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活動レポート(PDF/628KB)
25 年度 3 次隊 タイ 青少年活動 谷口由紀 สวัสดีค่ะ サワディーカー(こんにちは!) はじめまして!私はタイ南部スラートターニー県の「シースラート女 性保護・職業訓練センター」で,協力隊員として,被害女性へのサポ ート活動をしている谷口由紀です。既にタイで活動を始めてから 1 年 4ヶ月が経ちました。任国であるタイの特色や活動内容,施設の業務 内容等を紹介したいと思います。 スラートターニー県 シースラート女性保護・職業訓練センター 青く美しい海や自然に囲まれた任地です! 正式名称: タイ王国(Kingdom of Thailand) 「タイ」(Thai)は自由を意味するところから、Thailand は、自由の国ということになります。 周りの国がイギリスやフランスに植民地化される中、ずっと独立を守った国でもあります。 国王: 現在の王様はラーマ9世 プミポン・アドゥンヤデート国王陛下。 王様は国民からとても尊敬され、家庭は勿論、お店や道路沿い、 タクシーの中等々,至る所に王様や王妃の写真が飾られています。 人口:約 6,800 万人(首都バンコク 約 800 万人) 通貨:バーツ 言語:タイ語 日本&北海道に対して 日本の電化製品や自動車、日本のアニメなどに 日本と同じように北や南等、地方により方言があります。 日本人に対しては非常に友好的で大の親日国です。 タイ文字(หนึ่ง のような文字)を使います。 また、日本の中でも北海道はタイ人に大人気で, 宗教: 仏教(タイ国民の約 95%が信仰) 食べ物屋が沢山あります。 日本と比べて,タイの人々にとって「仏教」はとても神聖なものです。 雪が降って美味しい食べ物がある「北海道」はタイ 親しみをもっていて、評価がすごく高いです。 バンコクでは多くの「北海道」を売りにしたお店や 人の憧れの土地です。 時差:-2時間(タイの方が2時間遅れ。) 面積:日本の約 1.4 倍 気候:熱帯性気候 平均気温は 約 29 ℃ 湿度は平均 70~80% 乾期(11 月~2 月)毎日さわやかな晴天が続く季節。 暑期(3 月~5 月)夜になっても気温は下がらず朝から暑い。 雨期(6 月~10 月)雨が降ったりやんだり。 ここが私の活動先です。 主にタイ南部14県で人身取引の被害にあった女性や児童に対する保護施設の基点となっています。現在の入所 者数は16名(そのうちラオス 6 名 中国 1 名 ミャンマー1 名)ととても少ないですが,逆に小さい規模ならではのア ットホームな雰囲気で日々の活動(勉強,ヨガ,料理等)を行っています。また小規模な活動の身軽さから施設内の環 境改善や制服のデザイン等,何でも屋として活動しています。 施設の特色として,施設内には「ロヒンギャ」といわれるミャン マー系イスラム民族の難民も収容されています。タイ南部では ミャンマーから近隣国へ不法入国しようとするロヒンギャが多数 発見されており,当施設は正規収容施設の収容数を超えてしま った場合の女性と児童の代替収容施設としての役割も担ってい ます。現在 23 名 のロヒンギャが収容されています。 活動施設の業務内容について タイ国内には,様々な社会的問題(人身取引被害, 素行不良,家庭内暴力,性的虐待等)に苦しんでいる女性に対す る専門保護施設が現在4ヶ所設置されています。これらの施設は国籍を問わず,対象となる入所者に下記の保護サービ スを主として提供しています。 ① 安全な宿泊場所, 食事の提供 ② カウンセリング(入所者が抱える問題や背景の調査) ⑤ レクレーション (団体生活での協調性やコミュニケーション能力の向上) ③ 適切な医療サービス ⑥ 学習環境の提供 ④ 心理面(情緒安定,集中力向上) ⑦ 生活スキルの訓練(時間管理,金銭管理等) 社会面(問題解決能力の向上)のフォロー ⑧ 職業訓練(理美容,縫製,手工芸,調理) 入所者が抱える問題は1つではなく,いくつもの要因が重なり複雑な事案に発展しているケースが多い為,保護施設 では俯瞰的な視点で入所者の将来を考えフォロー出来る体制を整えています。これら保護業務と並行して公的機関と も連携し入所者が安全に帰国・帰宅出来る支援も行っています。 私は入所者が最初の 2 ヶ月間を過ごす初期入所部門に配属され,情緒の安定や集中力の向上を図るアクティビティ ー,自立心や問題解決力の向上を促すイベントの企画実施を主として,日々の活動に取り組んでいます。 日本料理 計算練習 ヨガ 活動していて日々思う事 施設で活動をしていて日々感じるのは被害者の保護ももちろん重要ですが,被害者を生まない 社会を作る方がもっともっと大事だという事。 不遇な環境で育った子供は,その環境を次世代にも連鎖させてしまう可能性が高い。 環境に屈する事なく,そんな負の連鎖を自分の手で断ち切ってほしい。 周囲にいる人達も苦しんでいる姿を放置せず,救い上げる事ができる環境を作って欲しい。 タイ語もままならず,施設にいる少女達にかけてあげたい言葉も通じないもどかしい日々です が,彼女たちの人生を切り開くきっかけを一つでも与えられる活動をしたいと思っています。