るも の であ り、 機
り 、 そ の同意 はネ ガ テ ィ ブ な 同意 、 つま り 、 そ の本 質 は 適 用労 働 者 の労 働条 件 規制 から の不 当 な (と労 働 者 に理解 さ
プ
カ
ト
イ
評
礫
撤回によ・ みなし制 の適用を免れ・かが議論 ・れ・叛
件 規制 の任 意 的 規 範 への転 換 の象 徴 であ る とす る捉 え 方 は、 明ら か に制度 の 理解 を 超 え た も のと言 わ ざ る を え な い。
↓
か の問題 であ る 。 裁 量 労働 制 研 究 会 報告 、 中 央 労 働 基 準審 議 会 建 議 や 法案 要 綱 には 申 出 に よ る適 用 の除外 制 度 が盛 り
同意 を適 用の開墾
件・解す ・か難
れ髄
同意 の
件・解す ・
込 ま れ て いた にも か か わら ず 、 指 針 では撤 回 の要 件 ・手 続 き の決 議 が 望 まし いとさ れ る に と どま って いる。 裁 量 労 働
・な
を促 進 す ると いう 制 度趣 旨 に照 ら し て黙 示 の推{
疋で は足 り な いと蟹
す る ・と が求 めら れ る . 同意 の形 式 は書 面 に よ る ・と が求 め ら れ て お
労働 者 の同 意 は、 当 該労 働 者 ごと に、 か つ労 使 委 員 会 の決 議 の有 効 期 間 ご と に得 ら れ な け れ ばな ら な い (
指針第 3
93
1
9
1
みな し 制 が労 働 者 の自 発的 意 思 を 基 礎 とす るも の とす る と ころ がら 、 同 意 の存 在 は開 始 要 件 と し て の みな ら ず 継 続 要
(
50∀
件 であ る とし て、 撤 回 に よ る適 用 の除 外 が認 めれ ると す る のが多 数 見 解 であ る
。
同意 しな か った 労 働者 への解 雇 そ の他 の不 利 益 取 扱 いは 禁止 され ると 決 議 さ れな け れ ば な ら な い。 不 利 益 取 扱 いに
は 、賃 金 等 の処遇 のみ な らず 、配 置 も 含 ま れ る (
指 針 第 3 の6ω イ な お書 き )。 この配 置 に 配 置換 えも 含 ま れ か が問 題
と な る。 労 働 者 の個 別 同意 を要 件 とす る 以 上、 同 一部 署 に配 置 され て同 一業 務 を担 当 す る労 働 者 であ って も本 制 度 の
適 用 を受 け る者 と受 け な い者 の混 在 があ る ことを 論 理 的 前 提 に し て いると 解 さ れ る こ と から 、 そ の配 転 に不 利 益 が伴
一 ・
つも のであ る場 合 は 当 然 に ・不 利 益 が明 ら か で守 とも 見 せ し め等 の効 果 を 狙 ・た も の であ る場 倉 は、 不 利 益 取 扱
叢
(
51)
いと し て禁 止 さ れ て いる と解 さ れ る。不 利 益取 扱 い の禁 止 に 違 反し た場 合 には 、公法 上 、裁 量労 働 み な し要 件 を 充 足し
な いも のと し て みな し 制 の適 用 は でき ず 、 私 法上 そ の不 利 益 取 扱 いは公 序 違 反 と し てあ る いは信 義 則 違 反 又 は権 利 濫
労 働 みな し制 のそ の他 の要 件 を充 足し て い ・労 働者 の大 多 数 が
(
53 )
務型重
論
企粟
用 ・ し て無 効 ・な ・ も の・ 蟹
みな し の法 的効 果
て いる .
