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PDF形式6.95MB - 神奈川県社会福祉協議会

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PDF形式6.95MB - 神奈川県社会福祉協議会
生活困窮者自立支援の今後の方向性
平成26年11月28日(金)
文京学院大学
中島 修
社会保障・税一体改革で目指す将来像
厚生労働省
~未来への投資(子ども・子育て支援)の強化と貧困・格差対策の強化 ~
社会保障改革が必要とされる背景
非正規雇用の増加など
雇用基盤の変化
家族形態や地域の変化
人口の高齢化、
現役世代の減少
高齢化に伴う社会保障
費用の急速な増大
・高齢者への給付が相対的に手厚く、現役世代の生活リスクに対応できていない
・貧困問題や格差拡大への対応などが不十分
・社会保障費用の多くが赤字国債で賄われ、負担を将来世代へ先送り
社会経済の変化に対応した
社会保障の機能強化
が求められる
現役世代も含めた全ての人が、より受益を実感できる社会保障制度の再構築
改革のポイント
◆
◆
◆
◆
◆
◆
◆
共助・連帯を基礎として国民一人一人の自立を支援
機能の充実と徹底した給付の重点化・効率化を、同時に実施
世代間だけでなく世代内での公平を重視
特に、①子ども・若者、②医療・介護サービス、③年金、④貧困・格差対策を優先的に改革
消費税の充当先を「年金・医療・介護・子育て」の4分野に拡大<社会保障4経費>
社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩
⇒消費税率(国・地方)を、2014年4月より8%へ、2015年10月より10%へ段階的に引上げ
就労促進により社会保障制度を支える基盤を強化
改革の方向性
1
未来への投資
(子ども・子育て支援)
の強化
・子ども・子育て
新システムの創設
2
医療・介護サービス保障
の強化/社会
保険制度のセーフティ
ネット機能の強化
・地域包括ケアシステムの
確立
・医療・介護保険制度の
セーフティネット機能の強化
・診療報酬・介護報酬の
同時改定
3
貧困・格差対策の
強化(重層的セーフ
ティネットの構築)
4
5
多様な働き方を支える
社会保障制度へ
全員参加型社会、
ディーセント・ワークの
実現
・生活困窮者対策と生活保護 ・短時間労働者への
制度の見直しを総合的に推 社会保険適用拡大
進
・新しい年金制度の検討
・総合合算制度の創設
・有期労働契約法制、パート
タイム労働法制、高年齢者
雇用法制の検討
6
社会保障制度の
安定財源確保
・消費税の引上げ
(基礎年金国庫負担
1 /2の安定財源確保
など)
2
現在の社会保障制度からもれてしまう生活困窮者
○非正規労働者の増加は、社会保険、労働保険に加入しない人々を多く生み出している。
⇒雇用保険に加入していないため、派遣切り等により失業手当がもらえず無収入になる
生活困窮者
○国民健康保険料を支払わないために健康保険証ではなく、「資格証」を保持するようにな
り、医療費が10割負担となっている生活困窮者。
⇒医療費負担が大きいため、医療機関にかかることが遅くなり、重症化してから発見さ
れることが多い。
⇒児童については、親が資格証であっても医療保険が適用されている。
○日雇い労働者等、生活困窮を理由に医療機関から診察を拒否される生活困窮者
○生活困窮者は、健康診断を受診していないため、健康面での異変に気づきにくい。
生活困窮者は、十分な医療を受けにくくなっている。
生活困窮者支援の新制度と生活保護制度の見直しの全体像
生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しに総合的に取り組むとともに、生活保護基準の見直しを行う。
第2のネット】 【
【
第1のネット】【
第3のネット】
社会保険制度
労働保険制度
求職者支援制度
(H23.10~)
○生活困窮者対策
生活困窮者対策及び 生
活保護制度の見直しに総
合 的 に 取 り 組 む
生活保護
○生活保護制度の見直し
○生活保護基準の見直し
【社会保障制度改革推進法】(平成24年法律第64号) 抜粋
(生活保護制度の見直し)
附則第二条 政府は、生活保護制度に関し、次に掲げる措置その他必要な見直しを行うものとする。
一 不正な手段により保護を受けた者等への厳格な対処、生活扶助、医療扶助等の給付水準の適正化、保護を受けている世帯に属す
る者の就労の促進その他の必要な見直しを早急に行うこと。
二 生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しに総合的に取り組み、保護を受けている世帯に属する子どもが成人になった後に再び
保護を受けることを余儀なくされることを防止するための支援の拡充を図るとともに、就労が困難でない者に関し、就労が困難な
者とは別途の支援策の構築、正当な理由なく就労しない場合に厳格に対処する措置等を検討すること。
4
千葉県中核地域生活支援センターにおける相談状況
○
平成22年において、全相談件数のうち、相談ニーズが複数ある相談が半数以上、3つ以上が
約3割。
○ ニーズが10種類以上の多問題家族の事例もある。
相談のニーズ数(種類)
相談件数(実数)
割合(%)
1
1,285
49.88
2
548
21.27
3
295
11.45
4
154
5.98
5
83
3.22
6
68
2.64
7
46
1.79
8
29
1.13
9
23
0.89
10
45
1.75
2,576
21.27
50.12
28.85
100.0
(出典)「千葉県中核地域生活支援センター活動白書2010」を参考に作成。
※
千葉県中核地域生活支援センターは、千葉県の単独事業により、平成16年に県内14の健康福祉圏ごとに設置。子ども、障害者、
高齢者等誰もが地域で暮らすことができる地域社会を実現するため、24時間365日体制で福祉サービスのコーディネート
・福祉の総合相談・権利擁護を行っている。
5
総合相談・ワンストップ対応の事例
○ 一部の地域においては、複合的な問題を抱える者に対する縦割りでない総合相談やワンストップ対応を行い、成果を上げて
いるところがある。
野洲市【直営+既存の総合相談窓口に併設】
○ 市の既存の相談体制の機能を強化。
○ ワンストップで相談対応が可能であり、利用者への利便性が高い。
○ 直営方式のため、自治体内部組織(福祉事務所等)との連絡調整、連携を円滑に行うことが容易。
○ 税、国民健康保険、水道担当等の滞納情報を活用することで、生活困窮者の早期把握・早期支援が可能。
○ 市にとっても、市民の借金問題を解決することで過払い金の回収等を通じて公租公課の滞納額圧縮に寄与。
富士宮市【直営+地域包括支援センターに併設】
○ 高齢者向けの総合相談窓口である地域包括支援センターに、新たな人員を配置し機能を強化。(全世代対応型に)
○ 新たな相談窓口を設置するよりも地域包括支援センターのノウハウを活用し、効果的・効率的な運営が可能。
○ 直営のため、自治体内部組織との連絡・調整、連携が容易。
○ 8か所のブランチを設置することで、地域住民の利便性も向上。
TOKYOチャレンジネット(東京都全域が対象) 【委託・補助(複数法人)+既存支援窓口との併設によるワンストップ型】
○ 住居を失い、インターネットカフェや漫画喫茶等で寝泊まりしている不安定就労者や離職者に居住支援、生活支援、就労支援、貸付を実施する
広域的な取組事例。
○ ワンストップサービスを実現するため、複数の民間法人に委託又は補助しつつも、窓口を一ヶ所に集約。ハローワーク職員の出張相談も同じ
場所で実施。
○ 相談者にとって、極めて利便性が高い仕組みであり、迅速かつ効果的な支援が可能。
豊中市【委託+地域福祉ネットワークで対応】
○「制度の狭間」に取り組み、民間活用型ながら行政との連携が緊密であり、かつ社会資源の開拓も視野に入れる参考例。
○地域における見守り・発見・相談・つなぎの機能を担うコミュニティソーシャルワーカーを生活圏域(7地域)ごとに2名配置し、制度の狭間や複数
の福祉課題を抱えるなど、既存の福祉サービスでは対応困難な事案の解決に取り組んでいる。
千葉県中核地域生活支援センター「がじゅまる」【委託+複数自治体による広域共同設置】
○ 中核地域生活支援センターは、福祉圏域ごとに県が委託して設置。(がじゅまるは市川市及び浦安市をカバー。)
○ 総合相談を主として実施。相談を受け止め、他機関につなぎ、支援体制を構築するまでの移行支援を中心に行う。
※ 単独では相談センターの設置が難しく、かつ、適切な民間委託先がない小規模自治体では、複数市町村と共同で一法人に委託することが考えられる。
6
被保護世帯数、被保護人員、保護率の年次推移
生活保護受給者数は約216万人であり、平成23年に過去最高を更新して以降増加傾向が続いている。
(万)
260
2.50
2.42
250
平成24年度(確報値)
平成26年5月(速報値)
2,135,708 人
2,159,852 人
240
230
2.16
220
)
人
1.70 %
1,558,510 世帯
1.74
180
1.63
170
160
6
1,627,509
150
1,598,821
1,426,984
1.30
神
岩
110
武
戸
100
景
景
90
気
気
2 9 ~ 3 2 33~35
80
景オ
リ
ン
ピ
ッ
気ク
イ
ザ
ナ
ギ
景
気
3 7~ 39 4 0 ~ 4 5
1.21
60
1.22
50
昭
和
26
年
度
30
643,905
40
658,277
~
3
1.67
1.70
1,603,093
1.60
1.50
1.40
1.38
1.22
第
2
次
石
油
危
機
48・49
5 4 ~ 5 8
746,997
611,456
1,763,572
1.30
被保護人員
1,274,231
1.20
1.10
1,014,842
保 護 率
898,499
882,229
0.82
0.72
780,507
被保護世帯
0.70
789,602
707,514
623,755
50
1.80
1,558,510
第
1
次
石
油
危
機
661,036
1.70
1,431,117
699,662
70
1
1.90
世 界 金 融 危 機
120
2.00
1,469,457
1,344,306 1,349,230
140
130
2.10
2,135,708
1,603,093 世帯
1,929,408
190
2.20
60
平
成
2
585,972
4
7
601,925
1.00
0.90
0.80
0.70
0.60
20
0.50
10
資料:被保護者調査より厚生労働省社会・援護局保護課にて作成(平成24年3月以前の数値は福祉行政報告例)
21 22 23 24 26
年
5
月
保
護
率
%
)
(
・
被
保
護
人
員
200
2,159,852
(
)
世
帯
2,046,646
210
2.30
平 成 景 気
(
被
保
護
世
帯
数
1.67 %
2.40
生活保護制度の現状
○ 生活保護の動向(平成26年2月時点)
・ 生活保護受給者数は約217万人(生活保護受給者世帯数:約160万世帯、保護率:
1.70%)となっており、平成23年7月に過去最高を更新して以降増加傾向
・ ただし、対前年同月伸び率は0.5%となっており、平成22年1月の12.9%をピークに減少
傾向にある(世界金融危機直前(平成20年10月)の伸び率は3.0%)
○
高齢化等の影響により、生活保護受給者の過半数(約51%)は60歳以上の者
また、失業等により生活保護に至る世帯を含む「その他世帯」の伸び(※)は10年間で約
3倍強ではあるが、近年の伸び率は逓減傾向にある
(※)平成15年度:84,941世帯→26年2月(概数):287,570世帯(10年間で約3倍強の増加)
