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活力と人の輪広がる健康ライフ
ICTで健康な社会・・・活力と人の輪広がる健康ライフ ICT利活用による地域医療向上の取組み 平成22年6月18日 岩手県遠野市長 本田 敏秋 1 ① ② Web版 すこやか電子手帳 ゆりかごから天国まで・・・ 電子手帳が健康を見守る 遠野市助産院 ねっと・ゆりかご 市内に出産施設がなくなり、妊婦が通う医療機 関との間で遠隔妊婦健診を実施。地域で助産師 が妊婦をサポートする。 自分の健康情報を PCや携帯電話で 確認・活用 ③ 高齢者を元気に 健康増進 ネットワーク事業 遠隔の専門医と地域の看護師等が連携し、テレビ電話や携帯電話を使 って高齢者を中心とした健康づくり支援の遠隔医療システム。 2 柱その1 遠野市助産院「ねっと・ゆりかご」開設 モバイル遠隔妊婦健診をはじめ・・・ 妊婦相談 健康教育 等の業務を開始 開 設 日:平成19年12月1日 場 所:遠野健康福祉の里(事務室改装) 開所日時:毎週 月~金 9:00~12:00 (土・日・祝日休業) 13:00~17:00 職員体制:所長=健康福祉の里所長 福祉課 助産師2人 *主な業務と料金(自由診療)* ○妊婦一般健診・・・・・・・3,000円 ○モバイル遠隔健診・・・ 4,500円 ○乳房管理・・・・・・・・・・・3,000円 ○新生児健診・・・・・・・・・2,000円 ○沐浴・・・・・・・・・・・・・・・3,000円 ○じょく婦健診・・・・・・・・・2,000円 ○緊急搬送付添・・・・・・・3,000円 無料受診券 発 行 (1時間あたり) ○健康相談・指導・・・・・・ 無料 “妊婦主治医の指示で安心安全に” ●産科医不在によりお産は扱わない ●遠隔健診主軸に不安解消・負担軽減 ●きめ細かなケアでリスクの低減 ●緊急時の迅速・円滑な搬送 ●産後の母子管理と子育て支援 助産院の愛称は、市民公募をして「ゆり かご」の名称を選定し、更に遠野型助産院 ネットワーク構想の具現化を推進する想い を込めて、ネットワークの「ネット」を引 用し、親しまれるようひらがな表記として 「ねっと・ゆりかご」と決定したものです。 平成23年度からの小学校 教科書選定において、遠野 市助産院の掲載が予定さ れています。(東京書籍) 3 モバイルCTGで遠隔妊婦健診 小型軽量のモバイル胎児心拍数検出装置(CTGモニタ)で、医師が病院から通信ネットワークを介し て、パソコンや携帯電話で遠隔地の妊婦の胎児心拍情報を常時受け取ることが可能。 遠野市で助産師が妊婦健診を行い主治医が遠隔でサポートする が地 い域 てに 「安 助 心産 」 師 妊婦から好評です 医療機関 れ医 る師 「安 に 心見 感守 」 ら 離 れ て い て も 健診データは、パソコンと 携帯電話に送信されます モバイルCTG 1 遠距離通院負担の軽減 2 健診の待ち時間短縮 3 医療機関との連携でケアの充実 4 遠距離居住妊婦の不安解消 5 周産期医療の情報ネットワーク 4 12医療機関とネットワークを構築 安心 モバイル遠隔健診主軸に連携 安全 県総合周産期 母子医療センター (岩手医科大学) 岩手医科大附属病院 (杉山 徹 先生) (福島 明宗 先生) 嘱託医療機関 盛岡赤十字病院 松 田 壯 藤 原 妊産婦をケア 遠隔健診を活用 正 純 先生 先生 緊急対応も (嘱託医療機関) 小林産婦人科医院 (盛岡) モバイルCTG装置 (小林 高 先生) 医療機関と助産師が連携・協力します 遠野市助産院 ねっと・ゆりかご 安心 指示・連携 県立大船渡病院 安全 (小笠原 敏浩 先生) 助産院監督医 村井産婦人科医院 (盛岡) (村井 軍一 先生) 妊産婦を身近でサポート “妊婦主治医の指示で安心安全に” 黒川産婦人科医院 (盛岡) 県立釜石病院 (小笠原 敏浩 先生(兼務)) 妊産婦を見守る (黒川 賀重 先生) 県立磐井病院 KUBOクリニック (花巻) 工藤医院 (久保 智秀 先生) (小暮 正彦 先生) (花巻) 北上済生会病院 一関病院 (小山 俊司 先生) (柳澤 瑛 先生) (鍋島 寛志 先生) 5 妊婦・受診券 管理 市 町 村 氏名 交付日 受診券 