...

輸入食品とその安全確保について

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

輸入食品とその安全確保について
輸入食品とその
輸入食品とその安全確保
とその安全確保について
安全確保について
現在、我が国では、農林水産省の食料自給率表によると、消費する食品の約6割(カロリーベース)を輸
入食品に頼っており、先進諸国の中では桁はずれに自給率の低い国です。
平成20年度の食品の輸入量は、厚生労働省の輸入食品監視統計によると、届出件数で約176万件、輸
入重量で約3,155万トンにものぼり、世界一の食料輸入大国です。
では、どのような食品をどこから輸入しているのでしょう。
平成20年度の我が国の食品輸入状況
《輸入相手国別輸入重量》
国名
《食品分類別輸入重量》
輸入重量(トン)
アメリカ
12,539,684
食品分類
輸入重量(トン)
農産食品(穀類、豆類、果実類)
18,932,895
カナダ
3,788,489
農産加工食品(野菜の調整品、穀類の調整品)
3,316,473
中国
3,561,180
畜産食品(牛肉、豚肉、鶏肉等)
2,026,577
オーストラリア
1,954,060
水産加工食品(魚介類加工品等)
1,125,199
タイ
1,472,303
水産食品(魚介類、えび、かに類等)
1,180,904
フィリピン
1,327,592
ブラジル
1,248,408
フランス
496,889
その他の国
5,162,492
合計
31,551,097
畜産加工食品(乳・酪農製品、食肉製品等)
その他の食料品
1,371,065
飲料
1,466,727
食品添加物
463,528
器具・容器包装・おもちゃ
814,114
合計
31,551,097
その他食品
4%
フランス2%
853,615
食品添加物
1%
飲料5%
器具等3%
畜産加工品
3%
その他の国
16%
水産食品4%
ブラジル4%
アメリカ40%
フィリピン4%
水産加工品
4%
畜産食品6%
農産食品60%
タイ5%
オーストラリ
ア6%
中国11%
農産加工品
11%
カナダ12%
(平成 20 年度輸入食品監視統計より)詳しくは、http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html
平成20年度の統計では、輸入食品の重量で比較した場合、食品分類別では農産食品が全体の約60%を、
また、輸入相手国としてはアメリカが全体の約40%を占めています。
ウナギの産地偽装やメタミドホス、ジクロロボス等の有機リン化合物が検出された中国製食品の問題、事
故米不正転売問題など、次々と問題が発生したこともあって、輸入食品に対する安全性については多くの消
費者が不安をもっています。
1)法制度の違いによる問題
食品について、例えば食品添加物の使用方法や農薬の残留基準など法律で定めていますが、この内容が国
によって異なる場合があるため、輸出国で合格でも日本では不合格となる場合があります。
2)気候、自然、衛生状況の違いによる問題
例えば、カビ毒の一種であり発ガン性を有するアフラトキシンは、国産品には見つかっていませんが、
輸入された香辛料やナッツ類から検出される場合があります。
3)輸送、貯蔵による問題
船舶で輸送される場合は、時間がかかることや熱帯地域を通過してくることなどにより、輸送中の管理
に不備があると腐敗やカビの発生をまねくおそれがあります。
また、日本に陸揚げ後、長期間貯蔵される場合があり、貯蔵中の管理が悪いと品質が低下することもあ
ります。
輸入食品の
輸入食品の流れと検査等
れと検査等の
検査等の概要
食品の到着
食品の輸入者
食品等輸入届出の提出
港・空港
検
疫 所
では、輸入食品の安全確保のためにどのような対
策が行われているのでしょうか。
食品の輸入から国内に流通するまでの流れととも
に見てみましょう。
検疫所では、食品等輸入届出書に添付された食品
の製造工程、原材料、使用添加物などの記載を審査
し、必要に応じて検査を行います。
検査の結果、不合格となった食品は、輸出国に積