そ の適 用 を 求 め て いるわ け でな いと いう 実 態 があ る こと か ら、 不 利 益 取 扱 い の禁 止 の履 行 確 保 が最 重 要 の課題 とな つ
れ箆
律
法
一
5
労 働 時間 算 定 の例外 とし て の労 働 時間 みな し 規定 によ り ﹁みな す ﹂と は、法 論 理 上 は性 質 の異 な る も のを 、あ る 一定
の法 律 関係 に つ いて同 一のも のと し て、同 一の法律 効 果 を生 じ さ せ る こと を いい、法律 によ る 擬制 であ る。 みな す 場 合
に は、法 令 が絶 対 的 にそ の法的 効 果 を確 定 し 、当事 者 が そ れ と違う 事 実 を主 張す る こと は許 さ れず 、異 な る 事実 を 立 証
し ても そ の法 的 効 果 は変 更 ・消滅 す るも ので はな い。 し た が って、 ﹁みな し﹂ は 労 基法 上 の労働 時 間 算 定 の原 則 であ る
の実積原則から の要請を前提にしな が・皇
実 積 主義 と は対 立す る こと に な る。 つま り 、 み な し制 はそ の内 容 を 実 積 に でき る だけ 近 づけ る べき であ る と の労 基 法
あ り 、 みな し制 によ り 算 定 さ れ た労 働 時 間 は 、 実積 に直 ち に対 応し な いと いう意 味 で擬 制 労 働 時 間 であ る。 企 画 業 務
算定 に困難 が伴 ・労働時間を便宜的 に算定 す・法的技術 で
↑
れ た時 間数 労 働 し た も の と みな さ れ る こと にな る。そ し て 、 こ のみな し 労 働時 間 数 が法 定 労働 時 間 規制 の基 礎 と な る。
務 の性篁
備
裁 量 労 働 み な し制 規 定 は 、 法第 4章 の労 働 時 間 に関 す る 規定 に関 わ る労 働 時 間 の算 定 に つい て適 用 さ れ るも の であ
、 労 使 委 員 会 決議 で定 めら
輔
働
労
の
プ
る (
労 基 則 24条 の2 の 3第 2項) か ら、労 働 時 間 に関す る規 定 で な い休 憩 時 間、法 定 時 間 外 労働 ・法 定 休 日 労働 、深 夜
(4)
(
5)
花見 忠 ・労働 基 準 法 改 正 の焦 点 L 労働 法 研 究 会報 三
二 六号 天 頁
拙稿 ﹁労 基法 38条 の2 (
時 間 計算 ) ② ﹂ ﹃
注 解 法律 学 全 集 労働 基 準 法 1﹄ 四九 九 頁 以 下
大沼 邦 博 ﹁
改 正労 基 法 の政 策 と法 理 (
中 )﹂ 労旬 一四 六 三号 三 五 頁 、盛 前 掲 労 旬 一四八 八 号 一八頁
"颪 離 礁 。
翻 鞭 藁 祀鶴 舞 調査研究馨 ﹄=頁
(
・)
注
ぎ ず 、 私 法 上 労働 者 を みな し 制 に 拘束 す る には 別 に就 業 規 則 等 によ り労 働 契 約 内 容 と し て お かな け れ ば な ら な い。
な お 、 本 制度 の要 件 を 充 足 す る ・と の法 的 効 果 は、 労 基 法 上 の裁 量労 働 みな し 制 を 適 用す る ・と を 適 法 とす る にす
とり 方 は労 働 者 にま か され て いる ので、使 用者 は当 該 労 働者 が休 憩 で き るよう 一定 の配慮 をす れば 足 り る と解 さ れ る。
と割 増 賃 金 の支 払 いが必 要 にな り、 さら に深 夜時 間帯 に か かる 場合 に は割 増 賃 金 の支 払 が必 要 とな る 。 休 憩 の長 さ と
業 に関 す る 規定 は排 除 さ れ な い こと に な る。 し た が って、 みな し 労 働時 間数 が法 定 労 働時 間を 超 え る場 合 には 36協 定
型 裁 量 労働 みな し制 が適 用 さ れ る と、 当 該 労 働者 に つい ては 実 際 の労 働 時 間 と は 関係 亨
隔
イ
ワ
ホ
と
制
糺
醸
鶴
労
量
裁
型
務
↓
95
1
19
一
(
13)
(
12)
(
11)
(
10)
(
9)
