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ラービグ第2期計画について
社長インタビュー ラービグ第 2 期計画について 当社は、2009 年より、サウジアラビアン・オイル・カンパニーと共同で、ラービグ第 2 期計画について、 企業化調査を実施してきました。 企業化調査の結果、計画の事業性が確認できたことから、プラントエンジニアリング会社とのエンジニ アリング・調達・建設などに関する契約の締結や、プロジェクトファイナンスの確保など、計画を確定する ために必要な作業を進めています。 ラービグ第 2 期計画では、新たに確保する 30 百万立 プラントは、2016 年前半から順次稼働する想定であ 方フィート/日のエタンと、約 300 万トン/年のナフ り、プロジェクトの総投資額は 70 億ドルを予定してい サを主原料に、エチレン・プロピレン・ゴム、熱可塑性 ます。 エラストマー、MMA モノマー、MMA ポリマー、低密 また、アクリル酸、高吸水性樹脂、カプロラクタム、 度ポリエチレン/エチレン酢酸ビニール共重合樹脂、 ナイロン 6 樹脂、ポリオールについては、第三者との協 パラキシレン/ベンゼン、キュメン、フェノール/ア 業の可能性も含めて、引き続き最適な実施の形態につ セトンを生産する計画です。これらの製品を生産する いて検討してまいります。 ラービグ第 2 期計画のコンプレックスの概要 主要設備 エタン 製油所 ハイオレフィン 流動接触分解装置 モノエチレングリ コール(MEG) フェーズⅠ エチレン エタンクラッカー 増設 ハイオレフィン 流動接触分解装置 フェーズⅡ 誘導品設備(千トン/年) 混合 C4 ナフサ MTBE / メタセシス ナフサ改質装置 &芳香族 酸化プロピレン 酸化エチレン (70/10) EVA/LDPE (70/80) キュメン プロピレン イソブチレン パラキシレン ベンゼン EPDM/TPO (400) フェノール/アセトン (250/150) MMA/PMMA (90/50) パラキシレン (1,300) ベンゼン 用役設備 および 共通設備 (400) アクリル酸 (TBD) SAP (TBD) カプロラクタム (TBD) ナイロン -6 (TBD) ポリオール (TBD) 引き続き検討中のユニット Sumitomo Chemical Company, Limited ◆ Annual Report 2012 25 第 2 期計画は、安価なエタンを原料の一部としてい ラービグ第 2 期計画への投資により、海外での当社 ることに加え、各種の用役設備など第 1 期計画で投資 の石油化学事業の拡大がさらに進みます。日本の石油 したインフラを活用できることなどから、高いコスト 化学事業は、ユーザーの生産拠点の海外への移転、円 競争力を有しています。また、第 2 期計画への投資によ 高の定着や国際的に割高な電力料金によるコスト競争 り、ラービグコンプレックスで生産する石油化学製品 力の低下、など様々な課題に直面しています。石油化 の品目が、7 品目から 18 品目(検討中の製品を含めば 23 学事業の存続発展のためには、海外での事業拡大が必 品目)に拡大することに加え、需給逼迫が予想される製 要となっています。当社は、これまで、シンガポールや 品を起業することで、ラービグコンプレックスを運営 サウジアラビアでの大規模なプロジェクトに投資を行 しており、第 2 期計画の実施主体となる予定のペトロ・ い、海外での事業を拡大してきました。第 2 期計画への ラービグ社の収益の安定化に貢献すると期待されます。 投資を行うことで、海外での石油化学事業のさらなる 拡大をはかっていきます。 石油化学製品の地域別の生産量 (%) 拠点別の石油化学製品の 生産比率 100 ■ 日本 80 ■ 日本 ■ シンガポール ■ シンガポール ■ サウジアラビア ■ サウジアラビア 60 40 20 0 成後 現状 26 Sumitomo Chemical Company, Limited ◆ Annual Report 2012 第 2 期計画完成後