総合周産期母子医療センター 状態 A子さん 台帳管理 統計情報 B子さん 妊 娠 届 出 説 明 ・交 付 参 加 同 意 書 ③受診券情報、診療情報 等 支 援 搬送・紹介情報 ①基本情報登録 いーはとーぶシステム 地域周産期母子医療センター ②診療情報 ☆母子手帳番号 周産期サーバー モバイルCTGサーバー 搬送・紹介情報 病院・診療所・助産所 妊婦基本情報、妊娠届出情報、診療(健診)受診情 報、妊産婦メンタルヘルスケア情報、妊婦・新生児 アウトカム情報について、医療機関と市町村が情報 連携を行い、安心・安全な出産と子どもの健全な成 長をサポートする。 岩手県周産期医療情報ネットワーク (いーはとーぶ)への参画 県総合周産期 母子医療センター (岩手医科大学) 県 庁 周 産 期 医 療 サ ー バ 県振興局等出先機関 中核病院 医療情報 集積・共有化 院内助産院の普及 開業病院・診療所 助産師の活用 緊急時の迅速な対処 救急指定病院 保健所 医療情報集積・共有化のメリット ●周産期救急医療の安全性向上 ●妊婦の状態に応じた効率的受診 (リスクに応じた医療機関受診の推進と転 院受入の連携構築) ●電子カルテ標準化でデータ整理の 効率化と遠隔診断の普及 etc 1次~周産期センター連携ネットワークの構築 web医療用ネットワーク 市町村 【UMIN-VPN】 【HPKI】 情報 助産院 モバイル遠隔健診 システムの普及 関係する県内全ての機関 産科医療機関・市町村加入の 情報ネットワーク化 小型軽量モバイルCTGモニタ 助産師の活用 7 柱その2 すこやか電子手帳の構造 すこやか電子手帳 妊娠 周産期 名称 認 証 機 能 ( 区 分 ) 就学期 親子手帳 胎児 成人期 子育て手帳 高齢期 健康増進手帳 子ども 長寿手帳 本人 保護者 親戚 介護者 地域 一般 親戚 保健・福祉 専門機関 福祉票(民生委員、社会福祉協議会、行政) 8 すこやかポータルサイト 9 柱その3 遠野型健康増進ネットワーク事業 総務省の「地域ICT利活用事業」を導入し、地域のマンパワーを活用した健康づくり と疾病予防のネットワーク化を推進。 事業概要 期待される主な効果 高齢者をはじめ市民参加者が定期的に地区センター等の集会施設で健康状態を計測 し、テレビ電話でデータサーバに蓄積。そのデータは遠隔専門医と地域の看護師等の 支援スタッフが情報共有し、テレビ電話での指導や巡回指導をネットワーク化するこ とにより、生活習慣が調和した「顔の見える」健康づくりと疾病予防を展開する。 ●健康不安(ストレス)の解消と孤立化防止 ●自発的な健康づくりの意欲の醸成 ●地域での健康づくりと疾病予防の普及 ●健康づくり情報のネットワーク化 地区センター等に定期的に集まって健康チェック。 遠隔の専門医と地域の看護師等が連携して健康指導。 携帯電話指導 にも対処 集会所等 テレビ電話で健康 指導・相談 デパートでも 健康チェック 歩数計を持って毎日 楽しくウォーキング 歩数計 健康づくりの集い創出 地区センター等 遠隔専門医 情報通信 光回線サービス地域 の集会施設5箇所 定 期 的 に 集 合 サーバ データ蓄積情 報共有 健康状態を計測 血圧・脈拍計 テレビ電話で データを収集 計測データはテレビ電話 に自動入力後、データサ ーバに蓄積 コールセンター 参加者400人予定 新規拡大 ①歩数計を持って毎日ウォーキング。 ②定期的に地区センター等に集まり健康チェック。 12箇所 施設を巡回指導 体重 体組成計 採血も実施 (歩数・血圧・体重等をテレビ電話に入力、データサーバに蓄積) ③看護師等のコメディカルが巡回して健康指導・相談。(採血も実施) ④必要に応じ、テレビ電話で遠隔の専門医やコールセンターから健康指導。 ⑤健康づくり総合プログラムに組み入れた保健・スポーツ・生涯学習と連動する 一体的な健康づくりの推進。 コメディカル 看護師 遠野健康福祉の里 健康づくり総合プログラムと連動 その他地区センター等では、計測の他 に希望により運動をしたり健康講話を聞 いたり、健康づくり総合プログラムと連動 して、地域で健康づくりをサポートします。 