(
8)
(
7)
(
6)
大 沼 前 掲三 八 ・九 頁 、毛 塚 前 掲 ジ ュり スト = 五 三号 五 八 頁 、毛 塚 勝利 ﹁労使 委 員 会 の可 能 性 と企 業 別 組 合 の新 たな 役割 ﹂
荒 木 前 掲三 三 頁 、 渡 辺章 ﹁雇 用法 制 ﹂ 書 斎 の窓四 九 三 号 = 頁
角田邦重 ﹁
労 基 法 の改 正 と今 後 の課題 ﹂ 労旬 }四 五 〇 号 一四頁
大 沼 前 掲労 旬 一四 六 三号 三 八 頁
毛塚勝利 ﹁
職 場 の労働 者 代 表 と 労使 委 員 会 ﹂ ジ ュリ スト 一 一五 三 号 六三 頁 註 (
1)
盛 前 掲 労旬 一四 八 八 号 二 二頁
荒木尚志 ﹁
裁 量 労 働制 の展 開 と ホ ワイ ト カ ラ ー の法 規制 ﹂ 社 会 科 学 研究 五 〇 巻 三号 二〇 頁
盛 前 掲 労旬 一四 八 八 号 二〇 頁
(
24)
(
23)
(
22)
(
21
20)
(
19)
(
17)
(
18)
(
16)
(
15)
盛誠吾 ﹁
新 裁 量 労働 制 の概 要 と導 入上 の留意 点﹂ 労 働法 学 研究 会 報 一= 九 〇 号 三 〇頁
荒 木前 掲 二 一頁
大 沼前 掲三 九 頁
小島 典 明 ﹁リ スク と チ ャ ン ス﹂ 日本 労 働 研 究雑 誌 四 九 四号 二 一頁
大 沼前 掲三 九 頁
労
毛働
塚省
前労
掲働
ジ基
ュ準
リ局
ス賃
ト金
一時
一間
五部
三 号﹃
新
六裁
〇量
頁 労 働制 の早 わ か り﹄ 三 二 頁
蓼沼謙 一 ﹁
半 世 紀 の今昔 ﹂ 学 会 誌九 七 号 一一頁
学 説 の状況 に つき 浜村 彰 ﹁労 使委 員 会 によ る 労使 協 定 に代 わる 決 議 ﹂労 旬 }四 八 八号 三 九 頁参 照
毛 塚 前 掲 日本 労 働 研 究雑 誌 四 八 五号 一七 頁 、
労 働 省 労働 基 準 局 ﹃早 わ かり 改 正労 働 基 準 法 (
決定版ご
角 田 前 掲 一五 頁
毛 塚 前 掲 ジ ュリ スト 一 一五 三 号 六 一頁 、 荒 木前 掲 二 一頁
日本労働研究雑誌・会 、
三 六頁
(
25)
労 働 省 労働 基 準 局前 掲 一五 〇 頁、 一五 九 頁
(
14)
(
26)
毛 塚前 掲 ジ ュリ スト = 五 三 号 六〇 頁 、 大 沼前 掲 四 〇 頁、 小 島 典 明 ﹁
従 業 員 代表 制 ﹂ 二 一世紀 講 座 八 巻 六 二頁
叢
論
(
27)
毛 塚前 掲 ジ ュリ スト } 一五 三 号五 九 頁 、 大 沼前 掲 四 〇 頁
一五 五 頁
律
(
28)
融
(
29)
(
30)
(
31)
荒 木 前掲 二 二頁
会 の労 使 協 議制 ・し て 箸
・蕾
す ・ 点 から は、 さ ら ・全 員 薮 が
労 働 省 労働 基 準 局 賃 金時 間 部 前 掲 三 二頁 。 こ の見 解 は 、 三六 協 定 に関 す る平 成 一 一年 三 月 三 一日基 発 一六 八 号な ど の行 政
毛 塚 前掲 ジ ュー で
鴨 田 哲郎 ﹁﹁
企 画 型﹂ 裁 量 労 働 制 は働 き 易 いか ?L 労旬 一四 七 三 号 六〇 頁 、 時 短促 進 法 の解 釈 で 怯、 出 席 の如 何 を 問 わず 、
時 短 促 進法 の詳 細﹄ 八 九 頁
必 然 であ る とす る 見解 もあ る 。毛 塚前 掲 日本 労働 研 究雑 誌 四 八 五号 一五 頁
な お労 使 責
毛 塚 前掲 ジ ュリ スト 一 一五 三 号 六 二頁 、 毛 塚前 掲 日本 労 働 研 究雑 誌 四 人 五号 一八 頁
見 解 に沿う も の であ る。
(
34)
露
(
53)
労 働 省労 働 基 準 局前 掲三 八 頁
労 働 省労 基 局 賃金 時 間 部 ﹃改 正
大 沼 前掲 四 二頁
制
規
間
(
36)
毛 塚 前掲 ジ ュリ スト 一 一五 三 号 六 二頁
爾
(
73)
(
33)
労
の
(
38)
(
32)
縛
= 五 三 号 六 二真
ト
(
迎
(
39)
大 沼 前掲 四 四 頁
小 島 郁 子 .ホワ イ ト カ.
