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どこから来て 話しているのか、 社会的、宗教的場所 ブラジル・パライ-バ州
ブラジル・パライ-バ州 どこから来て 話しているのか、 社会的、宗教的場所 ブラジルの国民 ブラジル社会の地図 不平等を表す地図 キリスト教基礎共同体と解放の神学 ー教会の新しいあり方を求めてー 16-19世紀 Ⅰ 前史 民衆教会と宗教混交 1500年 ブラジル国民の成り立ち 先住民; ヨーロッパの白人;アフリカの黒人 大量移民時代(19世紀末~) 図表2: カトリック 教皇至上権 (トレント公会議の改革図) 図表1: 国家教会統治 (世界キリスト教化のモデル) 国家 司教と司祭 教皇 司教 司祭 信徒と社会 教皇 1500 – Padroado: 1889- 共和制国家になる Romanização: 国家教会統治 教会と国家 Fonte: DIAS, Roberto Barros, 2007. ローマ中心主義 教会と国家の分離 宗教混交 アフリカの宗教カンドンブレはカトリックの外形を借りて信仰 を受け継いできた。 民衆の信心 20世紀 IIキリスト教基礎共同体(Cebs) -教会の新しいあり方 1 - Cebsの社会的コンテキスト 誕生:二つの開放 a) 政治的開放:最初の独裁政治(1937-1945)が崩壊し、中 産階級による自由民主主義時代が到来。資本主義に よる近代社会と産業発展がもたらされた。 b) カトリック教会の開放: 第2バチカン公会議(1962-1965) による刷新を受けて、 1968年メデリン・ラテンアメリカ司 教会議にて、 貧しい人々との約束を教会の優先課題と して採択した。司教たちは公然と初期のCebsを支援し た。 IIキリスト教基礎共同体Cebs -教会の新しいあり方 成長 a) 政治的閉鎖: ブラジルでは、歴史上最悪の 抑 圧時代と し て 知 ら れる軍 事独裁政治 (1964-1985)が始まっていた。 b) 教会の勇気ある行動: 貧しい人々の優先的選択を実践 ブラジル全国司教会議(CNBB) キリスト教基礎共同体(Cebs) 解放の神学 IIキリスト教基礎共同体Cebs -教会の新しいあり方 2 – Cebの起源 「聖書的循環」 社会活動グループ その他:小教区内から誕生。司牧者、宣教師の教会 活動が発展。 二つの基盤: 信仰生活と政治社会、祈りと共同作業、 福音と現実、信仰と民衆闘争 IIキリスト教基礎共同体Cebs -教会の新しいあり方 3 – 聖書的循環 聖書解釈の三角形 テキスト-聖書 プレテキスト 現実社会 コンテキスト 信仰共同体 III神学と教会論 i) Cebsの神学 その神学的選択は、Cebs がトリエント公会議の神学 (ローマ中心主義、聖職者中心主義、秘蹟の形式化)に 反 対し 、 民衆 カト リ ッ クの なか に自己 のア イデ ンテ ィ ティーを見出したことを示している。 第2バチカン公会議が強調した「神の民」の神学。 Cebsは、出エジプトの「旅する神の民」の現代版。 ポーボPovo(民衆)=まとまりのある民という意識。 III神学と教会論 ii) 教会における逆転現象 教会の基盤としてのCeb。 司祭は権力の保有者でなく助力者。 二つの変化 a)「神の国」の考え方: 「神の国」は、この世において 神によって救いが実現している場のこと。教会はそ の存在を現わす秘蹟。しかし、神の国の保有者では なくそのしるしである。 b) 新しいミニストリー:みことば、祝祭、企画の推進母 体、生活支援奉仕... III神学と教会論 ⅲ)実践行動の重要性 キリスト教とは何よりもまずキリストに従う実践行動。 共同体が、もし実生活での具体的な実践を通してイエ スへの追従を身をもって現わすことができるなら、そ の共同体はキリストの体を形成していく。 よくある非難: Cebsは信仰を生活問題に狭める現実 主義、信仰や教会の意義深さを喪失。 - 解放の神学とCebsはキリスト教の実践行動をしているう ちに、一つの政治的文化を生み出し、土地なし農民運動や 先住民司牧、黒人運動のような社会システムの形成を助 け、ブラジルの労働党の設立にも根本的根拠を与えた。