○ 受給者の増加にともなって生活保護費負担金も一貫して増加し続けており、平成26年
度予算では3兆8,431億円(国(3/4)と地方(1/4)の負担を合わせた額)
そのうち、約半分は医療扶助が占めている。
○ また、平成24年度の不正受給件数(稼働収入の無申告、各種年金の無申告など)は約
4万2千件、金額にして約190億円(保護費総額の0.5%)という状況
世帯類型別の保護世帯数と構成割合の推移
10年度前と比較すると、特に稼働年齢層と考えられる「その他の世帯」の割合が大きく増加。
◆平成16年度
被保護世帯
総数
世帯数
構成割合(%)
高齢者世帯
傷病・障害者
世帯
母子世帯
その他の
世帯
997,149
465,680
87,478
349,844
94,148
100.0
46.7
8.8
35.1
9.4
資料:平成16年度福祉行政報告例
約3倍増
◆平成26年5月(概数)
被保護世帯
総数
世帯数
構成割合(%)
高齢者世帯
傷病・障害者
世帯
母子世帯
その他の
世帯
1,595,273
751,363
107,872
452,667
283,371
100.0
47.1
6.8
28.4
17.8
資料:被保護者調査(平成26年5月概数)
世帯類型の定義
高齢者世帯:男女とも65歳以上(平成17年3月以前は、男65歳以上、女60歳以上)の者のみで構成されている世帯か、これらに18歳未満
の者が加わった世帯
母子世帯:死別、離別、生死不明及び未婚等により、現に配偶者がいない65歳未満
(平成17年3月以前は、18歳以上60歳未満)の女子と18歳未満のその子(養子を含む。)のみで構成されている世帯
障害者世帯:世帯主が障害者加算を受けているか、障害・知的障害等の心身上の障害のため働けない者である世帯
傷病者世帯:世帯主が入院(介護老人保健施設入所を含む。)しているか、在宅患者加算を受けている世帯、若しくは世帯主が傷病のた
め働けない者である世帯
その他の世帯:上記以外の世帯
(参考)
その他の世帯のうち、年齢階級別
にみた世帯人員の構成割合
・20~29歳: 5.3%
・50歳以上:53.5%
(平成23年)
新たな生活困窮者対策の主な対象者
1.現在生活保護を受給していないが、生活保護に至る可能性のある者で、自立が見込まれる者
○ 生活保護受給ではないが経済的に困窮している者(例えば、福祉事務所来訪者のうち、生活保護に至らない者は、
高齢者等も含め年間約40万人(平成23年度推計値))
・非正規雇用労働者 平成12年度:26.0%→平成23年度:35.2%(被災三県を除く。)
・年収200万円以下の給与所得者 平成12年:18.4%→平成23年:23.4%
・高校中退者 約5.4万人(平成23年度)、中高不登校 約15.1万人(平成23年度)
・ニート 約60万人(平成23年度)、引きこもり 約26万世帯(平成18年度厚労科研調査の推計値)
・生活保護受給世帯のうち、約25% (母子世帯においては、約41%)の世帯主が出身世帯も生活保護を受給。(関
西国際大学道中隆教授による某市での平成19年度の調査研究結果)
2.生活保護受給者のうち生活保護からの脱却が可能な層
○
生活保護受給者のうち、稼働年齢層で就労支援が必要とされる者は約36.9万人(平成23年度)
(参考)生活保護を新規に開始した者のうち、稼働可能で就労支援が必要な者は約8.8万人(平成23年度
推計値)
生活困窮者自立支援法の概要
生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居
確保給付金の支給その他の支援を行うための所要の措置を講ずる。
法案の概要
1.自立相談支援事業の実施及び住居確保給付金の支給(必須事業)
○ 福祉事務所設置自治体は、「自立相談支援事業」(就労その他の自立に関する相談支援、事業利用のた
めのプラン作成等)を実施する。
※ 自治体直営のほか、社会福祉協議会や社会福祉法人、NPO等への委託も可能(他の事業も同様)
○ 福祉事務所設置自治体は、離職により住宅を失った生活困窮者等に対し家賃相当の「住居確保給付金」
(有期) を支給する。
2.就労準備支援事業、一時生活支援事業及び家計相談支援事業等の実施(任意事業)
○ 福祉事務所設置自治体は、以下の事業を行うことができる。
・就労に必要な訓練を日常生活自立、社会生活自立段階から有期で実施する「就労準備支援事業」
・住居のない生活困窮者に対して一定期間宿泊場所や衣食の提供等を行う「一時生活支援事業」
・家計に関する相談、家計管理に関する指導、貸付のあっせん等を行う「家計相談支援事業」
・生活困窮家庭の子どもへの「学習支援事業」その他生活困窮者の自立の促進に必要な事業
3.都道府県知事等による就労訓練事業(いわゆる「中間的就労」)の認定
○ 都道府県知事、政令市長、中核市長は、事業者が生活困窮者に対し、就労の機会の提供を行うとともに、就
労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等を行う事業を実施する場合、その申請に基づき一定
の基準に該当する事業であることを認定する。
4.費用
○ 自立相談支援事業、住居確保給付金:国庫負担3/4
○就労準備支援事業、一時生活支援事業:国庫負担2/3
○ 家計相談支援事業、学習支援事業その他の生活困窮者の自立の促進に必要な事業:国庫補助1/2
施行期日
平成27年4月1日
11
新たな生活困窮者自立支援制度
居住確保支援
包括的な相談支援
再就職のために居住の
確保が必要な者
◆自立相談支援事業
・生活と就労に関する支援員を配
置し、ワンストップ型の相談窓口
により、情報とサービスの拠点と
して機能
・一人ひとりの状況に応じ自立に向
けた支援計画を作成
・地域ネットワークの強化など地域
づくりも担う
基本は現金給付ではなく自立に向け
た人的支援を、有期により提供
本人の状況に応じた支援( ※
)
・訪問支援(アウトリーチ)も含め、
生活保護に至る前の段階から早
期に支援
就労支援
就労に一定期間を
要する者
・就職活動を支えるための家賃費用を有期で給付
◆就労準備支援事業
・就労に向けた日常・社会的自立のための訓練
なお一般就労が困難な者
◆「中間的就労」の推進
早期就労が
見込まれる者
緊急的な支援
緊急に衣食住の
確保が必要な者
・直ちに一般就労が困難な者に対する支援付きの就労の
場の育成
◇ハローワークとの一体的支援
・自治体とハローワークによる一体的な就労支援体制の
全国整備等により早期支援を推進
◆一時生活支援事業
・住居喪失者に対し支援方針決定までの間衣食住を提供
家計再建支援
家計から生活再建を
考える者
子ども・若者支援
※右記は、法に規定する支援(◆)を中心に
記載しているが、これ以外に様々な支援があ
ることに留意
◆「住居確保給付金」の支給
貧困の連鎖の防止
◆家計相談支援事業
・家計再建に向けたきめ細かな相談・支援
・家計再建資金貸付のあっせん
◆学習等支援
・生活困窮家庭のこどもに対する学習支援や保護者
への進学助言を実施
12
自立相談支援事業について
新事業の概要
○ 福祉事務所設置自治体が直営又は委託により自立相談支援事業を実施。
※ 委託の場合は。自治体は受託機関と連携して制度を運営。行政は支援調整会議に参画し、支援決定を行うほか、社会資源の開発を担う。
○ 自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談を受け、
① 生活困窮者の抱えている課題を評価・分析(アセスメント)し、そのニーズを把握
② ニーズに応じた支援が計画的かつ継続的に行われるよう、自立支援計画を策定
③ 自立支援計画に基づく各種支援が包括的に行われるよう、関係機関との連絡調整を実施
等の業務を行う。
生活困窮状態からの脱却
自立相談支援事業
生活困窮者
【相談窓口】
早期把握
包括的・継続的な支援
○総合的な
アセスメント
本人の主体性と
多様性を重視
○自立生活のためのプランの作成
支援調整会議
による調整
法定サービスに係る
自治体の支援決定
各分野の支援事業・支援機関
包括的
に対応
生活困窮者自立支援
法に基づく支援
法以外の支援
○再アセスメント
による 評価
○プランの見直し
フォローアップ
民生委員による見守りなど
インフォーマルな支援
期待される効果
○ 生活保護に至る前の段階から早期に支援を行うことにより、生活困窮状態からの早期自立を支援。
○ 生活困窮者に対する相談支援機能の充実により、福祉事務所の負担軽減とともに、社会資源の活性化、地域全体の負担軽減が可能に。
13
住居確保給付金について
新事業の概要
○ 福祉事務所設置自治体は、離職により住宅を失った又はそのおそれが高い生活困窮者であって、
所得等が一定水準以下の者に対して、有期で住居確保給付金を支給。
※
現行、緊急雇用創出事業臨時特例基金(住まい対策拡充等支援事業分)事業として平成21年10月から
行われている住宅支援給付事業(平成26年度末までの事業)の制度化を図る。
(参考)現行の住宅支援給付制度の概要及び実績
➢ 支給対象者
離職後2年以内かつ65歳未満の者であって、①現在住居がない又は②住居を失うおそれのある者
➢ 支給要件(東京23区の場合)
①収入要件:(単身)月収約13.8万円未満、(2人世帯)17.2万円以下
②資産要件:(単身)預貯金50万円以下、(複数世帯)100万円以下
③就職活動要件:ハローワークでの月2回以上の職業相談、自治体での月4回以上の面接支援等
➢ 支給上限額(東京23区の場合)
単身:53,700円
複数世帯:69,800円
➢ 支給期間
原則3か月間(就職活動を誠実に行っている場合は3か月延長可能(最長9か月まで))
◆
◆
支給決定件数 154,493件(平成21年10月~平成26年3月実績)
常用就職(※)率 平成25年度実績:75.4%(平成21年10月~平成26年3月の累計実績:44.7%)
(※)期間の定めがない又は6ヶ月以上の雇用期間が定められた雇用契約による就職者
期待される効果
○ 有期の代理納付という仕組みの中で生活保護に至らないためのセーフティネットとして、効果を発揮。
○ 自立相談支援事業や就労準備支援事業との組み合わせにより更なる効果を目指す。
14
就労支援の強化(多様な就労機会の確保)
【「生活支援戦略」中間まとめ(抜粋)】
○「多様な就労機会」と「家計再建+居住の確保」等の新たなセーフティネットの導入の検討
社会的な自立に向けたサポートをする仕組みを組み込んだ「中間的就労」などの「多様な就労機会」の確保と「家計再建(相談支援・貸付)+居住の確保」
などを柱とする新たなセーフティネットを検討する。
本人の「ステージ」に応じた多様な就労支援
○ 「中間的就労の場」の提供等
・直ちに一般就労を目指すことが困難な人に対して、社会的な自立に向け
たサポートをする仕組みを組み込んだ「中間的就労」などを提供
<参考例>
1.自治体の取組 ①京都府では、ひきこもりの若者の就労支援として、食堂での雇用やものづ くりの
場での技術指導等の中間的就労の取組を実施。②釧路市では、就労型インターンシップと して、ゴミ
の選別作業・公園管理等を実施。
2.民間の取組 ①「(福)一麦会(和歌山県)」では、障害者に加え、
ひきこもりの若者を対象に農業(6次産業化)での就労を提供。
②「(特)とちぎボランティアネットワーク」では、インターンシップ
によるニート等の就労支援や、地域の課題に対応した
仕事おこしを通じた就労支援の取組を実施。
中間的就労
社会参加
日常生活自立
○就労準備のための支援
・ 就労体験等を通じた訓練
・ 生活習慣確立のための指導や地域活動への参加等の
日常・社会生活自立のための訓練
一般就労
○自治体とハローワーク
とが一体となった就労
支援
・「福祉から就労」支援事業
の抜本強化
就労準備支援事業について
新事業の概要
○ 一般就労に従事する準備としての基礎能力の形成を、計画的かつ一貫して支援する事業(就労準備支援事業)