10 活動の ようす・・・ 11 ~健康づくりを通じて、新たなコミュニティの形成が芽生えています~ 9000 1回目 ■ 歩数 2回目 30.0 8000 29.0 7000 28.0 6000 27.0 5000 26.0 4000 25.0 ■ 筋肉率 1回目 2回目 24.0 3000 23.0 2000 22.0 1000 21.0 0 市全 体 男性 女性 59歳 以下 6064歳 6569歳 7074歳 75歳 以上 20.0 市全 体 男性 女性 59歳 以下 60-64 歳 65-69 歳 70-74 歳 毎日のウォーキングが定着し、当初の青色から中間成果で赤色のグラフのように歩数・筋肉率が伸びています。 【参加者改善例】 歩行が苦痛で夫婦旅行をあきらめていた81歳の男性は、歩行運動で徐々に筋力がついて 夫婦一緒に四国旅行することができました。次は夫婦で何処に行こうかと健康づくりを楽しんでいます。 75歳 以上 1年間で 6千㌔歩いた人も! 2009年3月の事業開始当初から継続参加している82人を対象に、開始当初の1回目の検査と1年後の2010年3月の検査 結果を2回目として比較した改善傾向の数値。 リスク群 1回目 2回目 変化率 【高血圧群】 61人 74.4% 39人 47.6% 【糖尿病群】 54人 65.9% 51人 62.2% 【高脂血症群】 44人 53.7% 41人 50.0% 【肝機能異常群】 66人 80.5% 64人 78.0% 全てのリスク群にわたり改善傾 △36.1% 向がみられ、特に高血圧群は61 △5.6% 人から39人に顕著に減尐して、 △6.8% △3.0% △36.1%の変化率となった。 12 これからは・・・~地域で健康づくりのチーム(歩こう会?)・組織(健康塾?)を結成~ 支え合う健康づくり 1.町内会や地域の仲間同士(10人程度)で健康づくりチームを結成し、歩数計を購入してマイペースで毎日歩行運動。その他、自主的な健康 づくり活動のプランを立てて実践。 2.グループを包括した町単位の集合体組織は、地域づくりとしての健康維持・増進に関する講話会や栄養教室開催等の意向集約と実践の受 け皿となる。(福祉の里内の事務局もスタッフ派遣等で間接的に支援) 3.市内全域の参加者の集い希望により携帯電話を購入し、電話で気軽にコミュニケーションしながら健康づくりのモチベーションを高めます。 健康づくりの主役はあくまで自分。 グループで、地域内で、市内全域で・・・。健康活動の輪を広げていきます。 ①健康づくり情報発信や参加者相互の情報共有 ②遠隔医師ほか相談・指導のサポーターを交えて の健康塾の開催等 ③意見・意向の集約と参加普及のコーディネート。 森の健康塾(仮称) (情報機関誌発行/健康イベント開催) 事 務 局 ①地域の集会施設を巡回してバイタルチェック。 ②健康データ集約と管理 ③携帯電話の活用指導。 ④健康相談・指導。 ⑤遠隔医師との連絡調整。 ⑥福祉・介護分野への連絡 etc ①歩こう会相互の情報交換や交流機会の創出。 ②健康講話会や栄養教室等独自にイベント企画。 (適宜、地区センターがサポート。里の職員ほか健 康づくりサポーター・運動推進員の関わり etc) (民間の巡回指導スタッフ常駐) ・結構講話や相談など、ニーズに 合せてスタッフを派遣 町内集合組織 (B町) 町内集合組織 町内集合組織 (A町) ①10人程度の健康づくりの仲間でチームを結成。 ②携帯電話と歩数計を購入し、日々電話でコミュニ ケーションと歩行運動で歩数計に歩数記録。 ③2週間に1度、集会施設に集まってバイタルチェッ ク。データは福祉の里で一括管理。 遠隔専門医をお迎えして 「健康塾」を開催 自治会エリアA (チーム○○) (C町) 交 流 自治会エリアB 自治会エリアC 自治会エリアD 自治会エリアE 自治会エリアF (チーム△△) (チーム□□) (チーム◎◎) (チーム**) (チーム☆☆) 13 【遠野市健康づくり総合プログラム】 ICT活用の展開 ≪ 地 域 I C T 遠 野 型 健 康 増 進 ネ ッ ト ワ ー ク 事 業 ≫ 【事業の目的】 地域づくり ○市民が心身ともに明るく元気な生活を営むための未来型健康スタイルとして、ICTを利活用した 健康情報の集積と共有化を図る。 