...

大切にしたいこと 動作法とは 肩や首の緊張は必要ないので、緩める 体

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

大切にしたいこと 動作法とは 肩や首の緊張は必要ないので、緩める 体
催眠状態では、脳性マヒの子供の強い緊張が緩んだり、動きにくかった手足がかなり自由
に動かせるようになったりすることをみつけ、不自由さが脳の障害によるものだけでは説
明がつかないことがわかった。間違った動きをしているのは、子供が、からだの動かし方
を間違って学習してきたものと考えて、正しい動かし方を覚えていこうとしたもの。
動作法とは
◎脳性マヒの子供の不自由を説明する時に、意図―努力―身体動作が使われる。
飲みたいな
あ
コップを口に運ぶのに
腕が曲がるように筋肉
に力を入れたり、手首を
曲げる動作をしようと
したりする
「飲む」
緊張が入り、手
が違う方へ動い
てしまう
◎動作法は、緩めるのではない。動きを妨げる緊張を取り除いて、邪魔な緊張をなくし、必要な緊張を入れ
ることを教えていく。
肩や首の緊張は必要ないので、緩める
下肢の筋肉群で支える(緊張を入れる)
体幹部分も、必要な緊張を
保って、姿勢を維持する
◎自分で意図してからだを動かす感覚を主動感という。
動作法は、指導者の指示に合わせて自分のからだを動かし、からだのコントロール力を高めていきます。
動かし方を学習し、援助を減らして子ども自身の動き【主動感】を感じられるようにしていくと、緊張と弛
緩の自己コントロール力が高められていきます。
大切にしたいこと
◎「実現意図」実現してほしいこと、したいことを共有する
トレーニー
実現意図
トレーナー
・あなたも私も思っている。=共有(インテーク(はじめの面接)で必ず確認しておくこと)
◎生活の何につながっているのかを考える。
例:卒業生、現在 27 歳、B 型事業所に通勤
状況 ・生活場面で動くことが少ない。→ 体が動かなくなってきている。
在学中の活発さがなくなり意識レベルが低くなっている。=脳の活性化がなくなってきている。
願い ①生きる中で前向きに考え、意欲をもって生活してほしい。
②年をとっても動きを維持したり、踏ん張って立ったりしてほしい。
そうすることで、トイレの立位、車いすへの乗り込みなど、生活場面で介助が楽になる。
取り組み ①腹ばい、立位などに向けて取り組み、動けることを実感させ、自信につなげる。
◎動かすことで、筋肉が緩んでくる。
②生活の場面につながっていくことも一緒に教える。
*脳性マヒ・・・40 歳以上になると、ぐっと年をとる。上肢を使うばかりすると、側湾がでる。
◎目的を持って伝える、何のためにしているのかを必ず意識すること。
*子供に伝わりやすい。その時にできたことは共有体験ができる。
*今していることは、次のどんな課題のために行っていることかを考えておく。
例①座位姿勢をとるために、背中の緊張をとる。
例②安定した座位姿勢をとるために、骨盤の動かし方を練習する
◎快適な暮らしをしてもらうためには、どうしたらよいかを考える
◎できたこと、なぜできるようになったのか(考察) 今後どうすればよいかを考えること
例 背中が伸びた
側臥位を自分で行うようにした。その時の支援で、動きを感じやすくした。
動くことに合わせて、フィードバック(伸びたよ、そうそうなどの声かけ)した
○動作法の基本の姿勢づくり(モデルパターン動作)
躯幹のひねり
◎腰回りの力を抜く。自分で緩める感覚をつける。
・ひねる方向(後ろの方向に肩を倒して、足の方向に腕を伸ばしながら)や
膝でブロックする箇所(背中、肩、腰)によって、緩まる箇所が違う。
あぐら座
◎座位や立位は、骨盤で姿勢の調整を行っていることを体感してみました。
・まっすぐな姿勢をとり、骨盤を動かす(腰入れ:おへそを前に出す、たおす)。左右のおしりにのる
骨盤が動くことは、座位姿勢保持がとれるようになるのに重要だそうです。
節作り 立位で行いました
腰入れ(骨盤を前後に動かす) 左右の骨盤をあげる (重心移動)
→ 骨盤が動くことで、バランスを取りながら上半身の姿勢を調節できるようになります。
*骨盤を動かすことで体幹のバランスをとっています。
骨盤の動きができると、座位、立位はスムーズになります。
骨盤は大切
骨盤をいろいろな方向に動かせると、骨盤で体幹を支えることができるようになります。
*骨盤が使える=たおすことができる。戻すことができる。ことで
下肢全体で体幹を調節することができる。・自分で姿勢を直せる部分が増える。
さらに
腰の分離(片足ずつ上げる)ができると、姿勢の安定がはかれます。
・たとえば、体の揺れを使って足を前に出しているトレーニーは、体の揺れを使わずに、骨盤を動かし
て歩くことを目指して動作学習を行います。
*腰にのれていない、骨盤が使えない時の例
・肩の筋肉で体を支えて調整している。
股関節に関わる筋肉の一部
・あごを出すことで体をつり上げる。
