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1969年度秋季研究発表会報告 - 日本オペレーションズ・リサーチ学会

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1969年度秋季研究発表会報告 - 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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1969年度秋季研究発表会報告
日本 OR 学会の 1969年秋季研究発表会は,
10月 28,
いわれるが,我々 OR を志すものにとっても職場の
29 の両日,名古屋の愛知県中小企業センタ{におい
人間関係を合理主義にたって見つめることは重要な
て開催された.
課題でもあり,話上手の富田先生の講演はそういっ
大学紛争の影響がどのようにでるか心配される向
きもあったが,研究発表 52 件,
のが 31件,
参加者数も約350名,
た意味で感銘を与えた.
うち大学関係者のも
18時から恒例の懇親会がニューナゴヤホテルで開
まずまずの出足で
催され,約 65 名が参加した.まず,中部支部の小野
ホッとさせられた.
勝次支部長から,“ OR 学会の体質改善が問題にな
しかし,大学関係者のうち常速になっている方々
っているが,学会本来の使命は研究活動にあり,研
の欠席もあり,ま Tこ,ちょっとのぞいて帰られた方
究部会の増設も結構であると思う.大いに実力を養
もあり,あわただしい研究発表会であった.
って欲ししい'旨の御あいさつがあった.次 IL 小林宏
一方, 1972年には IFORS が日本で開催される
治会長の代理として竹田理事から,
“ IFORS の
ものとばかり思っていたものが,ペニスの会議で日
日本開催を断念した事は残念である.どうか国際会
本側から断った直後でもあり,何か緊張したものを
議を日本でやれるような基盤作りをやって欲し L 、"
感じさせられた.
旨の御あいさつがあって,大会実行委員長関和文氏
第
1
日目
第 1 日目は朝の出足も悪く,会場受付の整理にも
の音頭で乾杯し開会された.恒例によりスピーチが
次々と飛び出し,一方名古屋名物のキシメンが会場
に持込まれ,喰気の方も盛んなパーティであった.
手間取ったので,開会が 10分程おくれた.しかし, 11
第
時頃からようやく研究発表会のムードが盛上り,特
l 乙第 2 会場は定員が 120 名であったので,補助椅子
を搬入するなど期待以上の盛会であったといえよう.
最初の特別講演「第 5 回 IFORS 国際会議 l己出
2
日目
2 日目はトップが大西賞受賞者阿部俊一氏の特別
講演「信頼資源の最適配分について」であったため
と思われるが,朝の出足は順調であった.
席して J (原野,松田)は 11時から開催された.前に
阿部俊一氏の特別講演は研究者らしくキチンと整
もふれたように IFORS の東京開催を突如として
理され,しかもわかりやすく説明された.とかく建
断ったいきさつもあり,乙の講演には特に関心がょ
設工事は派手であるのに比べ保全,信頼性の研究は
せられた.
地味であり,研究がおろそかになり勝ちのものであ
原野氏からは東京開催を断った前後の経過と苦心
るが,阿部氏の講演を聞いていると国鉄技術の深さ
の程を話され,結局 1972年はダブリンで開催するこ
を感じさせられた.文句なしにすばらしい講演であ
とになった旨の報告があった.
った.
松田(武)先生からは IFORS の会場スナップを
特別テーマ「経営計画とコンピュータ」に関する
発表は 4 件で少なかった.情報処理の問題と OR を
中心 IL 話された.
やはり東京開催を断念せざるを得なかった最大の
結びつけたテ{マでもあり,まとまった報告となる
理由は大学紛争でもなく,学会の体質とあり方に問
と種々難かしい問題も出てくるので少なかったので
題があり,国際会議を誘致しやりとげるだけの力が
はないか.この機会に情報処理の機械化と OR をよ
ないと判断された事によるものと恩われる.
日本の代表として参加された方々はいろいろと御
り密接に関係づけた研究が一層盛んになって欲しい
と思った.またパネル・ディスカッションについて
改めて“御苦労様でした"
は可成り期待をもって出席した会員も多く,後の感
と申し上げると同時に,国際会議を誘致するにふさ
想もまちまちであった.例えば,“テ~'7' 1こ対して話
わしい実力を如何にして育てるのか,真剣に考えな
の内容は全く外れていた",“テーマから内容的に外
苦労があったと思われ,
れてはいたが,話としては面白かった",“一部の人は
おす必要があると痛感した.
特別講演の 2 番手は「企業における人間の問題 J
意見をのべないままに時間切れで終っている"等で
(名工大富田嘉郎)であった.“企業は人なり"と
ある.時間切れで意見発表の出来なかった人々の意
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.
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1
1
見も加えて編集しなおし,学会誌に発表することに
なっているので,それに期待することとしたい.
第
3
日
行性とて暗室内のほのかな赤色灯の下でうごめく
「ポト」など,珍らしい猿類を約 1 時間にわたって
熱心に見学した後,圏内食堂11:て弁当をとった.
目
食後,同じラインパーク内にある豊沢猿二郎師の
第 3 日目はモンキーセンターと明治村の見学会.