を創設。
○ 福祉事務所設置自治体の事業(社会福祉法人等へ委託可)。最長で1年の有期の支援を想定。
○ 生活習慣形成のための指導・訓練(生活自立段階)、就労の前段階として必要な社会的能力の習得(社
会自立段階)、事業所での就労体験の場の提供や、一般雇用への就職活動に向けた技法や知識の取得等の
支援(就労自立段階)の3段階。事業の形式は、通所によるものや合宿によるもの等を想定。
支援のイメージ(現行の取組例)【横浜市】
横浜市における就労意欲喚起事業
(就労準備のための訓練)
● 中区保護課で、平成23年10月から
新たな就労支援プログラムを開始。
● 平成24年9月現在、56人が受講し、
うち48人が修了、29人が就職。
期待される効果
○ 生活習慣の形成等、個人の状況に応じた支援を行うことで、一般就労に就くための基礎的な能力の習
得が可能となる。
16
就労訓練事業(いわゆる中間的就労)の推進について
新事業の概要
○ 社会福祉法人、NPO法人、営利企業等の自主事業として実施。対象者の状態等に応じた作業等の機会
(清掃、リサイクル、農作業等)の提供と併せ、個々人の就労支援プログラムに基づき、就労支援担当者
による一般就労に向けた支援を実施。
○ 対象者としては、就労準備のための支援を受けても一般雇用への移行ができない者等を想定。
○ 事業実施に際し、都道府県等が事業を認定する仕組みとする。
○ 立上げ時の初期経費の助成、税制優遇等を検討。
支援のイメージ
自立相談支援機関に
よる課題の評価・分析
(アセスメント)、行政
による支援決定
就 労 訓 練 事 業
支援付雇用型
非雇用型
・ 訓練計画に基づく就労訓練
・ 事業主の指揮監督を受けない軽作業等
・ 就労支援担当者による就労支援・指
導等
・ 雇用契約に基づく就労
・ 比較的軽易な作業を想定
・ 就労支援担当者による就労
支援・指導等
・ 就労条件における一定の配慮(労
働時間、欠勤について柔軟な対応)
一般就労
・ 雇用契約に基づく就労
・ 必要に応じ、相談支援事
業等によるフォローアップを
実施
(課題の評価・分析(アセスメント)は約6ヶ月ごとに実施)
期待される効果
○ 個人の状況に応じた支援を行うことで、一般就労や求職活動を行うための動機付け・準備が可能となる。
17
一時生活支援事業について
新事業の概要
○ 福祉事務所設置自治体は、住居のない生活困窮者であって、所得が一定水準以下の者に対して、省令で定め
る期間内に限り、宿泊場所の供与や衣食の供与等を実施。
(参考)ホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター事業)の概要
(※緊急雇用創出事業臨時特例基金[住まい対策拡充等支援事業分]による平成26年度までの事業)
➢ 目
的
ホームレス等に対し、緊急一時的な宿泊場所を提供し健康状態の悪化を防止すること等によりその自立を支援する。
➢ 支援の内容
① 日常生活・健康面での支援
・ 緊急一時的な宿泊場所を提供し健康状態の悪化を防止する。
・ 保健所等との連携の下で健康診断等を必要に応じて実施。
② 就労に向けた支援
・ 就労に関する情報の提供を行うとともに、就労意欲のある利用者に対して、緊急一時的な本事業から、更に、個々人の
状況に応じたきめ細やかな就労自立に向けた支援を行う「ホームレス自立支援センター」の利用を促す。
③ その他
・ 福祉サービスの提供が必要な利用者に対して、福祉事務所等における支援が受けられるよう助言・指導を行
う。
➢ 利用料
無
料
➢ 利用期間
原則3か月以内
◆ 実施自治体数(H25.3月現在)
都道府県又は市町村が設置し、設置形態として、施設を設置する形態(施設型)と、旅館やアパートを借上げて設置する形態(借上型)
がある。 ○ 施設型・・・・全国で2自治体5施設(定員1,514人) ○ 借上型・・・・全国で54自治体151施設(定員1,238人)
期待される効果
○ 自立相談支援事業と緊密に連携し、又は一体的に運用することにより、入居中に、課題の評価・
分析(アセスメント)を実施し、就労支援につなげるなど、現行以上の効果的な支援を行う。
18
家計相談支援事業について
事業の概要
○ 福祉事務所を設置する都道府県又は市町村は、家計相談支援事業を任意で実施。家計相談支援事業は、
① 家計収支等に関する課題の評価・分析(アセスメント)し、相談者の状況に応じた支援計画を作成
② 生活困窮者の家計の再生に向けたきめの細かい支援(公的制度の利用支援、家計表の作成等)
③ 法テラス等の関係機関へのつなぎ
④ 必要に応じて貸付のあっせん等を行う。
○ 福祉事務所設置自治体が直接実施するほか、地域の社会資源の状況に応じて社会福祉協議会や消費生活協同
組合等の貸付機関等に委託が可能。
支援のイメージ
相談者自身が課題を見えるようになる支援
①家計の状況の「見える化」と根本的な課題の把握
自分の家計の状況に
対する気づきと理解
家計を再生しようと
する意識の高まり
具体的な家計の
再生の方針や支援
の見通しの作成
ともに目標を設定し、家計の再生に向けて歩き出す支援
②家計支援計画の作成と必要な支援の調整
(給付・減免等の利用、貸付のあっせん、債務整理へのつなぎ)
・相談者が自ら家計を管理できるようになる
・家計が安定化する
相談者が自ら家計管理を続けていくことの支援
③家計の状況のモニタリングと出納支援ツールの紹介等
一体的・総合的かつ継続的に実施し、相談者が自ら家計を
管理できるようになることを支え、早期の生活の再生を支援
再び困窮状態になる
ことの予防
税等の滞納の解消
就職活動の円滑化
効果的な貸付の実施
期待される効果
○ 家計収支の改善、家計管理能力の向上等により、自立した生活の定着を支援。
19
子どもの学習支援等について
新事業の概要
○ 統合補助金事業により、地域の実情に応じた柔軟な事業運営を行う。
○ 例えば、生活困窮者の自立促進のための生活困窮家庭での養育相談や学び直しの機会の提供、学習支援と
いった「貧困の連鎖」の防止の取組や中間的就労事業の立ち上げ支援など育成支援等を行う。
支援のイメージ(現行の学習支援に関する取組例)
生活保護世帯等の子ども及びその保護者に対しては、日常的な生活習慣の獲得、子どもの進学、高校進学者の中退
防止等に関する支援を総合的に行う事業が全国130自治体で実施(平成25年度)
埼玉県生活保護受給者チャレンジ支援事業
高知市高知チャレンジ塾における学習支援
【対象】埼玉県内(政令市以外)の生活保護受給世帯の
中学生全員及びその保護者等
【運営】一般社団法人に委託して学習支援等を実施。教
員OBなどの教育支援員が、定期的な家庭訪問を行
い、子ども及び親に対して進学の助言等を行う。
県内17カ所で週1~3回の学習支援室を開催し、学生
ボランティアによるマンツーマンの学習支援も実施。
【対象】 福祉部局と教育委員会が連携し、生活保護
受給世帯の中学生を対象とした学習支援を実施。
【運営】市が雇用した就学促進員(教員免許資格者)
が定期的に家庭訪問し、保護者へ事業参加への働
きかけ等を行う。
民間団体に委託して、教員OB・大学生などの学習
支援員が週2回程度、市内5カ所で学習支援を実施。
【実績】 平成24年度は中学3年生の対象者782人のうち
331人が参加。うち321人(97%)が高校へ進学。
【実績】 平成24年度は生活保護受給世帯の生徒106
人が参加。中学3年生43人のうち41人が高校へ進
学。
期待される効果
○ 地域の創意工夫により、実情に応じた生活困窮者支援が可能となる。
○ 例えば、学習支援など効果的な事業に安定的に取り組むことができるようになる。
20
「貧困の連鎖」の防止のための取組
【「生活支援戦略」中間まとめ(抜粋)】
○「貧困の連鎖」の防止のための取組
訪問強化
「貧困の連鎖」の防止等の観点から、地域において教育関係機関と福祉関係機関等が連携して、幼年期・学齢期の子どもや高校中退者、不登校者及び
課題を抱える家庭等に対する養育相談や学び直しの機会の提供も含めた学習支援を積極的に展開する。
生活保護受給家庭等
のこども
(ひきこもり、中退者、ニート など)
「参加」
と「
自立」
へ
早期支援による「
貧困の連鎖」
の防止
(家庭環境により学習が困難、孤立しがち
など)
生活困窮、孤立状態に
ある又はそのおそれの
ある若者
アウトリーチ(訪問)を重視 した相談対応
○家庭に対する養育相談
○就労支援
(就労準備支援、ハローワーク等)
○子どものための学習支援
○社会参加支援
(地域における「居場所」等を活用)
○居場所づくり
子どもや若者への相談・支援に当たっては、
○教育機関、○保健・医療機関、○矯正・更正保護施設等、
○地域におけるその他相談機関、○NPO、社会福祉法人等、○学生ボランティアを活
用・連携
21
生活保護制度の概要
○ 生活保護制度の目的
○ 最低生活の保障
⇒ 資産、能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する者に対し、困窮の程度に応じた保護を実施
○ 自立の助長
最低生活の保障
① 資産、能力等あらゆるものを活用することが保護の前提。また、扶養義務者による扶養などは、保護に優
先される。
・不動産、自動車、預貯金等の資産
・稼働能力の活用
・年金、手当等の社会保障給付
・扶養義務者からの扶養
等
◇保護の開始時に調査
(預貯金、年金、手当等の受給の有無や可否、傷病の状況等
を踏まえた就労の可否、扶養義務者の状況及び扶養能力等)
◇保護適用後にも届出を義務付け
② 支給される保護費の額
・厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費から収入を差し引いた差額を保護費として支給
最
低
生
活
費
年金・児童扶養手当等の収入
自立の助長
収入としては、就労による収入、年金等社会保障の給付、親族による援
助等を認定。
預貯金、保険の払戻し金、不動産等の資産の売却収入等も認定するた
め、これらを消費した後に保護適用となる。
支給される保護費
・ケースワーカーの月1回の家庭訪問等による就労指導
・福祉事務所とハローワークの連携強化
・福祉事務所への就労支援員の増配置
22
○ 生活保護基準の内容
生活保護基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情
を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならな
い。(生活保護法第8条第2項)
生活を営む上で生じる費用
対応する
扶助の種類
支
給
内
容
生活扶助
基準額は、
①食費等の個人的費用(年齢別に算定)
②光熱水費等の世帯共通的費用(世帯人員別に算定)
を合算して算出。
特定の世帯には加算がある。(障害者加算等)
アパート等の家賃
住宅扶助
定められた範囲内で実費を支給
義務教育を受けるために必要な学用品費
教育扶助
定められた基準額を支給
医療サービスの費用
医療扶助
費用は直接医療機関へ支払(本人負担なし)
介護サービスの費用
介護扶助
費用は直接介護事業者へ支払(本人負担なし)
出産費用
出産扶助
定められた範囲内で実費を支給
日常生活に必要な費用
(食費・被服費・光熱水費等)
就労に必要な技能の修得等にかかる費用
(高等学校等に就学するための費用を含む。)
葬祭費用
生業扶助
〃
葬祭扶助
〃
※勤労控除
就労収入のうち一定額を控除する仕組みであり、就労収入額に比例して控除額が増加。
(就労収入8,000円までは全額控除、就労収入240,000円で基礎控除額の上限額(33,190円))
23
生活保護法の一部を改正する法律について
必要な人には確実に保護を実施するという基本的な考え方を維持しつつ、今後とも生活保護制度が国民の信頼に応えられるよう、就労
による自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適正化等を行うための所要の措置を講ずる。