人づくり ○コミュニケーションと運動等、生活習慣が調和した「顔の見える」健康維持・増進のネットワークを 形成し、自発的な健康づくりの意欲の醸成と人材の育成を図る。 健康づくり ○遠隔医療を取り入れた健康づくりや疾病予防など、ICTを利活用した持続的な活動の実施。 地域活動の三本柱 ◆地域づくりは人づくりと健康づくりから をキーワードに自発的な健康づくり活動を 応援します。 各部署連携・一体的推進・総合力 NHK巡回ラジオ体操みんなの体操会を 契機に 平成19年8月立ち上げ 市民センター 健 康 福 祉 の 里 遠 野 市 健 康 づ く り 総 合 大 学 「 と す ぽ 」 拠 点 I C T に よ る 遠 野 型 健 康 増 進 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 各 地 区 セ ン タ ー ◆コメディカル(保健師、看護師等)専門 的スタッフ サ テ ラ イ ト 校 ( 市 内 9 地 域 ) 地域コミュニティ 地 域 住 民 地域ICT健康増進ネットワークプログラム 地域ICTによる健康増進ネットワークを推進するとともに、保健事業、健康スポーツ、生涯学習等の健康づくりプロ グラムのネットワーク化を推進し、ICTを活用しての情報の共有、提供を行いながら地域の健康づくり活動の充実、 市民の健康増進を図る。 健 康 ス ポ ーツ プ ロ グ ラ ム 生涯学習プログラム 健康づくり活動団体、組織 健康情報の集積・共有化、情報のネットワーク化、疾病予防、保健指導、遠隔に よる専門医の健康指導、ICT人材育成等 【地域ICT健康増進事業の狙い】 ○健康の不安(ストレス)と閉塞感の解消/孤立防止 ○自発的な健康づくり意欲の醸成(連帯感) 《遠野市健康づくり総合プログラム》 保 健 プ ロ グ ラ ム 市民センター、地区センター、健康福祉の里を 健康づくりの活動拠点とし、保健やスポーツ等 による健康づくり活動の推進の他、ICTによる ネットワーク体制の構築を図り、健康づくりの成 果を「見える化」し、市民の健康づくりを図る。 特定健診、特定保健指導、各種ガン検診、電子手帳、健 康づくりサポーター養成、健康相談、介護予防教室等 ○健康づくりプログラムのネットワーク化 運動による健康づくり講座、教室、健康スポーツ、ニュース ポーツ、プール、トレーニングルーム利用、子供の体力向 上、キッズ元気アップ応援隊等 ○病気にかかりにくい予防体制 ○地域組織及びマンパワーの活用 ○病院のサロン化の緩和 ○将来の医療費・介護給付費の低減 生涯学習、趣味活動、文化活動等 14 ICT遠隔医療の課題と新たな医療サービスの展開 医師不足でも、距離と時間を超越したICTを利活用する遠隔医療の推進により、医療確保の手段が生まれています。 平成21年2月からICTを利活用して遠隔地にいる医師の指示のもとで地域で活動するコメディカルや関係スタッフが連携し、高齢者の遠 隔指導・ケアに取り組み、健康への行動変容と健康状態が改善されるなど成果が現れています。 しかし、ICT遠隔医療(遠野型健康増進ネットワーク事業)は、厚生労働省から認められていないことから、医療で もなく(診療報酬の反映がなく)、特定健診の特定保健指導でもない(遠野型健康増進ネットワーク事業参加者は特 定健診参加者として認められていないためカウントされていない)位置付けである。 医師法(20条)では対面診療を原則としており、診療報酬としてインセンティブが与えられていないことから普及に 結びついていない現状にあります。 遠隔による疾病予防や初期診療並の効果は、新たな医療提供サービスの提供の形態として有効であると考えられることから、医療制 度において明確化するとともに、インセンティブが担保された医療提供体制の広域化が求められます。 医師不足 遠隔医療の実証 遠野型健康増進ネットワーク事業に着手 医師法20条 → ( 対面診療が原則 ) ※遠隔医療は一部認可(対象・範囲が不明確) (ICTを利活用した都市の医師との遠隔医療を実践) 現在の制度では診療報酬の対象外 遠隔の医師の指示のもとで地域のコメディカルや地域ス タッフが集会施設を巡回して血圧・脈拍・体重等を計測して バイタルデータを蓄積。 テレビ電話で医師が市民参加者 (患者)に健康指導してきた結果、診療並みの健康改善効 果が出ている。 