猿11:関する人形,絵画,岩石,その他数万点の貴重
野外のこととて心配された天候もからりとした秋
なコレクションの見学などをして,午後 1 時,再び
晴れで,名古屋市の誇る 100 メートル道路の中央に
パスに乗り, 20分ほどの明治村へ.
17万坪の広大江村内のとととて,三々五々思い思
そびえるテレビ塔直下に集った参加者は 40 名,学会
本部からは矢部理事ほかに来ていただいた.
い IL ,聖ヨハヰ教会,夏目激石邸,学習院々長官舎,
定刻 9 時をかなり遅れた観光パスに幹事役はやき
山梨郡役所,長崎オランダ屋敷,旧制四高教室,神
もき.聞けばパンクとの ζ とで,小さな確率ながら
戸大井肉店,国鉄大井工場など,古きよき時代,明
当事者にとっては大きな影響.それでも車窓11:名古
治の実際の建物を見て廻った.
屋城の金線を眺めて北上すること 30 キロ,左手に東
愉快なものはやはり旧京都市電,札幌郵便局前か
大教授成瀬氏の私有である国宝犬山城,別名「白帝
ら品川灯台を経て,名古屋の歩兵 6 連隊兵舎前まで,
城」を見て犬山市 l 乙入り,ほぽ予定の 10時 30分,モ
わずか 10分足らずで日本一遅くて早い電車.との電
ンキーセンタ -1 乙到着した.
車の開業当時の規則や乗客の風俗,乗務員の労働条
150 名収容の階段講義室にて京大名誉教授・理学
博士・日本モンキーセンター所長の宮地伝三郎先生
件などを明治村の名物車掌君のおもしろおかしい案
内に一同大笑いだった.
詳しく見て廻ればとても時聞が足らず,帰路の予
から動物社会に関するお話を拝聴.アユ,ニワトリ,
猿など豊富な実験観測例による動物の社会現象,特
定もある ζ ととて,午後 4 時 l 乙三 Tこぴパス11:乗って,
にさまざまの情報伝達体系とか,個体の本能からグ
途中,佐藤弘人さんの『はだか随筆』にも紹介された
ループの文化への進化とか,順位による社会秩序と
チン祭で有名な田県神社11:参拝
安定など大変興味深く,
屋駅前の名鉄パス・ターミナル 3 階到着パースに無
OR を学ぶ我々にとっても
5 時少し過ぎ名古
事帰着した.
示唆に富んだ内容で感銘深いものがあった.
観光と学術,そして文化と三位一体,いささか欲
ついで,先生自らと案内いただき,ざっと 70種類
も集められている猿舎を巡回,大きな「オランウー
張った企画の見学会だったが如何でしたでしょうか.
タン」から,ねずみより小さな南米の「マーモセッ
C 参加いた t:: , 、た方々の心の片すみにいつまでも思
ト J ,顔やお尻の赤い日本猿やら,青,
白と美
い出が残れば,幹事役の幸せ,これを過ぎるものは
あるいは夜
ありません以上,中部支部より)
しい毛色のプフリカの「マンドリル J ,
黄,
研究発表会プログラム
(※印発表者)
都立工業短大
1 , 1- 2
1, 1-3
ThresholdQueuew
i
t
hSetupTimes
電電公社
M/G/2D
i
s
c
r
e
t
e
T
i
m
eQueue に関する若干の考察
電電公社
1, 1- 6
ランダム到着ワイブルサ}ビスの待ち行列
防
衛
大
1
1
第 5 回 IFORS 会議に出席して
東芝
1 , 1ー 7
特別講演
1, 1-8
後発電話需要の成長構造について
電電公社
1, 1-9
媒体選択の一つの手法
博報堂
東京工大
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.
