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認知症への理解と 介護家族への支援を!
認知症への理解と 介護家族への支援を! 1 「家族の会」 について 認知症を理解する 介護家族の心の変化を理解する 介護家族の声 介護家族への支援 「ひまわり会」の紹介 伊万里地区認知症の人とその家族の会 代表 黒川 憲一 「ひまわり会」 「家族の会」 について ●公益社団法人「認知症の人と家族の会」 1980年に結成。全国47都道府県に支部があり、1万1千 人の会員が励ましあい、助け合って「認知症になっても 安心して暮らせる社会」を目指しています。 本部が京都にあり、佐賀県支部は佐賀市にあります。 ●「伊万里地区認知症の人とその家族の会」 通称「ひまわり会」 1999年に結成。伊万里市を中心に、有田・唐津・武雄地 区からの賛同者も含めて、140名の会員で活動。 会員同士の交流や、地域住民の認知症理解のための活 動をすすめています。 2 認知症の理解 脳の細胞が死ぬ 中核症状 記憶障害 見当識障害 理解・判断力の障害 実行機能障害 その他 環境 心理状態 性格・素質 行動心理症状(BPSD) 不安・焦燥 うつ状態 幻覚・妄想 徘徊 興奮・暴力 不潔行為 せん妄 3 介護家族の心の変化を理解する 第一 ステップ とまどい・否定 第二 ステップ 怒り・混乱・拒絶 第三 ステップ 割り切り 第四 ステップ 受 容 認知症への理解の 不十分さから、どう 認知症に対する 対応してよいかわか 理解が深まり、認 らず、混乱し、ささ 知症の人の心理 異常な言動に戸惑 怒ったり、イライラ を介護者がわか い、否定しようとする。 いなことで腹を立て しても何もメリット たり叱ったりする。 るようになる。 はないと思いはじ 他の家族にすら打ち め、割り切るよう 明けることができず 精神的・肉体的に 認知症である家 になる時期。 に一人で悩む。 疲労困憊し、拒絶 族の、あるがまま 感・絶望感に陥りや を受け入れられる ようになる時期。 4 すく、最もつらい時 期。 介護家族の声 夜は眠って欲しいのに! 要介護の実母を在宅介護していて、母が、夜寝てくれないの で困っています。母は毎晩、夜中に起きるのです。 大声でわたしの名前を呼んだり、私たち夫婦の部屋に入って 来てわめいたり、又、「帰るよ、私はもう帰る」と言って外へ出ようと したり、「ここがお家よ」となだめると、余計に混乱し興奮して泣い たりして大変です。 家族みんなが睡眠不足で、夫にも申し訳ないです。介護の中 でも、「夜眠ってくれない」というのは、家族全 員が巻き込まれ、体力も精神も消耗してしまい とても大変です。 5 認知症の検査を受けて欲しい! 両親共に認知症の症状が出てきています。お互いに同じこ とを何度も聞いたり、言い合ったり、怒鳴ったりして、家族にも 当たり散らす毎日です。同居の妻は精神的にも参ってしまい、 かわいそうでなりません。 両親を認知症の受診に連れて 行こうとするのですが、「病院」の 言葉を聞いただけで拒絶反応を 起こし、怒りどなり、孫にまで当 たり散らす有様です。 6 父の認知症を認めずに怒る母 父が認知症になりました。 その父に母は、厳しいキツイ対応をして、「またあ!も おっ!」「何回言わせるのよ!」など、まるで暴言です。私が 「お父さんの気持ちになって、もっと根気よく優しく」と言っても、 「そんなことをしたら、私の方が倒れてしまう」と言います。 母としては「しっかり者のあの夫が・・」と、父の認知症を認め たくないのでしょう。 でも、叱責や怒号や説教では、何も良いこと はないと思います。父・母お互いが責め立て あってどんどん悪化して・・・。 娘の私は悲しいです。 7 身内の無理解が一番悲しい! 一番悲しく情けなくなり頭にくるのは、夫が実母の認知症を 認めず、仕事を理由に介護に協力せず、実母がなにかしで かすと、私に当たり散らすことです。 悲しいです。 かわいそうな母 今祖母は認知症で、母に下の世話まで介護をしてもらって います。それでも、ありがとうの言葉どころか、祖母の子(私 の叔父叔母)に、母の悪口ばかり言っています。 盆も正月もなく祖母の介護をしている母を尻目に、父や父 の兄弟たちはみんなで、あちこちに旅行などしています。 私は、私の母がかわいそうで仕方ありません。 8 預けてラクして!ええなあ! 