対面診療が原則で、遠隔医療は離島患者や 在宅慢性疾患等、一部の診療しか認められな い。医師が関わっていても、テレビ電話での遠 隔による疾病予防と健康指導等の成果が報酬 として評価されない。 例えば特定健診も 平成20年4月から実施されている国の特定健康診査・保健指導は、行政負担金により一定の支 援策があるものの医師関与のインセンティブや初回面談等の条件から、遠隔医師の場合は関与が制限されるものとなっ ている。→ 例えば、遠隔プログラムにより遠隔医師も参画しやすい仕組みも必要。 (※H21年度市の受診状況:対象者7,120人のうち受診者3,068人/受診率43.1%/保健指導利用者188人) 医師が関わる遠 隔医療の行為とし て、安全・適正な 運用のもとで初期 診療並の効果が 得られる疾病予 防・健康指導等に、 診療報酬や他の 支援制度によりイ ンセンティブを与え、 医療としてのサー ビス提供につなげ られないか。 15 遠隔医療を取り入れた新たな健康社会づくり 人任せの医療や人任せの健康づくりの視点から脱却し、保健と医療が連動した切れ目のないサー ビスの提供が創出される自立性ある健康社会づくりが大切と考えます。 そのためには、医療に依存するだけでなく、地域の理解・協力のもとで、住民のパワーと関係者のパ ワーを活用した協働型による環境整備が必要不可欠です。 地域の住民組織とも連動し、効率・効果的なまちづくりの姿の一つとして、インセンティブを確保した 遠隔指導のもとで、疾病予防や健康指導・ケアに対処した医療の公共サービスとしての制度が必要と 考えます。 都市と地方が補完し合える健康社会づくり ~遠隔医療を取り入れた新たな医療提供サービスの確立~ 地域の看護師OBや健康指導に携 わるマンパワーを活用し、コメディカ ル・スタッフとともに生活習慣病予防 を展開。また、地域ぐるみの健康づく りを推進します。 住 民 地域協働 地域の外で支える遠隔医療 歩 数 (最大2週間分) (ICT利活用) 地域の中で営む医療 国の医療費対象枠の中で 疾病予防の報酬化等、遠 隔医療の対象範囲を明確 にした医療費制度が必要 ではないか。 医療資源を補完 地域医療との連携 “地域が病院” 拠点病院 病 院 行政支援 健康 急性期 新たな医療の選択肢 コメディカル 地域スタッフ 診療所 (かかりつけ医) 慢性期 地域力 在宅 医療機関や住民との情報共有を図り、地域 医療推進の意識啓発を展開。また、医療環 境整備では遠隔医療の普及と住民主体の健 康維持・増進の活動を支え 「地域が病院」と する健康社会づくり。 マンパワーで 健康を支える 連動 疾病予防 健診指導 再発防止 インセンティブ確保 費用の報酬化は。 地域に不足する医療資源を補完・支援するため、 ICTを利活用して地域のコメディカルや地域スタッ フが予防医療と健康指導を遠隔で展開する。 医師の適切な指導のもと、エビデンスに基づい て行われる遠隔医療は、情報化と通信ネットワー クによる新たな医療提供の補完であり一つの選 択肢である。 16 遠野市発 新たな地域医療への想い ● 身の丈で、支え合う協力と協働の家族社会をつくる! *住民の安心・安全・不安の解消は行政の使命。 *命に関わる医療、でも医師不足。医療は専門分野とあきらめない。 *地域でできることは必ずある。課題を共有して健康な家族社会をつくる。 ● 無い物ねだりの脱却、“ある”ものを生かす! *地域一番の宝「人」を生かす。知恵と工夫。“何か(ICT etc)”を使って・・・。 ● 地域が元気(健康)になると日本も元気になる! *医療は国だけが背負う問題ではない。地域の根にある。 *健康は自分のため、家族と地域、そして日本の財産である。 *身も心も健康な社会はすべてに通じる。地域の元気は日本の健康に繋がる。 病気になってからではなく・・・ 期 待 地域で支える健康づくり 予防医療の推進 市民の健康意識の行動変容により、病院のサロン化を解消、医療 費軽減、医師の負担軽減が期待される。 健康産業の起業も 17 ~ 今年、柳田國男著『遠野物語』発刊100周年を迎えました ~ 日本民俗学の父 柳田 國男 (やなぎたくにお) <著者> 「日本のグリム」 昔話研究の先駆者 佐々木喜善(ささききぜん) <話者> 18