主な改正内容
1.就労による自立促進
○ 安定した職業に就くことにより保護から脱却するための給付金を創設する。
2.健康・生活面等に着目した支援
○ 受給者それぞれの状況に応じた自立に向けての基礎となる、自ら、健康の保持及び増進に努め、また、収入、
支出その他生計の状況を適切に把握することを受給者の責務として位置づける。(※)
3.不正・不適正受給対策の強化等
○ 福祉事務所の調査権限を拡大する(就労活動等に関する事項を調査可能とするとともに、官公署の回答義務
を創設する。
○ 罰則の引上げ及び不正受給に係る返還金の上乗せをする。
○ 不正受給に係る返還金について、本人の事前申出を前提に保護費と相殺する。
○ 福祉事務所が必要と認めた場合には、その必要な限度で、扶養義務者に対して報告するよう求めることとす
る。
4.医療扶助の適正化
○ 指定医療機関制度について、指定(取消)に係る要件を明確化するとともに、指定の更新制を導入する。
○ 医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、受給者に対し後発医薬品の使用を促すこととする。(※)
○ 国(地方厚生局)による医療機関への直接の指導を可能とする。
施行期日
平成26年7月1日(一部(※)平成26年1月1日)
24
①就労自立給付金について(平成26年7月から実施)
◎
生活保護から脱却すると、税・社会保険料等の負担が生じるため、こうした点を踏まえた上で、
生活保護を脱却するためのインセンティブを強化するとともに、脱却直後の不安定な生活を支
え、再度保護に至ることを防止することが重要である。
◎ このため、保護受給中の就労収入のうち、収入認定された金額の範囲内で別途一定額を仮想
的に積み立て、安定就労の機会を得たこと等により保護廃止に至った時に支給する制度(就労自
立給付金)を創設する。
制度概要
○支給要件:安定した職業に就いたこと等により保護を必要としなくなったと認めたもの
○支給時期:世帯を単位として保護廃止時に一括支給
○支 給 額:上限額 単身世帯 10万円、多人数世帯 15万円
○算定方法:算定対象期間(※1)における各月の就労収入額(※2)に対し、その各月に応じた算定率(※3)
を乗じて算定し、上限額といずれか低い額を支給額とする。
○再受給までの期間:原則3年間
※1 算定対象期間:保護を必要としなくなったと認められた日が属する月から起算して前6か月間。
※2 就労収入額:就労に伴う収入として収入充当した額
※3 算定率:保護の廃止に至った就労の収入認定開始月を起算点とし、1~3月目までは30%、4~6月目までは27%、7~9月目までは
18%、10月目以降は12%)
厚生労働省社会・援護局資料を参考に作成
25
②健康・生活面等に着目した支援
◎ 受給者の自立に向けて、自ら、健康の保持及び増進に努め、また、収入、支出その他生計の状況
を適切に把握することを受給者の責務として位置づける。
【施行期日:平成26年1月1日】
(参考)運用における取組
受給者が自ら、健康の保持・増進や収入・支出等の状況の適切な把握に努めることにあわせて、
受給者の取組がより効果的なものとなるよう、次のような健康・生活面等に着目した支援を行う。
①受給者の健康管理を支援する取組を実施
○ 平成25年度から、福祉事務所における、健康診断結果に基づく保健指導や、受給者の健康
や受診に関する相談等に対し助言指導等必要な対応を行う専門の職員の配置など健康面に
関して専門的に対応できる体制を強化
○ 福祉事務所の調査権限を強化して健康審査結果を入手可能にし、それに基づいて、健康面
の支援をより効果的に行えるようにする
(注)生活保護は、糖尿病、肝炎といった重症化すると完治が難しい疾病の患者の割合が国民健康保険等に比べて高い。
②本人の適切な家計管理を支援するための取組を実施
○ 福祉事務所が本人の自立支援の観点から必要と判断した者については、受給者の状況に
応じてレシート又は領収書の保存や家計簿の作成を求めることも可能
26
医療扶助の適正化(指定医療機関制度の見直し等)
◎ 多くの医療機関では適正な診療が行われている一方、一部で生じている医療機関の不正事案
については、厳正な対処が必要であることから、指定医療機関制度の見直しを行うとともに、指導
体制を強化する。
【施行期日:平成26年7月1日】
<改正①>指定医療機関制度の見直し
○指定医療機関の指定要件及び指定取消要件を明確化(法第49条の2、第51条)
・指定要件:保険医療機関であること、取消処分前に指定辞退がなされた場合に5年を経過していること。
申請者が禁錮刑以上の刑の執行(猶予)中でないこと 等
・取消要件:保険医療機関でなくなったとき、診療報酬の請求に関し不正があったとき 等
○指定医療機関の指定の有効期間(現在は無期限)について、6年間の有効期間(更新制)を導入(法第49条の3)
・更新制の対象は、病院、診療所、薬局 ※指定介護機関、指定助産機関及び指定施術機関は対象外
・負担軽減の観点から、一部の診療所等について更新の申請を不要とする。
○指定医療機関又は保険医療機関のいずれかの指定が取り消された際に、両制度間で関連性を持たせて対応。
・保険医療機関の指定取消→指定医療機関の指定取消が可能(法第51条)
・指定医療機関の指定取消→都道府県知事は、保険医療機関の指定取消要件に該当すると疑うに足りる事実があるときは、厚生労働大臣(地方厚生
局長)に通知しなければならない。(法第83条の2)
○過去の不正にも対処できるよう、健康保険の取扱いを参考に、現在対象となっていない指定医療機関の管理者
にあった者についても報告徴収や検査等の対象とする。(法第54条)
※施行についての経過措置
・ 旧法により指定を受けている病院、診療所、薬局、介護機関、助産師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、医師または歯科医師は、施行日にお
いて改正法の指定があったものとみなす。(附則第5条第1項、第4項、第6条、第7条)※はり師およびきゅう師については新規指定が必要。
・ みなし指定を受けた病院、診療所、薬局は、施行日から1年以内(厚生労働省令で定める期間内)に法第49条の申請をしなければ、指定の効力を失う。
(附則第5条第2項)
<改正②>指定医療機関への指導体制の強化
○国(地方厚生局)による指導等も実施できるようにする。(法第54条、第84条の4)
○各地方厚生局に指定医療機関に対する指導等を行う専門の職員を配置する。(運用)
27
生活保護制度の見直しー医療扶助の適正化①ー
【「生活支援戦略」中間まとめ(抜粋)】
○生活保護の見直し
◆当面の対応
電子レセプトを活用した重点的な点検指導やセカンド・オピニオン(検診命令)の活用、後発品の使用促進等による医療扶助の適正化
点検機能
紙レセプトに比べて、抽出・点検作業が効率化
縦覧点検
複数月にわたるレセプトをグループ化して、頻回受診等を点検。
重複点検
あらかじめ設定した条件が同じで、重複して請求されているレセプトを点検。
資格点検
生活保護基幹システムとデータ連携し、生活保護受給者以外のレセプト
が混在していないか等、レセプトの有効性を点検。
統計・分析機能
24年度改修
抽出機能を強化し、具体的な
指導対象となり得る者を容易に
抽出。
(例)
○1月に15日以上3カ月以上継続
して受診している者
○向精神薬を複数の医療機関か
ら重複して処方を受けている者
○180日以上入院している者 等
統計・分析機能により、適正化に向けた計画的な取組が可能
医療費分析
指定した期間の医療費を集計し、任意に指定した傷病や、上位を占める
傷病の割合を把握。
24年度改修
傷病別分析
傷病を指定し、レセプト件数、医療費、受診率等を集計。
年度別医療費分析
年間の医療費を、受診率、1件当たりの日数、1件あたりの医療費、1
人あたりの医療費別に割合を算出。
医療機関別分析
医療機関ごとに医療費を集計し、指定した傷病の件数や医療費などを表示。
任意統計・分析
集計する対象・期間を任意に選択し、統計・分析表を作成。
医療機関の分析機能を強化し、
生活保護の請求が他に比べて突
出している等、特徴のある医療機
関を容易に抽出。
(例)
○1件当たりの請求金額が高い
医療機関
○特定の診療行為が多い医療機関
生活保護制度の見直しー医療扶助の適正化②ー
【「生活支援戦略」中間まとめ(抜粋)】
○生活保護の見直し
◆当面の対応
電子レセプトを活用した重点的な点検指導やセカンド・オピニオン(検診命令)の活用、後発品の使用促進等による医療扶助の適正化
患者
先発
医薬品
一旦服用後は
本人の意向を
再度確認
後発
医薬品
④後発品を一旦服用
1回の処方期間を目安に後発品を服用
(風
邪等の急性疾患は1~2週間、高脂血症等の慢性疾患は8週間等)
薬局
③調剤
福祉事務所(医療扶助相談・指導員等)
⑥助言指導
①周知・協力依頼
*先発品継続使用者や新たに服用する者に対
し、新たな使用促進策について周知徹底。
*医療機関、薬局に対し、新たな使用促進策につ
いて理解・協力を求める。
医療扶助相談・指導員の配置
後発医薬品の使用促進に向けた取り組みなど医
療扶助の適正化に特化して活動する「医療扶助相
談・指導員」を新たに全国の福祉事務所へ配置
⑤使用状況の確認
福祉事務所は薬局へ、レセプト点検
で抽出した先発品継続使用者の処
方内容の照会。
薬局は福祉事務所へ、照会のあっ
た者の処方せんの情報を提供。
医療機関
②診療・処方
後発品への変更不可欄に医
師の署名が
あり
なし
福祉事務所は、
後発品に関して説明
し、理解を求める。
先発品継続使用者に対する助言指導
*後発品の新たな使用促
進策を患者に説明して
頂く。
生活保護制度の見直しー調査・指導権限の強化ー
【「生活支援戦略」中間まとめ(抜粋)】
○生活保護の見直し
◆当面の対応
・資産調査の強化(金融機関の「本店等一括照会方式」の導入)や「不正告発」の目安の提示等の制度運用の適正化
◆制度の見直し
・調査・指導権限の強化
地方自治体の調査権限について、拡大(就労活動等に関する事項の調査、過去に生活保護受給者であった者も対象)を検討する。
金融機関本店等への一括照会
現在、地方自治体が金融機関の各支店に個別に照会している資産調査について、本店等に照会した場合、国内全店舗における口座
の有無等の状況を一括して確認できるようにすることにより、効率的、効果的な資産調査が可能になる。(関係団体と調整済であり、平
成24年12月から実施)
現行
導入後
照 会
○○金融機関A支店
回 答
照 会
福祉事務所
回 答
A支店
照 会
回 答
照 会
B支店
○○金融機関B支店
福祉事務所
○○金融機関C支店
生活保護法第29条の見直し
現行、生活保護受給者等の「資産及び収入の状況」を対
象としている。
回 答
○○金融機関本店等
〔国内全店舗の情報把握〕
C支店
調査項目に「就労に関する状況」等を加える見直しを行う。
※あわせて、調査対象に「生活保護受給者であった者」も含まれるこ
との明確化する。
生活困窮者支援の現状
【これまでの支援】
○ 自治体とハローワークが一体となった就労支援(平成17年度から実施)
・「福祉から就労」支援事業
【実績】就職率54.5%(平成23年度)
○ 自治体独自の多様な就労支援
・ 生活保護受給者に対し、民間団体や地域と連携し、生活訓練・社会訓練・技術習得訓練を一
体的に実施(横浜市)
【実績】就労率 60.4%(平成23年10月~平成24年3月)
○ 居住の確保
・ 住宅支援給付(平成26年度までの時限措置)の支給(平成21年度第1次補正予算等において措置、
緊急雇用創出事業臨時特例基金として実施) 【実績】常用就職率 75.4%(平成25年度)
○ 貸付・家計相談
・ グリーンコープ生協においては、きめの細かい生活相談に併せて貸付を実施
【実績】平成23年度末までの貸倒率 0.97%
