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IT活用数学科学習指導案
IT活用数学科学習指導案 作成者 1.校 種 教育センター指導主事 高等学校 2.対象生徒 第2学年 3.教科等 数学科・数学Ⅱ 4.単元名 図形と方程式 5.単元の指導計画(総時数24時間) 第一次 点と直線 ・・・・・・・・・・・(10時間) 第二次 円 ・・・・・・・・・・・・・・( 6時間) 第三次 軌跡と領域 ・・・・・・・・・・( 6時間) 1時 軌跡と方程式(1)・・・・本時 2時 軌跡と方程式(2) 3時 直線を境界線とする領域 4時 円を境界線とする領域 5時 連立不等式の表す領域 6時 領域と最大・最小 第四次 章末問題 ・・・・・・・・・・・( 2時間) 6.本時の学習 (1) 題 目 軌跡と方程式 (2) ねらい ・軌跡となる図形を与えられた条件を満たす点の集合としてとらえ,考察することができ る。 【数学的な見方・考え方】 ・点Pに与えられた条件から手順にしたがって,軌跡となる図形の方程式を求めることができ 【表現・処理】 る。 (3) IT教材を使う意図 直線や円などの平面上に表された図形が,x座標とy座標に一定の条件を与えた点の集ま りであることを視覚によって直感的にとらえさせる。また,点の動きによって求める軌跡の 概形をイメージさせることができ,実際に軌跡の方程式を求めるとき,線などの集合体で考 えるのではなく一般的な座標(X,Y)を用いて点で考えればよいことの理解を手助けする。 (4) 使用ソフト Microsoft 社 PowerPoint2002 フリーソフト Function View(Ver5.34) (http://hp.vector.co.jp/authors/VA017172/ より入手可能) ※functionview.exe とファイルを関連づける必要がある。 (5) 展 開 時間 学習過程 5 分 1 軌跡の定義 導 入 40 分 展 開 生徒の学習活動 教師の指導・支援 ○ある条件を満たしな ・軌跡の定義を説明する。 がら動く点の集合が ・例として円の場合を示す。 軌跡であることを 理 ・点が集まることによって円や直 解する。 線などの図形を構成することを 視覚的に理解させる。 ① 2 座標平面上 例 2点から等しい距離にある点の軌跡 の軌跡 ( 垂 直 2 等 分 ○ 求める点の軌跡がど ・AP=BP を満たしながら点 P 線) ② うなるかスクリーンを を移動する。 ・指名しながらどんな図形になる 見て予想する。 か考えさせる。 ○ 図 形の 概形を つか ・ 条件を満たす任意の点 P の座 標を(x,y)として条件に当ては 求 め る 軌 跡 を み,方程式がどうな め,x,yの関係式を導く。 るかを考える。 条件を満たす 点の集合とし ○ 得 ら れ た 関 係 式 が ・ 2点間の距離の公式を忘れて て と ら え る こ と いるようなら板書する。 予想した直線の方 ができる。 程式であることを確 ・逆に,求めた直線上にある点は 【 数 学 的 な 見 すべてこの条件を満たすことを 方・考え方】 認する。 確認する。 (発言・観察) ○ 軌 跡の 求め方を 理 ・ 軌跡の方程式を求める手順を 説明する。 解し,ノートに書く。 3 座標平面上 例題 2点からの距離の比が一定である点の軌跡 の軌跡 (アポロニウス ○ 求める点の軌跡がど ・条件を満たしながら点 P を移 の円) ③ うなるかスクリーンを 動させる。 ・ 段階にしたがって軌跡の方程 見て予想する。 式の求め方を説明する。 ・ ところどころ指名しながら,生徒 の理解度を確認する 4 問題演習 ○ 練習問題(1)(2)を ・ 机間指導でとまどっている生徒 に助言を与える。 2つの例題を参考に ・ 逆を確かめることを再度注意す プリントに解く。 る。 ○ プリントを提出する。 5 分 ま と め 評価規準 手 順に 従っ て 軌跡の方程式 を求めることが できる。 