フー 労働 者 と使 用者 の簾
毛誘
大 沼 前掲 四 四 頁
時 短促 進 法 の詳 細﹄ 九 〇 頁
ホ
と
制
(
14)
角 ・前 掲 一四 真
正
批
(
42)
大 沼前 掲 四 五 頁
委 員 全 員 の合 意 が 必 要 と解 さ れ て お り、 労 使 委員 会 にお いて別 異 に 解 され る べき 根拠 はな い。 労働 省 労 基 局賃 金 時 間 部 ﹃
改
働
(
34)
本 久 洋 一 ・労 基 法第 一・ 六 条﹂ ・
基 本 法 ・ ンメ ンタ ー ル労 働 輩
四
労
(
44)
荒木 前 掲 二 ・
一
貫
配慮 霧
・呆
茜
法 (
第 四 版ご 一
二四 七 頁
労働研羅
五 頁註 二九
濾
(
54)
大
盛沼
前前
掲掲
労三
旬六
一四
頁八
、盛
八号
前掲
一五
労旬
頁、
一四
二七
八頁
八註
号 一
(7
六)
頁 、 吉 田美 喜 夫 ﹁
裁 量 労 働制 ﹂ ﹃
21 世紀 の労 働 法第 5巻 ﹄ 二 七 二頁 、
紀 の労 働 法 第 5巻 二
型
(
47
46)
荒 木前 掲 三 三 頁
利 .賃 金 ・労働 時 間 法 の法 理 ﹂ .毒
籍
48)
大 沼前 掲 三 六 頁
大 沼前 掲 三 六 頁 、盛 前 掲 労旬 一四 八 八号 二五 頁
些 一
頁
噸
(
49)
(
50)
19
19
(
51)
角 田前 掲 一四 頁、 大 沼 前 掲 三 七頁
盛前 掲 労 旬 一四人 入 号 二 六 頁
法 改 正 過 程 で の法 案 の国 会 提 出 に先 立 つ労 基法 改 正案 要 綱 の段 階 で・ 唐 突 に 現
協 定代 替 決議 制度
佐藤 博 樹 前 掲 一六頁
(
52)
三
法第 三八 条 の四 第 五 項 は・ 塞
(53 )
塞
論
と し て の労使 委 員 会 に つ いて 、 私見 で は、 時 短 促進 法 を モデ ルに 、 この制 度 は労 使委 員会 の構 成 から 見 た労 働者 代表
た め 、 そ の位 置 付 け と内 容 は学 説 上 の論 議 に委 ね ら れ て いる 状 況 に あ る。 前 述 し た よう に、 労 使 協 定 代 替 決 議 の主 体
わ れ た も のであ り 、 規 定 の当 否 や内 容 に つ いて のこ れ と い った 国 会審 議 も な く 規 定 さ れ て しま ったも の であ る。 そ の
律
性 と 民主 性 の評 価 にも と づ いて、 労 使 協 定 に代 替す る こ と の不 都 合 は な いと いう 政 策 判断 を決 め手 とし た も のと解 し
[
叢
法
て いる . た だ、 事 業 場 要 件 は .