○ 子ども・若者への学習支援、養育支援、居場所づくり、就労支援
・ 被保護世帯の中学生及びその保護者等を対象に進学の助言等を行うとともに、学生ボラン
ティアによる学習支援を実施(埼玉県)
【実績】参加者の高校進学率 97.0%(平成23年度) (参考)被保護世帯全体:89.5%
・ 地域若者サポートステーションによる就労支援(平成18年度から実施)
【実績】就職等進路決定者数 1万2千人(平成23年度)
【指摘されている課題】
○ 一部の自治体のみの実施
○ 各分野をバラバラに実施
○ 早期に支援につなぐ仕組みが欠如
31
生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 報告書概要
Ⅰ
総
論
○ 稼働年齢世代を含めた生活保護受給者が増大する中で、新たな生活困窮者支援制度の創設と生活保護制度
の見直しを一体的に行うことにより、「新しい生活支援体系」の構築が必要。
○ 4つの基本的視点:「自立と尊厳」、「つながりの再構築」、「子ども、若者の未来」、「信頼による支え合い」
○ 3つの支援のかたち:「包括的・個別的な支援」、「早期的・継続的な支援」、「分権的・創造的な支援」
Ⅱ 新たな生活困窮者支援制度の構築について
【基本的な考え方】
○ 生活保護に至る前の段階で早期に支援を行うとともに、必要に応じて生活保護受給者も活用できるよ
うにすることにより、困窮状態からの脱却を図る。
○ 地方自治体が実施主体となり、民間団体と協働して取り組む。
【具体的な仕組み】
(1)生活困窮者の自立までを包括的・継続的に支える新たな相談支援体制の構築
(2)就労に向けた生活訓練・社会訓練・技術習得訓練を有期で行う事業(「就労準備支援事業」)の実施
(3)一般就労が直ちに難しい者に支援付きで軽易な作業等の機会を提供する「中間的就労の場」の育成支
援
(4)ハローワークと自治体が一体となった就労支援体制の全国的な整備
(5)家計収支等に関するきめ細かな相談支援の強化
(6)離職により住居を喪失した生活困窮者に対する家賃補助のための給付金(有期)の制度化
(7)子ども・若者の貧困の防止
① 地域若者サポートステーションの充実強化
② 生活困窮家庭の子どもに対する学習支援等を行う事業の実施
17
Ⅲ 生活保護制度の見直しについて
【基本的な考え方】
○新たな生活困窮者支援体系の構築に併せ、これと一体的に生活保護制度の見直しも行い、
両制度が相俟って、それぞれの生活困窮者の状態や段階に応じた自立を促進する
【切れ目のない就労・自立支援とインセンティブの強化について】
<保護開始>
○自ら積極的に就労活動に取り組んでいると認められる受給者には、活動内容や頻度等を踏まえ、その
活動に要する経費等を勘案して手当(定額)を支給する
<開始後3~6ヶ月>
○低額でも一旦就労すること(5万円程度の収入でもまずは就労)や、
職種や地域等を拡大して就労活動を行うことを明確化
<就労開始>
○勤労控除の見直し
就労収入のうち手元に残せる額の引上げ
<保護脱却>
○就労収入積立制度の創設
保護受給中の就労収入のうち、収入認定された金額の範囲内で別途一定額を仮想的に積み立て、
安定就労の機会を得たことにより保護廃止に至った時に支給する制度
【健康・生活面等に着目した支援について】
○健康管理支援(保健指導)や受診に関する相談等の対応を行う職員の配置を検討
○領収書の保存や家計簿の作成など保護費の使途を把握できる取組を求める
○家賃滞納者等については、住宅扶助の代理納付を推進する
33
【不正・不適正受給対策の強化等について】
○福祉事務所の調査権限の拡大
・就労活動等に関する事項の調査を可能とする
・官公署については回答義務を創設
○不正受給に係る返還金について、本人の事前同意を前提に保護費との相殺を検討
○働けるにもかかわらず就労活動をせず複数回保護の停廃止を受けた者については、急迫の状況
である場合などを除き再度申請があった場合の審査を厳格化
○罰則(現行「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」)の引上げ及び不正受給に係る返還金
の上乗せ
○扶養義務の適切な履行の確保の検討
本当に生活保護が必要な人が受けることができなくならないように特段に留意しつつ、福祉事務
所が必要と認めた場合には、扶養が困難と回答した扶養義務者に対し、困難な理由の説明を求める
【医療扶助の適正化について】
○生活保護法の指定医療機関制度の見直し
指定(取消)要件の明確化、指定の有効期限の導入(健保法では6年)
○国(地方厚生局)による指定医療機関への直接指導権限の創設
○後発医薬品の使用促進
34
社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」報告書
における無料低額診療事業に関する記載
3.健康・生活面等に着目した支援について(抜粋)
○ このことを通じて、生活保護受給者の疾病の予防及び早期
発見や重症化予防、状況に応じた医療機関との連携及び福
祉事務所自体の医療扶助に係る相談・助言に関する体制の
強化も図ることが必要である。
○ なお、一部の社会福祉法人では、生活困窮者に対して無
料は低額な診療を行うため、社会福祉法に基づき無料低額
診療事業を実施しているが、無料低額診療事業の趣旨等を
踏まえ、生活保護受給者を含む生活困窮者のための健康面
での支援でも、積極的な役割が期待される。」(下線、筆者)
35
「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」について
【 委員一覧】
【設置】
平成24年4月26日、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しに
・石 操
全国町村会副会長(鳥取県日吉津村長)
・岩田 正美
日本女子大学人間社会学部教授
ついて一体的に検討するため、社会保障審議会に、専門の部会と
○岩村 正彦 東京大学大学院法学政治学研究科教授(部会長代理)
して、「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」を設
・上田 文雄
指定都市市長会副会長(札幌市長)
置。
・岡﨑 誠也
全国市長会相談役(高知市長)
・奥田 知志
NPO法人北九州ホームレス支援機構理事長
・柏木 克之
社会福祉法人一麦会執行理事
・勝部 麗子
豊中市社会福祉協議会地域福祉課長
・櫛部 武俊
一般社団法人釧路社会的企業創造協議会事務局担当
・小杉 礼子
独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員
・駒村 康平
慶応義塾大学経済学部教授
・高杉 敬久
日本医師会常任理事
【これまでの議論の経過】
○ 昨年4月26日第1回を開催し、12回にわたり審議を実施。
1月25日に報告書が取りまとめられた。
日時
回数
議事内容等
○ 生活困窮者や孤立者の現状と改革の方向性について
平成24年4月26日
第1回
平成24年5月7日
第2回 ○ 委員からのヒアリング①
・武居 敏
全国社会福祉施設経営者協議会副会長
平成24年5月30日
第3回 ○ 委員からのヒアリング②
・谷口 仁史
NPO法人NPOスチューデント・サポート・フェイス代表理事
平成24年6月6日
第4回
平成24年6月15日
第5回 ○ 委員からのヒアリング④
平成24年7月17日
第6回
平成24年7月26日
第7回 ○ 委員からのヒアリング⑥
○ 今後の進め方について
○ 「生活支援戦略」(骨格)について
○ 委員からのヒアリング③
・野老 真理子 大里綜合管理株式会社代表取締役社長
・長谷川 正義 全国民生委員児童委員連合会理事
○ 委員からのヒアリング⑤
・花井 圭子
日本労働組合総連合会総合政策局長
○ 「生活支援戦略」中間まとめについて
・広田 和子
精神医療サバイバー
・藤田 孝典
NPO法人ほっとプラス代表理事
・藤巻 隆
渡辺パイプ株式会社執行役員人事ユニットリーダー
平成24年8月21日
-
○ 現地視察①(横浜市)
平成24年8月22日
-
○ 現地視察②(新宿区)
平成24年8月30日
-
○ 現地視察③(千葉県)
・堀田 力
公益財団法人さわやか福祉財団理事長・弁護士
平成24年9月28日
第8回
○ 「生活支援戦略」に関する主な論点(案)について
・松井 一郎
全国知事会(大阪府知事)
○ 特別部会委員による現地視察について
平成24年10月17日
第9回 ○ 「生活支援戦略」に関する主な論点(案)について
◎宮本 太郎 北海道大学大学院法学研究科教授(部会長)
平成24年11月14日
第10回 ○ これまでの議論の整理(案)について
・宮本 みち子 放送大学教養学部教授
平成25年1月16日
第11回 ○ 報告書(案)について
・山村 睦
平成25年1月23日
第12回 ○ 報告書(案)について
日本社会福祉士会会長
20
平成26年度生活困窮者自立支援制度の推進(イメージ)
地方自治体(福祉事務所設置自治体(約900箇所)等)
市(町村)
都道府県
○実施主体としての体制整備
○広域自治体としての市町村
支援
(年数回の会議の開催等)
モデル事業実施自治体(254箇所)
○25年度からの継続実施自治体(68箇所)
モデル事業未実施自治体
(650箇所程度)
○26年度からの新規実施自治体(約186箇所)
○都道府県の支援を得ながら
体制づくりの準備を進める
※ 事業実施に係る一定の経験を踏まえ、全国の自治体の
先導的な立場
※ 4~6月に事業を実施する自治体は106箇所。さらに
7月以降に実施する自治体は80箇所。
国
会議等
調査・研究
人材養成
○モデル事業実施自治体説明会(4月)(実施済)
・26年度にモデル事業を実施する自治体への説明
○自立相談支援・就労支援・一時生活支援・
家計相談支援・子ども若者の貧困防止等の
調査・研究
○全国担当者会議(年2回程度、9月・12月)
・法施行に向けた自治体への説明
○モデル事業の実施状況や支援実績の集計・
分析
○自立相談支援事業従事者
養成研修
・研修企画委員会でプログラ
ムの策定及び講師選定
・3職種で各6日間(42時間)
の研修を実施
○モデル事業推進検討会
・有識者による取組の評価・検証を行う
○施行準備進捗調査、事業実施意向調査等
・法施行に向けた各自治体の取組の進捗状況
や任意事業等の実施意向等について確認
○予算の確保等
○政省令告示、自治体におけ
る行政事務についてのマニュ
アル等の策定
○各事業のガイドライン
(通知)の作成
○統計システムの設
計
○自立相談支援事業以外の養
成 研修の検討及びカリキュ
ラム 作成
○住居確保給付金・生活福祉資
金・ホームレス関係事業等の検討
37
平成26年度生活困窮者自立促進支援モデル事業実施自治体
(H26.8.13現在)
No.
都道府県
実施主体名
開始
時期
自
立
相
談
4月
○
No.
北海道
2
札幌市
4月
○
○
○
○
3
小樽市
11月
○
-
-
-
4
旭川市
4月
○
○
○
-
5
室蘭市
10月
○
-
-
6
釧路市
4月
○
○
○
北海道
都道府県
自
立
相
談
福島県
4月
○
-
-
-
-
-
61
福島市
10月
○
-
-
-
-
-
4月
○
○
-
-
-
-
郡山市
10月
○
-
-
-
-
須賀川市
10月
○
-
-
-
6月
○
-
-
-
実施主体名
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
1
7
開始
時期
任意事業
○
-
-
-
-
31
-
-
32
-
-
33
○
-
34
-
-
-
35
-
-
-
36
福島県
茨城県
会津若松市
茨城県
開始
時期
自
立
相
談
港区
1月
○
○
62
新宿区
9月
○
63
世田谷区
4月
○
-
64
豊島区
6月
○
-
-
65
北区
10月
○
-
-
66
練馬区
4月
○
任意事業
No.
