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派遣概要 - 大阪商工会議所
派 遣 概 要 1.趣旨: EU(欧州連合)は、本年5月、新たに 10 カ国を加え加盟 25 カ国に拡大した。人口 4.5 億 人、世界 GDP の 4 分の 1 を占める巨大単一市場とどのように関わるべきかを検証するた め、大阪商工会議所国際ビジネス委員会は、昨年度に「拡大 EU ビジネス研究会」を設け た。中東欧地域とビジネス交流のある会員企業の実務者が、同地域と大阪との経済関係強 化の方策を議論した結果を、本年 3 月報告書に取りまとめた。 この報告を受けて、大阪商工会議所は近畿商工会議所連合会と共催で「拡大 EU ビジネ ス環境視察団」を編成した。同視察団は、新規加盟国の代表格である中欧 3 カ国(チェコ、 ポーランド、ハンガリー)とオーストリアを訪ね、伝統の技術力と豊富で廉価な熟練労働 力、ロシアを含めた広域欧州のほぼ中央に位置する地理的優位性を活かした流通拠点とし ての機能の実際を検証し、同地域と大阪との経済交流の拡大の可能性を探った。 また、イタリアでは「ミラノにおける関西展 2004」を視察した。関西の自治体、経済団 体が主催した同展では、大阪・関西企業が、独自のモノづくりの力量やデザイン力を展示 した。 2.主 催: 大阪商工会議所国際ビジネス委員会 近畿商工会議所連合会 3.日 程: 2004 年 10 月 9 日(土)∼20 日(水)(12 日間) ※詳細は日程表参照 4.訪問国: チェコ、ポーランド、ハンガリー、オーストリア、イタリア 5.団構成: 今井清輔団長(大阪商工会議所副会頭)ほか総勢 20 名 6.視察・懇談概要: ※詳細は団員名簿参照 <懇談順> (1) チェコ □ チェコ投資庁(CzechInvest)との懇談 ・ チェコの投資環境、優遇措置と適合条件、工業地域開発政策・下請け開発プロジ ェクト等について説明。 4 ・ 期待される投資分野、人材の供給能力、EU 加盟による影響などについて意見交 換。 □ 日系企業駐在員等との懇談 ・ チェコの政治情勢、マクロ経済動向、日系進出企業の状況等について、日本大使 館、JETRO、日本人会各代表より説明を受け、懇談。 □ 企業訪問(台湾系メーカー) ・ 1991 年設立、プラハ南西約 20 ㎞の流通センター内に立地するパソコン、IT 関 連部品メーカー。チェコ企業トップ 100 社にランクされ、IT 分野では国内1位。 従業員 405 名、年商 6 億ドル。 ・ チェコ進出理由は、政治・経済の安定性、高い労働効率と整備されたインフラな ど。懸念材料は EU 加盟による人件費の上昇。 (2) ポーランド □ 日系企業駐在員等との懇談 ・ ポーランドの経済状況、投資環境、日本企業の進出状況、労働事情などについて 日本人会代表より説明を受け、懇談。 □ ポーランド情報外国投資庁との懇談 ・ EU 新加盟国中最大の国土(約 31.2 万平方 km:本州と北海道の合計程度) と人 口(約 3800 万人)の投資環境、労働供給力等について説明 ・ 地域別投資優遇措置と EU 競争法との関連、大卒人材や英語力等について意見交 換。 □ ベネディクチンスキー市長(グロジスク・マゾヴィエツキー市)との懇談 ・ ワルシャワ西方 30km に位置する人口 2.8 万人の衛星都市。市長は在任 11 年中 に 62 社の外国企業を誘致、3,500 人の新規雇用を創出。市予算の 30%を投資誘 致関係に配分。同市内の工業団地には、日系企業の合弁会社が進出。 ・ 市長案内にて市内視察(ショパンの旧住居など)。 □ 企業訪問(デンマーク・日本合弁企業) ・ グロジスク・マゾヴィエツキー市工業団地内の工場。