そ のリーダーである現職の大統領ルーラは、いつも解放の神 学に照らして自分の姿勢を吟味している、という。 -(Boff, 2009). ⅳ)エキュメニズム : エキュメニズムの基盤はいのちの防衛. ⅴ) 貧しい人々: 貧しい人々に対する神の優先的慈しみは、福音の 伝承に現われているイエスの生きざまによって確認さ れる。イエスは貧しい人々への偉大な福音伝道者 だった。彼らに神の国の至福を語り(ルカ6章20節)、貧 しい弟子たちを選び、 貧しい人々と共に生き、共に食 し、最もひどい貧困のなかで死んだ。 プエブラ文書(1979) 貧しい人々への福音宣教者となるには; 彼らを自ら の歴史の主人公とし、その解放に関わること。 IV現代 20-21世紀 IV現代 ⅰ)第1の問題点:今日見えることは何か 政治経済情勢の大きな変動による宗教的コンテキ スト。テレビ、ラジオによる宗教番組。カリスマ、癒し、 繁栄の神学。 他方において:Cebsと 解放の神学の継続 「Cebsは民衆に神のみことばをよりよく理解させ、福 音の名において社会的責任を果たすよう促し、信徒に よる新たな奉仕を生み出し、大人たちの信仰教育を推 進した。 それらのことの中に様々に形を変えた聖霊の 存在と 行動を見ることができる」。(アパレシッダ文書158項, 2007) IV 現代 気がかりな問題 聖職者 – 再特権化 神聖な祭儀の強調 人でいっぱいになる教会堂 人権、正義、平和の問題 テレビによるカトリック宣教番組 感情的熱狂とショー・ミサ―カリスマ運動 IV現代 Vejamos o quadro: キリスト教基礎共同体と解放の神学 カリスマ運動 1信仰を実践しながら生きる。(行動、態度) 1信仰を体験しながら生きる。(主観的) 2倫理や政治との関係で奉仕を重視。 2神学の関係、祈りを重視。 3社会変革を求める。 3個人の回心を求める。 4思いめぐらすこと(省察)を重視。。 4感情、気持ちを大切にする。 5貧しい人々を優先する。 5失われた羊をさがす。 6世界の中にいる。。 6教会の中にいる。 7地域の教会と結びついている。 7普遍的教会と結びついている。 8制度的教会の刷新を目指す。 8教会の社会的確立を目指す。 IV現代 ii) 第2の問題点: 今日よく見えないこと - 貧しい人々の優先的選択の継続。 Cebs と解放の神学は民主主義を推進。 政治や社会運動のリーダーを育成。 様々なNGOで働く奉仕者を輩出。 社会司牧:矯正司牧、民衆教育、聖書学習 Cebs の全国大会 -2009、ポルト・ベーリョ アパレシッダ・ラテンアメリカ司教会議 -2007 CNBB – 2010 「 Cebsが教会の生命力のしるしで ありつづけていることを再宣言したい」 (RM 51)。 IV 現代 iii) 第3の問題点: 今後の課題と見通し ブラジルは世界に発言権を持つ国として浮上。 増大するグロバリゼーションや都市化現象、 経済市場に都合のよい科学技術。 消費力を持たない人々を締め出す経済市場、 取り残された大衆。 IV現代 1-ケアの霊性 「神の内的本質は孤独ではなく、三位格の交わりで ある。現実世界と、三位一体の神がよいものと してこの世に創造されたすべての生き物に内在する 根源的ないのちは、交わり (コイノニア、コムニオ)に よって形成されている」。 (CNBB) 1-ケァの霊性 a) 信仰的ケア b) 倫理と連帯のケア c) 自然保護と経済のケア d) エキュメニカルで他宗教間におけるケア 2- 神のみことばは私たちのただ中に 「言葉は肉体となって、わたしたちの間に宿られ た。」 (ヨハネ1章14節) 最後に 正義と希望の預言者として知られるD.Pカザウダリガ の言葉を思い起こします。 「21世紀は霊性を保持していなければ、人間的では ないだろう。21世紀のキリスト信者は社会から排斥 された人々を選ばなければ、キリスト信者ではないだ ろう。21世紀のキリスト信者はエキュメニカルでな ければ、教会の一員ではないであろう。21世紀は環 境保護を第1にしなければ、単純に、もう存在してい ないだろう。」