動作学習の組み立て方(J 君の場合)
①股関節の緩め
動かすことで緩む
*股関節は骨盤とつながっているため、
股関節が緩むと、お尻や骨盤回りの筋肉が柔軟になり、腰全体の可動域が広がる。
大腿筋膜張筋
股関節を稼働させて緩める。
(だいたいきんまくちょうきん)
○足を曲げて、前後左右に動かす
筋肉を伸ばし、緩める。
○内側を股関節の方向へ、外側
を引っ張る方向へ
股関節を外転
する筋肉
膝 or まくらをお尻の下に入れる。
腰を上げることで、自分の足の重さで、股関節が開く。
無理なく股関節を広げることができ、脱臼がある時も
痛がることが少ない。
足先を、半分ずつ上下に曲げる。股関節が緩む
②膝の曲がりを緩める
膝を曲げ伸ばすことで膝裏をのばす。膝を伸ばす方向に押し下げ
ながら、足首を下方向に引いていく
③股を楽に開けるようにする
股を広げる方向に膝が動き、力を緩める感じが分か
る。無理にしない。トレーニーが開くことに手を合
わせてついて行く
*股関節を自分で可動させ、緩める。
④股関節の本来の位置を教える
筋をのばして、股関節を元の位置まで戻す
股関節(大転子)を押さえておく
⑤背中の筋肉をゆるめる(腹臥位)*呼吸を楽にする。座位の安定。
○肩と座骨を縮める。
○筋肉を動かすことで背中
の筋肉をゆるめる
○皮を動かすだけでもよい
大
転
子
⑥側臥位で肋骨周辺の筋肉を緩める。*呼吸を楽にする
○側臥位で左右に揺らす
○引っ張る
○押す
*縮まっている方で呼吸をしているので、あまりのばしすぎる
と、呼吸が苦しくなるので様子を見て行う。
⑦鎖骨を動かすことで呼吸を楽にする(背臥位)
○肩を動かす。腕を上げる
○肩を横に上げただけでは、
ことで、鎖骨を動かすこと
鎖骨が動かない。そのため胸
ができる。
を広げることはできない。
胸を広げることができる
⑧骨盤を動かす。*バランスをとったり、姿勢保持の力を高める。
(いす座位でも同じ)
とんび座り or いす座位で腰入れ
腰を倒す、腰を伸ばす。(腰をたおす。いれる)
*J 君の場合、あごで体幹を支えなくても、腰で姿勢の調節ができるようにする。
⑨腹臥位で這う。*足で床をとらえるようにする。足や腰で体を支える練習
手で前に進まないように、手は肩より前に出す。
足裏が床につくように側面を全部床に押しつける。
J 君の場合
股関節が開かないので、足が曲がらない。(股関節が邪魔している。)
右腰を浮かせて、腰を回旋する。股関節が開きにくいのを補助する
⑩四つばいから腰を入れる(膝立ちの際に、尻を後ろに突き出すことがなく、体をまっすぐにするため)
腰を入れる
腕が伸びない時は、天井を向かせる
(反射: 対称性緊張性頸反射)反対
方向へ手を伸ばす。
⑪あぐら座位・・・おしりへの体重の左右のせ←骨盤を動かし、上肢を支える幅を広げる。
左足が内反しているので、
床が踏みしめられるように膝を
外側と下に押しつける
⑫イス座位から立ち上がる
床を踏みしめる感覚
骨盤にのる(おしりで床を踏みしめる)
⑬片足上げ動作
腰が引けない。*骨盤で重心がとれる
そのほか
◎膝立ち
◎片マヒは動かすことが大切
マヒ側の手は、使わないと意識から消えてしまう。
○肩を入れ、自分の
体重を腰で支え、姿
勢を調整する。
◎うつぶせで、首の座りの練習
うつぶせの状態で首を持ち上げる
◎縦にして、首の座りの練習(四つばい)
そのまま起こす
腰を曲げる。
セラピーボー
ルに横たわり
セラピーボールにのる。
セラピーボールを揺らすと、
首や頭を支える練習になる
ながら、首を左
右に動かす
学習に当たって
・子供のまねができる。同じ姿勢がとれる。
*どこに力が入っているかが分かる。
・子供に求めている動きが自分もできる
*イメージを持って子供に伝えることができる。
・課題は自分が体験してみておくこと
*しんどいところが分かる。力の入れ方を伝えやすい。
・ボディ・イメージが形成されていない子どもは、自分のからだに気づきにくい、動かし方が分からない。
*初めは一緒にことばを添えて、からだを動かすところから始め、少しでも自分でからだを動かせら
れるようになってきたら、すぐにほめてその成功体験をフィードバックすることを繰り返す。その
ことでからだの部位の名前を覚えたり、からだの動かし方が理解できたりしてくる。
・人の生態系は 25 時間
1 日、24 時間周期なので、日光に当たって覚醒を促す必要がある。
*医ケアの生徒こそ、朝起きたら日光に当たらなくてはいけない。そのリズムは大人が作ってやらなく
てはいけない。
感じる手を作ろう(体験してみたこと、相手に重心の位置を確実に伝えること)
・目をつぶって、相手の後ろから肩をさわる。相手に手や足を動かしてもらって、どの部位を動かしたか当
てる。(左手を挙げた、指を動かしたなど)
・動かそうと思って、相手の体に、手を置いていると、微妙にその方向に相手は動く。
・肩に手を置いて、立っている相手の足の親指に重心を移動させる。←重心の移動を相手に教えられる。
Fly UP