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新市民時代の文化行政
新書紹介 新市民時代の文化行政 その場に居合わせ、これまでと 昨年のことである。たまたま、 という組織がなくなっだのは、 は﹁組織的硬直や衰弱と、時代 ミスマッチに気付かず、ひいて 化化を怠った都市は、社会との そして警告している。行政の文 らのべたもの﹂と述べている。 をしてみてはいかがだろう。 一度手にして、キーワード捜し 的な言葉も盛り込まれている。 ネオ・シチズンなどという刺激 旅が好きである。ここ数年の みやげにと、さらさらと筆を走 人が旅人にまちづくりを語り、 いる。骨董︵こっとう︶屋の主 とうに議論できたのになあと悔 てとらえている上司にもっとまっ を読んでいれば、文化行政を誤っ い経験がある。あの時、この本 にまともに答えられなかった苦 取り組むんだね?﹂という疑問 民しか必要としていないことに 行政が、文化みたいな一部の市 かなI︶。 と︵そんな認識、誰かもってる るキーワードが﹁文化﹂である、 した総合政策行政への転換を図 と。対策型施策から縦割りを排 ん、これはわが町のことか⋮︶ つぎつぎとやってくる﹂︵うI 定化、政策開発の遅れや後退が 状況からずれはじめる事業の固 Λ企画局調整第三課担当係長 はありません。悪しからず︶ ︵特に誰かを想定している訳で 上の方に読んでいただきたい。 し!﹂と思っている、五十歳以 から、行政は手だしする必要な が好きなようにやっているのだ う。特に﹁文化なんて好きな人 化﹂施策の再構築に役立つと思 ﹁文化﹂の概念が広がり、﹁文 ざるを得なくなった時、﹁なぜ 異なった枠組みの中で仕事をせ 旅のパターンはどうも、﹁居心 らせ、墨絵をくれる。喫茶店の やまれる。文化行政を進めるに 著 地の良い場所﹂を求めての旅で おやじがクラシックコンサート 荒木田百合V 中川幾郎 あったような気がする。そして、 の企画で走りまわり、道端で 筆者の、よって立つところは 二千円 それは結果的にはヨーロッパへ あたっての理論武装や仕事の再 百八十頁 の旅を重ねることになっている。 ﹁明日が本番だからよー、来て くれよー﹂と近所の人と立ち話 介する﹁新市民時代の文化行政﹂ められている本が、ここにご紹 構築に向けてのヒントがちりば 的権利の保障とこれにつながる 行政の基本理念は、市民の文化 明快なのである。﹁自治体文化 公人の友社 ヨーロッパの居心地がよいの はなぜだろう。私見を申せば、 いる町に﹁文化がにおう﹂ので 市民自治の活性化にあり∼中略 をしている。そういう人たちの である。 所から生み出されるものを大切 ある。 ﹁自分の居場所を愛し、その場 に、誇りに思う人々が生活して も言われぬ﹁いい感じ﹂を醸し てしまう文化をつくりあげ、え 誇り得る、世界中から人を集め が地域の文化、時として世界に ういう人たちの生活の積み重ね キーというものだが、いかんせ イメージが悪いよ戻良い方がラッ 横浜はイメージ先行都市であり、 とは、前述したとおりである。 ない部分を旅で充足しているこ 心地の良さは・⋮満たされてい である。文化の香りただよう居 さて、ひるがえってわが横浜 いる。 気持ちのこもった一冊となって 自負が随所に見え隠れしている ﹁文化一筋﹂で歩んで来たとの 義の文化﹂ 一筋ではないが、 団塊の世代の男性である。﹁狭 し、現在は広報課長をしている 国際交流、文化行政担当を歴任 著者は豊中市役所で女性政策、 求められているのだ、と。 時に市民サイドの転換、成長も 強く求めているのである、と同 へと行政サイドの発想の転換も 客体主義﹂から﹁市民主体主義﹂ の力強い創造のために、﹁住民 みずみずしい活性化や都市文化 である。﹂そして、市民文化の ルミニマムを保障する行政なの ∼自治体文化行政は新たなシビ 出しているように思うのだ。 ん居心地はよろしくない、と思 いる﹂からだと思っている。こ この夏、九州に出張した。九 はしがきで本書の意図すると システム手帳と同じ大きさで うのだ。このままでよいのだろ 薄手の本である。表紙も黄色で、 が、ヨーロッパと同じ雰囲気を この手の本としては、目立つ。 州に滞在したのは初めてだった すべき文化観や、そのめざすべ ころを﹁自治体文化行政の立脚 き姿について、実務者の立場か うか? 区役所から地域文化振興担当 感じて帰って来た。居心地がよ いのである。以来、すっかり九 州に取りつかれ、九州に通って 65●