都道府県
実施主体名
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
東京都
任意事業
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
-
○
-
-
-
-
-
-
-
○
-
○
-
-
-
-
-
-
-
○
-
○
-
-
-
-
○
-
-
帯広市
7月
○
-
-
-
-
-
37
栃木県
4月
○
○
○
○
○
-
67
足立区
4月
○
○
○
○
-
○
8
北見市
10月
○
○
-
-
-
-
38
宇都宮市
6月
○
-
-
-
○
-
68
葛飾区
4月
○
-
-
-
-
-
9
岩見沢市
4月
○
○
○
-
○
-
39
栃木市
4月
○
-
-
-
○
-
69
国分寺市
4月
○
-
-
-
○
-
10
網走市
10月
○
-
-
-
-
-
40
日光市
4月
○
-
-
-
○
-
70
国立市
4月
○
-
-
○
-
-
11
稚内市
4月
○
-
-
-
-
-
41
群馬県
5月
○
-
-
-
-
-
71
狛江市
10月
○
○
-
-
-
-
12
富良野市
10月
○
-
-
-
-
-
42
前橋市
4月
○
-
-
-
○
-
72
東大和市
6月
○
○
-
○
-
-
13
北広島市
10月
○
-
-
-
-
-
43
埼玉県
11月
○
○
○
○
○
○
73
清瀬市
6月
○
-
-
-
-
-
青森県
4月
○
○
-
-
-
-
44
さいたま市
5月
○
○
-
○
-
-
74
神奈川県
4月
○
-
-
-
-
-
五所川原市
7月
○
-
-
-
-
-
45
川越市
4月
○
-
-
○
-
-
75
横浜市
4月
○
○
○
○
-
-
14
青森県
15
16
岩手県
17
大船渡市
18
19
岩手県
栃木県
群馬県
埼玉県
神奈川県
4月
○
○
○
○
-
-
46
越谷市
6月
○
-
-
-
-
-
76
川崎市
4月
○
-
-
○
-
-
10月
○
-
-
-
-
-
47
所沢市
10月
○
-
-
-
-
-
77
相模原市
4月
○
○
○
-
-
-
花巻市
4月
○
○
-
○
-
-
48
戸田市
10月
○
-
-
○
-
-
78
藤沢市
11月
○
○
-
○
○
-
北上市
10月
○
○
-
○
-
-
49
和光市
7月
○
○
-
○
-
-
79
新潟県
4月
○
○
-
○
-
-
20
遠野市
10月
○
-
-
○
-
-
50
千葉県
10月
○
-
-
-
-
-
80
新潟市
5月
○
○
-
○
-
-
21
一関市
10月
○
-
-
○
-
-
51
千葉市
4月
○
○
-
○
-
-
81
長岡市
6月
○
○
-
○
-
-
22
二戸市
4月
○
-
-
-
-
-
52
船橋市
4月
○
-
-
-
-
-
82
柏崎市
4月
○
○
-
○
-
-
23
宮城県
4月
○
○
○
-
-
-
53
野田市
4月
○
-
-
○
○
-
83
燕市
4月
○
○
-
-
-
-
24
仙台市
4月
○
○
-
-
-
-
54
佐倉市
4月
○
○
-
○
-
-
84
妙高市
4月
○
-
-
-
-
-
宮城県
千葉県
新潟県
25
岩沼市
4月
○
-
-
-
○
-
55
柏市
4月
○
○
-
○
-
-
85
上越市
4月
○
○
-
○
-
-
26
東松島市
4月
○
-
-
-
-
-
56
鴨川市
4月
○
-
-
-
-
-
86
魚沼市
4月
○
-
-
-
-
-
湯沢市
4月
○
○
○
-
○
-
57
富津市
4月
○
-
-
-
-
-
山形県
6月
○
-
-
-
-
-
58
浦安市
5月
○
-
-
-
-
-
山形市
4月
○
-
-
-
-
-
59
香取市
4月
○
○
-
○
-
-
米沢市
4月
○
○
-
-
-
-
60
八街市
10月
○
-
-
-
-
-
27
秋田県
28
29
30
山形県
※ 事業開始時期は、自立相談支援事業の開始時期を記載している。
※ 任意事業については、本モデル事業以外の事業により、類似の取組を行っている自治体もある。
=
H25~モデル事業実施
38
No.
都道府県
実施主体名
開始
時期
自
立
相
談
任意事業
No.
都道府県
実施主体名
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
開始
時期
自
立
相
談
任意事業
No.
都道府県
実施主体名
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
開始
時期
自
立
相
談
任意事業
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
87
富山県
4月
○
○
○
-
-
-
113
静岡県
10月
○
-
-
-
-
-
143
京都府
4月
○
○
-
-
-
-
88
高岡市
10月
○
-
-
-
-
-
114
静岡市
6月
○
○
-
-
○
-
144
京都市
5月
○
-
-
-
-
-
氷見市
4月
○
-
-
○
-
-
115
浜松市
4月
○
○
-
○
-
-
145
福知山市
10月
○
○
-
-
-
-
90
砺波市
10月
○
-
-
○
-
-
116
富士宮市
4月
○
○
-
○
-
-
146
舞鶴市
10月
○
-
-
-
-
-
91
小矢部市
11月
○
-
-
-
-
-
117
御殿場市
6月
○
-
-
○
-
-
147
綾部市
4月
○
-
-
-
-
-
92
射水市
10月
○
-
-
-
-
-
118
掛川市
7月
○
-
-
○
-
-
148
宇治市
10月
○
-
-
-
-
-
93
石川県
10月
○
-
-
-
-
-
119
愛知県
4月
○
-
-
-
-
-
149
宮津市
4月
○
-
-
-
-
-
94
金沢市
10月
○
-
-
-
-
-
120
名古屋市
6月
○
○
○
○
-
-
150
亀岡市
4月
○
-
-
-
-
-
95
七尾市
10月
○
-
-
-
-
-
121
岡崎市
4月
○
-
-
-
○
-
151
城陽市
10月
○
-
-
-
-
-
10月
○
-
-
-
-
-
4月
○
-
-
-
○
-
10月
○
○
-
-
-
-
89
富山県
静岡県
京都府
小松市
4月
○
○
-
-
○
-
122 愛知県
安城市
4月
○
○
○
-
-
-
152
向日市
加賀市
10月
○
-
-
-
-
-
123
高浜市
4月
○
-
-
-
-
○
153
長岡京市
98
かほく市
10月
○
-
-
-
-
-
124
みよし市
4月
○
-
-
○
-
-
154
八幡市
96
97
石川県
99
白山市
4月
○
-
-
○
-
-
125
長久手市
4月
○
-
○
-
-
-
155
京田辺市
6月
○
-
-
-
○
-
100
能美市
10月
○
-
-
-
-
-
126
三重県
7月
○
-
-
-
-
-
156
京丹後市
4月
○
○
○
○
○
○
101
野々市市
1月
○
-
-
-
-
-
127
四日市市
4月
○
○
-
-
-
-
157
南丹市
102 福井県
福井県
4月
○
○
-
-
○
-
128
伊勢市
4月
○
○
○
-
○
-
158
木津川市
6月
○
-
-
-
-
-
10月
○
-
-
-
-
-
103 山梨県
山梨市
4月
○
-
-
-
-
-
129 三重県
桑名市
1月
○
-
-
-
-
-
159
大阪府
4月
○
○
○
○
-
-
104
長野県
4月
○
-
-
-
-
-
130
名張市
4月
○
○
○
○
○
-
160
大阪市
4月
○
○
-
○
○
-
105
長野市
4月
○
-
-
-
-
-
131
志摩市
6月
○
○
○
○
-
-
161
堺市
4月
○
-
-
○
-
-
106
松本市
4月
○
-
-
-
-
-
132
伊賀市
4月
○
○
○
○
○
-
162
豊中市
107 長野県
上田市
4月
○
-
-
-
-
-
133
滋賀県
4月
○
○
○
-
○
○
163
泉大津市
108
飯田市
4月
○
-
-
-
-
-
134
大津市
4月
○
-
-
○
○
-
164
109
伊那市
4月
○
-
-
-
-
-
135
彦根市
4月
○
○
-
-
-
-
165
110
大町市
4月
○
-
-
-
-
-
136
近江八幡市
4月
○
○
-
○
-
-
111
岐阜県
4月
○
○
○
○
○
○
137
草津市
4月
○
○
-
○
○
各務原市
4月
○
-
-
-
-
-
138
栗東市
10月
○
-
-
○
139
甲賀市
4月
○
-
-
140
野洲市
4月
○
-
-
141
高島市
10月
○
-
142
東近江市
4月
○
-
112
岐阜県
滋賀県
4月
○
○
○
○
-
-
10月
○
-
-
-
○
-
高槻市
7月
○
○
-
-
-
-
茨木市
4月
○
○
-
-
-
-
166 大阪府
八尾市
6月
○
-
-
-
-
-
○
167
箕面市
4月
○
○
-
○
○
-
○
-
168
柏原市
4月
○
○
-
○
-
-
-
-
-
169
羽曳野市
6月
○
-
-
-
○
-
○
○
○
170
門真市
4月
○
-
-
-
-
-
-
○
-
○
171
藤井寺市
4月
○
-
-
-
-
-
-
○
○
-
172
交野市
10月
○
-
-
-
-
-
173
大阪狭山市
10月
○
-
-
-
-
-
39
No.
都道府県
実施主体名
開始
時期
自
立
相
談
任意事業
No.
都道府県
実施主体名
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
開始
時期
自
立
相
談
任意事業
No.
都道府県
実施主体名
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
開始
時期
自
立
相
談
任意事業
就労 就労 家計 学習 その
準備 訓練 相談 支援 他
174
兵庫県
6月
○
○
○
-
-
-
205
今治市
4月
○
-
-
-
-
-
235
大分県
4月
○
○
-
○
-
175
神戸市
4月
○
○
-
-
-
-
206 愛媛県
八幡浜市
4月
○
-
-
○
-
-
236
大分市
6月
○
○
-
○
-
-
176 兵庫県
姫路市
4月
○
○
-
-
○
-
207
宇和島市
7月
○
-
-
-
-
-
237
中津市
6月
○
-
-
-
-
-
177
明石市
4月
○
-
-
○
-
-
208
高知県
4月
○
○
-
○
○
-
238
日田市
10月
○
○
○
-
-
-
178
豊岡市
4月
○
-
-
-
-
-
209
高知市
4月
○
-
-
-
○
-
239 大分県
臼杵市
4月
○
○
○
○
-
○
179
-
奈良県
4月
○
-
-
-
-
-
210
室戸市
4月
○
○
-
-
○
-
240
津久見市
4月
○
-
-
-
-
-
180
奈良市
4月
○
○
-
-
-
-
211
安芸市
4月
○
-
-
-
-
-
241
竹田市
7月
○
○
-
○
○
-
181
和歌山県
6月
○
○
○
-
-
-
212 高知県
南国市
4月
○
-
-
-
-
-
242
杵築市
10月
○
-
-
-
-
-
182
海南市
10月
○
-
-
-
-
-
213
土佐市
4月
○
-
-
-
-
-
243
宇佐市
10月
○
-
-
-
-
-
183
橋本市
10月
○
-
-
-
-
-
214
須崎市
4月
○
-
-
-
-
-
244
宮崎県
5月
○
-
-
-
-
-
184
田辺市
7月
○
○
○
-
-
-
215
土佐清水市
4月
○
-
-
-
-
-
245
宮崎市
6月
○
-
-
-
-
-
185 鳥取県
鳥取県
4月
○
○
-
-
○
○
216
香南市
4月
○
-
-
-
○
-
246
都城市
7月
○
-
-
-
-
-
186
島根県
4月
○
○
○
○
-
○
217
福岡県
4月
○
-
○
-
-
-
247
延岡市
10月
○
-
-
-
-
-
187
浜田市
8月
○
-
-
-
-
-
218
北九州市
6月
○
○
-
○
-
-
248
日南市
12月
○
-
-
-
-
-
188
出雲市
8月
○
-
-
-
-
-
219
福岡市
4月
○
-
-
-
-
-
249
日向市
12月
○
-
-
-
-
-
189
美郷町
4月
○
-
-
-
-
-
220 福岡県
小郡市
10月
○
-
-
-
-
-
250
鹿児島県
6月
○
-
-
-
-
-
鹿児島市
-
奈良県
和歌山県
島根県
宮崎県
190
岡山市
4月
○
-
○
○
○
-
221
筑紫野市
4月
○
○
-
-
-
-