・の肇
判 断 の基 礎 と な って い る評 価 と関 わり のな い要 件 で あ る ・ と から 、 本 社等 以外
一
の事 業 場 で 設 立 され た場 合 でも、 労使 委 員 会 の実質 的 要 件 を 充 足 す る か ぎり 、 そ の労 使委 員会 が決 議 し た 労 使協 定 代
替 決 議 に は 法定 効 力 を 承 認 し 得 る と解 す る。 さ ら に、 私 見 で は、 労 働時 間 みな し 制 が 労働 時 間 算 定 の例 外 であ る こと
を 重 視 し て 、 労 使委 員 会 の設 置 の届 出 は労 働 者 代 表 性 の充 足 をチ ェックす る た め に不 可欠 であ ると 解 し て いる。 し か
し 、 現 行 の労使 委 員 会 設 置 の届 出様 式 (
様 式 十 三 号 の三 ) に は事 業 場要 件 が含 ま れ 、 本 社 等 の事 業 場 以 外 で の届 出 の
を 認 め得 る と い 見 解 に逢 着 せ ざ るを え な 覧
た
余 地 は な い こと を ふま え ると 、 現 在 の と ころ 、 過 半 数代 表 者 でも 届 出 な し に労 使 協 定 を締 結 し得 る フ レ ック スタ イ ム
制 と 計 画 年 次有 給 休 暇 に関 す る 決議 に の み労 使 協定 代替 の法 的 黎
だ、 こ の事 業 場 要 件 が 今次 改 正 論 議 の 一つの焦 点 と な る こ と が予 想 さ れ る。
雑
則
労働契
この決 議 の法 的 効 力 は、 法 定 事 項 に つ い.
て の労 使 協定 と同 一の効 力 、 つまり 公 法 次 元 で の免 罰 的 効 力 お よ び 同条 項
に違反す・労働協和
約 は 、 そ の決 議 違 反 部 分 に つ いて は決議 の強行 性 解 除 効 果 が機 能 し て いな いこ と から 、 労 基法 の当 該 条 項 の強 行 性違
したが ・て 羅
反 と な り無 効 と判 定 さ れ る。 さら に、 本制 度 は決 議 に労 基法 条 項 の強 行 性解 除 効 力 し か 付与 し て いな いこと か ら 、 原
(
2)
則 と し て、 労 働 者 を 法 的 に 拘束 す る ため に は 私法 的 根 拠 が必 要 とな る 。
延
謝
同 一事 項 に つ いで労 使 協定 と決 議 が併 存す る場 合 の両者 の関 係 に ついて は、 労 働 者 代 表 性 と 民主 性 の点 で優 れ て い
私法的 強行性を解除す ・効力をも つも の・蟹
鯛
働
労
の
洗
る とし て も そ の評 価 が直 ち に決 議 の規 範 的優 位 性 を 承 認 す る こ と に つな が る も ので はな いと 解 さ れ る から 、 時 短 促 進
∵
防
法 と同 様 、 両者 は規 範 的 に は 同 一視 す べき で あ ろう 。 そ の結 果、 いわ ば 後 法優 位 原 則 によ って 、時 間 的 に後 か ら 成 立
(
3V
し たも のが有 効 とな ると の取 扱 が妥 当 と 解 さ れよ う 。
具 体 的 に は、現 行 労 基法 上 の労働 時 間 .休 憩 .休 日 .年 休 に か かわ る す べ て の労 使協 定 であ る 一ヵ月 変形 制 、 フ レ ッ
四
ホ
と
制
軋
過 半 数 労働 者 袋
ク スタ イ ム制 、 一年変 形 制 、 遍 間 非 定 型的 変 形 制 、 一斉 休 暇 の適 用 除 外 、時 間 外 ・休 日労 働 (
36 協定 )、事 業 場 外 み
鶴
労
量
裁
鯉
る も の の う ち 時 間 外 ・休 ・ 労 働 以 外 の事 項 に つ い て は 、 同 決 議 の 届 出 も 免 除 さ れ る
(1)
注
.一.7
基 発 一。
万).
