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「EL ニカヒカ」 2013年3月号(2013年3月11日)(PDF/1.27MB)

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「EL ニカヒカ」 2013年3月号(2013年3月11日)(PDF/1.27MB)
EL ニカヒカ プロジェクト月次ニュース#3
EL ニカヒカ
プロジェクト月次ニュース#3
JICA ニカラグア事務所
2013 年 3 月
北部カリブ沿岸地区帰国研修員協会風景/TAWAN INGNIKA プロジェクト
トピックス
1. 暴力に関する簡易アンケートの開始
1. 暴力に関する簡易アンケートの開始
FOSNAR2 プロジェクト
FOSNAR2 プロジェクト
家族省マナグア第4地区支所と第6地区支所では、ジェンダーの視点を取り入れたサービスを提
供するための活動の一つとして、暴力の経験に関する簡易アンケートを開始しました。
昨年プロジェクトで実施したコミュニティ調査では、暴力の日常化と、特に家庭内の暴力への認識の
低さという課題があげられています。例えば、子どものしつけや、親子・夫婦関係において、何らかの問
2. TINKI PARI(ありがとう)
TAWAN INGNIKA プロジェクト
3. プロジェクト活動報告会
ALIANZA プロジェクト
題が生じた場合、言葉や物理的な暴力を用いると答えた住民が多くいたのです。
現在の家族省の行政サービスとしては、暴力に関する対応は必ずしも規定されていませんが、家族
省が扱う子どもや青少年の問題の背景には、多くの場合暴力の問題があるというのが、技官の実感で
す。
簡易アンケートでは、「最近1週間で、家族の誰かから暴力を受けましたか」という質問を設定し、は
いの場合、それが家族の誰による暴力か、そしてその暴力の種類について答えます。アンケートを通じ、
各地区でどの程度、どのような暴力の問題が存在するのかを把握すること、住民の身近にある暴力のリ
スクについて考えてもらう機会とすること、そして家族省が果たすべき役割は何かを皆で考えていきたいと
4. サシガメ退治が本格的に開始!
CHAGAS プロジェクト
5. 第1回教員養成校教員への研修実施
PROMECEM2 プロジェクト
6.農家を対象とした教材の作成
INTA プロジェクト
思います。
写真 2:第 4 地区支所でアンケートを記入する住民
民
紙
写真1:記入済のアンケート用紙
写真 2:TINKI PARI
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EL ニカヒカ プロジェクト月次ニュース#3
2. TINKI PARI(ありがとう)
TAWAN INGNIKA プロジェクト
プロジェクトの実施母体はプエルトカベサス市農村開発委員会で、その最高
責任者が市長です。今までの市長は、サンディニスタ民族解放戦線
(FSLN)の市長でしたが、今回選出された市長は地元の政治組織の
YATAMA です。市長は、レイナルド・フランシス氏で、元自治政府の知事で
す。副市長のアニシア・マタモラ女史は元学校の先生です。新しい市長と副市
写真 1:市長等との打ち合わせ風景
長に、プロジェクトのこれまでの活動を説明し、今後も共に活動を続けるための
打ち合わせを行いました。我々の活動の、物を与える活動ではなく、「技術協
力」という方法は、なかなか理解できないようでしたが、今回の説明で、活動の
目的とこれまでの成果を理解していただき、良い感触を持ってもらえました。さ
らに彼らは自治政府知事と同じ YATAMA の所属なので、これからはもっと自
治政府との関連を持って活動する機会も増えるでしょう。
2009 年 3 月に始まったこのプロジェクトも、4 年の本期間と 1 年の延長期
間を無事終えることができました。プロジェクト修了式といっても、我々が担当
する期間が終わったということであって、関係機関の活動は今後引き続いて実
写真 2:TINKI PARI(ありがとう)
施されます。この 5 年間で、プロジェクトが指導したプロモーターは 120 名以
上、さらに彼らのモデル農民たちも 600 名以上になりました。彼らを代表して
3 名のプロモーターから我々の活動の思い出話をしてもらいました。そして最後
3. プロジェクト活動報告会
はプロジェクトリーダーの御礼の言葉でした。もちろん最後は「TINKI PARI
ALIANZA プロジェクト
(ミスキート語でありがとう)」で締めくくられました。
2013年2月20日にニカラグア自治大学(UNAN)でプロ
ジェクト活動の報告会を行いました。この催しの目的には 3 つありまし
た。1 つ目は対外協力機関に広く Alianza Comunitaria の手法
を知らしめる、2 つ目は広く国民に Alianza Comunitaria の結果を
知らしめる、3 つめは政府中央に Alianza Comunitaria の活動を
認知してもらう事でした。
INTA 副長官の Miguel Obando さんがプロジェクトの概要を、
UNAG の会長 Arvalo Fiallo さんが Alianza Comunitaria の歴
写真1:多くのテレビ局の取材を受ける
写真 2:会場の外で行われた消費品の展示即売会
史を語りました。そして、プロジェクトのメンバーが自己啓発と組織作り
(MMO),参加型農村調査(DPC),プロジェクトの形成(EPP)
について説明しました。最後に JICA 大木所長のスピーチで締めを飾
りました。
この催しには 300 名近い人が集まり、各コミュニティーから農産物も
出品され、同会場で展示とともに販売もされました。多くのテレビ局や
ラジオ局の取材をうけ、宣伝効果が大きな催しとなりました。最も大き
な成果はサンディニスタ党の次期大統領候補、国立農科大のテレマコ
学長が参加し国の方針と政策を説明し、その中に占める人間開発の
重要性と Alianza Comunitaria の必要性が話されたことでした。
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EL ニカヒカ プロジェクト月次ニュース#3
4. サシガメ退治が本格的に開始!