治
治
※
広島大
文夫永彦厳允
広島大
B
e
l
tConveyer 11:関連する待ち行列について
正迅秀武
FB 型待ち行列について(つづき)
1, 1- 5
々
1, 1- 4
繁
雄温洋郎郎
目
槻田尾回目井木沢野田崎山
題
有効度に関する考察
大橋村福福松佐中原松川門
講演
発表番号
1, 1-1
3
1
2
Numbero
fC
r
o
s
s
i
n
go
fLabelk t
oaT
o
t
a
l
1, 1-13
F
a
i
l
u
r
eo
faComplexSystem
SomeCommentsonaTwo-unitStandbySystem
1, 1-14
OnaTwo-unitStandbyRedundantSystemwith
1, 1-15
システム・アベイラビリティの最適配分
防
1, 1-16
システムの時間アベイラピリティを最大にする保全要員
防
1, 1-17
有限幾何による Computer 内での直交配列表の発生と
1 , 1-18
特別講演企業における人聞の問題
1, 2- 1
Decompositiono
fMathematicalProgramming
図
中中尾
大大大
城城都
名名京
J
I
I
J
I
I
穂
o
r
利
海
※
1, 1-12
都
夫夫治
再帰過程の予測について
軍軍俊
1, 1-11
益英
システム商品に対する一つのマーケッティング・モテツレ
古浅
1, 1-10
大大
京東
講演題目
発表番号
崎
城戸
大
※※
H
衛
治文一郎文
佐々木
の最適配分
上回
佐々木
篠
沢
昭
富
田
嘉
京
都
大
A
p
p
l
i
c
a
t
i
o
nt
oDiagonalGeometricProgram
基本行列分散の Markov 決定過程への導入について
近
畿
大
三大松桑梅古篠高
Problemv
i
aDynamicProgrammingandi
t
s
日本電気
名古屋工大
二郎
割付
1, 2- 2
尾崎
俊正蕊治正
大大
京
都衛
StandbyF
a
i
l
u
r
e
根久
野勝久
官、武雄
原兵二郎
1 , 2- 3
不確実性の下での計画化と統制の過程の一般的定式化
東京大
1, 2- 4
StoppedD
e
c
i
s
i
o
nP
r
o
c
e
s
s
e
s
九州大
川長太
1, 2- 5
1, 2- 6
BinaryTree
日本電気
沢昭二
電気試験所
木正英
1, 2一 7
土木工事におけるネットワ{ク・プランニングに関する
1, 2- 8
LNG(液化天然ガス)の年間使用計画,日間使用計画お
1, 2- 9
回路設計 l 乙関する OR 的アプロ{チ
三菱電機
1, 2-10
変数組合せの最適探索の一考察(第二報)
国鉄
の座標系について
ジョブ・ショップ・スケジューリングの解法 (2)
研究
京
大
名
攻
佐久良
茂
武実実之
明沢楚口
東京ガス
春
東平三坂坂成
よび貯蔵用タンクの設備投資について
都
沢豊
1, 2-11
DynamicProgramming&S
h
o
r
t
e
s
tRouteProblem
大阪大
1, 2-12
不完備情報のゲ{ムについて
大阪大
口
1, 2-13
二次形式輸送問題について
京都大
久
1, 2-14
多種流輸送問題への Incremental assignment 法の適
日本科学技術
研修所
平
防衛大
松井甲子雄
用例
洋
本
長谷
巌
彰※
1, 2-15
方向性通信網の最適構成
2 , 1- 1
特別講演
国鉄
阿部俊
2, 1- 2
I
te
r
a
t
i
o
n による最小自乗法の解法
大谷技術短大
野田竜夫
2 , 1- 3
A Modelf
o
rOvertakingonaTwo-laneHighway
京都大
長田
博
2 , 1- 4
鉄道における平面交差の支障時間について
中央大
山田
孜
2, 1- 5
航空交通管制シミュレーションのための汎用トラフィツ
電子航法研
仁科光雄※
信頼資源の最適配分について
ク・サンプル発生法
大沼正彦
"
加来信之
2, 1- 6
交通網の最適制御
東京工大
勅使河原可海
2 , 1ー
都市内の交通網計画に関するー考察
名古屋大
河上省吾
7
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.
3
1
3
講演
題
日
貸切パスの配車計画
名古屋鉄道
"
手
光
田
H
H
鉄道における長期経営計画シミュレーション
2, 1-13
パネル・ディスカッション「経蛍計画とコンピュータ」
国
二字
2, 1-12
"
"
"
将
作男義浩
昭和電工
池
輿彰信国治広
三菱電機
経営計画シミュレーション・システム (SLORPS) に
野田手
発想法 (K J 法)への数量化理論の適用
2, 1-11
藤
江
田原藤井野本
目立
坂梶村
経営計画における情報の流れの規定
下篠伊村藤塚
2, 1- 9
2, 1-10
肇貴
<以下 4 篇特別テーマ発表>
ついて
彦諜怜
2, 1- 8
村森岩
発表番号
鉄
話題 1. 叫パネル各社における導入利用の情況
2
. コンピ a ータ活用計画ー一一特に経営計画との関連
和
藤
崇
東邦ガス
名古屋鉄道
A DynamicEconomicLotS
i
z
eModelw
i
t
h
南山大
Backlogging
最適在庫過程の解析的数値的研究
2, 2- 4
補給システムに関する研究
防衛庁
W 一適応、在庫過程
都立工業短大
2, 2- 5
シミュレーションによるパーセント点の推定
中部電力
2, 2- 6
事業所の配置方法について
中部電力
2, 2- 7
相補的プログラミング
2, 2- 8
1
.L
.P
. Iこ対するー考察
回
2, 2- 3
※
神戸商科大
2, 2- 2
寿茂雄男男徳平彦次久
M
u
l
t
i
s
t
a
g
eR
e
j
e
c
tAl
IowanceProblem
光勝慶敏次久庸俊洋洋
男
2, 2- 1
守
光
林木原中木本中木達久
野
本告光
梅沢飯小茂榎田茨天成
トヨタ自工
中部電力
中日新関
東海銀行
彦修彦
旭ーシャイン
文豪治
(座長)
関加水
パネル (ABC 順)
京都大
(11)
電力系統計画における整数計画法の利用
の一方法について
電力中央研
中部電力
電力中央研
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久
※
孝徳孝
2, 2-10
Enumeration
倉本倉
。一1 型整数線型計画に対する Implict
伊榎伊
2, 2- 9
京都大
Fly UP