の決議 によ って代 替 され る 。と にな る. さら に、同労 使 協 定 の届 出 が求 めら れ
(
平成 ≡
同旨 毛 塚 前 掲 日本 労 働研 究 雑 誌 四人 五 号 一八頁 。 ただ 、 同説 と 私 見 は、 企 画 業 務 型裁 量 労 働 み なし 制 の導 入 と の関 連
を も って労 使委 員 会 が 設 置 され る ことを 要 件 と解 す る か 否 か の点 で 異 な るも の であ る。
の同 意 は 、労使 委 暴
な し 制 、専 門業 務 型裁 量 労 働 みな し 制 、計 画 年 休 、年 休 日 賃金 の標 準報 酬 支 払制 に お いて、要 件 と され る労使 協 定 又 は
醸
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論
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3)
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浜村 前 掲 労旬 一四人 入 号 四 一頁
毛 塚同 上 一九 頁
お わり に
裁 量 労 働 みな し制 は、 労 務 管 理論 の視 点 から は 、 企業 は労 働 者 の業 務 の目 標 と期 限 の設定 と そ れ に伴 う 統 制 を 行 い
(1 )
つ つ、業 務遂 行 方 法特 に労 働時 間 の配 分を 労 働者 の ﹁自 己 管 理﹂ に委 ね て 、実 質 的 に労 基 法 の労働 時 間 規制 を 免 れ る こ
正 に機 能 せ麓
結 果 とし て適
実 労働 時
用労 働 者 の犠 牲 に お いて人 件 費 の削 減を 実 現 す る こと に終 わ って
と が で き る制 度 と評 価 さ れ 、業 務 量 と 要員 数 の改 善 、 さら に、業 務 遂 行 過程 で の裁 量 度 を高 め、成 果 評 価制 度 の整 備 が
な いと ころ で は適
し ま う と 指摘 さ れ て いる・ 企 画業 務 型裁 量 労 働 み な し制 が適 用 可能 な 労働 者 に つ いて の実能心
調 査 によ れ 蝿
導
法 問 が週 五 五時 間 以 上 の者 が 三割 弱、 週 二 .三 回夜 十時 以 降 ま で会 社 で 仕事 す る 者 も 三割 弱 とな ってお り 、 週実 労 働 時
一 間 を 長す ぎ る と管 玉 る 労働 者 は五 割 を 上 回 ・て いゑ そ し て ・年 休 取 得 ・数 が 二吉 を 超 え て いる 労働 者 竺 割
し か いな いと いう 実 態 が存 在す る・ ま た・ 専 門業 務 型 裁 量 労 働 み な し制 の適 用 実態 に関 す る複 数 の調 査 に よ れ 屯
入 に よ って実 労 働 時 間 が長 く な る傾 向 つま り 在社 時 間 が増 大 し家 族 と とも に過 ごす 時 間 が減 少 す る 傾 向、 年 休 取 得 状
況 が 平均 より は る か に悪 い傾 向 、 精 神 的 プ レ ッシ ャ! が増 大 し 仕事 の こと を忘 れ る時 間 が大 幅 に減 少す る傾 向 、 仕 事
に 没 頭 し つづけ る 傾 向 な ど が が指 摘 さ れ て いる。 さら に、 産 業衛 生 学 的 調 査 では、 う つ病 等 の発 症 が非 裁 量 労 働 制 労
(5 )
働者 の 一・五 倍 、 疾 病 発生 リ スク が最 も 高 いと診 断 さ れ た 率 は非 裁量 労 働 者 の十倍 に達 し て いる と いう 実 態 が 明ら か
と さ れ、 適 用 労 働 者 の心身 の健 康 状 態 の悪 化 も 指 摘 さ れ て いる。 前 述 し た企 画 業務 型裁 量 労 働 みな し制 の基 本 構 想 自
体 が含 む労 基 法 体 系 上 の問 題 点 と 以上 の実 態を 前 に し て は、裁 量 労 働制 のも と で就 労す る ホワ イ ト カラ ー は、 ﹁新 し い
も ・の場面にお いては新・ い労働者像に基三
・
説は極めて抽象的 ・評価 せざ・重 三
.