み戻しや廃棄等の措置がとられ、国内では食品とし
て流通することはありません。
書類審査
検査を要しないも
平成 20 年度の検疫所等による
食品輸入時の検査と違反状況
検査を要するもの
検査件数
検査
食品等輸入届
出済証発行
合格
違反件数
規格・基
不合格
準 違 反
(11 条)
193,917
1,226
(延べ)
847
(69.1%)
人 の 健
通関手続き
積み戻し
廃棄
食品以外に転用
(飼料、肥料等)
康 を 損
違
な う 恐
反
れ あ り
内
(6 条)
容
指 定 外
添 加 物
国
の使用
内 流 通
違 反 等
の情報
農薬の残留基準違反、
抗菌性物質の検出、
添加物の使用基準違
反等
(20.9%)
アフラトキシンの付
着、有毒魚介類の混
入、下痢性・麻痺性貝
毒の検出等
65
サイクラミン酸、アゾ
ルビン、TBHQ、ポリソ
ルベートなど指定外
添加物の使用等
256
(5.3%)
(10 条)
その他
1 件の違反で複数の違
反内容を含むものが
あるため実数(1,150)
よりも多い。
58
(4.7%)
衛生証明書の不添付、
器具・容器包装の規格
違反等
神戸市内流通
卸売市場
食品工場
監
視
・
検
査
神
戸
市
食品販売店
違 反 等
の情報
その他
神戸市外流通
関連施設
監
視
・
検
査
他
の
自
治
体
( )
:食品衛生法条文
詳しくは、平成 20 年輸入食品監視統計より
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html
検疫所の検査で合格となった食品は、関税法上の
手続を経た後、はじめて国内への流通が認められま
す。
しかし、年間約3,155万トンもの輸入食品を
完全に検査することは不可能であり、国内に流通し
た後に違反等が明らかになる場合もあります。
国内を流通している食品の監視は各自治体の役割
になります。
神戸市内を流通している輸入食品については、神
戸市が監視や検査を行います。
また、他の自治体で発見された違反食品が神戸市
内に流通していることや、その逆の場合もあります
ので、自治体間で情報をやりとりし、違反又は不良
食品の発見、排除に努めています。
さて、神戸市内における輸入食品の検査や違反の概要について見てみましょう。
平成 20 年度に神戸市が措置した輸入食品の違反事例
違反条文
食品衛生法
11 条2 項
食品衛生法
第11 条2 項
第19 条2 項
食品衛生法
11 条3 項
食品衛生法
第19 条2 項
第27 条
違反内容
含有が認められない抗生物質が検出された
含有が認められないシアン化合物が検出された
食品分類
魚介類
農産物とその加工品
基準値を上回る農薬が検出された
農産物とその加工品
含有が認められない抗生物質が検出された
正しい製造者の表示がなされていなかった
一律基準(0.01ppm)を超える農薬等が
検出された
輸入届出がなかった
邦文表示がなかった
邦文表示がなかった
輸入者の表示がなかった
食品衛生法
第19 条2 項
期限表示が日/月/西暦順であった
期限表示を延長して表示していた
添加物の表示がなかった
添加物の表示がなかった
輸入者の表示がなかった
食品分類の表示がなかった
合計
食品名
韓国産あさり
バター豆
生鮮にんじん
米粉
原産国
韓国
ミャンマー
台湾
中国
冷凍食品
うなぎ蒲焼
中国
1
缶詰・瓶詰
冷凍食品
ホールトマト・ジュース漬け
冷凍いちご
生鮮まつたけ
冷凍黒すぐり
冷凍赤すぐり
〆鯖フィレ
アルゼンチン
スペイン
中国
フランス
ベルギー
中国
1
1
1
1
1
1
缶詰・瓶詰食品
缶詰・瓶詰食品
台湾、
英国
3
清涼飲料水
穀類加工品
アメリカ
イタリア
1
1
イタリア
1
清涼飲料水
冷凍食品
清涼飲料水
穀類加工品
清涼飲料水
農産物とその加工品
瓶詰食品
農産物とその加工品
ミネラルウォーター
スパゲッティ
いわしのオリーブオイル漬
け
ミネラルウォーター
陣笠椎茸
ミネラルウォーター
スパゲッティ
ミネラルウォーター
ブランチング野菜
からし菜とオリーブみそ
生姜酢漬
韓国