251 鹿児島県
10月
○
-
-
-
-
191 岡山県
倉敷市
10月
○
-
-
-
-
-
222
うきは市
7月
○
○
-
○
○
-
252
日置市
4月
○
○
-
-
-
○
192
総社市
4月
○
-
-
○
○
-
223
糸島市
11月
○
-
-
-
-
-
253
沖縄県
4月
○
○
-
-
-
-
193
広島市
6月
○
-
-
-
-
-
224
佐賀県
8月
○
○
-
○
○
-
254
194 広島県
福山市
11月
○
-
-
-
-
-
225
佐賀市
4月
○
○
○
-
○
-
195
廿日市市
10月
○
-
-
-
-
-
226
長崎県
6月
○
-
-
-
○
-
196
山口県
4月
○
-
-
-
-
-
227
長崎市
4月
○
-
-
○
-
-
197
下関市
6月
○
○
-
○
○
-
228
佐世保市
4月
○
-
-
-
-
-
198 山口県
山口市
4月
○
○
○
○
-
○
229
壱岐市
10月
○
-
-
-
-
-
199
長門市
4月
○
○
-
○
-
-
230
熊本県
4月
○
-
-
-
-
-
200
周南市
4月
○
○
-
-
-
○
231
熊本市
4月
○
○
-
-
○
-
徳島県
4月
○
○
○
○
-
-
232 熊本県
水俣市
4月
○
-
-
-
-
-
202
美馬市
7月
○
○
○
○
-
-
233
菊池市
4月
○
○
-
○
-
-
203
高松市
6月
○
○
-
-
-
-
234
宇土市
6月
○
-
-
-
-
-
丸亀市
4月
○
○
○
○
○
-
201
204
徳島県
香川県
佐賀県
長崎県
沖縄県
うるま市
4月
計
計 254団体
○
○
-
-
-
-
254
100
38
80
50
15
・道府県
・指定都市
・中核市
・一般市、区
・町
40
20
24
169
1
40
生活困窮者支援制度に関する平成26年度予算について
(平成25年度厚生労働関係部局長会議(厚生分科会) 平成26年1月22日資料より抜粋)
○平成26 年度においては、制度施行に向け、地域の体制整備を加速する必要があること
から、その実施箇所数を大幅に拡充するため、平成25 年度補正予算案において緊急雇
用創出事業臨時特例交付金(住まい対策拡充等支援事業分)520億円の内数として115
億円を計上。
○補助の対象となる事業
・ 福祉事務所を設置する市町村又は都道府県が平成26 年度に行う事業(平成25 年度中に行う準備
経費を含む。)であって、厚生労働大臣と協議を行ったもの。
○補助基準額
・ 以下を基準額とし、これにより難い特別の事情がある場合は厚生労働大臣に協議を行うものとす
る。(ただし、基準額以内の自治体を優先的に採択することとする。)
① 事業実施自治体の人口が5 万人未満の自治体 : 2,000 万円以内
② 事業実施自治体の人口が5 万人以上30 万人未満の自治体 : 4,000 万円以内
③ 事業実施自治体の人口が30 万人以上50 万人未満の自治体 : 6,000 万円以内
④ 事業実施自治体の人口が50 万人以上の自治体 : 8,000 万円以内
※ 当該基準額は12 か月の実施期間を想定しているものであるため、実際の実施予定期間がこれに
満たない場合は、当該実施予定期間を勘案して協議を行うこと。
※ 人口については、自治体内全域の人口とし、平成25 年4月1 日現在を基準とすること。
41
生活困窮者自立支援制度施行円滑化特別対策事業
(平成25年度厚生労働関係部局長会議(厚生分科会) 平成26年1月22日資料より抜粋)
○「生活困窮者自立支援制度施行円滑化特別対策事業」については、新制度の実施主体となる福
祉事務所設置自治体(900 自治体)において、地域における生活困窮者や社会資源の実態把握、
利用手続等に関する事務処理体制の整備など、制度施行に向け、一時的に発生する自治体の事
務を支援することを目的として、新規に創設。
○本事業についても、モデル事業と同様、平成25 年度補正予算案において緊急雇用創出事業臨
時特例交付金(住まい対策拡充等支援事業分) 520 億円の内数として50 億円を確保。
○事業内容
・ 福祉事務所を設置する市町村又は都道府県は、以下の事業の全部又は一部を実施する。
① 関係団体との連絡会議の開催等庁内・庁外の連携体制を構築するための事業
② 制度の説明パンフレットの作成等新制度の普及・啓発を図るための事業
③ 地域における生活困窮者の実態把握のための調査・研究を行う事業
④ 施行準備に係る事務負担の増加に対応した臨時雇用職員を配置する事業
⑤ 中間的就労事業者の参入促進を図るための事業
⑥ その他上記以外で施行準備のために新たに必要となる費用に対応するための事業
○補助基準額
・ 以下の基準額の範囲内とする。
① 事業実施自治体の人口が5 万人未満の自治体 : 150 万円以内
② 事業実施自治体の人口が5 万人以上10 万人未満の自治体 : 200 万円以内
③ 事業実施自治体の人口が10 万人以上30 万人未満の自治体 : 400 万円以内
④ 事業実施自治体の人口が30 万人以上50 万人未満の自治体 : 600 万円以内
⑤ 事業実施自治体の人口が50 万人以上70 万人未満の自治体 : 800 万円以内
⑥ 事業実施自治体の人口が70 万人以上100 万人未満の自治体 : 1,000 万円以内
⑦ 事業実施自治体の人口が100 万人以上の自治体 : 1,200 万円以内
42
相談支援センターに求められる人材
<センター職員が理解すべき支援の理念>
○支援の現場においては、当事者の生活困窮の表れ方や背景・要因を把握したうえで、以下の
支援の理念を踏まえ、本人の状況や目標に応じて柔軟に支援することが必要である。
センター職員が理解すべき支援の理念
1.予防的アプローチによる「早期把握」
早期把握が本人のダメージを最小にし、生活自立の可能性
を高める
2.生活困窮者の支援プロセスを通じた「地域づくり」
生活困窮状態は等しく地域や社会の課題であり、自ら地域
課題の解決にむかえる地域づくりを目指す
3.各機関による「チーム支援」
地域の関係機関(者)が、一人の人に対して一体的にチー
ムで支援する
4.「自立」への支援
5.「共感」と「互酬的関係性」の構築
自己決定を基盤にした「自立」を支援する
単に「自立」を目指すのみならず、「共感」をベースとした地
域との互酬的関係を築く
一般社団法人北海道総合研究調査会「生活困窮者自立促進(社会参加)プロセス構築モデ
43
ル事業統括委員会報告書(第2次案)」より抜粋
相談支援センターの3つの理念と9つの機能
<3つの理念>
1.現行の福祉制度の枠組を超えた、新たな相談支
援の実践
2.本人を中心に置き、一人ひとりの生活課題に対し
て包括的に支援する【対個人】
3.本人を取り巻く環境・地域に働きかけ、地域づくり
を展開する【対地域】
・対象者を限定せずに受け止める。
・既存の制度のはざまにある人や既存の制度では受けきれない人を
排除することなく受け止める
・生活をトータルにみて、すきまのない支援をコーディネートする
・本人と環境・地域を一体として支援する
・支援を通じて、地域が主体的に活動を活性化する仕組みづくり
<9つの機能>
1.総合的な相談支援
2.把握・アウトリーチ
3.アセスメント・プラン作成
4.支援・コーディネート
5.地域資源の把握・活性化、開発とそれらへのつ
なぎ
6.情報のワンストップ(ハブ化)
7.データベースの活用
8.地域への情報発信
9.地域の現状把握・分析
多様で複合化した課題を抱える人々に対して、対象別に専門機関が
対応するのではなく、ワンストップで広く受け止める
地域の社会資源や住民等の参加を得ながら把握・アウトリーチし、対
応する仕組みをつくる
本人の複合化した課題をときほぐすことで信頼関係を築き、自分のこ
とを自分で話すことができるよう支援する
本人が自ら決める目標に向けて進めるように地域の各種の支援者
やサービスをコーディネートする
関係機関と協働で、生活困窮者の居場所や就労場所を確保、開発
する
関係する情報を一ヶ所で把握できる機能を整備する
本人の経過の把握、地域全体の生活困窮の相談状況を集計できる
ようデータベースを整備する
地域住民や関係機関に対する理解を促進する
44
地域の人口構造、経済構造、健康状態等の一般的な事項や生活困
窮の状況の把握によって重点課題の明確化に努める
自立相談支援事業従事者養成研修事業の実施について
○ 平成26年度における自立相談支援事業従事者養成研修事業は以下のとおり実施する
こととしている。
○ なお、本研修事業は、全国社会福祉協議会に委託して実施することとしている。
【研修の開催方法】
研修名
主任相談支援員養成研修
相談支援員養成研修
就労支援員養成研修
【前期】
7月14日(月)~7月16日(水)
【後期】
8月26日(火)~8月28日(木)
【前期】
9月8日(月)~9月10日(水)
【後期】
10月6日(月)~10月8日(水)
【前期】
11月4日(火)~11月6日(木)
【後期】
12月8日(月)~12月10日(水)
研修日数
前期:3日(21時間)
後期:3日(21時間)
前期:3日(21時間)
後期:3日(21時間)
前期:3日(21時間)
後期:3日(21時間)
研修カリ
キュラム
前期:共通カリキュラム
後期:主任相談支援員養成研修カリキュラム
前期:共通カリキュラム
後期:相談支援員養成研修カリキュラム
前期:共通カリキュラム
後期:就労支援員養成研修カリキュラム
対象者数
240名程度
240名程度
240名程度
日程
※なお、今後研修の開催案内等を通じて、具体的な実施方法について周知する予定。
45
民生委員一斉改選結果
○前回の一斉改選(平成22年度)と比較して、定数(+2,366人)・委嘱数(+938人)共に増加している。
定数 :236,271人(平成22年:233,905人)
委嘱数:229,488人(平成22年:228,550人)
(注)主任児童委員も含めた総数
その結果、定数に対する委嘱数の割合(充足率)は、前回の一斉改選と比較して0.6%下がった。
(97.7%→97.1%)
(参考)定数が増加している理由
高齢化や核家族化の進行等により、高齢者や単身者等の要援護者が増加し、各自治体において民
生委員・児童委員の定数を増やす必要性が高まったためと考えられる。
○東日本大震災の被災3県(岩手県、宮城県、福島県)では、前回の一斉改選(平成22年度)と比較し
て充足率が下がっている。
岩手県:99.4%→97.2%(2.2%減)
宮城県:98.1%→95.6%(2.5%減)
福島県:99.1%→98.4%(0.7%減)
(注)政令市・中核市を含む。
○新任委員と再任委員の人数については、新任委員は73,011人(31.8%)、再任委員は156,477人
(68.2%)であった。
厚生労働省社会・援護局地域福祉課発表資料より
厚生労働省「民生委員・児童委員の活動環境の整備に関する検討会報告書」平成26年4月
<民生委員・児童委員活動における課題>
(1)活動の範囲
(2)求められる役割の多様化と負担
(3)対応する問題の複雑化・多様化と力量
(4)災害時の活動
(5)個人情報の取扱いと関係機関との情報共有
(6)活動への支援・協力体制
(7)社会的な理解の促進と継続性の確保
<民生委員・児童委員の活動環境の整備に向けて(提言)>
(1)民生委員・児童委員活動への支援の充実
(2)民生委員・児童委員の力量を高める取組み
(3)地方自治体等の民生委員・児童委員制度への社会的理解の促進
(4)国民の民生委員・児童委員制度への理解促進の取組みとその効果
⇒民生委員・児童委員が安心して活動できるための保険制度の整備、活動費や行政のサポート
体制、関係機関との連携、地域福祉計画等への位置づけ、災害時の民生委員・児童委員活動へ
の支援等を提示
47
モデル事業受託地域の取組傾向
1.内閣府「パーソナルサポートサービス事業」に取り組んでいた自治体が
多く手を挙げている傾向がある。
2.厚生労働省「安心生活相創造事業」に取り組んでいたような、地域福祉
の先進地域が手を挙げている傾向がある。
3.都道府県が受託をして、広域的な観点から取り組みを行っている県も見
られる。
4.平成25年度は、モデル事業を受託した自治体が既に取り組んできた内
容を拡充する形で取り組んでいる傾向が高い。
5.総合相談は、高知市等が開始。必須事業であるため今後進展の模様。
48
モデル事業受託自治体の取組例
1.高知市が生活支援総合相談センターを10月に開設。市職員と市社協
が合同で総合相談を実施。
2.三重県伊賀市は、社協が「地域若者サポートステーション」を受託し実
践してきた実績あり。これらを活かした自立相談支援事業を構想。
3.千葉県佐倉市は、社協の生活福祉資金の実績を評価。社協がフードバ
ンクとの連携を既に実施しており、家計相談事業を実施。
4.東京都足立区は、内閣府パーソナルサポートサービスを実施。就労支
援事業にもNPOと連携した事業実績あり。これらを活かした事業を展開。