タイ プ の労 働者 ﹂ と は言 え ても 、 労働 保 護 法 の介 入 と労 働 者 の団結 活 動 の支 援 を 必要 と しな い ﹁強 い労 働者 ﹂ と はと
少一
三
景
㌘
今 後 の企 画 業務 型裁 量 労 働 みな し制 を は じ めと す る ホ ワイ ト カ ラ ー 労働 時 間 法 制 の改 正 は、 ま ず 、 裁 量 労 働 み なし
制 のも と で の労 働 実態 とそ れ を 取 り 脊
講
繭
的 観 点 で は ・ ホ ワ イ ト カ ラ ー 労 働 が い か に 知 的 活 動 で創 造 的 な 労 働 で あ ・ た と し て も ・ ま ず ・ 明 ・ へ持 越 す ・ と が で
プ
大 ・家庭 生 活 の充実 ・男 女 平等 の実 現 と いう 新 たな 価 値、 さら に、雇 用機 会 の拡 大 と いう 労 働 政 策的 価 値 を 政策 価 値 と
(
6V
す る も の であ る ことを 前 提 に、検 討 さ れな け れ ばな ら な い。以 上 の観 点 か ら は、ま ず 、す でに ヨー ロッパ諸国 で実 現 し
今 日 の労働 時 間 法 制 は と し て長 時 間 労 働 に よ る健 康 侵 害 か ら労 働 者 を 守 る と いう 古 典 的 価 値 に 加 え て、 自 由 時 間 の拡
き な い睡 眠 、家 事 、 文化 的 活 動な ど の最低 の生 活 時 間 の確 保 が 一日単 位 の労働 時 間 の制 度 的 限 度 であ る こ と、 さら に、
・働 き す ぎ が 死 に至 るL わ が国 の労 働 時 間 の現 状 を踏 まえ 、 次 に、 立法 政策
蠣
防
て いる夜 間休 自心制 度 な ど の休自心権 保 障 のよ り 実 効あ る制 度 を 展望 す る こと な し に、 深夜 労 働 の規制 を解 除す べき と の
の
四
ホ
と
制
帆
提津
を 現 行 労 働時 間 法 の適 用 除 外 とす べ き と の提
日単 位 の時 間 規 制 は も ち ろ ん休 日、 休 憩璽 休 暇 な ど の規制 をも つも の では な い. そし
言 に は、 賛 成 し が た い。 そ も そ も 、 ア メ リ カ公 正 労働 基 準 法 七条 は、 割 増 賃 金 を 労 働者 が受 け 取 る こと な し に使 用 者
イグ ゼ ンプ シ ・ ンを モデ ル にし て・ 専門 的 能 力 を も つホ ワイ ト カ ラ虐
フ!