【表現・処理】 (プリント) 5 次時の学習 ○ 本時の学習の確認 ・ 線分の中点の軌跡を予想さ 内容の予告 をしながら次回取り せ,次回の学習に対する意欲 組む問題を知る。 付けをする。 ④ :IT 活用場面 (6) IT教材の説明 1 軌跡とは ・ ある条件を満たしながら動く点が描く図形を、 その条件を満たす点の軌跡という。 軌跡と方程式 例 平面上で、点Cに対して CP=2 を満たす点Pの軌跡は 1 2 3 4 点Cを中心とする半径2の円である。 軌跡とは 座標平面上の軌跡 軌跡の方程式の求め方 線分の中点の軌跡(次回予告) ・ その図形の方程式を、軌跡の方程式 という。 その図形の方程式を、軌跡の方程式という。 ①について 定点Cからの距離が2である点Pを例として 1つとり,他にも多数あることを残像を残すこ とによって示す。 2 C さらに多く点Pをとり,円となっていく様子 を表示する。 P 2 座標平面上の軌跡 その図形上の任意の点の x座標とy 座標とy座標に一定の関係があるとき 例 2点A 2点A(0,2)、B (0,2)、B(4,0)に対して、AP=BP (4,0)に対して、AP=BP を満たす点P を満たす点Pの軌跡 P(x、y)とおくと AP= x 2 + ( y - 2 )2 2点間の距離の公式 より BP= ( x - 4 )2 + y 2 条件は AP=BP だから 2 2 x 2 + ( y - 2 ) = (x - 4 ) + y 2 両辺を2乗して x2 + ( y - 2)2 = (x-4)2 + y2 その関係式が 図形の方程式 x2 + y2 -4y +4= x2 -8x +16+ y2 y 7 AP=7.0711 BP=7.0711 P ②について 6 2定点A,Bからの距離が等しい点Pがどの 5 ような図形上にあるかを予想させるため,点P 4 3 を条件を満たしながら移動する。 A 2 1 B -4 -3 -2 -1 O -1 -2 -3 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 x 例題 原点O 原点Oからの距離と点A からの距離と点A(3,0)からの距離の比が 2:1 である点P である点Pの軌跡を求めよ。 3 軌跡の方程式の求め方 ① 軌跡を求めたい点の座標を(X,Y )とおく。 軌跡を求めたい点の座標を(X,Y)とおく。 解)P 解)P(X,Y)とする。 X,Y)とする。 ・・・・・・・・・・ ① Pに関する条件は OP: OP:AP=2:1 AP=2:1 だから 2AP= AP=OP すなわち 4AP2=OP2 2 AP2=(X X -3) + Y2 、 OP2=X2+Y2 を代入して ・・・② =( ・・・② 4{ (X -3)2+Y2 }=X }=X2+Y2 ② 条件を使い、X,Y だけの関係式を導く。 条件を使い、X,Yだけの関係式を導く。 ③ X→x、Y→y に変えると軌跡の方程式 である。 整理すると X2-8X+Y2+12=0 変形して (X-4)2+Y2 =2 2 ④ ③で求めた図形上のすべての点が、条件 を満たすことを確かめる。 y 5 ③について 4 2定点O,Aからの距離の比が一定である点 3 Pの軌跡が円(アポロニウスの円)になってい P 2 く様子を残像を残すことによって理解させるこ 1 A -5 -4 -3 -2 -1 O 1 2 3 4 5 6 7 8 9 x とができる。 -1 -2 -3 -4 -5 4 線分の中点の軌跡 応用例題 点Qが 円x2+y2=22 上を動くとき、 点A(4,0)と点Q の中点P Pの軌跡を (4,0)と点Qを結ぶ線分AQ を結ぶ線分AQの中点 求めよ。 考え方 Q(s、t)、P 、t)、P(X,Y)とし、 X,Y)とし、 Qの満たす条件の式から X,Yだけの関係式を導く。 X,Yだけの関係式を導く。 y ④について 3 点Qが円上を動くことにともなって,中点P 2 が動く様子を動画によって示し、軌跡のイメー Q 1 P ジをとらえさせる。 A -2 -1 O -1 -2 -3 1 2 3 4 5 6 x