CHAGAS プロジェクト
日本の見返り資金予算を投入し、アタックフェーズ(殺虫剤を散布しサシガ
メ生息率を下げる)が本格的に再開しました。今後 3 か月間で計画されて
いる殺虫剤散布家屋数は、北部 5 県で約 41,500 家屋に上り、計 2 回の
散布でサシガメの生息家屋率を 5%以下に抑えることを目標としています。こ
の家屋数は、プロジェクト実施のベースライン調査によりリスク地域に特定され
写真1:現場で散布員に継続的な指導をおこなう。
(エステリ県コンデガ市)
た集落における家屋数です。
2013 年保健省始業日の 1 月 7 日に、マタガルパ県とエステリ県から殺虫
剤散布が開始されました。プロジェクトは、散布に必要な資材やデータ記録様
写真 2:殺虫剤の使用等、保健省本省や県保健局がスー
パーバイズをおこなう。(エステリ県リマイ市)
式を支援する他、散布の効果と質を保つために、散布研修や OJT(On
the Job Training)をおこなっています。
また、散布のため訪問した家屋ごとにサシガメ監視の啓発活動(予防やサ
シガメ届出等)も実施しています。各市の保健センター及び保健ポストにサシ
ガメ回収箱を設置、ESAFC(家庭・コミュニティ保健チーム)に対してのシャー
ガス病監視研修も開催しています。
写真1:メモを取りな
がら、真剣に発表を聞
く研修参加者。着用
の T シャツはプロジェ
クト作成のもので、背
5. 第1回教員養成校教員への研修実施
面に算数の問題、もし
PROMECEM2 プロジェクト
正答でなければ
2月18日から21日の日程で、教員養成校の数学教員、附属小学校の教
PROMECEM2 に相
員、指導主事を対象に研修を実施しました。内容は大きく2つ。一つは11月実施
談してくださいとの文
の学生テストの結果分析、もう一つは教員用授業ガイドに関する算数と指導法の研
章が入っています。
修です。
テスト結果はお世辞にも良いものとは言えなかったため、当初は教員の反応に不安
を抱いていましたが、「改善ポイントを知るために学校ごとのテスト結果が欲しい。」と
要求するなど、真摯に結果を受け止めてくれました。また、教員による分析の結果、
写真 2:理解するまで教え
合う姿が多く見られました。
ほぼプロジェクトの分析通りとなり、特に基礎演算の強化について認識を共有しまし
た。
算数とその指導法については、今後改善すべき内容を精選して行いました。途中
3時間に渡る停電の影響もあり、一部内容については理解・議論を深められなかっ
たことは今後への反省材料ですが、簡素版研修事後テストの結果では教員養成校
教員で正答率 88.7%、その他の参加者で 72.3%を達成することができました。
研修修了後はすぐに CP 自ら反省会を企画し、プレゼンテーションの工夫や改善、発
問の重要性などを確認しました。次は3月に指導主事を対象に研修を行います。ど
の程度反省が生かされるか楽しみです。
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EL ニカヒカ プロジェクト月次ニュース#3
写真1:コミック調技術マニュアル
(上)農薬の正しい使用法
(下)土壌改善における有機肥料の効能
6.農家を対象とした教材の作成
INTA プロジェクト
古くから「行く・逃げる・去る」と言われますが、特にこの年度末は慌ただしく時間
が過ぎています。それは同時に、3 月 30 日のプロジェクト終了日が刻々と近づ
いてきていることを意味しています。
昨年、プロジェクト実施対象地域において、プロジェクトの裨益者である小規模
農家を対象に聞取り調査を行い、プロジェクトを通して普及した持続的農業技
術の定着度および波及状況を調べました。そして、調査結果を基に、どの技術が
農家に受入れられ、更に、農家がその技術に対する理解・習得度を上げ、近隣
地域へも波及させて行くには何が必要かをカウンターパトと共に検討しました。
その結果、小規模農家レベルにおける技術の定着および波及の促進のために
は、土中での微生物の働きなど普通は目で見ることが出来ないものを、視覚化
し、その理解を手助けするような教材の作成が重要であるとされました。
そこで、現在、当プロジェクトでは、プロジェクト活動の柱である「持続的農業技
術の開発・導入」、「小規模農家に対する持続的農業技術の普及」に関する活
動の取りまとめの一環として、教材作成を重点的に行っています。
写真 2:持続的農業技術ポスター
EL ニカヒカ
プロジェクト月次ニュース#3
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TEL: (505) 22707229, 7231, 7233
Email: [email protected]
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