鶴
は週 四+ 時 間 を 超 え て働 か せ ては な ら な いと定 め て は いる が、 そ の本 質 は時 間 外 .賃金 ・ の規 制 にあ り 、 そ れ が同 法
法 に お け ・ ホ ワイ 老
壁
裁
型
務
蝶
の時 間規 制 のす べて であ 3
残 ・. さ ら に 、 ア ・ ・ 力 公 正労 働 華
↓
て 、 イ グ ゼ ンプ シ ョ ン は 賃 金 額 の 高 さ と 時 間 数 に 対 応 し な い = 疋額 制 が 中 心 的 要 件 と さ れ 、 規 定 上 要 件 と さ れ る 当 該
(
8)
労 働 者 の 人 事 権 限 、 裁 量 権 限 、 非 除 外 業 務 の 程 度 な ど は 副 次 的 な も の と な っ て い る 。 つま り 、 イ グ ゼ ンプ シ ョ ン の 本
現 時 点 で の政策 ・ し て の妥 当 性 に疑 票
ユ
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質 は、 賃 金 規 制 にお け る 割 増賃 金 の除 外 と いう 本 質 を も つも の であ り、 法 定 の労 働時 間 規 制 が厳 然 と し て 存 在 し て い
る わ が国 法 体 系 にと って モデ ルとす る には そ も そも 適 さ な い制 度 の性 格 を も つも のと言 え る。 今 後 の立 法 モデ ルを 必
要 とす る の であ れ ば 、 規制 のあ り方 の規 範 的前 提 とし て の憲 法 以 下 の規 範 の基 本構 造 の類 似 性 から い って ア メ リ カ 型
(
9)
で は な く、 ヨー ロ ッパ型 を 基準 とす べき であ り、 例 え ば 、 ホワ イト カラ ー の労 働時 間 規 制 に対 す る 特 例 の モデ ルと し
て 、 フラ ン スにお け る 二 〇 〇〇 年 一月 の いわ ゆ る第 二 次 オ プ リ ー法 にお いて創 設 さ れ た幹 部 職 員 の労 働時 間規 制 に関
す る特 別 規 定 、 特 に 、 自律 的 幹 部 職 員 に 対 し て労 働 時 間管 理義 務 を 労 働 日 数 に 限定 し て、 実 労 働 時 間 の管 理義 務 を 免
﹁ 除す る制﹂ 度 な ど(10を)検 討 の対 象 とす べき で あ ろう 。
叢
七九 頁
佐 藤 博 樹 ﹁労働 時 間 制 度 の弾 力 化 が機 能 す る条 件﹂ 日本 労 働 研究 雑 誌 四 四八 号 四 五 頁
和 と労 働 者 ・労働 法 卸
注
(
、)
連 合 総 研 ﹃裁量 労 働 制 の適 用可 能 性 に関 す る 調 査 研究 報 告 ﹄ (
二〇 〇 〇 年 三月 )
和 ■弾 力 化 の展 開 と 人事 労 務 管 理L 窺 製
(2)
浪 江巌 ・規製
論
(3)
(
6)
(
5)
中 窪 裕也 ﹁ア メ リ カ公 正 労働 基 準 法 に おけ る ホ ワイ ふ カ ラー ・イ グ ゼ ンプ シ ョ ン﹂ ﹃ホ ワイ ト カ ラ ー の労 働条 件 を めぐ る諸
裁 量 労 働制 研 究 会 報 告第 3 の3 ω 、 菅 野和 夫 ﹁雇 用社 会 の法 ﹄ 一五 入 頁
拙 稿 ﹁労 働時 間 ・休 息﹂ ﹁
新 現 代 労働 法 入 門 ﹄ 一四三 頁 以 下、 毛 塚 前 掲 ﹃21世 紀 の労 働 法 第 5巻 ﹂ 二 一頁
立道 昌 幸 ほ か東 邦 大 学医 学 部 調 査 (
朝 日新 聞 二 〇〇 〇 年 四 月 二二 日 )
連 A口 ﹃裁量 労 働制 の現 状 と 課題 ﹄ (
二 〇〇 〇 年 一月 )、森 田雅 也 ﹁
裁 量 労働 制 の実態 と新 し い人事 労 務管 理﹂ ﹁
社会学部紀要
(
関 西 大 学 )﹂ 二八 巻 一号 (一九 九 六 年)、 社 会 生 産 性本 部 ﹃裁量 労 働 制 に関 す る調 査﹂ (一九 九 五 年)
(
7)
(4)
律
法
一
(
8)
川 口美 貴 ﹁フラ ン スにお け る労 働 時間 法 制 の展 開 ﹂法 政 研究 (
静 岡 大学 ) 第五 巻 一号 一五 三頁 以 下 。特 に 、当該 幹 部 職員 の
西 谷 敏 ﹁労働 法 規 制 緩和 論 に見 る ﹁
法 と経 済﹂L 経 済 一九九 九 年 五 月号 五 七 頁
問 題 ﹄ =一
= 頁 、 一五 四 頁 ほか
(
9)
労働負担 (
業 務 量 ) の条 件 が協 約 によ って定 め ら れる こと を要 件 と し た 政策 判 断 に意 を 留 め る べ き であ ろ う。
(
10)
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