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JA紀の里 しゃくやく部会の市場との連携
平成 22 年秋号 和歌山県 JA 花き情報 JA 紀の里 しゃくやく部会の 市場との連携 JA 紀の里 営農生活部 営農指導課 営農指導員 森山 直紀 1.はじめに JA 紀の里しゃくやく部会は現在 71 戸の 生産農家で部会運営しています。 和歌山県のしゃくやくの販売は、県下 一元の部会を組織し共同販売していま す。 平成 22 年3月から5月の県下の出荷本 数は 431,730 本、そのうち JA 紀の里産は 381,690 本と 88%を占めます。よって県し ゃくやく部会の活動も当部会が率先して 参加しています。 今回は、本年産におけるしゃくやくにつ いての活動をご報告致します。 2.背 景 しゃくやくは咲きかけの蕾状態で出荷し ますが、その判断は時期・品種でも異なり 規格の統一が難しい品目です。 市場からは以前より「市場に着荷した状 態で咲き過ぎている」との指摘が特に目立 ち、生産圃場でも採花のわずかな時間の 遅れで咲いてしまったものは出荷できなく なってしまいます。逆に蕾が固すぎるとい う指摘は極少なかった為、少しずつ切り前 が固めになっていきました。 現場では「固すぎるものが販売先で綺 麗に開花しているのか?」という疑問もあり ました。 3.対 応 「しゃくやくをきれいに咲かせる方法は ありますか?」そんな花屋さんの声が聞こ え始めたのは数年前のこと。しゃくやくの 切り前の見直しが必要になってきました。 市場と連携し、特に切り前が難しい品種 「ラテンドレス」について、やや咲かせ気味 第 315 号(7) の商品を「ブルームラテン」と規格し評価 を伺ったところ非常によい反応を頂きまし た。しゃくやくの切り前について見直す足 掛かりになればと考えています。 また、㈱なにわ花いちばで定期的に行 われている花屋さんの自主的な勉強会へ の参加を提案いただき、和歌山産のしゃく やくについての意見交換を行いました(写 真1)。 写真1 勉強会の様子 そのなかで花屋さんより「早く綺麗に咲 かせる方法は?」「咲きやすい品種・咲き にくい品種は何か?」「品種・個体によっ て水揚げが悪いものがある」「現場の栽培 の様子は?」などの質問や意見を頂き、こ ちらからも「購入後、どれくらいで咲くのを 望むか ?」 「ど の よ う な色の も の が よ い か?」などの意見を交わし、夜の8時から 始まった勉強会は 11 時過ぎまで至りまし た。 4.今 後 花屋さんのしゃくやくへの興味の強さ・ 熱心さからより信頼のあるものをお届しな ければならないと改めて痛感しました。 出荷期には毎日荷受け時の検査に加 え、毎週の検査員の目合わせ等を行って いますが、花屋さんの要望・熱意を各生 産者まで浸透させなければと感じていま す。全国でも他にない洋しゃくやくの早期 出荷の産地として、今後も市場と連携して 振興したいとおもいます。