中国
アメリカ
イタリア
フランス
中国
中国
中国
1
1
3
1
2
1
1
1
菓子
キャンディー
トルコ
1
加熱食肉製品
若鶏ももから揚げ
中国
1
31
農産物とその加工品
瓶詰食品
件数
1
1
1
2
平成20年度に神戸市が措置した違反輸入食品は31件ありましたが、そのうち約65%(20件)が食
品の表示基準に違反したものでした(食品衛生法第 19 条第 2 項違反)
。また、約19%(6件)が成分につ
いて定められた規格に適合しないものでした(食品衛生法第 11 条第 2 項違反)。また、約19%(6件)が
成分について規格が定められていない農薬等について定められた一律基準(0.01ppm)を超えて違反となりま
した(食品衛生法第 11 条第 3 項違反)。
成分規格に違反した食品及び一律基準に違反した食品は原則として回収され、輸出国に積み戻されたり、
廃棄されます。表示違反の場合は、正しい表示に改善されたことが確認されたものについては流通が認めら
れます。
また、営業者自らが不良な食品(腐敗、変敗)や表示が不備の食品を発見し、自主的に回収を行う場合も
あります。
平成 20 年度に神戸市が検査した輸入食品等(※)
食
品 分 類
食
品 例
検査検体数
魚介類(生かきを含む)
鮮魚、貝類など
15
冷凍食品
調理食品、農産物など
78
魚介類加工品(魚練りを含む)
魚介類加工品
1
肉卵類及びその加工品
食肉など
4
乳・乳製品
チーズなど
4
穀類及びその加工品(めん等)
とうもろこし加工品、乾めんなど
12
野菜・果実及びその加工品
野菜・果実類など
58
菓子類
焼き菓子など
缶詰・ビン詰
農産加工品など
漬物
漬物
器具・容器包装
ストロー、レンジパック
合計
4
20
4
10
210
(※) 食品や食品添加物のほかに、食品を扱う器具(コップや箸、包丁、まな板など)や食
品を入れる容器包装(缶、箱、袋)についても、食品衛生法により規格が定められており、こ
こではそれらを含めて食品等と呼んでいます。
例えば、合成樹脂製の器具や容器包装には、重金属の溶質量の限度などが設けられています。
神戸市では市内を流通する食品の安全を確認するため、製造所、卸売市場及び販売店から食品等を入手し
て検査を行っています。
平成20年度は4,364検体について検査しました。このうち210検体が輸入食品等で、検査の結果、
中国で加工されたしめ鯖からジクロルボスが、産地を偽装した中国産の冷凍うなぎからはマラカイトグリー
ンが、食品として流通していた事故米2検体からメタミドホスが検出され、食品衛生法に違反していること
が判明しました。
平成16年度には、263検体の輸入食品等について検査をした結果、3件が食品衛生法に違反している
ことが判明しました。このうち2件は中国産のはるさめから過酸化ベンゾイル(はるさめには使用できない)
という食品添加物が検出され、1件は北朝鮮産あさりから麻痺性貝毒が検出されました。さらに平成19年
度には188検体中1件、中国産しめ鯖より残留農薬ジクロロボスを検出し食品衛生法に違反していること
が判明しました。これらの違反食品については輸入者により回収され、廃棄もしくは輸出国への積み戻しの
措置がとられました。
なお、平成17年度(171検体)、平成18年度(164検体)における輸入食品の検査では違反食品は
ありませんでした。
お問い合わせ先
神戸市保健所
東部衛生監視事務所(東灘、灘、中央) 中央区雲井通5丁目 1-1 中央区役所8階
西部衛生監視事務所(兵庫、長田、須磨)長田区北町3丁目 4-3
長田区役所5階
北 衛生監視事務所
北区鈴蘭台西町1丁目 25-1 北区役所3階
垂水衛生監視事務所
垂水区日向1丁目 5-1
垂水区役所2階
西 衛生監視事務所
西区玉津町小山字川端 180-3 西区役所3階
食品衛生検査所
兵庫区中之島 1 丁目 1-1
神戸市保健福祉局健康部
生活衛生課食品衛生係
中央区加納町 6 丁目 5-1
232-4651
579-2660
593-3250
708-6230
929-0550
672-8061
322-5262
Fly UP