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第3号(2013.7.12)[PDFファイル/250KB]

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第3号(2013.7.12)[PDFファイル/250KB]
第3号
登録
ボランティア通信
2013.7.12
ビフォー・アフター
6 月のある日、二人のボランティアさんに、地下の個室に収容され
目次
ていた小型犬のシャンプーとトリミングを初めてお願いしました。
1
ビフォー・アフター
2
ホームページ情報
2
⾒学の受け⼊れ
3
成犬譲渡への道程
4
改正動物愛護管理法
4
動物愛護推進員
5
土屋だより
迷子で収容されたことをお話しましたが、おそらく捨てられたので
5
会議室の利⽤等
しょう。そんな状態にもかかわらず、このシーズーは久しぶりに人
5
最新統計速報
にかまってもらえるのが嬉しいのか、盛んに尻尾を振って喜んでい
しかし、洗浄室に運んだそのシーズーを⾒たボランティアの⽅が絶
句してしまいます。そのシーズーは、⽑⽟、というよりも硬い⽪膚
のように固まってしまった被毛、赤くただれた皮膚や肉球、伸びき
った爪、白内障、変形した関節、あちこちに転移した腫瘍など、悪
臭を放つ最悪の状態だったからです。犬の由来を聞かれ、某市から
ました。その姿を⾒て、ボランティアの⽅が涙ぐんでいたのが印象
的です。「虐待ですね...」とぽつり。
ビフォー
それから気を取り直して、まず固まった⽑の処理です。洗っても取
れませんので、まず、カット、というよりも外科手術のように毛の
除去をしていただきました。この時に、⽪膚を切らないようにしな
ければなりません。その後、何回もシャンプーで洗ってから、バリ
カンを入れて、最期に仕上げのカットをしてもらいます。二人掛り
で 1 時間半もかかる作業でしたが、写真のように、すこしシーズー
らしい姿を取り戻すことが出来ました。ボランティアさんは、この
アフター
⽝の⾏く末を⼤変気にしていらっしゃいましたが、幸い、この⽝を
最初に保護していただいた方が、病気を承知の上で飼ってくださる
ということで、職員と喜びを共にしました。
たまたま来ていた別のボランティアさんにこの話をしたところ「そ
んな状態の犬を飼ってくれるなんて、神奈川県⺠の意識もずいぶん
変わったんですね。すばらしいわ。」とおっしゃっていました。こ
のシーズーが今度こそ幸せになることを願っています。
ページ
2
登録ボランティア
通信
センターホームページ情報
平成 24 年度に新たに追加した動物保護センターのホームページの
一部をご紹介します。最初に「保護されている動物の情報」です。
これは、飼っている動物が迷子になり探している方のために、当所
ではなく、県⺠の⽅の⾃宅などで保護されている動物の情報を種類
動物保護センターHP内容
(6.28 現在)
当所で収容した犬の情報
別にネット上で提供するものです。⼩型⽝などは、そのまま⾃宅で
保護していただくケースが多いため、当所の収容情報とともに⾒て
いただくと、飼い主の元に還る確率が⾼くなると思われます。電話
当所で収容した犬・猫以外の動物
での問い合わせが原則ですが、夜中でも確認できることは、ネット
の情報
の便利なところです。次に「当所で収容した⽝・猫以外の動物の情
保護されている動物の情報
迷子動物の飼い主の方、保護され
報」です。当所にインコ、ウサギ、フェレットなどが収容されるこ
た方
とがあるため、情報提供を開始しました。これも、迷子動物対策の
動物取扱業
ひとつです。
特定動物
犬・猫の譲渡
譲渡の関係では、県⺠の⽅にお譲りした⼦⽝・⼦猫・訓練⽝の写真
犬・猫以外の動物の譲渡
の掲載を始めました。これは、どんな動物をお譲りしているのかを
犬のしつけ相談
犬のしつけ教室
⽬で⾒て理解していただける利点があり、新しい飼い主の⽅から
犬の引取り等
も、⼦⽝(猫)のころの写真が⾒られるということで好評です。ま
ふれあい教室
た、収容されたインコ、ウサギ等の新しい飼い主を探すため「犬・
コンパニオンアニマル活動
動物由来感染症について
猫以外の動物の譲渡」のページを設けています。ただし、これらの
ふれあい動物ひろば
動物は現在のところ、ボランティアの皆さんまたは特定の方に引き
鑑札・迷子札・マイクロチップ
取られることが多いのが現状です。
登録ボランティア情報
来所者・⾒学者の⽅々へ
各種リーフレット等
Q&A
⾒学の受け⼊れについて
当所では、県⺠の⽅に現状を知っていただくため、⾒学者を広く受
け入れています。以前は、動物を処分する怖いところというイメー
ジで敬遠される⽅も多かったのですが、現在は、現実をしっかり⾒