夫の認知の症状がひどく、このままでは私も共倒れになって しまう、そんな状況で夫をショートステイに預けた。夫に対する 罪悪感や周囲の人々の目も怖くて不安。 そんな私に 「ふだんの生活が悪かったからや。まだそんな年でもないじゃ ろ」「預けてしもてラクしてええなあ」。 やっぱり、預けた罪悪感は増すばかりです。 9 本人の身になって! 同じことを繰り返し聞かれるだけでもうんざりするのに、できな いこともできると思っているらしく、なんでも自分でやり、結局は しくじって、後始末が大仕事よ。 「相手のペースでゆっくりと」とか、「本人の身になって親身 に」とか人に言われ、周りからある意味追いつめられるわたし。 でもね 「じゃあ、誰が私の身になってくれるの?」。 介護の悩み いっしょに かたろう会 (ひまわり会) 10 妻に捧げる愛の介護 私は認知症の妻を介護してはや八年が経つ。 今まで数々 の混乱に振り回され悩み苦しんでいる時、「家族の会」のこと を知った。 入会してから二年。例会への出席や懇親会に参 加して、励まされたり、教えられたり、また「そうだなあ」と反省 したりして、暗くなっていた心も上向きになり、何とか日々を暮 らしている。 苦しいこともあったが、今は、地域の 人の支えや「家族の会」の交流等で ストレスを発散し、 六十年連れ添っ てくれた妻のために、愛を尽くす時と 思って介護を続けている。 11 「男の介護」が、いま問題に! 介護の主体は、女性(妻や娘・嫁)が担っていると思われて いましたが、今や、男性が妻や両親の介護をしているケース が増えています。介護のために仕事も辞める、結婚もできな いという事態が起こっています。 家事・育児や介護のスキルも、過去の長い社会通念の中で は、必ずしも女性のようにはできず、男性介護者は厳しい現 実の中に放り出されています。 男性介護者への支援は、女性以上に地域での声掛けや見 守りが大切です。 介護の実態が地域で「見える化(ように)」して、家族の介護 感情を分かち合える地域を目指したいものです。 12 介護家族への支援 ●行政への期待・願望 ・新オレンジプラン(七つの柱)推進! ・認知症の人や家族の視点を重視! 本人や家族が希望すれば、施設介護や居宅介護サービ スが、適切な費用で利用できる環境の整備! ●介護者以外の家族・親戚や、地域のみなさんへのお願い ・認知症サポータ養成講座や認知症勉強会・講演会などへ 積極的に参加し、認知症の理解を深めて欲しい! ・主たる介護者への支援を! ●介護者自身の意識改革 ・一人で頑張らない! 介護者がラクする事は、本人にとっても良い介護になる! ・息抜きは絶対必要! 13 認知症カフェや家族交流会に参加し、適度な息抜きを! 伊万里地区認知症の人とその家族の会 「ひまわり会」の紹介 14 ひまわり会は 認知症の人を抱えた家族が 介護の方法や悩みについて 互いに話し合い 情報を交換し共有しながら みんなで 介護について考えようと 平成11年2月に発足しました 平成27年3月現在 ひまわり会の主な活動 ●介護家族同士の交流 介護の悩みいっしょにかたろう会 ●認知症勉強会 認知症サポーター養成講座の開催 ●手芸サークル活動 ●講演会の開催 ●講演会、勉強会への参加 ●会報の発行 ひまわりレポート 毎月発行 15 介護の悩みいっしょにかたろう会 介護をしている人や介護の経験のある人達が介護につ いての悩みや愚痴をこぼしあえるストレス解消の場です。 精神的な負担を少しでも軽くして、明日からの介護に向 き合う力をもらって帰っていただいています。 また介護に関連した知識や情報も、お互いに共有する ことが出来ます。 どなたでも気軽にご参加ください。 日 時:毎月第2水曜日、13時30分~15時30分 場 所:伊万里市民センター相談室 16 認知症勉強会の活動 参加者総数 285名 参加者総数 420名 参加者総数 717名 参加者総数 545名 開催回数 15回 参加者数 776名 ●24年度 開催回数 9回 参加者数 201名 ●25年度 開催回数 9回 参加者数 346名 ●26年度 開催回数 14回 参加者数 580名 累計参加者数 3908名 累計サポーター数 3626名 (オレンジリング配布数) 伊万里市教育委員会 人権ゼミナール ●19年度 ●20年度 ●21年度 ●22年度 ●23年度 17 ひまわり会は 「認知症になっても 安心して暮らせる 街づくり」 を目指して活動しています 18