5.東京都国分寺市は、厚生労働省「よりそいホットライン」との連携を構想。
24時間365日無料電話相談の拠点が国分寺市に新たに設置された。
6.地域福祉計画の中に生活困窮者に関する内容を盛り込むモデル事業
を厚労省と展開(横浜市、足立区、滋賀県東近江市、大分県臼杵市等)
49
社会福祉法人の在り方に関する検討会「社会福祉法人の見直しについて」平成26年7月
第3部 社会福祉法人の課題
(1)地域ニーズへの不十分な対応
(2)財務状況の不透明さ
(3)ガバナンスの欠如
(4)いわゆる内部留保
(5)他の経営主体との公平性(イコールフッティング)
社会福祉法人の社会貢献活動を義務化する動き
社会福祉法人が担うことが期待される支援例①
<高齢者福祉・障害者福祉>
・地域で生活を続けるための見守り等の生活支援
・障害者の地域生活への移行や一般就労への移行に向けた支援
・家族等による虐待が深刻であり、心身の安全・安心の確保が不可欠な者への支援
・重度の障害者など、医療・介護的ケアが必要な者への支援
<低所得者支援等>
・生活保護受給者の自立支援
・生活困窮者に対する支援(就労訓練事業(いわゆる中間的就労)の実施等)
・貧困の連鎖を防止するための子どもの学習支援
・刑務所出所者への福祉的支援
・ひきこもりの者への支援
<地域福祉>
・介護・保育等の福祉人材の養成・確保に向けた取組
・地域包括ケアシステムの構築(地域作り)への参加
・福祉避難所等の災害時等における要援護者支援
・へき地等におけるサービス提供
・他主体が行っていたが継続できなくなった事業の承継(福祉サービスのセーフティネット)
50
出典:「第6回社会福祉法人の在り方に関する検討会(平成26年2月20日)」資料より引用
「社会貢献事業」
【大阪府社会福祉協議会HP資料から厚労省作成資料】
○社会貢献事業とは
◆「生活困窮」をはじめ「虐待」や「DV」、「障がい」など、複雑で多面的な問題、課題を抱えて制度や社会の狭間で生活困難をきたし支援が
必要な方々に対して、大阪府社会福祉協議会老人施設部会の「コミュニティソ-シャルワーカー(CSW)」と大阪府社協の「社会貢献支援
員」が訪問して状況を把握し、問題解決に向けてともに方策を模索し、救済を図る総合生活相談(「生活レスキュー」)の取り組みです。
◆急迫した状況には、老人施設部会等が拠出した「社会貢献基金」を活用し、迅速な金銭的援助(現物給付)により問題解決を図ります。
○社会貢献事業の全体像
関 係 機 関
行政・社協・地域包括支援センター・ケアプランセンター・いきいきネットCSW・民生委員・病院・弁護士・NPO・ホームレス相談員
等
連携
情報交換・同行支援
長所:地域密着
社会貢献事業(解決手段を備えた総合生活相談援助)
社会貢献基金
拠出
大阪府社協に設置、管理
経済的援助の原資 9,000万円/年
老人施設部会
長所:広域調整
大阪府社会福祉協議会
コミュニティソーシャルワーカー
社会貢献支援員
府内全域の特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽
費老人ホーム、ケアハウスが配置
府内全域の施設が配置 約400施設・650人
有志社会福祉法人による拠出、人員出向と
社会貢献基金で配置
府内全域に大阪府社協が配置 15人
連携
情報交換
同行支援
経済的援助
本人のパートナーとして相談
10万円まで
機関・制度へのつなぎ
ワーカーが支払い代行
経済的援助
10万円まで
支援員が支払い代行
制度や社会のはざまにある生活困窮者
◇既存制度では対応ができない方、対応が間に合わない方
◇個人の問題解決能力をはるかに超えた困窮状態にある方
※死(自殺・餓死)・犯罪・ホームレス化の防止につながっている
51
コミュニティソーシャルワーカー・社会貢献支援員による相談援助のながれ
本人に寄り添うコミュニティソーシャルワーク
要援護状態のキャッチ
●行政 ●社協 ●地域包括支援センター
●ケアプランセンター ●民生委員・児童委員
●病院のMSW ●社会福祉施設
●子ども家庭センター ●女性相談センター 等
行って、見て、聞いて状況把握
住まいを訪問して相談
既存の制度適用の可能性を検討
経済的援助の必要性を検討
●生活保護 ●生活福祉資金貸付
●介護保険 ●日常生活自立支援事業
●成年後見制度 ●無料低額診療事業 等
●食材費 ●光熱水費 ●日用品費
●住居設定費 ●医療費 ●介護サービス費
●成年後見人申立費 ●就労支援費 等
コミュニティソーシャルワーカー、
社会貢献支援員の判断
継続的な見守り
施設長の決裁
社会貢献基金
から支払い
(現物給付)
適切な関係機関につないで終結
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相談支援事例(平成23年12月分から抜粋)
No
年齢
1 30代
2 50代
3 70代
性別
相談支援の概要
経済的援助
金額
(申請額)
女性
兄妹と高齢の母親の世帯で、3人とも知的障がいがあると思われる。一家の収入を計算すると最低
生活費には満たないが、生活保護の申請を固く拒否している。一家は長らく入浴もしておらず、着衣
も著しく汚れている。本人は療育手帳や障がい年金の申請をせず今まで生活してきた。住居は、大
量のごみ袋に入った不要物品と生活物品が積み上げられ、その上にほこりが厚くかぶっている。浴
室も使えず、3人とも著しい身体の汚れがある。3人全員が通常の生活を営む力がないと思われる。
日用品費、検査費用等を援助し、障がい年金や療育手帳の取得をし、収入を増やすことで一家の所
得が保障できるよう、支援を行う。
22,416
男性
約半年前に失業して収入が途絶え、就職活動を行っているが再就職に至っていない。現在、所持金
が15円しかなく、食材もない。ここ2ヶ月間は毎日配食弁当1食しか食べておらず、その代金も未払い
である。失業手当受給まで3週間程度あるために、それまでの食材を確保する必要がある。また、料
金滞納のため電話が使えず、家賃等の支払い方法について業者と連絡を取ることができないため、
テレホンカードが必要である。生活の場を失わないよう、業者との交渉方法について本人に助言を行
い、引き続き支援していく。
14,934
女性
認知症の進行が見られ、生活に見守りが必要なことが増えているが、経済的な面から介護サービス
利用を増やすことも難しい。また本人の年金を搾取する弟と距離を置く必要もある。ケアマネジャーと
共に支援方針を検討し、弟とも調整を継続する中で、自立して生活したいという本人の意向とADLか
ら、養護老人ホームの申し込みを行った。入所の決定がおりたため、転居と家財処分の費用につい
て援助を行い、新しい生活のスタートを支援する。
100,000
53
地域福祉計画について
位置づけ
○ 平成12年6月の社会福祉法の制定に当たり、地域福祉の推進(第4条)が位置づけられ、地域福祉計画の策定を新たに
規定(第107条と第108条 )。
○ 行政計画であり、策定は自治事務。
○ 「市町村地域福祉計画」と「都道府県地域福祉支援計画」から成る。
○市町村地域福祉計画の策定状況は、市区部で726か所(89.4%)、町村部で527か所(56.7%)、全体で1253か所
(71.9%)(策定予定含む) 。
都道府県地域福祉支援計画の策定状況は、42か所(89.4%)が策定(策定予定含む)。
(数字は、平成25年3月31日現在)
盛り込むべき内容
(市町村地域福祉計画)
1 地域での福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項
2 地域での社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項
3 地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項
4 地域での要援護者に係る情報の把握・共有、安否確認方法
(都道府県地域福祉計画)
1 市町村の地域福祉の推進を支援するための基本的方針に関する事項
2 社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項
3 福祉サービスの適切な利用の促進、社会福祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項
策定手続き
○ 計画策定・変更時には、住民、社会福祉事業者等の意見の反映が必要。(社会福祉法第107条、第108条)
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地域福祉計画への生活困窮者自立支援方策の位置づけ
(平成25年度厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)平成26年1月22日資料より抜粋)
「東日本大震災や昨今の孤立の問題化などから、地域の絆の必要性が再
認識され、これまで以上に地域福祉の推進が求められていることからも、地
域福祉推進の拠り所となる計画の策定あるいは改定を進めていただきた
い。
なお、生活困窮者自立支援法に基づく新制度が平成27年度より施行され
ることとなっているが、当制度の実施にあたっては、地域の実情に応じ計画
的に事業を進めることが必要となるものである。新制度は、地域福祉を拡充
し、まちづくりを進めていくうえでも重要な施策であることから地域福祉計画
の中に位置づけて計画的に取組むことが効果的である。今後、「生活困窮
者自立支援方策(仮称)」を地域福祉計画に盛り込むべき事項としてお示し
する方針であるので、ご承知おき願いたい。
平成26年3月27日厚生労働省社会・援護局長通知「市町村地域福祉計画
及び都道府県支援計画の策定について」
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生活困窮者支援と地域福祉計画のポイント
平成26年3月27日厚生労働省社会・援護局長通知「市町村地域福祉計画及び都道府県支援計画の
策定について」
生活困窮者自立支援方策について市町村地域福祉計画
及び都道府県地域福祉支援計画に盛り込む事項
1.生活困窮者自立支援方策の位置づけと地域福祉施策との連携に関する事項
2.生活困窮者の把握等に関する事項
3.生活困窮者の自立支援に関する事項
4.その他の留意事項等
○総合相談センターの創設を視野に入れた総合相談体制の検討
○生活困窮者支援に関するサービス見込量(数値化)の明確化
○生活困窮者支援の地域福祉計画へ位置づけと横断的な庁内体制の整備
○災害時支援を視野に入れた日常的な地域での支えあい活動の活性化(認知症高齢者、
障害者等の支援)
○認知症高齢者、障害者の増加にともなう将来的な権利擁護体制の検討(家計相談支援事
業との関連性)
○社会的孤立への支援としての地域づくりボランティア・NPO活動のさらなる活性化
地域福祉が生活困窮者支援に関連して積み上げてきたもの
1.社会福祉協議会における生活福祉資金等に関連した相談援助
2.日常生活自立支援事業の利用者は、4割超が生活保護受給者
⇒大阪府では、低所得者を含めると利用者の95%を占める
3.ボランティアセンターにおけるワークキャンプなど体験学習、ボランティ
ア活動への若者の参加・支援(福祉教育実践)
4.心配ごと相談におけるボーダーライン層の相談援助、早期発見
⇒法律相談、生活保護へつなげる支援
5.民生委員、自治会、ボランティア等と連携した社会的に孤立させない小
地域福祉ネットワーク活動、地域づくりの支援
6.ふれあいいきいきサロン活動等の居場所、拠点づくり
7.地域ケアの視点からホームヘルプサービス等で生活支援を行う問題
解決力の蓄積(サービス開発も含む)
8.地域福祉計画策定によるシステムづくり
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生活困窮者自立支援の今後に向けて
○社会福祉の支援対象に、若者を位置づける視点が求められる時代。
○今回の生活困窮者自立支援法は、総合相談(自立相談支援事業)がポイント。
○本人も課題がわからなくなるような状況(からまった糸)を整理する総合相談
の実施には、高い相談援助の専門性が必要。
○生活困窮者は、健康面、医療面に自己管理が不十分であり、十分な医療も受け
にくい経済状況にある。
○今後、行政が抱える大きな課題。この行政のニーズ(生活困窮者の増加を防
ぐ)に応えることができるか(社会福祉法人の真価が問われている)
○今後、支援調整会議の開催が重要(行政から開催を呼びかけることも大切)
⇒生活困窮者支援には、医療、保健、福祉等の多機関連携が必要不可欠。
⇒地域を基盤としたソーシャルワークが必要(コミュニティソーシャルワーカー)
⇒1団体が支援をすべて行うのではなく、複数団体のサービスを組み合わせ
るケアマネジメントが生活困窮者支援にも不可欠。
○社会福祉法人は、中間的就労事業所としての認可が社会的評価になる。
○生活困窮者の課題を可視化する。
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