ようという方が多いように感じます。このため、原則として写真撮
影を OK としました。⼀⽅で、撮影や⽴ち⼊り場所についてのルー
ルを定め、窓口や HP で周知しておりますので、ボランティアの皆
様が⾒学者を案内されるときには、事前にぜひご⼀読ください。
また、毎年、動物関係の⼤学や専⾨学校、⾼校、中学校、⼩学校の
教育や職業体験の⼀環としての⾒学も多く、これらを通じて若い世
代の愛護意識が少しずつ向上していくことを期待しています。
神奈川県動物保護センター
成犬譲渡への道程
ページ
特定⾮営利活動法⼈ 保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会 理事
3
渡井澄子
約20年前、センターに収容された動物は、飼い主以外、全て殺処分⼜は動物実験⽤に払い下げられ
ていました。従って全国の収容施設に収容された成犬は、第三者である愛護団体への譲渡は全く出来
ない状態でした。しかし、その条例の「収容動物の処分」という項⽬を、センターの職員(獣医)の
⽅が「命を救うことも処分と解釈出来る」との⾒解を持ち、苦労の末、⽔⾯下での譲渡への道が拓か
れたのです。
私が初めて神奈川県動物保護センターを訪れた際に下記のような地獄のような光景を⾒、寝込むほど
のショックを受けたことが今も脳裏に焼き付いています。この様な場所に収容されている⽝たちは、
野犬でとても人間と共存生活が出来ない子たちと思っていましたが、収容され処分される5日目の檻
には明らかに野犬でなく人間に飼われていたと思われる犬たちが沢山いたのです。当時は小型犬も大
型⽝も同じ雑居房に⼊れられていました。1匹の年⽼いたマルチーズが檻の隅に丸くなって、震えな
がらうずくまっていました。また生後3か月位の子犬がポインターに追い回され目の前で首をくわえ
られ、絶叫の末、ガクンと首が垂れてしまいました。早朝センターが開く時間には、外にトラックが
停まっていて、多くの犬たちが「動物実験用」として積み込まれていました。皆、悲しい目をしてい
ました。毎日毎日、子犬・子猫たちが檻に満杯になる程収容され、麻袋に入れられ処分されていきま
した。何匹かの子犬を必至でお願いをし、引き取りましたが、数⽇後には下痢が始まりパルポで死亡
してしまいました。とてもこれでは個⼈の⼩さな⼒でこの活動をすることは不可能と考え、何とか不
幸な動物を救いたい、犬・猫の飼育に関するモラル向上に寄与したいと真剣に考えている個人を結集
し本会が発足しました。
⾃治体から⽝・猫を引き取り、避妊⼿術、ワクチン注射を施したあと⾥親を探すという活動は⼤変責
任の重い活動です。「逃走」「吠え声の苦情」「咬傷事故」が起きないようとても神経を使います。
⽇本全国の収容施設の⽝・猫たちを何とか神奈川県の様に「譲渡」と⾔う形で救ってあげる事が出来
ないか働きかけをしました。その後東京都のセンターも所⻑様のご理解を得て譲渡のレールを引く事
が出来ました。この20年間の中「動物実験払い下げ禁⽌」「定点収集の廃⽌」を訴え、署名を集
め、県知事あて提出もしました。
嵐の中を⾛り回った20年。まだこと半ばですが現在東京都、神奈川県に限っては処分頭数は減少
し、出来る限り「命を延命しよう」と言う方向が実りました。それも犬・猫を飼う人間のモラルの向
上があって叶うことです。当会の今後の目標は「日本一処分頭数ワースト1」の某県を改善出来る様
に20年前に戻った状況下の中で努⼒を続けて⾏く事です。
口のきけない弱い⽴場にいる動物もたった1つしかない⼤切な
命。それを守ってあげる事が出来るのは、私たち「人間」です。
1匹でも多くの動物たちの⼤切な命が、輝ける⽣涯を送れるよう
に切に願っております。(右の写真は、定期的に開催している譲渡会)
ページ
4
登録ボランティア
通信
改正動物愛護管理法
ここでは、今年の9⽉から施⾏される、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」の
改正の要点についてシリーズで出来るだけわかりやすく解説していきます。第二回は、「自治体の
動物の引取り要件について」です。
改正動物愛護管理法の第 35 条では、「都道府県等は、犬又は猫の引取りをその所有者から求めら
れたときは、これを引き取らなければならない。ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた
場合その他の第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる
場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。」
となりました。