デンマークのダンフォス社 と鷺宮製作所(本社東京)の合弁会社。冷凍・空調制御機器の製造。年商約 87 億 円(2003 年)。 ・ 視察後、同社内カフェテリアで、市長主催昼食会。 □ 企業訪問(現地企業) ・ ポーランド民営化時の 1991 年に設立された地場企業。電気・電子機器、部品の 輸入、生産(組立て)、輸出、国内販売を営む。年商約 600 万ユーロ(約 8 億円)。 輸出先は、ロシア、ウクライナなど。専門スタッフ 5 名が、バーター方式で同 5 地域への輸出を担当。 ・ 社長の父が創業。ポーランドで一般的な有限会社。株式は社長一族が保有。現社 長は、1995 年から 2 年間、大阪大学電気工学科に留学、日本企業への現地サプ ライヤーとして有利と認識。 (3) ハンガリー □ 企業訪問(三洋電機) ・ 1991 年、ブダペスト北方 36 ㎞のドログで設立(敷地面積 14 万㎡)の電池生産 工場。資本金 3,610 万ユーロ、投資累計額 8,530 万ユーロ(約 116 億円)、年商 2 億 85 百万ユーロ(約 387.6 億円、2003 年)。従業員数 1,684 人(2004 年 5 月 現在)。 ・ ハンガリーでの生産メリット、現地人の労働気質等について意見交換 □ 日本大使・日系企業駐在員等との懇談 ・ 稲川・駐ハンガリー大使より、ハンガリーの政治・経済の概況、EU 加盟の意義 等について説明を受け、日系企業駐在員等と懇談。 □ ハンガリー投資貿易促進公社(ITDH)との懇談 ・ ハンガリーの投資環境(経済状況、税制、投資状況、生産性、流通網、教育機関、 人材など)及び対日関係(投資・貿易など)について説明。 ・ EU 加盟後の対日貿易関税の変化、日本企業の進出形態、実質賃金などについて 意見交換。 □ ハンガリー外務省通商担当次官補との懇談 ・ 日本はハンガリーの第 10 位の貿易相手国。対 EU 貿易依存度 80%を改善すべく、 日本を筆頭に域外貿易の拡大を期待。 ・ 道路事情、観光開発、エネルギー産業の連携等について意見交換。 □ 企業訪問(ドイツ系中小企業) ・ ブダペストから南東約 80 ㎞の工業団地に位置するドイツ系小型ポンプメーカー。 1994 年に現工場を設立、年産 40 万個。R&D 部門にエンジニア 15 名を配し、 新製品開発に注力。2005 年に工場拡張予定。 ・ 一貫生産工場の見学を実施。 □ 企業訪問(運輸会社) ・ 在欧州の日系企業多数を取引先とするドイツ系の運輸会社。中東欧地域に搬送ネ ットワークを構築。全社従業員 600 名。年商 13,100 万ユーロ(約 178 億円、2003 年)。 ・ EU 加盟後の通関手続きの変化、アジア航路、パレット規格等について懇談。 6 (4) オーストリア □ 日本大使との懇談 ・ 梅津大使より、オーストリアの政治・経済状況、バルカン半島でのイニシアティ ブ、周辺国への飛び板としての位置付け、日本との関係等について解説、懇談。 (5) イタリア □ JETRO ミラノセンター所長との懇談 ・ イタリアの経済・政治情勢、イタリア産業の現状と北イタリア地域(ミラノ等) の中小企業の特徴、EU 拡大に伴うイタリアの役割の変化等について説明、懇談。 □ ミラノにおける関西展 2004 視察 ○「関西の夕べ」レセプション(10 月 18 日、日関係者 300 名出席) ○ミラノ市表敬訪問(10 月 19 日、今井副会頭はじめ主催団体代表) ○開会式(10 月 19 日) ・開会挨拶 秋山 関経連会長 ・歓迎挨拶 アルベルティーニ・ミラノ市長 ビコッキ・ロンバルディア産業連盟副会長 ・挨 拶 ・テープカット ○出展者 井戸 兵庫県知事 今井副会頭はじめ主催団体代表、地元来賓 フォーラム・アイ(異業種交流グループ)、近畿編針㈱ほか 以上 7