下線部分が追加されたわけです。ここでは、前半の引取り義務がなくなったわけではないこと、後
半の最後の部分は「できる。」となっており、「拒否しなければならない。」という義務規定では
ないことに注意が必要です。では、拒否できる場合とは、どのようなケースでしょうか。
改正後の動物愛護管理法施⾏規則では、①⽝猫等販売業者から引取りを求められた場合
を繰り返し求められた場合
②引取り
③子犬又は子猫の引取りを求められた場合であって、当該引取りを求
める者が都道府県等からの繁殖を制限するための措置に関する指示に従っていない場合
猫の⽼齢⼜は疾病を理由として引取りを求められた場合
⑤引取りを求める犬又は猫の飼養が困難
であるとは認められない理由により引取りを求められた場合
猫の譲渡先を⾒つけるための取組を⾏っていない場合
④犬又は
⑥あらかじめ引取りを求める犬又は
⑦前各号に掲げるもののほか、法第七条第
四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として都道府県等
の条例、規則等に定める場合
の 7 つがあげられています。(ただし、⑦については、現時点では県
条例で規定される予定はありません。)
しかし、その前段で「ただし、次のいずれかに該当する場
合であっても、生活環境の保全上の支障を防止するために必要と認められる場合については、この
限りでない。」となっており、仮に①〜⑥に該当したとしても、無条件に拒否できるわけではあり
ません。実務上は、このような複雑な理由を実際の窓⼝でどのように確認するのかなど、まだまだ
課題が多いので、現在、県ではマニュアルの改訂作業を進めています。理不尽な引取りをしないと
いう理想の⼀⽅で、⼀⼈暮らしの⽼⼈が病気になった場合など引取りがやむを得ないと考えられる
ケースもあるため、現場ではかなり難しい判断が必要になるかもしれません。
動物愛護推進員
ご存知かもしれませんが「動物愛護推進員」は、地域における動物愛護や正しい飼い方などの普及
啓発のために、知事が動物愛護管理法に基づき委嘱したボランティアの⽅々です。現在、横浜市な
どを除く神奈川県内では 36 名の⽅が様々な活動をされています。動物の新しい飼い主を⾒つける
ことも活動の⼀つですので、皆様の⼒になっていただけるかもしれません。関⼼のある⽅は、動物
保護センターまたは各保健福祉事務所にお問い合わせください。
神奈川県動物保護センター
ページ
土屋だより
このコーナーでは、センターのある平塚市⼟屋を中⼼とした地域の⾃然、歴史、地理などの地元情報
をお届けします。今回は「遠藤原」です。
動物保護センターは丘陵地の北斜⾯に建っています。ここは、昔は栗畑だったそうで、今も敷地内に
は数本の栗の⽊が残っています。このセンターの斜⾯の上(つまり南側、慰霊碑の後ろ側)には、⼭
が続いていると想像している方が多いかもしれませんが、実は意外な光景があります。まるで北海道
のような一面の畑がどこまでも続く、とても雄大な景色が広がっているのです。ここは、平塚八景に
も選ばれている「遠藤原」といい、地元の人たちは「えんどうっぱら」と呼んでいるようです。セン
ターから富⼠⼭は⾒えませんが、この遠藤原から⾒る富⼠⼭は実にすばらしく、⼀⾒の価値がありま
す。⼟屋の集落からセンターの前を通って、遠藤原の中を中井方面に続く一本道は「小田原みち」と呼
ばれる古道で、途中にある日枝神社付近は、古くからの馬場だったそうです。
また、このあたりは、戦国時代の北条⽒と三浦
氏、北条⽒と武⽥⽒との古戦場であったとの⾔
い伝えがあります。たしかに広々としていて、
いかにも馬が駆け回る合戦の舞台となりそうな
ところです。武⽥信⽞もここから富⼠⼭を⾒た
のでしょうか。
右の写真は動物保護センター南側の畑が広がる遠藤原の
風景です。
会議室の利⽤等について
ボランティアの皆様には、活動におけるミーティング、研
修、講習会等で当所の会議室を無料でお使いいただけます。
ただし、業務で使用しない平日の昼間に限りますので、事前
にご連絡ください。駐⾞場もご利⽤いただけます。また、講
師として当所の職員が関係法令や動物保護センターの業務に
ついてお話しすることもできますので、ご相談ください。会
場が県内でしたら、出張も可能です。
最新統計
平成 25 年 4 月 1 日〜6 月 30 日の相模原市、藤沢市分を含む速報値(犬)
迷子犬の保護 130 頭
飼い主へ返還 59 頭
ボランティアへ譲渡 100 頭
致死処分 0 頭
飼い主から引取り 35 頭
運搬・収容中の死亡 2 頭
県⺠へ譲渡 22 頭
でした。
5
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